JP2011069260A - サーモスタット及び同サーモスタットを備えるエンジンの冷却装置 - Google Patents

サーモスタット及び同サーモスタットを備えるエンジンの冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却水がサーモスタットを通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部の感温性を向上させることで、冷却水温度をエンジンの要求に見合う適正な温度に維持することのできるサーモスタット及びこれを備えるエンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】このサーモスタット50は、合流通路59Bと、流出口52Aと、周囲に存在する冷却水の温度を感温して変位する感温部54と、同感温部54の変位に基づいて開閉することによりラジエータに流入する冷却水の量を調節する弁体55とを有する。そして感温部54は、その変位位置にかかわらず合流通路59Bから流出口52Aに流れる冷却水の流線上にあってそれら合流通路59B及び流出口52Aに挟まれるように位置するとともに、その中心軸STは流出口52Aに接続されるウォータポンプの吸入口21の吸入口中心軸SWよりも左右方向Wの左側にオフセットされてなる。
【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンのラジエータに流れる冷却水の流量を調節するサーモスタット及びこれを備えるエンジンの冷却装置に関する。
車両には、オーバーヒートやオーバークールを抑制してエンジンを適温に保つための冷却装置が搭載されている。エンジンの内部に冷却水を循環させてエンジンの冷却を行う水冷式の冷却装置では、ウォータポンプにより冷却水を循環させて、エンジンを冷却するようにしている。そしてエンジンの熱で高温となった冷却水は、ラジエータに送られ、ラジエータに当る風によって冷却された後、エンジンに戻されるようになっている。
一方、エンジンの暖機が必要な場合には、ラジエータを介した冷却水の循環を遮断することで、冷却水を適温まで速やかに昇温させるようにしている。ただし、ウォータポンプは一般に、出力軸と連動されており、エンジンの駆動中はその駆動を停止させることができず、冷却水の循環を止めることができない。そのため、こうしたエンジンの冷却装置では、ラジエータを介することなく冷却水を循環させる迂回路を設けるとともに、暖機中はこの迂回路を通じて冷却水を循環させることで、冷却水を適温まで速やかに昇温させるようにしている。
こうした暖機中、暖機完了後の冷却水の循環経路の切り替えは、自身に流入する冷却水の温度に感応して作動する温度感応式の弁であるサーモスタットにより行われる。一般的なサーモスタットは、感温部に封入された物質の熱膨張・熱収縮により開閉する弁体を備えている。そして、このサーモスタットの弁体を開閉することで、冷却水の温度が低いときには上記迂回路を通じて冷却水を循環させ、冷却水の温度が高いときにはラジエータを通じて冷却水を循環させるようにしている。
特開2004‐263587号公報
このようなサーモスタットにおいては、従来から感温部の感温性を向上させるために様々なタイプのものが提案されている。例えば、特許文献1に記載の冷却装置では、サーモスタットに流入する冷却水を感温部の外周面に導流させやすくするための導流部を設けている。
しかし、このような導流部はサーモスタットを流れる冷却水の水流れに対して圧力損失となるため、サーモスタットへ流入する冷却水の流入量を確保するためにはウォータポンプの駆動力を増大させる必要性があった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却水がサーモスタットを通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部の感温性を向上させることで、冷却水温度をエンジンの要求に見合う適正な温度に維持することのできるサーモスタット及びこれを備えるエンジンの冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、エンジンから流出した冷却水を導入する流入口と、冷却水を排出する流出口と、周囲に存在する冷却水の温度を感温して変位する感温部と、同感温部の変位に基づいて開閉することにより前記エンジンのラジエータに流入する冷却水の量を調節する弁体とを有するサーモスタットにおいて、前記感温部は、その変位位置にかかわらず前記流入口から前記流出口に流れる冷却水の流線上にあってそれら流入口及び流出口に挟まれるように位置するとともに、その中心軸は前記流出口に接続されるウォータポンプ吸入口の開口中心よりも前記流入口側にオフセットされてなることを要旨としている。
上記発明では、感温部が流入口から流出口に流れる冷却水の流線上にあってそれら流入口及び流出口に挟まれるように位置しているため、感温部が冷却水の温度に応じて変位した場合でも、同感温部は常に冷却水と接触するようになる。したがって、冷却水を感温部に指向させるための部材を冷却水の流れの中に配設しなくてもよく、こうした部材の存在に起因する圧力損失の増大が抑制されるようになる。更に、感温部はその中心軸がウォータポンプ吸入口の開口中心よりも流入口側にオフセットされているため、同流入口からサーモスタットの内部に流入した冷却水の多くが感温部に接触するようになり、感温部の感温性が向上するようになる。このように上記発明によれば、冷却水がサーモスタットを通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部の感温性を向上させることで、冷却水温度をエンジンの要求に見合う適正な温度に維持することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサーモスタットを具備したエンジンの冷却装置において、当該サーモスタットが設けられて冷却水が循環する冷却水通路は、同エンジンとラジエータとの間で冷却水を循環させるための第1通路、及び前記エンジンとヒータコアとの間で冷却水を循環させるための第2通路、及び前記ヒータコアを介することなく冷却水を循環させるための第3通路を備え、前記第1通路は前記サーモスタットの弁体により冷却水の流路断面積が変更され、前記流入口には前記第2通路及び前記第3通路が接続される第4通路が接続されることをその要旨としている。
