JPH0797685A - 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成方法及び薄膜形成装置

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JPH0797685A
JPH0797685A JP24437893A JP24437893A JPH0797685A JP H0797685 A JPH0797685 A JP H0797685A JP 24437893 A JP24437893 A JP 24437893A JP 24437893 A JP24437893 A JP 24437893A JP H0797685 A JPH0797685 A JP H0797685A
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JP
Japan
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thin film
suspended matter
film forming
electron gun
magnetic
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JP24437893A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Osamu Yoshida
修 吉田
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Akira Shiga
章 志賀
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ルツボ内の浮遊物、例えば酸化物を蒸発部分
から効果的に除去することができ、浮遊物によって引き
起こされる液滴の飛散が抑止され、材料の無駄が少な
く、そして異物の付着が無く、かつ、均一な薄膜を形成
でき、しかも装置内部の汚染が起き難く、メンテナンス
も簡単な薄膜形成技術を提供することである。 【構成】 溶湯からの蒸発粒子を支持体に堆積させるこ
とにより薄膜を形成する薄膜形成方法であって、前記溶
湯における浮遊物にビームを照射・誘導し、このビーム
の誘導により浮遊物を所定の位置に誘導し、浮遊物によ
って蒸発が妨害されないようにする薄膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気記録媒体等
の製造技術に関するものである。
【0002】
【発明の背景】磁気テープ等の磁気記録媒体において
は、高密度記録化の要請から、非磁性支持体上に設けら
れる磁性層として、バインダ樹脂を用いた塗布型のもの
ではなく、バインダ樹脂を用いない金属薄膜型のものが
提案されていることは周知の通りである。
【0003】即ち、無電解メッキといった湿式メッキ手
段、真空蒸着、スパッタリングあるいはイオンプレーテ
ィングといった乾式メッキ手段により磁性層を構成した
磁気記録媒体が提案されている。そして、この種の磁気
記録媒体は磁性体の充填密度が高いことから、高密度記
録に適したものである。特に、蒸着手段により磁性膜を
構成する手段は、スパッタリングによる場合よりも成膜
速度が速いことから好ましいものであると言われてい
る。
【0004】このような蒸着手段による磁気記録媒体の
製造装置は、図3に示す如く構成されているものが一般
的である。尚、図3中、21は冷却キャン、22aはポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム23の供
給側ロール、22bはPETフィルム23の巻取側ロー
ル、24はルツボ、25は磁性金属、26は真空容器で
ある。そして、真空容器26内を所定の真空度のものに
排気した後、電子銃を作動させてルツボ24内の磁性金
属25を蒸発させ、PETフィルム23に対して磁性金
属25の蒸発粒子を堆積(蒸着)させることによって磁
気記録媒体が製造されている。
【0005】ところで、この作業時においてルツボ24
内で溶融した磁性金属25の液面に酸化物等が浮遊して
いると、この浮遊物によって重大な障害が引き起こされ
ることがある。即ち、浮遊物に電子銃から高エネルギー
な電子ビームが照射されると、この浮遊物は融点が高い
ので容易に融解せず、高温に加熱される。そして、これ
が周囲の液に触れた際に急激に液が蒸発するので、液滴
の飛散が誘発される。このようにして飛散した液滴はス
