JPH0796559B2 - プロインシユリン様物質の改良精製法 - Google Patents

プロインシユリン様物質の改良精製法

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JPH0796559B2
JPH0796559B2 JP61080975A JP8097586A JPH0796559B2 JP H0796559 B2 JPH0796559 B2 JP H0796559B2 JP 61080975 A JP61080975 A JP 61080975A JP 8097586 A JP8097586 A JP 8097586A JP H0796559 B2 JPH0796559 B2 JP H0796559B2
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Description

【発明の詳細な説明】 タンパクは、構造上の安定性に依存してその特異的機能
を働かせる生体高分子である。溶媒組成、pH、温度およ
び塩濃度における小さな変化が、しばしばタンパク構造
における重大な、時折不可逆的な変化を生じさせること
があるので、クロマトグラフィーによるタンパク精製
は、原則として非特異的で変性作用が最小である樹脂を
使用して行なわれてきた。従来このような樹脂は非常に
親水性であり、しばしば80%以上の水分含有率を有して
いる。これらの親水的性質のために、得られるクロマト
グラフィー用樹脂粒子は、適度な反圧下でも非常につぶ
れやすい。また、これらの親水性樹脂を有機溶媒で効果
的に洗浄することができないため、非特異的吸着を全て
排除することは困難である。従って作業者は、不均質な
天然供給源から得らえるタンパクの処理精製の初期工程
で問題に直面することになる。より望ましい担体は、そ
の親水的性質のために、粘性の、スラッジ含有天然産物
混合物の迅速処理には不適当である。その結果、かなり
の追加経費をかけて初期精製にクロマトグラフィー以外
の方法を使用することが必要であった。
アンバーライト XAD樹脂類は、高分子マクロ網(目)
状吸着剤であり、ローム・アンド・ハース・カンパニー
(Rohm and Haas Company)によって市販品として生産
されている。これらの樹脂は、重合体の疎水性表面に対
する親和力の違いによって化合物が分離されるように設
計されている。XAD型樹脂は(1)粒子サイズが大きく
(20〜50メッシュ)、(2)非常に疎水的であるため、
構造的に類似しているペプチドおよびタンパクの複合生
物学的混合物のクロマトグラフィーにこれらの樹脂を実
際に使用することは驚くべきことであった。実際、タン
パク精製におけるこれらの担体の作業パラメーターを詳
述している報告はない。しかしながらXAD型樹脂の上記
2特性のために、驚くべきことに、これらの樹脂は、構
造上異なっていたり構造上類似している両タンパクを含
有している非常に不純な、スラッジ含有混合物の初期精
製工程に非常に効果的である。XAD型樹脂は粒子サイズ
が大きく不均一であるので、緩慢で等しくない相互作用
の力学のために、実質上そのクロマトグラフィーの性能
を低下させるであろうと予想するのが正しい。従って、
タンパクおよびポリペプチドの精製に、このような樹脂
を使用することは避けられてきた。しかしながら、本発
明者らは、プロインシュリン様物質を含有している非常
に不純な、スラッジ含有の物質に対して予め限定された
条件下で使用される場合は、この見かけ上の欠陥が、予
想に反して精製目的に好都合であることを見い出した。
更に、このようなプロインシュリン様物質の精製におい
て付加される実用上の意義は、XAD型樹脂は(1)低価
格で容易に入手でき、(2)1−13のpH範囲で十分に安
定であり、(3)水性洗浄剤および有機溶媒を使用して
カラム内再生が容易であることである。
文献には、一般的な方法以外にはタンパクおよびポリペ
プチドの精製におけるXAD型樹脂の使用は報告されてい
ない。ピエトルジク(Pietrzyk,D.J.)およびストドラ
(Stodola,J.D.)、アナリティカル・ケミストリー(An
al.Chem.)、53、1822−1828(1981)は、合成ジペプチ
ドに利用するために、XAD−4即ちポリスチレン−ジビ
ニルベンゼンのコポリマーを分析的に調べた最初の研究
者であった。5残基の大きさの合成ペプチドについての
後続の研究[ピエトルジク(Pietrzyk,D.J.)、カーヒ
ル(Cahill,W.J.)およびストドラ(Stodola,D.J.)ジ
ャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィー(J.Li
quid Chrom.)、、443−461[1982)]は、初めて、
粉砕して著しく小さな粒子にしておいたXAD−4樹脂を
用いてかなり効果的な処理精製を行なうことができるこ
とを示した。従ってこれらの研究は、マクロポーラスな
