JPH0794678A - キャパシタおよびその形成方法 - Google Patents

キャパシタおよびその形成方法

Info

Publication number
JPH0794678A
JPH0794678A JP5206187A JP20618793A JPH0794678A JP H0794678 A JPH0794678 A JP H0794678A JP 5206187 A JP5206187 A JP 5206187A JP 20618793 A JP20618793 A JP 20618793A JP H0794678 A JPH0794678 A JP H0794678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
lower electrode
capacitor
active oxygen
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5206187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3207978B2 (ja
Inventor
Yasuo Tarui
康夫 垂井
Satoshi Tanimoto
谷本  智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP20618793A priority Critical patent/JP3207978B2/ja
Publication of JPH0794678A publication Critical patent/JPH0794678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3207978B2 publication Critical patent/JP3207978B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】リーク電流が極めて少ないキャパシタ薄膜を下
部電極材料にかかわらず実現することの出来るキャパシ
タおよびその形成方法を提供する。 【構成】下部電極上に化学気相成長(CVD)法によっ
て誘電体膜を形成し、その後、上部電極を形成するキャ
パシタ膜形成方法において、上記誘電体膜もしくは上記
下部電極にシリコン原子をイオン注入する工程と、そ
の後、活性酸素雰囲気中でアニールを施す工程と、を
付加したことを特徴とするキャパシタ膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、メモリや薄膜コンデ
ンサ等に用いられるキャパシタの構造およびその形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代の超高集積DRAM(随時書き込
み読み出しメモリ)デバイスのキャパシタ絶縁膜とし
て、現在用いられているSiO2やSi34よりも誘電
率が高い誘電体膜を導入しようという動きが産業界で活
発化している。例えば、比誘電率ε=20〜28を持つ
5酸化タンタル(Ta25)膜は、古くからディスクリ
ート容量(例えば陽極化成酸化タンタル薄膜コンデン
サ)としての実績があり、その物性、電導機構、信頼性
特性などが広範に調べられていることから、現行のSi
系絶縁膜に最初にとって代わる有力候補とされ、盛んに
開発が進められている。この膜の形成法としては、過去
に陽極酸化法や熱酸化法あるいは反応性スパッタ蒸着法
などさまざまな方式が検討されてきたが、スタック型
(積層型)やトレンチ型(溝型)など複雑なキャパシタ
構造に適合させる必要から、DRAM用途としては被覆
性に優るCVD(化学気相成長)法が適していると考え
られている。しかし誘電体膜には、誘電率が高くなると
リーク電流もそれにつれて増大する傾向があり、CVD
五酸化タンタル膜の場合も例に洩れず、この点が実用化
の難関であった。この問題を克服する方法を探索してい
た本願発明者らは、第34回応用物理学関係連合講演会
1987年(予稿集527頁)において、光CVD法
でシリコン基板上に成膜したTa25膜(as-grown)を
強力な紫外光(UV)を照射させた酸素雰囲気中で熱処
理(以下、活性酸素アニールと称する)すると、リーク
電流が従来(as-grown)の1/104〜1/105に低下
する実験事実を公開すると共に、このようなリーク電流
の急落現象には、アニールの際、UV照射で生じたオゾ
ンO3やオゾンの光分解で発生するO(1D)などの活性
酸素と、アニール最中にシリコン基板から膜表面に向か
って拡散するSi原子とが重要な役割を演じていること
を指摘した。この時、成膜に用いた原料は五塩化タンタ
ルTaCl5とO2であった。その後、活性酸素アニール
によるリーク電流の急落現象は、Ta(OC25)5+O2
原料系やTa(N(CH3)2)5+O2原料系を用いた他のC
VD酸化タンタル膜でも起こることが他の研究機関で相
ついで報告された(例えば H.Shinriki他, Digest o
f technical papers,1989, Symposium on VLSI Technol
ogy Kyoto,p.25, 1989. C.Isobe and M.Saitoh, App
lied Physics Letters, 56, p.907,1990. T.Tabuc
hi 他, Japan Jounal of Applied Physics, 30, p.L197
4,1991. 等に記載)。こうして発明者らが提案したリー
ク電流低減技術の適用性の広さが示された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
が提案した前記の方法においては、リーク電流の減少を
誘起するためには、下部電極(あるいは基板)がSiを
含む材料である必要があった。DRAM、その他将来の
半導体素子技術への適用を考えるとき、このような下部
電極材料に関する制約は、このリーク低減技術の魅力を
減じる要因となっていた。そこでこの点に鑑み、本発明
者らは、下部電極がSi系材料に限定されない新規な低
リーク電流CVD膜形成方法について二つの発明を行な
い、既に出願している(特願昭62−206973
号)。上記の先行出願に記載した第1の方法は、形成す
べき酸化物薄膜の原料蒸気と共にSi2Cl6やSi(O
CH3)4等のシリコン原料蒸気を0.01〜20原子%混
合して反応器内に供給してCVD堆積する方法である。
また、このような成膜法と前記の活性酸素アニールを組
み合わせてもよい。上記の方法では、電界強度1MV/
cmで約10~8A/cm2程度の低リーク電流を比較的
安定に実現できることが確認されている。ところで本発
明者らは、最近、詳細な研究(第52回応用物理学会学
術講演会予稿集、p.122、1992年)を行ない、
リーク電流の原因となる欠陥を修復するのに必要なSi
の膜内の最適濃度は0.1原子%未満にあり、最適濃度
付近では10~11A/cm2(電界1MV/cmで)以下
にリークを抑制できることを示すと共に、過剰なSi濃
度を与えるとリーク電流が逆に増大(最適濃度のリーク
電流に比較して)することもあることを明らかにした。
そして、直径8インチのウェーハなどのような大型基板
の全域にわたって極低リーク電流膜を実現しようとすれ
ば、前記第1の方法ではSi/Ta原料蒸気混合比を1
0~3以下の最適値に精密に合わせ、かつ基板面のいたる
ところで濃度および濃度比がばらつかないように両原料
蒸気を供給しなければならない。しかしながら、3桁に
も及ぶ混合比を面内で均一に与えるCVDは今日でもま
だ報告されておらず、実用化への道のりはまだまだ遠い
のが実状である。一方、下部電極がSi系材料に限定さ
れる問題を解決する第2の方法は、形成すべきTa25
等の酸化物薄膜の間に、少なくとも1層の、厚みにして
全膜厚の1/100〜1/10のシリコン酸化物層を形
成する方法、もしくはこのようにして形成した積層膜を
さらに前述の活性酸素アニールする方法である。この方
法を適用すると、電界強度1MV/cmで約10~8A/
cm2程度にリーク電流を低減することが出来る。この
方法の難点は厚みの制限である。将来のDRAMのキャ
パシタでは、厚みにして15nm以下の酸化物薄膜を実
現する必要がある。ところがこのような酸化物薄膜に適
合しようとすると、シリコン酸化物層の厚みは僅か1.
