JP3171032B2 - エンジンの水油熱交換装置 - Google Patents

エンジンの水油熱交換装置

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JP3171032B2
JP3171032B2 JP27260494A JP27260494A JP3171032B2 JP 3171032 B2 JP3171032 B2 JP 3171032B2 JP 27260494 A JP27260494 A JP 27260494A JP 27260494 A JP27260494 A JP 27260494A JP 3171032 B2 JP3171032 B2 JP 3171032B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンの冷却装置
の冷却水と潤滑装置のオイルとの熱交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの冷却装置として、例えば図3
3に示すようなものがある。ウォータポンプ1からの冷
却水は、シリンダブロック2、シリンダヘッド3のウォ
ータジャケット4,5を流れ、サーモスタット6の開閉
に応じてアウトレット7,8からラジエータを通りある
いはラジエータをバイパスして、ウォータポンプ1の入
口に戻る回路を循環している。
【0003】一方、エンジンの潤滑装置として、オイル
パンのオイルをオイルポンプが吸上げ、各摺動部に送る
ものがあり、図34のようにシリンダブロック2のウォ
ータジャケット4の直下方に、オイルを導くオイルギャ
ラリ9が通っている。このオイルギャラリ9を通る際に
オイルはウォータジャケット4の冷却水と熱交換を行
い、エンジンの高温時にも適正な油温を保つようになっ
ている(社団法人自動車技術会 1990年12月1日
発行 自動車技術ハンドブック 第1分冊等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、エンジンのフリ
クションの低減を図るため、ウォータジャケットを浅底
化することが考えられている。これは、シリンダブロッ
クのウォータジャケットをシリンダ容積部つまりピスト
ンが下死点にあるときのピストンリング位置に略相当す
る部位までの浅底形状にすることで、シリンダ壁温を高
維持してフリクションを低減するのである。
【0005】しかし、このようにすると、ウォータジャ
ケットが下方のオイルギャラリから離れてしまい、ウォ
ータジャケットの冷却水とオイルギャラリのオイルとの
熱交換を期待できなくなる。
【0006】この場合、始動直後のようなエンジン低温
時には、油温の上昇が遅れてかえってフリクションの増
加を招いたり、高回転運転時のようなエンジン高温時に
は、油温(平衡油温)が過度に上昇しかねないのであ
る。
【0007】また、ウォータジャケットを浅底化した場
合、シリンダブロックの剛性等に影響する。シリンダブ
ロックの構造壁が少なくなる分、剛性等が低下すること
になる。
【0008】また、オイルポンプからのオイルはオイル
フィルタ等を通して送るのであるが、そのオイルフィル
タ等の配置が良くないと、シリンダブロックのオイルギ
ャラリ等との接続を行いにくくなる。
【0009】この発明は、冷却水とオイルとの良好な熱
交換を可能にすると共に、剛性等の向上を図り、構造を
簡素化することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ウォータ
ジャケットの冷却水をウォータポンプを介して循環する
循環経路を設けた冷却装置と、オイルポンプからのオイ
ルを各摺動部等に導く潤滑装置とを備えるエンジンにお
いて、シリンダブロックのウォータジャケットをピスト
ンが下死点にあるときのピストンリング位置に略相当す
る部位までの浅底形状に形成する一方、そのウォータジ
ャケットの下方にシリンダ列方向に冷却水を通す水通路
を、潤滑装置のオイル通路に隣接して形成する。
【0011】第2の発明は、第1の発明における水通路
は、冷却装置の循環経路に設けたラジエータのバイパス
通路である。
【0012】第3の発明は、第2の発明におけるバイパ
ス通路には、サーモスタットがラジエータ通路を開いた
ときにも冷却水の一部が流れるようになっている。
【0013】第4の発明は、第1の発明における水通路
は、冷却装置の循環経路に設けたラジエータの入口通路
である。
【0014】第5の発明は、第1の発明における水通路
は、冷却装置の循環経路に設けたラジエータの出口通路
である。
【0015】第6の発明は、第1の発明におけるオイル
通路は、オイルポンプからのオイルをクランク軸の軸受
部に導く通路である。
【0016】第7の発明は、第1、第6の発明における
オイル通路の下流は、リリーフバルブを介してオイルポ
ンプの吸込み側につながる。
【0017】第8の発明は、第1、第6の発明における
オイル通路の入口部にオイルの流量を制御する制御バル
ブを設け、オイル通路の下流はリリーフバルブを介して
オイルポンプの吸込み側につながる。
【0018】第9の発明は、第1の発明における水通路
を、オイル通路に対してエンジン外方側に設ける。
【0019】第10の発明は、第1の発明における水通
路を、シリンダブロックのスカート開始点付近に設け
る。
【0020】第11の発明は、第1の発明における水通
路は、シリンダブロックのスカート開始点付近からスカ
ート中央付近に達する断面形状を持つ。
【0021】第12の発明は、第1の発明における水通
路を鋳抜きにより形成し、オイル通路をドリル加工によ
り形成する。
【0022】第13の発明は、第1の発明における水通
路とシリンダヘッドのウォータアウトレットとを結ぶ連
通路を1つ以上形成し、この連通路の外壁がシリンダブ
ロックの縦方向のリブを成し、水通路の外壁がシリンダ
ブロックの横方向のリブを成す。
【0023】第14の発明は、第13の発明における連
通路をシリンダボア間に形成する。
【0024】第15の発明は、第8の発明における制御
バルブをエンジンフロントカバーに内蔵すると共に、オ
イルフィルタの取付フランジをエンジンフロントカバー
に形成する。
