JPH079742Y2

JPH079742Y2 - クラツチ構造

Info

Publication number: JPH079742Y2
Application number: JP1987040161U
Authority: JP
Inventors: 真鋼滝本; 光明沢井; 信正川島; 利彦岡田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-03-18
Filing date: 1987-03-18
Publication date: 1995-03-08
Anticipated expiration: 2002-03-18
Also published as: JPS63147371U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、クラツチ連結状態とクラツチ切り状態とに切
換移動可能なクラツチ部材と、このクラツチ部材を押圧
付勢していずれか一方の状態に切換移動させる切換用圧
縮スプリングと、クラツチ部材の移動方向にほぼ直交す
る方向の軸芯まわりで揺動自在に枢支され、かつ、クラ
ツチ部材を付勢力に抗して接当押圧し、他方の状態に切
換移動させる接当押圧部を設けてあるフオーク部材と、
このフオーク部材の揺動姿勢をクラツチ部材の切換用圧
縮スプリングによる切換移動を許容する姿勢に保持する
保持用圧縮スプリングとを備え、フオーク部材の枢支軸
芯方向において、保持用圧縮スプリングの付勢力のフオ
ーク部材に対する作用位置と、接当押圧部の接当押圧中
心位置とを互いにずらせ、かつ、前記作用位置と接当押
圧中心位置との間にフオーク部材の枢支部の一部又は全
部を位置させてあるクラツチ構造に関する。

〔従来の技術〕

冒記したクラツチ構造は主として歩行型移動農機の操向
クラツチに採用されており、従来、第５図、第６図に示
すように、フオーク部材（16）の揺動姿勢をクラツチ部
材（13）の切換用圧縮スプリング（14）による切換移動
を許容する姿勢に保持するために設けられる前記保持用
圧縮スプリング（25）の付勢力（F₁）を、フオーク部材
（16）の枢支部（17）を挟んでクラツチ部材（13）に対
する接当押圧部（16a）とは反対の位置（Ａ）に作用さ
れており、従つて、この付勢力（F₁）の付勢方向が切換
用圧縮スプリング（14）の付勢力の付勢方向に対してほ
ぼ逆向きになつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この為、切換用圧縮スプリング（14）の付勢力に抗して
のフオーク部材（16）の操作時に、フオーク部材（16）
の枢支部（17）が枢支軸芯（Ｐ）に直交する方向、つま
り、上下方向の軸芯まわりでがたつき易く、従つて、フ
オーク部材（16）が枢支部（17）でこじられて異常に摩
耗し、耐久性の点で欠ける問題があり、又、フオーク部
材（16）が円滑に揺動し難いことから、フオーク部材
（16）を一定姿勢に保持させる保持用圧縮スプリング
（25）としてバネ定数の大きな大型のスプリングを使用
する必要があり、クラツチ構造全体が大型化するととも
に、大きな操作力でフオーク部材（16）を操作しなけれ
ばならない問題があつた。

即ち、冒記したクラツチ構造においては、組付けスペー
ス等の制約から、フオーク部材（16）のクラツチ部材
（13）に対する接当押圧中心位置（Ｂ）とフオーク部材
（16）に対する保持用圧縮スプリング（25）の付勢力
（F₁）の作用位置（Ａ）とが枢支軸芯（Ｐ）方向におい
てずれているのであり、切換用圧縮スプリング（14）の
付勢力に抗してのフオーク部材（16）の操作時には、切
換用圧縮スプリング（14）からクラツチ部材（13）を介
して接当押圧部（16a）に受ける接当反力（F₂）と、保
持用圧縮スプリング（25）の弾性変形に伴う付勢力
（F₁）とがフオーク部材（16）に同時に作用し、しか
も、保持用圧縮スプリング（25）の付勢力（F₁）をフオ
ーク部材（16）の枢支軸芯（Ｐ）を挟んで接当押圧部
（16a）とは反対の位置に作用させることから、その付
勢力（F₁）の方向が切換用圧縮スプリング（14）の付勢
力の方向とほぼ逆の方向になる。

