JPH0797500A - ゴム変性共重合樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性共重合樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0797500A
JPH0797500A JP24113893A JP24113893A JPH0797500A JP H0797500 A JPH0797500 A JP H0797500A JP 24113893 A JP24113893 A JP 24113893A JP 24113893 A JP24113893 A JP 24113893A JP H0797500 A JPH0797500 A JP H0797500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
rubber
styrene
weight
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24113893A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Morita
毅 森田
Ryoichi Yoneda
量一 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP24113893A priority Critical patent/JPH0797500A/ja
Publication of JPH0797500A publication Critical patent/JPH0797500A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スチレン含有率33〜55重量%のスチレン
−ブタジエンブロック共重合体の存在下、スチレンおよ
びメタクリル酸メチルとをグラフト重合した樹脂(A)
と、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが30重量%以上
となる割合で、スチレンとメタクリル酸メチルをスチレ
ン−ブタジエン共重合ゴムにグラフト共重合樹脂(B)
とを含有。 【効果】 透明性および耐衝撃性良好

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良されたゴム変性共重
合樹脂組成物に関し、さらに詳細にはスチレン系モノマ
ーとジエン系モノマーとのブロック共重合ゴムの存在下
で、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル
とをグラフト共重合して得られる樹脂に特定の樹脂を併
用して透明性ならびに実用強度、とりわけシ−ト成形品
にした場合の透明性及び耐衝撃性に優れたゴム変性共重
合樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性に
優れた熱可塑性樹脂として現在広く用いられているが、
ゴム質が含まれる為にそのポリスチレンの有する透明性
は全く失われ、その用途が制限されるものであった。そ
のため従来より耐衝撃性と透明性とを合わせ持つ熱可塑
性樹脂として、例えばゴム質重合体の存在下でスチレン
とメタクリル酸メチルをグラフト共重合させた三元共重
合体が知られている。
【0003】この場合、例えば透明性を向上させるため
ゴム質重合体の含有量を3〜5重量%に低減しても、そ
の平均ゴム粒径が1.0μm程度になり、やはり充分な
透明性が得られないばかりか耐衝撃性も極めて低いもの
しか得られず、また、一方、耐衝撃性を上げる為に、樹
脂中のゴム量を増加させると透明性が著しく低下するも
のであった。
【0004】そのため衝撃強度と透明性のバランスの優
れた樹脂として例えば特開昭50−67352号公報お
よび特開平4−253736号公報には、スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に乳化重合法で得
られたMBS樹脂をブレンドしたものが開示されてい
る。
【0005】また、特開平4−180907号公報に
は、透明性と耐衝撃性に優れた樹脂としてスチレン含有
量の多いSBRを用いてスチレン系モノマーと(メタ)
アクリル酸アルキルをグラフト重合させてゴム粒径が
0.4μm程度にしたものが開示されいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭50−
67352号公報および特開平4−253736号公報
に記載された樹脂は、MBS樹脂の添加量を40重量%
まで上げても成形品の衝撃強度は満足できるものではな
く、またそれ以上MBS樹脂の添加量を高めても透明性
の低下を招来するという課題を有していた。
【0007】また、特開平4−180907号公報に記
載された樹脂は、連続重合による一段合成法で製造した
場合、ゴムの粒子径を0.2μm以下にして透明性をさ
らに向上を図ると衝撃強度が低下するという課題を有す
る他、ゴム粒径が0.3μm以上の樹脂では、例えばシ
ート化して真空成形する際に透明性が低下すると言う問
題が発生するという課題を有していた。また、連続重合
法は生産性や品質の安定性の面から優れた製法である
が、ゴム粒径の微細な領域でのコントロールやゴム含有
率の制御に制約があった。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、連続重
合法によるグラフト重合を用いたゴム変性共重合樹脂で
従来になく透明性と耐衝撃性とに優れ、更にシートの真
空成形用において透明性と耐衝撃性に優れたゴム変性共
重合樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この様な
状況に鑑み鋭意研究した結果、特定のゴム質ブロック共
重合体とスチレン系モノマーと(メタ)クリル酸メチル
とのグラフト共重合体と、ゴム質重合体とスチレン系モ
ノマーとアクリル系モノマーとをグラフト共重合して得
られる特定の樹脂とを混合することにより上記課題を解
決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明はスチレン骨格含有率が33
〜55重量%のスチレン系モノマーとジエン系モノマー
とのブロック共重合ゴム(a−1)と、スチレン系モノ
マー(a−2)と、(メタ)アクリル酸メチル(a−
3)とをゴム質ブロック共重合体(a−1)が1〜20
重量%となる割合で用いてグラフト重合して得られる樹
脂(A)と、ゴム質重合体(b−1)とスチレン系モノ
マー(b−2)とアクリル系モノマー(b−3)とを含
