JP7236892B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、内燃機関の冷却装置に関するものである。
自動車用の内燃機関において、シリンダブロックやシリンダヘッドなどは冷却水で冷却されており、そこで、シリンダブロックには気筒列を囲う冷却水通路(ブロックジャケット)が形成されて、シリンダヘッドには面的な広がりを持つ冷却水通路(ヘッドジャケット)が形成されている。ブロックジャケットとヘッドジャケットとは連通穴を介して連通していることが多く、この場合、冷却水は、ブロックジャケットからヘッドジャケットに流れるようになっていることが多い。
ヘッドジャケットを通過した冷却水は、設定温度よりも低い状態では、ラジエータを経由せずにウォータポンプに戻っており、ウォータジャケットに戻る過程で、全量又は一部がヒータコアやEGRクーラなどを経由している。
他方、冷却水の温度が設定温度を越えると、ヘッドジャケットを通過した冷却水の全部又は大部分は、ラジエータを経由してウォータポンプに戻るようになっている。このため、冷却水の通路中に、ラジエータへの通水を制御するサーモバルブが配置されている。
そして、冷却水の通水態様は多種多様であり、その例として特許文献1には、冷却水をウォータポンプに送る通路にサーモバルブを配置した構造において、サーモバルブの感温部(感温式スライダー)が配置されている感温空間に、シリンダヘッドから冷却水が直接戻るバイパス通路を交叉した姿勢で接続すると共に、ラジエータからの戻り通路を接続して、バイパス通路から戻った冷却水をサーモバルブの感温部に当てることによってサーモバルブを作動させるようにした態様が開示されている(特に図1参照)。
特開平07-166863号公報
特許文献1では、サーモバルブが配置されている冷却水通路と冷却水が戻るバイパス通路とはほぼ直交しているため、バイパス通路を流れてきた冷却水は流れ方向を90°変換してサーモバルブに向かうが、バイパス通路を流れる冷却水は直進性をもっているため、冷却水は、感温部が配置されている感温空間のうちバイパス通路の下流方向の部位に集中的に流れる傾向を呈して、冷却水がサーモバルブの感温部に満遍なく当たらず、その結果、冷却水温度が感温部の作動に正確に反映されずにサーモバルブの作動が不正確になるおそれがあると云える。
本願発明はこのような現状を背景にして成されたものであり、冷却水が流れ方向を変えて感温空間に流入するようになっている冷却水通路に関し、サーモバルブの正確な作動を実現できる構造を提供しようとするものである。
本願発明は、
「互いに交差した姿勢の第1通路及び第2通路と、前記第1通路と第2通路とが交わった交叉部とを有していて、冷却水は、前記第1通路から前記交叉部を経て第2通路に流れるようになっており、
前記第2通路に、当該第2通路を仕切る弁座板と感温式スライダーとを備えたサーモバルブが、前記感温式スライダーを前記交叉部の側に位置させた状態で配置されていて、前記第2通路のうち前記感温式スライダーが配置された部位は感温空間になっている」
という構成において、
「前記感温空間と交叉部との間の部位に、流路面積を縮小させた絞り部が形成されて、
前記感温空間及び交叉部は前記第1通路よりも大きい流路面積に形成されており、かつ、前記感温空間は、前記絞り部に対して、前記第1通路の下流方向にずれるようにオフセットされている、
という特徴を有している。
本願発明では、冷却水が交叉部で方向変換して第2通路に流入するにおいて、まず、絞り部が壁になることにより、冷却水の直進性が交叉部において大幅に減殺される。次いで、冷却水は、流速を速めた状態で絞り部に流入するが、流速が速くなっているため、冷却水は、第2通路の中心線(軸心)方向に向かうように方向付けられており、絞り部を通過すると流速を急激に低下させて、感温空間の全体に拡散していく。
このように、本願発明では、第2通路に絞り部を設けたことにより、交叉部では、第1通路を直進しようとする方向性が減殺されつつ、第2通路に対しては、その軸心方向に向かうように方向付けられてから感温空間に拡散していく。これにより、冷却水をサーモバルブの感温式スライダー(感温部)に均等に接触させることができる。その結果、冷却水の温度に対するサーモバルブの応答性を格段に高めて、サーモバルブの作動精度を向上できる。