例えば、サーモスタットに第3通路が直接接続される構成にあって、第2通路からサーモスタットに流入する冷却水の流量が多い場合や、サーモスタットが開弁し且つ第1通路からサーモスタットに流入する冷却水の流量が多い場合には、それら各通路から流入する冷却水の流勢により第3通路からサーモスタットに冷却水が流入しにくくなる。特に、第3通路を流れる冷却水の量が少ない場合にはこうした傾向が一層顕著になる。そしてこの結果、第3通路からサーモスタットに冷却水が流入する際の圧力損失が大きくなり、換言すればエンジンの温度と最も高い相関を有して温度変化する第3通路からの冷却水がサーモスタットに流入しにくくなり、感温部における感温性の低下を招く懸念がある。
この点、上記発明によれば、流入口には第2通路及び第3通路が接続される第4通路が接続されているため、第3通路における冷却水は第2通路からサーモスタットに流入する冷却水の流れに引き込まれ、第4通路にて合流した後、サーモスタットに流れ込むようになる。すなわちエンジンの冷却装置において、冷却水がサーモスタットを通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部の感温性を向上させることができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、前記第1通路の流路断面積は前記第2通路の流路断面積及び前記第3通路の流路断面積よりも大きく設定されることを要旨としている。
上記発明では、第1通路の流路断面積が第2通路の流路断面積及び第3通路の流路断面積よりも大きく設定されているため、エンジンの暖気完了後等、サーモスタットが開弁されているとき、第2通路及び第3通路に比べて、より多くの冷却水がエンジンから第1通路に流入するようになる。その結果、冷却水がより多くラジエータに供給されるようになり、エンジンを速やかに冷却することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエンジンの冷却装置において、前記第2通路の流路断面積は前記第3通路の流路断面積よりも大きく設定されることを要旨としている。
上記発明では、第2通路の流路断面積が第3通路の流路断面積よりも大きく設定されているため、第3通路に比べて、第2通路にはより多くの冷却水がエンジンから流入するようになる。その結果、冷却水がより多くヒータコアに供給されるようになり、速やかに車室内を昇温することができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記第3通路には、該第3通路を通じた冷却水の循環を許容または遮断する常閉型の開閉弁が設けられることを要旨としている。
上記発明では、第3通路に該第3通路を通じた冷却水の循環を許容または遮断する常閉型の開閉弁が設けられるため、通常、第3通路を通じた冷却水の循環が遮断されており、より多くの冷却水が第2通路を循環するようになる。その結果、第2通路を通じてヒータコアに供給される冷却水の量を十分に確保することができ、車室内を速やかに昇温することができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエンジンの冷却装置において、前記開閉弁は、前記冷却水通路における該開閉弁の上流側及び下流側における冷却水の圧力差に基づいて開閉するものであり、その上流側の圧力が所定の圧力を超えて下流側の圧力よりも大きくなったときに開弁するものであることを要旨としている。
エンジンから流出する冷却水はウォータポンプの駆動により循環している。そして、このウォータポンプはエンジンにより駆動されているため機関回転速度が上昇するにともないその吐出量が増大する。すなわち、第1〜第3通路における冷却水の圧力が増大する。
上記発明では、開閉弁が冷却水通路における該開閉弁の上流側と下流側との圧力差に基づいて開閉するように構成されている。すなわち、機関回転速度が急上昇することにより上流側の圧力が所定の圧力を超えて下流側の圧力よりも大きくなるとき、この開閉弁が開弁するようになる。
そして例えば、暖機完了直前のようにエンジンの運転に伴って冷却水が温度上昇した状況下でサーモスタットが未だ閉弁状態にあるとき、すなわちラジエータによる冷却水の熱交換が行われていないときに、機関回転速度が急上昇してエンジンを冷却する要求が生じたときには、開閉弁が開弁するため、エンジンから流出した高温の冷却水が第2通路に加え、第3通路にも流入し、第2、第3通路の冷却水が合流した状態で第4通路を通じてサーモスタットに流入するようになる。これにより、サーモスタットが速やかに開弁され、ラジエータを通じて冷却された低温の冷却水がエンジンに供給されるようになる。その結果、このように機関回転速度が急上昇してエンジンを冷却する要求が生じたときには、速やかにエンジンを冷却することができるようになる。
また一方、エンジンの暖気中、すなわち冷却水の温度が低くサーモスタットが閉弁状態にあるときに、機関回転速度が急上昇することによりエンジンから第1通路に流入する冷却水の圧力が増大すると、その圧力がサーモスタットの弁体に作用して同サーモスタットが開弁状態となり、冷却水の温度がまだ低くエンジンを冷却する要求がないのにもかかわらずラジエータにより冷却された低温の冷却水がエンジンに供給されるおそれがある。
この点、上記発明によれば、エンジンから流出した低温の冷却水は、第2通路に加え、第3通路にも流入し、第2、第3通路の冷却水が合流した状態で第4通路を通じてサーモスタットに流入するようになる。これにより、エンジンから流出した冷却水が第1〜第3通路の各々に分散され、開閉弁が閉弁しているときに比べて、第1通路における冷却水の圧力を低減することができるようになる。従って、第1通路における冷却水の圧力が大きくなることに起因してサーモスタットが開弁してしまうことを抑制することができるため、低温の冷却水がエンジンに供給されてしまうこともない。ひいては、速やかにエンジンの暖気を行うことができるようになる。なおこの場合、第2通路及び第3通路に第4通路を通じてサーモスタットに流入する冷却水の温度は低いため、これが感温部に接触したとしてもこれによりサーモスタットが開弁状態になることはない。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のエンジンの冷却装置において、前記開閉弁は、前記第2通路と前記第3通路との合流部に設けられるものであることを要旨としている。
