JPH0795306A - エレベータの遠隔監視システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般電話回線が混雑している時に中央との接
続が確実にできるシステムを構築する。 【構成】この発明のエレベータの遠隔監視システムは、
特に広域にわたる事故などによって一般電話回線が混雑
し、一般回線を通して監視センターの遠隔監視装置に対
してエレベータ動作状態情報の送信ができなくなったよ
うな場合でも、共通の交換局に一般電話回線で接続され
ている複数のエレベータ端末装置から中継端末装置にひ
とまず各々のエレベータ動作状態情報を送信して蓄積す
る。そして、中継端末装置から遠隔監視装置に対して、
専用電話回線を通してこれらの各エレベータ端末装置の
エレベータ動作状態情報を送信するようにして、システ
ムの信頼性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベータの遠隔監
視システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に、中央に設置された遠隔監視
装置と、複数の遠隔地に設置されたエレベータ端末装置
それぞれとの間を一般電話回線によって接続し、エレベ
ータ端末装置各々が収集するエレベータの動作状態情報
を電話回線を通して遠隔監視装置に送信し、遠隔監視を
行なうエレベータの遠隔監視システムは、図３に示すよ
うな構成であった。すなわち、複数の遠隔地の各ビルの
エレベータ装置ごとに設置され、オートダイヤル機能、
担当エレベータの動作状態情報の記憶機能、リダイヤル
機能、動作状態情報の伝送機能などを備えたエレベータ
端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ…と、遠隔監視センターに設
置され、各エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…か
らのエレベータの動作状態情報を受信する受信機能、受
信した動作状態情報を記憶する機能、異常発生時の報知
機能などを備えた遠隔監視装置２との間を電話回線３１
ａ，３１ｂ，３１ｃ，…；３２，３３で接続した構成で
ある。そして、これらの電話回線３１ａ，３１ｂ，３１
ｃ，…と電話回線３２との間、また電話回線３２と電話
回線３３との間には必ず、交換局４１，４２が介在して
いる。

【０００３】そして、エレベータの遠隔監視を行なう場
合、各エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…が担当
するエレベータの正常運転時の動作情報を定期的に、ま
た緊急停止指令の発生、停電、かご内閉じ込めの発生、
その他の異常状態の情報をその発生があれば直ちにオー
トダイヤルによって遠隔監視装置２を呼び出して自動的
に伝送し、遠隔監視装置２では各エレベータ端末装置１
ａ，１ｂ，１ｃ，…から定期的に送られてくる動作状態
情報を蓄積し、また異常情報についてはその受信によっ
て監視員に異常発生を知らせる警報を発すると共に受信
した異常状態情報を印字出力し、表示装置に表示し、さ
らにデータとして蓄積する動作を行なう。

【０００４】そして、異常発生時には、監視員が異常発
生警報を聞いて表示装置の表示、あるいは印字装置の印
字から異常発生したエレベータに関して、そのエレベー
タの設置場所や異常状態を判断し、保守の必要があれば
緊急に現地に出向く態勢をとっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエレベータの遠隔監視システムでは、一般電話回
線の性質上、次のような問題点があった。すなわち、図
３に示すように、いくつかのエレベータ端末装置１ａ，
１ｂ，１ｃ，…が一般電話回線３１ａ，３１ｂ，３１
ｃ，…によって共通の交換局４１に接続されているとし
た場合、各エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…と
交換局４１との間は確実に回線が確保されているが、交
換局４１と遠隔監視装置２が接続されている交換局４２
との間の電話回線３２は、必ずしも電話回線３１ａ，３
１ｂ，３１ｃ，…と同じ本数の回線数が確保されている
わけではない。そのために、例えば、列車事故や遅延、
台風、その他の社会的な大事件、大事故が発生したよう
な場合、この交換局４１，４２に接続されている他の電
話回線が多くの第三者によって一斉に使用されるように
なると、いわゆる回線パンク状態が発生し、エレベータ
端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…などからオートダイヤル
によって遠隔監視装置２を呼び出してエレベータ状態情
報を伝送しようとしても、なかなか接続されない事態が
発生し、その間に重大故障や重大事故が発生しても遠隔
監視装置２に伝送できなくなってしまい、その対策が遅
れてしまうことがありうるという問題点があった。

