JP2781665B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は内燃機関の冷却装置に関し、特に内燃機関の
冷却装置における冷却水ポンプ及びサーモスタットの改
良された配置に関する。
背景技術 内燃機関の冷却装置は、エンジンのシリンダヘッド及
びシリンダブロックに配置された水ジャケット内に冷却
水を循環させることによりエンジンを冷却するもので、
その主構成部品はラジエータ、冷却水ポンプ、冷却ファ
ン及びサーモスタットからなる。
エス・エー・イー・テクニカル・ペーパー・シリーズ
（SAE Technical Paper Series）第920617号には、外部
配管の複雑さを緩和し、付属品のまとめを容易にするた
めに、冷却水ポンプをシリンダブロックの後端に配置し
て左側吸入カムによって駆動するようにし、またサーモ
スタットを冷却水ポンプの直接前方に配置するようにし
た冷却装置が開示してある。この冷却装置の流路は、大
部分の冷却水をシリンダ・ブロックの後方から前方に流
動させ、次いでシリンダヘッドへと上方に流動させた
後、シリンダ・ヘッドの後方へ流動させる流路パターン
を有している。
上記従来の冷却装置は、ウォームアップ時間を長くす
る一因となる摩擦損失の大きい流路を有し、また構成が
複雑となる欠点がある。
アウディ・エヌ・エス・ユ・オート・ユニオン・エイ
・ジィ（Audi NSU Auto Union AG）に付与されたドイツ
特許第2706954号によれば、冷却水ポンプとサーモスタ
ットは冷却水ケーシングと結合されたハウジング内でシ
リンダ・ブロックの側方に配置されている。上記ハウジ
ングはその内部にサーモスタットを収納するための側方
開口部を備えている。
しかしながら、かかる冷却水ポンプ及びサーモスタッ
トの配置は、ウォームアップ時間が長く、また冷却水ポ
ンプ室を形成するためのサンド・コアが必要となる不都
合がある。
また、エス・エー・イー・テクニカル・ペーパー・シ
リーズ（SAE Technical Paper Series）第920673号に開
示された冷却装置は、始め、冷却水が冷却水ポンプから
シリンダ・ブロックに流入し、そして直ちにシリンダ・
ヘッドを迂回する、逆流冷却方式（revers flow coolin
g）を採用している。シリンダ・ヘッドを通る冷却水の
大部分はシリンダ・ブロックに流入する。
しかし、上記逆流冷却方式は、その流路構成が複雑
で、そのためウォームアップ時間が長くなる。
さらに、エム・ティ・ゼット・モータエンジニアリン
グ・テクニカルジャーナル（MTZ Motortechnische Zeit
schrift）51（1990）11では、冷却水出口及びサーモス
タットがシリンダ・ヘッドの後端に配置され、冷却水ポ
ンプを縦方向部材の領域に位置決めした別の冷却装置を
提案している。
上記エムティゼット51（1990）11に提案されたような
装備を有する冷却装置にあっては、冷却水ポンプとサー
モスタットとの間の距離が長くなり、これが一因となっ
てエンジンの全長に負の影響を与え（エンジンの全長を
短縮することが難しくし）、冷却水の流量制御を難しく
する欠点がある。
それ故、本発明の目的は、横向きに搭載されたエンジ
ンの全長を短縮し得る内燃機関の冷却装置を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、ウォームアップ中の摩擦損失を
低減でき、またウォームアップ時間を短縮し得る内燃機
関の冷却装置を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、パイパス通路及び冷却水の
出口通路の製造のために金型ドラグを使用して製造コス
トの低減を図ることができる内燃機関の冷却装置を提供
することにある。
本発明のさらに他の目的は、冷却水ポンプ及びサーモ
スタットへのアクセス可能性を改良した内燃機関の冷却