疎水性樹脂による小ペプチドのクロマトグラフィーを呈
示したものであるが、粒子サイズの大きな担体を使用し
て、実質上より大きく、非常に多くの複合タンパクの混
合物を、非常に不純な混合物から効果的に分離し得るか
どうかという疑問に答えるものではなかった。
非常に不純な供給源から得たタンパクの精製の困難さ
は、組換えDNA技術の出現およびそれを利用したペプチ
ドとタンパクの商業ベースでの生産において特に明白に
なってきた。組換えDNA法により、商業用として適切な
産物を発現させる場合も、出発発酵ブロス中並びに、そ
の後の化学的処理および/またはその他の処理で生成す
る混合物中に含まれている不純物から、組換えDNA−起
源の産物を単離することが必要である。このように、新
しい、商業規模のタンパク精製技術の必要性はきわめて
重要な問題となってきた。
組換えDNA−起源のタンパクの精製をよりいっそう困難
にしている要素は、システイン残基を有する多数のタン
パクの存在にある。ほとんどの場合、システイン含有タ
ンパクの組換え発現後、タンパク精製の開始前に、シス
テイニルスルフヒドリルを通常、S−スルホネートに変
換して可逆的に保護しなければならない。この変換は、
必然的に望ましくないスラッジ様不純物を更に生成する
ことになり、非常に粘性の変性剤が存在するため、先ず
これから所望のタンパクを分離しなければならない。
具体的には、組換えDNA起源のインシュリンは通常、2
つの方法のいずれかによって手に入れることができる。
1つの方法では、インシュリンA−鎖とインシュリンB
−鎖を別々に発現させて単離し、次いでこれらの鎖を化
学的に結合させてインシュリンを生成する。もう1つの
方法では、直鎖状プロインシュリン前駆体を発現させて
単離し、次ぎに、この産物を酸化により変性させてプロ
インシュリンとし、このプロインシュリンを酵素的にイ
ンシュリンに変換する。
組換えインシュリンを生産するための両方法は、組み合
わせてインシュリンに導き得るインシュリンA−鎖S−
スルホネートおよびインシュリンB−鎖S−スルホネー
ト、またはジスルフィド変換してプロインシュリンに導
き得るプロインシュリンS−スルホネートを得るための
類似した順序の化学変換および精製工程を含んでいる。
3種のS−スルホネート、即ちインシュリンA−鎖、イ
ンシュリンB−鎖またはプロインシュリンのS−スルホ
ネートは、いずれも通常以下の順序で製造される: (1)アミノ末端のメチオニル残基によって外来のペプ
チド配列に結合している所望のペプチド配列を含有して
いる産物の発現、 (2)臭化シアンによる、外来部分からの所望の配列の
切断および (3)対応するS−スルホネートを生成させるための、
ペプチドシステイニルチオールのスルフィトリシス(su
lfitolysis)。
このタイプの方法を商業ベースに適合するように行なう
には、所望の生成物をわずかしか、または全く損失せず
に、所望の生成物(この生成物が最終産物であるか中間
産物であるかにかかわらず)からスラッジ、塩、有機溶
媒およびその他の不純物を除去することができるような
方法を見い出すことが必要である。
本発明者らは、非常に不純な原料、特に組換えDNA法に
よって得られた非常に不純な原料から、プロインシュリ
ン様物質の純度を高めるための非常に有利な方法を見い
出した。この方法は、不純な原料をマクロポーラスアク
リレートエステルコポリマー樹脂製担体による逆相精製
にかけることである。
本発明は、プロインシュリン様物質を含有している不純
な混合物から不純物を分離し、プロインシュリン様物質
を実質上完全に回収する方法であって、 (1)該混合物を約7〜約10のpHで逆相マクロポーラス
アクリレートエステルコポリマー樹脂製担体に吸着さ
せ、 (2)アセトン、アセトニトリルおよびアセトンとアセ
トニトリルの組み合わせからなる群より選択された有機
希釈剤を約10容量%〜約30容量%含有しているpH約8〜
約11の水性溶出剤を使用して、該プロインシュリン様物
質を担体から溶出することからなる方法を提供するもの
である。
上記の様に本発明の方法は、プロインシュリン様物質を
含有している非常に不純な混合物の精製を目的とするも
のである。「プロインシュリン様物質」という用語は、
(1)例えばヒト、ウシまたはブタのような全ての種類
のプロインシュリン自体、(2)還元された(−SH)プ
ロインシュリン、およびプロインシュリンS−スルホネ
ート等のS−保護プロインシュリンのようなプロインシ
ュリンの前駆体、(3)例えばA−鎖、B−鎖、C−ペ
プチドまたはこれらの3種の内のいずれかの組み合わせ
を長くおよび/または短くするように修飾されている構
造のような、プロインシュリンの誘導体またはその前駆
体および(4)例えばプロインシュリンアミノ酸配列が
1またはそれ以上のアミノ酸残基の置換によって修飾さ
れている構造のようなプロインシュリンの類似体および
その前駆体を意味する。
本発明の方法は、クロマトグラフィー用担体としてマク
