JPH0794480B2 - 抗体及びその製造法 - Google Patents

抗体及びその製造法

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JPH0794480B2
JPH0794480B2 JP63227360A JP22736088A JPH0794480B2 JP H0794480 B2 JPH0794480 B2 JP H0794480B2 JP 63227360 A JP63227360 A JP 63227360A JP 22736088 A JP22736088 A JP 22736088A JP H0794480 B2 JPH0794480 B2 JP H0794480B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明はヒト インターフェロンの精製、ヒト イン
ターフェロンとその抗体の精製品及びそれらに関する精
製ならび調製法に関する。
ここで使用する用語“蛋白”は“糖蛋白(グリコプロテ
イン)”を含むものである。
ヒト インターフェロンの精製については多くの試みが
なされてきた。この精製の試みの目的には、標準化を目
的としてインターフェロン種(インターフェロン スピ
シーズ)の特性を完全に決定することが含まれている。
今日まで、ヒトLe型インターフェロンを精製する試みは
完全に成功していない。
この発明は、不活性な且つさもなくば好ましくない不純
物が実質的に存在しないヒトLe型インターフェロン蛋白
の全成分を始めて製造しうる精製法を発見したことに基
づくものである。
インターフェロンのLe型はE.A.Havell,B.Berman,C.A.Og
burn,K.Berg,K.Paucker,and J.Vilcek,Proc.Nat.Acad.S
ci;USA,72,2185〜2187(1975)で定義されている。
この発明によって、純粋なヒト白血球インターフェロン
蛋白が粗ヒト白血球インターフェロンから一連の特別な
精製工程を経て作られ、且つ純ヒト白血球インターフェ
ロンがSDS PAGE(ナトリウム ドデシルスルファート
ポリアクリルアミド傾斜電気泳動)における染色蛋白バ
ンドで特徴付けられた。
純ヒト白血球インターフェロン蛋白の製造及び特性決定
に用いられる特定の実験条件は下記の“原料と方法”お
よび“実験の部”の項で記載される。純白血球インター
フェロン蛋白類の製造と特性決定に含まれる製品と手法
のあるものは、それ自体新規であり、インターフェロン
技術に一般的に利用可能であってこの発明の一つをなす
ものであり、広義には蛋白精製技術にも用いられる。今
この発明により入手可能にされ特性が決定された純ヒト
インターフェロン蛋白特に純ヒトLe型インターフェロ
ン蛋白はそれ自体この発明を構成するもので、かつこの
発明の他の1つであってこの明細書で説明され例証され
る更に新しい発展の鍵を構成するものである。
数回のくり返し実験により、“原料と方法”の項で記載
される SDS PAGEと染色条件下0.9×106IFUの全インタ
ーフェロン負荷で、純ヒト白血球インターフェロンは、
18,400±200ダルトンと20,100±200ダルトンに本質的に
2つだけのシャープな染色蛋白バンドと20,300±200と2
0,400±200ダルトンの間に次位の染色蛋白バンドを示す
ことが立証されたのである。下記の蛋白測定法によって
測定されたように純ヒト白血球インターフェロンは蛋白
mg当り約109IFUの比活性度(specific activity)を有
し、この比活性度は、使用する蛋白測定法によってある
程度変わるかも知れない。蛋白重量ベースでのこの比活
性度は蛋白mg当り2×108〜2×109IFUであると判断さ
れる。純インターフェロンが二つの主要な明白なバンド
を示す事実は、粗製または部分精製のインターフェロン
調製品を用いる先行技術の知見によると、ヒト白血球イ
ンターフェロンが少なくとも2つの主要な種からなるも
のであることを意味する。例えば、3.8×106IFUの高い
全インターフェロン負荷をすると上記のSDS PAGE系では
6つのインターフェロン蛋白バンドからなる更に分化し
た蛋白パターンを示しうることが分った。すなわち18,4
10±200ダルトンと20,180±200ダルトンの2つの強い染
色バンド及び上記次位の染色バンドに対応する20,420±
200ダルトンの中位に染色したバンド並びに19,500±200
ダルトン、21,130±200ダルトン及び23,440±200ダルト
ンのやっと見える程度の蛋白バンドである。SDS PAGEア
クリルアミド傾斜ゲルの上記バンドの個々の成分はそれ
ぞれ、生物学的インターフェロン活性:すなわち抗ウイ
ルス活性、抗ヒト白血球インターフェロン[抗ヒト線維
芽細胞(anti−human fibroblast)インターフェロンで
はない]だけを中和する能力および抗細胞活性に種々の
いわゆる非ウイルス活性が加わった活性(これらの活性
はナチュラルキラーセルやMIC−CMLの増強、HLA抗原の
増加等で例証される)を示すということを見出した。
インターフェロン蛋白を完全に精製すれば、単に純イン
ターフェロン調製物またはその一つ以上の成分で動物に
免疫性を与えることにより、活性スピシーズに対し厳に
特異性を有する抗インターフェロンを生産することがは
じめて可能になる。かような単一特異性(monospecifi
c)の強い抗インターフェロンは、簡便かつ経済的に粗
製または部分精製インターフェロンを精製し、多量の純
インターフェロンまたは高度精製のインターフェロン
(これら純又は精製インターフェロンは臨床用、標準
化、化学的研究およびシーケンス研究用として、並びに
単一特異性抗インターフェロンを繰返し製造するための
免疫抗原として用いられる)を得るために行う抗体アフ
ィニティ クロマトグラフィ用に極めて有用である。こ
の発明には、純ヒト白血球インターフェロンに対して生
ずる単一特異性抗原を用いヒト白血球インターフェロン
を精製する方法だけではなく、その単一特異性抗インタ
ーフェロンと免疫学的に交叉反応する他のタイプのイン
ターフェロンの精製法も含まれる。この他のタイプのイ
ンターフェロンとしては、例えばナマルボ(Namalva)
インターフェロン[ヒト リンホブラストイド インタ
ーフェロン(human lymphoblastoid interferon);そ
のLe型インターフェロンは、ヒトリンホブラストイド
インターフェロンすなわちナマルバ インターフェロン
の生物学的活性の約85%を占める,E.A.Havell,Y.K,Yip,
J.Vilcek,“Characterization of human lymphoblastoi
d(Namalva)interferon,"J.gen.Virol.,38 51−59(19
77)参照]およびインターフェロン蛋白(または重要な
生物学的インターフェロン活性決定因子を有する蛋白)
を生産するためのDNAコーディング(coding)を運ぶ微
生物の培養によって得られるそのLe型を含有するインタ
ーフェロンがある。
またこの単一特異性抗インターフェロンは、それ自体公
知法でインターフェロン蛋白の生産用の遺伝子工学のシ
ステムを確立するために有用である。すなわち、遺伝子
工学に属する知られた方法によれば、その第一段階はイ
ンターフェロン生産細胞から伝令RNAの単離であり、そ
こではインターフェロンの合成がインターフェロン誘発
因子(inducer)によって開始され、インターフェロン
の免疫学的な決定因子(またはその一部)を保持したイ
ンターフェロン蛋白の合成を完了し、一方、そのときそ
のインターフェロンはまだリホゾームやメッセンジャー
RNAに結合している。インターフェロン産生細胞として
は、通常の方法またはバッフィコート(buffy coats)
[またはフィコル技法で単離されたリンパ球]中で成育
させた高度クローン産生ナマルバ細胞懸濁液が好ましい
ものである。メッセンジャーRNAは、かような細胞をそ
れ自体公知の方法で溶解し、その溶解物を抗体アフィニ
ティカラム(そこで共有結合される抗体は単一特異性抗
インターフェロンである)中を通過させることによって
単離される。この抗体カラムはインターフェロンを選択
的に保持するだけでなく、付着したメッセンジャーRNA
も保持する。塩の溶離のごとき公知方法で、メッセンジ
ャーRNAはカラムからの溶離液から単離され、また公知
方法でリバース トランスクリプターゼ(reversetrans
criptase)と処理すると対応するDNAを与える。その代
