JPH0797598A - リン酸塩を含まない還元漂白組成物 - Google Patents

リン酸塩を含まない還元漂白組成物

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JPH0797598A
JPH0797598A JP6195241A JP19524194A JPH0797598A JP H0797598 A JPH0797598 A JP H0797598A JP 6195241 A JP6195241 A JP 6195241A JP 19524194 A JP19524194 A JP 19524194A JP H0797598 A JPH0797598 A JP H0797598A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記成分を含有するリン酸塩を含まない還元漂
白組成物。 (a)還元漂白剤; (b)下記の群から選択された漂白安定剤; (b1) クエン酸誘導体、(b2) エチレン性不飽和モノ−
またはジ−カルボン酸の単独重合体または共重合体、(b
3) 水溶性マグネシウム塩、(b4) テトラホウ酸のアル
カリ金属塩。 【効果】本組成物は、植物起源の繊維材料、動物起源の
繊維材料、合成繊維材料、および故紙などの還元漂白に
適し、高い白色度を与える。また本組成物はエコロジー
と両立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、還元漂白のためのリン酸塩を含
まない漂白組成物、天然または合成繊維材料および紙の
還元漂白のためのその使用方法、およびその方法によっ
て処理された紡織繊維材料に関する。植物起源の繊維材
料、動物起源の繊維材料、合成繊維材料などの種々の繊
維材料、たとえば木綿、合成ポリアミド繊維またはウー
ルなどは還元漂白することができる。この目的のために
通常、使用されている漂白剤は、ジチオン酸ナトリウム
(ナトリウムハイドロサルファイト)である。ジチオン
酸ナトリウムは水性溶液中において急速に酸化するか
ら、この漂白剤に対して緩衝および錯形成特性を有して
いる安定剤を添加するのが一般的なやり方である。有効
な漂白安定剤は、リン含有化合物である。しかしなが
ら、この化合物の欠点は水の富栄養化を招くことであ
る。
【0002】したがって、本発明の目的は、一方では還
元漂白系内において良好な緩衝および錯形成特性を有
し、かつ他方ではエコロジーと両立する、すなわち環境
保全の法令にかなう漂白安定剤を提供することである。
誠に驚くべきことながら、今回、リン酸塩を含まず、し
かも還元漂白系内において非常に有効であり、かつリン
含有化合物とは対照的に、水の富栄養化を引き起こさな
い漂白安定剤が見い出された。
【0003】すなわち、本発明は、下記成分を含有する
リン酸塩を含まない還元漂白組成物に関する: (a)還元漂白剤; (b)下記の群から選択された漂白安定剤; (b1) クエン酸誘導体、(b2) エチレン性不飽和モノ−
またはジ−カルボン酸の単独重合体または共重合体、
(b3) 水溶性マグネシウム塩および(b4) テトラホウ酸
のアルカリ金属塩。
【0004】本発明の漂白組成物の成分(a)は、還元
漂白において通常使用されている還元剤である。たとえ
ば、二酸化イオウ、亜硫酸または酸性化硫酸水素ナトリ
ウム溶液である。しかしながら、本発明の実施にあたっ
て成分(a)として有用なものは、亜ジチオン酸の塩、
特にジチオン酸ナトリウムが繊維材料の場合に特に重要
である。
【0005】特に適当なクエン酸誘導体(b1) はクエン
酸の水溶性アルカリ金属塩、たとえばリチウム塩、カリ
ウム塩またはナトリウム塩である。ナトリウム塩を使用
するのが好ましい。クエン酸三ナトリウム二水和物が特
に好ましい。
【0006】成分(b2)のエチレン性不飽和モノ−、ジ
−またはトリ−カルボン酸の単独重合体または共重合体
を製造するために適当な出発単量体は、エチレン性不飽
和モノマーカルボン酸またはその無水物であって、1個
のエチレン不飽和脂肪族基を含有する。たとえば、アク
