JPH09147345A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09147345A
JPH09147345A JP7309398A JP30939895A JPH09147345A JP H09147345 A JPH09147345 A JP H09147345A JP 7309398 A JP7309398 A JP 7309398A JP 30939895 A JP30939895 A JP 30939895A JP H09147345 A JPH09147345 A JP H09147345A
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JP
Japan
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magnetic film
amount
concentration
peak value
content
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Application number
JP7309398A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
修 吉田
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Junko Ishikawa
准子 石川
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズが少なく、S/Nに優れた磁気記録媒
体を提供することである。 【解決手段】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、
前記Fe−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高い領域
がある磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−C−O系磁
性膜を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】磁気テープ等の磁気記
録媒体においては、高密度記録化の要請から、非磁性支
持体上に設けられる磁性膜として、バインダ樹脂を用い
た塗布型のものではなく、バインダ樹脂を用いない金属
薄膜型のものが提案されている。すなわち、無電解メッ
キ等の湿式メッキ手段、真空蒸着、スパッタリングある
いはイオンプレーティング等の乾式メッキ手段により磁
性膜を構成した磁気記録媒体が提案されている。そし
て、この種の磁気記録媒体は磁性体の充填密度が高いこ
とから、高密度記録に適したものである。この種の金属
薄膜型の磁気記録媒体における磁性材料としては、例え
ばCo−Cr合金やCo−Ni合金などの磁性金属が用
いられている。しかし、Coは稀少物質であることか
ら、多量に使用するとコストが高く付く。
【0003】そこで、非Co系金属磁性材料としてFe
とNiが考えられるものの、Feは安価であり、かつ、
環境汚染の問題も少なく、更には飽和磁化が大きいこと
から、金属薄膜型の磁気記録媒体の磁性材料としてFe
が注目され始めた。しかし、Feは錆やすいことから、
化学的に安定なものとする必要が有る。このような観点
から、磁性膜をFex N(Fe−N)やFe−N−Oで
構成することが提案された。そして、これらの磁性膜で
構成した磁気記録媒体は、磁気特性が良好であり、S/
Nに優れたものであると謳われている。
【0004】しかし、最近においては、よりノイズが少
なく、高いS/Nが求められるようになった。従って、
本発明の目的は、ノイズが少なく、S/Nに優れた磁気
記録媒体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、F
e−C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O
系磁性膜の中層部にC濃度が高い領域があることを特徴
とする磁気記録媒体によって達成される。特に、Fe−
C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁
性膜の上層部、中層部、及び下層部にC濃度が高い領域
があることを特徴とする磁気記録媒体によって達成され
る。
【0006】又、Fe−C−O系の磁性膜を備えてな
り、前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析
において、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C
量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとる
と、スパッタ開始から終了における中間時においてC量
に山が認められるものであることを特徴とする磁気記録
媒体によって達成される。
【0007】特に、Fe−C−O系の磁性膜を備えてな
り、前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析
において、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C
量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとる
と、スパッタ開始近傍時、スパッタ終了近傍時、及び前
記の中間時においてC量に山が認められるものであるこ
とを特徴とする磁気記録媒体によって達成される。
【0008】上記Fe−C−O系磁性膜の中層部におけ
るC濃度のピーク値C1 は10〜50at.%であるも
のが好ましい。特に、Fe−C−O系磁性膜の中層部に
おけるC濃度のピーク値C1 が10〜50at.%、上
層部におけるC濃度のピーク値C2 が10〜50at.