5nm〜0.15nmとなり、このような薄い膜を現行
のCVD技術で面内に均一にかつ安定して形成すること
は、容易なことではない。なお、シリコン酸化膜の1分
子層は約0.4nmなので0.15nmの膜はそもそも存
在し得ないという原理的な問題もある。
【0004】さらに加えて、第1および第2の方法に共
通する問題として、活性酸素アニールによるリーク電流
低減の効果が減退してしまうという問題が挙げられる。
これは次のような理由によるものである。最近、発明者
らが得た知見(第38回応用物理学関係連合講演会、
p.596、1991年)によると、活性酸素アニール
によるリーク電流の減少は、Ta25と下地Si電極
(基板)との界面付近に取り込まれたエレメンタルなS
i(酸素と結合していないSi)がTa25膜表面に向
かって拡散していく過程で生じる。すなわち、Ta25
膜の内部に存在する欠陥が外因性のエレメンタルなSi
と活性酸素とによって修復され、それによってリーク電
流が減少するのである。ところが前記の先行出願である
特願昭62−206973号におけるSi原子は、Ta
25膜の一部として取り込まれた酸化物(SiO2)と
してSi原子であるから、化学結合を通して周辺の原子
に強く束縛されているので、活性酸素雰囲気に晒された
としても表面に向かって拡散することは非常に困難であ
る。また、過剰にアニールするなどして拡散を無理に起
こさせたとしても、確かにTa25膜内部の欠陥は修復
されるかもしれないが、Siが抜けた空孔が別種の欠陥
として膜内に取り残されることになる。そしてこのSi
空孔(すなわち欠陥)が新たなリーク電流発生源となる
のである。結局、前記先行出願では、アニールでTa2
5膜の既存の欠陥を修復する一方で新しい欠陥を発生
させることになるので、欠陥を根本的に低減することに
はならない。結果として活性酸素アニールしてもリーク
電流低減の効果は顕著には見られない。
【0005】本発明は、上記のごとき従来技術の問題を
解決するためになされたものであり、リーク電流が極め
て少ないキャパシタを下部電極材料にかかわらず実現す
ることの出来るキャパシタの構造およびその形成方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の形成方法においては、C
VDで形成した誘電体薄膜または下部電極に、Si原子
を適量イオン注入したのち、誘電体薄膜または誘電体薄
膜と下部電極を活性酸素雰囲気でアニールするように構
成したものである。また、請求項2に記載のキャパシタ
においては、下部電極近傍の誘電体膜内部に、活性酸素
酸化シリコン分散層を設けるように構成している。この
活性酸素酸化シリコン層とは、例えば後記図7の実施例
における活性酸素酸化シリコン層5に相当し、例えば下
記請求項3に記載のように、極めて薄いエレメンタル・
シリコン層を活性酸素雰囲気中で熱処理することによっ
て形成したものである。また、請求項3および請求項4
は、上記請求項2に記載のキャパシタを形成する方法で
あり、請求項3においては、下部電極上に誘電体膜を形
成し、その後、上部電極を形成するキャパシタの形成方
法において、上記上部電極を形成する以前に、上記下部
電極と上記誘電体膜との界面もしくは該界面近傍の誘電
体膜中に、一過性の薄いエレメンタル・シリコン層を形
成する工程と、上記上部電極を形成するまでに、上記エ
レメンタル・シリコン層を含有する誘電体膜を活性酸素
雰囲気中で熱処理し、上記エレメンタル・シリコン層を
活性酸素酸化シリコン分散層に転化させる工程と、を付
加するように構成したものである。また、請求項4にお
いては、請求項3に記載の形成方法において上記誘電体
膜と上記エレメンタル・シリコン層とを同一反応器で連
続的に化学気相成長させるように構成したものである。
なお、上記のエレメンタル・シリコン層は物理的成膜手
段あるいは化学的成膜手段のいずれによって形成しても
よい。上記の物理的成膜手段とは、例えばスパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシ法等であ
り、化学的成膜手段とは、例えば各種のCVD法等であ
る。また、上記のエレメンタル・シリコン層とは、酸素
と結合していないSiの層を意味する。なお、請求項1
の形成方法は、例えば後記図1〜図3の実施例に相当
し、請求項2に記載のキャパシタは、例えば後記図7の
実施例に相当し、また、請求項3に記載の形成方法は、
例えば後記図8〜図10の実施例に相当し、請求項4に
記載の形成方法は、例えば後記図9の実施例に相当す
る。
【0007】
【作用】前記従来技術の問題でも述べたように、活性酸
素アニールによるリーク電流の減少は、Ta25と下地
Si電極(基板)との界面付近に取り込まれたエレメン
タルなSiがTa25膜表面に向かって拡散していく過
程で、Ta25膜の内部に存在する欠陥を活性酸素と共
同で修復することによって生じるものと推察される。と
ころが前記先行出願・特願昭62−206973号に記
載の方法においては、Ta25膜に取り込まれたSi原
子は酸化物として存在する内因性Siであった。これが
活性酸素アニールで表面に拡散した後、Siが抜けたと
ころが別種の点欠陥として膜内に取り残されることにな
