JP2013072350A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013072350A
JP2013072350A JP2011211856A JP2011211856A JP2013072350A JP 2013072350 A JP2013072350 A JP 2013072350A JP 2011211856 A JP2011211856 A JP 2011211856A JP 2011211856 A JP2011211856 A JP 2011211856A JP 2013072350 A JP2013072350 A JP 2013072350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
water temperature
heater core
engine
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011211856A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Shinohara
広幸 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2011211856A priority Critical patent/JP2013072350A/ja
Publication of JP2013072350A publication Critical patent/JP2013072350A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】冷機状態のエンジンを始動した後、サーモスタット弁が開弁するまでの間、冷却水の温度に応じてヒータコアへ流れる冷却水の流量を低減させることが可能な内燃機関の冷却装置を提供すること。
【解決手段】ヒータコアに対する冷却水流入出通路間にヒータコアバイパス通路31が設を設け、ヒータコアバイパス通路内に、冷却水流入出通路間の差圧を利用してバイパス流量を可変とする差圧型サーモ制御弁32を設ける。この差圧型サーモ制御弁32は、冷却水温が第1冷却水温T1より低い所定の第2冷却水温T2以下である場合は、エンジンが自立運転している限り常に開弁し、冷却水温が前記第2冷却水温T2より高く前記第1冷却水温T1より低い所定の第3冷却水温T3以上である場合は、実際のエンジン回転数にかかわらず常に全閉し、冷却水温が第2冷却水温T2より高く第3冷却水温T3より低い場合は、冷却水温が低いほどバイパス流量を増大させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関し、特に、冷機時の冷却水の昇温を促進させるための技術に関する。
従来より、自動車のエンジンを冷却するために、ウォータポンプによってエンジン内のウォータジャケットとラジエータとの間で冷却水を循環させる、エンジンの冷却装置が採用されている。
図6に上記エンジンの冷却装置の一例を示す。同図に示すエンジンの冷却装置40では、冷却水は、同図中の矢印に示すように、エンジン50の動力によって駆動されるウォータポンプ41により循環される。冷却水が所定温度以上(例えば84℃以上)のとき、ウォータポンプ41から吐出される冷却水は、図6(a)に示すように、シリンダブロックおよびシリンダヘッドにそれぞれ形成されたウォータジャケット51,52内を流れ、シリンダヘッドのウォータジャケット52に接続されたアウトレットパイプ42,43を通じてラジエータ44、ヒータコア45にそれぞれ循環供給される。ラジエータ44、ヒータコア45に供給された冷却水は、ラジエータ44、ヒータコア45内で放熱した後に、リターンパイプ47,48等の戻り水路を通じてウォータポンプ41の吸入側に還流する。
ただし、冷却水が所定温度未満(例えば84℃未満)のとき、図6(b)に示すように、ラジエータ44に冷却水を供給するアウトレットパイプ42の上流端に設けられたサーモスタット弁46が閉弁し、ラジエータ44への冷却水の循環が停止される。一方、アプトレットパイプ43にはサーモスタット弁が設けられていないため、冷却水温にかかわらず、ヒータコア45には冷却水が常に循環供給される。
特許文献1に開示されているエンジンの冷却装置では、ヒータコアへ冷却水を流入させる冷却水流入通路と、ヒータコアから冷却水を流出させる冷却水流出通路とを連通するヒータコアバイパス通路が設けられている。このヒータコアバイパス通路には、差圧弁が設けられている。この差圧弁は、上記冷却水流入通路内と上記冷却水流出通路内の差圧が開弁圧以上になったときに開弁して、ヒータコアバイパス通路内に冷却水を流すようになっている。ヒータコアへの冷却水の流量が増加すると、ヒータコアでの圧損の影響により上記差圧も大きくなることから、ヒータコアを流れる冷却水の流量が所定流量以上になる前に、冷却水の一部がヒータコアをバイパスして流れるようになる。この結果、ヒータコアにおいて発生する冷却水の流入音が抑制され、車室内へ伝達される異音も抑制される。
