JPH0991667A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0991667A
JPH0991667A JP25058795A JP25058795A JPH0991667A JP H0991667 A JPH0991667 A JP H0991667A JP 25058795 A JP25058795 A JP 25058795A JP 25058795 A JP25058795 A JP 25058795A JP H0991667 A JPH0991667 A JP H0991667A
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JP
Japan
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amount
magnetic film
concentration
recording medium
content
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JP25058795A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Osamu Yoshida
修 吉田
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Junko Ishikawa
准子 石川
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度記録に優れた磁気記録媒体を提供する
ことである。 【解決手段】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、
前記Fe−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度が下
層部におけるO濃度より低い磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−C−O系磁
性膜を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】磁気テープ等の磁気記
録媒体においては、高密度記録化の要請から、非磁性支
持体上に設けられる磁性膜として、バインダ樹脂を用い
た塗布型のものではなく、バインダ樹脂を用いない金属
薄膜型のものが提案されている。すなわち、無電解メッ
キ等の湿式メッキ手段、真空蒸着、スパッタリングある
いはイオンプレーティング等の乾式メッキ手段により磁
性膜を構成した磁気記録媒体が提案されている。そし
て、この種の磁気記録媒体は磁性体の充填密度が高いこ
とから、高密度記録に適したものである。この種の金属
薄膜型の磁気記録媒体における磁性材料としては、例え
ばCo−Cr合金やCo−Ni合金などの磁性金属が用
いられている。しかし、Coは稀少物質であることか
ら、多量に使用するとコストが高く付く。
【0003】そこで、非Co系金属磁性材料としてFe
とNiが考えられるものの、Feは安価であり、かつ、
環境汚染の問題も少なく、更には飽和磁化が大きいこと
から、金属薄膜型の磁気記録媒体の磁性材料としてFe
が注目され始めた。しかし、Feは錆やすいことから、
化学的に安定なものとする必要が有る。このような観点
から、磁性膜をFex N(Fe−N)やFe−N−Oで
構成することが提案された。そして、これらの磁性膜で
構成した磁気記録媒体は、磁気特性が良好であり、高密
度記録に優れたものである。
【0004】しかし、最近においては、より高密度記録
が求められるようになった。従って、本発明の目的は、
高密度記録に優れた磁気記録媒体を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、F
e−C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O
系磁性膜の上層部におけるO濃度が下層部におけるO濃
度より低いことを特徴とする磁気記録媒体によって達成
される。
【0006】又、Fe−C−O系の磁性膜を備えてな
り、前記Fe−C−O系磁性膜の下層部にはO濃度分布
にピーク値を示す山があり、このピーク値を示す領域か
ら上層部にかけてO濃度が低いことを特徴とする磁気記
録媒体によって達成される。又、Fe−C−O系の磁性
膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ
電子分光分析において、縦軸にFe量、C量、及びO量
(Fe量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ
時間をとると、スパッタ開始近傍時におけるO量がスパ
ッタ終了近傍時におけるO量より少ないことを特徴とす
る磁気記録媒体によって達成される。
【0007】又、Fe−C−O系の磁性膜を備えてな
