JP7302993B2 - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents

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Description

本願発明は、内燃機関のシリンダブロックに関するものである。
自動車用の内燃機関において、シリンダブロックとシリンダヘッドとは冷却水で冷却されており、そこで、シリンダブロックには気筒列を囲う冷却水通路(ブロックジャケット)が形成されて、シリンダヘッドには面的な広がりを持つ冷却水通路(ヘッドジャケット)が形成されている。シリンダブロックの冷却水通路とシリンダヘッドの冷却水通路とは互いに連通していることが多く、この場合、冷却水は、一般にブロックジャケットからヘッドジャケットに流れるようになっている。
ヘッドジャケットを通過した冷却水は、設定温度よりも低い状態では、その一部は車内暖房用のヒータコアに向かってから冷却水戻り通路を経由してウォータポンプに戻り、残りはバイパス通路から冷却水戻り通路を経由してウォータポンプに戻る構造になっていることが多い(全量がヒータコアを通過するようになっている場合もある。)。
他方、冷却水の温度が設定温度を越えると、ヘッドジャケットを通過した冷却水の全部又は大部分は、ラジエータを経由してウォータポンプに戻るようになっている。このため、冷却水の通路中に、ラジエータへの通水を制御するサーモ弁が配置されている。
そして、冷却水の通水態様は多種多様であり、その例として特許文献1には、冷却水戻り通路をシリンダブロックに一体に形成して、この冷却水戻り通路を、ヘッドジャケットから排出された冷却水をそのままウォータポンプに戻すバイパス通路に設定するか、又は、ヒータコアを通過した冷却水の戻り通路に設定することが開示されている。
このように冷却水戻り通路をシリンダブロックに一体形成すると、冷却水戻り通路を形成するためのパイプは不要になるため、内燃機関の構造を簡素化できると共に、内燃機関の組み立ての手間も軽減できる利点や、冷却水戻り通路を形成した部分がリブ化してシリンダブロックの剛性を向上できる利点がある。
特開2002-364360号公報
さて、内燃機関には潤滑等のためのオイルが必要不可欠であり、シリンダヘッドにおいて動弁機構の潤滑やVVT装置の駆動などに使用されたオイルは、シリンダヘッド及びシリンダブロックに空けられたオイル落とし通路によってオイルパンに戻されている。
そして、コールドスタート時の早期暖機のためにはオイルを早期昇温させる必要がある一方、高温環境下での運転のように機関温度が高い状態では、オイルを冷却するのが好ましい。
本願発明はこのような現状を契機に成されたものであり、特許文献1と同様に冷却水戻り通路をシリンダブロックに一体に形成しつつ、冷却水戻り通路を有効利用してオイルの早期昇温等を図ること等を目的とするものである。
本願発明は、
「複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並んで形成されていると共に、前記シリンダボアの群を囲うウォータジャケットが上向きに開口している」
という構成のシリンダブロックに関し、このシリンダブロックは、
「前記ウォータジャケットの外側の部位のうちクランク軸線方向に長い一側面に寄った部位に、シリンダヘッドに設けたヘッド側オイル落とし通路と連通するブロック側オイル落とし通路が形成されている一方、
前記一側面の部位のうち前記ウォータジャケット及び前記ブロック側オイル落とし通路の外側の部位に、前記ウォータジャケットと反対側に突出した筒状のボス部がクランク軸線方向に長い姿勢で一体に形成されており、前記ボス部の内部が前記シリンダヘッドのウォータジャケットを通過した後の冷却水をウォータポンプに戻す冷却水戻り通路になっている」
という構成になっている。
本願発明は、請求項2の構成も含んでいる。この請求項2の発明は、請求項1において、
「前記ブロック側オイル落とし通路は排気側面の側に配置されていて、当該ブロック側オイル落とし通路の上部に、前記冷却水戻り通路の長手方向に広がった拡張部が形成されており、
前記ブロック側オイル落とし通路の拡張部は、前記ウォータジャケットのうち前記拡張部に近接した部位の深さより浅く形成されて、前記冷却水戻り通路は、前記ブロック側オイル落とし通路における拡張部の下半部と重なる高さに形成されている
という構成になっている。