【0025】第16の発明は、第15の発明において、
オイルポンプからオイルフィルタ、制御バルブへの油路
をエンジンフロントカバーに形成する。
【0026】第17の発明は、第8の発明における制御
バルブをオイルパンまたはそのラダーフレームに内蔵す
ると共に、オイルフィルタの取付フランジをオイルパン
またはそのラダーフレームに形成する。
【0027】第18の発明は、第17の発明において、
少なくともオイルフィルタと制御バルブとを結ぶ油路を
オイルパンまたはそのラダーフレームに形成する。
【0028】
【作用】第1の発明では、浅底化したウォータジャケッ
トの下方に水通路を潤滑装置のオイル通路に隣接して形
成したため、オイルがオイル通路を通る際に水通路の冷
却水と熱交換が行われる。
【0029】第2の発明では、前記水通路にラジエータ
をバイパスする冷却水が流される。このため、エンジン
の低温時にウォータジャケットの水温上昇に伴い、オイ
ルが速やかに昇温される。
【0030】この場合、第3の発明のように、水通路に
サーモスタットがラジエータ通路を開いたときにも冷却
水の一部が流れるようにすることで、エンジンの高温時
にオイルの温度の上昇が抑えられる。
【0031】第4の発明では、前記水通路にラジエータ
に向かう冷却水が流される。このラジエータへの冷却水
によってオイルが熱交換され、エンジンの高温時にオイ
ルが所定温度に維持される。
【0032】第5の発明では、前記水通路にラジエータ
を通った冷却水が流される。このため、所定低温の冷却
水によってオイルが熱交換され、エンジンの高温時にオ
イルが所定温度に維持される。
【0033】第6の発明では、オイルポンプからクラン
ク軸の軸受部に送られるオイルが水通路の冷却水と熱交
換される。
【0034】第7の発明のように、オイル通路の下流を
リリーフバルブを介してオイルポンプの吸込み側につな
げると、オイル通路に要求量のオイルを通すことが可能
になり、冷却水との良好な熱交換が得られる。
【0035】第8の発明のように、オイル通路の入口部
にオイルの流量を制御する制御バルブを設け、オイル通
路の下流をリリーフバルブを介してオイルポンプの吸込
み側につなげると、各摺動部に所定量のオイルを供給し
ながらオイル通路に要求量のオイルを通すことが可能に
なり、冷却水との要求通りの熱交換が得られる。
【0036】第9の発明では、前記水通路をオイル通路
に対してエンジン外方側に設けるので、オイル通路から
クランク軸の軸受部への通路形成が容易になる。
【0037】第10の発明では、前記水通路をシリンダ
ブロックのスカート開始点付近に設けるので、ウォータ
ジャケットを浅底化した場合のスカート開始点付近の剛
性の低下が防止される。
【0038】第11の発明では、前記水通路をシリンダ
ブロックのスカート開始点付近からスカート中央付近に
達する断面に形成するので、クランクケース内壁に沿う
オイルの流れとの熱交換も行える。
【0039】第12の発明では、前記水通路を鋳抜きに
より形成し、オイル通路をドリル加工により形成するの
で、生産性が良く、両通路を隣接形成できる。
【0040】第13の発明では、シリンダブロックの外
壁部に水通路と連通路の各外壁によって縦横にリブを成
すので、シリンダブロックの高い剛性および良好な音振
性能が得られる。
【0041】この場合、第14の発明のように、連通路
をシリンダボア間に形成することで、より音振性能等が
向上されると共に、連通路がシリンダヘッド各部に供給
されたオイルをオイルパンへと戻すオイル落とし通路と
近接することになり、そのオイルとの熱交換も行える。
【0042】第15の発明では、第8の発明における制
御バルブをエンジンフロントカバーに内蔵すると共に、
エンジンフロントカバーにオイルフィルタの取付フラン
ジを形成するので、オイルポンプ、オイルフィルタ、制
御バルブおよびオイル通路の接続が容易になり、構造が
簡素化する。
【0043】この場合、第16の発明のように、オイル
ポンプからオイルフィルタ、制御バルブへの油路をエン
ジンフロントカバーに形成することで、エンジンフロン
ト側の構造がより簡素化する。
【0044】第17の発明では、第8の発明における制
御バルブをオイルパンまたはそのラダーフレームに内蔵
すると共に、オイルフィルタの取付フランジをオイルパ
ンまたはそのラダーフレームに形成するので、制御バル
ブならびにオイルフィルタの取付けが容易になる。
【0045】この場合、第18の発明のように、少なく
ともオイルフィルタと制御バルブとを結ぶ油路をオイル
パンまたはそのラダーフレームに形成することで、構造
がより簡素化する。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0047】図1のように、エンジンの冷却構造は、エ
ンジンフロント側に設置されたウォータポンプ10から
の冷却水が、シリンダブロック11のウォータジャケッ
ト12に送られて、エンジンリア側に流れながら、その
ウォータジャケット12の上部に設けられた各開口より
シリンダヘッド13のウォータジャケット14に流入さ
れる。シリンダヘッド13のウォータジャケット14に
流入された冷却水は、ウォータジャケット14をエンジ
ンリア側に流れて、アウトレット15,16からジャケ
ット外に流出される。
【0048】シリンダブロック11のウォータジャケッ
ト12は、図2のように浅底形状に、即ちシリンダ壁温
を高温に維持してフリクションの低減を図るために、ピ
ストンが下死点にあるときのピストンリング位置に略相
当する部位までの浅底形状に形成される。
【0049】ウォータジャケット14の一方のアウトレ
ット15にはラジエータの入口通路17が接続され、他
方のアウトレット16にはラジエータのバイパス通路1
8が接続される。
【0050】バイパス通路18には、アウトレット16
に連通路20を介して接続されると共に、シリンダブロ
ック11に図2のようにウォータジャケット12の下方
のスカート部21の開始点付近にて、シリンダ列方向に
水通路22が形成される。水通路22は、後述するメイ
ンギャラリに近接してエンジン外方側に形成される。
【0051】水通路22の下流の戻り通路23およびラ