また、第1通路を流れてきた冷却水が交叉部において互いに混ざり合うため、冷却水の温度も均一性化できる。この面でも、サーモバルブの作動精度を向上させることができる。
第1通路を流れる冷却水の流速が速い場合などでは、冷却水が交叉部から方向変換して第2通路の感温空間に流入するにおいて、第1通路の流れの直進性が残っていて、冷却水が、絞り部のうち第1通路の流れ方向から見た下流側に多く流れる傾向を呈することがあるかもしれない。すなわち、冷却水の流れの中心が、絞り部の中心から第1通路の流れ方向下流側にずれることがあるかもしれない。
この点、本願発明では、絞り部が第1通路の上流側にずれている(オフセットされている)ため、絞り部を通過する冷却水の流れの中心が第1通路の流れ方向下流側にずれていても、そのずれがオフセットによって補正されて、冷却水の流れの中心を感温空間の中心線(軸心)に合わせることができる。これにより、冷却水を感温空間に均等に分散させることを確実化して、サーモバルブの作動の正確性を確保することができる。
実施形態を示す図で、(A)は冷却系統を示す模式図、(B)は図2のIB-IB 視断面図である。 平面図である。 ウォータポンプを分離した平面図である。 クランク軸線及びシリンダボア軸線と直交した方向から見た側面図である。 ウォータポンプを分離した側面図である。 図4のVI-VI 視断面図である(ウォータポンプの断面は表示していない。)。 ウォータポンプの断面を表示した平断面図である。 図4の VIII-VIII視断面図である。 図8のIX-IX 視断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向(シリンダブロックの長手方向)、左右方向は、クランク軸線及び気筒軸線と直交した方向(シリンダヘッドの短手方向)である。前と後ろについては、タイミングチェーンが配置される側を前、ミッションが配置される側を後ろとしている。念のため、図2等に方向を明示している。
上下方向は、シリンダボア軸線としている。従って、平面視はシリンダボア軸線方向から見た方向であり、側面視は、クランク軸線方向及びシリンダボア軸線と直交した方向から見た方向である。
(1).内燃機関の概要
本実施形態は、車両用内燃機関に適用している。まず、内燃機関の概要を図1(A)の模式図に基づいて説明する。
内燃機関は、機関本体の中核としてシリンダブロック1とその上面に固定されたシリンダヘッド2とを備えており、シリンダヘッド2の上面にはシリンダヘッドカバー3が固定されて、シリンダブロック1の下面にはオイルパン4が固定されている。シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の前面(一端面)には、タイミングチェーン(図示せず)を覆うフロントカバー(チェーンカバー、チェーンケース)5がボルトで固定されている。
シリンダブロック1には、シリンダヘッド2に向けて上向き開口したとブロックジャケット6が形成されており、シリンダヘッド2の内部にもヘッドジャケット7が形成されている。シリンダブロック1及びシリンダヘッド2は、それぞれアルミの鋳造品である。
シリンダブロック1のうち前端寄り部位には、ウォータポンプ8が配置されており、冷却水はウォータポンプ8からブロックジャケット6及びヘッドジャケット7に送水されるが、本実施形態では、冷却水が設定温度よりも低い状態では主としてヘッドジャケット7に流れて、冷却水が設定温度に至るとヘッドジャケット7とブロックジャケット6との両方に流れる2系統冷却システムを採用している。
そこで、ウォータポンプ8の吐出通路9から、ヘッド行き送水通路10とブロック行き送水通路11とを分岐させて、ブロック行き送水通路11に第1サーモバルブ12を配置しており、ヘッド行き送水通路10はヘッドジャケット7の前端部に連通し、ブロック行き送水通路11は、ブロックジャケット6の前端寄り部位に連通している。