さて、自動車のヒータは冷却水を利用していることが多いが、本願発明を自動車用内燃機関のシリンダブロックに適用した場合、シリンダブロックに一体化した冷却水戻り通路を、ヒータコアを通過した冷却水の戻り通路に設定することができる。
本願発明では、ブロック側オイル落とし通路の外側に冷却水戻り通路が配置されているため、ヘッドジャケットを通過して昇温した冷却水によってオイルが加温される。これにより、オイルを早期昇温させて暖機運転の短縮化に貢献できる。また、冷却水戻り通路をボス体に形成しているため、ボス体によってシリンダブロックの剛性を向上できる。
さて、内燃機関の冷却システムとして、機関温度(冷却水温度)が設定値よりも低い状態では、冷却水をブロックジャケットに全く又は殆ど流さずに、冷却水の全量又は大部分をヘッドジャケットに流す一方、機関温度が設定値に昇温したら、冷却水をヘッドジャケットとブロックジャケットとの両方に流す2系統冷却システムがある。
そして、この2系統冷却システムでは、暖機運転時には、ブロックジャケットに溜まっている冷却水はシリンダブロックの熱によって昇温しているため、本願発明をこの2系統冷却システムに適用すると、ブロック側オイル落とし通路を流れるオイルは、ブロックジャケットに溜まっている冷却水と冷却水戻り通路を流れる冷却水との両方によって加温される。従って、オイルの早期昇温効果を助長できる。
火花点火式内燃機関では三元触媒を用いた排気ガス浄化装置が使用されており、三元触媒は触媒ケースに内蔵されているが、触媒ケースは相当の大きさがある。そして、触媒ケースはシリンダブロックの排気側面の外側に配置されるが、内燃機関のコンパクト化のためには、触媒ケースをできるだけシリンダブロックに近づけるのが有益である。
更に述べると、自動車用内燃機関において、シリンダブロックが、クランク軸線を車幅方向に長い姿勢とした横置きで、かつ、排気側面を車両前方に向けた前排気姿勢で配置されている場合は、排気パイプはオイルパンの下方をくぐって後ろに引き出されるため、排気パイプをできるだけ短くして軽量化するためにも、触媒ケースをできるだけシリンダブロックに近づけるのが好ましい。
この場合、冷却水の戻り通路がパイプで形成されていて、パイプがシリンダブロックの排気側面の外側に配置されていると、触媒ケースをシリンダブロックに近づけることに限度があって、内燃機関のコンパクト化・軽量化を促進できない問題があるが、本願請求項2のように、シリンダブロックの排気側面の箇所に冷却水戻り通路を一体に形成すると、触媒ケースをシリンダブロックに大きく近づけることができるため、内燃機関のコンパクト化・軽量化に大きく貢献できる。
また、請求項2の発明は、ブロック側オイル落とし通路の上部に拡張部を形成しているという特徴を有しているが、拡張部は冷却水戻り通路の長手方向に広がっていると共に冷却水戻り通路は拡張部の下半部と同じ高さになっているため、冷却水戻り通路の内部を流れる冷却水とオイルとの熱交換が促進される(ブロックジャケットの冷却水との熱交換も活発化される。)。
これにより、暖機運転のオイルの早期昇温を促進して暖機運転時間の短縮を助長できると共に、暖機運転後の冷却水によるオイルの冷却効果も促進できる。
実施形態を示す図で、(A)は冷却系統を示す模式図、(B)は図2のIB-IB 視断面図である。 平面図である。 ウォータポンプを分離した平面図である。 クランク軸線及びシリンダボア軸線と直交した方向から見た側面図である。 ウォータポンプを分離した側面図である。 図4のVI-VI 視断面図である(ウォータポンプの断面は表示していない。)。 ウォータポンプの断面を表示した平断面図である。 図4の VIII-VIII視断面図である。 図8のIX-IX 視断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向(シリンダブロックの長手方向)、左右方向は、クランク軸線及び気筒軸線と直交した方向(シリンダヘッドの短手方向)である。前と後ろについては、タイミングチェーンが配置される側を前、ミッションが配置される側を後ろとしている。念のため、図2等に方向を明示している。
上下方向は、シリンダボア軸線としている。従って、平面視はシリンダボア軸線方向から見た方向であり、側面視は、クランク軸線方向及びシリンダボア軸線と直交した方向から見た方向である。
(1).内燃機関の概要
本実施形態は、自動車用内燃機関に適用している。まず、内燃機関の概要を図1(A)の模式図に基づいて説明する。