ジエータの出口通路24は、サーモスタット25を介し
てウォータポンプ10の入口側通路26に接続される。
【0052】このサーモスタット25には、図3のよう
に戻り通路23を常にウォータポンプ10の入口側通路
26に連通する所定の開口27が設けられる。即ち、図
4に示すように、冷却水温が所定値以下でサーモスタッ
ト25により戻り通路23が開かれた状態(ラジエータ
の出口通路24が閉じられた状態)では、シリンダブロ
ック11、シリンダヘッド13のウォータジャケット1
2,14を通った冷却水のほぼ全量が水通路22に流さ
れ、冷却水温が高くサーモスタット25によりラジエー
タの出口通路24が開かれた状態では、シリンダブロッ
ク11、シリンダヘッド13のウォータジャケット1
2,14を通った冷却水の大部分がラジエータに導かれ
る一方、開口27を介してその一部の冷却水が水通路2
2に流される。
【0053】水通路22の外壁28は、図5のようにシ
リンダブロック11の横方向のリブを成すように形成さ
れる。水通路22とシリンダヘッド11のアウトレット
16とを接続する連通路20は、1つ以上設けられると
共に、その連通路20の外壁30はシリンダブロック1
1の縦方向のリブを成すように形成される。連通路20
はシリンダボア31間に形成される。
【0054】なお、32は車室暖房用のヒータコアに通
じるヒータ通路である。
【0055】図6は潤滑装置の送油系統を示し、33は
オイルパン、34はエンジンにより駆動されるオイルポ
ンプである。
【0056】オイルポンプ34より吐出されたオイル
は、オイルフィルタ(図示しない)を通して、シリンダ
ヘッド13側のヘッドギャラリ35、クランク軸系のメ
インギャラリ36に送られる。
【0057】ヘッドギャラリ35に送られたオイルは、
動弁系のカム、カムジャーナル、吸排気バルブのハイド
ロリックラッシュアジャスタ等に供給される。
【0058】メインギャラリ36に送られたオイルは、
クランク軸のメインベアリングならびに軸内部のオイル
孔からコンロッドベアリング等に供給されるが、このメ
インギャラリ36は、図2のようにシリンダブロック1
1にスカート部21の開始点付近(前記水通路22が近
接する)にてシリンダ列方向に設けられ、それぞれ所定
の位置に形成される供給路37を介してメインベアリン
グ側に接続される。
【0059】オイルポンプ34の吐出側通路38にはリ
リーフ通路40が設けられ、オイルポンプ34の吐出圧
が所定値以上のときにリリーフ通路40のリリーフバル
ブ41が開いてリリーフオイルが吸込み側に戻される。
【0060】前記メインギャラリ36はドリル加工によ
り形成され、前記水通路22、連通路20(シリンダブ
ロック部分)等はシリンダブロック11と一体鋳造(鋳
抜き)により形成される。
【0061】水通路22は、この場合図7に示すように
シリンダブロック11のスカート部21の開始点付近か
らスカート部21の中央付近に達する通路断面を持つよ
うに形成しても良い。
【0062】このような構成のため、オイルポンプ34
より吐出されたオイルは、オイルフィルタを介してヘッ
ドギャラリ35、メインギャラリ36に送られる。
【0063】ヘッドギャラリ35のオイルは、動弁系の
カム、カムジャーナル、吸排気バルブのハイドロリック
ラッシュアジャスタ等に供給され、これらの潤滑等を終
えたオイルは、シリンダヘッド13、シリンダブロック
11に形成されたオイル落とし通路42(図5参照)を
介してオイルパン33に戻される。
【0064】メインギャラリ36のオイルは、メインギ
ャラリ36を通る際に隣接する水通路22の冷却水と熱
交換されると共に、供給路37からクランク軸のメイン
ベアリングならびに軸内部のオイル孔を通ってコンロッ
ドベアリング等に供給され、潤滑した後、オイルパン3
3に戻される。
【0065】ここで、水通路22にはシリンダブロック
11、シリンダヘッド13のウォータジャケット12,
14を通った冷却水が流れる一方、ウォータジャケット
12を浅底化したエンジンでは、エンジン始動後冷却水
温が速やかに上昇する。
【0066】このため、暖機運転時にオイルを速やかに
昇温でき、ウォータジャケット12の浅底化とによりフ
リクションを大幅に低減できる。
【0067】一方、エンジンの高温時には冷却水の大部
分がラジエータを通り、そのため水通路22を流れる冷
却水はほぼ平衡した温度となる。
【0068】したがって、オイルを冷却でき、高温高回
転運転時にオイルの温度が高くなり過ぎることがなく、
適正な平衡油温に維持できる。
【0069】この場合、油量の多いクランク軸系のメイ
ンギャラリ36のオイルを熱交換させるので、熱交換を
良好に行える。
【0070】また、水通路22を鋳抜きによって、メイ
ンギャラリ36をドリル加工によって形成するので、両
通路22,36の間隔を狭めることができ、高い伝熱性
が得られる。両通路22,36を鋳抜きにより形成する
のでは、2重の中子が必要となって生産性が悪化する
上、鋳造精度からくる中子間の肉厚制限によって、両通
路22,36の間隔を狭めることが困難になる。
【0071】また、水通路22がメインギャラリ36に
対してエンジン外方側にあるので、メインギャラリ36
からクランク軸のメインジャーナル側への供給路37の
形成が容易になる。
【0072】また、水通路22をシリンダブロック11
のスカート部21の開始点付近に設けたので、その壁構
造によってウォータジャケット12の浅底化に対してス
カート部21の開始点付近の剛性の低下を防止できる。
【0073】また、水通路22の外壁28と連通路20
の外壁30とによってシリンダブロック11の外壁部に
縦横にリブを形成したので、シリンダブロック11の曲
げおよびねじれ剛性が向上すると共に、音振性能が良好
になる。
【0074】また、この場合連通路20をシリンダボア
31間に形成することで、音振性能等がより向上すると
共に、連通路20がシリンダヘッド13側から潤滑等を
終えたオイルをオイルパンへと戻すオイル落とし通路4
2に近接して、そのオイルとの熱交換も行え、効率が良
くなる。
【0075】また、図7のように水通路22をシリンダ
ブロック11のスカート部21の開始点付近からスカー