リル(またはメタクリル)酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、
ビニルプロピオン酸、クロトン酸、アコニチン酸、アリ
ル酢酸、ビニルオキシ酢酸、アリルオキシ酢酸、α、β
−ジメチルアクリル(メタクリル)酸、メチレンマロン
酸、2−ヒドロキシ−アクリル(メタクリル)酸、α−
ハロアクリル酸、α−カルボキシエチルアクリレート、
アクリルアミドグリコール酸、β−カルボキシエチルア
クリレート、アリルオキシ−3−ヒドロキシブタン酸、
アリルオキシマロン酸、アリルコハク酸およびアリルマ
ロン酸などである。3乃至5個の炭素原子を有するモノ
カルボン酸が好ましい。たとえばアクリル酸、メタクリ
ル酸、2−ハロアクリル(メタクリル)酸、2−ヒドロ
キシ−エチルアクリル酸、α−シアノアクリル酸、クロ
トン酸、ビニル酢酸が好ましい。好ましいエチレン性不
飽和ジカルボン酸はフマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、さらにはメサコン酸、シトラコン酸、グルタコン
酸、メチルマロン酸である。これらの酸の好ましい無水
物は無水マレイン酸である。好ましい重合カルボン酸は
ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、および特にアクリ
ル酸とマレイン酸との共重合体である。本発明を実施す
るために使用されるべき単独重合体または共重合体は、
2000乃至2000000、好ましくは2000乃至
800000範囲の分子量を有する。
【0007】本新規組成物の成分(b2)として有用な単
独重合体または共重合体は、それ自体公知の方法で、触
媒の存在下において好ましくは60乃至100℃の温度
範囲において適切な単量体を重合することによって好適
に製造される。成分(b2)の製造のための触媒は、遊離
基を形成する開始剤が好ましい。本反応を実施するため
に適当な開始剤の例は次のものである。対称形脂肪族ア
ゾ化合物、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビス(2−メチルヴァレロニトリル)、1、1’−アゾ
ビス(1−シクロヘキサニトリル)、アルキル2,2’
−アゾビスイソブチラート;対称形ジアシル過酸化物、
たとえば過酸化アセチル、過酸化プロピオニル、過酸化
ブチリル、過酸化ベンゾイル、臭素−、ニトロ−、メチ
ル−またはメトキシ−置換された過酸化ベンゾイルなら
びに過酸化ラウロイル;対称形ペルオキシジカルボン酸
エステル、たとえばペルオキシジカルボン酸ジエチルエ
ステル、ペルオキシジカルボン酸ジイソプロピルエステ
ル、ペルオキシジカルボン酸ジシクロヘキシルエステ
ル、ペルオキシジカルボン酸ジベンジルエステル;te
rt−ブチルペルオクトエート、tert−ブチルペル
ベンゾエートまたはtert−ブチルフェニルペルアセ
テート、さらにはペルオキシカルバメート、たとえばt
ert−ブチル−N−(フェニルペルオキシ)カルバメ
ートまたはtert−ブチル−N−(2、3−ジクロロ
−または−4−クロロフェニルペルオキシ)カルバメー
ト。その他の適当な過酸化物は、次のものである:te
rt−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクメン
ペルオキシド、tert−ブチルペルピヴァレート。さ
らに適当な化合物はペル硫酸カリウムであり、本発明の
実施には、これを使用するのが好ましい。触媒は、通常
出発物質を基準にして0.1乃至10重量%、好ましく
は0.5乃至2重量%の量で使用される。本重合反応は
不活性雰囲気中において実施するのが有利であり、窒素
雰囲気中において実施するのが好都合である。本発明の
漂白組成物に用いられる単独重合体または共重合体は、
好ましくは炭酸ナトリウムのごとき水溶性アルカリ金属
塩と混合して使用することができる。分子量が約450
0のポリアクリル酸と炭酸ナトリウムとの混合物が好ま
しい。
【0008】成分(b3)としてはグルコン酸のマグネシ
ウム塩を使用するのが好ましく、一または二グルコン酸
マグネシウム塩が最も好ましい。グルコン酸マグネシウ