内燃機関は、機関本体の中核としてシリンダブロック1とその上面に固定されたシリンダヘッド2とを備えており、シリンダヘッド2の上面にはシリンダヘッドカバー3が固定されて、シリンダブロック1の下面にはオイルパン4が固定されている。シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の前面(一端面)には、タイミングチェーン(図示せず)を覆うフロントカバー(チェーンカバー、チェーンケース)5がボルトで固定されている。
シリンダブロック1には、シリンダヘッド2に向けて上向き開口したブロックジャケット6が形成されており、シリンダヘッド2の内部にもヘッドジャケット7が形成されている。シリンダブロック1及びシリンダヘッド2は、それぞれアルミの鋳造品である。
シリンダブロック1のうち前端寄り部位には、ウォータポンプ8が配置されており、冷却水はウォータポンプ8からブロックジャケット6及びヘッドジャケット7に送水されるが、本実施形態では、冷却水が設定温度よりも低い状態では主としてヘッドジャケット7に流れて、冷却水が設定温度に至るとヘッドジャケット7とブロックジャケット6との両方に流れる2系統冷却システムを採用している。
そこで、ウォータポンプ8の吐出通路9から、ヘッド行き送水通路10とブロック行き送水通路11とを分岐させて、ブロック行き送水通路11に第1サーモバルブ12を配置しており、ヘッド行き送水通路10はヘッドジャケット7の前端部に連通し、ブロック行き送水通路11は、ブロックジャケット6の前端寄り部位に連通している。
シリンダヘッド2の後端部には冷却水出口2aが開口しており、この冷却水出口2aに、ヒータ送り管路13とラジエータ送り管路14とが接続されている。ヒータ送り管路13はヒータコア15のインレットポートに接続されているが、途中にEGRクーラ16が介在している。ヒータコア15のアウトレットポートにはヒータ戻り管路17が接続されており、ヒータ戻り管路17は、シリンダヘッド2の後端部に形成された中継部18に接続されている。
ヒータ戻り管路17の中途部には、オイルクーラ19が介挿されている。また、ヒータ送り管路13とヒータ戻り管路17とはバイパス通路20で接続されており、このバイパス通路20に、EGRバルブ20aが介在している。
そして、シリンダヘッド2の後端部に形成された中継部18には、シリンダブロック1の後端部に向けて開口したヘッド流下通路21が形成されている一方、シリンダブロック1には、流下通路21とウォータポンプ8とに連通した前後長手の冷却水戻り通路22が一体に形成されている。
他方、ラジエータ送り管路14はラジエータ23のアッパータンクに接続されており、ラジエータ23のロアタンクにはラジエータ戻り管24が接続されている。そして、冷却水戻り通路22の下流端部に連通した中継通路25に第2サーモバルブ26を配置し、第2サーモバルブ26のポートにラジエータ戻り通路24を接続している。
冷却水の温度が設定値より低い状態では、冷却水は全量がヒータ戻り管17を経由して冷却水戻り通路22に流れ込む。他方、冷却水の温度が設定を越えると、ヘッドジャケット7から排出された冷却水のうち大部分は、ラジエータ23を経由してウォータポンプ8に吸い込まれ、残りの部分は、ヒータ戻り管17及び冷却水戻り通路22を経由してウォータポンプ8に吸い込まれる。
(2).シリンダブロックの基本構造
以下、シリンダブロック1に関連した冷却水流れ構造の詳細を、図1(B)以下の図面も参照して説明する。
本実施形態の内燃機関は3気筒であり、そこで、図2のとおり、シリンダブロック1には、3つのシリンダボア27がクランク軸線方向に並べて形成されている。シリンダボア27の群はブロックジャケット6で囲われているが、本実施形態では、ブロックジャケット6は、前部を構成するフロントブロックジャケット6aと、それ以外のメインブロックジャケット6bとに分離している。
冷却水の温度が設定温度以下の状態では、冷却水は、フロントブロックジャケット6aだけからヘッドジャケット7に流れて、冷却水の温度が設定温度を越えると、冷却水は、図1(A)に示す連通穴28を介してメインブロックジャケット6bからヘッドジャケット7に流れる。