ロポーラスアクリレートエステルコポリマー樹脂を使用
することを包含する。このようなコポリマー樹脂製吸着
剤は当業者に周知のものである。本発明の目的に非常に
適切な2種の担体は、ローム・アンド・ハース・カンパ
ニーから入手することができ、XAD−7およびXAD−8の
名称を有している。2種の内、XAD−7が本発明の目的
にとって特に好ましい。
本発明の方法は、3つのクロマトグラフィー工程または
段階に分けることができる。しかしながら、これらの内
2工程だけが必要である。このように、本方法は吸着お
よび脱着工程を含まなければならず、中間の洗浄工程を
含むことができ、含むことが好ましい。更に本方法は、
バッチ式またはカラム方式のいずれによって行なっても
よいが、精製効率のためにはカラム条件下で本方法を行
なうのがはるか好ましい。本発明の方法は、バッチ式ま
たはカラム式のいずれで行なわれる場合でも、その成功
への基礎となり、本発明の基本を構成する特定の条件は
変わらない。
本発明の吸着工程に使用される、プロインシュリン様物
質を含有している複合混合物は、通常先の処理工程の順
序に従った結果として、即ち本質的には組換えDNA法に
よる発現の結果、得られる。通常、少なくとも1部がプ
ロインシュリン、その誘導体またはその類似体のアミノ
酸配列に相当するアミノ酸配列を含有している生産物が
発現される。発現産物は通常、プロインシュリン様物質
が、それより長い鎖の発現産物から化学的または酵素的
作用により生成し得るように選択的切断部位を含んでい
る。通常この選択的切断部位はメチオニン残基で表わさ
れ、この残基のカルボキシ末端での切断は、臭化シアン
および周知の条件の使用によって効果的に行なわれる。
発酵に次ぐCNBr切断の結果得られる不純な混合物は、広
範囲なペプチド類と一緒に、スラッジ、その他の物質お
よびそれに比較して少量の還元されたプロインシュリン
様物質を含有する。
次いで、通常、既知の条件下、大量の尿素(通常7M)の
存在の下でこの混合物を処理して、還元されたプロイン
シュリン様物質の遊離スルフヒドリル(sulfhydryls)
の保護的スルフィトリシス(sulfitolysis)を行なう。
この様にして得られる、適当な濃度の有機溶媒を含ん
だ、伝導性の高い、スラッジ含有の尿素を含む混合物
が、本発明の方法に従ってバッチ式またはカラム式でマ
クロポーラスアクリレートエステルコポリマーに吸着さ
せる典型的な原料(「不純な混合物」)に相当する。
上記のような物質を吸着させる場合は、スラッジ含有の
尿素を含む混合物のpHを約7〜約10の範囲、好ましくは
約8〜約9に調節し、得られる溶液をマクロポーラスア
クリレートエステルコポリマー樹脂に接触させる。
吸着工程の終了後、約7〜約8.5、好ましくは約8のpH
の水性緩衝液で樹脂を洗浄するのが好ましい。広範な緩
衝剤のいずれを使用してもよく、例えばトリス、エチレ
ンジアミン等が包含される。好ましい緩衝剤はエチレン
ジアミンである。樹脂への吸着または洗浄(この工程が
含まれていれば)が終了した後、プロインシュリン様物
質は、実質上完全にスラッジを含まないカラムから溶出
され、実質上純度および濃度が高められる。実質上完全
な回収とは、出発不純混合物中に存在しているプロイン
シュリン様物質の約30%〜約100%の回収を意味する。
吸着されたプロインシュリン様物質の実際の溶離のため
に必要な条件は、前記のpH範囲および溶離剤の組成であ
る。pHは約8〜約11、好ましくは約9.5〜約10.5の範囲
になければならない。水性溶離剤は容量基準で約10%〜
約30%のアセトン、アセトニトリルまたはこの2種の組
み合わせ物を含有していなければならない。溶離剤中の
アセトンまたはアセトニトリルの範囲は約15〜約25%と
なることが好ましい。
本発明の全工程は、例えば約4℃〜約45℃のような広範
な温度で行なうことができる。しかしながら本方法は、
周囲温度で行なわれるのが好ましいし、都合がよい。
本発明の方法によって溶出液として得られる水性−有機
溶液は、不純物質であるスラッジ、尿素、塩を含んでお
らず、マクロポーラスアクリレートエステルコポリマー
樹脂にかけられた最初の混合物より実質上純度が高いプ
ロインシュリン様物質を含有している。得られたプロイ
ンシュリン様物質は、常法によって溶出液から回収して
もよいし、溶液自体を、この物質をさらに処理するのに
使用してもよい。
以下の実施例は、本発明を更に詳しく説明するものであ
るが、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1 ヒトプロインシュリンS−スルホネートの精
製 20〜50メッシュサイズのXAD−7樹脂[ザ・ローム・ア
ンド・ハース・カンパニー(the Rohm and Haas Compan
y)から入手]を、10ml/gmのアセトンで、室温にて6時
間湿潤させた。次いで、アセトン、0.1N NaOH、水、0.1
NHCl、水および100mMエチレンジアミン/7M尿素(pH8.