りに、公知の免疫沈降法(immunoprecipitation method
s)が用いられ、またこの方法は二重免疫沈降法とあわ
せて用いることもできる。遺伝子工学に属する公知方法
にしたがって、かかるインターフェロンまたはその主要
部分に関するDNAコーディングは、適当なクローニング
ベクター好ましくはミニプラスミドに組込まれ、微生物
に移送される。これの培養によりインターフェロンおよ
び/またはインターフェロン誘導体が生産され、培養媒
体中に放出される。微生物の培養で得られるかようなイ
ンターフェロンを精製するには、粗製品を単一異性抗イ
ンターフェロンを用いた抗体アフィニティ カラムを通
過させるという前記と同一の方法に付すのが適切であ
る。
放射性標識した単一特異性抗インターフェロンは、微生
物のクローンがDNAを受け取り、インターフェロン、そ
の一部または誘導体を生産しうるということを評価する
のに価値のある道具となりうる。
0.9×106IFUのインターフェロン負荷において、純ヒト
白血球インターフェロン蛋白は、5〜6つの生物学的ピ
ークと共にSDS PAGEアクリルアミド傾斜ゲル中に上記3
つの別々の蛋白バンドとして現れる。見出される生物学
的バンドの数が5つになるか6つになるかは、そのゲル
スライスが切り取られる正確な位置によって左右され
る。第1図に、後記の“原料と方法”の項に記載したの
と同様にしてこの負荷で作製した染色SDS PAGE傾斜ゲル
スラブを示した。この蛋白バンドは各々明確なインター
フェロン活性を有することを示した。第2図に、同一の
インターフェロン負荷での他の実験から得たSDSスラブ
の図と後記“原料と方法”の項で説明される方法で測定
されたバンドに関するインターフェロン活性のプロファ
イルとを示したが、5個の生物学的インターフェロンの
ピークと3個の明確な染色バンドとが認められる。第2
図から、蛋白バンドがインターフェロン活性のピークと
厳密に一致していることが、明らかに認められる。この
ことはその蛋白がインターフェロン蛋白であるというこ
とを証明している。インターフェロン活性プロファイル
は、勿論ゲルの個々のスライシングの正確な位置に左右
されるということは注目すべき重要なことである。第2
図において、20,410±200ダルトンの位置の次位のバン
ドの一つのインターフェロン活性はそれ程明白ではない
が、同一のインターフェロン負荷の他の実験ではその次
位のバンド自体がインターフェロン活性を有することが
示され、より高い負荷での実験では(以下参照)その次
位のバンドが明白なインターフェロンの亜種(subspeci
es)であることが見出された。対応するインターフェロ
ン蛋白切片中に見出されSDS PAGEから得られたインター
フェロン活性の量は、蛋白バンドの染色強度から評価さ
れる蛋白の量と直線的に対応する。従って、二つの主体
をなすインターフェロン蛋白と次位のバンドが明確に存
在することが、第1図および第2図に示された実験で実
証された。系内へのインターフェロン負荷がより高い実
験では、第3図[染色と脱色(destaining)を行った
後、六つの生物学的ピークと共に六つのインターフェロ
ン蛋白が測定された]に示したごとく、上記したバンド
のより詳細なバンドパターンが示された。SDSで処理さ
れたインターフェロンは、その免疫学的な決定因子(de
terminant)を保有し、SDS処理されていないインターフ
ェロンに比較してより明白に抗原性を示す(又は保有す
る)ということは知られているので[pauckerらの、ヒ
ト白血球インターフェロン製剤によるマウスの免疫によ
って示されている。(Dalton,B.F.,Ogburn,C.A.,Paucke
r,K.;Production of antibodies to human interferons
in mice,Infect.Immun.19(2),570−574(1978),PP
4;25〜30)]、予備のSDS PAGEによって、各成分を分離
された形態で得ることができるだけでなく、以下に詳述
するように分離した成分で免疫にすることもできる。
比活性度について述べれば、この発明は、約2×108
2×109IFU/mgの蛋白の比活性度を有するヒト インタ
ーフェロンまたはその種に関する。しかし、蛋白の定量
方法にかなりの種類があるので、比活性度の実際の数値
は個々の種をSDS PAGEで明確に示すのに比べて重要では
ない。
そのため、この発明の純インターフェロン蛋白を下記の
ように表わすのがより適切である。すなわち、インター
フェロンの全負荷が0.9×106IFUでかつここで定められ
たSDS PAGE及び染色条件下にて、18,400及び20,100ダル
トンにそれぞれ抗ウイルス性インターフェロン活性を有
する2つの主要なシャープな染色蛋白バンド,20,300ダ
ルトンと20,400ダルトンの間に抗ウイルス性インターフ
ェロン活性を有する次位の染色蛋白バンド並びに19,50
0、21,130、及び23,440ダルトンに抗ウイルス性インタ
ーフェロン活性の小さなピークを示し(このダルトン分
子量の実験精度は±200ダルトンである)、またそのSDS
PAGEアクリルアミド グラジェントが特に他の染色蛋
白部分を示さないヒトLe型インターフェロン蛋白か;ま
たは、インターフェロンの全負荷が3.8×106IFUでかつ
ここで定められたSDS PAGE及び染色条件下にて、抗ウイ
ルス性インターフェロン活性を有する六つの染色蛋白バ
ンド、すなわち18,410と20,180ダルトンの強いバンド、
20,420ダルトンの中位の強度のバンド及び19,500、21,1
30と23,440ダルトンに見える程度のバンド(このダルト
ン分子量の実験精度は±200ダルトンである)を示し、
抗ウイルス性インターフェロン活性のピークが染色蛋白
バンドと正確に一致しかつそのSDS PAGEアクリルアミド
グラジエントが特に他の染色蛋白部分を示さないヒト
Le型インターフェロン蛋白として表わすのが適切であ
る。
SDS PAGEゲルの上記バンドにおける個々の成分は、生物
学的にインターフェロン活性、抗ヒト白血球インターフ
ェロンを中和する性能、抗細胞活性等を有することは重
要であり注目すべきである。またこの発明は、上記の各
SDS PAGEバンドで表わされる各成分、その各成分が有す
る有意の生物学的インターフェロン活性決定因子を有す
る蛋白及びその各成分が有する有意な免疫学的決定因子
を有する蛋白に関する。
原料に関して、この発明のヒト インターフェロン蛋白
は、前記したように、ヒト細胞を用いて作製されるヒト
白血球インターフェロン、培養されたヒト リンホブラ
ストイド(ナマルバ)細胞又はインターフェロンのDNA
コーディングを有する微生物を培養して作製された蛋白
もしくはその主要部から誘導して得られる。しかし、他
の出発物から得られるヒトLe型インターフェロンであっ
ても、上記の特徴を有するものであればこの発明の範囲
に含まれる。
ヒトLe型インターフェロンは、抗ウイルス活性及び抗腫
瘍活性を含めてヒトに対して多くの重要な治療効果を示
し、かつ純ヒトLe型インターフェロンを投与すればこれ
らの有用な性質が一層利用可能になることはよく知られ
ている。この発明には、ヒトもしくは動物に疾病予防、
治療または免疫効果を与えるため投与するのに適応させ
た一種又は複数種のヒトLe型インターフェロン蛋白から
なる製剤が含まれる。かような製剤は、例えば非経口、
鼻内又は局所投与に応用される。
この発明の純インターフェロン蛋白のもっとも有用な製
剤は水溶液である。水溶液の純インターフェロン蛋白は
安定化させねばならないが、安定剤はその溶液の用途に
よって選択される。この溶液を、ヒトに例えば非経口投
与して用いる場合、安定剤は生理学的に受容な安定剤で
なければならず、適切な安定剤はヒト血清蛋白及びその
フラクション並びにヒトアルブミンのごときヒトに対し
非毒性かつ非免疫性の一つの蛋白又はその蛋白を組合わ
したものである。典型的な好ましい安定剤は1%のヒト
アルブミンである。ヒトの非経口投与する組成物中の純
インターフェロン蛋白の通常の濃度は、106〜2×107IF
U/mlに相当する範囲であり、通常の一日当りの投与量は
合計3×106〜107例えば5×106〜107IFUであり、一日
当り1〜2回筋肉注射して投与するのが好ましい。ヒト
投与用純インターフェロンの溶液を作製する際、確実に
滅菌しかつ発熱物質を存在させない予防策のごとき非経
口投与用組成物の製造時に通常行われている通常の製薬
上の予防策が行われる。
この発明の安定化された製剤が、単一特異性抗インター