ト部21の中央付近までの通路断面に形成すると、クラ
ンクの振れ回り等によって飛散してクランクケース内壁
(スカート部内壁)43に沿う壁流となってオイルパン
33に戻るオイルとの熱交換を積極的に行え、熱交換を
十分促進できる。
【0076】図8は潤滑装置の送油系統の別の例を示
す。
【0077】オイルポンプ34の吐出側通路38にオイ
ルフィルタ(図示しない)の下流に接続してオイルをク
ランク軸系に送るメインギャラリ36を、前述の実施例
と同様にシリンダブロック11の水通路22に隣接、形
成して、オイルと冷却水との熱交換を行うのであるが、
この場合そのメインギャラリ36の下流にリリーフバル
ブ44を設けたリリーフ通路45を形成して、リリーフ
通路45を介してオイルポンプ34の吸込み側に接続し
ている。
【0078】オイルポンプ34からのオイルは、ヘッド
ギャラリ35、メインギャラリ36に送られると共に、
その吐出圧が所定値以上になると、メインギャラリ36
の下流のリリーフ通路45のリリーフバルブ44が開
き、メインギャラリ36を介してリリーフオイルがオイ
ルポンプ34の吸込み側に戻される。即ち、エンジンの
回転が高いときほどメインギャラリ36に多量のオイル
が流される。
【0079】このようにすれば、油温が高くなるエンジ
ン高回転運転時にオイルと冷却水との十分な熱交換を行
える。
【0080】なお、リリーフ通路45はメインギャラリ
36と同様に水通路22に近接して形成しても良い。
【0081】図9は潤滑装置の送油系統のさらに別の例
を示す。
【0082】オイルポンプ34の吐出側通路38にオイ
ルフィルタ(図示しない)の下流に接続してオイルをク
ランク軸系に送るメインギャラリ36を、前述の実施例
と同様にシリンダブロック11の水通路22に隣接、形
成して、オイルと冷却水との熱交換を行うと共に、メイ
ンギャラリ36の下流にリリーフバルブ44を設けたリ
リーフ通路45を形成して、リリーフ通路45を介して
オイルポンプ34の吸込み側に接続するが、この場合そ
のメインギャラリ36の入口部にオイルの流量を制御す
る制御バルブ46を設けている。
【0083】制御バルブ46は、最小流量を保つオリフ
ィス部47とオイルポンプ34の吐出圧に応じて流路を
開く弁部48からなる。
【0084】この制御バルブ46を設ければ、オイルポ
ンプ34の吐出量がそれほど多くないエンジン低回転時
からヘッドギャラリ35側に所定量のオイルを供給で
き、エンジン回転の上昇に伴ってメインギャラリ36側
に要求量のオイルを供給できると共に、油温がある程度
高くなり始める運転時にオイルと冷却水との熱交換を効
率良く行え、エンジン高回転時に熱交換を十分に行え
る。
【0085】なお、図示してないが、各実施例中、ピス
トン摺動部にオイルジェットからオイルを噴出するため
のオイルジェット通路はメインギャラリ36が兼ねるよ
うに形成しても良い。
【0086】図10、図11はシリンダブロック11に
形成した水通路50をラジエータの入口側通路にした例
である。
【0087】エンジンフロント側のウォータポンプ10
からの冷却水が、シリンダブロック11のウォータジャ
ケット12に送られてエンジンリア側に流れ、そのウォ
ータジャケット12の上部に設けられた開口よりシリン
ダヘッド13のウォータジャケット14に流入される。
シリンダヘッド13のウォータジャケット14に流入さ
れた冷却水は、エンジンリア側からフロント側に流れ
て、アウトレット51からジャケット14外に流出され
る。
【0088】アウトレット51は2つに分流されて、一
方が戻り通路52に接続され、他方が連通路53を介し
て、シリンダブロック11にウォータジャケット12の
下方のスカート部21の開始点付近にてシリンダ列方向
に形成された水通路50に接続される。水通路50は、
潤滑装置のメインギャラリ36に近接してエンジン外方
側に形成されている。(前図2等参照)。
【0089】水通路50の下流はラジエータの入口通路
54に接続され、ラジエータの出口通路55および前記
戻り通路52は、サーモスタット56を介してウォータ
ポンプ10の入口側通路26に接続される。
【0090】即ち、図11のように冷却水温が所定値以
下でサーモスタット56により戻り通路52が開かれた
状態(ラジエータの出口通路55が閉じられた状態)で
は、シリンダブロック11、シリンダヘッド13のウォ
ータジャケット12,14を通った冷却水のほぼ全量が
戻り通路52からウォータポンプ10に戻され、冷却水
温が高くサーモスタット56によりラジエータの出口通
路55が開かれた状態では、シリンダブロック11、シ
リンダヘッド13のウォータジャケット12,14を通
った冷却水のほぼ全量が水通路50に流され、ラジエー
タに導入されてその出口通路55を介してウォータポン
プ10に戻される。
【0091】したがって、エンジンの高温時に水通路5
0に冷却水が十分に流れるため、メインギャラリ36の
オイルとの熱交換を促進でき、前図1の例に比較してよ
り適正な平衡油温を確保できる。
【0092】図12、図13はシリンダブロック11に
形成した水通路57をラジエータの出口側通路にした例
である。
【0093】エンジンフロント側のウォータポンプ10
からの冷却水が、シリンダブロック11のウォータジャ
ケット12に送られてエンジンリア側に流れ、そのウォ
ータジャケット12の上部に設けられた開口よりシリン
ダヘッド13のウォータジャケット14に流入される。
シリンダヘッド13のウォータジャケット14に流入さ
れた冷却水は、エンジンリア側からフロント側に流れ
て、アウトレット58からジャケット14外に流出され
る。
【0094】アウトレット58は2つに分流されて、一
方に戻り路60が形成され、他方にラジエータの入口通
路61が接続される。
【0095】ラジエータの出口通路62には、導入路6
3を介して、シリンダブロック11にウォータジャケッ
ト12の下方のスカート部21の開始点付近にてシリン
ダ列方向に形成された水通路57が接続される。水通路
57は、潤滑装置のメインギャラリ36に近接してエン
ジン外方側に形成されている(前図2等参照)。
【0096】水通路57の下流の連絡路64および前記
