JPH079615Y2 - インサート成形金型 - Google Patents

インサート成形金型

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JPH079615Y2
JPH079615Y2 JP1989050238U JP5023889U JPH079615Y2 JP H079615 Y2 JPH079615 Y2 JP H079615Y2 JP 1989050238 U JP1989050238 U JP 1989050238U JP 5023889 U JP5023889 U JP 5023889U JP H079615 Y2 JPH079615 Y2 JP H079615Y2
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cavity
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寛 久保田
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株式会社コパル
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、合成樹脂製の本体に焼結部品を一体成形す
るためのインサート成形金型に関する。
[従来の技術] 従来より、例えば、第6図に示すように、キヤビテイa
内にインサート部品bを挿入しておき、このインサート
体bが予め挿入されたキヤビテイa内にゲートcを介し
て溶融樹脂を注入することにより、第7図に示すよう
に、樹脂部分dにインサート体bが一体的に接合された
状態で成形するインサート成形技術は広く知られてい
る。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、このようなインサート成形技術におい
て、インサート体bとして、硬質フエライトや、希土類
のマグネツト等の焼結部品を採用する場合には、キヤビ
テイa内に注入・充填された溶融樹脂dの圧力が、焼結
部品bの許容応力より大きくなり、キヤビテイa内に予
め挿入された焼結部品bに破れやスラツク等が発生する
問題点が指摘されている。
したがつて、本考案は上述した問題点に鑑みてなされた
もので、この考案の目的は、インサート体として樹脂圧
力の作用により破れやクラツク等が発生する虞のある焼
結部品を採用した場合でも、樹脂製の本体と焼結部品と
が破れやクラツク等の欠陥が発生しないように一体成形
できるインサート成形金型を提供することである。
また、上記の目的に加えて、焼結部品に対して略均一な
樹脂圧力が作用し、かつ樹脂成形後の不要部分の除去が
容易にできるインサート成形金型を提供することにその
目的がある。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本考案
は、合成樹脂製の本体と焼結部品とを一体成形するイン
サート成形金型であつて、合成樹脂製の本体を規定する
メインキヤビテイと、焼結部品を予め挿入し保持するた
めにメインキヤビテイ内に設けられる部品挿入部と、こ
の部品挿入部に保持された状態の焼結部品の周囲部位か
ら少なくとも連接して形成されるとともに、樹脂成形後
にインサート成形金型から取り出された後に不要部分と
して取り除かれるべき溶融樹脂が注入される予備キヤビ
テイとを具備することを特徴としている。
また、メインキヤビテイと予備キヤビテイには、夫々に
ゲートが独立した状態で設けられることを特徴としてい
る。
また、予備キヤビテイの一部には、予備キヤビテイに連
通する突条が設けられていることを特徴としている。
[作用] 以上のように構成されるこの考案に係わるインサート成
形金型においては、溶融樹脂の注入時において、インサ
ート体として予め挿入されている焼結部材の内外に夫々
配設されたメインキヤビテイと予備キヤビテイとに、溶
融樹脂が個別に注入されることになる。この結果、焼結
部材に内外から作用する溶融樹脂の圧力は、略均衡する
こととなり、実質的に焼結部材に作用する溶融樹脂の圧
力は大幅に軽減されることになる。従つて、この考案の
インサート成形金型によれば、溶融樹脂の注入に伴ない
焼結部材に破れやクラツク等の欠陥が発生することが有
効に防止されることになる。
[実施例] 以下に、この考案に係わるインサート成形金型の一実施
例の構成を添付図面の第1図乃至第4図を参照して、詳
細に説明する。
この一実施例のインサート成形金型10は、第1図に示す
ように、固定金型12と可動金型14とを備え、固定金型12
は図示しない基台に対して固定した状態で取り付けら