上記発明によれば、常閉型の開閉弁が第2通路と第3通路との合流部に設けられているため、開閉弁が閉弁状態から開弁状態に移行する際、すなわち、開閉弁が開弁状態になる瞬間には、この開閉弁下流において第2通路から第4通路に流入する冷却水の流れによって生じる負圧により、第3通路の冷却水が引き込まれて速やかにサーモスタットに流入するようになる。その結果、エンジンを冷却する要求が生じているとき、エンジンから流出した高温の冷却水は第2通路及び第3通路及び第4通路を通じてサーモスタットへ速やかに流入するようになる。これにより、サーモスタットが閉弁状態から開弁状態となる際の応答性を向上させることができ、ラジエータを通過して温度低下した冷却水によりエンジンを速やかに冷却することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、前記サーモスタットのハウジングには前記第3通路が接続される連通配管が形成され、前記開閉弁はこの連通配管内に配設されることを要旨としている。
上記発明によれば、サーモスタットのハウジング内に開閉弁が配設されるため、エンジンの冷却装置についてそのコンパクト化を図ることができる。
本発明のエンジンの冷却装置を具体化した一実施形態について、装置全体の構成を模式的に示す略図。 同実施形態のエンジンの冷却装置について、(a)暖気中の冷却水の循環態様を模式的に示す略図。(b)暖気完了後の冷却水の循環態様を模式的に示す略図。 同実施形態のサーモスタットについて、同サーモスタットがエンジン本体に固定された状態を示す正面図。 同実施形態のサーモスタットの正面図。 同実施形態のサーモスタットについて、左右方向Wの左側からみたときの側面構造を示す側面図。 同実施形態のサーモスタットについて、図7のA−A線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態のサーモスタットについて、その側部断面構造を示す断面図。 同実施形態のサーモスタットについて、(a)その閉弁時の側部断面構造を示す断面図。(b)その開弁時の側部断面構造を示す断面図。 同実施形態のエンジンの冷却装置について、(a)差圧弁開弁時の冷却水の循環態様を示す略図。(b)差圧弁閉弁時の冷却水の循環態様を示す略図。 (a)エンジンの冷却装置の比較例について、サーモスタット周辺の冷却水温度の変化態様を示すグラフ。(b)本実施形態のエンジンの冷却装置について、サーモスタット周辺の冷却水温度の変化態様を示すグラフ。
図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態のサーモスタット50が適用されるエンジン1の冷却装置10は、凍結防止剤や錆防止剤の混入された冷却水を冷却媒体として、これを循環させることによりエンジン1の温度を適切な温度に維持するものとして構成されている。
図1にエンジン1及びその冷却装置10の全体構成を示す。
冷却装置10は、冷却水を吐出するウォータポンプ20と、冷却水を冷却するラジエータ30と、冷却水の熱によって車室内の空気を昇温するヒータコア40と、冷却水の流通経路を切り替えるサーモスタット50と、エンジン1内の通路を含め、これらウォータポンプ20、ラジエータ30、ヒータコア40、サーモスタット50等を接続する各種通路により構成される冷却水通路70とを備えている。
ウォータポンプ20は、エンジン1の出力軸により駆動される。ラジエータ30は、走行風やファンの送風により冷却水を冷却する。ヒータコア40は、空調装置の一部として設けられて当該ヒータコア40周囲に供給された車室内の空気と同ヒータコア40内の冷却水との間で熱交換を行うことにより車室内の空気を昇温する。
サーモスタット50は、周囲に存在する冷却水の温度(冷却水温THW)に感温して開閉作動する感温作動式の弁である。
一方、冷却水通路70は、エンジン1から流出した冷却水を、
・ラジエータ30を介してサーモスタット50に流入させるラジエータ通路71
・ヒータコア40を介してサーモスタット50に流入させるヒータ経由通路72
・直接サーモスタット50に流入させるヒータ迂回通路73
に大別される。
次に、図2を参照して、冷却水の循環態様について説明する。図2(a)は暖気中、すなわち冷却水温THWが低いときの冷却水循環態様、図2(b)は暖気完了後、すなわち冷却水温THWが高いときの冷却水循環態様を示す。
エンジン1の暖気中のように冷却水温THWが低いとき、サーモスタット50が閉弁してラジエータ通路71を遮断する。その結果、エンジン1から流出した冷却水は、その全てがヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73を通じて循環する。
一方、エンジン1の暖気完了後のように冷却水温THWが高いとき、サーモスタット50が開弁してラジエータ通路71を開放する。その結果、エンジン1から流出した冷却水は、ヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73に加え、ラジエータ通路71を通じて循環する。
図3〜図10を参照して、冷却装置10に適用されるサーモスタット50の構造の詳細について説明する。
図3は、エンジン1及び同エンジン1に固定されたサーモスタット50の立体構造を示す。
サーモスタット50は、エンジン1のうちの出力軸とウォータポンプ20とを覆うチェーンカバーの上に設けられている。このチェーンカバーを介して、サーモスタット50の流出口とウォータポンプ20とが互いに連通されている。
図4は、サーモスタット50の正面図を示す。
サーモスタット50は、ハウジング51と、これに形成された配管部59とにより構成されている。ハウジング51には、ウォータポンプ20との接続面となる接続部52が形成されている。