戻り路60は、サーモスタット65を介してウォータポ
ンプ10の入口側通路26に接続される。
【0097】即ち、図13のように冷却水温が所定値以
下でサーモスタット65により戻り路60が開かれた状
態では、シリンダブロック11、シリンダヘッド13の
ウォータジャケット12,14を通った冷却水のほぼ全
量が戻り路60からウォータポンプ10に戻され、冷却
水温が高くサーモスタット65により連絡路64が開か
れた状態(ラジエータの出口通路62が開かれた状態)
では、シリンダブロック11、シリンダヘッド13のウ
ォータジャケット12,14を通った冷却水のほぼ全量
がラジエータに導入され、水通路57を流れてウォータ
ポンプ10に戻される。
【0098】したがって、エンジンの高温時にラジエー
タを通って冷却された冷却水が水通路57に流れるた
め、メインギャラリ36のオイルを十分に冷却でき、前
図10の場合に比較して平衡油温を下げることができ
る。
【0099】図14〜図17はメインギャラリ36の入
口部に制御バルブを設ける際の取付、構造の例を示す。
これは、メインギャラリ36とオイルジェット通路66
とが別通路のものである。
【0100】制御バルブ67は、図16のようにパイプ
状のボディ68内に弁体70が摺動自由に収装され、ス
プリング71によってボディ68前端側に付勢されてい
る。弁体70の円周部には所定の位置に周溝72が形成
され、前端部にはその周溝72につながる導孔73が開
口されている。ボディ68の前端には入口孔74が形成
され、前端側の側面には直交方向の2カ所にそれぞれ前
端から所定の位置に出口孔75,76が形成されてい
る。
【0101】シリンダブロック11に形成されるメイン
ギャラリ36の入口部には、図15、図17のようにク
ランクケース内壁(スカート部内壁)43側からバルブ
孔77が形成される。バルブ孔77の前方のスカート部
21外壁には、オイルフィルタ78を取付けるための取
付面80が形成され、オイルポンプ34の吐出側通路3
8につながるオイルフィルタ78の入口流路81と、バ
ルブ孔77につながるオイルフィルタ78の出口流路8
2とが開設される。出口流路82の途中にはヘッドギャ
ラリ35が分岐され、バルブ孔77の前端部にはメイン
ギャラリ36と直交方向に設けられた導孔83を介して
オイルジェット通路66が接続される。
【0102】このバルブ孔77に制御バルブ67が、ボ
ディ68の出口孔76をメインギャラリ36に、出口孔
75をオイルジェット通路66の導孔83に合わせて挿
入、設置される。制御バルブ67の取付基部84には位
置決め用の突起85が設けられる。
【0103】オイルポンプ34より吐出されたオイル
は、入口流路81、オイルフィルタ78、出口流路82
を通り、ヘッドギャラリ35および制御バルブ67側に
送られるが、エンジンの回転が低く、オイルポンプ34
の吐出量がそれほど多くないときは、制御バルブ67の
弁体70がほぼ初期位置に保たれて、導孔73、周溝7
2のみによりメインギャラリ36が開通され、このため
オイルは大部分がヘッドギャラリ35に送られ、一部が
メインギャラリ36に送られる。
【0104】エンジンの回転が上昇してオイルポンプ3
4の吐出量が増えてくると、制御バルブ67の弁体70
が後退してオイルジェット通路66が開かれ、オイルジ
ェット通路66にもオイルが送られる。
【0105】さらにエンジンの回転が上昇してくると、
制御バルブ67の弁体70の後退によってメインギャラ
リ36が開かれ、メインギャラリ36に送られるオイル
が増加される。
【0106】したがって、エンジンの低回転時からヘッ
ドギャラリ35に所定量のオイルが供給され、エンジン
の回転の上昇に伴ってメインギャラリ36、オイルジェ
ット通路66に必要量のオイルが供給される。
【0107】このようにすれば、制御バルブ67、オイ
ルフィルタ78の取付けが容易になり、流路の接続、構
造が簡素化する。
【0108】図18〜図22は制御バルブ86、オイル
フィルタ78をエンジンフロントカバー87に配設した
例である。図18は送油系統を示し、図19、図20は
フロントカバー87の表側と切欠き断面を、図21、図
22はフロントカバー87の裏側と部分断面を示す。
【0109】フロントカバー87の略中央下部にオイル
ポンプ34が配置され、その周囲下部側に吸込みポート
88が、その周囲斜め上部側に吐出ポート90が形成さ
れている。
【0110】吸込みポート88につながる孔91にパイ
プ92が接続され、パイプ92の先端に取付けたストレ
ーナ93がオイルパン33に設置される。
【0111】吐出ポート90の流れ方向前方には、傾斜
面に形成されたフロントカバー87の側部にオイルフィ
ルタ78を取付けるためのフランジ部94が形成されて
いる。吐出ポート90につながる入口流路95と、これ
に平行な出口流路96とがフランジ部94に開口され、
このフランジ部94にオイルフィルタ78が取付けられ
る。
【0112】出口流路96は、吐出ポート90、オイル
ポンプ34の上部側を緩やかな曲路でフロントカバー8
7の反対側まで延設され、その下流側に制御バルブ86
が設けられている。
【0113】制御バルブ86は、フロントカバー87の
側部からバルブ孔97が空けられて、弁体98と弁体9
8を前端側に付勢するスプリング100が収装される。
バルブ孔97の前端部の側面には、常時開かれる小ポー
ト101と、弁体98の後退に応じて開かれるポート1
02とが形成され、これらはメインギャラリ36との連
結ポート103と接続される。
【0114】出口流路96の途中には、ヘッドギャラリ
35との連結ポート104と接続される分岐流路105
が形成されている。
【0115】制御バルブ86の下方にはメインギャラリ
36の下流の戻り通路(リリーフ通路)106とつなが
る戻りポート107が形成され、戻りポート107はリ
リーフバルブ108を介してオイルポンプ34の吸込み
ポート88と接続される。
【0116】リリーフバルブ108は、フロントカバー
87の下部からバルブ孔110が空けられて、弁体11
1と弁体111を前端側に付勢するスプリング112が
収装されて形成される。
【0117】オイルポンプ34の吐出ポート90と吸込