フェロンを作るため動物類を免疫にするのに用いる純ヒ
トLe型インターフェロン蛋白類の水溶液の場合は、SDS
(ドデシル硫酸ナトリウム)がインターフェロンの抗原
性及び/又は安定性を増大させるという前記事実からみ
て、SDSでヒトLe型インターフェロン蛋白のSDS錯体を形
成させて安定化させるのが好ましい安定化方法である。
次により詳細に説明されるように、純インターフェロン
とSDSとの結合物又はその錯体は、好ましくはpH7.2で溶
液換算にて約0.1重量%濃度の水性純インターフェロン
蛋白に、SDSを添加することによって簡単に形成され
る。一種又は複数種のヒトLe型インターフェロン蛋白の
SDS錯体は、それ自体安定なことから、この発明の価値
ある態様であり、かかる錯体の形態のものは貯蔵又は輸
送(下記のごとく固体で単離された際は、低温が適切で
あり、例えば4℃、好ましいのは−20℃である)に好適
であり、最も興味深いものである。この目的のために、
デタージェント型の他の安定剤を用いることもこの発明
に含まれる。純ヒトLe型インターフェロン蛋白のさらに
好ましい形態は、シバクロンブルーF3GAと結合した形態
か又はシバクロン ブルーF3GAが示し機序に従ってイン
ターフェロン蛋白と結合しうる他のリガンドと結合した
形態である。これらのことは以下に詳しく説明する。
単一特異性抗インターフェロンを作るために動物を免疫
にするのに用いる純インターフェロン蛋白溶液のpHは約
7.2が好ましく、適切な緩衝液はPBS(リン酸塩緩衝食塩
水)である。
動物の免疫用の安定化された純ヒト インターフェロン
蛋白製剤には、抗原性を一層増大させるためにアジュバ
ントを添加してもよい。一つの適切なアジュバントとし
てはフロイントのアジュバント(Freund′s adjuvant)
がある。周知の原理に従って[一種の“ハプテン”(ha
pten)として一種又は複数種の純インターフェロン蛋白
を提供するように]、純Le型インターフェロン蛋白類又
はその各蛋白を免疫性担体にカップリングさせることに
よってその抗原性を増加及び/又は安定化させることも
この発明に含まれる。免疫性担体の例としてはPPD(Pur
ified Protein Derivative)及びBCG(Bacille Calmett
e Guerin)が挙げられる。しかし、かような免疫性担体
の使用は現在のところ好ましくない。
免疫処置用には、マウス、うさぎ、山羊及び羊が好まし
い動物であるが、他の動物類を用いることもこの発明に
含まれる。下記のごとく、豚IgG免疫グロブリンある種
の目的には際立った利点を示す。
原理的には、純インターフェロンに対する動物類の免疫
処置は、例えば、Acta Path.Microbiol.Scand.Section
B,83 443−460(1975)に記載のごとき抗インターフェ
ロンの公知の製造法に従ってなされる。しかし、この発
明のインターフェロン蛋白が純品であるので、免疫原の
濃度及び免疫処置時間やその間隔については若干変動す
る。免疫処置計画の例は“実験の部”で明らかにする。
動物の採血及び抗血清の単離は周知の方法に従って行わ
れる。
上記のようにして作製された抗体は、免疫処置をされた
動物の生来の特徴を示すという当然の事実とは別に、上
記SDS PAGEバンドを特徴とするインターフェロン蛋白に
対して実質的な特異性を示す。インターフェロン蛋白と
共存し、そのSDS PAGEの染色バンドとして認められない
ごく少量の不純物は避けることはできない。純インター
フェロン蛋白製剤中の全蛋白含量の約1〜5%に相当す
る少量のかような蛋白類は、対応する不純物に対する抗
体類を誘発するかも知れない。この可能性を調べる一つ
の方法は、純インターフェロン(すなわち、SDS PAGEに
おいて、全体で1〜4×106IFUの負荷で可視のインター
フェロン蛋白バンドを与える上記特徴を有するインター
フェロン)でうさぎを免疫にすることによって得られる
関連抗血清の抗インターフェロンカラムを作製する方法
である。そのカラムは全く吸収剤なしで作製される。粗
ヒト白血球インターフェロンをこのカラムに充填し、通
常の抗体アフィニディ クロマトグラフィが行われる
(後記参照)。溶出液をSDS PAGEで分析され(後記参
照)、このときインターフェロンのバンドだけが認めら
れるべきであるが、1〜4の他の蛋白(不純物)が認め
られる場合がある。このことは、実際にうさぎの抗血清
について認められ(3つの蛋白)、2〜3×106IFUの粗
ヒト白血球インターフェロンを負荷した場合に2mlカラ
ム中5×105IFU−NU/mlの力価を有していた。
また、その“異質の”蛋白類は、偶然生起する単一の自
然発生交差反応で現われるのかもしれない。
特定の抗体が単一特異的であるか否かを検査する上記方
法は、それ自体新規であると信ずるものであり、この発
明のもう一つの態様を構成するものである。この態様
は、特定の抗体製剤(例えば抗血清)がその特定の抗原
に対し単一特異的であるか否かを検査する方法であり、
すなわち検査対象の抗体製剤によって抗体アフィニティ
クロマトグラフィカラムを作り、そのカラムに抗体と
不純物を含有する溶液を負荷し、カラムからの溶出液を
分析してその抗体と異なる蛋白が存在するか否か確認す
ることからなる方法である。後者の分析は、当面用いら
れる。抗インターフェロンの単一特異性測定法に関連し
て討論されたのと同様の方法でSDS PAGE傾斜法で行うの
が好ましい。そして溶出液中の不純物蛋白類に対応して
発生するバンドが多くとも4つならば、一般にその抗体
製剤を実用に供するには充分な単一特異性を示している
と考えられる。
SDS PAGE中の染色インターフェロン蛋白バンドが、それ
らの抗原性を完全又はかなりの程度に保持した際は、う
さぎのような免疫にされうる動物類を免疫にするための
抗原製剤として、その染色インターフェロン蛋白類を、
SDS PAGEから直接切り取って使用できる。SDS PAGEから
切り取った染色バンドを免疫(下記製造の後)に用いる
時、前に討論した交叉反応(又はごく少量の不純物によ
る汚染)が、(5つのインターフェロン種を示す全溶出
液に比較して)起こる可能性は少ない。かくして、最適
の特異性を有するインターフェロンの個々の種(主とし
て、約18,400ダルトンと20,100ダルトンの二つの主要な
種)に対する抗体は下記方法にしたがって生産すること
ができる。
1.4〜5×106IFUのヒト白血球インターフェロン(CIFと
して)が、(下記の“タンデム”アフィニティ クロマ
トグラフィによって)完全に精製され、次いでSDS PAGE
に付される。
2.そのゲルは、室温で10〜15分間だけ染色され、次いで
10分間部分的に脱色され、次いで蒸留水中で3回、0℃
の蒸留水で1〜2分間洗浄される。蛋白のバンドの正確
な位置を(例えばポラロイド写真で)記録しておき、そ
の二つの主要なインターフェロン蛋白種は、鋭利なナイ
フで切取って特別に採取される。各切取片は、1mlの0.0
1%SDS(PBS中,pH7.2)中でテフロンのロッドで細切
し、その後うさぎに皮下注射される。この操作を2週間
毎に行い、ヒト白血球インターフェロン蛋白類に対して
低い力価の抗体類を2〜4ケ月間発育させる。インター
フェロンに対する力価の低いことが検出されたならば直
ちに、フロイントのアジュバントをその免疫性の混合物
に対し添加する。そしてその力価の発育状態によるが4
回目毎(4〜6週間毎)に添加される。この操作は3〜
12ケ月間続行され、インターフェロン種に対する抗イン
ターフェロンが発育する(10,000〜1,000,000IFU−NU/m
l)。このように、“単一特異性抗インターフェロン”
という用語は、SDS PAGEから切り取るステップなしで上
記の如き純インターフェロン蛋白によって生産される抗
インターフェロン、及びSDS PAGEから切り取られた染色
インターフェロンの一つ又は複数のバンドに対して産生
された抗体類について用いられる。
インターフェロン類に対して単一特異性の抗体類を生産
するもう一つの方法としていわゆるハイブリドマ(hybr
idoma)手法がある。このハイブリドマ手法は抗体の公
知の製造法であり、単一分枝系(monoclonal)の抗体産
生リンパ細胞/骨髄腫雑種(例えば、Current topics i
n Microbiology and Immunology,Vol.81,Lymphocyte Hy
bridomas,Eds.F.Melchors,M.Potter,and N.L.Warner,Sp
ringer Verlag.1978参照)を確立したことからなるもの