接続部52には、その中心部に形成されて当該サーモスタット50に流入した冷却水が流出する流出口52Aと、流出口52Aの周囲に形成されて配管部59側を除く三方端部に形成されたフランジ部52Bとが形成されている。このフランジ部52Bとチェーンカバーとが互いに固定されることにより、サーモスタット50がエンジン1に固定される(図3参照)。
配管部59は、ラジエータ通路71と接続されるラジエータポート59Aと、ヒータ経由通路72と接続されるヒータ経由ポート59Cと、ヒータ迂回通路73と接続されるヒータ迂回ポート59Dとにより構成されている。また、ハウジング51の内部の一部には合流通路59Bが形成され、この合流通路59Bには、図中上側にヒータ迂回ポート59Dが接続されるとともに、その下側にはヒータ経由ポート59Cが接続されている。そして、その下方にはラジエータポート59Aが配置されている。
また、図4〜図8に示されるように、ヒータ迂回ポート59Dにおいて、ヒータ経由ポート59Cと接続される最下流部には、その内部に差圧弁61が配設されている。この差圧弁61は、通常では、ばねの付勢により閉弁している常閉型である。そして、差圧弁61は、その上流側の冷却水の圧力PAとその下流側、すなわち合流通路59Bにおける冷却水の圧力PBとの圧力差ΔP(=PA−PB)が所定の圧力差ΔPXを上回るときに開弁する。
次に、サーモスタット50の構造の詳細について説明する。
ここで、サーモスタット50に関する方向を次のように定義する。
図7に示されるように、弁体55が開閉する方向を「上下方向H」とし、上下方向Hに直交する方向を「左右方向W」とする。
ハウジング51は、接続部52と、この接続部52よりも上下方向Hの上側に形成される収容部53と、同収容部53よりも上下方向Hの上側に形成されるドーム部58とにより構成されている。
収容部53の内部には、自身の周囲に存在する冷却水温THWに感温して変位する感温部54と、この感温部54の変位に基づいてエンジン1のラジエータ30に流入する冷却水の量を調節する弁体55と、感温部54の外周に設けられて同感温部54を上下動可能に支持する一対のフレーム56と、弁体55とフレーム56との間に設けられるばね57とが配設されている。
感温部54は、ドーム部58の上部に固定されたピストン54Aと、このピストン54Aを出没可能に支持するガイド部54Bと、同ガイド部54Bに固定されるとともに、冷却水温THWに応じて膨張または収縮するワックス54Cが封入されたケース54Dとにより構成されている。
ガイド部54Bの上下方向Hのほぼ中央部には、弁体55が固定されている。
ドーム部58は、収容部53における上下方向Hの上側部分を覆うように形成されている。このドーム部58の上下方向Hの下側には開口部58Aが形成され、同開口部58Aを介して収容部53に接続されている。
また、図8に示されるように、感温部54は、ワックス54Cが収縮したときに弁体55がドーム部58の開口部58Aを塞ぐときの位置(閉弁位置)と、ワックス54Cが膨張したときに同弁体55がドーム部58の開口部58Aから最大限離間するときの位置(開弁位置)との間で変位する。
なお、ドーム部58の上部にはラジエータポート59Aが接続され、収容部53には、合流通路59Bが接続されている。
図5は、サーモスタット50の左右方向Wの左側からみたときの側面構造を示す。
ラジエータ通路71(ラジエータポート59A)の流路断面積A1は、ヒータ経由通路72(ヒータ経由ポート59C)の流路断面積A2よりも大きく設定されており、同流路断面積A2は、ヒータ迂回通路73(ヒータ迂回ポート59D)の流路断面積A3よりも大きく設定されている。
これら流路断面積A1〜A3の大きさと冷却水の循環態様との関係について説明する。
ラジエータ通路71の流路断面積A1は、ヒータ経由通路72の流路断面積A2及びヒータ迂回通路73の流路断面積A3よりも大きく設定されている。これにより、エンジン1の暖気完了後等、すなわち、冷却水温THWが高いことに基づいてサーモスタット50が開弁状態にあるとき、ヒータ経由ポート59C及びヒータ迂回ポート59Dに比べて、より多くの冷却水がエンジン1からラジエータポート59Aに流入するようになる。ひいては、冷却水がより多くラジエータ30に供給されるようになり、エンジン1を速やかに冷却することができるようになる。
ここで例えば、ヒータ経由通路72の流路断面積A2がヒータ迂回通路73の流路断面積A3と同じもしくは小さく設定されている場合、ヒータコア40を流れるときの圧力損失に起因して、ヒータ経由通路72に冷却水が流れにくくなる。
これに対して本実施形態では、ヒータ経由通路72の流路断面積A2がヒータ迂回通路73の流路断面積A3よりも大きく設定されている。これにより、ヒータ迂回通路73に比べて、ヒータ経由通路72には、より多くの冷却水がエンジン1から流入するようになる。ひいては、冷却水がより多くヒータコア40に供給されるようになり、速やかに車室内を昇温することができるようになる。
ところで、上述した構成を備えるサーモスタット50においては、冷却水温THWに応じて応答性よくサーモスタット50を開閉させるために、感温部54における感温性の向上が要求されている。すなわち、サーモスタット50に流入した冷却水をより多く感温部54に接触させることが、感温性を向上させる上では望ましい。
そこで本実施形態では、感温部54の中心軸(以下、「感温部中心軸ST」をウォータポンプ20の吸入口21の開口中心軸(以下、「吸入口中心軸SW」)よりも左右方向Wの左側、すなわち合流通路59B側にオフセットさせるようにしている。
図6及び図7を参照して、サーモスタット50とウォータポンプ20の吸入口21との位置関係を説明する。図6は、図7のA−A線に沿う断面構造を示し、図7は、サーモスタット50の側部断面構造を示す。
感温部54は、合流通路59Bとウォータポンプ20の吸入口21との間に挟まれる態様で配置されるとともに、その中心軸STが吸入口中心軸SWよりも幅Zの長さだけ合流通路59B側にオフセットして配置されている。
図8を参照して、このようなサーモスタット50の開弁時及び閉弁時における冷却水の循環態様について説明する。図8(a)は、閉弁時、すなわちラジエータ通路71を通じた冷却水の循環を遮断するときのサーモスタット50の断面構造を、図8(b)は、開弁時、すなわちラジエータ通路71を通じた冷却水の循環を許容するときのサーモスタット50の断面構造をそれぞれ示す。