る。このSi空孔は新たなリーク電流発生源となるので
ある。したがって、上記先行出願に記載の方法では、ア
ニールでTa25膜の既存の欠陥を修復する一方で新し
い点欠陥を発生させることになり、結果として活性酸素
アニールの効果が減退するのである。これに対して、本
発明においては、誘電体膜もしくは下部電極にシリコン
原子をイオン注入するか、または下部電極近傍の誘電体
膜中あるいは下部電極/誘電体膜界面にアモルファスS
iやポリSiのようなエレメンタル・シリコンを介在さ
せる。このような極く薄いSi膜の上に誘電体膜を積層
すると、アモルファスSi膜の一部が薄い酸化物に転じ
る一方で、残りがエレメンタルなSi原子として近くの
Ta25膜中に取り込まれることが最近実施した分析結
果から判明している。このようにエレメンタル状態で取
り込まれたSiは、活性酸素アニールされると、誘電体
表面に向かって容易に外方拡散することが出来るから、
結果としてリーク電流を大幅に減少させることが出来
る。また、エレメンタルSiとして取り込まれているこ
とから、拡散後にもと存在していた地点に点欠陥(空
孔)を残すこともない。このようにして本発明では活性
酸素アニールによるリーク電流低減の効果が減退するこ
となく、極めて顕著に現われることになるのである。
【0008】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明するが、その前に本発明の説明に共通して用いられ
るキャパシタの構造と光CVDならびに活性酸素アニー
ルについて簡単に説明する。図5は、DRAMなどのL
SIの容量素子として用いられるキャパシタの概念的な
要部断面図である。図5において、1はSiあるいはS
iO2などで構成される基板、2は基板1の上にスパッ
タリング蒸着あるいはCVD法などで成膜した後、フォ
トリソグラフィなどで所定の形状に加工した薄膜の下部
電極である。電極の材料はSiである必要はなく、最大
400℃程度の熱に耐えられるものなら何でも構わな
い。例えばMoやW、Ptなどの金属、あるいはITO
(酸化インジウム・酸化錫混合物)やRuO2などの非
金属導電膜などである。下部電極2の上部にはCVD法
で堆積した酸化物の誘電体膜3が載置される。なお、以
下の実施例では、誘電体膜3の材料として光CVDで堆
積したTa25膜を例に挙げて説明することにするが、
特にこれに限定されるものではなく、遷移金属酸化膜
(例えばHfO2、TiO2、Nb25、PbTiO3
ど)であれば、いずれも同等の望ましい効果が得られ
る。また、CVD法としては、減圧CVD、常圧CV
D、光CVD、プラズマCVDなどが等しく適用可能で
ある。また、CVD法以外に、真空蒸着法、スパッタリ
ング蒸着法、ゾルゲル法、分子線蒸着法などで成膜した
誘電体膜にも等しく適用可能である。また、上部電極4
は、誘電体膜3の上にスパッタリング蒸着あるいは電子
ビーム蒸着法などで成膜した後、フォトリソグラフィな
どで所定のパターンに形状化されたものである。典型的
な材料はAlやW、ポリSiであるが、実際には材料の
種類を問わない。
【0009】次に、酸素O2と塩化タンタルTaCl5
原料にして堆積するTa25膜の光CVDについて簡単
にのべる。なお、詳細は米国電気化学協会論文誌(Jour
nalof the Electrochemical Society) 第139巻 第
320頁に記載されている。図6は、励起光源として低
圧水銀灯10を備えた光CVD装置の要部断面図であ
る。図6において、11は反応器、12は反応器の排ガ
スを排気して反応器内の圧力を減圧するための真空ポン
プ、13はTa25膜を堆積するべき基板、14は基板
13を支持して所定の温度に保持するためのサセプタ、
15は低圧水銀灯10から射出された紫外励起線を反応
器の減圧状態を損なうことなく基板13の表面に照射す
るための合成石英窓である。堆積に際しては、原料ライ
ン16からのTaCl5蒸気と原料ライン17からのO2
ガスと共にパージライン18からのN2ガスが反応器内
に供給される。TaCl5蒸気は純度99.9999%の
TaCl5粉末20が充填された昇華装置19で蒸気化
され、N2キャリアガスによって反応器まで輸送される
ようなっている。上記の装置における典型的な光CVD
の条件は次のようなものである。 Ta25成膜条件 成膜圧力 7torr 成膜温度 300℃ 励起強度 2.5mW/cm2(185nm) 63 mW/cm2(254nm) TaCl5昇華温度 56℃ ガス流量 O2 50cc/
min TaCl5キャリア(N2) 10cc/min N2パージ 100cc/min 続いて活性酸素アニールの一方法を説明する。ここでは
図6の光CVD装置を活性酸素アニール装置に流用する
方法を説明する。もちろんアニール専用装置を造ってこ
れに供してもよいことは言うまでもない。図6におい
て、Ta25膜を堆積させた基板13をサセプタ14の
上に保持し、直ちに反応器11内の大気を真空排気す
る。内部の圧力が10~5torr台に到達したところで
排気を停止し、原料ライン17からO2ガスを速やかに
導入する。反応器の内圧が大気圧になったところで、常