り、前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析
において、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C
量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとる
と、スパッタ終了近傍時におけるO量にピーク値を示す
山があり、このピーク値を示す領域からスパッタ開始近
傍時にかけてO量が少ないことを特徴とする磁気記録媒
体によって達成される。
【0008】上記Fe−C−O系磁性膜の下層部におけ
るO濃度のピーク値O1 は10〜50at.%であり、
このピーク値O1 を示す点から上層部に移るにつれてO
濃度が低下するものが好ましい。又、Fe−C−O系磁
性膜におけるC濃度は、上層界面部及び下層界面部を除
けば、ほぼ一定のものが好ましい。
【0009】又、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度
がほぼ一定である領域では、磁性膜上層部から下層部に
移るにつれてFe濃度が低下したものが好ましい。又、
Fe−C−O系磁性膜におけるFe量、C量、及びO量
は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たすことが好ましい。
【0010】特に、 60at.%≦Fe量≦80at.% 10at.%≦C量≦25at.% 10at.%≦O量≦25at.% が好ましい。
【0011】又、本発明の磁気記録媒体にあっては、F
e−C−O系の磁性膜以外の磁性膜を持っていても良い
が、Fe−C−O系磁性膜の上には記録再生に用いられ
る磁性膜がない、つまりFe−C−O系磁性膜が最上層
にあるのが好ましい。特に、本発明が規定する内容のF
e−C−O系磁性膜が最上層にあるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、Fe−
C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁
性膜の上層部におけるO濃度が下層部におけるO濃度よ
り低いものである。あるいは、Fe−C−O系の磁性膜
を備えてなり、前記Fe−C−O系磁性膜の下層部には
O濃度分布にピーク値を示す山があり、このピーク値を
示す領域から上層部にかけてO濃度が低いものである。
若しくは、Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、前記
Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析におい
て、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+O
量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、スパ
ッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ終了近傍時にお
けるO量より少ないものである。又は、Fe−C−O系
の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁性膜のオ
ージェ電子分光分析において、縦軸にFe量、C量、及
びO量(Fe量+C量+O量=100%)を、横軸にス
パッタ時間をとると、スパッタ終了近傍時におけるO量
にピーク値を示す山があり、このピーク値を示す領域か
らスパッタ開始近傍時にかけてO量が少ないものであ
る。
【0013】特に、上記Fe−C−O系磁性膜の下層部
におけるO濃度のピーク値O1 は10〜50at.%で
あり、このピーク値O1 を示す点から上層部に移るにつ
れてO濃度が低下する。又、Fe−C−O系磁性膜にお
けるC濃度は、上層界面部及び下層界面部を除けば、ほ
ぼ一定のものである。又、Fe−C−O系磁性膜におけ
るC濃度がほぼ一定である領域では、磁性膜上層部から
下層部に移るにつれてFe濃度が低下したものである。
【0014】又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe
量、C量、及びO量は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たす。
【0015】本発明の磁気記録媒体は、支持体上にイオ
ンアシスト法により磁性膜を成膜して磁気記録媒体を製
造する方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられ
ての蒸着工程と、炭素イオンを蒸着Fe膜に衝突させる
衝突工程と、酸素イオンあるいは酸素ガス等の酸化性物
質を蒸着Fe膜に衝突させる衝突工程とを具備し、前記
酸化性物質を蒸着Fe膜に衝突させる酸化性物質の衝突
領域や衝突量を制御することによって得られる。例え
ば、Feが支持体上に堆積し始めた蒸着初期近傍の地点
から堆積が終了し終わる蒸着終期近傍の地点にかけて酸
化性物質の供給量を徐々に少なくしてやることにより、