ムそれ自体を、好ましくは固体として、本発明の組成物
に使用することができる。しかしながら、本発明の別の
実施態様においては、グルコン酸塩はグルコン酸と水酸
化マグネシウムまたは酸化マグネシウム、好ましくは水
酸化マグネシウムとから現場で形成される。さらには、
グルコン酸またはそのナトリウム塩を水溶性マグネシウ
ム塩と組み合わせて使用することもできる。この場合に
は、適当な水溶性マグネシウム塩は酢酸塩、好ましいの
は硫酸塩またはその七水和物、そして最も好ましいのは
塩化物またはその六水和物である。マグネシウム塩は、
通常固体として、好ましくは塩化マグネシウム六水和物
の形で添加される。
【0009】好ましい成分(b4)はテトラホウ酸カリウ
ムであり、そして最も好ましいのはテトラホウ酸ナトリ
ウムである。好ましい還元漂白組成物は下記成分を含有
する: (a)ジチオン酸ナトリウム、(b)クエン酸誘導体。
さらに好ましい還元漂白組成物は下記成分を含有する: (a)ジチオン酸ナトリウム、(b)アクリル酸とマレ
イン酸との共重合体。
【0010】本発明の漂白組成物は、必須成分(a)お
よび(b)のほかに、さらに任意成分(c)としての湿
潤剤および/または任意成分(d)としての蛍光増白剤
を含有することができる。適当な湿潤剤または界面活性
剤は、陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤(n
io- 界面活性剤)および特に両者の混合物である。好ま
しい陰イオン界面活性剤の代表例は、アルキルアリール
モノスルホナート、脂肪酸の縮合物、タンパク分解生成
物またはその塩、および、最も好ましくは、アルキル部
分に12乃至22個の炭素原子を含有するアルキルモノ
スルホナートおよびアルキルベンゼンモノスルホン酸で
ある。非イオン界面活性剤の例は、アルキレンオキシド
好ましくはプロピレンオキシド、より好ましくはエチレ
ンオキシドと、アルキル部分に4乃至12個の炭素原子
を有するアルキルフェノール、好ましくは脂肪酸アミ
ド、最も好ましくは場合によっては末端保護されている
(end-capped)脂肪アルコールとの重付加物であり、そ
してエチレンオキシドと脂肪アルコールとの重付加物が
特に好ましい。さらにまた、これらの重付加物と上記し
た種類のアルキルモノスルホナートとの混合物も極めて
好ましい。さらに、この混合物中に存在しうる適当な成
分としてシリコーン界面活性剤があげられる。湿潤剤
は、特に被処理繊維材料が未処理状態のセルロースある
いは好適には原綿からなる場合に、漂白浴に添加され
る。
【0011】また、泡防止剤および脱気剤を漂白浴へ添
加することもできる。これらの剤の添加は、特にその浴
が湿潤剤および/または界面活性剤を含有している場合
に行われる。泡防止剤および脱気剤の代表例は高級アル
コール特にイソオクタノールであるが、好ましいのはシ
リコーン基剤泡防止剤および/または脱気剤であり、そ
してシリコーン油エマルジョンが最も好ましい。
【0012】蛍光増白剤も任意成分として、処理される
材料に特に高い白色度を賦与するため漂白浴に添加する
ことができる。使用される蛍光増白剤は通常スチリルお
よびスチルベン系であり、代表例はジスチリルアリーレ
ン、ジアミノスチルベン、ジトリアゾリルスチルベン、
フェニルベンゾオキサゾリルスチルベン、スチルベンナ
フトトリアゾール、ジベンゾオキサゾリルスチルベンな
どである。好ましい蛍光増白剤は、スルホン酸基を含有
するジスチリルビフェニルまたはビス(トリアジニル)
アミノスチルベン型のもの、たとえばスルホン化ビス
(スチリル)ビフェニルおよびビス(トリアジニル)誘
導体である。アルカリ金属塩の形、特にカリウム塩また
はより好ましくはナトリウム塩の形で得られるビス(フ
ェニルアミノモルホリノ−s−トリアジニル)スチルベ
ンジスルホン酸が特に好ましい。これらの蛍光増白剤
は、好ましくは市場で入手可能な約20乃至30重量%
水性液体調合物の形で使用される。
【0013】本発明の漂白組成物は、通常下記組成分を
含有する:成分(a)を30乃至80重量%、成分
(b)を20乃至70重量%、成分(c)を0乃至10