特許文献2には、ヒータコアを流れる冷却水の流量を流量調整弁により制御する温水循環式暖房装置が開示されている。この流量制御弁は、ヒータコアの冷却水入口側と冷却水出口側との差圧の影響を無くした上でソレノイド駆動により制御される。
特開2009−293548号公報 特開平7−232541号公報
ところで、図6に基づき説明したエンジンの冷却装置40においては、冷機状態のエンジンを始動した後、冷却水温が上昇してサーモスタット弁46が開弁するまでの間、オートエアコンの暖房機能が作動しているか否かにかかわらず、ウォータポンプが送給する冷却水の全流量がヒータコア45に循環供給される。このため、冷却水の熱がヒータコア45において放熱してしまい、エンジンの暖機完了までに多くの時間が掛かってしまう。その結果、(1)エンジンのフリクションロスが大きくなる、(2)冷却水温を制御実行条件とする各種の制御(例えば、ロックアップ制御、アイドルストップ制御等)が実行されない、などの不都合が生じていた。
特許文献1に開示されているエンジンの冷却装置に設けられた差圧弁は、ヒータコアへの過剰な流量による流水音を防止するためのリリーフ弁である。このため、同装置でも、ヒータコアへの流量が過剰となるエンジン高回転状態を除き、同様に、冷機状態のエンジンを始動した後、サーモスタット弁が開弁するまでの間、エアコンの暖房機能が作動しているか否かにかかわらず、ウォータポンプが送給する冷却水の全流量がヒータコアに循環供給され、冷却水の熱がヒータコアにおいて放熱してしまう。
特許文献2に開示されている装置の流量調整弁は、ヒータコアへの冷却水の流量を制御するものであるが、冷機状態のエンジンを始動した後、サーモスタット弁が開弁するまでの間、ヒータコアへの冷却水流量を絞るものではない。このため、既述の装置と同様の問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、少なくとも、冷機状態のエンジンを始動した後、サーモスタット弁が開弁するまでの間、冷却水の温度に応じてヒータコアへ流れる冷却水の流量を低減させることが可能な内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
本発明のエンジンの冷却装置は、エンジンで駆動されるウォータポンプと、該ウォータポンプにより送給される冷却水をエンジンからラジエータおよびヒータコアを介してエンジンに戻す水循環経路と、所定の第1冷却水温以下で前記ラジエータへの冷却水の循環を停止させる開閉弁と、を備えるものを前提としており、前記ヒータコアに対する冷却水流入通路および冷却水流出通路の間にヒータコアバイパス通路が設けられ、前記ヒータコアバイパス通路内に、前記冷却水流入通路側と前記冷却水流出通路側との差圧を利用してバイパス流量を可変とする差圧型サーモ制御弁が設けられている。そして、前記差圧型サーモ制御弁は、サーモワックスとばね力とを利用した開弁制御により、冷却水温が前記第1冷却水温より低い所定の第2冷却水温以下である場合は、エンジンが自立運転している限り常に開弁し、冷却水温が前記第2冷却水温より高く前記第1冷却水温より低い所定の第3冷却水温以上である場合は、実際のエンジン回転数にかかわらず常に全閉し、冷却水温が前記第2冷却水温より高く前記第3冷却水温より低い場合は、冷却水温が低いほどバイパス流量を増大させるように開閉動作するものである。
かかる構成を備えるエンジンの冷却装置によれば、冷却水温が比較的低い第2冷却水温未満であるとき、常に差圧型サーモ制御弁を開弁して、冷却水の一部をヒータコアをバイパスして循環させるので、常にヒータコアにおける放熱量を低減させることができる。また、冷却水温が第2冷却水温以上であって第3冷却水温未満であるとき、差圧型サーモ制御弁は、冷却水温が低いほどバイパス流量を増大させるように開閉動作するので、冷却水温が低いほどヒータコアにおける放熱量が低減し易くなる。また、冷却水温が第3冷却水温以上であるとき、常に差圧型サーモ制御弁を閉弁して、ヒータコアバイパス通路を閉塞するので、ヒータコアにおける放熱が従来通り行われる。
本発明によれば、少なくとも、冷機状態のエンジンを始動した後、サーモスタットが開弁するまでの間、冷却水の温度に応じてヒータコアへ流れる冷却水の流量を低減させて、ヒータコアにおける放熱量を低減させることができる。
本発明の実施の形態に係るエンジンの冷却装置の冷却水循環回路図である。 差圧型サーモ制御弁の具体例を示す図であって、比較的開弁圧が低いときの状態を示すものである。 差圧型サーモ制御弁の具体例を示す図であって、比較的開弁圧が高いときの状態を示すものである。 差圧型サーモ制御弁の開弁圧と冷却水温との関係を示すグラフである。 ヒータコア内の冷却水の流量と、ヒータコアの冷却水流出入通路の差圧との関係を示すグラフである。 従来例に係るエンジンの冷却装置の冷却水循環回路図である。(a)はサーモスタット弁が開弁しているときの状態を示し、(b)はサーモスタット弁が閉弁しているときの状態を示す。