%、下層部におけるC濃度のピーク値C3 が10〜50
at.%であるものが好ましい。
【0009】又、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度
のピーク値C1 に対応した点においてはFe濃度が低下
したものが好ましい。又、Fe−C−O系磁性膜の上層
部におけるピーク値C2 に対応した点と下層部における
ピーク値C3 に対応した点との間においてはO濃度がほ
ぼ一定であるものが好ましい。
【0010】又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe
量、C量、及びO量は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たすことが好ましい。
【0011】特に、 60at.%≦Fe量≦80at.% 8at.%≦C量≦30at.% 8at.%≦O量≦30at.% が好ましい。
【0012】又、本発明の磁気記録媒体にあっては、F
e−C−O系の磁性膜以外の磁性膜を持っていても良い
が、Fe−C−O系磁性膜の上には記録再生に用いられ
る磁性膜がない、つまりFe−C−O系磁性膜が最上層
にあるのが好ましい。特に、本発明が規定する内容のF
e−C−O系磁性膜が最上層にあるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、Fe−
C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁
性膜の中層部にC濃度が高い領域がある。特に、Fe−
C−O系の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁
性膜の上層部、中層部、及び下層部にC濃度が高い領域
がある。
【0014】あるいは、Fe−C−O系の磁性膜を備え
てなり、前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光
分析において、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量
+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をと
ると、スパッタ開始から終了における中間時においてC
量に山が認められるものである。特に、Fe−C−O系
の磁性膜を備えてなり、前記Fe−C−O系磁性膜のオ
ージェ電子分光分析において、縦軸にFe量、C量、及
びO量(Fe量+C量+O量=100%)を、横軸にス
パッタ時間をとると、スパッタ開始近傍時、スパッタ終
了近傍時、及び前記の中間時においてC量に山が認めら
れるものである。
【0015】上記Fe−C−O系磁性膜の中層部におけ
るC濃度のピーク値C1 は10〜50at.%である。
上層部におけるC濃度のピーク値C2 は10〜50a
t.%、下層部におけるC濃度のピーク値C3 は10〜
50at.%である。そして、Fe−C−O系磁性膜に
おけるC濃度のピーク値C1 に対応した点においてはF
e濃度が低下したものである。又、Fe−C−O系磁性
膜の上層部におけるピーク値C2 に対応した点と下層部
におけるピーク値C3 に対応した点との間においてはO
濃度がほぼ一定である。
【0016】又、Fe−C−O系磁性膜におけるFe
量、C量、及びO量は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たす。
【0017】本発明の磁気記録媒体は、支持体上にイオ
ンアシスト法により磁性膜を成膜して磁気記録媒体を製
造する方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられ
ての蒸着工程と、炭素イオンや炭素活性種を蒸着Fe膜
に衝突させる衝突工程と、酸素イオンや酸素ガス等の酸
素活性種を蒸着Fe膜に衝突させる衝突工程とを具備
し、前記炭素イオンや炭素活性種を蒸着Fe膜に衝突さ
せる衝突範囲や衝突量を制御することによって得られ
る。例えば、Feが支持体上に堆積し始めた蒸着初期近
傍の地点及び堆積が終了し終わる蒸着終期近傍の地点、
及びこれらの間の中間地点の三地点向けて炭素イオンや
炭素活性種を供給してやることにより、上層部、下層
部、及び中層部にC濃度が高い領域があるFe−C−O
系磁性膜が得られる。
【0018】図1に、本発明で用いるイオンアシスト斜
め蒸着装置を示す。図1中、11はガイド部材、12は
支持体1の供給側ロール、13は支持体1の巻取側ロー
ル、14は遮蔽板、15はルツボ、16はFe、17は
電子銃、18は真空容器、19a,19b,19cはイ
オン銃、20は酸素ガス供給ノズルである。図1では、
酸素ガスを供給するタイプのものを示したが、酸素イオ
ンを供給するようにしても良い。そして、イオン銃19
a,19b,19cによる炭素イオンの目標照射位置や
供給量、及び酸素ガス供給ノズル20による酸素ガスの
供給量を特定のものとした他は、通常のイオンアシスト
斜め蒸着に準じて行わせることによって、本発明になる
図3などのオージェプロファイルのFe−C−O系磁性
膜が得られる。
【0019】このようにして得られた本発明になる磁気
記録媒体を図2に示す。図2中、1は支持体である。こ
の支持体1は磁性を有するものでも非磁性のものでも良