である。しかし、この発明がなされるまでは、抗インタ
ーフェロン産生ハイブリドマ細胞クローンを得ることが
可能であるか知られておらずまた自明なことではなかっ
た。ハイブリドマ手法において、例えば免疫にされた動
物としてヒトLe型インターフェロンで免疫にされたマウ
スを用い、この免疫にされたマウスから得た脾臓の細胞
を骨髄腫細胞に融合させた後、この融合させたハイブリ
ドマを無性生殖させ、抗体産生クローンを選別して培養
し、抗体はその培養媒体から得られる。
マウス系でハイブリドマ手法で作られた抗体は、厳密に
単一特異性であり、それ故に、放射線免疫検定法(radi
oimmunoassay)又は他の類似の試験法に特に有利であ
る。
ハイブリドマ手法において、その抗体を得る一つの特別
な方法は、脾臓細胞が取り出された動物種の生体内で、
選別したクローンを培養し、その動物の腹水液から抗体
を得る方法である。そしてかような態様はこの発明の範
囲内に含まれる。
陽性のハイブリドマ クローンの選別は、通常のインタ
ーフェロン中和試験によって行ってもよい。しかし、通
常のインターフェロン中和試験は、一つの必須要件とし
て、そのインターフェロンの抗原決定子が生物学的活性
中心に極めて近接した位置(約11gG分子長の距離以内)
にあることを要するので、一つ又は複数の生物学的活性
中心からはるかに離れて位置する抗原決定子はこの試験
法では検出されないであろうし、またこのことから“陽
性”のハイブリドマ クローン(生物学的中心から11gG
分子長以上の距離ではなれて位置するインターフェロン
蛋白上で抗原決定子に対する抗体を産生する)は、この
試験では検出されないであろう。それ故に、陽性ハイブ
リドマクローンを試験するのにより有利な手法はこの発
明の放射性標識純ヒトLeインターフェロンを用いて放射
性免疫分析を行なう方法である。放射性標識純ヒトLeイ
ンターフェロン蛋白は、ヒトLeインターフェロンに放射
性標識を行なうことによって作られる。例えば下記のゲ
ル濾過手法でゲル濾液を作製し、ラクトパーオキシダー
ゼ(lactoperoxidase)とヨー素135とを用いるというよ
うな標準方法で放射性標識を行ない、次いでそのインタ
ーフェロン蛋白を本願記載の方法で精製し、その精製イ
ンターフェロン蛋白をSDS PAGEに付し、そのSDS PAGEゲ
ルから放射性標識された純インターフェロン蛋白を溶離
する。通常のインターフェロン中和試験では、検出され
ないようなクローンを検出する陽性ハイブリドマ クロ
ーンを選別するもう一つの方法は次のとおりである。す
なわち各クローンの培養物の上澄液の例えば500μlを
マトリックス上に固定化し、例えば“原料及び方法”の
項に記載の方法に従ってCNBr−活性化セファロース(CN
Br−activated Sepharose)上に固定する;得られた処
理マトリックスにヒトLe型インターフェロン例えば、粗
ヒト白血球インターフェロンを加え、例えば各クローン
に対応する得られたマトリックスゲル懸濁液をそのイン
ターフェロンと混合し;その混合物を例えば1時間37℃
で放置し;次いで例えば遠心分離しPBSで洗浄して未結
合のインターフェロンをマトリックス物質から有効に分
離し;次いで各マトリックスゲルを溶離し、例えば溶離
緩衝液(pH2.4)と混合し遠心分離して結合インターフ
ェロンを脱離させ;この溶離によってインターフェロン
が得られるということは陽性のクローンの指標なので、
そのマトリックスゲルから得られた溶離緩衝液(特に最
後の溶離緩衝液)がインターフェロンを含有している該
マトリックスゲルに対応するクローンを選別する方法で
ある。陽性ハイブリドマクローンを検出する上記二つの
有利な方法は、抗インターフェロン産生ハイブリドマク
ローンに適用されるだけでなく、明確な修正を行い、他
の蛋白に対して指向される陽性ハイブリドマクローン産
生抗体の検出にも用いられる。
この発明の精製されたインターフェロン蛋白類の一つに
対して生じた抗体類は、この発明の他の精製された蛋白
類を中和しうるということが見出されたのは興味深いこ
とである。かくして、この発明の単一特異性抗体類は、
この発明の単一の精製インターフェロン蛋白に対して生
成したものまたはこの発明の精製されたインターフェロ
ン蛋白類を組合わせたものに対して生成したもののいず
れもヒトLe型インターフェロン含有溶液の精製に等しく
有効であることが明らかになったのである。
公知の原理に従って、この発明の単一特異性抗インター
フェロンは、放射性免疫検定法又はその関連手法によっ
て生物学的流体中の対応するインターフェロン又はイン
ターフェロン成分の測定に用いることができる。しかし
上記したように、単一特異性抗体類の興味ある重要な効
用は、インターフェロン含有溶液の抗体アフィニティ
クロマトグラフィ精製法に有用なことである。この目的
のために、抗体はそれ自体公知の方法でマトリックスに
固定される。すなわち、ファーマシア社製セファロース
4Bのごとき架橋アガロースのような適切な抗体アフィニ
ティ クロマトグラフィマトリックスに共有結合的に適
切に結合される。インターフェロン含有溶液の抗体アフ
ィニティ クロマトグラフィ精製は、公知の方法で行っ
てもよいが、バッチ式か好ましくはカラム中に配置され
たマトリックスに固定化された抗体を用いて行われる。
単一特異性抗インターフェロンを用いる抗体アフィニテ
ィ カラムの作製及びかようなカラムの操作は、本来公
知の方法で行われる。かかるカラムに用いられるインタ
ーフェロン含有溶液は未濃縮の粗インターフェロン製剤
でもよく、又は濃縮インターフェロン製剤もしくは一部
精製されたインターフェロン製剤でもよい。カラムに用
いられるインターフェロン製剤は、ヒトLe型インターフ
ェロン含有のいずれのインターフェロン製剤でもよい。
すなわち、ヒト白血球インターフェロン、ヒト リンホ
ブラストイド インターフェロン(ナマルバ インター
フェロン:Namalva interferons)又は上記のごときイン
ターフェロンのDNAコーディングを含有する微生物の培
養によって産生されるインターフェロン(もしくはその
主要部分)が挙げられる。ナマルバ インターフェロン
や白血球インターフェロンを精製するため、抗体アフィ
ニティ クロマトグラフィに一部精製されたヒト白血球
インターフェロンに対する抗体を用いることはすでに記
載されている[例えば、Scand.J.Immunol.,8,429−436
(1978)参照]。しかし、重要な改良点は、単一特異性
抗インターフェロンが実質的にヒトLe型インターフェロ
ン蛋白だけを残し、製剤の残りの蛋白類はカラムを通過
するということである。自然に起る交差反応によるごく
少量の不純物は避けることができない。またこの交差反
応は別として、用いられる抗体がたとえ純インターフェ
ロン蛋白だけを“産生する”(と反応する)と期待され
ているハイブリドマ手法で生産された抗体であっても避
けることはできない。
適切な寸法のかような抗体カラムは(抗体アフィニティ
クロマトグラフィカラムの公知の原理に従って設計し
うるが)、このカラムは、粗インターフェロン製剤から
インターフェロンの大規模な工業的精製を行い、カラム
溶出液中に純粋な(又は高度に精製された)インターフ
ェロン蛋白を得るのに用いられる。この方法で製造され
る純(又は高度に精製された)インターフェロン蛋白
は、上記のごとく、その意図する用途によって適切な安
定剤で安定化される。
単一特異性抗インターフェロンカラムに用いられるイン
ターフェロン製剤のインターフェロンは、重量基準で通
常非常に低濃度で存在し、かつ高価なインターフェロン
はできるだけ大量に単離すべきであるから、インターフ
ェロンが接触する生物学的物質中に蛋白分解活性が存在
することから起るインターフェロン蛋白の劣化を最小に
することが大切である。そして精製されるべきインター
フェロンが接触するいずれの生物学的物質からも蛋白分
解活性を除去することはこの発明の一つの態様である。
この態様の重要な一つの効用は、この発明の抗インター
フェロン抗体(免疫グロブリン)から蛋白分解活性を除
去することである。この発明の除去法は、抗体をマトリ
ックスに結合させる前に、免疫グロブリン(又はその重
要なフラグメント)に対して有害でないマトリックス固
定化酵素阻害剤又は要素分解で処理することによって適
切に行われる。例えば、抗体は、マトリックス固定化ポ
リ−L−リジン及び/又はマトリックス固定化ソヤビー
ン トリプシン阻害剤及び/又はマトリックス固定化カ
リクライン(Kallikrein)不活性剤のカラムを通過させ
ることができる。抗体の適切な処理の例としては、セフ
