JPH079564U - ペイル巻ワイヤ引出し構造 - Google Patents

ペイル巻ワイヤ引出し構造

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JPH079564U
JPH079564U JP4876593U JP4876593U JPH079564U JP H079564 U JPH079564 U JP H079564U JP 4876593 U JP4876593 U JP 4876593U JP 4876593 U JP4876593 U JP 4876593U JP H079564 U JPH079564 U JP H079564U
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隆治 渭東
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住金溶接工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 引出しワイヤの引出し抵抗を低くしながら
も、ワイヤの跳ね上がり、絡みを防止して容器から円滑
に引出すことができるペイル巻ワイヤ引出し構造を提供
する。 【構成】 ペイル容器1内に環状ワイヤ押え部材4と重
錘5とを配置し、この環状ワイヤ押え部材4を引出しワ
イヤ3の積層面6上に載置すると共に、この内径8を引
出しワイヤ3のコイル内径7よりも小さく形成し、上記
重錘5に誘導孔9を穿設し、この誘導孔9から上記引出
しワイヤ3を導出する。そして引出しワイヤ3を一旦積
層面6よりも下方へ導出した後、上方へと引出すように
する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、ペイル容器内に巻回、積層されている溶接ワイヤ、バネ線、ピア ノ線のようなワイヤの引出し構造に関し、さらに詳しくは、ワイヤの引出し抵抗 を少なくすると共に、円滑に引出すことのできるペイル巻ワイヤの引出し構造に 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペイル巻ワイヤは、ペイル巻容器内にワイヤを巻回、積層して成るものである が、例えばペイル巻溶接用ワイヤにおいては、溶接作業に際して溶接用ワイヤを 連続的に引出す際に、容器内の上部空間に余分なコイル状のワイヤが跳ね上がっ て、互いに絡み合ったり、あるいは跳ね上がったワイヤと引出されるワイヤとが 絡み合うことにより、引出し装置の入口部分でねじれてキンク状態となり、ワイ ヤの引出しが行えなくなることがある。このため図6に示すように、ワイヤコイ ルの積層面55全体を環状のワイヤ押え部材51で引出しワイヤ54を押え、跳 ね上がるのを防止している(特公昭59−8474号公報)。
【0003】 このワイヤ押え部材51の内径52は、引出しワイヤコイル54の内径56よ りも小さく形成されており、引出しワイヤ54を該引出し穴の内周縁53に沿わ せながら引出すようにしたことを特徴としている。そしてこのワイヤ押え部材5 1は、ペイル容器外筒との間にわずかな間隙を設けてワイヤの減少によって順次 下降する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし上記ワイヤ引出し構造では、確かに容器内の上部空間に余分なコイル状 のワイヤ54が跳ね上がるのを防止できるが、ワイヤコイルの内径56よりもワ イヤ押え部材51の内径52が小さいため、引出しワイヤ54にワイヤ押え部材 51の内周下端部53を支点として曲げ力が作用する。この曲げ力によって、引 出しワイヤ54の引出し抵抗を増加させてしまい、この結果、ワイヤの円滑な引 出しができなくなる場合がある。
【0005】 そこで図5に示すように、ワイヤ押え部材51の内径52をワイヤコイルの内 径56よりも大きくし、引出しワイヤ54がワイヤ押え部材51の内周下端部5 3に接触することのないようにして、引出しワイヤ54の引出し抵抗を減少させ ることが考えられるが、この場合には、ワイヤ押え部材51の内径よりも内側の ワイヤ54が全体的に上部空間に跳ね上がってしまい、結局は上記のような引出 しワイヤ同士の絡み合いを招来することがある。
【0006】 この考案は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的 は、引出しワイヤの引出し抵抗を低くしながらも、巻回、積層されたワイヤの跳 ね上がりを防止して、ワイヤを絡ませることなく、ペイル容器から円滑に引出す ことができるペイル巻ワイヤ引出し構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1のペイル巻ワイヤ引出し構造は、ペイル容器1内に巻回、積層 されている引出しワイヤ3を、ペイル容器1から引出すペイル巻ワイヤ引出し構 造において、ペイル容器1内に環状ワイヤ押え部材4と重錘5とを配置し、この 環状ワイヤ押え部材4を引出しワイヤ3の積層面6上に載置すると共に、その内 径8を引出しワイヤ3のコイル内径7よりも小さく形成し、上記ワイヤ3の引出 し経路において、上記重錘5に穿設した誘導孔9に上記引出しワイヤ3を挿通し 、これにより上記引出しワイヤ3を上記積層面6よりも下方へと導出した後、上 方へと引出すことを特徴としている。
【0008】 また請求項2のペイル巻ワイヤ引出し構造は、上記重錘5が碍石、プラスチッ ク、金属等の滑りが良好で引出しワイヤ3を傷つけない材質のものであることを 特徴としている。