従つて、第６図に示すように、保持用圧縮スプリング
（25）の付勢力（F₁）と接当押圧部（16a）に作用する
接当反力（F₂）とが互いに逆方向に作用し、枢支軸芯
（Ｐ）方向と直交する方向、つまり、上下方向の軸芯ま
わりで枢支部（17）が回転しようとするために、軸受部
と軸との間でがたつきが生じるのである。

本考案は上記問題を解決することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を解決する為の本考案の特徴構成は、冒記した
クラツチ構造において、前記作用位置を前記枢支部より
も接当押圧部側に設定し、その付勢力方向を前記切換用
圧縮スプリングの付勢方向と同方向に設定してある点に
あり、かかる構成から次の作用・効果を奏する。

〔作用〕

第３図に示すように、保持用圧縮スプリング（25）の付
勢力（F₁）の付勢方向と、接当押圧部（16a）に作用す
る接当反力（F₂）の作用方向とがほぼ同じ方向であるか
ら、枢支部（17）でのがたつきを抑制することができ
る。

〔考案の効果〕

枢支部がこじられにくいので異常な摩耗が生じにくく、
長期に亘つて良好に使用できるとともに、保持用圧縮ス
プリングとしてもバネ定数の小さい小型のものを使用で
き、従つて、小さい操作力で操作できるクラツチ構造を
コンパクトに構成できるに至つた。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第４図に示すように、前部にエンジン（Ｅ）を搭載する
と共に、ミツシヨンケース（１）の下部から突設の左右
車軸（２），（２）に、耕耘装置と付換自在に車輪
（３），（３）を取付けて構成した走行本体の後部に、
ロータリ耕耘装置やトレーラー等の各種アタツチメント
用作業装置を連結するためのヒツチ（４）を設け、か
つ、後方に操縦ハンドル（５）を延設し、前記エンジン
（Ｅ）からの動力を変速機構（図示せず）及び操向クラ
ツチ（７），（７）を介して左右車輪（３），（３）に
伝達するように構成し、もつて、農機の一例としての歩
行型耕耘機を構成してある。

前記操向クラツチ（７），（７）夫々を構成するに、第
１図、第２図に示すように、左右車軸（２），（２）
を、端面を互いに対向させて同芯周りに回転させる状態
でミツシヨンケース（１）に軸架すると共に、左右車軸
（２），（２）間に位置させる状態で前記変速機構から
の伝動用チエーン（８）を巻回する伝動用輪体（９）を
設け、その伝動用輪体（９）に、その左右両側に突出す
る状態でボス部（10）を連設し、前記ボス部（10）両端
を、左右車軸（２），（２）夫々の軸端側に形成したス
プライン溝部（11）に、両者に跨がる状態で外嵌し、、
その外嵌部分夫々において、周方向に分散させた状態
で、スプライン溝部（11）に係脱されるように、径方向
に変位自在にボール（12）・・を設け、前記ボール（1
2）・・を操作するためのクラツチ部材（13），（13）
を、それと一体回転する状態で、かつ、切換用圧縮スプ
リング（14），（14）を介してボール（12）・・のスプ
ライン溝部（11）への係合によりボス部（10）と車軸
（２）を連結操作する側に付勢すると共にその連結状態
をストツパー（15），（15）により規制維持する状態
で、ボス部（10）に回転軸芯方向に摺動自在に外嵌し、
そして、前記クラツチ部材（13），（13）を、前記圧縮
スプリング（14），（14）の付勢力に抗して連結解除側
に接当押圧操作するための一対のフオーク部材（16），
（16）を設けてある。

前記フオーク部材（16），（16）は、車軸（２），
（２）の軸線と直交する軸芯（Ｐ），（Ｐ）周りに揺動
自在にケース（１）内に枢支し、フオーク部材（16），
（16）の枢支部（17），（17）を互いに平行にかつ前記
車軸（２）の軸線の周方向に位相を違えて設置してあ
る。そして、ケース（１）の内外に貫通する状態で回動
自在に軸架された被操作部材（18），（18）と前記フオ
ーク部材（16），（16）の操作アーム部分とをワイヤー
（19），（19）を介して連結すると共に、前記被操作部
材（18），（18）と、ハンドル（５）に付設した左右の
クラツチ操作具（20），（20）夫々をレリーズワイヤー
（21）を介して連動連結し、前記クラツチ操作具（2
0），（20）に対する握り操作により、操向クラツチ
（７），（７）を各別あるいは一体的に切り操作し、操
向並びに走行停止操作するように構成してある。