みポート88の間に、吐出圧が異常に高くなったときに
開放する安全弁113が設けられている。
【0118】なお、図23に示すように、制御バルブ8
6はオイルポンプ34の吐出圧が規定値Aになるとポー
ト102を開き始めて、規定値Bにてポート102を全
開するように、リリーフバルブ108はオイルポンプ3
4の吐出圧が規定値Dになると戻りポート107をオイ
ルポンプ34の吸込みポート88に開通し始めるように
設定される。
【0119】オイルポンプ34より吐出されたオイル
は、入口流路95、オイルフィルタ78、出口流路96
を通り、分岐流路105、連結ポート104を介してヘ
ッドギャラリ35に、および出口流路96下流の制御バ
ルブ86、連結ポート103を介してメインギャラリ3
6に送られる。
【0120】エンジンの回転が低く、オイルポンプ34
の吐出量がそれほど多くないときは(吐出圧が規定値A
以下)、制御バルブ86の小ポート101のみにより連
結ポート103が開通され、このためオイルは大部分が
ヘッドギャラリ35に送られ、一部がメインギャラリ3
6に送られる。
【0121】エンジンの回転が上昇して、オイルポンプ
34の吐出量が増え吐出圧が規定値A以上になると、制
御バルブ86のポート102が開かれ、メインギャラリ
36に送られるオイルが増加される。
【0122】さらにエンジンの回転が上昇して、オイル
ポンプ34の吐出量が増え吐出圧が規定値B以上になる
と、制御バルブ86のポート102が全開され、メイン
ギャラリ36に十分なオイルが送られる。
【0123】そして、さらにエンジンの回転が上昇し
て、オイルポンプ34の吐出量が増え吐出圧が規定値D
以上になると、メインギャラリ36下流の戻り通路10
6につながる戻りポート107のリリーフバルブ108
が開かれ、戻り通路106から戻りポート107を介し
てリリーフオイルがオイルポンプ34の吸込み側に戻さ
れる。
【0124】これによって、エンジン低回転時からヘッ
ドギャラリ35に所定量のオイルが供給され、エンジン
の回転の上昇に伴ってメインギャラリ36に必要量のオ
イルが供給されると共に、エンジンの回転が高いときほ
ど多量のオイルがメインギャラリ36に流される。
【0125】このようにすれば、オイルポンプ34、オ
イルフィルタ78、制御バルブ86等の設置および各流
路の構成、接続が容易になり、エンジンフロント側の構
造を簡素化できる。
【0126】図24〜図32は制御バルブ114、オイ
ルフィルタ78をオイルパン33のラダーフレーム11
5に配設した例である。図24は配置構成を示し、図2
5〜図28はフロントカバー部分を、図29〜図32は
ラダーフレーム部分を示す。
【0127】フロントカバー116の略中央下部にオイ
ルポンプ34が配置され、その周囲斜め下部側に吸込み
ポート117が、その周囲斜め上部側に吐出ポート11
8が形成される。
【0128】吸込みポート117につながる孔120に
パイプ121が接続され、パイプ121の先端に取付け
たストレーナ122がオイルパン33に設置される。
【0129】吐出ポート118につながる流路123
は、フロントカバー116の側部からシリンダブロック
11下部に取付けられるオイルパン33のアルミ合金等
からなるラダーフレーム115側に延設され、ラダーフ
レーム115の側部にオイルフィルタ78を取付けるた
めのフランジ部124が設けられる。
【0130】ラダーフレーム115には、前記流路12
3に接続されるオイルフィルタ78の入口流路125
と、出口流路126とが形成され、オイルフィルタ78
と反対側まで延設された出口流路126の下流側が、ヘ
ッド側流路127とメイン側流路128とに分岐され
る。
【0131】ラダーフレーム115の側部からヘッド側
流路127とメイン側流路128とを貫通して制御バル
ブ114のバルブ孔130が空けられ、バルブ孔130
にスプリング131と、スプリング131によってメイ
ン側流路128の閉じ方向に付勢される弁体132とが
収装され、弁体132のストッパを兼ねる取付栓133
が固定される。取付栓133の軸部には、ヘッド側流路
127を遮断しないよう穴134が形成される。弁体1
32の先端部は小径に形成され、メイン側流路128の
最小流路面積が設定されると共に、その段差および弁体
132の先端に受けるオイルの圧力によって開動され
る。
【0132】ヘッド側流路127の下流ならびにメイン
側流路128の下流は、それぞれフロントカバー116
の側部に形成された案内路135,136に接続され
る。案内路135はシリンダヘッド13のヘッドギャラ
リ35に接続され、案内路136は連結ポート137等
を介してシリンダブロック11のメインギャラリ36に
接続される。
【0133】案内路136に近傍には、メインギャラリ
36の下流の戻り通路(リリーフ通路)138とつなが
る戻りポート140(図24では位置をずらしてある)
が形成され、戻りポート140はリリーフバルブ141
を介してオイルポンプ34の吸込みポート117と接続
される。リリーフバルブ141は、フロントカバー11
6の下部からバルブ孔142が空けられて形成される。
【0134】オイルポンプ34の吐出ポート118と吸
込みポート117の間に、吐出圧が異常に高くなったと
きに開放する安全弁143が設けられる。
【0135】なお、前図23のように、制御バルブ11
4はオイルポンプ34の吐出圧が規定値Aになるとメイ
ン側流路128を開き始めて、規定値Bにてメイン側流
路128を全開するように、リリーフバルブ141はオ
イルポンプ34の吐出圧が規定値Dになると戻りポート
140をオイルポンプ34の吸込みポート117に開通
し始めるように設定される。
【0136】このようにすれば、エンジンフロント側の
構造を簡素化できると共に、加工性の良いアルミ合金等
のラダーフレーム115のため、オイルフィルタ78、
制御バルブ114等の設置およびこれらの接続をより容
易に行え、高い製作性を確保できる。
【0137】なお、オイルフィルタ78、制御バルブ1
14ならびにこれらの接続流路をオイルパン33のフレ
ームに設置ならびに形成することもできる。
【0138】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、浅底