装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明による冷却装置は、冷却水
ポンプ、及びサーモスタット、冷却水ポンプの出口、冷
却水ジャケットへの入口通路等の流量制御手段とをエン
ジンのシリンダ・ヘッドの後面に配置し、また上記冷却
水ジャケットへの入口通路を冷却水ポンプの出口に直接
接続することを特徴としている。
また、本発明の冷却装置は、バイパス通路及び／また
は冷却水の出口通路を金型ドラグを使用して鋳造するこ
とを特徴としている。
冷却水ポンプをシリンダ・ヘッドの冷却水ジャケット
と直接連結するという、かかる構成上の特徴により、エ
ンジンの冷却状態で、本発明は、シリンダ・ヘッドの排
気口や排気弁ブリッジのような高温部位の熱をシリンダ
・ヘッドからシリンダ・ブロックに伝達し、これによっ
てウォーム・アップ時間を短縮し、より高い圧縮比を可
能とするとういう利点を有する。また、縦方向部材の臨
界領域に横向きに搭載されたエンジンの全長を短縮する
ことが可能となる。
また、金型ドラグの使用によって流量制御手段の製造
コストを低減することが可能となる。さらに、冷却水ポ
ンプおよびサーモスタットをシリンダ・ヘッドの後方に
配置するために、これら冷却水ポンプおよびサーモスタ
ットへのアクセスが容易となる。
図面の簡単な説明 本発明の上記目的および他の特徴は、添付図面を参照
して本発明の好ましい実施例を説明することにより明ら
かになるであろう。
図１は、本発明による冷却水の流路を備えた冷却装置
の概略斜視図である。
図２は、シリンダ・ブロックの一部を示す、冷却水ポ
ンプを装備したシリンダ・ヘッドの背面図である。
図３は、図２のIII−III線に沿う、シリンダ・ヘッド
の後端部分の横断面図である。
図４は、図３のIV−IV線に沿う、シリンダ・ヘッド及
びシリンダ・ブロックの縦断面図である。
本発明を実施する最良の形態 図１乃至図３を参照すると、冷却水ポンプ１は、サー
モスタット２、冷却水の出口３、冷却水ジャケットの入
口通路４、冷却水の出口通路５、バイパス通路６及びバ
イパス開口７からなる流量制御手段とともに、エンジン
のシリンダ・ヘッド８の後方（トランスミッション側）
に配置される。上記冷却水ポンプ１はカムシャフト21に
よってベルト駆動される。
冷却水ポンプ／サーモスタット本体13は、冷却水ポン
プ１及びサーモスタット２をシリンダ・ヘッド８の後方
に位置させるために、該シリンダ・ヘッド８の後面に着
脱可能に取り付けられる。図３に示すように、冷却水ポ
ンプの出口３は、冷却水ポンプ／サーモスタット本体13
内に配置された冷却水ポンプ１の下流側に装備される。
冷却水ジャケットの入口通路４はシリンダ・ヘッド８の
後端に形成され、かつ冷却水ポンプの出口３と相互に連
通するように該冷却水ポンプの出口３に直接接続され
る。
サーモスタット２はシリンダ・ヘッド８の後端におい
て冷却水ポンプ１と平行に配置される。サーモスタット
２の出口は、図３に示すように、バイパス開口７を介し
てバイパス通路６と連通し、またシリンダ・ヘッド８内
に形成された出口通路５と連通する。
図１では、シリンダ・ヘッドのガスケット12にはサイ
ズの異なる複数の開口11が形成されていて、冷却水が該
開口11を通ってシリンダ・ブロック10に流れるようにす
る。
本発明の実施例では、バイパス通路６は金型ドラグを
使用して鋳造される。また、冷却水の出口通路５も金型
ドラグを使用してバイパス通路６とともに鋳造すること
ができる。
以下、図１および図３を参照して本発明による冷却装
置の冷却水流動経路を説明する。
冷却水は、図３の矢印Ａで示すように、冷却水ポンプ
１から冷却水ジャケットの入口通路４を介してシリンダ
・ヘッド８内の冷却水ジャケット９に直接流れ、最初に
高温の燃焼室、排気口および排気弁ブリッジ（図示せ
ず）を冷却する。冷却水はシリンダ・ブリッジ10内に流
入する前にシリンダ・ヘッド８を通って長手方向に流れ
る。次いで、冷却水はシリンダ・ヘッドのガスケット12