いが、一般的には、非磁性のものである。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料、アルミニウム合金など
の金属材料が用いられる。支持体1面上には磁性膜の密
着性を向上させる為のアンダーコート層が必要に応じて
設けられる。すなわち、表面の粗さを適度に粗すことに
より乾式メッキで構成される磁性膜の密着性を向上さ
せ、さらに磁気記録媒体表面の表面粗さを適度なものと
して走行性を改善する為、例えばSiO2 等の粒子を含
有させた厚さが0.01〜0.5μmの塗膜を設けるこ
とによってアンダーコート層が構成されている。
【0020】アンダーコート層の上には、図1に示した
イオンアシスト斜め蒸着装置によってFe−C−O系の
金属薄膜型の磁性膜2が設けられる。例えば、10-4
10 -6Torr程度の真空雰囲気下でFeを抵抗加熱、
高周波加熱、電子ビーム加熱などにより蒸発させ、支持
体1のアンダーコート層面上に堆積(蒸着)させること
により、Fe−C−O系磁性膜2が500〜10000
Å、特に1000〜4000Å厚形成される。斜め蒸着
の際の入射角は30°〜80°、望ましくは約45°〜
70°である。このFeの蒸着時には炭素イオンと酸素
ガスを照射する。但し、炭素イオンは、Feが支持体上
に堆積し始めた蒸着初期及び堆積が終了し終わる蒸着終
期、並びにこれらの中間の三地点に向けて供給する。前
記炭素イオンや酸素ガス(酸素イオン)の供給は、Fe
−C−O系磁性膜が上記に規定された内容のものになる
よう制御される。
【0021】3は、Fe−C−O系磁性膜2の上に設け
られた厚さが10〜200Å程度の保護膜である。この
保護膜3は、例えばダイヤモンドライクカーボン、グラ
ファイト等のカーボン膜、酸化珪素、炭化珪素などの含
珪素膜などで構成される。これらの中でも、ダイヤモン
ドライクカーボンが好ましい。尚、図3のオージェプロ
ファイルは、Fe−C−O系磁性膜の上にダイヤモンド
ライクカーボン膜や後述の潤滑剤膜が設けられた場合の
ものである。従って、図3のオージェプロファイルで
は、スパッタ開始時にはCのみであって、FeやOが検
出されていない。そして、スパッタが進むにつれてFe
やOが検出されて行く。この為、磁性膜の表面がどこか
らかの決定は極めて困難なるも、磁性膜の表面がどこか
らかの決定は一般的な取扱いに従う。本実施例では、ダ
イヤモンドライクカーボン膜などのカーボン膜が設けら
れている場合においては、オージェプロファイルにおけ
るFe量とC量とが等しくなるポイントから磁性膜にな
ると考える。同様に、磁性膜の下面(支持体側の界面)
がどこからかの決定も一般的な取扱いに従う。本実施例
では、支持体がCを含む支持体である場合においては、
オージェプロファイルにおけるFe量とC量とが等しく
なるポイントが界面と考える。
【0022】4は、保護膜3の上に設けられた潤滑剤層
である。すなわち、炭化水素系の潤滑剤やパーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素系潤滑剤、特にフッ素系潤滑剤
を含有させた塗料を所定の手段で塗布することにより、
約2〜50Å、好ましくは約10〜30Å程度の厚さの
潤滑剤層4が設けられる。5は、支持体1の他面に設け
られたカーボンブラック等を含有させた厚さが0.1〜
1μm程度のバックコート層である。尚、バックコート
層5は、Al−Cu合金等の金属を蒸着させて形成した
ものであっても良い。
【0023】
【実施例1】図1に示されるイオンアシスト斜め蒸着装
置に10μm厚のPETフィルム1を装着し、PETフ
ィルム1が2m/分の走行速度で走行させられている。
酸化マグネシウム製のルツボ15にFe16が入ってお
り、30kWの電子銃17を作動させてFeを蒸発さ
せ、PETフィルム1にFeを蒸着させると共に、メタ
ンガスを出力400Wのイオン銃19a,19b,19
cに供給(イオン銃19aへのメタンガス供給量は20
sccm、イオン銃19bへのメタンガス供給量は20
sccm、イオン銃19cへのメタンガス供給量は20
sccm)し、PETフィルム1上のFe膜に向けて炭
素イオンを照射する。又、酸素ガス供給ノズル20より
酸素ガスを15sccm供給し、図2に示されるタイプ
の8mmVTR用磁気テープを得た。
【0024】この磁気テープのオージェプロファイル
(測定条件:電子銃;加速電圧10kV、エミッション
電流10nA、倍率2000倍、エッチング条件;エッ
チングガスはアルゴン、加速電圧3kV、イオン電流3
00nA、30秒間毎にエッチング)を図3に示す。こ
のFe−C−O系磁性膜のオージェプロファイルにおい
て、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+O
量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、スパ
ッタ開始から終了における中間時においてC量にピーク
値C1 20at.%の山が認められる。すなわち、Fe
−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高い領域がある。
特に、スパッタ開始から終了における中間時においてC
量にピーク値C1 20at.%の山、スパッタ開始近傍
時においてC量にピーク値C2 19at.%の山、スパ
ッタ終了近傍時においてC量にピーク値C3 18at.