以下、本発明の実施の形態に係るエンジンの冷却装置について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、エンジンの冷却装置10は、ウォータポンプ11、シリンダブロックのウォータジャケット21、シリンダヘッドのウォータジャケット22、第1および第2アウトレットパイプ12,13、ラジエータ14、ヒータコア15、サーモスタット弁16、第1および第2リターンパイプ17,18、ヒータコアバイパス通路31、差圧型サーモ制御弁32などで構成されている。
ウォータポンプ11は、エンジン20の回転動力によって駆動されるタイプのものであり、そのポンプ回転数Npは、エンジン回転数Neに比例して増減する。
第1アウトレットパイプ12は、その上流端部がシリンダヘッドのウォータジャケット22の冷却水出口に接続され、その下流側がラジエータ14の冷却水入口に接続されている。第2アウトレットパイプ13は、その上流端部がシリンダヘッドのウォータジャケット22の冷却水出口に接続され、その下流側がヒータコア15の冷却水入口に接続されている。
ラジエータ14およびヒータコア15は、周知のとおり、内部を流れる冷却水と外気との間で熱交換を行う熱交換器である。
第1リターンパイプ17は、その上流端部がラジエータ14の冷却水出口に接続され、その下流端部がウォータポンプ11への戻り通路19へ接続されている。第2リターンパイプ18は、その上流端部がヒータコア15の冷却水出口に接続され、その下流側がウォータポンプ11への戻り通路19へ接続されている。
第1リターンパイプ17の下流端部には、冷却水温に応じて弁を開閉させる、サーモスタット弁16(開閉弁)が設置されている。このサーモスタット弁16は、冷却水温が所定の第1冷却水温T1(例えば85℃)以下で閉弁し、第1リターンパイプ17内の冷却水路を閉塞する。これにより、ラジエータ14への冷却水循環供給が停止される。一方、サーモスタット弁16は、冷却水温が第1冷却水温T1を超えると開弁して第1リターンパイプ17内の冷却水路を開放し、ラジエータ14への冷却水循環供給を許容する。なお、既述のアウトレットパイプ12,13、リターンパイプ17,18およびウォータポンプへの戻り通路19等により水循環経路が構成されている。
ヒータコアバイパス通路31は、ヒータコア15に対する冷却水流入通路および冷却水流出通路の間に設けられている。なお、冷却水流入通路は、第2アウトレットパイプ13内に形成され、冷却水流出通路は、第2リターンパイプ18内に形成されている。
差圧型サーモ制御弁32は、ヒータコアバイパス通路31に設けられており、ヒータコア15に対する冷却水流入通路側と冷却水流出通路側との差圧を利用してバイパス流量を可変とする。この差圧型サーモ制御弁32は、サーモワックスとばね力とを利用した開弁制御により、第2冷却水温T2(例えば50℃)から第3冷却水温T3(例えば63℃)の範囲内で、冷却水温の低下とともにヒータコアバイパス通路31内を流れる冷却水の流量(バイパス流量)を増大させるようにその弁体を開閉動作させる。なお、第2冷却水温T2および第3冷却水温T3は何れも第1冷却水温T1より低い水温である。
図2および図3は、図1のA部における上記差圧型サーモ制御弁32の具体例を表した図である。同図において、13aは第2アウトレットパイプ13の一部を構成する冷却水流入側配管であり、18aは第2リターンパイプ18の一部を構成する冷却水流出側配管である。ヒータコアバイパス通路31は、冷却水流入側配管13aと冷却水流出側配管18aとを連通する連通管31a内に形成されている。連通管31a内には、更に、差圧型サーモ制御弁32の第2弁体32aが着座する弁座33も設けられている。
図2および図3に示す差圧型サーモ制御弁32としては、周知のボトムバイパス型サーモスタット弁が採用されている。このボトムバイパス型サーモスタット弁(差圧型サーモ制御弁32)は、感温部32b、第1および第2弁体32c,32a、第1および第2コイルばね32d,32e、第2弁体軸32f、ピストンガイド32g、ピストン32i、支持枠32j、スプリングリテーナ32k等で構成されている。
上記感温部32bは、主に、ワックスケースと、そのワックスケース内部に充填されたサーモワックスとで構成されている。上記第1弁体32cは、感温部32bのワックスケースと一体に設けられたピストンガイド32gの外周に固設されており、第1コイルばね32dによって、閉位置側に付勢されている。上記第2弁体32aは、感温部32bのワックスケースと一体に設けられた第2弁体軸32fに沿って摺動自在に設けられている。この第2弁体32aは第2コイルばね32eによって閉位置側(弁座33側)に付勢されている。上記ピストン32iは、ピストンガイド32g内に挿通されており、基端部が感温部32b内のサーモワックス内に配置され、先端部が支持枠32jに当接している。支持枠32jはスプリングリテーナ32kとともに冷却水流出側配管18aに固定されている。