んでなり、かつ、ゴム質重合体が30重量%以上となる
割合で用いてグラフト重合して得られる樹脂(B)とを
含有することを特徴とする透明性に優れた樹脂組成物に
関する。
【0011】本発明で用いるスチレン系モノマーとジエ
ン系モノマーとのブロック共重合ゴム(a−1)を構成
するスチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、α
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、イソブ
チルスチレン、ターシャリーブチルスチレン、o−ブロ
ムスチレン、m−ブロムスチレン、p−ブロムスチレ
ン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−ク
ロロスチレン等が挙げられるが、中でもスチレンがジエ
ン系モノマーとの反応性に優れる点から好ましい。
【0012】一方、上記スチレン系モノマーと反応させ
るジエン系モノマーとしては、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる
が、中でもブタジエンがスチレン系モノマーとの反応性
に優れる点から好ましい。
【0013】本発明で用いるブロック共重合ゴム(a−
1)は、上記の各成分を反応させて得られ、しかもその
スチレン骨格含有率は、33〜55重量%のスチレン−
ブタジエン−ブロック共重合体である。スチレン骨格含
有率が33重量%未満の場合には、ゴム変性共重合樹脂
の透明性が低下し、また、55重量%を越える場合は、
該樹脂のゴム弾性が低下し、耐衝撃性が悪くなる。
【0014】上記ブロック共重合ゴム(a−1)は、ジ
エン系モノマーに基づく不飽和結合のうちの1,2−ビ
ニル結合の割合が14〜35重量%のものが、ゴム変性
共重合樹脂中のトルエン不溶分含有率が上昇し、更に、
製造時の高温下での架橋の進行を抑制でき、グラフト化
率と架橋の程度とのバランスが良好となってゴム弾性が
向上するために耐衝撃性が著しく向上する為に好まし
い。この場合、1,2−ビニル結合の残りはシスおよび
トランス結合を形成している。
【0015】また、本発明の如く、ゴムの存在下にスチ
レン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチルとその他の
アクリル酸エステルとをグラフト共重合させた場合、通
常、そのマトリックス中のグラフト共重合体は第3図に
示す様に、グラフト共重合樹脂中にマトリックス樹脂が
不規則に分散している、所謂「サラミ構造」の形態をと
るが、ブロック共重合ゴム(A)の1,2−ビニル結合
の割合が18〜33重量%で、かつ、スチレン骨格含有
率を35〜45重量%にした場合、グラフト化率と架橋
のバランスをとることで第2図に見られる様に、マトリ
ックス中のグラフト共重合体は、コアーシェル構造が複
数重なった、所謂「オニオン構造」を形成する。後者の
場合、その成形物、特にシート成形品にした場合の透明
性が極めて優れたものとなり好ましい。尚、第4図はサ
ラミ構造、コアーシェル構造、オニオン構造のそれぞれ
の模式図を示したものである。
【0016】更に、本発明で用いる共重合ゴム(a−
1)は、5重量%スチレン溶液粘度が5〜15センチポ
イズのものが耐衝撃強度の向上効果が大きく、かつ製造
に際してゴム粒子径のコントロールが容易な点で好まし
く、特に25℃での5重量%スチレン溶液粘度が9〜1
5センチポイズで、かつ100℃でのLローター使用に
よるムーニー粘度が20〜80のものが好ましい。
【0017】本発明で用いるスチレン系モノマー(a−
2)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、ター
シャリーブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブ
ロムスチレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げ
られ、なかでも透明性に優れる点からスチレンが好まし
い。
【0018】本発明で用いる(メタ)アクリル酸メチル
(a−3)は、本発明のゴム変性共重合樹脂に透明性を
付与する必須成分であるが、特にその透明性に著しく優
れる点からメタアクリル酸メチルが好ましい。
【0019】また、更に樹脂(A)においては、その他
のアクリル酸アルキルエステル(a−4)を併用しても
よく、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−iso-ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられ、なかでも
シート成形品の引き裂き強度が向上する点からアクリル
酸−n−ブチルが好ましい。
【0020】上記共重合ゴム(a−1)とスチレン系モ
ノマー(a−2)と(メタ)アクリル酸メチル(a−
3)の使用割合は、特に限定されるものではないが、通
常(a−1)/[(a−2)+(a−3)]の重量比が
3/97〜16/84で、かつ、(a−2)/(a−
3)の重量比が30/70〜60/40となる範囲が透
明性と耐衝撃強度に優れたものが得られる点で好まし
い。(a−1)/[(a−2)+(a−3)]の重量比
は、更に5/95〜12/88となることが透明性と耐
衝撃強度が一層向上する点から好ましい。(a−3)の
2〜20重量%をその他のアクリル酸アルキルエステル
(a−4)に置換しても良い。
【0021】本発明の樹脂(A)を製造するには、上記
共重合ゴム(a−1)の存在下に、スチレン系モノマー
(a−2)と(メタ)アクリル酸メチル(a−3)を必
須成分として用い、必要に応じてその他のアクリル酸ア
ルキルエステル(a−4)、更にその他の共重合可能な
モノマーと共に塊状−懸濁重合、溶液重合又は塊状重合
によりグラフト共重合させればよいが、なかでも塊状重
合が生産性とコスト面から好ましい。
【0022】特に攪拌式反応器と可動部分のない複数の
ミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応
器を組み込んだ連続塊状重合ライン中で、該管状反応器
による静的な混合を行いながら連続的に塊状重合を行う
と、ゴム粒子径が小さく、ポリマー組成を均一にコント
ロールでき、透明性と耐衝撃性の向上効果に著しく優れ
る樹脂(A)が効率的に製造できる点で好ましい。
【0023】ここで用いるその他の共重合可能なモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリロニトリル等のビニ
