JPH079488Y2 - ヘッド切替装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はヘッド切替装置に関する。

（ロ）従来の技術 特公昭63−22715号（H04N5/93）においては、VHS方式の
いわゆるダブルアジマス４ヘッドVTRにおいて、使用し
ないヘッドについて、ヘッドと再生アンプ間をオフ（高
インピーダンス状態）とすることにより、再生時のクロ
ストークの影響を減少せしめる構成が示されている。

この様に、マルチヘッドVTRにおいて、再生時不要なヘ
ッドのチャンネルをオフとする制御については公知であ
るが、具体的な構成について第２図、第３図に従い説明
する。

第２図はダブルアジマス４ヘッドの構成のVTRのヘッド
付近を示す回路ブロック図である。回路は主として集積
回路（IC、LA7321）（１）を中心に構成されている。

（２）（３）はSP（標準）モード用の磁気ヘッド、
（４）（５）はEP（長時間）モード用の磁気ヘッドであ
る。IC（１）内には各ヘッド（２）（３）（４）（５）
に対応する再生アンプ（６）（７）（８）（９）、各ヘ
ッド（２）（３）（４）（５）の出力を連続化するため
の構成（10）、記録のためのアンプ部（11）及び、再生
アンプ、ヘッドの状態を制御するためのスイッチ（12）
（13）（14）（15）（16）（17）（18）（19）（20）
（21）等を有する。

記録（REC）時には、スイッチ（14）（15）（16）（1
7）がオンとなり、又どちらのヘッド対を使用するかに
応じてスイッチ（12）（13）のうち一方がオンとなる。

再生時には、スイッチ（12）（13）はオンで、スイッチ
（18）（19）（20）（21）のうちでは使用されるヘッド
に対応するスイッチだけがオフ状態にされる。

再生時アンプとスイッチの具体的な構成は第３図の様に
なっている。（23）は再生アンプ（６）の入力端子、
（C1）は結合コンデンサ、（22）はロータリートラン
ス、(Q₂)(Q₄)はスイッチに対応するトランジスタであ
る。

トランジスタ(Q₄)はスイッチ（12）（又はスイッチ（1
3））に対応するものであり、再生時には常時オン状態
である。トランジスタ(Q₂)はスイッチ（18）（19）（2
0）（21）のうちの一つに対応するものである。そし
て、ヘッド（２）が使用されるときのみオフで、その他
の場合はオン状態にある。

この様な構成において、通常再生と特殊再生を交互に繰
り返した場合を考える。今、第３図のヘッド（２）が特
殊再生時には使用され、通常再生時には用いられないと
する。

特殊再生時においてはトランジスタ(Q₂)がオフであるか
らトランジスタ(Q₁)のベース（つまり端子（23））は所
定の電位となっている。そこで、コンデンサ（C1）を充
電する電流がヘッド（２）の巻線に流れてしまう。

特殊再生から通常再生に変更するとトランジスタ(Q₂)が
オンするので、コンデンサ（C1）に充電された電荷が放
電されるため、この放電電流がヘッドの巻線に流れる。

再び再生状態にすると前述の場合と同様、充電電流が流
れる。

この様に、通常再生、特殊再生を交互に繰り返した場
合、第３図の構成では、コンデンサの充放電電流がヘッ
ド（２）に供給され、従って記録動作が行われることに
なる。

（ハ）考案が解決しようとする課題 すなわち従来の構成によれば、再生中にあるにもかかわ
らず、ノイズが記録されてしまうことになる。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案では結合コンデンサを介して磁気ヘッドと接続さ
れる再生アンプの入力端子をこの磁気ヘッド不使用時
に、再生アンプの入力端子と略同じ直流電位の電位源と
接続するスイッチ手段が設けられている。

（ホ）作用 そこで、磁気ヘッドの出力を使用しない場合でも、再生
アンプの入力端子の直流電位と同じレベルに接続される
ので、入力端子の直流電位の変動が生じず、結合コンデ
ンサが充放電されないので、不要な記録が行なわれるこ
とがない。

（ヘ）実施例 以下、図面に従い本考案の実施例について説明する。

第１図は第３図に対応する部分を示す回路図である。第
３図と共通のものについては同じ符号を付してある。

第３図と異なる点は、スイッチングトランジスタ(Q₂)の
コレクタが基準電圧（アース電位）と接続されているの
ではなく、ダイオード接続されたIC（１）内のトランジ
スタ(Q₃)のコレクターベースに接続されている。

このトランジスタ(Q₃)は同一IC内に形成されているの
で、特性が他のトランジスタと略同一となる。そこで、
抵抗（R1）により、再生アンプ（６）の入力トランジス
タ(Q₁)のコレクタ電流と略同じ電流が流れる様に設定す
ることにより、入力トランジスタ(Q₁)のベースの直流レ
ベル（約0.7V）とトランジスタ(Q₃)のコレクタ電位と略
同じレベルに設定する。従い、抵抗（R1）の代りに定電
流源でもよい。

そこで、スイッチングトランジスタ(Q₂)のオン、オフに
かかわらず、再生アンプ（６）の入力端子（23）の直流
電位は変動しないことになる。よって結合コンデンサ
（C1）の充放電動作は生じなくなる。

（ト）考案の効果 以上述べた様に、本考案によれば、再生アンプ入力端子
の直流レベル変動によって、磁気ヘッドとの結合コンデ
ンサが充放電されることがなく、不要な記録動作を防止
でき、ノイズが記録されることを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例を示す回路図、第２図、第３図
は従来例を示す回路図である。 （２）…ヘッド、（６）…再生アンプ、（C1）…結合コ
ンデンサ、(Q₃)…直流電圧発生源、(Q₂)…スイッチ手
段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】再生アンプの入力端子と磁気ヘッドを結合
   する結合コンデンサと、前記入力端子の直流レベルと略
   同一の直流電圧の発生源と、前記磁気ヘッドを再生に使
   用しないで他の磁気ヘッドを使用するときに、前記入力
   端子と前記直流電圧発生源を接続するスイッチ手段とよ
   りなるヘッド切替装置。