ァロース4Bのごとき架橋アガロースに共有結合的に結合
したポリ−L−リジンのカラムを通過させ次いで同じマ
トリックスに共有結合的に結合したソヤビーン トリプ
シン阻害剤のカラムを通過させる方法が挙げられる。こ
のように蛋白分解活性を除去するとインターフェロン含
有溶液の抗体アフィニティ クロマトグラフィ精製時の
インターフェロン活性の回収率を増大させることが見出
されたのである。
単一特異性抗インターフェロンが架橋アガロースのごと
きマトリックスに共有結合的に結合している際は、マト
リックスに共有結合的に結合した抗体の全量は、この発
明の発明者がScand・J.Immunolog.,6,77−86(1977)に
記載したごとく、その共有結合段階で用いられる免疫グ
ロブリンのせいぜい85%に相当するような程度に結合さ
せるのが好ましい。その結果、このカラムからは、最高
の回収率でインターフェロンが得られる。
単一特異性抗インターフェロン アフィニティ クロマ
トグラフィからの溶離液をヒトに投与する際は、その溶
離液がヒトに免疫を起こさせるいずれの成分も含有しな
いことが重要である。抗体アフィニティ クロマトグラ
フィに随伴するかもしれない一つのリスクは、免疫グロ
ブリン フラグメントがカラムから遊離し、所望の単一
又は複数の蛋白と共に溶出されるようになることであ
る。
この発明によれば、ヒトに免疫を起こさせるような免疫
グロブリン又はそのフラグメントは、その溶離液を、そ
の抗体が抗インターフェロン免疫グロブリンに対して指
向されており、かつヒトに非経口投与しても免疫を起こ
させない種類のものである抗体アフィニティ カラムを
通過させることによって除かれる(溶離液は、該カラム
を通過させる前にpHを中性、例えば、PBSに対して透析
しpH7.2に調整しなければならない)。
ヒトへ非経口投与した際、免疫を起こさせない免疫グロ
ブリンは霊長類の免疫グロブリンであるが、単一特異性
抗インターフェロンの製造に用いられる動物の免疫グロ
ブリンに対して指向される霊長類の免疫グロブリンへの
門戸は、法律的論理的理由から制限されるか完全に閉ざ
されている。それ故に、豚IgG免疫グロブリンが、米国
特許第4,132,769号に記載のようにヒトに免疫を起こさ
せないことが見出されたことは注目すべき重要なことで
ある。ヒト ハイブリドマ系で生産される抗体が得られ
れば興味深い代替物となるであろう。
かくして、この発明に従って、抗インターフェロン ア
フィニティ クロマトグラフィの溶離液からの抗インタ
ーフェロン免疫グロブリン又は免疫グロブリンフラクシ
ョンの除去は、溶離液を(pHを中性に調整後)、抗イン
ターフェロン免疫グロブリンに対して指向されるマトリ
ックス固定化豚IgGのカラムを通過させて行うのが好ま
しい。
抗インターフェロン免疫グロブリンに対して指向される
豚IgG免疫グロブリンは、本来公知の方法、すなわち、
豚を、抗インターフェロン免疫グロブリン産生動物種か
らの免疫グロブリンで免疫にしておいて、上記米国特許
第4,132,769号に開示の方法に従って豚から得られる抗
血清からIgG免疫グロブリンフラクションを単離する方
法で製造される。
一般的に、この発明の寄与するところを示せば、この発
明はヒトに投与される蛋白溶液からヒトに免疫を起こさ
せる蛋白を除去する方法であるといえる。すなわち、そ
の蛋白溶液を、抗体が免疫を起こさせる蛋白に対して指
向する免疫グロブリンであり、該免疫グロブリンがヒト
に非経口投与しても免疫を起こさせない種類のものであ
る抗体アフィニティ クロマトグラフィ処理に付すこと
からなる方法である。上記説明から明らかなごとく、免
疫を起こさせない好ましい免疫グロブリンは霊長類の免
疫グロブリン又は豚のIgG免疫グロブリンである。
この発明の上記の寄与に関連した別の態様としては、マ
トリックス固定化抗体を用いる抗体アフィニティ クロ
マトグラフィで免疫グロブリンとして豚IgG免疫グロブ
リンを用いる方法;抗体アフィニティ クロマトグラフ
ィにマトリックス固定化豚IgG免疫グロブリンを用いる
方法;及びマトリックス固定化豚IgG免疫グロブリンを
用いる抗体アフィニティ クロマトグラフィによって、
ヒトに非経口投与する蛋白含有溶液を精製する方法が挙
げられる。これらの一般的な態様、効用及び実施態様は
上記説明から明らかである。
粗ヒト白血球インターフェロンから純ヒト白血球インタ
ーフェロン蛋白(ヒトLe型インターフェロン蛋白)を製
造するためにこの発明にしたがって行われる精製工程
は、KSCNでの蛋白の沈澱による濃縮、ゲル濾過、リガン
ド アフィニティ クロマトグラフィ及び抗体アフィニ
ティ クロマトグラフィからなるものである。かような
工程はインターフェロン技術分野では本来公知である
が、その特定の組合わせ及びいくつかの操作に適用され
る特定の条件は新規な特徴であり、その中のいくつかの
ものはそれ自体この発明に含まれる。この工程を実施す
るときの特定の仕方や操作の特定の組合わせによって、
インターフェロンに最適の精製法や濃縮法が得られ、か
つ工程中でのインターフェロンの損失が最小になったの
である。
KSCN沈澱法は、0.5M濃度のKSCN含有粗インターフェロン
のpHを、通常の3.5に低下させる代りに4.5に低下させて
行うのが好ましい。かようにすると、沈澱中の蛋白の量
はごく少量になり、その後の精製工程が容易になる。
ゲル濾過法は、25容量%のエチレングリコール、1モル
濃度のNaCl及びPBS(pH7.2)を含有する緩衝溶液で行わ
れる。その結果PBSを用いて低いpH(2.4)にするだけか
又は尿素を用いかつPBSでpH7.2とした場合よりも良好に
溶解することができた。特に10,000〜20,000ダルトンの
範囲の蛋白だけを含有する溶離液フラクションが集めら
れる。
リガンド アフィニティ クロマトグラフィは新規で極
めて有利な方法で行われ、この発明の一つの重要な態様
を構成するものである。
該リガンド アフィニティ クロマトグラフィは、リガ
ンドとして固定化シバクロン ブルーF3GAを用い、少な
くとも50,000〜100,000IFU/mg蛋白の特異性活性を有す
るインターフェロンについて、特定の条件下で行われ
る。インターフェロンのアフィニティ クロマトグラフ
ィ用のリガンドとしてシバクロン ブルー F3GAを用い
ることは当然技術分野では公知であったが、この発明に
よって、条件の特定の組合わせを用いるとこのリガンド
の選択度が著しく増大することが見出されたのである。
すなわち用いられるインターフェロンは、このタイプの
リガンドを用いる場合(このとき約3〜5×103IFU/mg
蛋白の比活性度の粗ヒト白血球インターフェロンが用い
られる)よりもはるかに高い比活性度すなわち少なくと
も50,000〜100,000IFU/mg蛋白の比活性度を有していな
ければならない。そしてインターフェロンをカラムに入
れるときの溶液は、pHが6.5〜8の範囲になければなら
ずイオン強度は特に10〜100の範囲を超えてはならず、
特にpHが7.2の20mMリン酸塩緩衝液が用いられる。この
ような比較的高い比活性度のインターフェロンが用いら
れる際は、リガンドの特異性が変化し、インターフェロ
ン蛋白がリガンドと選択的に結合する度合がより高くな
る。シバクロン F3GAは、インターフェロン蛋白と“ジ
ヌクレオチド ホウルド(dinucleotidefold)”の存在
を示すインターフェロン蛋白とある程度相互作用するも
のと信じられ、この相互作用において、ポリリボヌクレ
オチドと同じ結合部位を有するようである。上記で討論
されたごとき特別の臨界条件下でシバクロン F3GAが示
した特別の有利な性質は、このリガンドが属する部類の
他のリガンドも示すものと信じられる。それ故に、この
発明の一つの態様として、少なくとも50,000〜100,000I
FU/mg蛋白の比活性度を有するヒトLe型インターフェロ
ン蛋白含有水溶液、すなわちpHが6.5〜8に緩衝された
イオン強度は実質的に10〜100を超えずに特に20mMのリ
ン酸塩緩衝液が用いられpH7.2溶液に任意に5〜80%の
エタノールのごとき水混和性有機溶媒を加えた溶液を、
シバクロン F3GAによって与えられる機作にしたがって
インターフェロンと結合しうるマトリックス固定化リガ
ンド上に注入し、その後結合されたインターフェロンを
溶離することからなるヒト インターフェロンの精製法
が含まれる。
マトリックス固定化シバクロン F3GAの材料の例として
は、“ブルー デキストラン 2000(Blue Dextran 200
0)”(マトリックス:分子量200万のデキストラン)及