れ、また、可動金型14は、図示しない駆動機構に接続さ
れ、この駆動機構の起動に伴ない固定金型12に対して接
離するよう移動されるよう設定されている。
このインサート成形金型10は、第2図に示すように、例
えば、インナロータ型の電動モータのインナロータWを
成形するためのものであり、このインナロータWは、合
成樹脂製の円柱状の本体W1と、この本体W1の両端に同軸
に連接され、本体W1と同一の合成樹脂から一体に形成さ
れた一方及び他方の軸部W2,W3と、この本体W1の外周に
一体的に嵌合された状態で取り付けられた、焼結部品と
しての希土類製のマグネツトリングW4と、後述するよう
に、後工程で削除される不要部分W5とから構成されてい
る。
ここで、このインサート成形金型10は、第2図に示すイ
ンナロータWを、マグネツトリングW4をインサート体と
して予めキヤビテイ内に挿入した状態で、キヤビテイ内
に注入された溶融樹脂が冷却・固化することにより形成
される本体W1と一体成形するよう構成されている。尚、
この本体W1の両端には、本体W1に対して同軸に設定され
た状態で軸部W1,W3が突出するように一体成形されてい
る。
このインサート金型10においては、第1図に示すよう
に、インサート体としてのマグネツトリングW4の一方の
端面を通る面Lを型分離面として規定され、この型分離
面Lよりも外方に突出する一方の軸部W2を規定するため
に、固定金型12には、第1の補助キヤビテイ16が形成さ
れている。尚、この第1の補助キヤビテイ16の端面に開
口した状態で、この第1の補助キヤビテイ16並びに、後
述するがこの第1の補助キヤビテイ16に順次連通するメ
インキヤビテイ18と第2の補助キヤビテイ20とに溶融樹
脂を注入するためのメインゲート22が形成されている。
一方、可動金型14には、固定金型12と接合された状態
で、上述した第1の補助キヤビテイ16と整合されると共
に、可動金型14の型分離面Lに開口した状態で凹所24が
形成されており、この凹所24の中央部分(後述するメイ
ンキヤビテイ18)に同軸に連通した状態で、他方の軸部
W3を規定するための第2の補助キヤビテイ20が形成され
ている。
ここで、この第2の補助キヤビテイ2の底面を構成する
図中側面は、その一部をエジエクタピン26の先端面から
構成されている。そして、このエジエクタピン26は、図
示しない駆動機構により軸方向(図中、左右方向)に沿
つて移動可能になされており、成形動作後において、固
定金型12から可動金型14が型分離面Lから分離された状
態で、このエジエクタピン26が図中右方に移動されるこ
とにより、インサート成形された製品Wは、可動金型14
から押し出され離型されることになる。
一方、上述した凹所24は、内心部に位置する円柱状部分
により、インナロータWの本体W1を構成するメインキヤ
ビテイ18と、このメインキヤビテイ18の半径方向外方に
隣接した状態で位置し、上述したリングマグネツトW4
挿入される空間を規定する円筒状の挿入スペース28と、
この挿入スペース28の半径方向外方に隣接した状態で位
置するように形成された略円筒状の予備キヤビテイ30と
から構成されている。
ここで、上述した固定金型12には、可動金型14と接合し
た状態で、この予備キヤビテイ30に連通するように、予
備ゲート32が形成されている。そして、この予備ゲート
32からは、成形動作時において、メインキヤビテイ18並
びに第1及び第2の補助キヤビテイ16,20内に溶融樹脂
が注入されると同様に、予備キヤビテイ30にも、溶融樹
脂が注入されるようになされている。
尚、上述した予備キヤビテイ30は、略円筒状に形成され
るものであるが、第3図から明かなように、予備キヤビ
テイ30の内周面となる凹所24の内周面には、これの底面
から軸方向に沿つて所定距離だけ型分離面Lに向けて延
出する状態で、複数の、この一実施例においては3本の
突条34a〜34cが所定の厚さを有して形成されている。こ
こで、各突条34a〜34cは予備キヤビテイ30内に溶融樹脂
が注入・固化された状態で、第2図に示すスリツトSを
規定するものであり、各突条34a〜34cの厚さは、各々の
先端面(半径方向内端面)が、挿入スペース30の外周面
と一致するように、換言すれば、第4図に示すように、
挿入されるマグネツトリングW4の外周面に当接するよう
に、各々設定されている。
また、各突条34a〜34cの底面からの延出距離は、各々の
上端面が、型分離面Lから僅かに下方に下がつた状態と
なるよう設定されている。ここで、成形動作後におい
て、この予備キヤビテイ30内に注入され固化した樹脂部