この差圧型サーモ制御弁32では、冷却水温Tが高くなると感温部32bのサーモワックスが膨張してピストン32iがピストンガイド32gから延出する。これにより、互いに一体となったピストンガイド32g、感温部32bおよび第2弁体軸32fが、図3に示すように、第1および第2コイルばね32d,32eの付勢力に抗して、弁座33側(図中右側)へ移動する。ピストン32iの延出量が多くなるほど、第2弁体32aに対する弁座33側への付勢力が強まり、第2弁体32aの開弁に必要な差圧Pv(以下「開弁圧Pv」ともいう。)が高くなる。ここで、開弁圧Pvは、第2弁体32aを少しでも開かせるのに必要な差圧ΔP(ヒータコア15への冷却水流入通路側の水圧と、ヒータコア15からの冷却水流出通路側の水圧との差圧ΔP)に等しい。
図4は、このような差圧型サーモ制御弁32の開弁圧Pvと、冷却水温Tとの関係を示すグラフである。所定の冷却水温の範囲(第2冷却水温T2〜第3冷却水温T3)では、冷却水温Tが高くなるほど、第2弁体32aの開弁圧Pvは大きくなる。これは、既述したように、冷却水温Tが高くなるほど第2弁体32aに対する弁座33側への付勢力が強くなるためである。ただし、冷却水温Tが第2冷却水温T2以下のときは、開弁圧Pvは一定値Pv2となる。これは、冷却水温Tが第2冷却水温T2以下になると、ピストン32iの延出量が最少値をとって、それ以上縮退不能となり、コイルばね32d,32eの撓み量が最少値で一定となるためである。また、冷却水温Tが第3水温T3以上のときは、開弁圧Pvは一定値Pv3となる。これは、ピストン32iの延出量が最大値に達し、それ以上延出不能となるためである。本実施形態では、第2冷却水温T2をオートエアコンの暖房機能の作動開始条件となる冷却水温(例えば50℃)とし、第3冷却水温T3を第2冷却水温T2より所定温度Ta(例えば13℃)だけ高い温度とする。
図5は、横軸に、ヒータコア15への冷却水流入通路側の水圧と、ヒータコア15からの冷却水流出通路側の水圧との差圧ΔP(以下単に「差圧ΔP」ともいう。)を示し、縦軸に、ヒータコア15での冷却水流量Qを示すものである。但し、同図は、ヒータコアバイパス通路31が閉塞していると仮定した場合を前提としている。上記差圧ΔPは、冷却水がヒータコア15を通過する際の圧力損失により生じるため、グラフに示すように、差圧ΔPは、上記冷却水流量Qとともに増減する。
暖機運転時(サーモスタット弁16が閉弁状態での走行時)にエンジン回転数Nがとり得る範囲、つまり、エンジンが自立運転可能な最少エンジン回転数Nmin(例えば1000rpm)から最大エンジン回転数Nmax(例えば7000rpm)までの範囲の特定の回転数をN0(例えばその範囲の平均値4000rpm)とする。また、エンジン回転数が最少エンジン回転数Nminのときに、ウォータポンプ11によってヒータコア15内に供給される冷却水流量Qを流量Q2とし、エンジン回転数が特定の回転数N0のときに、ウォータポンプ11によってヒータコア15内に供給される冷却水流量Qを流量Q0とし、エンジン回転数が最大エンジン回転数Nmaxのときに、ウォータポンプ11によってヒータコア15内に供給される冷却水流量Qを流量Q3とする。そうすると、図5のグラフから、ヒータコア15内に供給される冷却水流量Qが流量Q2、流量Q0、流量Q3のときに生じる差圧ΔPは、それぞれ、ΔP2、ΔP0、ΔP3となる。本実施形態では、上記開弁圧Pv2が上記差圧ΔP2と等しく、上記開弁圧Pv3が上記差圧ΔP3と等しくなるよう、差圧型サーモ制御弁32のコイルばね32d,32e、サーモワックス等が設定されている。
このように、設定された差圧型サーモ制御弁32によれば、冷却水の水温Tが第2冷却水温T2以下の状態で、エンジン20(冷機状態のエンジン)を始動させると、エンジン20が自立運転している限り(つまりエンジン回転数が最低エンジン回転数Nmin以上である限り)差圧型サーモ制御弁32の第2弁体32aは常に開弁してヒータコアバイパス通路31を開放する。これにより、ウォータポンプ11から供給される冷却水の一部がヒータコア15を迂回してヒータコアバイパス通路31を通過し、ヒータコア15を流れる冷却水の流量が減少するので、ヒータコア15において冷却水から放熱される熱量が減少し、冷却水の昇温が促進される。なお、ヒータコアに流れる冷却水の全量をバイパスさせずに、冷却水の一部だけをバイパスするようにしているのは、冷却水温Tが第2冷却水温T2以下であってもデフロスターを作動させる場合があるからである。