【0009】
【作用】
上記請求項1のペイル巻ワイヤ引出し構造では、引出しワイヤ3が引出される とき、積層されている引出しワイヤ3の内側において、重錘5が引出しワイヤ3 を、ワイヤコイルの積層面6よりも下方の位置へと円軌道を描きながら案内する 。この結果、環状ワイヤ押え部材4の内周縁下端部10への引出しワイヤ3の接 触力が軽減され、ワイヤ引出し抵抗を軽減し、かつ引出しワイヤ3の円滑な引出 しが行える。また引出しワイヤ3は、重錘5によりペイル容器の底の方向へ一旦 引出されるため、ワイヤコイルの積層面6の内周縁を支点としたテコの作用によ り、引出しワイヤ3には環状ワイヤ押え部材4を押し上げようとする力が働き、 他のコイル層を崩さず、絡み合いが生じない。さらにワイヤコイルの積層面6が 、環状ワイヤ押え部材4の加圧面内に位置しているので、引出されるワイヤのみ がほぼ一定の抵抗で引出されるので、引出しによる絡み合いも発生しない。
【0010】 請求項2のペイル巻ワイヤ引出し構造では、摩擦抵抗が少なくなり、一段と滑 らかに引出すことができる。
【0011】
【実施例】
次にこの考案のペイル巻ワイヤ引出し構造の具体的な実施例について、図面を 参照しつつ詳細に説明する。図1から図4は、この考案の一実施例を示すもので ある。
【0012】 1はペイル容器であって、2はその外筒である。この外筒2の内側には引出し ワイヤ3がコイル状に巻回、積層され、さらに環状ワイヤ押え部材4と重錘5が 配置されている。そしてこの巻回、積層されたワイヤコイルの積層面6上に、上 記環状ワイヤ押え部材4が載置されている。この環状ワイヤ押え部材4は、上記 のコイル状に巻回、積層されているワイヤコイルの内径7よりも小さい内径8を 有しており、また環状ワイヤ押え部材4の外径は、外筒2の内径よりわずかに小 さい程度のものである。そして環状ワイヤ押え部材4と外筒2との間隙は、環状 ワイヤ押え部材4が外筒2内を、その軸方向に抵抗なく移動し得るものの、その 間隙から引出しワイヤ3が跳ね上がることのできない程度にしてある。この環状 ワイヤ押え部材4の材質は、例えば木、ハードボード、紙、プラスチックが適し ているが、これらに限定されるものではない。
【0013】 また重錘5には、誘導孔9が穿設されており、この誘導孔9内に引出し途中の ワイヤ3が挿通されている。重錘5の重さは、引出しワイヤ3が上方に急激に引 出されても、誘導孔9と引出しワイヤ3との摩擦抵抗によって引出しワイヤ3と 共に上方に引出されることがない程度の重量であって、かつ引出しワイヤ3が一 旦ワイヤコイルの積層面6より下方に引出されてから上方へ引出される程度の重 さ、例えば60g以上としてある。なお誘導孔9の穿設位置は偏芯している。そ して誘導孔9から引出しワイヤ3が導出されている。誘導孔9の大きさは、引出 しワイヤ3が通るのに何ら支障がない程度の充分な大きさであって、孔内部と入 口出口の両端部は滑らかに加工されている。重錘5の材質は、例えば碍子のよう なガラス質等のものが好ましいが、これに限定される訳ではなく、またその個数 は2個以上でもかまわない。
【0014】 次にこの実施例の作動状態を説明する。引出しワイヤ3が上方に引出されると 、重錘5の誘導孔9から引出しワイヤ3が導出されているので、重錘5は、その 自重により引出しワイヤ3と共に上方に移動することはなく、図3に示すように 、巻回、積層されているワイヤコイルの積層面6よりも下方の位置に位置したり 、あるいは環状ワイヤ押え部材4の内周縁部10に接触している。そして引出し ワイヤ3が上方に引出されると、重錘5は図4に示す矢印11の方向、つまり引 出しワイヤ3が巻回されている方向とは逆の方向に移動する。このとき引出しワ イヤ3は、重錘5の自重により一旦ワイヤコイルの積層面6より下方へ引出され るため、引出しワイヤ3はワイヤコイルの積層面6の内周縁部を支点として、テ コの作用により、環状ワイヤ押え部材4を押し上げる方向に力が作用するため、 他の引出しワイヤ3を崩さず、絡み合いが生じない。またワイヤコイルの積層面 6が、環状ワイヤ押え部材4の加圧面内に位置しているので、引出されるワイヤ のみがほぼ一定の抵抗で引出されるので、引出しによる絡み合いも発生しない。 さらに引出しワイヤ3が環状ワイヤ押え部材4の内周縁部10に接触する力も軽 減されるため、引出しワイヤ3の引出し抵抗を軽減し、かつ引出しワイヤ3の円 滑な引出しが行える。
【0015】
【考案の効果】
以上のように請求項1のペイル巻ワイヤ引出し構造においては、引出しワイヤ の引出し抵抗を少なくすることができるのに加えて、ワイヤの跳ね上がり、及び もつれを防止でき、そのため引出しワイヤを円滑に引出すことができる。
【0016】 また請求項2のようにすれば、引出しワイヤの表面を傷つけることなく、一段 と滑らかに引出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の構造を説明する縦断面図
である。
【図2】上記実施例の構造を説明する平面図である。
【図3】上記実施例の引出されるワイヤの状態を示す要
部の断面図である。
【図4】上記実施例の使用状態を示す一部平面図であ
る。
【図5】重錘がない場合の使用状態を示す一部平面図で
ある。
【図6】従来例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1 ペイル容器 3 引出しワイヤ 4 環状ワイヤ押え部材 5 重錘 6 ワイヤコイルの積層面 7 ワイヤコイルの内径 8 環状ワイヤ押え部材の内径 9 誘導孔