重量%、成分(d)を0乃至10重量%。本発明の漂白
組成物は、各成分を混合し、そして場合によっては、同
時にその混合物をボールミル中において摩砕することに
よって製造される。出発物質が同じ粒子サイズのもので
ある場合には、摩砕は必要ではない。なお、摩砕は純粋
に機械的操作であり、各成分間に化学反応は起こらな
い。
【0014】本発明は、さらに天然繊維材料または合成
繊維材料の還元漂白のために本発明の組成物を使用する
方法に関する。この方法は、少なくと本発明の漂白組成
物を含有している水性浴を用いて繊維材料を処理するこ
とを特徴とする。本発明の組成物を使用して天然繊維材
料または合成繊維材料を還元漂白する方法は、それ自体
公知である方法によって実施される。この場合の実施法
の差異は、処理を高浴比漂白浴で実施するか、常温バッ
ド・バッチ漂白法で実施するか、または浸漬漂白法で実
施するかという点にある。高浴比漂白の場合には、材料
は約1:10(たとえばジッガー使用の場合)乃至1:
100(たとえばウインスベック使用の場合)の浴比、
そして高められた温度において約1乃至3時間処理され
る。処理温度は、通常の条件下すなわち大気圧下におい
ては、約40乃至140℃、好ましくは60乃至100
℃の範囲である。また、いわゆるHT(高温)条件下に
おいては、処理温度は100℃以上、好ましくは105
乃至140℃の範囲である。浸漬漂白処理は、漂白剤の
濃度が高くなる点を除き、上記と同様な実施条件で行わ
れる。
【0015】常温バッド・バッチ漂白法の場合には、被
処理材料はバジング液中に浸漬されて含浸され、そのあ
と液が絞られる。パジング液の温度は通常20乃至95
℃である。含浸は好ましくは室温で実施される。含浸に
よって付与された剤が繊維材料に作用し、処理時間、温
度および剤の濃度は相互に直接関連している。選択され
る条件は、繊維材料の性状および、特に、使用される装
置に依存して決定される。含浸後、繊維材料は好ましく
はロール巻きの形状に巻き上げられて室温(15乃至3
0℃)において3乃至24時間貯蔵される。このバッチ
時間は、漂白浴の種類に依存する。このあと、繊維材料
を最初に90乃至98℃の熱湯で、次に温水で、そして
最後に冷水で十分に洗浄する。必要な場合には、さら
に、たとえば酢酸で中和し、このあと脱水し、そして、
好ましくは高められた温度、たとえば150℃までの温
度において乾燥する。
【0016】高浴比漂白浴であるか、浸漬浴漂白浴であ
るか、または常温バッド・バッチ漂白浴であるかによっ
て、本水性漂白浴は次のような基準で処方される。高浴
比漂白浴は、通常下記成分を含有する:本発明の水性組
成物1乃至8g/l 、好ましくは2乃至3g/l,湿潤剤ま
たは界面活性剤0.5乃至3g/l 、好ましくは1乃至2
g/l ,泡防止剤または脱気剤0乃至1g/l 、好ましくは
0.2乃至0.5g/l ,蛍光増白剤0乃至2重量%、好
ましくは0.5乃至1.5重量%。浸漬漂白浴は通常、
下記成分を含有する:本発明の水性組成物2乃至10g/
l 、好ましくは3乃至6g/l,湿潤剤または界面活性剤
1乃至5g/l 、好ましくは2乃至4g/l ,泡防止剤また
は脱気剤0乃至2g/l 、好ましくは0.5乃至1g/l ,
蛍光増白剤0乃至2重量%、好ましくは1乃至2重量
%。常温パッド・バッチ漂白浴は、通常下記成分を含有
する:本発明の水性組成物20乃至100g/Kg、好まし
くは40乃至60g/Kg,湿潤剤または界面活性剤2乃至
10g/Kg、好ましくは3乃至5g/Kg,泡防止剤または脱
気剤0乃至3g/Kg、好ましくは0.5乃至1.5g/Kg,
蛍光増白剤0乃至2重量%、好ましくは1乃至2重量
%。いずれの漂白浴でも、本発明の組成物ならびに成分
(b)の量が比較的少ないということは、本発明の実施
において使用される漂白安定剤が金属イオン封鎖剤とし
て使用されているのではなく、ジチオン酸ナトリウムの
漂白作用に有益な影響を与える目的に役立てられている
ことを示している。
【0017】処理される繊維材料は任意の形状でありう
る。たとえば、バラ繊維、ヤーン、織物、編物などであ