シリンダヘッド2の後端部には冷却水出口2aが開口しており、この冷却水出口2aに、ヒータ送り管路13とラジエータ送り管路14とが接続されている。ヒータ送り管路13はヒータコア15のインレットポートに接続されているが、途中にEGRクーラ16が介在している。ヒータコア15のアウトレットポートにはヒータ戻り管路17が接続されており、ヒータ戻り管路17は、シリンダヘッド2の後端部に形成された中継部18に接続されている。
ヒータ戻り管路17の中途部には、オイルクーラ19が介挿されている。また、ヒータ送り管路13とヒータ戻り管路17とはバイパス通路20で接続されており、このバイパス通路20に、EGRバルブ20aが介在している。
シリンダヘッド2の後端部に形成された中継部18には、シリンダブロック1の後端部に向けて開口したヘッド流下通路21が形成されている一方、シリンダブロック1には、ヘッド流下通路21とウォータポンプ8とに連通した前後長手の冷却水戻り通路22が一体に形成されている。
他方、ラジエータ送り管路14はラジエータ23のアッパータンクに接続されており、ラジエータ23のロアタンクにはラジエータ戻り管24が接続されている。そして、冷却水戻り通路22の下流端部に連通した中継通路25に第2サーモバルブ26を配置し、第2サーモバルブ26のポートにラジエータ戻り通路24を接続している。
冷却水の温度が設定値より低い状態では、冷却水は全量がヒータ戻り管17を経由して冷却水戻り通路22に流れ込む。他方、冷却水の温度が設定を越えると、ヘッドジャケット7から排出された冷却水のうち大部分は、ラジエータ23を経由してウォータポンプ8に吸い込まれ、残りの部分は、ヒータ戻り管17及び冷却水戻り通路22を経由してウォータポンプ8に吸い込まれる。
(2).シリンダブロックの基本構造
次に、シリンダブロック1に関連した冷却水流れ構造の詳細を、図1(B)以下の図面も参照して説明する。
本実施形態の内燃機関は3気筒であり、そこで、図2のとおり、シリンダブロック1には、3つのシリンダボア27がクランク軸線方向に並べて形成されている。シリンダボア27の群はブロックジャケット6で囲われているが、本実施形態では、ブロックジャケット6は、前部を構成するフロントブロックジャケット6aと、それ以外のメインブロックジャケット6bとに分離している。
冷却水の温度が設定温度以下の状態では、冷却水は、フロントブロックジャケット6aだけからヘッドジャケット7に流れて、冷却水の温度が設定温度を越えると、冷却水は、図1(A)に示す連通穴28を介してメインブロックジャケット6bからヘッドジャケット7に流れる。
本実施形態の内燃機関は車両用であってエンジンルームに搭載されるが、クランク軸線を車幅方向に長い姿勢にすると共に排気側面を車両前方に向けており、従って、横置き・前排気姿勢で車両に搭載されている。そして、図2に示すように、シリンダブロック1のうち排気側面29の側に位置した部位の後部に、図1(A)に示したヘッド流下通路21と連通する冷却水流入口30が上向きに開口しており、更に、冷却水流入口30の手前側に、第1ブロック側オイル落とし通路31と第2ブロック側オイル落とし通路32とが前後に並んだ状態で形成されている。
両ブロック側オイル落とし通路31,32はシリンダブロック1を上下に貫通しているが、上部には、前後方向に広がった拡張部33が形成されている。図2に点線で示すように、シリンダヘッド2には、ブロック側オイル落とし通路31,32に対応した前後2本のヘッド側オイル落とし通34,35が形成されている。図2,3等に示す符号36は、ヘッドボルト挿通穴である。
例えば図2,3,1(B)のとおり、シリンダブロック1の排気側面29には、前後方向に長い円筒状の横長ボス体37が一体に形成されており、このボス体37の内部を既述の冷却水戻り通路22と成している。図6に示すように、冷却水流入口30と冷却水戻り通路22の後端部は、横穴38によって連通している。また、図6に示すように、冷却水戻り通路22の後端部はプラグ39で塞がれている。