本実施形態の内燃機関は自動車用であって車体のエンジンルームに搭載されるが、クランク軸線を車幅方向に長い姿勢にすると共に排気側面を車両前方に向けており、従って、横置き・前排気姿勢でエンジンルームに搭載されている。そして、図2に示すように、シリンダブロック1のうち排気側面29の側に位置した部位の後部に、図1(A)に示したヘッド流下通路21と連通する冷却水流入口30が上向きに開口しており、更に、冷却水流入口30の手前側に、第1ブロック側オイル落とし通路31と第2ブロック側オイル落とし通路32とが前後に並んだ状態で形成されている。
両ブロック側オイル落とし通路31,32はシリンダブロック1を上下に貫通しているが、上部には、前後方向に広がった拡張部33が形成されている。両ブロック側オイル落とし通路31,32はメインブロックジャケット6bの外側に位置しており、図1(B)に示すように、拡張部33の深さは、メインブロックジャケット6bの深さよりも少し浅い程度の深さになっている。
図2に点線で示すように、シリンダヘッド2には、ブロック側オイル落とし通路31,32に対応した前後2本のヘッド側オイル落とし通34,35が形成されている。ヘッド側オイル落とし通34,35は円形に表示しているが、前後長手の形態であってもよい。また、ヘッド側オイル落とし通34,35が円形のように小さい断面積である場合は、ブロック側オイル落とし通路31,32の拡張部33と重複させてもよいし、拡張部33でない本体部と重複させてもよい。
前後のブロック側オイル落とし通路31,32のうち、冷却水流入口30に近い第1ブロック側オイル落とし通路31は、前から数えて2番目と3番目のシリンダボア27に跨がるように配置されており、冷却水流入口30から遠い第2ブロック側オイル落とし通路32は、概ね2番目のシリンダボア27の外側に位置している。なお、図2,3で示す符号36は、ヘッドボルト挿通穴である。
(3).冷却水戻り通路
例えば図2,3,1(B)のとおり、シリンダブロック1の排気側面29には、前後方向に長い円筒状の横長ボス体37が一体に形成されており、このボス体37の内部を既述の冷却水戻り通路22と成している。図1(B)示すように、冷却水戻り通路22は、ブロック側オイル落とし通路31,32の拡張部33の下半部と重なる高さに形成されている。
シリンダブロック1はアルミの鋳造品であるが、冷却水戻り通路22は、鋳造時に形成することも可能であるし、鋳造後にドリル加工で形成することも可能である。鋳造時に形成する中子の支持に手間が掛かるので、ドリル加工で形成するのが好ましい。図6に示すように、冷却水流入口30と冷却水戻り通路22の後端部は、横穴38によって連通している。また、冷却水戻り通路22の後端部はプラグ39で塞がれている。
図4に示すように、ブロック側オイル落とし通路31,32は、シリンダブロック1の排気側面29に突設した縦長ボス体40の箇所に形成している。従って、冷却水戻り通路22が形成された横長ボス体37とブロック側オイル落とし通路31,32が形成された縦長ボス体40とによって、シリンダブロック1の剛性が高められている。シリンダブロック1の排気側面29には、補強のための補助リブ41を突設している。
以上のとおり、冷却水戻り通路22がシリンダブロック1に一体に形成されているため、冷却水をウォータポンプ8に戻すパイプは不要である。従って、部材点数を減らしてコストダウンや軽量化に貢献できる。また、排気側面29の側方には触媒ケースが配置されるが、冷却水戻り通路22はシリンダブロック1に内蔵されているため、触媒ケースはパイプによって邪魔されることなく、出来るだけシリンダブロック1に寄せて配置できる。このため、内燃機関を全体的にコンパクト化・軽量化できる。
そして、冷却水戻り通路22はブロック側オイル落とし通路31,32の側方に配置されているため、暖機運転時には、シリンダヘッド2の熱によって昇温した冷却水でオイルを加温することができると共に、オイルを、ブロックジャケット6に溜まっていて昇温した冷却水によっても加温できる。このようなダブル効果により、オイルを早期昇温させることができる。これにより、暖機時間の短縮化に貢献できる。
更に、ブロック側オイル落とし通路31,32の上部には前後に広がる拡張部33が形成されていて、ブロック側オイル落とし通路31,32の上部は容積が増大しているが、冷却水戻り通路22は、容積が増大した拡張部33の側方に位置しているため、冷却水戻り通路22を通る冷却水とオイルとの熱交換面積を増大させて、オイルの加温効果を助長できる。
この場合、オイルをブロック側オイル落とし通路31,32の拡張部33に落とすと、オイルは拡張部33に充満して(滞留して)から下方に流下する傾向を呈するため、オイルの昇温効果を更に助長できる利点がある。オイルがブロック側オイル落とし通路31,32の中心に落ちる場合でも、オイルは拡張部33に溢れ傾向を呈するため、やはり、オイルの加温効果を助長できる。