りうる。通常は被処理繊維材料は、植物起源の純セルロ
ース繊維製または動物起源の繊維製の繊維製品である
か、または合成繊維からの繊維製品であるか、または植
物起源、動物起源および/または合成の繊維との混合物
からの繊維製品である。植物起源の適当な繊維は、特に
セルロース繊維であり、たとえばビスコースレーヨンま
たはビスコースなどの再生セルロースからの繊維、大
麻、リネン、ジュート、ラミー、そして特に木綿などの
天然セルロースからの繊維である。動物起源の繊維は、
好ましくはウールまたはシルクである。合成繊維は、ポ
リアクリロニトリルまたは特にポリエステルおよびポリ
アミドからのものが適当である。ここにおけるポリアミ
ド繊維材料とは、ポリアミド6、ポリアミド66あるい
はまたポリアミド12などのごとき合成ポリアミドを意
味するものと理解されたい。さらに、純ポリアミド繊維
のほか、ポリウレタンとポリアミドとの混合繊維材料、
たとえば70:30の比のポリアミド/ポリウレタンか
らのトリコット繊維材料なども適当である。基本的に
は、純ポリアミド繊維材料も混合ポリアミド繊維材料も
素繊維、ヤーン、織物、編物、不織布またはカーペット
などの任意の形状であることができる。
【0018】本発明によって処理されうるポリエステル
繊維材料には、セルロースエステルたとえばセルロース
第二アセテートおよびセルローストリアセテート、およ
び好ましくは、酸変性されていてもよい線状ポリエステ
ル繊維材料も包含されるものと理解されたい。そしてテ
レフタル酸とエチレングルコールとの縮合、あるいはイ
ソフタル酸またはテレフタル酸と1,4−ビス(ヒドロ
キシメチル)シクロヘキサンとの縮合によって得られた
もの、あるいはまたテレフタル酸およびイソフタル酸と
エチレングリコールとの共重合体でありうる。繊維工業
においてこれまでほとんど独占的に使用されてきた線状
ポリエステル繊維材料は、テレフタル酸とエチレングリ
コールとからなるものである。繊維材料は、同種繊維ど
うしの混合物または他種の繊維との混合物でありうる。
たとえば、ポリアクリロニトリル/ポリエステル、ポリ
エアミド/ポリエステル、ポリステル/木綿、ポリエス
テル/ビスコース、ポリエステル/ウールなどの混合物
を使用することができ、そして既知の方法によってバッ
チ式でまたは連続式で染色あるいは捺染することもでき
る。
【0019】本発明を実施して処理するために特に適当
な繊維材料は、木綿または再生セルロース、あるいは木
綿とポリエステルまたは木綿とポリアミドとの混合繊維
材料である。木綿の織物および編物が好ましい。界面活
性剤を使用して予備洗濯された材料も適当である。ま
た、サイジングされた木綿繊維の漂白も可能である。こ
の場合、漂白は脱サイジングの前または、好ましくは、
後で実施される。
【0020】本発明の漂白組成物は、酸化(過酸化物)
漂白による漂白物の後漂白のためにも使用することがで
きる。酸化(過酸化物)漂白法によると他の漂白よりも
優れた白色度が得られることは常識である。しかしなが
ら、その漂白効果は還元後処理をしないと比較的不安定
である。特に動物起源の繊維材料を漂白する場合には、
そうである。処理媒質によっては、漂白されたウールは
短期間のうちに黄変を起こす。安定な固有の白さを得る
ためには、したがって、後から還元漂白を行うことが不
可欠である。さらに、このような後漂白には、安定化に
加えて固有の白さの実質的増加という効果がある。本発
明の組成物によって処理された繊維材料は、その高い白
色度によって特徴ずけられる。本発明の漂白組成物のい
ま1つの利点は、それがエコロージーと両立するもので
あり、そして環境保全の法令に適合できるという特徴で
ある。
【0021】さらに、本発明の組成物は紙の漂白のため
にも使用することができる。したがって、本発明はさら
に紙の漂白方法にも関する。本発明の方法は、漂白すべ
く製造されたパルプを、少なくとも本発明の漂白組成物
を含有している水性浴を用いて処理することを特徴とす
る。本方法は特に故紙の漂白のために好適である。通
常、本方法は次のようにして実施される。すなわち、最
初に故紙を製紙原料調製プラント、たとえば普通はパル