合流通路59Bより流入して感温部54の周囲に導かれた冷却水の冷却水温THWが低いときには、感温部54のケース54D内に封入されたワックス54Cが収縮して、ピストン54Aがガイド部54B内に没入するようになる。これにより、同ガイド部54Bはピストン54Aの没入時に上下方向Hの上側(ドーム部58側)に移動するようになる。すなわち、感温部54が閉弁位置に位置するようになる。このとき、ガイド部54Bに固定された弁体55により、ドーム部58の開口部58Aが塞がれ、ラジエータポート59Aからの冷却水の流入、ひいてはラジエータ通路71を通じた冷却水の循環が遮断されるようになる。なお、このときにも、合流通路59Bからの冷却水の流入、すなわちヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73を通じた冷却水の循環は許容されている。
そして本実施形態では、感温部中心軸STを吸入口中心軸SWよりも合流通路59B側にオフセットしているため、合流通路59Bから流入した冷却水、換言すればヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73のうち少なくとも一方から流入した冷却水は、感温部中心軸STが吸入口中心軸SWと同軸上に位置するときに比べて、より感温部54に接触しやすくなる。すなわち、感温部54に接触する冷却水の流量が増大するようになる。
このときのサーモスタット50における冷却水の流れ、すなわち合流通路59Bから流入して、吸入口21に流出するまでの冷却水流れを図8の矢印FX(以下、「冷却水流れFX」)にて示す。
一方、合流通路59Bより流入して感温部54の周囲に導かれた冷却水の冷却水温THWが高いときには、感温部54のケース54D内に封入されたワックス54Cが膨張して、ピストン54Aがガイド部54Bから突出するようになる。これにより、ガイド部54Bは上下方向Hの下側に移動するようになる。その結果、感温部54が開弁位置に位置し、弁体55がドーム部58の開口部58Aから離間するようになり、ラジエータポート59Aからの冷却水の流入が、ひいてはラジエータ通路71を通じた冷却水の循環が許容されるようになる。すなわち、ラジエータポート59A及び合流通路59Bからの冷却水の流入が許容されるようになる。
このときのサーモスタット50における冷却水の流れ、合流通路59Bから流入する冷却水の流れは、上記の冷却水流れFXと同様となる。また、ラジエータ通路71から流入して、吸入口21に流出するまでの冷却水流れを図8の矢印FY(以下、「冷却水流れFY」)にて示す。
ここで、例えば、感温部中心軸STと吸入口中心軸SWとが同軸上に位置する場合を想定すると、サーモスタットに流入した冷却水の一部は感温部に接触することなく吸入口21へ流出してしまうことになる。これを回避すべく感温部の周辺に板を設けて、この板により冷却水が感温部へ確実に導かれるように、冷却水の流れ方向を変更させることが考えられる。しかしながら、上述したとおり、こうした構成によっては、冷却水が流入してから流出するまでのサーモスタットにおける圧力損失の増大を招くこととなる。
これに対して、本実施形態のサーモスタット50では、感温部中心軸STが吸入口中心軸SWよりも合流通路59B側に位置しているため、上記冷却水は感温部54に接触しやすくなる。これにより、上述したような圧力損失となりうる板等を設けることなく、すなわち、冷却水がサーモスタット50を通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、感温部54の感温性を向上させることができる。
図9を参照して、冷却水の循環態様について説明する。
図9(a)は、差圧弁61が開弁しているときの冷却水循環態様、図9(b)は、差圧弁61が閉弁しているときの冷却水循環態様を示す。なお、ここでは、サーモスタット50の閉弁時、すなわち、ラジエータ通路71が遮断されているときにおける冷却水の循環態様について説明する。
通常では、この差圧弁61は閉弁しており、ヒータ迂回通路73を通じた冷却水の循環が遮断されている。これにより、より多くの冷却水がヒータ経由通路72を循環するようになり、ヒータ経由通路72を通じてヒータコア40に供給される冷却水の量を十分に確保することができ、ひいては、車室内を速やかに昇温することができるようになる。
一方、暖機完了直前のようにエンジン1の運転に伴って冷却水温THWが高い状況下であっても、サーモスタット50が未だ閉弁状態にあるとき、すなわちラジエータ30による冷却水の熱交換が行われていないときに、機関回転速度が急上昇することに基づいて圧力差ΔPが所定の圧力差ΔPXを上回るときには、差圧弁61が開弁する。これにより、エンジン1から流出した高温の冷却水がヒータ経由通路72に加え、ヒータ迂回通路73にも流入し、合流通路59Bを通じてサーモスタット50に流入するようになる。これにより、サーモスタット50が速やかに開弁され、ラジエータ30を通過して温度低下した冷却水がエンジン1に供給されるようになる。その結果、このように機関回転速度が急上昇してエンジン1を冷却する要求が生じたときには、速やかにエンジン1を冷却することができるようになる。
ところで、エンジン1の暖気中、すなわち冷却水温THWが低くサーモスタット50が閉弁状態にあるときに、機関回転速度が急上昇することに基づいて差圧弁61の上流側における冷却水の圧力PAが増大すると、この増大した圧力PAがサーモスタット50の弁体55に作用して同サーモスタット50が開弁状態となり、冷却水温THWがまだ低くエンジン1を冷却する要求がないないのにもかかわらず、ラジエータ30を通過して温度低下した冷却水がエンジン1に供給されてしまう懸念がある。
これに対して本実施形態では、エンジン1から流出した低温の冷却水は、ヒータ経由ポート59Cに加え、ヒータ迂回ポート59Dにも流入し、合流通路59Bを通じてサーモスタット50に流入するようになる。これにより、エンジン1から流出した冷却水は、ラジエータポート59A、ヒータ経由ポート59C、ヒータ迂回ポート59Dの各々に分散され、差圧弁61が閉弁しているときに比べて、ラジエータポート59Aからサーモスタット50に流入する冷却水の圧力を低減することができるようになる。従って、ラジエータポート59Aからサーモスタット50に流入する冷却水の圧力が大きくなることに起因して、サーモスタット50が開弁してしまうことを抑制することができるようになる。ひいては、速やかにエンジン1の暖気を行うことができるようになる。