上層部より下層部においてO濃度が高い本発明のFe−
C−O系磁性膜が得られる。
【0016】図1に、本発明で用いるイオンアシスト斜
め蒸着装置を示す。図1中、11はガイド部材、12は
支持体1の供給側ロール、13は支持体1の巻取側ロー
ル、14は遮蔽板、15はルツボ、16はFe、17は
電子銃、18は真空容器、19,20はイオン銃であ
る。図1では、酸素イオンを供給するタイプのものを示
したが、酸素ガスを供給するようにしても良い。そし
て、イオン銃19,20による炭素イオンや酸素イオン
の供給量や向きを特定のものとした他は、通常のイオン
アシスト斜め蒸着に準じて行わせることによって、本発
明になる図3などのオージェプロファイルのFe−C−
O系磁性膜が得られる。
【0017】このようにして得られた本発明になる磁気
記録媒体を図2に示す。図2中、1は支持体である。こ
の支持体1は磁性を有するものでも非磁性のものでも良
いが、一般的には、非磁性のものである。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料、アルミニウム合金など
の金属材料が用いられる。支持体1面上には磁性膜の密
着性を向上させる為のアンダーコート層が必要に応じて
設けられる。すなわち、表面の粗さを適度に粗すことに
より乾式メッキで構成される磁性膜の密着性を向上さ
せ、さらに磁気記録媒体表面の表面粗さを適度なものと
して走行性を改善する為、例えばSiO2 等の粒子を含
有させた厚さが0.01〜0.5μmの塗膜を設けるこ
とによってアンダーコート層が構成されている。
【0018】アンダーコート層の上には、図1に示した
イオンアシスト斜め蒸着装置によってFe−C−O系の
金属薄膜型の磁性膜2が設けられる。例えば、10-4
10 -6Torr程度の真空雰囲気下でFeを抵抗加熱、
高周波加熱、電子ビーム加熱などにより蒸発させ、支持
体1のアンダーコート層面上に堆積(蒸着)させること
により、Fe−C−O系磁性膜2が500〜10000
Å、特に1000〜4000Å厚形成される。斜め蒸着
の際の入射角は30°〜80°、望ましくは約45°〜
70°である。このFeの蒸着時には全般的に炭素イオ
ンを蒸着Fe膜に衝突させる。かつ、酸素イオンも蒸着
Fe膜に衝突させる。但し、酸素イオンを、Feが支持
体上に堆積が終了し終わる蒸着終期より堆積し始めた蒸
着初期において一層多く供給する。前記炭素イオンや酸
素イオンの供給は、Fe−C−O系磁性膜が上記に規定
された内容のものになるよう制御される。
【0019】3は、Fe−C−O系磁性膜2の上に設け
られた厚さが10〜200Å程度の保護膜である。この
保護膜3は、例えばダイヤモンドライクカーボン、グラ
ファイト等のカーボン膜、酸化珪素、炭化珪素などの含
珪素膜などで構成される。これらの中でも、ダイヤモン
ドライクカーボンが好ましい。尚、図3のオージェプロ
ファイルは、Fe−C−O系磁性膜の上にダイヤモンド
ライクカーボン膜や後述の潤滑剤膜が設けられた場合の
ものである。従って、図3のオージェプロファイルで
は、スパッタ開始時にはCのみであって、FeやOが検
出されていない。そして、スパッタが進むにつれてFe
やOが検出されて行く。この為、磁性膜の表面がどこか
らかの決定は極めて困難であり、磁性膜の表面がどこか
らかの決定は一般的な取扱いに従う。本実施例では、ダ
イヤモンドライクカーボン膜などのカーボン膜が設けら
れている場合においては、オージェプロファイルにおけ
るFe量とC量とが等しくなるポイントから磁性膜にな
ると考える。同様に、磁性膜の下面(支持体側の界面)
がどこかの決定も一般的な取扱いに従う。本実施例で
は、支持体がCを含む支持体である場合においては、オ
ージェプロファイルにおけるFe量とC量とが等しくな
るポイントが界面と考える。
【0020】4は、保護膜3の上に設けられた潤滑剤層
である。すなわち、炭化水素系の潤滑剤やパーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素系潤滑剤、特にフッ素系潤滑剤
を含有させた塗料を所定の手段で塗布することにより、
約2〜50Å、好ましくは約10〜30Å程度の厚さの
潤滑剤層4が設けられる。5は、支持体1の他面に設け
られたカーボンブラック等を含有させた厚さが0.1〜
1μm程度のバックコート層である。尚、バックコート
層5は、Al−Cu合金等の金属を蒸着させて形成した
ものであっても良い。
【0021】
【実施例1】図1に示されるイオンアシスト斜め蒸着装
置に10μm厚のPETフィルム1を装着し、PETフ
ィルム1が2m/分の走行速度で走行させられている。
酸化マグネシウム製のルツボ15にFe16が入ってお
り、30kWの電子銃17を作動させてFeを蒸発さ
せ、PETフィルム1にFeを蒸着させると共に、メタ
ンガスを出力400Wのイオン銃19に供給(メタンガ
ス供給量は50sccm)し、PETフィルム1上のF
e膜に向けて炭素イオンを照射する。又、イオン銃20