びブルー セファロース CL−6B(Blue Sepharose CL
−6B)が挙げられる。これらの材料と他の材料及び通常
のインターフェロン精製にこれらのものを用いる場合の
さらに詳細な事項は、Bollin et al.,Preparative Bioc
hemistry,8(4),259〜274(1978)に示されている。
この発明では、固定化シバクロン F3GA組成物として、
(CNBr−活性化セファロース4Bによって)セファロース
4Bにカップリングさせたブルーデキストラン2000を用い
るのが好ましい。
この発明によって、インターフェロンをこのタイプの固
定化リガンドから溶離する際、pH7.2に緩衝された0.6M
塩化ナトリウム溶液を用いると、極めて選択的に溶離さ
れることが見出されたのである。またこのpH7.2は用い
られるインターフェロン含有溶液についても好ましいpH
である。
第4図には、pH7.4の20mMリン酸塩緩衝液(PB)に対し
て透析し、部分的に精製したヒト白血球インターフェロ
ン(1ml,比活性度500,000IFU/mg蛋白)を、ブルーデキ
ストラン セファロース 4Bのカラムに負荷したときの
溶離パターンを示した。フラクションの大きさは5ml、
流速は35〜40ml/hであった。カラムは20mM PBで2時間
洗浄した後、0.2,0.4,0.6,0.8および1.0Mの塩化ナトリ
ウムのPB(pH7.4)溶液で段階的に溶離した。はじめに
負荷した液の定量結果は750,000IFUであったが、全溶出
液(I+II+III)には754,000IFU(30ml中)含有され
ていた。従って回収率は100%であった。液出液の比活
性度は2.1×107IFU/mg蛋白であり、精製係数は42であっ
た。溶出液をSDS PAGEで検査すると、殆んどの溶出蛋白
(>98%)は50,000ダルトン以上のところに現われる
(不純物)(第4図の供給液、洗浄液および溶出液のSD
S PAGEを示す第4a図参照)。上記のことから明らかなよ
うに、pH7.2に緩衝された0.6M塩化ナトリウム溶液がア
フィニティ カラムに対してもつとも好ましい溶離液で
あるけれどもさらに広い範囲の濃度を選択することがで
きることにも留意すべきである。そしてこの発明には、
0.5〜0.7モル特に0.5〜0.65モル濃度でpHが6。5〜8
に緩衝された塩化ナトリウム水溶液又はpHが6.5〜8に
緩衝されかつかような塩化ナトリウム溶液に相当するイ
オン強度を有する他の水溶液による溶離法が含まれる。
他の溶離液を用いることもこの発明の範囲に含まれる。
例として、アミノ酸類、人口アミノ酸類、アンホリン
類、蛋白類、蛋白混合物の濃度を50%まで段階的及び/
又は傾斜的に増大させた塩類及び/又はエチレングライ
コールを挙げることができる。上記のごとく、インター
フェロン溶液はアルコール特にエタノールのごとき水混
和性有機溶媒と共に用いてもよい。
この発明の一態様によってアフィニティ クロマトグラ
フィで精製されるインターフェロンの代表的なものは、
ヒトインターフェロン類(ヒト線維芽細胞インターフェ
ロン類は別として):すなわち例えばヒト白血球インタ
ーフェロン類、ヒト リンホブラストイド インターフ
ェロン類;及びヒトLe型インターフェロン蛋白類もしく
はこのインターフェロン蛋白生産のためのDNAコーディ
ングを有する微生物クーロンの培養によって得られるそ
の主要部分;のごときヒトLe型インターフェロン蛋白類
を含有するインターフェロンである。[ヒト リンホブ
ラストイド インターフェロン(ナマルバ)が小比率の
線維芽細胞特性のインターフェロン(F型−その生物学
的活性の15%に相当する)を含有するという事実は、ヒ
トリンホブラストイド インターフェロンが、その大部
分のインターフェロン活性に関してこの発明によって示
されたごとく、ヒト白血球インターフェロン蛋白類の決
定因子と同一の決定因子を有するヒトLe型インターフェ
ロン蛋白類(その生物学的活性の85%に相当する)を含
有する一つのヒトLe型インターフェロンであるという事
実を損うものではない。] アフィニティカラムに注入されるインターフェロン製剤
の比活性度として好ましいのは105〜106IFU/mg蛋白であ
り、例えば2×105〜106、約5×105、5×105〜106IFU
/mg蛋白である。
この発明の態様に従って操作されたアフィニティ クロ
マトグラフィカラムからの溶出液も治療用に興味ある生
成物である。この生成物は、純ヒトアルブミン血清を標
準に用いるロウリィ法(Lowryprocedure)基準で、30×
106〜108、例えば30×106〜70×106IFU/mg蛋白のごとき
少なくとも30×106IFU/mg蛋白の比活性度を有する場合
が多い。ヒトに投与するため、この製剤には、滅菌と発
熱物質が存在しないことを保証するための予防策のごと
き通常の製薬上の予防策がなされる。この製剤の投与量
は、全活性度基準で、純インターフェロンについて上記
した投与量に担当するものである。
“実験”の項で説明されるように、アフィニティ クロ
マトグラフィカラムからの溶出液は、純インターフェロ
ンに至る当初の実験では、抗体が部分的に精製されたヒ
ト白血球インターフェロンに対して生じた免疫グロブリ
ンである吸収抗体アフィニティカラムを通過させること
によって最終の精製がなされ、次いでマトリックス固定
化粗ヒト白血球インターフェロンのカラムを何回か通過
することによって混入した蛋白に対する抗体が除去され
る。下記の詳細な説明で明らかなように、粗インターフ
ェロンとマトリックス(例えばセファロース4Bのごと
き)との共有結合的結合は、インターフェロン自体の免
疫学的決定因子を破棄するが(98%以上)、大半の不純
物の決定因子を破壊しないことは明らかである。このこ
とは、部分的に精製された白血球インターフェロンに対
して生じた免疫グロブリンをカラムを通過(通常数回)
させると、その抗不純物がカラムに残留し、一方抗イン
ターフェロンはカラムを通過することを意味する。かよ
うな吸収された抗インターフェロン(数回吸収された)
はそのアフィニティ クロマトグラフィの後の抗体アフ
ィニティ クロマトグラフィに用いられる。
粗ヒト白血球インターフェロンの代りに、“インターフ
ェロン抗体アフィニティ クロマトグラフィ”特にこの
発明の単一特異性抗体を用いて行われるインターフェロ
ン抗体アフィニティ クロマトグラフィから得られる
“洗浄水”もこの目的に使用できるし、又はかような洗
浄水は粗ヒト白血球インターフェロンと共に用いること
もできる。またいくつかのインターフェロン抗体アフィ
ニティ クロマトグラフィから得られるすべての不純物
が集められ、これらの不純物は粗ヒト白血球インターフ
ェロンの代りかもしくは該インターフェロンと合して用
いることができる。
“実験”の項から明らかなように、アフィニティカラム
類すなわちブルー デキストラン セファロース カラ
ム及び抗体アフィニティ カラムの好ましい操作法は、
これら2つのカラムを連結し、ブルー デキストラン
カラムからの溶出液を同時に抗体アフィニティ カラム
に負荷する方法である。この方法はブルー デキストラ
ン カラムからの溶出液を別個に扱つたならば起こりう
る損失を防止する。
ヒトLe型インターフェロン蛋白の最後の濃縮工程には、
SDSで沈澱させることによつて蛋白を濃縮する独特の方
法が用いられる。この方法は、この発明のもう一つの態
様を構成するものであり、好ましくは0.1〜4重量%、
特に約0.1重量%のSDSを含有する蛋白溶液からSDS又は
その塩を沈澱させ、SDS又はその塩と該蛋白との一種又
は複数の錯体からなる沈澱を得、その沈澱を溶液から分
離し、好ましくは0〜4℃で遠心分離し、次いでその沈
澱を小容積の液体に再溶解することからなるものであ
る。このSDSを沈澱させるには、a)約15分間、温度を
0℃に低下させるか又はb)SDS又はSDS−蛋白錯体で沈
澱を形成する例えばカリウム塩のごとき塩を加えて行う
のが適切である。この方法は純粋又は精製されたインタ
ーフェロンの水溶液を濃縮する価値ある方法であり、上
記のごとく、ヒトLe型インターフェロン蛋白を濃縮する
優れた方法であることが見出されたのである。
この発明に従って行われる全精製系列は著しく活性度を
保持することが見出された。すなわち出発量が7×105
ガンマの蛋白から単離された純インターフェロンは1ガ
ンマ以下か1ガンマに等しいものであった(SDS PAGEの
蛋白のバンドを比較して測定)。しかし粗インターフェ
ロンの出発バッチから純インターフェロンに至るまでの