パーよりなるSulzer Papertec によって供給されている
故紙調製プラント内において高密度洗浄する。このあ
と、ホール−スロットスクリーニング(hole and slot
screening)を実施し、重い成分および軽い成分を分離
して浄化し、そして第1洗滌を行う。次に、このように
して調製された紙を分散する。この段階において、パル
プを均一にする。紙繊維に付着している印刷インクを除
去する。この時に、漂白されるべきパルプを基準にして
0.1乃至10重量%、好ましくは0.3乃至1.0重
量%の量で本発明の漂白組成物をパルプに添加して、同
時的に漂白を実施する。本発明による紙の漂白、特に故
紙の漂白方法の1つの重要な利点は、故紙調製の全プロ
セスが、突然のpH上昇なしに、中性pH範囲において実施
できることである。処理されるべき紙に蛍光増白剤が存
在していても、本発明の漂白によってそれが破壊されて
しまうことはない。以下の実施例中の部およびパーセン
トは常に重量ベースである。
【0022】実施例1 本発明の漂白組成物の製造 ジチオン酸ナトリウム 600g と クエン酸三ナトリウム二水和物 400g とを混合し、そしてこの混合物をボールミルの中におい
て摩砕する。微細に粉砕され容易に流動可能な粉末を得
た。
【0023】実施例2 単工程漂白 浴を常に循環させながら、未処理ウールトリコット布を
Ahiba(商標)染色機中において、下記組成の漂白浴を
使用して50℃において2時間処理した: 実施例1の漂白組成物 5g/l ポリアクリル酸ベース湿潤剤および非イオン界面活性剤 0.5g/l 。 処理後、そのウールトリコットをよく洗浄した。漂白さ
れたウールトリコットは、良好な白色度を有していた。
【0024】実施例3 組み合わせ漂白 第1工程(酸化漂白)において、未処理木綿トリコット
を、撹拌しながら、染色機、たとえばAhiba(商標)染
色機の中において、下記組成の漂白浴を使用して95℃
において30分間処理した: 35%過酸化水素 6ml/l , ポリアクリル酸ベース湿潤剤および非イオン界面活性剤 0.5g/l 、 マグネシウム塩漂白安定剤 0.5g/l 、 100%NaOH 3g/l 。 浴比は1:20であった。処理後、漂白されたトリコッ
トをよく洗浄した。 第2工程(還元漂白)の漂白浴は下記成分を含有してい
た: 実施例1の漂白組成物 5g/l ポリアクリル酸ベース湿潤剤および非イオン界面活性剤 0.5g/l 。 処理は60℃において30分間、実施例2に記載したよ
うにして実施した。このあと、木綿トリコットをよく洗
浄した。漂白された木綿トリコットは高い白色度を有し
ていた。
【0025】実施例4 組み合わせ漂白 リネン布を第1工程(酸化漂白)において、撹拌しなが
ら、下記組成の漂白浴を使用して室温において1時間処
理した: 次亜塩素酸ナトリウム 3g/l , ポリアクリル酸ベース湿潤剤および非イオン界面活性剤 1g/l 。 このあと、処理した布をよく洗浄した。 第2工程(還元漂白)の漂白浴は下記成分を含有してい
た: 実施例1の漂白組成物 5g/l ポリアクリル酸ベース湿潤剤および非イオン界面活性剤 0.5g/l 。 実施例2に記載したようにして処理を行なった。処理時
間は2時間、処理温度は50℃であった。最後に、漂白
されたリネン布をよく洗浄した。高い白色度を得た。
【0026】実施例5 実験室の実験装置において、漂白のために製造された乾
燥故紙パルプの15gを、下記成分を含有している組成
物0.006gを含有している水100ml(固形分15
%)中において処理した: ジチオン酸ナトリウム 60%、 クエン酸三ナトリウム二水和物 40%。 温度は80℃、漂白滞留時間すなわち処理時間は7分間
および20分間であった。下記の白色度(Tappi によ
る)を達成した: 7分間の処理後 76.8 20分間の処理後 78.4
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 7:10 7:26 7:12)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分を含有するリン酸塩を含まない