分は、不要部分W5として取り除かれなければならない
が、この取り除き動作は、不要部分W5がリングマグネツ
トW4に対して高い圧力で密着しているので、これを抜き
取ることは不可能である。
しかしながら、この一実施例においては、この不要部分
W5に上述した3本の突条34a〜34cに基づき4本のスリツ
トSが形成されており、見方を変えると、これらスリツ
トにより3分割される不要部分の各片は、その型分離面
L側の僅かな部分Rで互いに接合されていることにな
る。これら僅かな接合部分Rは、その強度が極めて低い
ものであり、手作業で簡単に、これら接合部分は破壊さ
れることになる。即ち、この不要部分W5は簡単にマグネ
ツトリングW4から取り除かれることになる。
以上のように構成されるインサート成形金型10における
成形動作について説明する。
先ず、可動金型14を固定金型12から離間した状態で、即
ち、型分離面Lを開放した状態において、凹所24内にイ
ンサート体としてのマグネツトリングW4を挿入する。こ
の挿入動作に際して、3本の突条34a〜34cの先端面は、
マグネツトリングW4のガイド面として機能し、これら突
条34a〜34cの先端面に沿つて凹所24内にマグネツトリン
グW4は確実に挿入されることになる。
また、これら突条34a〜34cは、マグネツトリングW4が凹
所24内に挿入された状態で、第4図に示すように、これ
を凹所24内で正確に位置決めするための位置決め部材と
しても機能することになる。このように凹所24内に挿入
され正確に位置決めされたマグネツトリングW4は、凹所
24内を、これの半径方向内方部分をメインキヤビテイ18
に、またこれの半径方向外方部分を予備キヤビテイ30
に、分割することになる。
このようにインサート体としてのマグネツトリングW4
挿入した状態で、可動金型14は固定金型12に対して密着
される型締め動作が行なわれ、この型締めされた状態
で、メインゲート22を介して、成形品としてのインナロ
ータWの樹脂部分を構成する本体W1及び両軸部W2,W3
規定するメインキヤビテイ18並びに第1及び第2の補助
キヤビテイ16,20内に、溶融樹脂が注入される。そし
て、このメインゲート22を介しての溶融樹脂の注入に同
期して同様な条件で、予備ゲート32を介して予備キヤビ
テイ30内に溶融樹脂が注入される。
ここで、これら2種類のゲート22,32を介しての注入動
作において、溶融樹脂の各キヤビテイ16,18,20,30内の
圧力は、800〜1200kg/cm2の高圧に設定されており、一
方、インサート体としてのマグネツトリングW4の引つ張
り強度は450〜500kg/cm2であり、また、曲げ強度は約13
00kg/cm2であるものの、上述した溶融樹脂の圧力は、マ
グネツトリングW4に対して、半径方向内方及び外方の双
方から作用することとなる。このようにして、3本の突
条34a〜34cの存在による面積差が有るものの、実質的に
マグネツトリングW4に対して、引つ張り応力または曲げ
応力として作用する溶融樹脂の圧力は、強度的に見て無
視できるものとなる。
この後、溶融樹脂が冷却・固化され、可動金型14が固定
金型12から型分離面Lを介して分離され、エジエクタピ
ン26が起動することにより、マグネツトリングW4が一体
的に取り付けられた成形品は、可動金型14から離型され
る。
そして、最外周部に位置する不要部分W5は、これの接合
部分Rを破壊することにより、マグネツトリングW4の外
周から取り除かれ、このように不要部分W5が成形品から
取り除かれた状態で、最終成形品としてのインナロータ
Wが完成することとなる。
以上詳述したように、この一実施例のインサート成形金
型10を用いてインナロータWをインサート成形すること
により、インサート体としてのマグネツトリングW4は、
焼結部材から形成されているものの、高圧の溶融樹脂に
より破れやクラツクが形成されることなく、良好な状態
で成形動作が実行されることになる。このようにして、
この一実施例のインサート成形金型10により成形された
インナロータWは、歩留りの良い、製造効率の向上した
ものとなる。
この考案は、上述した一実施例の構成に限定されること
なく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能
であることは言うまでもない。
例えば、上述した一実施例においては、最終成形品とし
て樹脂部分の外周にマグネツトリングが配設されたイン
ナロータを成形するように説明したが、この考案は、こ
のような最終成形品を成形する構成に限定されることな
く、内周にマグネツトリングが配設されたアウタロータ