圧排出弁21を開口し、以後導入される余剰なO2ガス
を継続的に反応器外に排出する。こうすることによって
反応器11を大気圧純酸素雰囲気に維持することができ
る。大気圧純酸素雰囲気が達成されたところで低圧水銀
灯10から基板13に向けて紫外励起線を射出し、活性
酸素アニールを開始する。典型的なアニール条件を下記
に示す。なお、純酸素の替わりにO3を数%含有した酸
素を用いると熱処理所要時間を短縮することが出来る。 活性酸素アニール条件 容器圧力 大気圧 処理温度 400℃ 励起強度 2.5mW/cm2(185nm) 20.3mW/cm2(254nm) O2流量 50cc/min 以上、実施例に共通する工程の説明を終えたところで、
本発明の具体的な実施例を説明する。
【0010】図1は、本発明の第1の実施例を示す工程
図である。図1において、まず、工程では、フィール
ド酸化膜として厚み600nmの熱酸化SiO2を成長
させたSi基板に、下部電極材料Moを前記のようにス
パッタリング法で約200nmの厚みに成膜し、フォト
リソグラフィで所定の形状に加工する。次に、工程で
は、Mo下部電極が形成されたSi基板を高純度の有機
系溶剤や希フッ酸系溶液を用いて充分洗浄する。次に、
工程では、洗浄が済んで乾燥させたMo下部電極を含
む基板全面に前記の光CVD法で厚み約40nmのTa
25膜を堆積させる。次に、工程では、形成したTa
25膜に周知のイオン注入装置を用いてSi原子をドー
ズ量にして約1015〔個/cm2〕だけ打ち込む。この
時、ドーズ濃度の最大値を与える位置(深さ)が、少な
くとも膜厚の中心点と、Ta25膜と下部電極との界面
との間に来るようにイオン加速電圧を調節する。次に、
工程では、イオン注入を終えたTa25に対して、約
50分の活性酸素アニールを施す。アニールの手順と条
件は前記のとおりである。次に、工程では、アニール
後にTa25膜表面に付着した汚染物を除去するため
に、希フッ酸浸漬処理とRCA洗浄(塩酸+過酸化水素
水混合液洗浄と水酸化アンモニウム液+過酸化水素水混
合液洗浄の組合せ)などの洗浄を行なう。なお、RCA
洗浄剤に耐えられない基板が使用されている場合には、
RCA洗浄に替えて、有機系洗浄を用いることもでき
る。次に、工程では、Ta25膜の上に任意の電極材
料、例えばMoをスパッタリング蒸着法などのような手
段で成膜し、フォトリソグラフィを用いることによって
上部電極を形成し、キャパシタ構造が完成する。
【0011】次に作用を説明する。図4は本発明の第1
〜第3の実施例で作製されたキャパシタと従来例のキャ
パシタとにおけるリーク電流特性を示す特性図である。
図4において、(iii)は上記本発明の第1の実施例に
基づいて作製したキャパシタのリーク電流特性である。
また、(i)はMo下部電極の上に光CVDでTa25
膜を堆積し、付加的な処理を施さずにMo上部電極を形
成して作製したキャパシタ(すなわち第1の実施例の工
程〜を除いたものであり、以下これをas-grown膜キ
ャパシタと称する)のリーク電流特性、(ii)は本発明
者らの先行出願・特願昭62−206973号に基づい
て作製したキャパシタ(以下これを先願例キャパシタと
称する)のリーク電流特性である。また、図4の縦軸は
対数で目盛ったリーク電流値log(J)、横軸はキャ
パシタのTa25膜に印加される電界強度を平方根√E
で整理したものである。図4の特性において、電界強度
1MV/cm2付近で比較すると、第1の実施例(iii)
のキャパシタのリーク電流値は、as-grown膜キャパシタ
(i)の6〜7桁低い値を示していることが判る。この
ように本実施例においては、活性酸素アニールによるリ
ーク電流軽減の効果を非常に効率的に発現させることが
できる。さらに本実施例の値は先願例キャパシタ(ii)
のリーク電流値よりも2〜3桁も低い値であり、特性
(ii)と(iii)の比較から本実施例の技術的優位性は
明白である。
【0012】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2は、本発明の第2の実施例を示す工程図であ
る。図2の'〜'の工程は、前記図1の実施例におけ
る〜の工程と同じ記載であるが、具体的な内容が異
なっている部分がある。図2において、工程'〜工程
'の部分は、前記図1の工程〜工程と同様であ
る。次に、工程'では、周知のイオン注入装置を用い
て、Ta25膜を通してMo下部電極の表層にSi原子
を打ち込む。ドーズ量は約1015〔個/cm2〕程度で
ある。この際、非常に重要な点は、ドーズ濃度の最大値
を与える位置(深さ)がTa25膜と下部電極との界面
から10nm以内、好ましくは5nm以内に収まるよう
イオン加速電圧を調節することである。すなわち、前記
第1の実施例においてはTa25膜にSi原子を打ち込
んでいるが、本実施例においてはMo下部電極の表層に
Si原子を打ち込む点が異なっている。次に、工程'
では、上記のイオン注入を終えたTa25膜とMo下部
電極に対して活性酸素アニールを施す。このアニールの
手順と条件は前記図1の工程とほぼ同様であるが、最
適なアニール時間は下部電極の種類、Siドーズ量、打
ち込みの深さによって変わる。例えば、Mo下部電極の
