JPH0798102B2 - 遊技用有価媒介物貸出装置および貸出方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、遊技用有価媒介物を用
いる遊技機、例えばパチンコ機、スロットマシン遊技
機、アレンジボール機、雀球遊技機等を備えた遊技場の
うち、遊技用有価媒介物（例えばパチンコ機においては
パチンコ玉、スロットマシンにおいてはコイン等をさ
す）を貸出すための遊技用有価媒介物貸出装置および貸
出方法に存する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ玉又はメダル等の遊技用
有価媒介物を用いる遊技機を備えた遊技場において、遊
技用媒介物を借り受けるには、パチンコ玉貸機又はメダ
ル交換機に硬貨を投入することにより借り受けるように
なっている。そして、パチンコ玉貸機又はメダル交換機
は、パチンコ機又はメダルゲーム機等の遊技機の間や近
傍に設けられており、遊技機の傍を離れることなく、そ
の場で遊技用媒介物を借り受けることができるようにな
っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
遊技機用媒介物貸出機は硬貨しか用いることができない
ものが一般的で、遊技の途中で硬貨の不足を生じた場合
は、遊技場内に１台又は多くても２台程度しかない紙幣
両替機の設置場所まで行って紙幣を硬貨に、高額紙幣を
小額紙幣（硬貨に両替するための紙幣）に、両替しなけ
ればならなかった。

【０００４】また、このような欠点を解決するために
は、特開昭５３−３３９９号公報に開示されているよう
に、各遊技機の傍に紙幣交換機（ここに紙幣交換機と
は、紙幣を硬貨に交換あるいは紙幣を遊技用有価媒介物
に交換するものをいう）を設置すればよいのであるが、
遊技場は遊技機をできるだけ多く配設したいので、紙幣
交換機を遊技機の間に設置したりすると、その分、遊技
媒介物貸出機の巾が広くなって効率が低くなるという問
題点があった。

【０００５】また、遊技機間の貸出機は傍の遊技機を施
錠しているロックを外して引き出すようになっているの
であるが、トラブルの多い紙幣識別機を遊技機の間に配
設すると、トラブルの度に遊技機を止めて保守をしなけ
ればならないので、遊技客の興趣を妨げ、営業の触りに
なるという問題点があった。

【０００６】また、遊技用有価媒介物が各所で貸し出さ
れるので、各遊技機や島、あるいは遊技者の状態や動向
をつかみにくく、管理しにくいという問題点があった。

【０００７】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、各遊技機の傍で紙幣を使用するこ
とができるようにして遊技客の不便を解消するととも
に、スペースを有効に使え、かつ遊技客の遊興心がそが
れることを防止でき、遊技機や島、あるいは遊技者の状
態や動向をつかんで管理することができる遊技用有価媒
介物貸出装置および貸出方法を提供することを目的とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。

【０００９】１ 島（２）の幕板部分に紙幣の挿入口
（９）と紙幣識別機（７）とを配設するとともに、前記
紙幣識別機（７）への紙幣受入額に連動して遊技媒介物
を貸し出す硬貨対応式の遊技用有価媒介物貸出機（３）
を遊技機（１）の間に配設し、前記紙幣識別機（７）お
よび遊技用有価媒介物貸出機（３）から出力される金額
信号を計数管理装置に接続したことを特徴とする遊技用
有価媒介物貸出装置。

【００１０】２ 島の幕板部分に紙幣の挿入口（９）と
紙幣識別機（７）を配設して紙幣を受け入れ、遊技機
（１）の間に配設された硬貨対応式の遊技用有価媒介物
貸出機（３）に投入された硬貨の額と前記紙幣識別機
（７）が受け入れた紙幣の額とを表わす金額信号を計数
管理装置に出力し、遊技状態を監視および管理すること
を特徴とする遊技用有価媒介物貸出方法。

【００１１】

【作用】遊技中に紙幣による遊技媒介物の貸出を受けた
くなった遊技客は、島（２）の幕板部分にある紙幣の挿
入口（９）に適宜な紙幣を挿入する。挿入された紙幣は
紙幣識別機（７）で真否と額とが識別される。また、遊
技客は遊技機（１）の間の遊技用有価媒介物貸出機
（３）に硬貨を投入することもでき、それらは適宜表示
される。

【００１２】遊技機（１）の間に配設された硬貨対応式
の遊技用有価媒介物貸出機（３）に投入された硬貨の額
と前記紙幣識別機（７）が受け入れた紙幣の額とを表わ
す金額信号は計数管理装置に出力され、遊技状態が監視
および管理される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明の紙幣識別機と遊技媒介物貸
出機を分離して配設した遊技場の一実施例を示す正面図
であり、遊技機たる複数のパチンコ遊技機１を横方向に
列設して遊技島２が形成され、遊技島２の上記遊技機１
の上方の板４（この板を、業界では「幕板」と称してい
るので、以下この語を用いることにする）には、紙幣識
別機７が配設されている。