その後、冷却水温TがT2<T<T3の範囲で上昇する過程では、感温部32b内のサーモワックスの膨張作用により、図4に示すように、開弁圧PvがPv2〜Pv3の範囲で大きくなる。開弁圧Pvが差圧ΔPより低い場合は、差圧型サーモ制御弁32の第2弁体32aは、冷却水温TがT2<T<T3の範囲で上昇する際、感温部32b内のサーモワックスの膨張作用により、弁座33に近づくため、弁の開度は次第に小さくなる。つまり、上記条件下では、冷却水温が高くなるほど、ヒータコアバイパス通路31を流れる冷却水の流量が次第に絞られ、ヒータコア15に流れる冷却水の流量が次第に増加する。一方、冷却水温TがT2<T<T3の範囲で上昇する過程であっても、開弁圧Pvが差圧P0以上になると、差圧型サーモ制御弁32の第2弁体32aは、冷却水温にかかわらず、閉弁し、第2アウトレットパイプ13を流れる冷却水の全量がヒータコア15を循環するようになる。
その後、更に冷却水温Tが上昇し、第3冷却水温T3以上になると、エンジン回転数にかかわらず、第2弁体32aは閉弁してヒータコアバイパス通路31を閉塞する。これは、エンジン回転数が最大エンジン回転数Nmaxであったとしても、そのときの差圧ΔPが開弁圧Pv3より大きくなることがないからである。これにより、第2アウトレットパイプ13を流れる冷却水の全量がヒータコア15を循環するようになる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るエンジンの冷却装置10によれば、冷却水温が比較的低い第2冷却水温T2未満であるとき、常に差圧型サーモ制御弁32を開弁して、冷却水の一部をヒータコア15をバイパスして循環させるので、常にヒータコア15における放熱量を低減させることができ、冷却水の昇温を促進させることができる。この結果、例えば、エンジンのフリクションロス低減、冷却水温を制御実行条件とする各種の制御(例えば、ロックアップ制御、アイドルストップ制御等)の早期実行、などが可能となる。
また、冷却水温Tが第2冷却水温T2〜第3冷却水温T3のとき、差圧型サーモ制御弁32は、冷却水温Tが低いほどバイパス流量を増大させるように開閉動作するので、冷却水温Tが低いほどヒータコアにおける放熱量が低減し易くなる。また、冷却水温Tが第3冷却水温T3以上であるとき、常に差圧型サーモ制御弁32は閉弁して、ヒータコアバイパス通路31を閉塞するので、ヒータコア15における熱回収を従来通り行うことができる。
また、貨物自動車などのように、エンジンとヒータコアとが比較的離れており、それらの間の配管(第2アウトレットパイプ13、第2リターンパイプ18)が長いことから、冷却水の放熱量が多くなる車種については、ヒータコアバイパス通路31をできるだけエンジン側に近づけて設けることにより、一層の暖機促進効果が期待できる。
本発明は、例えば、自動車に搭載されるエンジンの冷却装置に適用することができる。
10 エンジンの冷却装置
11 ウォータポンプ
14 ラジエータ
15 ヒータコア
12 第1アウトレットパイプ(水循環経路)
13 第2アウトレットパイプ(水循環経路)
17 第1リターンパイプ(水循環経路)
18 第2リターンパイプ(水循環経路)
19 ウォータポンプへの戻り通路(水循環経路)
20 エンジン
31 ヒータコアバイパス通路
32 差圧型サーモ制御弁

Claims (1)

  1. エンジンで駆動されるウォータポンプと、該ウォータポンプにより送給される冷却水をエンジンからラジエータおよびヒータコアを介してエンジンに戻す水循環経路と、所定の第1冷却水温以下で前記ラジエータへの冷却水の循環を停止させる開閉弁と、を備えるエンジンの冷却装置において、
    前記ヒータコアに対する冷却水流入通路および冷却水流出通路の間にヒータコアバイパス通路が設けられ、
    前記ヒータコアバイパス通路内に、前記冷却水流入通路側と前記冷却水流出通路側との差圧を利用してバイパス流量を可変とする差圧型サーモ制御弁が設けられており、
    前記差圧型サーモ制御弁は、サーモワックスとばね力とを利用した開弁制御により、冷却水温が前記第1冷却水温より低い所定の第2冷却水温以下である場合は、エンジンが自立運転している限り常に開弁し、冷却水温が前記第2冷却水温より高く前記第1冷却水温より低い所定の第3冷却水温以上である場合は、実際のエンジン回転数にかかわらず常に全閉し、冷却水温が前記第2冷却水温より高く前記第3冷却水温より低い場合は、冷却水温が低いほどバイパス流量を増大させるように開閉動作するものである、ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