暖機運転を脱してオイルの温度が上昇すると、ラジエータ23で冷却水された冷却水がブロックジャケット6を流れるため、ブロックジャケット6を流れる冷却水によってオイルを冷却できる。従って、オイルの過剰昇温を防止できる。
(4).ウォータポンプと吸い込み構造
図5,7に示すように、シリンダブロック1の排気側面29のうち前部に、冷却水戻り通路22の終端を構成する拡張室22aを形成して、拡張室22aを側方に向けて開口させており、この拡張室22aを覆うようにウォータポンプ8が配置されている。
図7に示すように、ウォータポンプ8は、冷却水戻り通路22の拡張室22aと連通した中継通路25を有するメインハウジング44と、メインハウジング44に側方から固定されたキャップ45と、メインハウジング44の前面に固定されていてポンプ室(渦巻き室)46を有するポンプハウジング47と、ポンプハウジング47に軸受48を介して回転自在に保持されたプーリ49とを備えており、プーリ49に設けた主軸50に、ポンプ室46に配置された羽根車51を固定している。なお、拡張室22aは、冷却水戻り通路22と中継通路25との交叉部と呼ぶことも可能である。
メインハウジング44はボルトでシリンダブロック1に固定されており、ポンプハウジング47とキャップ45とは、それぞれボルトでメインハウジング44に固定されている。
図7に示すように、キャップ45には、左右外向きに開口した戻りポート45aが形成されており、この戻りポート45aに、ホースより成るラジエータ戻り管路24が接続されている。そして、メインハウジング44とポートキャップ45とで囲われた空所に、ラジエータ23への通水を制御する第2サーモバルブ26が配置されている。
図7に示すように、第2サーモバルブ26は、メインハウジング44とポートキャップ45とで挟み保持された弁座板54と、弁座板54に固定されて左右方向外側に突出したアウターケージ55と、アウターケージ55の先端部に固定された左右長手の中心軸56と、弁座板54よりも奥側に位置して中心軸56にスライド可能に取付いたスライダー57と、スライダー57の先端に固定されて弁座板54と密着・離反自在な可動弁板58とを有しており、可動弁板58は、弁座板54に固定されたインナーケージ59で支持されたばね60により、弁座板54と密着する方向に付勢されている。
弁座板54には通水穴が空いており、ケージ55,59も通水自在な構造である。スライダー57には、温度に応じて膨張・収縮する感温作動体が内蔵されており、冷却水の温度が設定値に至るまでは、感温作動体は熱膨張せずに、可動弁板58は弁座板54と密着している。従って、ラジエータ23への冷却水の循環は停止している。
他方、冷却水の温度が設定値に至ると、感温作動体が熱膨張してスライダー57が後退を開始して、これによって可動弁板58が弁座板54から離反する。従って、冷却水はラジエータ23を循環する。なお、冷却水の温度が設定温度から上昇していくと、可動弁板58の移動量の増大に連れてラジエータ23への通水量が増加していく。
第2サーモバルブ26の弁座板54により、中継通路25と冷却水戻り通路22とが区画されており、冷却水は、中継通路25からポンプ室46に吸い込まれる。図7及び図9に矢印61で示すように、冷却水は、羽根車51の回転軸心方向からポンプ室46に流入して、ポンプ室46を周方向に流れていき、次いで、図8,9に示すように、メインハウジング44の下部に形成された前後長手の吐出通路9に至る。
図7に示すように、冷却水戻り通路22の拡張室22aとウォータポンプ8のポンプ室46とを繋ぐ中継通路25に、断面積を小さくした絞り部(くびれ部)66を形成すると共に、拡張室22aの軸心と第2サーモバルブ26の中心とを、第2サーモバルブ26の中心が手前にずれるように、前後方向にある程度の寸法Eだけオフセットさせている。
絞り部66を設けたことにより、中継通路25のうち絞り部66よりも外側の空間は、第2サーモバルブ26の感温部が配置され感温空間25aになっていると云える。拡張室22aは側面視で略円形に形成されている一方、中継通路25も側面視で円形に形成されており、両者の内径は概ね同じに設定されている。そして、中継通路25は、絞り部66によって略半分程度の断面積に絞られている。絞り部66の奥側は滑らかな湾曲面66aになっている。
(5).ウォータポンプからの吐出構造