に酸素ガスを12sccm供給し、図2に示されるタイ
プの8mmVTR用磁気テープを得た。
【0022】この磁気テープのオージェプロファイル
(測定条件:電子銃;加速電圧10kV、エミッション
電流10nA、倍率2000倍、エッチング条件;エッ
チングガスはアルゴン、加速電圧3kV、イオン電流3
00nA、30秒間毎にエッチング)を図3に示す。こ
のFe−C−O系磁性膜のオージェプロファイルにおい
て、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+O
量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、スパ
ッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ終了近傍時にお
けるO量より少ない。特に、スパッタ終了近傍時におけ
るO量にピーク値O1 (30at.%)を示す山があ
り、このピーク値を示す領域からスパッタ開始近傍時に
かけてO量が徐々に少なくなっている。すなわち、Fe
−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度は下層部にお
けるO濃度より低い。特に、Fe−C−O系磁性膜の下
層部にはO濃度分布にピーク値を示す山があり、このピ
ーク値を示す領域から上層部にかけてO濃度が徐々に低
くなっている。図3のグラフから判る通り、Fe−C−
O系磁性膜におけるC濃度は、上層界面部及び下層界面
部を除けば、ほぼ一定のものである。そして、C濃度が
ほぼ一定である領域では、磁性膜上層部から下層部に移
るにつれてFe濃度が低下したものとなっている。又、
Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は70at.%、
C量は14at.%、O量は16at.%である。
【0023】
【実施例2】実施例1において、イオン銃19へのメタ
ンガス供給量を55sccm、イオン銃20への酸素ガ
スの供給量を20sccmとした以外は実施例1に準じ
て行い、図2に示されるタイプの8mmVTR用磁気テ
ープを得た。この磁気テープのオージェプロファイルを
図4に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ
終了近傍時におけるO量より少ない。特に、スパッタ終
了近傍時におけるO量にピーク値O1 (36at.%)
を示す山があり、このピーク値を示す領域からスパッタ
開始近傍時にかけてO量が徐々に少なくなっている。す
なわち、Fe−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度
は下層部におけるO濃度より低い。特に、Fe−C−O
系磁性膜の下層部にはO濃度分布にピーク値を示す山が
あり、このピーク値を示す領域から上層部にかけてO濃
度が徐々に低くなっている。図4のグラフから判る通
り、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度は、上層界面
部及び下層界面部を除けば、ほぼ一定のものである。そ
して、C濃度がほぼ一定である領域では、磁性膜上層部
から下層部に移るにつれてFe濃度が低下したものとな
っている。又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は
62at.%、C量は15at.%、O量は23at.
%である。
【0024】
【実施例3】実施例1において、イオン銃19へのメタ
ンガス供給量を30sccm、イオン銃20への酸素ガ
スの供給量を12sccmとした以外は実施例1に準じ
て行い、図2に示されるタイプの8mmVTR用磁気テ
ープを得た。この磁気テープのオージェプロファイルを
図5に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ
終了近傍時におけるO量より少ない。特に、スパッタ終
了近傍時におけるO量にピーク値O1 (30at.%)
を示す山があり、このピーク値を示す領域からスパッタ
開始近傍時にかけてO量が徐々に少なくなっている。す
なわち、Fe−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度
は下層部におけるO濃度より低い。特に、Fe−C−O
系磁性膜の下層部にはO濃度分布にピーク値を示す山が
あり、このピーク値を示す領域から上層部にかけてO濃
度が徐々に低くなっている。図5のグラフから判る通
り、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度は、上層界面
部及び下層界面部を除けば、ほぼ一定のものである。そ
して、C濃度がほぼ一定である領域では、磁性膜上層部
から下層部に移るにつれてFe濃度が低下したものとな
っている。又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は
75at.%、C量は10at.%、O量は15at.