ルシアン化合物類;イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、桂皮酸等の重合性不飽和脂肪酸;N−
メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−ブロ
モフェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド
類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸等に代表される不飽和カルボン酸無水物類;アリルア
ミン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アク
リル酸−アミノプロピル等のアミノ基含有不飽和化合物
類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等アク
リルアミド系化合物があげられる。
【0024】以下に、攪拌式反応器と可動部分のない複
数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状
反応器(以下、静的ミキシングエレメントを有する管状
反応器と略す)を組み込んだ連続塊状重合ラインを用い
ての樹脂(A)の製法の一例を図面により説明する。
【0025】第1図は、静的ミキシングエレメントを有
する管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの一例
を示す工程図である。プランジャーポンプ(1)によっ
て供給される前記(a−1)、(a−2)、(a−3)
を必須成分として含む混合溶液は、まず撹拌式反応器
(2)へ送り、撹拌下で初期グラフト重合させた後、ギ
アポンプ(3)により、静的ミキシングエレメントを有
する管状反応器(4),(5)および(6)とギアポン
プ(7)とを有する循環重合ライン(I)に送る。
【0026】尚、撹拌式反応器(2)での初期グラフト
重合と循環重合ライン(I)と組み合わせることで、ゴ
ム粒子に余分な剪断が加わらずゴム粒子のより効率的な
微細化が可能となり、重合工程でのポリマー組成を均一
化出来る点で好ましい。この場合の初期グラフト重合
は、スチレン系モノマー(a−2)と(メタ)アクリル
酸メチル(a−3)の合計の重合転化率が、該反応器
(2)の出口において10〜28重量%、好ましくは1
4〜24重量%となる様に実施される。また撹拌式反応
器(2)としては、例えば撹拌式槽型反応器、撹拌式塔
型反応器等が挙げられ、撹拌翼としては、例えばアンカ
ー型、タービン型、スクリュー型、ダブルヘリカル型等
の撹拌翼が挙げられる。
【0027】本発明では、反応器での上記混合溶液の粘
性を低下させる為に溶剤を使用してもよく、その使用量
は原料モノマーの合計100重量部に対して5〜20重
量部である。溶剤の種類としては、通常、塊状重合法で
使用されているトルエン、エチルベンゼン、キシレン等
が適している。
【0028】また、本発明では、上記混合溶液中にゴム
変性共重合樹脂の分子量調節のために連鎖移動剤を添加
すると好ましい。該連鎖移動剤の添加量は、通常原料モ
ノマーの合計に100重量部に対して0.05〜0.5
重量部の範囲である。上記の様に動的撹拌下に初期グラ
フト重合された混合溶液は、次いで循環重合ライン
(I)内を循環しながらグラフト重合されると共に、そ
の一部は連続的に静的ミキシングエレメントを有する管
状反応器(8),(9)および(10)が直列に組み込
まれた非循環重合ライン(II)に送られる。
【0029】循環重合ライン(I)内での混合溶液中の
ゴム粒子は、該循環重合ライン(I)内を循環しながら
静的に混合されて安定化し、粒子径も固定化してくる。
この場合、該循環重合ライン(I)での混合溶液の還流
比(R)と(B)、(C)及び(D)の合計の重合転化
率が重要な因子となる。 還流比Rは、非循環重合ライ
ン(II)に流出せずに循環重合ライン(I)内を還流す
る混合溶液の流量をF1 (リットル /時間)とし、循
環重合ライン(I)から非循環重合ライン(II)に流出
する混合溶液の流量F2 (リットル/時間)とした場
合、通常R=F1/F2 が3〜15の範囲であり、なか
でも管状反応器での圧力損失が小さく、生成するゴム質
重合体粒子が安定で、粒径を小さくすることができ、か
つ樹脂(A)中のスチレン系モノマー(a−2)と(メ
タ)アクリル酸メチル(a−3)の含有比率を一定に保
つことができる点でR=5〜10の範囲が特に好まし
い。
【0030】また、該循環重合ライン(I)でのグラフ
ト重合は、該循環重合ライン(I)出口での(B)と
(C)及び(D)の合計の重合転化率が、通常35〜5
5重量%、好ましくは40〜50重量%になる様に重合
させる。重合温度としては120〜135℃が適してい
る。
【0031】循環重合ライン(I)でグラフト重合され
た混合溶液は、次いで非循環重合ライン(II)に供給さ
れ、通常140〜160℃の重合温度でスチレン系モノ
マー(a−2)と(メタ)アクリル酸エステル(a−
3)の合計の転化率が60〜80重量%となるまで連続
的にグラフト重合される。次に、この混合溶液はギアポ
ンプ(11)により予熱器、次いで脱揮発槽に送られ、
減圧下にて未反応単量体および溶剤を除去した後、ペレ
ット化することにより目的とする樹脂(A)が得られ
る。この際、予熱器および脱揮発槽内での転化率の上昇
が7重量%以下になる条件で予熱および脱揮発を行うと
好ましい。
【0032】本発明で用いる静的ミキシングエレメント
を有する管状反応器の内部に固定されている複数のミキ
シングエレメントとしては、例えば管内に流入した重合
液の流れの分割と流れ方向を変え、分割と合流を繰り返
すことにより重合液を混合するものが挙げられる。この
ような管状反応器としては、例えば、SMX型、SMR
型のスルザー式の管状ミキサー、ケニックス式のスタテ
ィックミキサー、東レ式の管状ミキサー等が好ましい。
【0033】循環重合ライン(I)や非循環重合ライン
(II)に組み込まれるこれらの管状反応器の数は、上記
の如き管状反応器の場合、その長さやミキシングエレメ
ントの構造等による異なるので特に限定されないが、ミ
キシングエレメントを4個以上有する該管状反応器を4
〜15個、好ましくは6〜10個組み合せて用いる。こ
のうち循環重合ライン(I)内に組み込む該管状反応器
の数は、通常1〜10個、好ましくは2〜6個である。
【0034】本発明で原料として用いる混合溶液には、
必要に応じて重合開始剤として分解した際にフリーラジ
カルを放出する有機過酸化物を添加すると、比較的低い