【００１４】図２〜図５に示されているように、幕板４
内に設けた断面Ｃ形の２本の軌条６，６と紙幣識別機７
の背面の上下に設けられた凸形の嵌合体８，８が嵌合す
ることにより紙幣識別機７が軌条６，６に沿い移動自在
に支持するようになっている。紙幣識別機７は、その前
面に紙幣投入口９硬貨取出口１２を有しており、また、
その内方に、紙幣の種類及び正偽の鑑別機１０と硬貨送
出機１１と投入口９から投入された紙幣１３を鑑別機１
０に送り込む一対の送りローラー４０を備えている。な
お、この紙幣識別機７は固定式とする場合もある。

【００１５】また、移動式の紙幣識別機７にあっては、
図６に示すように紙幣識別機７の左右の側面にはワイヤ
１７の各端が固定されており、ワイヤ１７は遊技島２の
両側に回転自在に軸支されたプーリー１８，１９を介し
て駆動プーリー２０に巻回わされている。駆動プーリー
２０は移動制御部１６により正又は逆方向に回転駆動さ
れるようになっている。

【００１６】幕板４には、図１でわかるように各遊技機
１の上方において呼出釦１４が設けられており、各呼出
釦１４は電気制御装置１５に接続されている。電気制御
装置１５は移動制御部１６に接続されていて、上記呼出
釦１４のうち一つを操作するとこれを電気制御装置１５
が判別して移動制御部１６を制御し、駆動プーリー２０
を正又は逆方向に回転駆動して紙幣識別機７を右又は左
の方に移動させるようになっている。

【００１７】図１および図２でわかるように、遊技機列
中には、遊技機１の２台目毎に１台の薄型の硬貨対応の
自動遊技媒介物貸出機３が設置されている。遊技媒介物
貸出機３は硬貨投入口４１とパチンコ玉排出口４３を有
している。また、硬貨投入口４１の上方には遊技媒介貸
出額指定釦３４を有している。この遊技媒介貸出額指定
釦３４は、それぞれ１００円，２００円，…１０００円
のように表示された多数の押釦群よりなり、各押釦の内
方に照明灯を有している。

【００１８】そして、紙幣識別機７および遊技用有価媒
介物貸出機３から出力される金額信号を計数管理装置に
接続されている。計数管理装置は、遊技場に備えられて
いるコンピュータである。

【００１９】次に、図７及び図８を参照しながら、上記
実施例の作用を説明する。ステップ１〜３において、紙
幣識別機７が所定の位置または任意の位置に待機してい
る状態において任意所望の呼出釦１４を押圧操作する
と、電気制御装置１５がこれを判別し、移動制御部１６
が作動して駆動プーリー２０が正又は逆方向に回転し、
ワイヤー１７を介して紙幣識別機７が右又は左に引張ら
れ、紙幣識別機が軌条６，６に沿い右又は左に移動し、
紙幣識別機７が、押圧操作された呼出釦１４と対応する
位置までくると電気制御装置１５がこれを検知して移動
制御部１６を停止させ、紙幣識別機７を停止させる。な
お、電気制御装置１５は、紙幣識別機７の現在位置と押
圧操作された呼出釦位置との距離を予め算定したのち、
それに相当する分だけ移動制御装置を作動させるように
してもよい。

【００２０】ステップ４〜６では、紙幣識別機７の移動
中は、「しばらくお待ち下さい」のような表示をする。
即ち、呼出釦１４の操作後、紙幣識別機７が所定位置ま
で移動したか否かを判別し、未だ移動し終っていないと
きは上記の表示の照明灯を点灯させ、移動し終ったとき
は上記照明灯を消灯させる。

【００２１】ステップ９〜１１において、所望の位置ま
で移動してきた紙幣識別機７の紙幣投入口９から所定額
の紙幣、例えば１０００円又は５００円札を投入する
と、紙幣はローラー４０により鑑別機１０に送り込ま
れ、札の種類および札の正偽を判別し、正しい札である
場合にはその札を所定の収納箱に収納する。金額信号は
計数管理装置であるコンピュータに送られ、計数管理に
供せられる。また、投入された紙幣が偽札であったり又
は折れ曲がっていたりしていた場合は、鑑別機１０がこ
れを鑑別し、ローラー４０が逆回転して紙幣を返却す
る。改めて紙幣を投入すれば、以上説明した動作を繰り
返えす。なお、このような紙幣識別機７自体は、既に実
用化されているものを用いて差支えない。