深さ5nmに1015〔個/cm2〕のSiが注入されて
いる場合には約90分でアニールが終了する。その後の
工程'および工程'は、図1の工程および工程と
同様である。前記図4の特性図において、(iv)は上記
第2の実施例によって作製したキャパシタのリーク電流
特性である。図示のごとく、本実施例においても先願例
キャパシタ(ii)に比べて約2桁程度リーク電流が軽減
されていることが判る。この第2の実施例に示すよう
に、Ta25膜にではなく、その下に位置する下部電極
表層にSi原子を注入しても、第1の実施例と同等のリ
ーク電流の軽減効果が得られる。
【0013】次に、図3は、本発明の第3の実施例を示
す工程図である。この実施例はMo下部電極にSi原子
をイオン注入する点は第2の実施例と類似しているが、
Ta25膜を堆積する前にイオン注入を行なう点が異な
っている。図3において、工程"の下部電極形成は、
前記第1および第2の実施例の工程と同様である。次
に、工程"では、直ちにMo下部電極表層にSi原子
を打ち込む。ドーズ量は前記第2の実施例に比べて多め
の約1016〔個/cm2〕である。重要な点は第2の実
施例と同様に、ドーズ濃度の最大値を与える位置(深
さ)がTa25膜と下部電極との界面から10nm以
内、好ましくは5nm以内に収まるようにイオン加速電
圧を調節することである。次に、工程"では、イオン
注入後のMo下部電極を含むSi基板を充分洗浄する。
この洗浄は、まず高純度の有機系溶剤で超音波洗浄した
後、5%程度の濃度を持つ希釈フッ酸に約10秒間浸漬
したのち超純水でリンスし、乾燥させる。このように希
釈フッ酸に浸漬させるのは、イオン注入後Mo下部電極
表面に形成されたSi自然酸化膜を除去するためであ
る。次に、工程"では、基板全面に光CVD法で厚み
約40nmのTa25膜を堆積させる。堆積条件並びに
装置の操作手順は前記図1の工程と同様である。次
に、工程"では、形成したTa25膜とMo下部電極
に対して、活性酸素アニールを施す。アニールの手順と
条件は前記図1の工程と同様であるが、第3の実施例
の場合も最適なアニール時間は下部電極の種類、Siド
ーズ量、打ち込みの深さによって変わる。例えばMo下
部電極の深さ5nmに1015〔個/cm2〕のSiが注
入されている場合には、約90分でアニールが終了す
る。その後の工程"および工程"は、図1の工程お
よび工程と同様である。前記図4の特性図において、
(v)は、上記第3の実施例によって作製したキャパシ
タのリーク電流特性である。本実施例の活性酸素アニー
ルによるリーク電流軽減効果は、前記第2の実施例とほ
ぼ同等であり、先願例キャパシタ(ii)に比してリーク
電流を2桁以上低減することが出来る。上記のごとく、
キャパシタの誘電体膜をTa25膜、下部電極をMoと
した場合には、図4に示したごとく、第1〜第3の実施
例はほぼ同等のリーク電流軽減効果を与えた。しかし、
一般に他の誘電体膜や他の下部電極の場合には、第1〜
第3の実施例の効果に優劣が生じるのが普通である。そ
の場合には、最も効果の高い実施例を採用すべきである
ことは言うまでもない。実施例を選択する場合には、次
の点に留意すると良い。すなわち、誘電体膜へのイオン
注入あるいは誘電体膜を介した下部電極へのイオン注入
が誘電体膜に後の活性酸素アニールで回復しきれない損
傷を与えるような場合には、第3の実施例が最も適して
いる。また、下部電極材料が活性酸素アニールのときの
基板温度程度でも容易に注入されたSiと共晶を作っ
て、Siの外方拡散を困難にしてしまうような場合に
は、第1の実施例が最も好ましい結果を与える。
【0014】次に、図7は、本発明によるキャパシタの
一実施例の断面図である。図7において、基板1、下部
電極2、酸化物誘電体膜3および上部電極4の部分は、
前記図5に記載の従来例と同様である。本実施例の特徴
とする部分は、下部電極2近傍の誘電体膜3内部に、活
性酸素酸化シリコン分散層5を設けたことである。この
活性酸素酸化シリコン層5は、例えば後記図8〜図10
の実施例に記載のように、質量膜厚にして約1.2nm
程度の極めて薄いアモルファスSiあるいはポリSi層
を活性酸素雰囲気中で熱処理することによって形成した
ものである。
【0015】次に、図8は、図7のキャパシタを形成す
る方法の第1の実施例を示す工程図である。以下工程を
順に説明する。まず、工程11では、フィールド酸化膜
として厚さ600nmの熱酸化SiO2を成長させたS
i基板に、下部電極材料Moを前述のようにスパッタリ
ング法で厚さ約200nmに成膜し、フォトリソグラフ
ィで所定の形状に加工する。
【0016】次に、工程12では、高純度の有機系溶剤
や希フッ酸系溶液を用いてMoの下部電極が形成された
Si基板を充分洗浄する。次に、工程13では、洗浄が
済み乾燥させたMo下部電極を含む基板全面に前述の光
CVD法で薄い第1のTa25膜を堆積させる。膜厚が
数nm〜数10nmに達したところで堆積を中断し、基
板を光CVD装置から一時取り出す。次に、工程14で
は、上記の薄いTa25膜が形成された基板を洗浄し
て、基板取り出しの際、表面に付着したパーティクルを
除去する。次に、工程15では、質量膜厚にして約1.