%である。
【0025】
【実施例4】実施例1において、イオン銃19へのメタ
ンガス供給量を70sccm、イオン銃20への酸素ガ
スの供給量を20sccmとした以外は実施例1に準じ
て行い、図2に示されるタイプの8mmVTR用磁気テ
ープを得た。この磁気テープのオージェプロファイルを
図6に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ
終了近傍時におけるO量より少ない。特に、スパッタ終
了近傍時におけるO量にピーク値O1 (45at.%)
を示す山があり、このピーク値を示す領域からスパッタ
開始近傍時にかけてO量が徐々に少なくなっている。す
なわち、Fe−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度
は下層部におけるO濃度より低い。特に、Fe−C−O
系磁性膜の下層部にはO濃度分布にピーク値を示す山が
あり、このピーク値を示す領域から上層部にかけてO濃
度が徐々に低くなっている。図6のグラフから判る通
り、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度は、上層界面
部及び下層界面部を除けば、ほぼ一定のものである。そ
して、C濃度がほぼ一定である領域では、磁性膜上層部
から下層部に移るにつれてFe濃度が低下したものとな
っている。又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は
56at.%、C量は22at.%、O量は22at.
%である。
【0026】
【比較例1】実施例1において、イオン銃19へのメタ
ンガス供給量を50sccm、セット位置を変えたイオ
ン銃への酸素ガスの供給量を10sccmとした以外は
実施例1に準じて行い、図2に示されるタイプの8mm
VTR用磁気テープを得た。この磁気テープのオージェ
プロファイルを図7に示す。尚、このFe−C−O系磁
性膜におけるFe量は74at.%、C量は15at.
%、O量は11at.%である。
【0027】
【特性】上記各例の磁気テープについての再生出力を調
べたので、その結果を表−1に示す。 表−1 再生出力(dB) 1MHz 5MHz 10MHz 15MHz 実施例1 +0.2 +0.2 +1.5 +2.1 実施例2 0 +0.2 +0.7 +1.5 実施例3 +0.3 +0.4 +0.5 +1.9 実施例4 0 0 +0.5 +1.9 比較例1 0 0 0 0 *比較例1を基準(0dB)
【0028】
【発明の効果】再生特性、特に高域における再生特性に
優れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体製造装置の概略図
【図2】磁気記録媒体の概略断面図
【図3】実施例1のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図4】実施例2のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図5】実施例3のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図6】実施例4のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図7】比較例1のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【符号の説明】
1 支持体 2 磁性膜(Fe−C−O系磁性膜) 3 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内 (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜の上層部におけるO濃度が下
    層部におけるO濃度より低いことを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜の下層部にはO濃度分布にピ
    ーク値を示す山があり、このピーク値を示す領域から上
    層部にかけてO濃度が低いことを特徴とする磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析にお
    いて、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+
    O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、ス
    パッタ開始近傍時におけるO量がスパッタ終了近傍時に
    おけるO量より少ないことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析にお
    いて、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+
    O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、ス
    パッタ終了近傍時におけるO量にピーク値を示す山があ
    り、このピーク値を示す領域からスパッタ開始近傍時に
    かけてO量が少ないことを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 Fe−C−O系磁性膜の下層部における
    O濃度のピーク値O 1 が10〜50at.%であり、こ
    のピーク値O1 を示す点から上層部に移るにつれてO濃
    度が低下するものであることを特徴とする請求項1〜請
    求項4いずれかの磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度
    は、上層界面部及び下層界面部を除けば、ほぼ一定のも
    のであることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか
    の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度が
    ほぼ一定である領域では、磁性膜上層部から下層部に移
    るにつれてFe濃度が低下したものであることを特徴と
    する請求項1〜請求項6いずれかの磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 Fe−C−O系磁性膜におけるFe量、
    C量、及びO量は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれか
    の磁気記録媒体。
JP25058795A 1995-09-28 1995-09-28 磁気記録媒体 Pending JPH0991667A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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