【０００６】そこで、このような事態を避けるためにエ
レベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…と遠隔監視装置
２との間をすべて専用電話回線で結ぶことも考えられ
る。専用電話回線契約を電話局との間で結べは、社会的
な緊急事態が発生し、一般電話回線がパンクするような
事態であっても、専用電話回線は優先的に確保され、エ
レベータの動作状態情報の伝送がほぼ通常通りに行なえ
ることになる。

【０００７】しかしながら、すべてのエレベータ端末装
置が専用回線契約を電話局と結ぶことは、この専用回線
契約の費用負担が多大になってしまうゆえに実用的では
ない。

【０００８】この発明は、このような従来の問題点に鑑
みてなされたもので、専用電話回線をすべてのエレベー
タ端末装置に接続せず、設備コストを従来とほとんど変
わらないようにして、しかも社会的な緊急事態が発生し
て一般電話回線がパンクするような事態においてエレベ
ータ通信回線を確実に確保して必要動作状態情報を伝送
することができるようにしたエレベータの遠隔監視シス
テムを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、中央に設置
された遠隔監視装置と、複数の遠隔地に設置されたエレ
ベータ端末装置それぞれとの間を一般電話回線によって
接続し、前記エレベータ端末装置各々が収集するエレベ
ータの動作状態情報を前記電話回線を通して前記遠隔監
視装置に送信し、遠隔監視を行なうエレベータの遠隔監
視システムにおいて、複数のエレベータ端末装置につい
て、電話回線によって接続される共通の交換局単位に、
エレベータ端末装置それぞれから発報する動作状態情報
を受信して転送する中継端末装置を設置し、中継端末装
置と遠隔監視装置との間を専用電話回線によって接続し
たものである。

【００１０】

【作用】この発明のエレベータの遠隔監視システムで
は、回線がビジーになっていて複数のエレベータ端末装
置からセンターの遠隔監視装置にエレベータの動作状態
情報の送信ができなくなった時、共通の交換局に電話回
線で接続されている複数のエレベータ端末装置から中継
端末装置にひとまず各々のエレベータ動作状態情報を送
信して蓄積する。そして、中継端末装置から遠隔監視装
置に対して、専用電話回線を通してこれらの各エレベー
タ端末装置のエレベータ動作状態情報を送信する。

【００１１】こうして、特に広域にわたる事故などによ
って電話回線が混雑し、一般回線を通して監視センター
の遠隔監視装置に対してエレベータ動作状態情報の送信
ができなくなったような場合でも、ひとまず確実に接続
できる共通の交換局に接続されている中継端末装置にエ
レベータ動作状態情報を送信し、中継端末装置から一般
回線混雑時にも確実にセンターの遠隔監視装置と接続で
きる専用回線を通して転送するようにして、システムの
信頼性を向上させる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図１はこの発明の一実施例のシステム構成を示し
ており、複数の遠隔地の各ビルのエレベータ装置ごとに
設置され、オートダイヤル機能、担当エレベータの動作
状態情報の記憶機能、リダイヤル機能、動作状態情報の
伝送機能などを備えたエレベータ端末装置１ａ，１ｂ，
１ｃ…と、遠隔監視センターに設置され、各エレベータ
端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…からのエレベータの動作
状態情報を受信する機能、受信した動作状態情報を記憶
する機能、異常発生時の報知機能などを備えた遠隔監視
装置２との間が電話回線網を利用して接続されている。

【００１３】この場合、各エレベータ端末装置１ａ，１
ｂ，１ｃ，…が一般電話回線３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，
…によって共通する交換局４１に接続されている場合、
この交換局４１にはまた、１つの中継端末装置５が専用
電話回線６１によって接続され、この中継端末装置５か
ら遠隔監視装置２に専用電話回線６１，６２，６３、交
換局４１，４２を通して情報送信するようにしている。