また、この差圧弁61は、ヒータ経由ポート59Cとヒータ迂回ポート59Dとの合流部に設けられている。例えば、差圧弁61が閉弁状態から開弁状態に移行する際、すなわち、差圧弁61が開弁状態になる瞬間には、この差圧弁61の下流に生じる負圧、すなわちヒータ経由ポート59Cから合流通路59Bに冷却水が流入することで生じる負圧により、ヒータ迂回ポート59Dの冷却水が引き込まれて速やかにサーモスタット50に流入するようになる。その結果、エンジン1を冷却する要求が生じているとき、エンジン1から流出した高温の冷却水は、ヒータ経由ポート59C及びヒータ迂回ポート59Dから合流通路59Bを通じてサーモスタット50へ速やかに流入するようになる。これにより、サーモスタット50が閉弁状態から開弁状態となる際の応答性を向上させることができ、ラジエータ30を通過して温度低下した冷却水によりエンジン1を速やかに冷却することができるようになる。
以上にて説明した本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、感温部54は合流通路59Bからウォータポンプ20の吸入口21に流れる冷却水の流線上にあってそれら合流通路59B及び吸入口21に挟まれるように位置している。これにより、感温部54が冷却水温THWに応じて開弁位置及び閉弁位置の間で変位した場合でも、同感温部54は常に冷却水と接触するようになる。したがって、冷却水を感温部54に指向させるための部材を冷却水の流れの中に配設しなくてもよく、こうした部材の存在に起因する圧力損失の増大を抑制することができるようになる。
また、感温部54はその感温部中心軸STがウォータポンプ20の吸入口中心軸SWよりも左右方向Wの左側(合流通路59B側)にオフセットされている。これにより、合流通路59Bからサーモスタット50の内部に流入した冷却水の多くが感温部54に接触するようになり、感温部54の感温性が向上するようになる。
すなわち、本実施形態の冷却装置10によれば、冷却水がサーモスタット50を通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部54の感温性を向上させることで、冷却水温THWをエンジン1の要求に見合う適正な温度に維持することができる。
(2)例えば、サーモスタット50にヒータ迂回通路73が直接接続される構成にあって、ヒータ経由通路72からサーモスタット50に流入する冷却水の流量が多い場合や、サーモスタット50が開弁し且つラジエータ通路71からサーモスタット50に流入する冷却水の流量が多い場合には、それら各通路から流入する冷却水の流勢によりヒータ迂回通路73からサーモスタット50に冷却水が流入しにくくなる。特に、ヒータ迂回通路73はラジエータ通路71やヒータ経由通路72と比較してその流路断面積A3が小さく設定されており、ヒータ迂回通路73を流れる冷却水の量は相対的に少ないため、こうした傾向が顕著になる。そしてこの結果、ヒータ迂回通路73からサーモスタット50に冷却水が流入する際の圧力損失が大きくなり、換言すればエンジン1の温度と最も高い相関を有して変化するヒータ迂回通路73からの冷却水がサーモスタット50に流入しにくくなり、感温部54における感温性の低下を招く懸念がある。
本実施形態では、サーモスタット50にはヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73が接続される合流通路59Bが接続されている。これにより、ヒータ迂回通路73における冷却水はヒータ経由通路72からサーモスタット50に流入する冷却水の流れに引き込まれ、合流通路59Bにて合流した後、サーモスタット50に流れ込むようになる。すなわちエンジン1の冷却装置10において、冷却水がサーモスタット50を通過する際の圧力損失の増大を抑えつつ、その感温部54の感温性を向上させることで、冷却水温THWをエンジン1の要求に見合う適正な温度に維持することができるようになる。
(3)本実施形態では、吸入口中心軸SWは感温部中心軸STに対して、左右方向Wの右側(ハウジング51側)にオフセットされている。これにより、合流通路59Bから流入した冷却水が吸入口21に流出する際に感温部54に接触することなく、ウォータポンプ20に吸い込まれることを低減することができるようになる。
(4)本実施形態では、ラジエータ通路71の流路断面積A1がヒータ経由通路72の流路断面積A2及びヒータ迂回通路73の流路断面積A3よりも大きく設定されている。これにより、エンジン1の暖気完了後等、サーモスタット50が開弁されているとき、ヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73に比べて、より多くの冷却水がエンジン1からラジエータ通路71に流入するようになる。その結果、冷却水がより多くラジエータ30に供給されるようになり、エンジン1を速やかに冷却することができるようになる。
(5)本実施形態では、ヒータ経由通路72の流路断面積A2がヒータ迂回通路73の流路断面積A3よりも大きく設定されている。これにより、ヒータ迂回通路73に比べて、ヒータ経由通路72にはより多くの冷却水がエンジン1から流入するようになる。その結果、冷却水がより多くヒータコア40に供給されるようになり、速やかに車室内を昇温することができるようになる。
(6)本実施形態では、ヒータ迂回通路73に該通路73を通じた冷却水の循環を許容または遮断する常閉型の差圧弁61が設けられている。これにより、通常、ヒータ迂回通路73を通じた冷却水の循環が遮断されているため、より多くの冷却水がヒータ経由通路72を循環するようになる。その結果、ヒータ経由通路72を通じてヒータコア40に供給される冷却水の量を十分に確保することができ、車室内を速やかに昇温することができるようになる。