JP2011211856A 2011-09-28 2011-09-28 エンジンの冷却装置 Withdrawn JP2013072350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011211856A JP2013072350A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 エンジンの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011211856A JP2013072350A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 エンジンの冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013072350A true JP2013072350A (ja) 2013-04-22

Family

ID=48477064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011211856A Withdrawn JP2013072350A (ja) 2011-09-28 2011-09-28 エンジンの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013072350A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017110522A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱自動車工業株式会社 冷却水バルブ制御機構
CN107366608A (zh) * 2017-08-29 2017-11-21 国电联合动力技术有限公司 一种可降低水泵故障率的风电机组冷却系统及其控制方法
CN112611015A (zh) * 2020-12-16 2021-04-06 华帝股份有限公司 一种水路系统、换热设备及其控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017110522A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱自動車工業株式会社 冷却水バルブ制御機構
CN107366608A (zh) * 2017-08-29 2017-11-21 国电联合动力技术有限公司 一种可降低水泵故障率的风电机组冷却系统及其控制方法
CN112611015A (zh) * 2020-12-16 2021-04-06 华帝股份有限公司 一种水路系统、换热设备及其控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101394051B1 (ko) 차량용 엔진 냉각 시스템 및 그 제어방법
JP2012184693A (ja) 内燃機関の冷却装置
EP3194810B1 (en) Transmission heat exchange system
JP2011099400A (ja) 車両の冷却装置
JP2013072350A (ja) エンジンの冷却装置
US20180179944A1 (en) Cooling system for internal combustion engine and thermostat device
JP3756502B2 (ja) ハイブリッド車両の冷却装置
KR102041920B1 (ko) 터보차져 냉각 시스템 및 그 방법
JP2012197729A (ja) エンジン
JP2011069260A (ja) サーモスタット及び同サーモスタットを備えるエンジンの冷却装置
JP2014145326A (ja) 内燃機関
JP2010096138A (ja) エンジンの冷却装置
JP2007120381A (ja) エンジン冷却装置
JP2018053720A (ja) 内燃機関の冷却システム
EP3444461B1 (en) Thermostat for cooling system of an internal combustion engine for vehicles
JP6374342B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP2016211482A (ja) エンジンの冷却装置
JP6365504B2 (ja) 流路構造
KR100727165B1 (ko) 전자 제어식 서머스탯을 적용한 냉각 시스템 및 그 제어방법
JP5724596B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP2011179475A (ja) 内燃機関のスロットルボディ加熱装置
JP2012197730A (ja) エンジン
KR102006636B1 (ko) 자동차의 디젤엔진 냉각장치
JP2005076483A (ja) 冷却システム
JP2010096139A (ja) エンジンの冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141202