全インターフェロン活性度は4×106IFUから1.85×106I
FUに減少したに過ぎなかった(約50%)。このことはそ
の精製系列及び上記系列の重要な段階の独特な特性を強
調している。
材料及び方法 インターフェロンの分析は、公知の標準法[Berg K.,Se
quential Antibody Affinity Chromatography of Human
Leukocyte Interferon,Scand.J.Immunol.,77〜86(1
977),VERO細胞(猿の腎臓の細胞)及び攻撃性ウイルス
(challenge virus)として水胞性口内炎ウイルス(VS
V)を使用]に従って行われた。全インターフェロンの
単位(IFU)は国際参照単位(69/19B単位:MRC,mill Hil
l,U.K.から得た。)で表わされる。
インターフェロン:粗ヒト白血球インターフェロンはCa
ntellが記載のインターフェロン誘発因子としてセンダ
イウイルスを用いる方法((Cantell,K.,Hirvonen,S.,M
ogensen,K.E.and Pyhl,L.,Human Leukocyte Inter
feron:production,purification,stability and animal
experiments;Waymouth,C.,The Production and use of
Interferon for the Treatment and Prevention of Hu
man Virus Infections,PP35〜38;1973年レイク プラシ
ッドで開催されたTissue Culture Association Worksho
pの会報(生体外の部第3巻)及びメリーランド州ロッ
クビルのTissue Culture Associationの会報)で生産さ
れた。5×105IFU/mg蛋白の比活性度を有する一部分精
製されたインターフェロン(RIF)が、Cantell,K,Hirvo
nen,S.,Mogensen,K.E.and Pyhl,L.らが上記文献中
に記載のエタノールによる沈殿法で粗濃縮ヒト白血球イ
ンターフェロン(CIF)から得られた。
粗ナマルバ インターフェロンは、実質的にStranderら
が記載のインターフェロン誘発因子としてセンダイウイ
ルスを用いる方法(Production of human lymphoblasto
id interferon,J.Clin.Microbiol,116〜1249(197
5)]で製造された。
インターフェロン中和法:抗インターフェロンを測定す
るこの方法は、次の仕方でマイクロ−分析系で行っ
た。:2万VERO細胞/ウエルを100μlの媒体中に接種し
湿らしたキャビネット中5%CO2で保持した。2日目媒
体を該細胞から除去し、各ウエルに6〜8IFU/mlの濃度
のインターフェロンを含有する抗血清の希釈液(媒体で
の)の100μlを加えた(該血清とインターフェロンは
1時間、37℃で予め培養した)。3日目に媒体を除去
し、全ウエルに100μlVSV(媒体で10-3.5まで希釈)を
加えた。4日目に、CPE(細胞変性効果)が測定され
た。そして抗インターフェロン力価の測定のため終点と
して50%破壊試験が行われた。その力価は国際中和単位
(IFU−NU)/mlで表わされる。
PIFに対する非単一特異性抗インターフェロンが一部羊
又は一部うさぎを使ってMogensen,K.E.,Pyhl,Lisa
and Cantell,K.,Acta path.microbiol.scand.Sect.B,8
3443−450(1975)に従って製造された。羊抗インター
フェロンの力価は100〜25万IFU−NU/mlであった。うさ
ぎ抗インターフェロン製造のために、PIF(2×105IF
U)を2年間以上1週間毎にうさぎに対し皮下注射し
た。うさぎ抗インターフェロンの力価は、15,000〜30,0
00IFU−NU/mlであった。全免疫グロブリンは、50%硫酸
アンモニウムで沈殿させ次いで、pH7.2のリン酸塩緩衝
食塩水(PBS)に対し透析して単離された。
化学試薬類 CNBrはフルカ製(−20℃で貯蔵)を用い
た。電気泳動法用の特に純粋なドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)はBritish Drug House(BDH)を通じて購入し
た。ソヤビーン トリプシン阻害剤(STI)とL−リジ
ンはシグマ社から得た。セファロース4B、CNBr−活性化
セファロース4B、CH−活性化セファロース4B及びエポキ
シ活性化セファロース6Bは、すべてファーマシア社(デ
ンマーク)から購入した。
結合方法 免疫グロブリンとセファロース4Bとの共有結
合的な結合は、K.Bergが先にScnad.J.Immunolog.,,77
−86(1977)に記載したのと同じ方法でなされた。免疫
グロブリンの80〜85%のみがむらなく結合された。
蛋白の分析は、ロウリイ法の変形法[Berg K.,Sequenti
al Antibody Affinity Chromatography of Human Leuko
cyte Interferon,Scand.J.Immunol.,,77−86(197
7)]でなされ、(LKBCalculation Absorptioner Ultra
lab Systemを用い、)検出可能な最小量の蛋白が1〜2
μg/mlであった。結晶性の牛血清アルブミンを標準蛋白
として用いた。精製インターフェロンの蛋白濃度(全体
で1〜5μg)を測定するのに次の手法が採用された。
すなわち、SDSを最終的に0.1%の濃度まで添加し、これ
を蒸留水に対して透析した後凍結乾燥し蛋白の試料をさ
らにSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS PAG
E,後記参照)で試験した。染色した蛋白のバンドの強度
を種々の量の既知の標準と比較し(SDS PAGEによる;後
記参照)、蛋白の全量を算出したがその偏差は5〜10%
であり、蛋白の検出可能な最少量は0.1μg(全体で)
であった。この方法で得られる結果は、実測値というよ
りもラフな計算値として役立つものである。
アフィニティ クロマトグラフィは4℃で行われた。そ
のゲル懸濁液は、カラムに充填する前に脱ガスされた。
充填は蠕動ポンプを用い、充填用緩衝液のカラム溶液の
3〜5倍量で洗浄して行われた。ターフェロン滴定用の
試料(100μl)は、プール又は個々のフラクションか
ら採用されその日に滴定するか又はプラスチック管に入
れて凍結(−20℃)しその後滴定した。希釈は媒体(10
%小牛血清含有)でなされた。
抗体アフィニティ クロマトグラフィは、特にBergが記
載した方法で行われた[Sequential Antibody Afinity
Chromatography of Human Leukocyte Interferon,Scan
d.J.Immunol.,,77−86(1977)]。充填緩衝液として
0.1M NaOA/0.3MNaCl,pH7.2(流速40ml/h)が用いられ
た。段階的溶離は、少量のクエン酸(pHを額実に2.4に
保持するに足る)含有の0.1M HOAc/0.3m NaClで行われ
た。カラムを使用しない際は、ペニシリン、ストレプト
マイシン、ゲンタマイシン及びクロラムフェニコール
(各1%)含有のPBS 1M NaCl中4℃で保管した。カラ
ムを精製を目的として使用する前は、最初に100mlの充
填用緩衝液で次いで溶離緩衝液で洗浄し、最後に20〜30
mlの充填用緩衝液で平衡にさせた。この洗浄サイクル
は、特に107IFU/mg蛋白以上の比活性度のインターフェ
ロンを処理するとき、“天然”の蛋白を避けるのに必要
であった。インターフェロン溶出液を集めるのに用いた
プラスチック管は1%SDSの100μlで予め濡らしておい
た。
SDS PAGE精製、濃縮されたインターフェロン製剤は、そ
のポリペプチド成分を、20cm長の分離ゲル、0.75mm厚
(ビオラッド221型:2重垂直平板ゲル電気泳動セル)及
び7〜10cm長のスタッキング ゲル(Stacking gol)を
用いるSDS PAGE平板ゲルで分析された。約9〜22%ポリ
アクリルアミドの指数勾配のゲルは、Knight,E.,Interf
eron:Purification and initial characterization fro
m human diploid cells.Proc.natn.Acad.Sci.USA73520
〜523(1976)に記載のごとく、11mlの22%アクリルア