プラッシュと呼ばれており、PETフィルムに付着して
突起状の異物を生じるので、記録・再生時に磁気ヘッド
に接触して、例えば正常な記録・再生ができなくなると
いった欠陥を引き起こす原因となる。
【0006】又、飛散した液滴による装置内部の汚染も
重大な問題であり、これによってメンテナンスが著しく
面倒なものとなっている。又、浮遊物があると、この部
分からの蒸発がなくなり、従ってPETフィルムに堆積
する蒸発粒子が少なくなり、磁性粒子の堆積に欠陥が起
き、良好な磁性膜が形成されない。
【0007】
【発明の開示】本発明は上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、ルツボ内の浮遊
物、例えば酸化物を蒸発部分から効果的に除去すること
ができ、浮遊物によって引き起こされる液滴の飛散が抑
止され、材料の無駄が少なく、そして異物の付着が無
く、かつ、均一な薄膜を形成でき、しかも装置内部の汚
染が起き難く、メンテナンスも簡単な薄膜形成技術を提
供することである。
【0008】この本発明の目的は、溶湯からの蒸発粒子
を支持体に堆積させることにより薄膜を形成する薄膜形
成方法であって、前記溶湯における浮遊物にビームを照
射・誘導し、このビームの誘導により浮遊物を所定の位
置に誘導し、浮遊物によって蒸発が妨害されないように
することを特徴とする薄膜形成方法によって達成され
る。
【0009】又、溶湯からの蒸発粒子を支持体に堆積さ
せることにより薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
容器と、この容器内に入れられた材料を溶融させる溶融
手段と、前記容器内の溶湯における浮遊物に電子ビーム
を照射する電子銃と、この電子銃から照射される電子ビ
ームを誘導する誘導手段とを具備し、電子ビームの誘導
により容器内の溶湯における浮遊物を所定の位置に誘導
できるよう構成したことを特徴とする薄膜形成装置によ
って達成される。
【0010】尚、この薄膜形成装置における溶融手段と
しては、例えば電子銃(浮遊物に電子ビームを照射する
電子銃をサブ電子銃とすると、この電子銃の方が出力が
大きなメイン電子銃となる。そして、メイン電子銃の出
力は溶融用に用いられるものであるから、例えば7〜1
6kW程度であるのに対して、サブ電子銃は浮遊物の誘
導用に用いられるものであるから、例えば0.5〜4k
W程度である。)を用いることが出来、そして容器の内
周壁部には浮遊物集積用の窪みが形成されていることが
好ましい。
【0011】そして、上述の如く構成させることによっ
て、材料を溶融した際に発生する酸化物等は、電子銃か
らのビームによって誘導案内され、中心部(蒸発部)か
ら除去されるようになる。従って、浮遊物の存在に起因
した障害、例えばスプラッシュの発生が皆無となり、被
蒸着材に突起状の異物を生じることがない。又、蒸発部
が浮遊物によって覆われるといったことも無く、蒸発が
続いて起きるので、堆積する膜も均一なものとなり、欠
陥のないものが出来る。
【0012】そして、均一な厚みで突起がない薄膜が形
成されるので、走行性が良く、かつ、記録・再生特性に
優れた高品質な磁気記録媒体を効率良く得ることができ
る。又、液滴の飛散が防止されるので装置内部の汚染も
大幅に軽減され、従ってクリーニング作業等のメンテナ
ンス回数は少なく、しかもメンテナンス自体も簡単なも
のであり、更には高価な材料の浪費を抑えることが出来
る。
【0013】
【実施例】図1及び図2は本発明の薄膜形成装置の一実
施例に係るものであり、図1は薄膜形成装置の全体概略
図、図2は薄膜形成装置の要部の斜視図である。各図
中、1は冷却キャン、2aは供給側ロール、2bは巻取
側ロールであり、PET等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料、アルミニウム合金など
の金属材料からなる非磁性の支持体3が供給側ロール2
aから繰り出され、冷却キャン1に沿って巻き回され、
そして巻取側ロール2bに巻き取られて行くようになっ
ている。
【0014】尚、非磁性の支持体3の表面には、磁性層
(磁性薄膜)の密着性を向上させる為のアンダーコート
層が設けられている。すなわち、表面の粗さを適度に粗
すことにより、例えば斜め蒸着法により構成される磁性
薄膜の密着性を向上させ、さらに磁気記録媒体表面の表
面粗さを適度なものとして走行性を改善する為、例えば
SiO2 等の粒子を含有させた厚さが0.005〜0.