(7)エンジン1から流出する冷却水はウォータポンプ20の駆動により循環している。そして、このウォータポンプ20はエンジン1により駆動されているため機関回転速度が上昇するにともないその吐出量が増大する。すなわち、ラジエータ通路71及びヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73における冷却水の圧力が増大する。本実施形態では、差圧弁61が冷却水通路70における該差圧弁61の上流側と下流側との圧力差(圧力差ΔP)に基づいて開閉するように構成されている。すなわち、機関回転速度が急上昇することにより圧力差ΔPが所定の圧力差ΔPXを上回るとき、この差圧弁61が開弁するようになる。そして例えば、暖機完了直前のようにエンジン1の運転に伴って冷却水が温度上昇した状況下でサーモスタット50が未だ閉弁状態にあるときに、機関回転速度が急上昇してエンジン1を冷却する要求が生じたときには、差圧弁61が開弁するため、エンジン1から流出した高温の冷却水がヒータ経由通路72に加え、ヒータ迂回通路73にも流入し、ヒータ経由通路72、ヒータ迂回通路73の冷却水が合流した状態で合流通路59Bを通じてサーモスタット50に流入するようになる。これにより、サーモスタット50が速やかに開弁され、ラジエータ30を通じて冷却された低温の冷却水がエンジン1に供給されるようになる。その結果、速やかにエンジン1を冷却することができるようになる。
また一方、エンジン1の暖気中、すなわち冷却水の温度が低くサーモスタット50が閉弁状態にあるときに、機関回転速度が急上昇することによりエンジン1からラジエータ通路71に流入する冷却水の圧力が増大すると、その圧力がサーモスタット50の弁体55に作用して同サーモスタット50が開弁状態となり、冷却水温THWがまだ低くエンジン1を冷却する要求がないのにもかかわらずラジエータ30により冷却された低温の冷却水がエンジン1に供給されるおそれがある。そこで本実施形態では、エンジン1から流出した低温の冷却水は、ヒータ経由通路72に加え、ヒータ迂回通路73にも流入し、ヒータ経由通路72、ヒータ迂回通路73の冷却水が合流した状態で合流通路59Bを通じてサーモスタット50に流入するようになる。これにより、エンジン1から流出した冷却水がラジエータ通路71、ヒータ経由通路72、ヒータ迂回通路73の各々に分散され、差圧弁61が閉弁しているときに比べて、ラジエータ通路71における冷却水の圧力を低減することができるようになる。従って、ラジエータ通路71における冷却水の圧力が大きくなることに起因してサーモスタット50が開弁してしまうことを抑制することができるため、低温の冷却水がエンジン1に供給されてしまうこともない。ひいては、速やかにエンジン1の暖気を行うことができるようになる。なおこの場合、ヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73に合流通路59Bを通じてサーモスタット50に流入する冷却水の温度は低いため、これが感温部54に接触したとしてもこれによりサーモスタット50が開弁状態になることはない。
(8)本実施形態では、常閉型の差圧弁61がヒータ経由通路72とヒータ迂回通路73との合流部に設けられているため、差圧弁61が閉弁状態から開弁状態に移行する際、すなわち、差圧弁61が開弁状態になる瞬間には、この差圧弁61の下流、すなわち合流通路59Bにおいて負圧が生じていることにより、ヒータ迂回通路73からサーモスタット50に流入する冷却水がこの負圧に引き込まれて速やかにサーモスタット50に流入するようになる。その結果、エンジン1を冷却する要求が生じているとき、エンジン1から流出した高温の冷却水はヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73及び合流通路59Bを通じてサーモスタット50へ速やかに流入するようになる。これにより、サーモスタット50が閉弁状態から開弁状態となる際の応答性を向上させることができ、ラジエータ30を通過して温度低下した冷却水によりエンジン1を速やかに冷却することができるようになる。
(9)本実施形態では、サーモスタット50のハウジング51内、すなわちヒータ経由ポート59Cとヒータ迂回ポート59Dの合流部に差圧弁61が配設されている。これにより、エンジン1の冷却装置10についてそのコンパクト化を図ることができるようになる。
(10)また、本実施形態では、ヒータ経由通路72とは別にヒータ迂回通路73を設け、更に同ヒータ迂回通路73に差圧弁61を設けるようにしている。図10を参照して、本実施形態において例示した冷却装置10と、差圧弁61及びヒータ迂回通路73を備えない冷却装置(比較例)とに関し、サーモスタット50周辺の水温変化について説明する。図10は、エンジン1の暖気完了後、すなわちエンジン1から流出する冷却水温THWが高い場合において、機関回転速度が急上昇したときのサーモスタット50周辺の冷却水温THWの変化態様を示す。
図10(a)に示されるように比較例の場合、エンジンから流出した高温の冷却水が直接サーモスタットに流入することはない。例えば、機関回転速度が急上昇したときには速やかにエンジンを冷却することが要求されるにもかかわらずヒータコアを介して放熱され、温度低下した冷却水がサーモスタットに供給される。これにより、サーモスタットの感温性が低下し、その開弁が遅れてしまうことがある(図10中の「応答遅れ」)。
これに対して、図10(b)に示されるように、本実施形態にて差圧弁61が設けられているヒータ迂回通路73を備える冷却装置10の場合、例えば、機関回転速度が急上昇したとき、すなわち冷却水圧力PAが大きいとき、圧力差ΔPが所定の圧力差ΔPXを上回ることに基づいて差圧弁61が開弁されるようになる。これにより、エンジン1から流出した高温の冷却水がヒータ迂回通路73を通じてサーモスタット50に供給され、サーモスタット50周辺の冷却水温THWが速やかに上昇するようになる。すなわち、速やかに感温部54に高温の冷却水が接触することにより、サーモスタット50の応答性を向上させることができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、吸入口21をウォータポンプ20の構成部分としたが、吸入口の構成はこれに限られるものではない。例えば次の(A)または(B)のように変更することもできる。この場合においても、感温部中心軸STを吸入口中心軸SWよりも左右方向Wの左側にオフセットするようにすればよい。