内の開口11を通ってシリンダ・ブロック10に流入してシ
リンダ・ボア間の臨界領域を冷却する。
ウオーム・アップ中、冷却水は高温のシリンダ・ヘッ
ド８から低温のシリンダ・ブロック10に熱を移送してオ
イルおよびシリンダ・ボアを暖機運転する（ウォーミン
グ・アップする）。主オイル・ダクトおよび配管内の高
温のオイルにより摩擦損失を低減し、ウオーム・アップ
時間を短縮する。冷却水はシリンダ・ブロック10の後方
に戻り、シリンダ・ヘッドのガスケット12内の出口15を
通ってシリンダ・ブロック10から流れ出て、シリンダ・
ヘッド８の後方の出口通路５及びバイパス通路６に流入
する。冷却水は、サーモスタット２が開放状態であれ
ば、冷却水の出口通路５からラジエータ23及びヒーテイ
ング装置25に流入する。
エンジンがウオーム・アップされておらず低温状態で
サーモスタット２が閉鎖状態にあるならば、冷却水はバ
イパス通路６を通って、直接、冷却水ポンプ１に流れる
（戻る）。
したがって、冷却水の流路は、始め、シリンダ・ヘッ
ド８の後方の冷却水ポンプ１からシリンダ・ヘッド８の
前方に流れ、次いでシリンダ・ブロック10の前方に下
り、次いでシリンダ・ブロック10の後方に至り、この後
シリンダ・ヘッド８の後方へ上向きに流れて、冷却水ポ
ンプ１に戻る、Ｕ字路をなす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F01P 5/10 F02F 1/10 F02F 1/36 F02F 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】その内部に１つまたはそれ以上のシリンダ
    及び冷却水ジャケットを有するシリンダブロック； ガスケットを挟んで上記シリンダブロックに一体的に固
    定され、またその内部には冷却水ジャケットを有するシ
    リンダヘッド； 上記シリンダヘッドの一側部に取付けられ、上記シリン
    ダヘッドに搭載されたカム軸によって駆動され冷却水を
    循環させる冷却水ポンプ；及び 上記循環する冷却水の温度が所定の温度以下であれば閉
    じられて、冷却水がラジエータへ流れないようにし、冷
    却水の温度が所定の温度以上であれば徐々に開いてエン
    ジンの正常稼動温度では全開される水温調節器を備えた
    内燃機関の冷却装置において、 上記水温調節器は上記冷却水ポンプの軸と平行かつ水平
    に上記シリンダヘッドに取付けられ、上記シリンダブロ
    ックの冷却水ジャケットの冷却水出口と上記水温調節器
    の冷却水入口とが冷却水温度に応じて選択的に連通し、 上記冷却水ポンプは上記シリンダヘッドに取付けられ、
    上記冷却水ポンプの冷却水入口と上記水温調節器の冷却
    水出口は直接連通し、上記冷却水ポンプの冷却水出口が
    上記シリンダヘッドに設けられた上記冷却水ジャケット
    の冷却水入口と直接連通するように構成され、 上記冷却水が、上記冷却水ポンプの作動により、上記冷
    却水ポンプから遠く離れた位置に設けられた上記シリン
    ダヘッドの一端部を経て、上記シリンダヘッドと対応す
    る上記シリンダブロックの一端部に下降した後、上記冷
    却水ポンプに隣接する上記シリンダブロックの他端部に
    流動し、上記シリンダブロックの他端部と対応する上記
    シリンダヘッドの他端部へ上向きに流動した後、上記水
    温調節器を介して上記冷却水ポンプに復帰する方式で循
    環することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
JP8505660A 1994-07-26 1994-07-26 内燃機関の冷却装置 Expired - Fee Related JP2781665B2 (ja)

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