化したウォータジャケットの下方に冷却水を通す水通路
を潤滑装置のオイル通路に隣接して形成したため、オイ
ルと冷却水との熱交換を行え、良好な潤滑状態を確保で
きる。
【0139】第2の発明によれば、前記水通路にラジエ
ータをバイパスする冷却水を流すので、エンジンの低温
時にオイルが速やかに昇温し、フリクションが低減され
る。
【0140】第3の発明によれば、この場合水通路にサ
ーモスタットがラジエータ通路を開いたときにも冷却水
の一部が流れるので、エンジンの高温時にオイルの温度
の上昇を抑え、適正な平衡油温が維持される。
【0141】第4の発明によれば、前記水通路にラジエ
ータに向かう冷却水を流すので、エンジンの高温時に十
分な冷却水によってオイルとの熱交換を促進し、より適
正な平衡油温が確保される。
【0142】第5の発明によれば、前記水通路にラジエ
ータを通った冷却水を流すので、エンジンの高温時にオ
イルを十分に冷却し、平衡油温を下げられる。
【0143】第6の発明によれば、オイル通路を介して
クランク軸の軸受部に送られる油量が多いので、冷却水
との熱交換が良好に行われる。
【0144】第7の発明によれば、リリーフバルブを設
けることによって、オイル通路に多量のオイルを通すこ
とが可能になり、冷却水との熱交換がより促進される。
【0145】第8の発明によれば、オイル通路の入口部
に制御バルブを設け、かつ前記リリーフバルブを設ける
ことによって、各摺動部に所定量のオイルを供給しなが
ら、冷却水との要求通りの熱交換が確保される。
【0146】第9の発明によれば、前記水通路がエンジ
ン外方側になるので、オイル通路からクランク軸の軸受
部への通路形成が容易になる。
【0147】第10の発明によれば、前記水通路をシリ
ンダブロックのスカート開始点付近に設けるので、スカ
ート開始点付近の剛性低下が防止される。
【0148】第11の発明によれば、前記水通路をシリ
ンダブロックのスカート開始点付近からスカート中央付
近に達する断面に形成するので、クランクケース内壁に
沿うオイルの流れとの熱交換も良好に行える。
【0149】第12の発明によれば、前記水通路を鋳抜
きにより、オイル通路をドリル加工により形成するの
で、生産性が良く、両通路を隣接形成して高い伝熱性が
確保される。
【0150】第13の発明によれば、シリンダブロック
の外壁部に水通路と連通路の各外壁によって縦横にリブ
を成すので、ウォータジャケットを浅底化したシリンダ
ブロックの高い剛性および良好な音振性能が得られる。
【0151】第14の発明によれば、この場合連通路を
シリンダボア間に形成することで、より音振性能等が向
上すると共に、連通路がシリンダヘッド各部に供給され
たオイルをオイルパンへと戻すオイル落とし通路と近接
して、そのオイルとの熱交換も良好に行える。
【0152】第15の発明によれば、前記制御バルブを
設ける場合、制御バルブをエンジンフロントカバーに内
蔵すると共に、エンジンフロントカバーにオイルフィル
タの取付フランジを形成するので、オイルポンプ、オイ
ルフィルタ、制御バルブの設置およびオイル通路の接続
が容易になり、構造が簡素化する。
【0153】第16の発明によれば、この場合オイルポ
ンプからオイルフィルタ、制御バルブへの油路をエンジ
ンフロントカバーに形成することで、構造がより簡素化
する。
【0154】第17の発明によれば、前記制御バルブを
設ける場合、制御バルブをオイルパンまたはそのラダー
フレームに内蔵すると共に、オイルフィルタの取付フラ
ンジをオイルパンまたはそのラダーフレームに形成する
ので、制御バルブならびにオイルフィルタの取付けが容
易になる。
【0155】第18の発明によれば、この場合、少なく
ともオイルフィルタと制御バルブとを結ぶ油路をオイル
パンまたはそのラダーフレームに形成することで、構造
がより簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の冷却構造、冷却水の流れを示す斜視図
である。
【図2】シリンダブロックの断面図である。
【図3】サーモスタットの断面図である。
【図4】冷却系の動作説明図である。
【図5】シリンダブロックの斜視図である。
【図6】潤滑系統図である。
【図7】別の実施例の水通路の断面図である。
【図8】別の実施例の潤滑系統図である。
【図9】別の実施例の潤滑系統図である。
【図10】別の実施例の冷却構造、冷却水の流れを示す
斜視図である。
【図11】その冷却系の動作説明図である。
【図12】別の実施例の冷却構造、冷却水の流れを示す
斜視図である。
【図13】その冷却系の動作説明図である。
【図14】別の実施例の潤滑装置の配置構成図である。
【図15】制御バルブの取付図である。
【図16】制御バルブの斜視図である。
【図17】制御バルブの断面図である。
【図18】別の実施例の潤滑装置の配置構成図である。
【図19】フロントカバーの正面図である。
【図20】その一部切欠き断面図である。
【図21】フロントカバーの裏面図である。
【図22】その部分断面図である。
【図23】各バルブの動作特性図である。
【図24】別の実施例の潤滑装置の配置構成図である。
【図25】フロントカバーの裏面図である。
【図26】そのポンプカバー部分の正面図である。
【図27】図25のA−A線断面図である。
【図28】図26のB−B線断面図である。
【図29】ラダーフレームの正面図である。
【図30】その部分断面図である。
【図31】その部分側面図である。
【図32】その部分側面図である。
【図33】従来の冷却系の斜視図である。
【図34】シリンダブロックの断面図である。
【符号の説明】