2nmの極薄アモルファスSiあるいはポリSiをスパ
ッタリング法や電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシ法
などの物理的成膜手段またはCVD法などの化学的成膜
手段で積層する。次に、工程16では、基板を再び有機
洗浄する。次に、工程17では、上記のようして下部電
極近傍にアモルファスSiを堆積させた基板を前述の光
CVD装置に装着して第2のTa25膜を増積みする。
第1と第2のTa25膜の厚みの総計が所定の膜厚に達
したところで堆積を停止し、基板を取り出す。次に、工
程18では、Ta25の成膜を完了した基板に対して約
60分の活性酸素アニールを施す。アニールの手順と条
件は前述のとおりである。次に、工程19では、アニー
ル後Ta25膜表面に付着した汚染物を除去するため
に、希フッ酸浸漬処理とRCA洗浄(塩酸+過酸化水素
水混合液洗浄と水酸化アンモニウム液+過酸化水素水混
合液洗浄の組合せ)などの洗浄を行なう。RCA洗浄剤
に耐えられない基板が使用されている場合には、RCA
洗浄に替えて、有機系洗浄を用いることもできる。次
に、工程20では、最後にTa25膜の上に任意の電極
材料、たとえばMoをスパッタリング蒸着法などのよう
な手段で成膜し、フォトリソグラフィを用いることによ
って上部電極を形成し、キャパシタ構造が完成する。
【0017】上記図8の実施例の作用を説明する前に、
図7のキャパシタ構造を実現する第2の実施例について
説明する。この実施例では、前述の極薄アモルファスS
i(またはポリSi)の形成をTa25と同じ光CVD
装置で行ない、工程を簡素化しているところに特徴があ
る。このため前記図6に示したTa25光CVD装置に
簡単な改良を加える。図12は上記の改良を行なった光
CVD装置の一実施例図である。図12の装置は、前記
図6の装置に、Si26原料ライン22を付加したもの
であり、その他は同じである。このSi26原料ライン
22は、1%濃度にHe希釈したジシランSi26を所
定の流量で反応器11に導入するためのものである。図
12の装置を用いてアモルファスSiを堆積させるに
は、Si26原料ライン22とN2パージライン18か
らSi26とN2を所定の流量で反応器11に供給し、
低圧水銀灯10による光励起を実施すると共に、常圧排
出弁21を閉じ、O2原料ライン17とTaCL5原料ラ
イン16からのO2とTaCL5の供給を完全に停止す
る。成膜条件の一例を示すとつぎのとおりである。この
条件でSiを成膜すると、およそ0.1nm/minの
堆積速度が得られる。 アモルファスSi成膜条件 成膜圧力 10torr 成膜温度 300℃ 励起強度 2.5mW/cm2(185nm) Si26濃度 1%(He=99%希釈) ガス流量 Si26(He希釈) 200cc/min N2パージ 100cc/min 以下、図9の工程図を用いて、図7のキャパシタ構造を
実現する第2の実施例の工程について説明する。工程1
1〜工程13は、前記図8と同様である。次に、工程2
1では、光CVD装置に収められている第1のTa25
膜が形成された基板に、前記のCVD条件で直ちにアモ
ルファスSiを約1.2nm成膜する。この工程21
で、アモルファスSiを第1のTa25膜上に堆積した
あと、成膜条件を切り替え、直ちに、工程17で、第2
のTa25膜を積層し、所定の膜厚になったところで堆
積を停止する。この後の工程は前記図8の実施例と同じ
である。すなわち、この実施例においては、工程13、
工程21、工程17は一連のCVD工程として、基板を
図12の光CVD装置から取り出すことなく連続して行
なう。上記のように、図8の実施例でも図9の実施例で
も結果として全く同じキャパシタ構造を実現できるが、
図9の実施例では基板をTa25成膜装置からアモルフ
ァスSi成膜装置に移動する際とその逆の移動をする際
に生じる汚染が原理的に生じないので、工程14と工程
16を省くことができる。これは原材料費並びにプロセ
ス時間の節約あるいは歩留まりの向上をもたらし、製造
原価を引き下げるという好ましい結果を与える。
【0018】次に、図10は、図7のキャパシタを実現
する第3の実施例の工程図である。図10において、ま
ず工程31では、前記図9と同様に、フィールドSiO
2膜を成長した基板に、厚さ200nmのMo下部電極
を形成する。次に、工程32では、表面を充分洗浄す
る。次に、工程33では、基板を図12に示した光CV
D装置に装着し、Mo下部電極を形成した基板面に光C
VD法で厚さ約1.2nmの極薄アモルファスSi膜を
前述の条件で堆積させる。次に、工程34では、アモル
ファスSiが堆積し終わった基板に、同じ装置で直ちに
Ta25膜を所定の膜厚になるまで堆積させる。Ta2
5の成膜条件は前記のとおりである。次に、工程35
では、Ta25に対して、活性酸素アニールを約60分
施す。アニールの手順と条件は前記のとおりである。こ
の後の工程36、工程37は、図9の工程19、工程2
0と同様である。上記のように、この実施例において
は、下部電極を形成した基板上に、直接にアモルファス
Siを堆積するようになっている点が前記図8、図9と
異なっている。なお、この実施例では、極薄アモルファ
スSi膜とTa25膜を同じCVD装置で成膜する方法
を取っているが、この膜を他の物理的あるいは化学的成
膜手段で形成してもよい。ただし、その場合は図8と同
様に、アモルファスSi膜の成膜の前と後に有機溶剤を
用いた洗浄を行なう必要がある。
【0019】次に、作用を説明する。まず、図8の実施
例および図9の実施例における作用を説明する。前記の
ように、両実施例は全く同じ構造のキャパシタを構成す
るので、リーク電流特性上に現われる作用・効果はほぼ
同じである。したがって、ここでは図9の実施例の結果
を用いて説明する。図11は、図9および図10の実施
例で作製されたキャパシタと従来例のキャパシタとにお
けるリーク電流特性を示す特性図である。図11におい
て、(iii)は図9の実施例に基づいて作製したキャパ
シタのリーク電流特性である。また、(i)はMo下部
電極の上に光CVDでTa25膜を堆積し、付加的な処
理を施さずにMo上部電極を形成して作製したキャパシ
タ(以下、これをas-grown膜キャパシタと称する)のリ
ーク電流特性、(ii)は本発明者らの先行出願・特願昭
62−206973号に基づいて作製したキャパシタ
(以下これを先願例キャパシタと称する)のリーク電流
特性である。また、図11の縦軸は対数で目盛ったリー
ク電流値log(J)、横軸はキャパシタのTa25
に印加される電界強度を平方根√Eで整理したものであ
る。電界強度1MV/cm2付近で比較すると、図9の
実施例のキャパシタ(iii)のリーク電流値は、as-grow
n膜キャパシタ(i)の6〜7桁低い値を与えているこ
とが判る。このように本実施例は活性酸素アニールによ
るリーク電流軽減の効果を非常に効率的に発現させるこ
とができる。さらにこの値は先願例キャパシタ(ii)の
リーク電流値よりも2〜3桁低い値である。このように
(ii)と(iii)の比較から本実施例の技術的優位性は
明白である。
【0020】次に、図10の実施例の作用について説明
する。図11の(iv)に図10の実施例によって作製
したキャパシタのリーク電流特性を示す。本実施例もま