温度でのクラフト化と反応の促進が行えるので好まし
い。その添加量は原料モノマーの合計100重量部に対
して0.005〜0.04重量部の範囲である。
【0035】ここで用いる有機過酸化物としては、半減
期が10時間になる温度が75〜170℃のものが好ま
しく、その具体例としては 1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、1,1-ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ジ−t−ブチル
パーオキシオクタン、n−ブチル−4,4-ジ−t−ブチル
パーオキシバレレート、2,2-ジ−t−ブチルパーオキシ
ブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5-トリメチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジ
パーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル−2,5-ジベン
ゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシマレ
イン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジークミルパーオ
キサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド等のパーオキシエステル類等が
挙げられ、単独あるいは2種以上組み合せて用いられ
る。
【0036】さらに、本発明で用いる混合溶液には、必
要に応じて、ミネラルオイル等の可塑剤、酸化防止剤、
連鎖移動剤、長鎖脂肪酸、そのエステルもしくはその金
属塩等の離型剤、シリコンオイルなどの如き公知の添加
剤を併用しても良い。
【0037】この様にして得られる樹脂(A)は、25
℃でのトルエン不溶分含有率が4〜22重量%、トルエ
ンによる膨潤指数が11〜19で、かつトルエン不溶分
含有率/膨潤指数が0.20〜1.20重量%であるこ
とが好ましい。この数値範囲にある場合、ゴム変性共重
合樹脂は、該樹脂内において該共重合ゴムのグラフト化
率と架橋の程度のバランスが良好となり、透明性及び耐
衝撃性のみならす、更にシート成形品とした場合の透明
性、耐衝撃性が著しく向上するものである。
【0038】また、樹脂(A)中のグラフトされたブロ
ック重合体(a−1)の平均ゴム粒子径は0.05〜
0.80μmであることが好ましく、特にゴム変性共重
合樹脂組成物の透明性と耐衝撃性とに優れる点から0.
05〜0.28μmのものが好ましい。
【0039】また、該樹脂中のマトリックス相である
(a−2)、(a−3)との共重合体の重量平均分子量
(Mw)が10万〜18万で、かつ重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.8〜
2.5のものが好ましく、なかでも重量平均分子量(M
w)が12〜15万のもの耐衝撃性及び樹脂の流動性が
向上し透明性に優れる点から特に好ましい。
【0040】本発明で用いる樹脂(B)は、ゴム質重合
体(b−1)の30〜80重量%の存在下に、スチレン
系モノマー(b−2)とアクリル系モノマー(b−3)
をグラフト共重合させて得られるゴム変性共重合樹脂で
ある。
【0041】スチレン系モノマー(b−2)としてはス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソブチルスチレン、ターシャリーブチルスチレ
ン、o−ブロムスチレン、m−ブロムスチレン、p−ブ
ロムスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレ
ン、p−クロロスチレン等が挙げられ、なかでも透明性
に優れる点からスチレンが好ましい。
【0042】アクリル系モノマー(b−3)としては、
メチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)クリレー
ト、エチル(メタ)クリレート、ブチル(メタ)クリレ
ート等のアルキルエステル類が挙げられるが、なかでも
メチル(メタ)クリレートが好ましいが、特にこれらに
限定されるものではない。
【0043】ゴム質重合体(b−1)としては、例え
ば、ゴム或いは熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0044】ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPDM、EPM)、アクリルゴム(ACM、
ANM)、塩素化ポリエチレンゴム(CSR)、フッ素
ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム
(AU、EU)、多硫化ゴム(T)、エピクロルヒドリ
ンゴム(CO、ECO)、クロロスルホン化ポリエチレ
ン(CSM)、ノルボルネンゴムおよび/またそれらの
加硫化された高分子材料が挙げられる。
【0045】これらの中では耐衝撃性と透明性に優れる
点からスチレンブタジエンゴム(SBR)及びブタジエ
ンゴム(BR)が好ましい。尚、このSBRおよびBR
は乳化重合によって製造することが、引き続き連続的に
樹脂(B)の乳化重合が可能になる点から好ましい。
【0046】樹脂(B)は上記ゴム質重合体(b−
1)、スチレン系モノマー(b−2)、アクリル系モノ
マー(b−3)に、更に樹脂(A)との衝撃強度を高め
るためにこれらと共重合可能なその他のモノマーを共重
合させることができる。
【0047】その他のモノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪酸;アク
リロニトリルまたはメタアクリロニトリル等を挙げるこ
とができる。これらは単独或は2種以上を併用して用い
ることができる。
【0048】樹脂(B)は上記各成分をグラフト共重合
して得られるものであるが、ゴム質重合体(b−1)の
含有量が30重量%以上となる割合で用いる。ゴム質重
合体(b−1)の含有量が30重量%未満の場合、本発
明における衝撃強度向上効果は殆ど認められなくなる。
なかでも衝撃強度と透明性とのバランスに優れる点から
30〜80重量%であることが好ましい。
【0049】具体的な製造方法としては、ゴム質重合体
(b−1)30〜80重量部、好ましくは40〜70重
量部の存在下に、スチレン系モノマー(b−2)の1〜
90重量%、好ましくは20〜60重量%と、アクリル
系モノマー(b−3)の99〜10重量%、好ましくは