0)を使用して樹脂を徹底的に、かつこの順序で洗浄し
た。最後の尿素洗液に入っている樹脂を、15psiの一定
圧で2.2×100cmクロマトグラフィー用カラムに充填し
た。充填した時、カラム内の種々のサイズの樹脂粒子
は、均等に混じり合っていた。組換えDNAによって発現
されたキメラタンパクを含有している細胞リゼイトを調
製した。このキメラタンパクは、ヒトプロインシュリン
のアミノ酸配列に対応しているアミノ酸配列にメチオニ
ン残基を介して結合しているアミノ酸のリーダー配列を
含むものであった。先ず臭化シアンでリゼイトを処理し
て各メチオニン残基におけるキメラタンパクの切断を行
ない、それによってヒトプロインシュリン配列を有して
いる分子を遊離させ、次いでスルフィトリシス条件下で
処理してリゼイトの反応混合物中に存在する各システイ
ニル残基をスルフィトライズした。
上記によって生じた固形物の複合混合物75mgを含んでい
る溶液を7M尿素(pH8.5)に溶解した。この溶液を前記
のクロマトグラフィー用カラムに室温、約30cm/時の流
速で流した。カラム容量1当たり、プロインシュリン
S−スルホネート1〜2mgに相当する量の物質をカラム
に吸着させた。
次いで、カラム容量の10mMエチレンジアミン(pH8.5)
でカラムを洗浄し、その後20%のアセトンを含んでいる
20mMエチレンジアミン(pH9.5)でプロインシュリンS
−スルホネートを溶出した。プロインシュリンS−スル
ホネートは、90%以上の収率で回収され、完全に脱スラ
ッジされており、CNBr切断による有機不純物を含まず、
尿素を包含するスルフィトリシス試薬を含まず、約10倍
高い純度であつた。
実施例2 発酵固形物からのヒトプロインシュリンS−
スルホネートの精製における重要なパラメーター 実施例1の記載に従って調製された発酵固形物を使用し
て、一連のバッチ式精製を行なった。バッチ式精製のた
めの方法には、実施例1に記載の方法と同様、有機溶
媒、水性の酸および水性の塩基によってXAD−7樹脂を
洗浄すること、およびそれを10mMエチレンジアミン(pH
8.5)中で湿ったスラリーとして貯蔵しておくことが含
まれる。試料の添加に先立ち、余分な溶媒を除去して、
湿った粒子として秤量する。穏やかに振盪しながら、予
め秤量された量の樹脂に、既知の濃度および純度のプロ
インシュリンS−スルホネートを含有している発酵固形
物からなる吸着溶液を加えた。
吸着溶液のpH、温度、伝導率および溶媒組成を系統的に
変化させた。タンパク吸着の動力学は、吸着させる溶液
の1部を遠心した後、分析用逆相クロマトグラフィーに
かけることでモニターした。目的とする仕込みが終了し
た後、樹脂から余分な仕込み溶媒を除去した。吸着させ
た樹脂1g当たり、10mM水性エチレンジアミン(pH8.5)1
0mlで洗浄して、吸着されているタンパクの脱着を開始
した。余分な洗浄溶媒を除去した後、樹脂を脱着溶液に
懸濁して振盪した。脱着溶液の溶媒組成および樹脂重量
に対するその割合を、所望の生成物の脱着収率および純
度を最大にするように系統的に異ならせた。吸着時と同
様に分析用逆相クロマトグラフィーによってタンパクの
脱着力学を調べた。
以下の表1〜5は、バッチ法を使用する場合の、具体的
な樹脂の特性、吸着条件および溶出条件を包含する本発
明の方法の種々の重要なパラメーターを示している。
表1は、類似のポリスチレン樹脂に比較した場合、吸着
割合および効率においてXAD−7、アクリレートコポリ
マーが優れていることを示している。
a:上澄液の逆相クロマトグラフィー分析によって求めた
プロインシュリンS−スルホネートの吸着 b:ジビニルベンゼン−ポリスチレンコポリマー c:ジビニルベンゼン−アクリレートエステルコポリマー 上の表からわかるように、XAD−7では実質上全てのプ
ロインシュリンS−スルホネートは、1.5時間またはそ
れ以下の時間で吸着されていたが、ポリスチレン樹脂の
内最もよいものが同様のレベルに達するのに3倍の時間
を要した。
表2は、本発明に係るカラム吸着に有用なpHおよび温度
条件を表わしたものである。
吸着は明らかに約7以下のpHで起こるが、このような条
件ではカラムから生成物を溶出することを、不可能では
ないにしても、非常に困難にする予期しない現象が起こ
る。