(A)吸入口21を接続部52の下部に固定して、サーモスタット50の構成部分として形成する。
(B)吸入口21を接続部52とウォータポンプ20の冷却水流入口との間に第3の構成部分として形成する。
・上記実施形態では、冷却水通路70として、ラジエータ通路71及びヒータ経由通路72及びヒータ迂回通路73を備えるエンジン1の冷却装置10としたが、冷却水通路の構成はこれに限られない。すなわち、ヒータ迂回通路を省略した冷却水通路とすることもできる。
・上記実施形態では、差圧弁61を備えるサーモスタット50が適用されたエンジン1の冷却装置10としたが、差圧弁61を省略したエンジンの冷却装置とすることもできる。この場合においても、感温部中心軸STを吸入口中心軸SWよりも左右方向Wの左側にオフセットするようにすればよい。
・上記実施形態では、ヒータ迂回通路73及び差圧弁61を備える冷却装置10を例示したが、これらヒータ迂回通路73及び差圧弁61を省略することもできる。
・上記実施形態では、差圧弁61をその上流側と下流側との圧力差ΔPに基づいて開閉する開閉弁としたが、これを電磁弁とすることもできる。この場合においても、エンジン1の冷却が要求される場合に開弁し、車室内を昇温する要求がある場合に閉弁する構成とすればよい。
・上記実施形態では、各冷却水通路70の流路断面積をヒータ迂回通路73の流路断面積A3、ヒータ経由通路72の流路断面積A2、ラジエータ通路71の流路断面積A1の順に大きく設定するようにしたが、これらの流路断面積を同じまたはその他の大小関係にしてもよい。
・上記実施形態では、差圧弁61をヒータ迂回通路73において、同通路73とヒータ経由通路72との合流部に設けるようにしたが、差圧弁61の設置箇所はこれに限られない。すなわち、上記合流部よりも上流側に設けることもできる。
・上記実施形態におけるサーモスタット50の感温部54は、エンジン1の入口水温を感温するようにしたが、感温部54が感温する部位はこれに限られない。例えば、エンジン1の出口水温を感温するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ウォータポンプ20は出力軸に連動して駆動されるものとしたが、モータに駆動される電動式のウォータポンプを採用することもできる。
1…エンジン、10…冷却装置、20…ウォータポンプ、21…吸入口、30…ラジエータ、40…ヒータコア、50…サーモスタット、51…ハウジング、52…接続部、52A…流出口、52B…フランジ部、53…収納部、54…感温部、54A…ピストン、54B…ガイド部、54C…ワックス、54D…ケース、55…弁体、56…フレーム、57…ばね、58…ドーム部、58A…開口部、59…配管部、59A…ラジエータポート、59B…合流通路(第4通路)、59C…ヒータ経由ポート、59D…ヒータ迂回ポート(連通配管)、61…差圧弁(開閉弁)、70…冷却水通路、71…ラジエータ通路(第1通路)、72…ヒータ経由通路(第2通路)、73…ヒータ迂回通路(第3通路)。

Claims (8)

  1. エンジンから流出した冷却水を導入する流入口と、冷却水を排出する流出口と、周囲に存在する冷却水の温度を感温して変位する感温部と、同感温部の変位に基づいて開閉することにより前記エンジンのラジエータに流入する冷却水の量を調節する弁体とを有するサーモスタットにおいて、前記感温部は、その変位位置にかかわらず前記流入口から前記流出口に流れる冷却水の流線上にあってそれら流入口及び流出口に挟まれるように位置するとともに、その中心軸は前記流出口に接続されるウォータポンプ吸入口の開口中心よりも前記流入口側にオフセットされてなる
    ことを特徴とするサーモスタット。
  2. 請求項1に記載のサーモスタットを具備したエンジンの冷却装置において、
    当該サーモスタットが設けられて冷却水が循環する冷却水通路は、同エンジンとラジエータとの間で冷却水を循環させるための第1通路、及び前記エンジンとヒータコアとの間で冷却水を循環させるための第2通路、及び前記ヒータコアを介することなく冷却水を循環させるための第3通路を備え、前記第1通路は前記サーモスタットの弁体により冷却水の流路断面積が変更され、前記流入口には前記第2通路及び前記第3通路が接続される第4通路が接続される
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第1通路の流路断面積は前記第2通路の流路断面積及び前記第3通路の流路断面積よりも大きく設定される
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項3に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第2通路の流路断面積は前記第3通路の流路断面積よりも大きく設定される
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第3通路には、該第3通路を通じた冷却水の循環を許容または遮断する常閉型の開閉弁が設けられる
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記開閉弁は、前記冷却水通路における該開閉弁の上流側及び下流側における冷却水の圧力差に基づいて開閉するものであり、その上流側の圧力が所定の圧力を超えて下流側の圧力よりも大きくなったときに開弁するものである
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  7. 請求項5または6に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記開閉弁は、前記第2通路と前記第3通路との合流部に設けられるものである
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載のエンジンの冷却装置において、
    前記サーモスタットのハウジングには前記第3通路が接続される連通配管が形成され、前記開閉弁はこの連通配管内に配設される
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
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