図4に示すように、ブロック側オイル落とし通路31,32は、シリンダブロック1の排気側面29に突設した縦長ボス体40の箇所に形成している。従って、冷却水戻り通路22が形成された横長ボス体37とブロック側オイル落とし通路31,32が形成された縦長ボス体40とによって、シリンダブロック1の剛性が高められている。シリンダブロック1の排気側面29には、補強のための補助リブ41を突設している。
(3).ウォータポンプと吸い込み構造
図7に示すように、シリンダブロック1の排気側面29のうち前部に、冷却水戻り通路22の終端を構成する拡張室22aを形成して、拡張室22aを側方に向けて開口させており、この拡張室22aを塞いだ状態でウォータポンプ8が配置されている。
図7に示すように、ウォータポンプ8は、シリンダブロック1に向けて開口した中継通路25を有するメインハウジング44と、メインハウジング44に側方から固定されたキャップ45と、メインハウジング44の前面に固定されていてポンプ室(渦巻き室)46を塞ぐポンプハウジング47と、ポンプハウジング47に軸受48を介して回転自在に保持されたプーリ49とを備えており、プーリ49に設けた主軸50に、ポンプ室46に配置された羽根車51を固定している。なお、拡張室22aは、冷却水戻り通路22と中継通路25との交叉部と呼ぶことも可能である。
中継通路25と第1通路と冷却水戻り通路22とは、交叉部22aを介して連通している。本実施形態では、請求項との関係では、冷却水戻り通路22が第1通路に該当して、中継通路25が第2通路に該当している。また、第2サーモバルブ26は、請求項に記載したサーモバルブに該当する。
ポンプ室46は、メインハウジング44に形成されている。メインハウジング44はボルトでシリンダブロック1の受け座1a(図5参照)に固定されており、ポンプハウジング47とキャップ45とは、それぞれボルトでメインハウジング44に固定されている。敢えて述べるまでもないが、ウォータポンプ8は、補機駆動ベルトを介してクランクプーリによって駆動される。
図7に示すように、キャップ45には、左右外向きに開口した戻りポート45aが形成されており、この戻りポート45aに、ホースより成るラジエータ戻り管路24が接続されている。そして、メインハウジング44とポートキャップ45とで囲われた空所に、ラジエータ23への通水を制御する第2サーモバルブ26が配置されている。
図7に示すように、第2サーモバルブ26は、メインハウジング44とポートキャップ45とで挟み保持された弁座板54と、弁座板54に固定されて左右方向外側に突出したフロントケージ55と、フロントケージ55の先端部に固定された左右長手の中心軸56と、弁座板54よりも奥側に位置して中心軸56にスライド可能に取付いた感温式のスライダー(感温部)57と、スライダー57の先端に固定されて弁座板54と密着・離反自在な可動弁板58とを有しており、可動弁板58は、弁座板54に固定されたリアケージ59で支持されたばね60により、弁座板54と密着する方向に付勢されている。
弁座板54には通水穴が空いており、ケージ55,59も通水自在な構造である。スライダー57には、温度に応じて膨張・収縮する感温作動体が内蔵されており、冷却水の温度が設定値に至るまでは、感温作動体は熱膨張せずに、可動弁板58は弁座板54と密着している。従って、ラジエータ23への冷却水の循環は停止している。
他方、冷却水の温度が設定値に至ると、感温作動体が熱膨張してスライダー57が後退を開始して、これによって可動弁板58が弁座板54から離反する。従って、冷却水はラジエータ23を循環する。なお、冷却水の温度が設定温度から上昇していくと、可動弁板58の移動量の増大に連れてラジエータ23への通水量が増加していく。
第2サーモバルブ26の弁座板54により、中継通路25と冷却水戻り通路22とが区画されており、冷却水は、中継通路25からポンプ室46に吸い込まれる。図7及び図9に矢印61で示すように、冷却水は、羽根車51の回転軸心方向からポンプ室46に流入して、ポンプ室46を周方向に流れていき、次いで、図8,9に示すように、メインハウジング44の下部に形成された前後長手の吐出通路9に至る。
(4).冷却水流入部の特徴的構造