【００１４】この中継端末装置５は、図２に示すよう
に、他のエレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…と同
様の機能、すなわち、自機が受け持つ１つのビルのエレ
ベータ装置７の動作状態を監視し、遠隔監視装置２にオ
ートダイヤルするオートダイヤル部５１（これは、リダ
イヤル機能も備えているものとする）、担当エレベータ
の動作状態情報を記憶する自機データ収集部５２、専用
電話回線６１と接続してデータの信号変換処理を行なう
モデム（ＭＯＤＥＭ）５３を備え、その上に、共通の交
換局４１と専用回線６１を通して他のエレベータ端末装
置１ａ，１ｂ，１ｃ，…から送信されてくるエレベータ
動作状態情報を自動的に受信する受信処理部５４と、こ
の受信情報を保持する他機データ収集部５５を備えてい
て、適切なタイミングで専用電話回線６１を通して遠隔
監視装置２に自機の担当するエレベータ動作状態情報と
共に、他のエレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…の
エレベータ動作状態情報を転送するようになっている。

【００１５】このようにして、複数台のエレベータ端末
装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…が共通に接続される交換局４
１単位で１台の中継端末装置５を設置し、この中継端末
装置５と遠隔監視装置２との間だけを専用電話回線６
１，６２，６３で接続し、他のエレベータ端末装置１
ａ，１ｂ，１ｃ，…は一般電話回線３１ａ，３１ｂ，３
１ｃ，…によって交換局４１と接続する構成とするの
は、すべてのエレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…
を専用電話回線で遠隔監視装置２と接続する場合に比べ
て、電話回線使用料金の負担を大幅に小さくするためで
ある。

【００１６】次に、上記構成のエレベータの遠隔監視シ
ステムの動作について説明する。エレベータの遠隔監視
を行なう場合、各エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１
ｃ，…が担当するエレベータ装置各々の正常運転時の動
作状態情報を定期的に、また緊急停止指令の発生、停
電、かご内閉じ込めの発生、その他の異常状態の情報を
その発生があれば直ちにオートダイヤルによって遠隔監
視装置２を呼び出して自動的に伝送し、遠隔監視装置２
では各エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…から定
期的に送られてくる動作状態情報を蓄積し、また異常情
報についてはその受信によって監視員に異常発生を知ら
せる警報を発すると共に受信した異常状態情報を印字出
力し、表示装置に表示し、さらにデータとして蓄積する
動作を行なう。

【００１７】そして、異常発生時には、監視員が異常発
生警報を聞いて表示装置の表示、あるいは印字装置の印
字から異常発生したエレベータに関して、そのエレベー
タの設置場所や異常状態を判断し、保守の必要があれば
緊急に現地に出向く態勢をとる。

【００１８】しかしながら、例えば、列車事故による多
数の列車の大幅な遅延、爆発、洪水など、電話回線が寸
断されるまでには至らないが、一部の地域の電話回線が
混雑するような広域的な事故が発生すれば、その地域に
遠隔監視装置２が存在したとすれば、交換局４２の回線
が混雑するためにエレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１
ｃ，…からオートダイヤルによって遠隔監視装置２を何
度呼び出しても接続されなくなってしまい、遠隔監視機
能が中断されてしまうことになる。

【００１９】そこで、第２候補のオートダイヤル先とし
て中継端末装置５の電話番号を設定しておくことによ
り、上記のように一定回数、例えば、５回のダイヤルに
よっても遠隔監視装置２に接続されないような場合に
は、第２候補としての中継端末装置５にオートダイヤル
して各々のエレベータ動作状態情報を伝送する。この場
合、エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…と中継端
末装置５とが共通の交換局４１に接続されているので、
この装置間での回線接続は確実に成立する。