10 ウォータポンプ 11 シリンダブロック 12 ウォータジャケット 13 シリンダヘッド 14 ウォータジャケット 18 バイパス通路 20 連通路 21 スカート部 22 水通路 25 サーモスタット 33 オイルパン 34 オイルポンプ 35 ヘッドギャラリ 36 メインギャラリ 44 リリーフバルブ 45 リリーフ通路 46 制御バルブ 47 オリフィス部 48 弁部 50 水通路 53 連通路 56 サーモスタット 57 水通路 63 導入路 65 サーモスタット 66 オイルジェット通路 67 制御バルブ 77 バルブ孔 78 オイルフィルタ 86 制御バルブ 87 フロントカバー 88 吸込みポート 90 吐出ポート 94 フランジ部 95 入口流路 96 出口流路 97 バルブ孔 98 弁体 100 スプリング 101 小ポート 102 ポート 105 分岐流路 107 戻りポート 108 リリーフバルブ 110 バルブ孔 111 弁体 112 スプリング 114 制御バルブ 115 ラダーフレーム 116 フロントカバー 117 吸込みポート 118 吐出ポート 123 流路 124 フランジ部 125 入口流路 126 出口流路 127 ヘッド側流路 128 メイン側流路 130 バルブ孔 131 スプリング 132 弁体 135,136 案内路 140 戻りポート 141 リリーフバルブ 142 バルブ孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 5/00 F01M 1/06 F01M 1/16 F01P 7/16 502 F01P 11/08

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータジャケットの冷却水をウォータ
    ポンプを介して循環する循環経路を設けた冷却装置と、
    オイルポンプからのオイルを各摺動部等に導く潤滑装置
    とを備えるエンジンにおいて、シリンダブロックのウォ
    ータジャケットをピストンが下死点にあるときのピスト
    ンリング位置に略相当する部位までの浅底形状に形成す
    る一方、そのウォータジャケットの下方にシリンダ列方
    向に冷却水を通す水通路を形成し、この水通路に潤滑装
    置のオイル通路が隣接していることを特徴とするエンジ
    ンの水油熱交換装置。
  2. 【請求項2】 前記水通路は、冷却装置の循環経路に設
    けたラジエータのバイパス通路である請求項1に記載の
    エンジンの水油熱交換装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス通路には、サーモスタット
    がラジエータ通路を開いたときにも冷却水の一部が流れ
    るようになっている請求項2に記載のエンジンの水油熱
    交換装置。
  4. 【請求項4】 前記水通路は、冷却装置の循環経路に設
    けたラジエータの入口通路である請求項1に記載のエン
    ジンの水油熱交換装置。
  5. 【請求項5】 前記水通路は、冷却装置の循環経路に設
    けたラジエータの出口通路である請求項1に記載のエン
    ジンの水油熱交換装置。
  6. 【請求項6】 前記オイル通路は、オイルポンプからの
    オイルをクランク軸の軸受部に導く通路である請求項1
    に記載のエンジンの水油熱交換装置。
  7. 【請求項7】 前記オイル通路の下流は、リリーフバル
    ブを介してオイルポンプの吸込み側につながることを特
    徴とする請求項1または6に記載のエンジンの水油熱交
    換装置。
  8. 【請求項8】 前記オイル通路の入口部にオイルの流量
    を制御する制御バルブを設け、オイル通路の下流はリリ
    ーフバルブを介してオイルポンプの吸込み側につながる
    ことを特徴とする請求項1または6に記載のエンジンの
    水油熱交換装置。
  9. 【請求項9】 前記水通路を、オイル通路に対してエン
    ジン外方側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    エンジンの水油熱交換装置。
  10. 【請求項10】 前記水通路を、シリンダブロックのス
    カート開始点付近に設けたことを特徴とする請求項1に
    記載のエンジンの水油熱交換装置。
  11. 【請求項11】 前記水通路は、シリンダブロックのス
    カート開始点付近からスカート中央付近に達する断面形
    状を持つことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    水油熱交換装置。
  12. 【請求項12】 前記水通路を鋳抜きにより形成し、オ
    イル通路をドリル加工により形成することを特徴とする
    請求項1に記載のエンジンの水油熱交換装置。
  13. 【請求項13】 前記水通路とシリンダヘッドのウォー
    タアウトレットとを結ぶ連通路を1つ以上形成し、この
    連通路の外壁がシリンダブロックの縦方向のリブを成
    し、水通路の外壁がシリンダブロックの横方向のリブを
    成すことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの水油
    熱交換装置。
  14. 【請求項14】 前記連通路をシリンダボア間に形成し
    たことを特徴とする請求項13に記載のエンジンの水油
    熱交換装置。
  15. 【請求項15】 前記制御バルブをエンジンフロントカ
    バーに内蔵すると共に、オイルフィルタの取付フランジ
    をエンジンフロントカバーに形成したことを特徴とする
    請求項8に記載のエンジンの水油熱交換装置。
  16. 【請求項16】 オイルポンプからオイルフィルタ、制
    御バルブへの油路をエンジンフロントカバーに形成した
    ことを特徴とする請求項15に記載のエンジンの水油熱
    交換装置。
  17. 【請求項17】 前記制御バルブをオイルパンまたはそ
    のラダーフレームに内蔵すると共に、オイルフィルタの
    取付フランジをオイルパンまたはそのラダーフレームに
    形成したことを特徴とする請求項8に記載のエンジンの
    水油熱交換装置。
  18. 【請求項18】 少なくともオイルフィルタと制御バル
    ブとを結ぶ油路をオイルパンまたはそのラダーフレーム
    に形成したことを特徴とする請求項17に記載のエンジ
    ンの水油熱交換装置。
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