図7に示すように、交叉部22aとポンプ室46とを繋ぐ中継通路25のうち感温式スライダー57よりも上流側の部位に、断面積を小さくした絞り部(くびれ部)66を形成している。従って、中継通路25のうち絞り部66よりも外側の空間は、第2サーモバルブ26の感温式スライダー57(感温部)が配置された感温空間25aになっている。中継通路25は、絞り部66によって略半分程度の断面積に絞られている。絞り部66のうち奥側の面は、滑らかな湾曲面66aになっている。
更に、交叉部22aの軸心O1と第2サーモバルブ26の軸心O2(感温空間25aの軸心)とを、第2サーモバルブ26の軸心O2が手前に(冷却水戻り通路22の下流方向に)ずれるように、前後方向にある程度の寸法Eだけオフセットさせている。
交叉部22aは側面視で略円形に形成されている一方、中継通路25も側面視で円形に形成されており、両者の内径は概ね同じに設定されている。交叉部22a及び中継通路25の断面積は、冷却水戻り通路22の内径よりも遥かに大きくなっている。従って、冷却水戻り通路22を流れてきた冷却水は、交叉部22aにおいて流速が大きく低下する。
さて、冷却水戻り通路22を流れてきた冷却水は、ほぼ90°方向変換して交叉部22aから中継通路25に流入するが、絞り部66が存在しない場合は、冷却水は、図7に点線矢印67で示すように、交叉部22aの前端面と中継通路25の前端面とに沿って流れる傾向を呈して、冷却水が第2サーモバルブ26の感温部のうち手前側の部位に集中的に当たる片当たり現象が発生しやすい。このため、第2サーモバルブ26の応答性が低下して、冷却水の温度を正確に反映した開閉が行われないおそれがある。
これに対して、本実施形態のように、中継通路25に絞り部66を形成すると、図7に実線の矢印68で示すように、冷却水は、交叉部22aで直進性を殆ど無くしてから絞り部66に向かい、絞り部66によっていったん流速を速めてから、絞り部66を通過すると、感温空間25aでは、流速を低下させつつ当該絞り部66の中心線(中継通路25の中心線)の放射方向に拡散していく。
結局、冷却水は、交叉部22a(絞り部66の前室)において方向性を無くして感温空間25aに向かうように方向付けられると共に、十分に混ざり合って温度が均一化されるのであり、その状態で、感温空間25aに均等に拡散していくため、第2サーモバルブ26の感温部(感温式スライダー57)に、温度が均一化された冷却水を満遍なく接触させることができる。その結果、第2サーモバルブ26の応答性を向上できる。
他方、交叉部22aにおいて冷却水の直進性が多少は残り得ることから、交叉部22aと中継通路25とが同心であると、冷却水の流速が速い場合などには、冷却水が絞り部66のうち前側の部位に偏って流れる傾向が発生する可能性がある。
これに対して、本実施形態のように、中継通路25(感温空間25a)が交叉部22a及び絞り部66に対して手前側に(冷却水戻り通路22の流れ方向下流側に)オフセットされていると、冷却水が絞り部66のうち手前側の部位に偏よって流れても、偏った流れが絞り部66のオフセットによって補正されて、冷却水の流れの中心を中継通路25の軸心に合わせることができるのであり、これにより、感温空間25aに冷却水を満遍なく行き渡らせて、第2サーモバルブ26の正確な作動を確保することができる。
実施形態のように、絞り部66の奥面を湾曲面66aに形成すると、冷却水をスムースに感温空間25aに導くことができる利点がある。湾曲面66aに代えて傾斜面(テーパ面)を採用することも可能である。
中継通路25の一部をシリンダブロック1に形成して、絞り部をシリンダブロック1に形成することも可能であるが、実施形態のように中継通路25の全体を第2サーモバルブ26のメインハウジング44に形成すると、絞り部66を挟んだ左右両側が開口するため、容易に製造できる(メインハウジング44がダイキャスト品であっても、容易に型抜きできる。)。
実施形態では、絞り部66を構成する突条を全周に亙って形成したが、突条は少なくとも手前側(冷却水戻り通路22の流れ方向下流側)に形成したらよい。また、実施形態では、絞り部66を構成する突条の突出高さが全周に亙って一定になっているが、突条を全周に形成しつつ、手前側が高くなるように形成することも可能である。いずれの場合も、感温空間25aの中心は絞り部66の中心に対して手前にオフセットされる。