80〜40重量%及びその他のモノマーとからなるモノ
マー成分の70〜20重量部、好ましくは60〜30重
量部を、例えば溶液重合または乳化重合等により重合す
る方法が挙げられるが、なかでも乳化重合がグラフトさ
れたゴム質重合体(b−1)の粒子径を小さくできる点
から好ましい。
【0050】また、(b−1)〜(b−3)の使用割合
は上述した通りであるが、屈折率が1.530〜1.5
50の範囲にする様に調整することが好ましい。このよ
うにして得られる樹脂(B)は、樹脂中のグラフトされ
たゴム質重合体(b−1)の粒子径は特に限定されるも
のではないが、平均粒子径が0.05〜0.28μmで
あることが透明性がより優れたものとなり好ましい。
【0051】これらの樹脂(B)の中でも、衝撃強度向
上効果が著しい点からスチレン−ブタジエン共重合ゴム
にスチレン及びメチルメタクリレートをグラフト共重合
させた共重合樹脂(MBS)が好ましい。
【0052】上述した樹脂(B)は塩化ビニル樹脂配合
用に使用される一般市販品をそのまま用いることができ
るのは勿論である。例えば、鐘化淵化学工業社製「カネ
エースB−22」等が挙げられる。
【0053】本発明のゴム変性共重合樹脂組成物は上記
樹脂(A)と樹脂(B)とを配合することにより得ら
れ、その配合割合は特に限定されるものではないが、重
量基準で樹脂(A)/樹脂(B)=99/1〜65/3
5であることが、透明性および衝撃強度に優れる点から
好ましい。樹脂(A)と樹脂(B)との混合方法は特に
限定されず公知慣用の方法で行なうことができるが、押
出機で溶融混合することが好ましい。混練機としてはL
/Dが30以上のものが混練効果が高くなり好ましい。
【0054】また、本発明においては上述した通り樹脂
(B)を含有率を高めなくても極めて優れた衝撃強度が
得られるため、成形品の黄変を招来することなく優れた
外観となり、また、コストダウンも可能となる。
【0055】本発明の組成物には、更に有機ポリシロキ
サン(C)を添加することによって成形品の表面平滑性
を向上することができる。この様な有機ポリシロキサン
(C)としてはジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げ
られるが、なかでも成形品の透明性が良好である点から
メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキ
サンが好ましい。また、その粘度は、通常、10〜1
0,000cpsのものであるが透明性向上の点から5
0〜5,000cpsであることが好ましい。
【0056】また、有機ポリシロキサン(C)の添加量
としては特に限定されるものではないが、樹脂(A)と
樹脂(B)との合計100重量部に対して0.01〜2
重量部であることが好ましい。その添加時期としては、
特に限定されず樹脂(A)或いは樹脂(B)の製造時に
予め添加しもよいし、また、樹脂(A)と樹脂(B)と
を混合する際に配合してもよい。
【0057】このようにして得られる本発明のゴム変性
共重合樹脂組成物は、上記した各成分に、さらに通常用
いられる酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、難
燃剤、帯電防止剤、発泡剤、補強材等を添加剤を配合す
ることが出来る。
【0058】これらの中でも好ましいものとしては、例
えばミネラルオイル、エステル系可塑剤、ポリエステル
系可塑剤、高級脂肪酸及びその金属塩、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、ガラス繊維等が挙げられ、それぞ
れ単独又は併用して用いることが出来る。特にエステル
系可塑剤およびポリエステル系可塑剤は、本発明のゴム
変性共重合樹脂の溶融時の流動性改良剤として有効であ
り、しかも透明性を低下させないという利点があるが、
なかでもフタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、
フタル酸ジオクチルが好ましい。
【0059】これらの添加剤は、有機ポリシロキサン
(C)を添加する場合と同様に、樹脂(A)或いは樹脂
(B)の製造時に予め添加しもよいし、また、樹脂
(A)と樹脂(B)とを混合する際に配合してもよい。
【0060】本発明のゴム変性共重合樹脂組成物は、特
にその用途が限定されるものではないが、特にシート用
として優れた透明性および衝撃強度が改善されたものと
なる。シートの製造法は特に限定されず、上述した各成
分を混合し、ドライブレンド又はプレミキシング等の方
法により予め混合したものを溶融押出して、Tダイ、サ
ーキュラーダイ等から連続的に押出し、そのホットパリ
ソンより押出しをそのまま或いは冷却し延伸に適当な温
度に調整して高延伸倍率、例えば2〜5倍で1軸若しく
は2軸で面積延伸比に延伸する方法等が挙げられる。ま
た、溶融押出した原反を1度冷却し、次いで再度再加熱
により面積比で3〜15倍に延伸してもよい。シートの
厚みは特に限定されるものではなく、通常、0.01〜
10.0mmであるが、衝撃強度向上効果が顕著に発現
する好ましい範囲は、樹脂(A)中のグラフトされたゴ
ム質ブロック共重合体(a−1)の粒子径により異な
る。即ち、樹脂(A)中のグラフトされた(a−1)の
粒子径が0.05〜0.28μmの場合にはシートの厚
みは0.02〜1.0mmであることが好ましく、粒子
径が0.30〜0.80μmの場合には1.0〜5mm
であることが好ましい。
【0061】上述したシートから成形品を得る方法は特
に限定されず、真空成形、熱板圧空成形或いは熱板圧空
成形等の公知慣用の方法で成形できる。シート成形品の
用途は特に限定されず、各種の食品容器、食品用容器
蓋、食器、トレー等が挙げられる。
【0062】また、本発明のゴム変性共重合樹脂はシ−
ト成形品に限定されるものでは無く、さらに、射出成
形、単軸押出成形、二軸延伸押出成形、インフレ−ショ
ン押出成形、異形押出成形、吹込成形などの成形方法に
より各種成形品にして使用することが出来る。その用途
は広範なものに及び、例えばラジオカセット、オーディ
オプレーヤー、ビデオテープレコーダなどの家庭電気・
器具類の部品;複写機、プリンター、ファクシミリ、パ
ソコンなどのOA機器の各種部品;ICキャリア−マガ
ジン;食品容器;医療器具類の部品;ブリスターパッケ
ージ等として用いられる。
【0063】更に本発明のゴム変性共重合樹脂組成物に
は、必要に応じてポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチ
レン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合樹脂、ゴム変性スチレン−メタクリル
酸メチル共重合樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン
−無水マレイン酸共重合樹脂、スチレン−(メタ)アク
リル酸共重合樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、塩化ビニル
樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜添加することもできる。
【0064】尚、前記ゴム質重合体の平均粒子径、トル
エン不溶分含有率とトルエンによる膨潤指数の測定方法
を以下に記す。 1.樹脂中のゴム質重合体の平均粒子径 樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、
写真中の粒子1000個の粒子径を測定して次式により平均
粒子径を求めた。 (ただし、ni は粒径Di を有するゴム粒子の個数であ
る。) 2.トルエン不溶分含有率およびトルエンによる膨潤指
数 ゴム変性共重合樹脂1gを精秤し、トルエン100 ml
に25℃で24時間かけて溶解させた後、溶解液を遠心
管に移し、10℃以下、8500rpm で15分間遠心分離を
行ない、上澄液をデカンテーションにより除いた後、ト
ルエンで膨潤した不溶分の重さを測定する。次に60℃
の真空乾燥器で24時間乾燥させ、得られたトルエン不
溶分の重さを測定し、以下の式によりトルエン不溶分含
有率を算出する。 また、膨潤指数は次式により算出する。
【0065】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に具体的に
説明する。ただし、例中の部はすべて重量部を、また%
は全光線透過率と1,2-ビニル結合の割合を除きすべて重
量%を示す。
【0066】尚、例中の物性値は以下の様に測定した。 1) 全光線透過率および曇価 ASTMD-1003に準拠してその値を求めた。 2) 直角引裂荷重 JIS K-6732に準拠し試験速度を毎分50mmとしてその
値を求めた。 3)引張降伏強さ及び引張破断伸び JIS K-7113に準拠し試験速度を毎分50mmとしてその
値を求めた。但し、試験片はJIS K-6732記載の引張試験
片を用いた。 4) 耐衝撃性評価 デユポン衝撃試験機(東洋精機製作所製)を用い、試験
片の50%破壊エネルギ−を求めた。([実施例1〜
4、比較例1〜6]における条件:重錘200g、撃芯
先端半径6.3mm、受台半径6.3mm、[実施例5お
よび比較例7]における条件:重錘2,000g、撃芯
先端半径4.7mm、受台半径6.3mm) 5) 共重合ゴム中の1,2−不飽和結合の割合の測定法 赤外分光分析(モレロ法)によって測定した。
【0067】参考例1 本実施例では第1図に示すように配列された装置を用い
た。スチレン、メタクリル酸メチル、ゴム質重合体およ
び溶媒を含む混合溶液を、プランジャーポンプ(1)に
よって20リットルの撹拌式反応器(2)へ送り、撹拌
翼による動的混合下に初期グラフト重合した。次いでこ
の混合溶液をギアポンプ(3)によって循環重合ライン
(I)に送る。循環重合ライン(I)は入口から順に内
径2.5インチ管状反応器(スイス国ゲブリューダー・
ズルツァー社製SMX型スタティックミキサー・静的ミ
キシングエレメント30個内蔵)(4)、(5)および
(6)と混合溶液を循環させるためのギアポンプ(7)
から構成されている。管状反応器(6)とギアポンプ
(7)の間には非循環重合ライン(II)に続く出口が設
けられている。非循環重合ライン(II)には入口から順
に上記と同様の管状反応器(8)、(9)および(1
0)とギアポンプ(11)が直列に連結されている。
【0068】スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム
〔25℃における5%スチレン溶液粘度(以下、5%SV
と略す):10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:
22重量%、スチレン/ブタジエン重量比:40/60 〕8
部、スチレン51部、メタクリル酸メチル49部、およ
びエチルベンゼン10部から成る混合溶液を調製し、さ
らに、連鎖移動剤として単量体混合物100部に対して
0.1部のn−ドデシルメルカプタンおよび有機過酸化
物として単量体混合物100部に対して0.02部のt
−ブチルパーオキシベンゾエートを加え、上記装置を用
いて以下の条件下で連続的に塊状重合させた。
【0069】混合溶液の連続的な供給量:10リットル
/時間 撹拌式反応器(2)での反応温度:120℃ 循環重合ライン(I)での反応温度:135℃ 非循環重合ライン(II)での反応温度:140〜160
℃ 重合させて得られた混合溶液を熱交換器で225 ℃まで加
熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペ
レット化して本発明のゴム変性共重合樹脂組成物を得
た。以下、これを樹脂(Aー1)と略記するが、この樹
脂の屈折率は1.543であった。 この樹脂の分析デ
ータを表1に示す。 尚、参考例1で得られたゴム変性
共重合樹脂組成物の電子顕微鏡写真を第2図に示した。
第2図から明らかなようにマトリックス中のグラフト共
重合体はオニオン構造を有するものであった。該樹脂の
分析データおよび物性の測定結果を第1表に示す。
【0070】参考例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム〔5%SV:
10センチポイズ、1,2-ビニル結合の割合:20重量
%、スチレン/ブタジエン重量比:40/60 〕8部、スチ
レン51部、メタクリル酸メチル39部、アクリル酸ブ
チル10部およびエチルベンゼン10部から成る混合溶
液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明のゴム変
性共重合樹脂を得た。 以下、これを樹脂(A−2)と
略記する。
【0071】尚、参考例2で得られたゴム変性共重合樹
脂組成物は、第2図と同様にマトリックス中のグラフト
共重合体はオニオン構造を有するものであった。該樹脂
の分析データおよび物性の測定結果を第1表に示す。
【0072】参考例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム[5%SV:
10センチポイズ、1,2−ビニル結合の割合:17重
量%、スチレン/ブタジエン重量比:35/65]7