【００２０】そこで、エレベータ端末装置１ａ，１ｂ，
１ｃ，…は交換局４１を共通にする中継端末装置５に対
して自機が受け持つエレベータ装置の動作状態情報を伝
送し、中継端末装置５は受信した各エレベータ端末装置
１ａ，１ｂ，１ｃ，…からのエレベータ動作状態情報を
他機データ収集部５５に一時保存する。そして、任意の
タイミング、例えば、いずれかのエレベータ端末装置か
らエレベータ動作状態情報を受信する都度に、または一
定期間内に他機データ収集部５５に保存されたデータを
一定周期ごとに、専用電話回線６１，６２，６３を通し
て遠隔監視装置２に転送する。

【００２１】こうして、遠隔監視装置２側の交換局４２
が混み合っていて一般電話回線３１ａ，３１ｂ，３１
ｃ，…などからはなかなか接続されないような場合で
も、中継端末装置５を通じて専用電話回線６１，６２，
６３を介して確実に遠隔監視装置２にエレベータ動作状
態情報を伝送することができるようになり、特に広域的
な事故のためにエレベータ動作状態情報の収集も特に必
要となるような時に、確実にその情報を収集することが
できることになり、システムの信頼性が向上する。

【００２２】なお、上記実施例では説明を簡易にするた
めに１つの交換局４１に接続されているエレベータ端末
装置１ａ，１ｂ，１ｃ，…と中継端末装置５についてし
か示していないが、実システムでは、このように複数の
エレベータ端末装置が接続される交換局が複数局存在
し、それらの交換局が遠隔監視装置２側の交換局４２に
対して接続され、多数のエレベータ端末装置から遠隔監
視装置に対してエレベータ動作状態情報が定期的に、ま
た緊急事態発生時には直ちに伝送される構成となる。そ
して、その場合に、複数のエレベータ端末装置が共通に
接続される交換局ごとに１つの中継端末装置を設置する
ことになる。

【００２３】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、回線が
ビジーになっていて複数のエレベータ端末装置からセン
ターの遠隔監視装置にエレベータの動作状態情報の送信
ができなくなった時、共通の交換局に電話回線で接続さ
れている複数のエレベータ端末装置から中継端末装置に
ひとまず各々のエレベータ動作状態情報を送信して蓄積
しておき、中継端末装置から遠隔監視装置に対して、専
用電話回線を通してこれらの各エレベータ端末装置のエ
レベータ動作状態情報を送信するようにしているので、
特に広域にわたる事故などによって電話回線が混雑し、
一般回線を通して監視センターの遠隔監視装置に対して
エレベータ動作状態情報の送信ができなくなったような
場合でも、ひとまず確実に接続できる共通の交換局に接
続されている中継端末装置にエレベータ動作状態情報を
送信し、中継端末装置から一般回線混雑時にも確実にセ
ンターの遠隔監視装置と接続できる専用回線を通して転
送することができ、回線が混雑している時にも確実に遠
隔監視装置との接続ができ、システムの信頼性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のシステム構成を示すブロ
ック図。

【図２】上記実施例における中継端末装置の構成を示す
ブロック図。

【図３】従来例のシステム構成を示すブロック図。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ，１ｃ，… エレベータ端末装置 ２ 遠隔監視装置 ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ，… 一般電話回線 ４１，４２ 交換局 ５ 中継端末装置 ６１，６２，６３ 専用電話回線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央に設置された遠隔監視装置と、複数
   の遠隔地に設置されたエレベータ端末装置それぞれとの
   間を一般電話回線によって接続し、前記エレベータ端末
   装置各々が収集するエレベータの動作状態情報を前記電
   話回線を通して前記遠隔監視装置に送信し、遠隔監視を
   行なうエレベータの遠隔監視システムにおいて、 前記複数のエレベータ端末装置について、電話回線によ
   って接続される共通の交換局単位に、前記エレベータ端
   末装置それぞれから発報する動作状態情報を受信して転
   送する中継端末装置を設置し、前記中継端末装置と遠隔
   監視装置との間を専用電話回線によって接続して成るエ
   レベータの遠隔監視システム。