(5).ウォータポンプからの吐出構造
図9に示すように、吐出通路9の下流側の端部には、ヘッド行き送水通路10の横長部10aと、ブロック行き送水通路11の横長部11aとが連通している。図8に実線で示すように、ブロック行き送水通路11の横長部11aは、メインハウジング44とシリンダブロック1とに跨がった状態で形成されており、横長部11aの奥端部(下流端部)に、ブロック行き送水通路11の縦長部11bが連通していて、縦長部11bがメインブロックジャケット6bと連通している。
図8に一点鎖線で示すように、ヘッド行き送水通路10の横長部10aも、メインハウジング44とシリンダブロック1とに跨がった状態で形成されており、横長部10aの奥部に、フロントブロックジャケット6aと連通する縦長部10bが連通している。
図2,3,6にも、ヘッド行き送水通路10とブロック行き送水通路11とを明示している。既述のとおり、ヘッド行き送水通路10の横長部10aとブロック行き送水通路11の横長部11aとはシリンダブロック1にも形成されているが、図5には、シリンダブロック1に形成されている横長部10a,11aを明示している。
ブロック行き送水通路11の横長部11aに、第1サーモバルブ12が配置されている。第1サーモバルブ12は、第2サーモバルブ26と同様に、弁座板54とアウターケージ55と中心軸56とスライダー57と可動弁板58とばね60とを有しており、弁座板54はシリンダブロック1とメインハウジング44とで挟み固定されている。但し、この第1サーモバルブ12では、ばね60は、中心軸56に固定されたフランジ64で支持されている。
本実施形態では、図9に示すように、ブロック行き送水通路11の横長部11aを吐出通路9よりも下方にオフセットさせている。このように構成すると、吐出通路9から放出された冷却水は、下向きに方向を変えて横長部11aの内周面に沿って流れていき、横長部11aの軸心回りの旋回流となって、横長部11aの奥部に向けて流れていくため、圧損を大幅に抑制できる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、第1通路を冷却水戻り通路に適用する場合、冷却水戻り通路はパイプで構成されていてもよい。また、本願発明は、冷却水が温度に関係なくブロックジャケットとシリンダヘッドとに流れる冷却装置(1系統の冷却装置)にも適用できる。
本願発明は、内燃機関の冷却装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
6(6a,6b) ブロックジャケット
7 ヘッドジャケット
8 ウォータポンプ
9 吐出通路
22 冷却水戻り通路(第1通路)
22a 交叉部
23 ラジエータ
24 ラジエータ戻り管路
25 中継通路(第2通路)
25a 感温空間
26 第2サーモバルブ(請求項のサーモバルブ)
44 メインハウジング
46 ポンプ室
54 弁座板
56 中心軸
58 可動弁板
57 感温式スライダー(感温部)
66 絞り部

Claims (1)

  1. 互いに交差した姿勢の第1通路及び第2通路と、前記第1通路と第2通路とが交わった交叉部とを有していて、冷却水は、前記第1通路から前記交叉部を経て第2通路に流れるようになっており、
    前記第2通路に、当該第2通路を仕切る弁座板と感温式スライダーとを備えたサーモバルブが、前記感温式スライダーを前記交叉部の側に位置させた状態で配置されていて、前記第2通路のうち前記感温式スライダーが配置された部位は感温空間になっている構成であって、
    前記感温空間と交叉部との間の部位に、流路面積を縮小させた絞り部が形成され
    前記感温空間及び交叉部は前記第1通路よりも大きい流路面積に形成されており、かつ、前記感温空間は、前記絞り部に対して、前記第1通路の下流方向にずれるようにオフセットされている、
    内燃機関の冷却装置。
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