を成形する場合にも適用することが出来るものである。
この場合には、メインキヤビテイは挿入スペースの外周
に設けられ、予備キヤビテイは、挿入スペースの内周に
配設されることとなる。
また、上述した一実施例において、成形品における不要
部分W5を取り除く動作を簡略化するために、この不要部
分にスリツトSを形成するための突条34a〜34cを凹所24
の内周面に形成するように説明したが、この考案はこの
ような突条を備える構成に限定されることなく、第5図
に変形例として示すように、突条を備えない構成、即
ち、不要部分W5にスリツトSが形成されていないように
するものであつても良い。この場合、不要部分W5は手に
より破断することが出来ないので、ナイフ等の加工工具
を用いて破断した状態で取り除くこととなる。
このような第5図に示す変形例においては、図示するよ
うに、インサート体としてのマグネツトリングW2の位置
決めをするために、予備キヤビテイ30の底面は、挿入ス
ペース28の底面よりも僅かに上方に持ち上げられてい
る。このようにして、マグネツトリングW2は、挿入スペ
ース28の底部における内周面により、凹所24内における
位置を正確に規定されることになる。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案によれば、インサート体と
して樹脂圧力の作用により破れやクラツク等が発生する
虞のある焼結部品を採用した場合でも、予備キャビティ
を設けることにより焼結部品にかかる溶融樹脂の圧力バ
ランスが均等となり樹脂製の本体と焼結部品とが破れや
クラツク等の欠陥が発生しないように一体成形できるイ
ンサート成形金型を提供することができる。
また、上記効果に加えて、焼結部品に対して略均一な樹
脂圧力を作用でき、かつ樹脂成形後の不要部分の除去が
容易にできるインサート成形金型を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案に係わるインサート成形金型の一実施
例の構成を示す正面断面図; 第2図は第1図に示すインサート成形金型により成形さ
れる成形品の形状を示す斜視図; 第3図は可動金型に形成される凹所の形状を示す斜視
図; 第4図は第3図に示す凹所内にインサート体としてのマ
グネツトリングを挿入された状態を示す側面図; 第5図はインサート成形金型の変形例に係わる可動金型
の構成を示す正面断面図; 第6図は従来のインサート成形金型の構成を概略的に示
す正面断面図;そして、 第7図は第6図に示す従来のインサート成形金型により
成形される成形品の形状を示す部分断面図である。 図中、L……型分離面、R……接合部分、S……スリツ
ト、W……インナロータ、W1……軸部、W2;W3……軸
部、W4……マグネツトリング(インサート体)、W5……
不要部分、10……インサート成形金型、12……固定金
型、14……可動金型、16……第1の補助キヤビテイ、18
……メインキヤビテイ、20……第2の補助キヤビテイ、
22……メインゲート、24……凹所、26……エジエクタピ
ン、28……挿入スペース、30……挿入スペース、30……
予備キヤビテイ、32……予備ゲート、34a〜34c……突条
である。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の本体と焼結部品とを一体成形
    するインサート成形金型であつて、 前記合成樹脂製の本体を規定するメインキヤビテイと、 前記焼結部品を予め挿入し保持するために前記メインキ
    ヤビテイ内に設けられる部品挿入部と、 この部品挿入部に保持された状態の前記焼結部品の周囲
    部位から少なくとも連接して形成されるとともに、樹脂
    成形後に前記インサート成形金型から取り出された後に
    不要部分として取り除かれるべき溶融樹脂が注入される
    予備キヤビテイと、 を具備することを特徴とするインサート成形金型。
  2. 【請求項2】前記メインキヤビテイと予備キヤビテイに
    は、夫々にゲートが独立した状態で設けられることを特
    徴とする請求項第1項に記載のインサート成形金型。
  3. 【請求項3】前記予備キヤビテイの一部には、前記予備
    キヤビテイに連通する突条が設けられていることを特徴
    とする請求項第1項に記載のインサート成形金型。
JP1989050238U 1989-05-01 1989-05-01 インサート成形金型 Expired - Fee Related JPH079615Y2 (ja)

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