た先願実施例(ii)に比べて活性酸素アニール後、約2
桁リーク電流が軽減されていることが判る。このよう
に、図8、図9の実施例のようにアモルファスSiを2
つのTa25膜の間に挾むのではなく、図10のように
下部電極とTa25膜の間においた場合でも、ほぼ同等
なリーク電流の軽減効果が得られる。
【0021】上記のごとく、キャパシタの誘電体膜をT
25膜、下部電極をMoとした場合には、図11に示
したごとく、図8〜図10の実施例はほぼ同等のリーク
電流軽減効果を与えた。しかし、一般に他の誘電体膜や
他の下部電極材料の場合には、それぞれの実施例の効果
に優劣が生じるのが普通である。その場合には、最も効
果の高い実施例を採用すべきであることは言うまでもな
い。実施例を選択する場合には、次の点に留意すると良
い。すなわち、誘電体膜と下部電極との間で成膜中に好
ましくない相互作用が有ったり、付着力に難が有ったり
する場合には、誘電体膜と下部電極との間にアモルファ
スSi膜を設ける図10の実施例が適している。逆に、
アモルファスSiと下部電極との間に好ましくない関係
がある場合には、図8および図9の実施例を採用する方
がよい。また、アモルファスSi膜の成膜工程が下部に
ある誘電体膜に損傷を与えるような場合には、誘電体膜
を後で形成する図10の実施例が最も良好な結果を与え
る。
【0022】また、本発明の要点は、誘電体膜中に一過
性のエレメンタル・シリコンを誘電体/基板界面近傍に
分散させ、後の活性酸素アニールでエレメンタル・シリ
コンを酸化物に転化させると同時にその一部を誘電体膜
表面に移動させる機構にある。したがって、図8〜図1
0の実施例に示したような誘電体膜の形成前や形成途上
にエレメンタル・シリコンを添加して活性酸素アニール
する方式ではなく、図1〜図3の実施例に示したよう
に、誘電体膜形成後にイオン注入のような物理的手段で
誘電体膜内部にエレメンタル・シリコンを添加し、その
後、活性酸素アニールする方法を用いてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載のキャパシタの形成方法においては、誘電体薄膜ある
いは下部電極にエレメンタルなSiを適量イオン注入し
たのち、誘電体薄膜と下部電極構造を活性酸素雰囲気で
アニールする工程を付加したことにより、リーク電流が
極めて少ないキャパシタを下部電極材料に拘りなく実現
できるという効果が得られる。なお、本発明によって形
成したキャパシタは、本発明者らの先願にかかる特願昭
62−206973号に記載のキャパシタに比べても少
なくとも2桁低いリーク電流特性が得られる。また、請
求項2〜請求項4に記載のキャパシタの構造および形成
方法においては、下部電極上に誘電体膜を成膜する際、
成膜前または成膜途上、あるいは成膜後に極薄シリコン
層を形成する工程を挿入し、成膜する誘電体膜中にエレ
メンタルなSiとして取り込ませるとともに、エレメン
タルSiを取り込んだ誘電体膜を活性酸素雰囲気でアニ
ールすることにより、リーク電流が極めて低い誘電体薄
膜を実現することが出来る。この発明に基づくキャパシ
タは先願62−206973号に基づいて形成したキャ
パシタより少なくとも3桁低いリーク電流特性が得られ
る。また、請求項4に記載の形成方法では誘電体膜とア
モルファスSi膜とを同一の成膜装置で形成することか
ら、他の方法に比べて原材料費の削減、工程時間の短
縮、歩留まりの向上が図られるという付加的な効果も得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の工程図。
【図2】本発明の第2の実施例の工程図。
【図3】本発明の第3の実施例に工程図。
【図4】本発明の第1〜第3の実施例で作製されたキャ
パシタと従来例のキャパシタとのリーク電流特性を示す
特性図。
【図5】LSI等で用いられるキャパシタの構造の要部
断面図。
【図6】光CVD装置の要部断面図。
【図7】本発明によるキャパシタの一実施例の断面図。
【図8】図7のキャパシタを実現する形成方法の工程
図。
【図9】図7のキャパシタを実現する形成方法の他の工
程図。
【図10】図7のキャパシタを実現する形成方法のさら
に他の工程図。
【図11】図8〜図10の実施例で作製されたキャパシ
タと従来例のキャパシタとのリーク電流特性を示す特性
図。
【図12】図9の工程に用いる光CVD装置の要部断面
図。
【符号の説明】
1…誘電体膜を形成する基板 2…下部電極 3…CVDで作製した酸化物誘電体膜 4…上部電極 10…低圧水銀
灯 11…CVD反応器 12…真空ポ
ンプ 13…Ta25膜を堆積する基板 14…基板13を支持し所定の温度に保持するサセプタ 15…合成石英窓 16…TaC
5蒸気供給ライン 17…O2ガス供給ライン 18…N2
スパージライン 19…TaCl5昇華装置 20…常圧O
2排出弁 22…Si26原料ライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下部電極上に化学気相成長(CVD)法に
    よって誘電体膜を形成し、その後、上部電極を形成する
    キャパシタの形成方法において、 上記誘電体膜もしくは上記下部電極にシリコン原子をイ
    オン注入する工程と、その後、活性酸素雰囲気中でアニ
    ールを施す工程と、を付加したことを特徴とするキャパ
    シタの形成方法。
  2. 【請求項2】基板上に載置した下部電極と、その上方に
    上記下部電極と平行に載置した上部電極との間に、誘電
    体膜を挾持したキャパシタにおいて、 上記下部電極近傍の上記誘電体膜内部に、活性酸素酸化
    シリコン分散層を設けたことを特徴とするキャパシタ。
  3. 【請求項3】下部電極上に誘電体膜を形成し、その後、
    上部電極を形成するキャパシタの形成方法において、 上記上部電極を形成する以前に、上記下部電極と上記誘
    電体膜との界面もしくは該界面近傍の誘電体膜中に、一
    過性の薄いエレメンタル・シリコン層を形成する工程
    と、 上記上部電極を形成するまでに、上記エレメンタル・シ
    リコン層を含有する誘電体膜を活性酸素雰囲気中で熱処
    理し、上記エレメンタル・シリコン層を活性酸素酸化シ
    リコン分散層に転化させる工程と、 を付加したことを特徴とする請求項2に記載のキャパシ
    タの形成方法。
  4. 【請求項4】上記誘電体膜と上記エレメンタル・シリコ
    ン層とを同一反応器で連続的に化学気相成長させること
    を特徴とする請求項3に記載のキャパシタの形成方法。
JP20618793A 1993-06-28 1993-08-20 キャパシタおよびその形成方法 Expired - Lifetime JP3207978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20618793A JP3207978B2 (ja) 1993-06-28 1993-08-20 キャパシタおよびその形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-156705 1993-06-28
JP15670593 1993-06-28