%の山が認められる。すなわち、Fe−C−O系磁性膜
の中層部、上層部、及び下層部にC濃度が高い領域があ
る。そして、Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度のピ
ーク値C1 に対応した点においてはFe濃度は、例えば
谷の如く、低くなっている。又、C濃度のピーク値C2
に対応した点においてはFe濃度は、例えば谷の如く、
低くなっている。又、C濃度のピーク値C3 に対応した
点においてはFe濃度は低くなっているが、これより深
い部分ではFeが基本的に少なくなるから、谷のように
はならない。又、ピーク値C2 とピーク値C3 との間に
おいてはO濃度がほぼ一定である。そして、Fe−C−
O系磁性膜におけるFe量は70at.%、C量は16
at.%、O量は14at.%である。
【0025】
【実施例2】実施例1において、イオン銃19aへのメ
タンガス供給量は30sccm、イオン銃19bへのメ
タンガス供給量は20sccm、イオン銃19cへのメ
タンガス供給量は25sccm、酸素ガス供給ノズル2
0より酸素ガスの供給量を15sccmとした以外は実
施例1に準じて行い、図2に示されるタイプの8mmV
TR用磁気テープを得た。
【0026】この磁気テープのオージェプロファイルを
図4に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始から終了における中間時におい
てC量にピーク値C1 21at.%の山が認められる。
すなわち、Fe−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高
い領域がある。特に、スパッタ開始から終了における中
間時においてC量にピーク値C1 21at.%の山、ス
パッタ開始近傍時においてC量にピーク値C2 43a
t.%の山、スパッタ終了近傍時においてC量にピーク
値C3 33at.%の山が認められる。すなわち、Fe
−C−O系磁性膜の上層部、中層部、及び下層部にC濃
度が高い領域がある。そして、Fe−C−O系磁性膜に
おけるC濃度のピーク値C1 に対応した点においてはF
e濃度は、例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃
度のピーク値C2 に対応した点においてはFe濃度は、
例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃度のピーク
値C3 に対応した点においてはFe濃度は低くなってい
るが、これより深い部分ではFeが基本的に少なくなる
から、谷のようにはならない。又、ピーク値C2 とピー
ク値C3 との間においてはO濃度がほぼ一定である。そ
して、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は65a
t.%、C量は20at.%、O量は15at.%であ
る。
【0027】
【実施例3】実施例1において、イオン銃19aへのメ
タンガス供給量は20sccm、イオン銃19bへのメ
タンガス供給量は20sccm、イオン銃19cへのメ
タンガス供給量は27sccm、酸素ガス供給ノズル2
0より酸素ガスの供給量を20sccmとした以外は実
施例1に準じて行い、図2に示されるタイプの8mmV
TR用磁気テープを得た。
【0028】この磁気テープのオージェプロファイルを
図5に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始から終了における中間時におい
てC量にピーク値C1 21at.%の山が認められる。
すなわち、Fe−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高
い領域がある。特に、スパッタ開始から終了における中
間時においてC量にピーク値C1 21at.%の山、ス
パッタ開始近傍時においてC量にピーク値C2 20a
t.%の山、スパッタ終了近傍時においてC量にピーク
値C3 35at.%の山が認められる。すなわち、Fe
−C−O系磁性膜の上層部、中層部、及び下層部にC濃
度が高い領域がある。そして、Fe−C−O系磁性膜に
おけるC濃度のピーク値C1 に対応した点においてはF
e濃度は、例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃
度のピーク値C2 に対応した点においてはFe濃度は、
例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃度のピーク
値C3 に対応した点においてはFe濃度は低くなってい
るが、これより深い部分ではFeが基本的に少なくなる
から、谷のようにはならない。又、ピーク値C2 とピー
ク値C3 との間においてはO濃度がほぼ一定である。そ
して、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は64a
t.%、C量は17at.%、O量は19at.%であ
る。
【0029】
【実施例4】実施例1において、イオン銃19aへのメ
タンガス供給量は15sccm、イオン銃19bへのメ
タンガス供給量は25sccm、イオン銃19cへのメ
タンガス供給量は15sccm、酸素ガス供給ノズル2
0より酸素ガスの供給量を14sccmとした以外は実
施例1に準じて行い、図2に示されるタイプの8mmV
TR用磁気テープを得た。
【0030】この磁気テープのオージェプロファイルを
図6に示す。このFe−C−O系磁性膜のオージェプロ
ファイルにおいて、縦軸にFe量、C量、及びO量(F
e量+C量+O量=100%)を、横軸にスパッタ時間
をとると、スパッタ開始から終了における中間時におい
てC量にピーク値C1 30at.%の山が認められる。
すなわち、Fe−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高
い領域がある。特に、スパッタ開始から終了における中
間時においてC量にピーク値C1 30at.%の山、ス
パッタ開始近傍時においてC量にピーク値C2 14a
t.%の山、スパッタ終了近傍時においてC量にピーク
値C3 15at.%の山が認められる。すなわち、Fe
−C−O系磁性膜の上層部、中層部、及び下層部にC濃