1μmの塗膜を設けることによってアンダーコート層が
構成されている。
【0015】4はルツボであり、このルツボ4内には、
例えばFe,Co,Ni等の金属の他に、Co−Ni合
金、Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−C
o合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe
−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−C
r合金、あるいはこれらにAlやTa等の磁性金属5が
充填されている。
【0016】尚、ルツボ4の構成材料としては、例えば
MgO,ZrO,BeO,Al2 3 ,Si3 4 ,B
N,ThO2 ,CaO,SiO2 ,B4 C等のセラミッ
クス、あるいは平織クロスやしゅす織クロスのように織
った炭素系繊維を介在させたセラミックス等が挙げられ
る。中でも好ましいものは、B4 C製のルツボ、あるい
は炭素系繊維を介在させたセラミックス製のルツボであ
る。そして、このような素材を用いて構成されたルツボ
4の内周壁部には、凹部4aが形成されている。
【0017】6は真空容器、7は遮蔽板、8aは出力1
2kWのメイン電子銃、8bは出力1kWのサブ電子銃
である。上記の如く構成させた装置において、真空容器
6内を所定の真空度のものに排気した後、メイン電子銃
8aを作動させてルツボ4内の磁性金属5を蒸発させ、
PETフィルム等の支持体3に対して磁性金属5の蒸着
作業を開始する。
【0018】この際、酸化物等からなる浮遊物Sが生じ
た場合には、図2に示す如く、サブ電子銃8bからのビ
ームを浮遊物Sに当て、ビーム誘導制御機構(図示せ
ず)によりビーム先端をルツボ4の内周壁部の凹部4a
の位置に走査すると、このビームに案内されて浮遊物S
が凹部4aの位置に案内されて来る。従って、蒸着作業
に際して酸化物等からなる浮遊物Sが生じたとしても、
これを中心部(蒸発部)から離れた凹部4aの位置に誘
導できる。
【0019】従って、浮遊物Sの存在に起因したスプラ
ッシュの発生を防止でき、支持体3に突起状の異物が形
成されることがない。又、蒸発部が浮遊物Sによって覆
われるといったことも無く、蒸発が続いて起きるので、
堆積する磁性膜も均一なものとなり、欠陥のないものが
出来る。そして、均一な厚みで突起がない磁性膜が形成
されるので、走行性が良く、かつ、記録・再生特性に優
れた高品質な磁気記録媒体を効率良く得ることができ
る。
【0020】又、液滴の飛散が防止されるので真空容器
6内部の汚染も大幅に軽減され、従ってクリーニング作
業等のメンテナンス回数は少なく、しかもメンテナンス
自体も簡単なものであり、更には高価な磁性金属の浪費
を抑えることが出来る。上記のようにして磁性膜が形成
された後、この上に潤滑剤を含有させた塗料、例えばパ
ーフルオロポリエーテル(グレード:FOMBLIN
Z DIACカルボキシル基変性、日本モンテジソン社
製)をフッ素不活性液体(フロリナート、FC−84、
住友スリーエム社製)に0.1%となるよう希釈・分散
させた塗料をダイ塗工方式といった所定の手段で塗布す
ることにより、潤滑剤層が約5〜50Å、好ましくは約
10〜30Å程度の厚さ設けられる。
【0021】又、磁性膜と反対側の面にカーボンブラッ
ク等を含有させたバックコート層が設けられる。そし
て、最終的に所定の幅に切断されて磁気テープなどが得
られる。尚、ルツボ4内の磁性金属5の溶融・蒸発手段
として、メイン電子銃8aの代わりに抵抗加熱や高周波
加熱といった手段を採用しても良い。
【0022】又、磁性膜の形成に際して、蒸着部分に酸
素を供給し、強制酸化させることによって磁性膜の表層
部分を酸化させ、酸化膜による保護層を形成するように
することが好ましい。
【0023】
【効果】本発明によれば、浮遊物を効果的に取り除くこ
とができ、この浮遊物によって引き起こされるスプラッ
シュ等の問題を解決でき、異物等の付着が無く、しかも
欠陥のない高品質な製品が効率良く得られ、又、装置の
汚染も軽微なのであるからメンテナンスも簡単であり、
材料の無駄も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成装置全体の概略図である。
【図2】本発明の薄膜形成装置の要部の斜視図である。
【図3】従来の磁気記録媒体製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1 冷却キャン 2a 供給側ロール 2b 巻取側ロール 3 支持体 4 ルツボ 4a 凹部 5 磁性金属 6 真空容器 8a メイン電子銃 8b サブ電子銃 S 浮遊物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯からの蒸発粒子を支持体に堆積させ
    ることにより薄膜を形成する薄膜形成方法であって、前
    記溶湯における浮遊物にビームを照射・誘導し、このビ
    ームの誘導により浮遊物を所定の位置に誘導し、浮遊物
    によって蒸発が妨害されないようにすることを特徴とす
    る薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 溶湯からの蒸発粒子を支持体に堆積させ
    ることにより薄膜を形成する薄膜形成装置であって、容
    器と、この容器内に入れられた材料を溶融させる溶融手
    段と、前記容器内の溶湯における浮遊物に電子ビームを
    照射する電子銃と、この電子銃から照射される電子ビー
    ムを誘導する誘導手段とを具備し、電子ビームの誘導に
    より容器内の溶湯における浮遊物を所定の位置に誘導で
    きるよう構成したことを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 溶融手段が電子銃であることを特徴とす
    る請求項2の薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 容器の内周壁部に窪みが形成されている
    ことを特徴とする請求項2の薄膜形成装置。
JP24437893A 1993-09-30 1993-09-30 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 Pending JPH0797685A (ja)

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