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペイル容器(1)内に巻回、積層されて
    いる引出しワイヤ(3)を、ペイル容器(1)から引出
    すペイル巻ワイヤ引出し構造において、ペイル容器
    (1)内に環状ワイヤ押え部材(4)と重錘(5)とを
    配置し、この環状ワイヤ押え部材(4)を引出しワイヤ
    (3)の積層面(6)上に載置すると共に、その内径
    (8)を引出しワイヤ(3)のコイル内径(7)よりも
    小さく形成し、上記ワイヤ(3)の引出し経路におい
    て、上記重錘(5)に穿設した誘導孔(9)に上記引出
    しワイヤ(3)を挿通し、これにより上記引出しワイヤ
    (3)を上記積層面(6)よりも下方へと導出した後、
    上方へと引出すことを特徴とするペイル巻ワイヤ引出し
    構造。
  2. 【請求項2】 上記重錘(5)が碍石、プラスチック、
    金属等の滑りが良好で引出しワイヤ(3)を傷つけない
    材質のものであることを特徴とする請求項1のペイル巻
    ワイヤ引出し構造。
JP4876593U 1993-07-14 1993-07-14 ペイル巻ワイヤ引出し構造 Expired - Fee Related JPH084216Y2 (ja)

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JPH079564U true JPH079564U (ja) 1995-02-10
JPH084216Y2 JPH084216Y2 (ja) 1996-02-07

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006007308A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Nippon Steel & Sumikin Welding Co Ltd 溶接用ワイヤの装填物
KR100853529B1 (ko) * 2007-07-06 2008-08-21 고려용접봉 주식회사 용접 와이어용 페일팩

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JP2006007308A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Nippon Steel & Sumikin Welding Co Ltd 溶接用ワイヤの装填物
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Publication number Publication date
JPH084216Y2 (ja) 1996-02-07

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