    還元漂白組成物: (a)還元漂白剤; (b)下記の群から選択された漂白安定剤; (b1) クエン酸誘導体、(b2) エチレン性不飽和モノ−
    またはジ−カルボン酸の単独重合体または共重合体、(b
    3) 水溶性マグネシウム塩、(b4) テトラホウ酸のアル
    カリ金属塩。
  2. 【請求項2】 成分(a)が亜チオン酸の塩である請求
    項1記載の漂白組成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)がジチオン酸ナトリウムであ
    る請求項1または2記載の漂白組成物。
  4. 【請求項4】 成分(b1)がクエン酸の水溶性ナトリウ
    ム塩である請求項1乃至3のいずれかに記載の漂白組成
    物。
  5. 【請求項5】 成分(b1)がクエン酸三ナトリウム塩二
    水和物である請求項4記載の漂白組成物。
  6. 【請求項6】 成分(b2)がポリメタクリル酸である請
    求項1乃至3のいずれかに記載の漂白組成物。
  7. 【請求項7】 成分(b2)がアクリル酸とマレイン酸と
    の共重合体である請求項1乃至3のいずれかに記載の漂
    白組成物。
  8. 【請求項8】 成分(b2)が2000乃至200000
    0の分子量を有している請求項1乃至3、6、7のいず
    れかに記載の漂白組成物。
  9. 【請求項9】 成分(b2)が水溶性アルカリ金属塩との
    混合物として使用される請求項1乃至3、6、7、8の
    いずれかに記載の漂白組成物。
  10. 【請求項10】 該水溶性アルカリ金属塩が炭酸ナトリ
    ウムである請求項9記載の漂白組成物。
  11. 【請求項11】 成分(b3)がグルコン酸のマグネシウ
    ム塩である請求項1乃至3のいずれかに記載の漂白組成
    物。
  12. 【請求項12】 成分(b4)がテトラホウ酸ナトリウム
    である請求項1乃至3のいずれかに記載の漂白組成物。
  13. 【請求項13】 下記成分を含有する請求項1乃至3の
    いずれかに記載の漂白組成物: (a)ジチオン酸ナトリウム、 (b)クエン酸三ナトリウム二水和物。
  14. 【請求項14】 下記成分を含有する請求項1乃至3の
    いずれかに記載の漂白組成物: (a)ジチオン酸ナトリウム、 (b)アクリル酸とマレイン酸との共重合体。
  15. 【請求項15】 成分(a)および成分(b)を10:
    1乃至1:2の比で含有する請求項1乃至14のいずれ
    かに記載の漂白組成物。
  16. 【請求項16】 さらに付加的に成分(c)として湿潤
    剤を含有している請求項1乃至15のいずれかに記載の
    漂白組成物。
  17. 【請求項17】 さらに付加的に成分(d)として蛍光
    増白剤を含有している請求項1乃至16のいずれかに記
    載の漂白組成物。
  18. 【請求項18】 下記組成分を含有する請求項1乃至1
    7のいずれかに記載の漂白組成物: 成分(a)30乃至80重量%、 成分(b)20乃至70重量%、 成分(c)0乃至10重量%、 成分(d)0乃至10重量%。
  19. 【請求項19】 紙の漂白方法において、少なくとも請
    求項1記載の本発明による漂白組成物を含有している水
    性浴を用いてその漂白方法のために製造されたパルプを
    処理することを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法によって処理さ
    れた紙。
  21. 【請求項21】 天然または合成繊維材料の還元漂白方
    法において、少なくとも請求項1記載の本発明による漂
    白組成物を含有している水性浴を用いて当該繊維材料を
    処理することを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の方法によって処理さ
    れた繊維材料。
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