前記フオーク部材（16），（16）は夫々、第２図に示す
ように、クラツチ部材（13）に対する接当押圧部（16
a）を左右一対備えており、これら接当押圧部（16a），
（16a）全体としての接当押圧中心位置（Ｂ）が車軸
（２）の軸芯とほぼ一致するように設定するとともに、
枢支部（17）の全体中心位置を、枢支軸芯（Ｐ）方向に
おいて、車軸（２）の軸芯直上位置から偏位させて、ミ
ツシヨンケース（１）に枢支してある。

前記フオーク部材（16）の枢支部（17）は、フオーク部
材（16）に支点ピン（22）を挿通固定して構成してあ
り、前記支点ピン（22）の両突出端部の夫々を、ミツシ
ヨンケース（１）に形成した溝状凹入部（23），（23）
に係入し、両溝状凹入部（23），（23）に亘るＵ字状の
押え金具（24）を固定して、支点ピン（22）の抜け落ち
を阻止する状態で枢支してある。

そして、枢支軸芯（Ｐ）方向において、枢支部（17）の
直下であつて、接当押圧部（16a）側の位置に保持用圧
縮スプリング（25）の付勢力の作用位置（Ａ）を設定し
てあり、この作用位置（Ａ）と、前記押え金具（24）の
下方への延設部分（24a）とに亘つて、フオーク部材（1
6）を圧縮スプリング（14）の付勢方向と同じ方向に付
勢する保持用圧縮スプリング（25）を架設し、もつて、
非操作状態において、クラツチ部材（13）が切換用圧縮
スプリング（14）の付勢力によつてクラツチ連結状態に
切換わるのを許容する状態にフオーク部材（16）の揺動
姿勢を保持するように構成してある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るクラツチ構造の実施例を示し、第１
図は要部の横断面図、第２図は要部の縦断面図、第３図
は作用説明図、第４図は歩行型移動農機の全体側面図、
第５図、第６図は、夫々、従来例を示す作用説明図、要
部の横断面図である。（13）……クラツチ部材、（14）……切換用圧縮スプリ
ング、（16）……フオーク部材、（16a）……接当押圧
部、（17）……枢支部、（25）……保持用圧縮スプリン
グ、（Ａ）……作用位置、（Ｂ）……接当押圧中心位
置、（Ｐ）……枢支軸芯。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者岡田利彦大阪府堺市石津北町64番地久保田鉄工株式会社堺製造所内 (56)参考文献実公昭45−28736（ＪＰ，Ｙ１) 実公昭46−5693（ＪＰ，Ｙ１)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】クラッチ連結状態とクラッチ切り状態とに
切換移動可能なクラッチ部材（13）と、このクラッチ部
材（13）を押圧付勢していずれか一方の状態に切換移動
させる切換用圧縮スプリング（14）と、クラッチ部材
（13）の移動方向にほぼ直交する方向の軸芯（Ｐ）まわ
りで揺動自在に枢支され、かつ、クラッチ部材（13）を
付勢力に抗して接当押圧し、他方の状態に切換移動させ
る接当押圧部（16a）を設けてあるフォーク部材（16）
と、このフォーク部材（16）の揺動姿勢をクラッチ部材
（13）の切換用圧縮スプリング（14）による切換移動を
許容する姿勢に保持する保持用圧縮スプリング（25）と
を備え、フォーク部材（16）の枢支軸芯（Ｐ）方向にお
いて、保持用圧縮スプリング（25）の付勢力のフォーク
部材（16）に対する作用位置（Ａ）と、接当押圧部（16
a）の接当押圧中心位置（Ｂ）とを互いにずらせ、か
つ、前記作用位置（Ａ）と接当押圧中心位置（Ｂ）との
間にフォーク部材（16）の枢支部（17）の一部又は全部
を位置させてあるクラッチ構造において、前記作用位置
（Ａ）を前記枢支部（17）よりも接当押圧部（16a）側
に設定し、その付勢方向を前記切換用圧縮スプリング
（14）の付勢方向と同方向に設定してあることを特徴と
するクラッチ構造。