部、スチレン46部、メタクリル酸メチル54部および
エチルベンゼン10部からなる混合溶液を用いた以外は
参考例1と同様にして本発明のゴム変性共重合樹脂を得
た。以下、これを樹脂(A−3)と略記する。
【0073】尚、参考例3で得られたゴム変性共重合樹
脂の電子顕微鏡写真を第3図に示した。第3図から明か
なようにマトリックス中のグラフト共重合体はサラミ構
造を有するものであった。該樹脂の分析データおよび物
性の測定結果を第1表に示す。
【0074】参考例4 スチレン51部、メタクリル酸メチル39部、アクリル
酸ブチル10部およびエチルベンゼン10部から成る混
合溶液を用いた以外は参考例2と同様にしてゴムを含ま
ない共重合体を得た。
【0075】参考例5 スチレン−ブタジエン共重合ゴムラテックス(スチレン
/ブタジエンの重量比30/70)を固形分換算で60
重量部、蒸留水150重量部、ロジン酸ナトリウム0.
05重量部を攪はん機付き反応器に仕込んだ。 次い
で、スチレン17重量部、メタクリル酸メチル23重量
部、nードデシルメルカプタン0.10重量部を仕込、
窒素ガスを吹き込みながら昇温を開始して65℃に到達
したら過硫酸カリウム0.2重量部の水溶液を仕込んで
70℃で5時間重合させた。その後、硫酸マグネシウム
で凝固させ、洗浄し、脱水し、そして乾燥させて粉状の
グラフト共重合体を得た。以下、このを樹脂(B−1)
と略記する。この樹脂中のゴム粒子径は0.15μmで
あり、また、樹脂の屈折率は1.537であった。
【0076】
【表1】 (第1表中、「不溶分/膨潤」は「トルエン不溶分含有
率/膨潤指数」を略記したものである。)
【0077】実施例1〜4 このようにして得られた樹脂(A)および樹脂(B)を
各種配合し、シリンダ温度を230℃とした口径が50
mmの2軸押出機で混練押出してペレットを得た。
【0078】次いで、得られたペレットを押出成形して
厚さ0.3mmのシートを作成し、各種物性を測定し
た。物性データを第2表に示す。尚、シート成形条件は
次の通りである。
【0079】シート成形機 :ユニオンプラスチック
(株)製UEV型30mm押出機 シリンダー温度:210℃ Tダイ設定温度:210℃ タッチロール設定温度:70℃ 引取速度 :1.4m/分 リップ開度 :0.45mm 次いで、得られたシートを用いて真空成形機でシートの
上下両面を加熱してドーム形ケーキ蓋(口径110×2
30mm、深さ70mm)の成形品を得た。
【0080】実施例5 参考例3で得られた樹脂(A−3)、樹脂(B−1)、
およびメチルフェニルポリシロキサン(トーレ・シリコ
ーン社製「SH−710」)1部を第2表に従って配合
して、シリンダー温度230℃とした口径が50mmの
一軸押出機で混練押出してペレットを得た。
【0081】次いで、得られたペレットをシリンダー温
度が230℃なるインラインスクリュー型射出成形機に
て、金型温度を60℃として、縦50mm横50mmで
厚さが2mmなるプレートを成形した。得られた成形品
の物性の測定結果を第2表に示す。
【0082】比較例1〜7 第2表に示した配合に従う他は実施例1と同様にして
0.3mmのシートを作成し、各種物性を測定した。結
果を第2表に示した。
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、従来になく透明性と耐
衝撃性とに優れるゴム変性共重合樹脂が提供できる。該
共重合樹脂は、各種成形品に好適に使用できるが、特に
シート成形品とした場合にはその透明性、衝撃強度が著
しく優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、静的ミキシングエレメントを有する
管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの1例を示
す工程図である。
【図2】第2図は参考例1で得られた樹脂(A)中のオ
ニオン構造のグラフト共重合体の粒子構造を示す電子顕
微鏡写真である。(×18,000)
【図3】第3図は参考例3で得られた樹脂(A)中のサ
ラミ構造のグラフト共重合体の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真である。(×18,000)
【図4】第4図はグラフト共重合体の「サラミ構造」、
「コアーシェル構造」及び「オニオン構造」の模式図で
ある。
【符号の簡単な説明】
(1):プラジャーポンプ (2):攪拌式反応器 (3):ギヤポンプ (4):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (5):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (6):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (7):ギヤポンプ (8):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (9):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器 (10):静的ミキシングエレメントを有する管状反応
器 (I):循環重合ライン (II):非循環重合ライン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマーとジエン系モノマー
    とのブロック共重合体であって、かつ、スチレン含有率
    が33〜55重量%であるゴム質ブロック共重合体(a
    −1)と、スチレン系モノマー(a−2)と、(メタ)
    アクリル酸メチル(a−3)とをゴム質ブロック共重合
    体(a−1)が1〜20重量%となる割合で用いてグラ
    フト重合して得られる樹脂(A)と、ゴム質重合体(b
    −1)とスチレン系モノマー(b−2)とアクリル系モ
    ノマー(b−3)とを含んでなり、かつ、ゴム質重合体
    (b−1)が30重量%以上となる割合で用いてグラフ
    ト重合して得られる樹脂(B)とを含有することを特徴
    とする透明性に優れたゴム変性共重合樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)と樹脂(B)とを、重量基準
    で(A)/(B)=99/1〜65/35となる割合で
    含有する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂(B)が、ゴム質重合体(b−1)
    とスチレン系モノマー(b−2)とアクリル系モノマー