JP20618793A JP3207978B2 (ja) 1993-06-28 1993-08-20 キャパシタおよびその形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0794678A true JPH0794678A (ja) 1995-04-07
JP3207978B2 JP3207978B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=26484389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20618793A Expired - Lifetime JP3207978B2 (ja) 1993-06-28 1993-08-20 キャパシタおよびその形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3207978B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010001924A (ko) * 1999-06-09 2001-01-05 김영환 반도체소자의 커패시터 제조방법
JP2006210512A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Toshiba Corp 半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
US8212299B2 (en) 2001-06-13 2012-07-03 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device having a thin film capacitor of a MIM (metal-insulator-metal) structure
JP2013093589A (ja) * 1998-03-12 2013-05-16 Alcatel-Lucent Usa Inc 誘電体材料を含む個別要素又は半導体デバイスを含む集積回路デバイス
JP2019145790A (ja) * 2018-02-15 2019-08-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 容量素子、及び容量素子の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013093589A (ja) * 1998-03-12 2013-05-16 Alcatel-Lucent Usa Inc 誘電体材料を含む個別要素又は半導体デバイスを含む集積回路デバイス
KR20010001924A (ko) * 1999-06-09 2001-01-05 김영환 반도체소자의 커패시터 제조방법
US8212299B2 (en) 2001-06-13 2012-07-03 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device having a thin film capacitor of a MIM (metal-insulator-metal) structure
JP2006210512A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Toshiba Corp 半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
JP2019145790A (ja) * 2018-02-15 2019-08-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 容量素子、及び容量素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3207978B2 (ja) 2001-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2937817B2 (ja) 半導体基板表面の酸化膜の形成方法及びmos半導体デバイスの製造方法
US6090723A (en) Conditioning of dielectric materials
KR100391840B1 (ko) 반도체기판표면상의절연막형성방법및그형성장치
US6794314B2 (en) Method of forming ultrathin oxide layer
US7033958B2 (en) Semiconductor device and process for producing the same
JPH06168922A (ja) シリコンの気相エッチング法
JPH09106971A (ja) 半導体デバイスの製造方法
JP4003846B2 (ja) 半導体装置のキャパシタ製造方法
US6841450B2 (en) Annealed wafer manufacturing method and annealed wafer
JP2000200889A (ja) タンタル酸化膜を備えたキャパシタ製造方法
WO2000057464A1 (en) ROOM TEMPERATURE WET CHEMICAL GROWTH PROCESS OF SiO BASED OXIDES ON SILICON
US7867918B1 (en) Semiconductor topography including a thin oxide-nitride stack and method for making the same
US5880031A (en) Method for vapor phase wafer cleaning
JP3684709B2 (ja) 結晶性酸化物誘電体薄膜と単結晶シリコン基体との複合構造体およびそれを用いた電子素子およびそれらの製造方法
JP3207978B2 (ja) キャパシタおよびその形成方法
JP4124675B2 (ja) シリコンウェハを低温酸化する方法およびその装置
JP2770856B2 (ja) 高誘電率酸化物薄膜の形成方法
JPH06244174A (ja) 絶縁酸化膜の形成方法
US4826711A (en) Semiconductor manufacturing method and device
Choi et al. Cleaning of Si and properties of the HfO 2–Si interface
JP3533377B2 (ja) 半導体基板表面の酸化膜の形成方法及び半導体装置の製造方法
JPH1050701A (ja) 半導体及び半導体基板表面の酸化膜の形成方法
JPH0748481B2 (ja) シリコン層上の被膜除去方法
JP2004088078A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH0242725A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080706

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090706

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 9