図9に示すように、吐出通路9の下流側の端部には、ヘッド行き送水通路10の横長部10aと、ブロック行き送水通路11の横長部11aとが連通している。図8に実線で示すように、ブロック行き送水通路11の横長部11aは、メインハウジング44とシリンダブロック1とに跨がった状態で形成されており、横長部11aの奥端部(下流端部)に、ブロック行き送水通路11の縦長部11bが連通していて、縦長部11bがメインブロックジャケット6bと連通している。
図8に一点鎖線で示すように、ヘッド行き送水通路10の横長部10aも、メインハウジング44とシリンダブロック1とに跨がった状態で形成されており、横長部10aの奥部に、フロントブロックジャケット6aと連通する縦長部10bが連通している。
図2,3,6にも、ヘッド行き送水通路10とブロック行き送水通路11とを明示している。既述のとおり、ヘッド行き送水通路10の横長部10aとブロック行き送水通路11の横長部11aとはシリンダブロック1にも形成されているが、図5には、シリンダブロック1に形成されている横長部10a,11aを明示している。
ブロック行き送水通路11の横長部11aに、第1サーモバルブ12が配置されている。第1サーモバルブ12は、第2サーモバルブ26と同様に、弁座板54とアウターケージ55と中心軸56とスライダー57と可動弁板58とばね60とを有しており、弁座板54はシリンダブロック1とメインハウジング44とで挟み固定されている。但し、この第1サーモバルブ12では、ばね60は、中心軸56に固定されたフランジ64で支持されている。
本実施形態では、図9に示すように、ブロック行き送水通路11の横長部11aを吐出通路9よりも下げている。このように構成すると、吐出通路9から放出された冷却水は、下向きに方向を変えて横長部11aの内周面に沿って流れていき、横長部11aの軸心回りの旋回流となって、横長部11aの奥部に向けて流れていくため、圧損を大幅に抑制できる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明は、2系統冷却システムでないシリンダブロックにも適用できる。また、実施形態では、2本のブロック側オイル落とし通路があったが、ブロック側オイル落とし通路は1本のみでもよい。
本願発明は、内燃機関のシリンダブロックに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
6 ブロックジャケット
6b メインブロックジャケット
7 ヘッドジャケット
8 ウォータポンプ
9 吐出通路
10 ヘッド行き送水通路
11 ブロック行き送水通路
12 第1サーモバルブ
17 ヒータ戻り管路
22 冷却水戻り通路
31,32 ブロック側オイル落とし通路
23 ラジエータ
24 ラジエータ戻り管路
26 第2サーモバルブ
33 拡張部
37 ボス体

Claims (2)

  1. 複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並んで形成されていると共に、前記シリンダボアの群を囲うウォータジャケットが上向きに開口しているシリンダブロックであって、
    前記ウォータジャケットの外側の部位のうちクランク軸線方向に長い一側面に寄った部位に、シリンダヘッドに設けたヘッド側オイル落とし通路と連通するブロック側オイル落とし通路が形成されている一方、
    前記一側面の部位のうち前記ウォータジャケット及び前記ブロック側オイル落とし通路の外側の部位に、前記ウォータジャケットと反対側に突出した筒状のボス体がクランク軸線方向に長い姿勢で一体に形成されており、前記ボス体の内部が前記シリンダヘッドのウォータジャケットを通過した後の冷却水をウォータポンプに戻す冷却水戻り通路になっている、
    内燃機関のシリンダブロック。
  2. 前記ブロック側オイル落とし通路は排気側面の側に配置されていて、当該ブロック側オイル落とし通路の上部に、前記冷却水戻り通路の長手方向に広がった拡張部が形成されており、
    前記ブロック側オイル落とし通路の拡張部は、前記ウォータジャケットのうち前記拡張部に近接した部位の深さより浅く形成されて、前記冷却水戻り通路は、前記ブロック側オイル落とし通路における拡張部の下半部と重なる高さに形成されている、
    請求項1に記載した内燃機関のシリンダブロック。
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