【００２２】ステップ１２で投入紙幣が正しいものであ
る場合には適宜の位置に投入紙幣額が表示される。ま
た、遊技媒介物貸出機３に硬貨が投入された場合はこれ
を合わせて表示してもよい。次にステップ１３，１４
で、遊技媒介貸出額指定釦３４の中から所望の額の釦を
選択して押圧する。この指定額が、前に投入した紙幣額
の範囲内か否かを判別し、紙幣額を越しているときは額
の指定を無効としたのち再び指定し直すことになる。

【００２３】ステップ１５〜１７では、指定額以内のと
きは釣銭送出信号と玉貸出信号により硬貨送出機が釣銭
額に相当する硬貨を送出し、釣銭が実際に送出されたか
否かを判別して釣銭が送出されないときは再び釣銭送出
信号を発する。一方、ステップ１８〜２０では、前記玉
貸出信号により遊技媒介物送出機が遊技媒介物を指定数
だけ送出し、遊技媒介物が実際に送出されたか否かを判
別して遊技媒介物が送出されないときは再び遊技媒介貸
出信号を発する。なお、遊技媒介貸出の金額信号は計数
管理装置であるコンピュータに送られ、営業上のデータ
として供され、遊技状態が監視および管理される。

【００２４】送出された釣銭と遊技媒介物貸出機は、そ
れぞれ遊技貸出機３に設けられた硬貨取出口第８図にお
いて符号３３で示されるものと同様のものおよび遊技貸
出機排出口４３から取りだすことができる。釣銭および
遊技貸出機が送り出されたのちは、ステップ２１，２２
においてこれを再確認の上、前途の投入紙幣額の表示灯
が消灯されて一連の動作が完了する。以上説明した指定
釦３４の押圧から投入紙幣額表示灯の消灯までの一連の
動作は、駅などにおける自動券販売機その他各種の自動
販売機と略同様のもである。

【００２５】なお、前記実施例では、移動式にして島に
１台だけ紙幣識別機を設けたものを示したが、実施にあ
たり、コスト的に許す場合は移動式とせず、各所の遊技
媒介物貸出機に応じた数だけ固設してもよいことは言う
までもない。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る遊技用有価媒介物貸出装置
および貸出方法によれば、島の幕板部分に紙幣の挿入口
と紙幣識別機とを配設し、この紙幣識別機への紙幣受入
額に連動して遊技媒介物を貸し出す硬貨対応式の遊技用
有価媒介物貸出機を遊技機の間に配設するようにしたか
ら、各遊技機の傍で紙幣を使用することができ、遊技機
の場所から両替機設置場所までいくたびに遊興心を殺が
れるというようなことをなくして遊技客の不便を解消す
るとともに、スペースを有効に使え、かつ遊技客の遊興
心が殺がれることを防止できる。また、計数管理装置に
受けた金額信号により遊技機や島、あるいは遊技者の状
態や動向をつかんで管理することができ、合理的な遊技
場の運営に資することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置を示す正面図である。

【図２】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置を示す要部正面図である。

【図３】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の紙幣識別機部分の正面図である。

【図４】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の紙幣識別機部分の断面図である。

【図５】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の紙幣識別機部分の一部を破断して示した正面図で
ある。

【図６】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の駆動機構及び制御回路の略図である。

【図７】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の動作を説明するためのフローチャートである。

【図８】本発明の一実施例に係る遊技用有価媒介物貸出
装置の動作を説明するためのフローチャートである。

【符号の説明】

１…遊技機 ２…遊技島 ３…遊技媒介物貸出機 ７…紙幣識別機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】島の幕板部分に紙幣の挿入口と紙幣識別機
   とを配設するとともに、前記紙幣識別機への紙幣受入額
   に連動して遊技媒介物を貸し出す硬貨対応式の遊技用有
   価媒介物貸出機を遊技機の間に配設し、 前記紙幣識別機および遊技用有価媒介物貸出機から出力
   される金額信号を計数管理装置に接続したことを特徴と
   する遊技用有価媒介物貸出装置。
2. 【請求項２】島の幕板部分に紙幣の挿入口と紙幣識別機
   を配設して紙幣を受け入れ、遊技機の間に配設された硬
   貨対応式の遊技用有価媒介物貸出機に投入された硬貨の
   額と前記紙幣識別機が受け入れた紙幣の額とを表わす金
   額信号を計数管理装置に出力し、遊技状態を監視および
   管理することを特徴とする遊技用有価媒介物貸出方法。