度が高い領域がある。そして、Fe−C−O系磁性膜に
おけるC濃度のピーク値C1 に対応した点においてはF
e濃度は、例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃
度のピーク値C2 に対応した点においてはFe濃度は、
例えば谷の如く、低くなっている。又、C濃度のピーク
値C3 に対応した点においてはFe濃度は低くなってい
るが、これより深い部分ではFeが基本的に少なくなる
から、谷のようにはならない。又、ピーク値C2 とピー
ク値C3 との間においてはO濃度がほぼ一定である。そ
して、Fe−C−O系磁性膜におけるFe量は73a
t.%、C量は15at.%、O量は12at.%であ
る。
【0031】
【比較例1】実施例1において、セット位置を変えたイ
オン銃19bへのメタンガス供給量を40sccm、酸
素ガス供給ノズル20より酸素ガスの供給量を15sc
cmとした以外は実施例1に準じて行い、図2に示され
るタイプの8mmVTR用磁気テープを得た。
【0032】この磁気テープのオージェプロファイルを
図7に示す。尚、このFe−C−O系磁性膜におけるF
e量は74at.%、C量は15at.%、O量は11
at.%である。
【0033】
【特性】上記各例の磁気テープをカセットにローディン
グし、これをノイズメータが接続されたVTRに装填
し、S/N(Y−S/N,C−S/N)を調べたので、
その結果を表−1に示す。 表−1 Y−S/N(dB) C−S/N(dB) AM PM 実施例1 +1.9 +2.3 +1.9 実施例2 +2.1 +2.5 +2.3 実施例3 +1.3 +3.1 +2.7 実施例4 +1.1 +3.3 +2.8 比較例1 0 0 0
【0034】
【発明の効果】ノイズが少なく、S/Nに優れたものが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体製造装置の概略図
【図2】磁気記録媒体の概略断面図
【図3】実施例1のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図4】実施例2のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図5】実施例3のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図6】実施例4のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【図7】比較例1のFe−C−O系磁性膜のオージェプ
ロファイル
【符号の説明】
1 支持体 2 磁性膜(Fe−C−O系磁性膜) 3 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内 (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜の中層部にC濃度が高い領域
    があることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜の上層部、中層部、及び下層
    部にC濃度が高い領域があることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析にお
    いて、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+
    O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、ス
    パッタ開始から終了における中間時においてC量に山が
    認められるものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 Fe−C−O系の磁性膜を備えてなり、 前記Fe−C−O系磁性膜のオージェ電子分光分析にお
    いて、縦軸にFe量、C量、及びO量(Fe量+C量+
    O量=100%)を、横軸にスパッタ時間をとると、ス
    パッタ開始近傍時、スパッタ終了近傍時、及び前記の中
    間時においてC量に山が認められるものであることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 Fe−C−O系磁性膜の中層部における
    C濃度のピーク値C 1 が10〜50at.%であること
    を特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 Fe−C−O系磁性膜の中層部における
    C濃度のピーク値C 1 が10〜50at.%、上層部に
    おけるC濃度のピーク値C2 が10〜50at.%、下
    層部におけるC濃度のピーク値C3 が10〜50at.
    %であることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか
    の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 Fe−C−O系磁性膜におけるC濃度の
    ピーク値C1 に対応した点においてはFe濃度が低下し
    たものであることを特徴とする請求項1〜請求項6いず
    れかの磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 Fe−C−O系磁性膜の上層部における
    ピーク値C2 に対応した点と下層部におけるピーク値C
    3 に対応した点との間においてはO濃度がほぼ一定であ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかの磁気
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 Fe−C−O系磁性膜におけるFe量、
    C量、及びO量は 50at.%≦Fe量≦90at.% 5at.%≦C量≦35at.% 5at.%≦O量≦35at.% を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項8いずれか
    の磁気記録媒体。
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