表3は、適切に吸着されたカラムから生成物を溶出する
ためのpHの選択および制御の限界を表わしたものであ
る。
a 脱着条件:CNBr処理された組換えDNAの発酵リゼイト
をスルフィトリシスして得たスルフィトリシス反応溶液
を使用して最大量のプロインシュリンS−スルホネート
を吸着している樹脂1gに4℃で30%のアセトンを含有し
ている種々のpHの水性緩衝液5mlを加えた。
b 10mMリン酸アンモニウム水性−アセトン緩衝液 c 10mMエチレンジアミン水性−アセトン緩衝液 表4は、生成物の脱着に使用される有機溶媒の適切な選
択の重要性を表わしたものである。
a 脱着条件:CNBr処理された組換えDNAの発酵リゼイト
をスルフィトリシスして得たスルフィトリシス反応溶液
を使用して最大量のプロインシュリンS−スルホネート
を吸着している樹脂1gに、4℃で30%の有機溶媒を含有
している水性溶媒に10mMエチレンジアミンを加えた溶液
(pH9.0)の6mlを加えた。
表5は、有機溶媒の濃度範囲の臨界的重要性を表わした
ものである。
a 脱着条件:緩衝液のpHが10.5が高められたことを除
いては表4に示したものと同じである。上記の脱着パー
セントの数字は、非カラム(バッチ)法によって得られ
たほぼ最大の値である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロインシュリン様物質を含有している不
    純な混合物から不純物を分離するための方法であって、 (1)該混合物を約7〜約10のpHで逆相マクロポーラス
    アクリレートエステルコポリマー樹脂製担体に吸着さ
    せ、 (2)アセトン、アセトニトリルおよびアセトンとアセ
    トニトリルの組み合わせからなる群より選択された有機
    希釈剤を約10容量%〜約30容量%含有しているpH約8〜
    約11の水性溶出剤を使用して、該プロインシュリン様物
    質を担体から溶出することからなる方法。
  2. 【請求項2】プロインシュリン様物質が、ヒトプロイン
    シュリンのアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有し
    ている第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】プロインシュリン様物質がプロインシュリ
    ンの前駆体である第1項または第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】プロインシュリン様物質がプロインシュリ
    ンS−スルホネートである第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】マクロポーラスアクリレートエステルコポ
    リマー製担体がXAD−7またはXAD−8である第1項〜第
    4項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】プロインシュリン様物質を含有している不
    純な混合物をバッチ条件下で処理する第5項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】プロインシュリン様物質を含有している不
    純な混合物をクロマトグラフィー用カラム条件下で処理
    する第5項に記載の方法。
  8. 【請求項8】プロインシュリン様物質を含有している不
    純な混合物を、約8〜約9のpHでマクロポーラスアクリ
    レートエステルコポリマー製担体に吸着させる第6項ま
    たは第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】不純な混合物を担体に吸着させた後であっ
    て溶出を行なう前に、約7〜約8.5のpHの水性緩衝液で
    担体を洗浄する第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】約9.5〜約10.5のpHの水性溶出剤を使用
    してプロインシュリン様物質を担体から溶出する第9項
    に記載の方法。
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