    (b−3)とを含んでなり、かつ、ゴム質重合体(b−
    1)が30〜80重量%となる割合でグラフト重合して
    得られるものである請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ゴム質重合体(b−1)が、スチレンと
    ブタジエンとのブロック共重合体である請求項3に記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 ゴム質ブロック共重合体(a−1)が、
    スチレンとブタジエンとのブロック共重合体である請求
    項1〜4の何れか1つに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ゴム質ブロック共重合体(a−1)が、
    1,2−不飽和結合の割合が14〜35重量%のもので
    ある請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ゴム質ブロック共重合体(a−1)が、
    1,2−不飽和結合の割合が14〜35重量%であり、
    かつ、スチレン含有率が33〜50重量%のものである
    請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 組成物中のグラフトされたブロック共重
    合体(a−1)およびグラフトされたゴム質重合体(b
    −1)の、平均粒子径が0.05〜0.28μmである
    請求項1〜7の何れか1つに記載の組成物。
  9. 【請求項9】 樹脂(A)中のグラフトされたブロック
    共重合体(a−1)の平均粒子径が0.05〜0.28
    μmであって、かつ、樹脂(B)中のグラフトされたゴ
    ム質ブロック共重合体(b−1)の、平均粒子径が0.
    05〜0.28μmである請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 樹脂(A)が、更にその他のアクリル
    酸アルキルエステル(a−4)を共重合させたものであ
    る請求項1〜9の何れか1つに記載の組成物。
  11. 【請求項11】 更に有機ポリシロキサン(C)を含有
    する請求項1〜10の何れか1つに記載の組成物。
JP24113893A 1993-09-28 1993-09-28 ゴム変性共重合樹脂組成物 Pending JPH0797500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24113893A JPH0797500A (ja) 1993-09-28 1993-09-28 ゴム変性共重合樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24113893A JPH0797500A (ja) 1993-09-28 1993-09-28 ゴム変性共重合樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0797500A true JPH0797500A (ja) 1995-04-11

Family

ID=17069845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24113893A Pending JPH0797500A (ja) 1993-09-28 1993-09-28 ゴム変性共重合樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0797500A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2971351B2 (ja) グラフト、転相および架橋を制御したabsグラフトコポリマー製造用多段塊状プロセス
CN1068607C (zh) 透明的橡胶改性苯乙烯树脂及其生产方法
JPS6213968B2 (ja)
JP3151481B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂の製法およびゴム変性共重合樹脂組成物
US5387650A (en) Preparation of ABS molding materials
JP4416190B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂組成物及びその製法
JP4105879B2 (ja) ゴム強化熱可塑性樹脂及びゴム強化熱可塑性樹脂組成物
JP3353844B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂の製法およびゴム変性共重合樹脂組成物
JP2853987B2 (ja) スチレン系樹脂の製造方法
JP3283461B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JPH0791341B2 (ja) マレイミド系共重合体およびその製造方法
WO2000006623A1 (fr) Composition de resine de styrene et son procede de production
JPH05331245A (ja) ゴム変性共重合樹脂の製法およびゴム変性共重合樹脂組成物
JP7492952B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP2001031833A (ja) 透明性を有する熱可塑性樹脂組成物
JP3972526B2 (ja) スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JPH0797500A (ja) ゴム変性共重合樹脂組成物
JP4051770B2 (ja) スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
TWI302538B (ja)
JP2000178405A (ja) 樹脂組成物及びその製造方法
JP2002020575A (ja) ゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物
JP3484694B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂組成物
JP3591606B2 (ja) ゴム変性共重合樹脂組成物
JP3547943B2 (ja) 耐面衝撃性に優れた樹脂組成物
JPH0613635B2 (ja) ポリカーボネート系樹脂組成物の製造方法