ミド溶液と約32mlの9%溶液とを簡単な氷冷勾配器中で
混合して作製された。Laenomli記載の非連続緩衝液系
[Laenomli,U.K.Cleavage of Structural Proteins Dur
ing Assembiy of the Head of Bacteriophage T4,Natur
e227,680〜685(1970)]が用いられた。このゲルは予
め2時間冷却(10℃)しておいてから電気泳動分析法に
付されるが、10mA(約20V)で開始され、一定条件下(L
KB電源)一夜(10℃)行われた。分析試料は、トラッキ
ング染料を含有しSDSが2.5%、グルコースが5%の0.1M
トリス−塩酸緩衝液(pH6.8)に溶解(又は希釈)され
た(試料緩衝液)。そのゲルは、コマシイ ブルー(Co
massie Blue,50%メタノール、40%水及び10%酢酸混合
物中1.25mg/ml)にて、予め固定処理することないに、1
5分間、室温下、一定揺動下で染色し、次いで7%酢酸
(5%メタノール)中で脱色した。ゲルは良質の紙[例
えば、ワットマン クロマトグラフィ紙(17mm)]上
で、加熱減圧下、ゲル乾燥機(ビオ ラッド,ゲル平板
乾燥機224型)を用いて乾燥された。5種の異ったモレ
キュラーマーカーの0.1μg〜10μg/20μg溶液[ラク
トアルブミン(14,400ダルトン);ソヤビーン トリプ
シン阻害剤(20,100ダルトン):炭酸脱水酵素(30,000
ダルトン);オバルブミン(43,000ダルトン);牛血清
アルブミン(67,000ダルトン);ホスホリラーゼ(94,0
00ダルトン)(デンマーク,ファーマシヤ社の電気泳動
法用校正キットとして入手)]をSDS PAGEに付し、染色
した。この方法で決定された分子量は約±200ダルトン
の実験精度であることに留意すべきである。
染色蛋白のバンドが精製インターフェロン製剤の平行し
たSDS PAGEから得られた対応するバンドと比較され、イ
ンターフェロン蛋白の全濃度が評価された。SDS PAGEか
ら生物学的プロフィルを得るため、インターフェロン測
定用のゲルの一部を残りのゲルから切り取り、ガラス板
上4℃で(しめらせた箱内)に保管した。そのゲルの主
要部は15分間染色し、3〜5分間脱色すると、弱いバン
ドがブルー色をバックグランドとして明確に見えるよう
になり、14,000ダルトンと30,000ダルトンに対応する蛋
白のバンドの正確な位置を決定することができた。その
ゲルの染色しなかった部分、すなわち14,000ダルトンと
30,000ダルトンとの間の蛋白だけを含有している部分を
切り取り、鋭利なナイフで1mm片に細切した。これらの
切片をテフロンロッドで完全に細かくくだいた後0.1M S
DSの0.5mlで溶離してこれらの切片のインターフェロン
が得られた。室温で5時間振動させた後、上澄液のイン
ターフェロン活性を測定した。個々のフラクショは添加
物を加えずに−20℃で凍結した。
実験 純ヒト白血球インターフェロン蛋白及びリンホブラスト
イドインターフェロン蛋白の製造 粗ヒト白血球インターフェロンの濃縮 3lの粗ヒト白血球インターフェロンに、pH7.2でKSCNを
0.5M濃度まで加えた。マグネチックスタラーで撹拌しな
がら1規定の塩酸を加えてpH4.5まで下げてインターフ
ェロン(と不純物)を含有する蛋白の沈殿を得た。この
沈殿を、1M NaClと25容量%のエチレングリコール含有
のPBS(リン酸塩溶液で緩衝された塩水,pH7.2)150ml中
に溶解し、4℃で2lの同じ緩衝液に対して3回充分透析
を行った。この濃縮された粗ヒト白血球インターフェロ
ン(HuLeCIF)の比活性度は5〜10×103IFU/mg蛋白であ
り、回収率は約98%であった。
粗ナマルバインターフェロンの濃縮 約8,000IFU/mlの力価を有する1のナマルバインター
フェロンに、pH7.2でKSCNを0.5M濃度まで加えた。マグ
ネチックスタラーで撹拌しながら1規定の塩酸を加えて
pH4.5まで下げ、インターフェロン(と不順物)を含有
する蛋白の沈殿を得た。その沈殿を1M NaClと25容量%
のエチレングリコール含有のPBS(pH7.2)50ml中に溶解
し、4℃で2lの同じ緩衝液に対し3回充分に透析を行っ
た。この濃縮された粗ナマルバインターフェロン(NaCI
F)の比活性度は10〜12×103IFU/mg蛋白であり、回収率
は約98%であった。
ゲル濾過 100cm長のカラム(直径2.6cm,ファーマシヤK2.6×100)
に、4℃で1M NaClと25容量%のエチレングリコール含
有のPBS(pH7.2)中にウルトロゲル(Ultrogel)AcA5/4
(LKB,デンマーク)を充填した。そのカラムをその3倍
容量の緩衝液で洗い、カラムを安定化させた。10〜15ml
のHuLeCIF(エチレングリコール濃度が25容量%で1M Na
ClのpH7.4のPBS中で前記のごとく調製したもの)をカラ
ムに充填し、次いでそのカラムを上記の充填用緩衝液で
“溶離”し、各フラクションのインターフェロン活性を
分析した。そのインターフェロン含有フラクションを合
し、原インターフェロン活性度の約95%を回収した。ゲ
ル濾過したヒト白血球インターフェロン含有溶出液の比
活性度はほぼ106IFU/mg蛋白であった。これは200の精製
係数に相当する。モレキュラーマーカーで測定すると、
そのインターフェロンの分子量は10,000〜20,000ダルト
ンの範囲にある。個々のフラクションを測定すると18,0
00ダルトンの位置に極大値を示すブロードなどピークを
一つだけを示した。
上記同じ仕方で、10mlのNaCIF(エチレングリコール濃
度が25容量%でNaCl濃度が1MでありpH7.4のPBS中で前記
のごとく調製されたもの)をカラムに充填し、次いで前
記と同じ仕方で“溶離”を行った。回収率は約90%であ
った。このゲル濾過されたナマルバインターフェロン含
有溶出液の比活性度は、ほぼ106IFU/mg蛋白で、これは
精製係数100に相当する。モレキュラーマーカーで測定
するとこのインターフェロンの分子量は10,000〜20,000
ダルトンの範囲にある。個々のフラクションを滴定する
と18,000ダルトンの位置に極大値を示す一つのブロード
なピークを示した。
HuLeCIFとNaCIFの上記ゲル濾過操作についてのそれぞれ
のゲル濾過曲線を第5図及び第6図に示した。そして
“HULEIF"はヒト白血球インターフェロンを示し、一方
“NALYIF"はナマルバ(リンホブラストイド)インター
フェロンを示す。そのインターフェロン活性は蛋白の主
要部分から有効に分離されていることが明確に認められ
る。
ブルーデキストラン クロマトグラフィ 上記のようにして得られた、ゲル濾過されたヒト白血球
インターフェロン溶液を、4℃、pH7.2の20mMPBの200倍
容量に対して徹底的に透析を行った。この透析を2回行
い、全透析時間は約24時間であった。この透析された溶
液(25ml,1.8×106IFU)をブルーデキストラン−セファ
ロース4Bのカラムに充填した。そのカラムの直径は1cm
で長さは10cmであった。このカラムは、pH7.4の20mMPB
(リン酸塩緩衝液)の200〜300mlで予め洗浄した。透析
されたインターフェロン調製試料をその平衡化されたカ
ラムに入れ、次いでカラムを75mlのPBで洗浄した。その
洗浄液には4,500IFUの活性度が認められた。そのカラム
を0.6M NaCl,20mM PB(pH7.2)で溶離し、インターフェ
ロン活性の95%以上を6mlの溶出液中に回収した(イン
ターフェロン滴定により測定)。
正確に同じ方法で、上記ゲル濾過ナマルバインターフェ
ロン溶液を徹底的に透析に付した後、ブルーデキストラ
ン クロマトグラフィに付した。ブルーデキストラン
クロマトグラフィに供給したものの力価は16,000IFUで
あり、その洗浄後50mlの力価は70,000IFUであった。溶
出液は0.6M NaClpH7.2のPBによる溶離によって得られ
た。ナマルバインターフェロンのブルーデキストラン
クロマトグラフィを第7図に示した。ナマルバインター
フェロンの線維芽細胞部は、上記条件下このカラムは溶
離されなかった。しかしエチレングリコール濃度が25
%、1M NaClのpH7.2のPBを用いれば溶離されるであろ
う。
上記ブルーデキストランカラムは、臭化シアンで活性化
されたアガロース(セファロース4B)にカップリングさ
れたブルーデキストラン(分子量200万のデキストラン
2,000に固定化されたシバクロンブルーF3GA)のカラム
であった。従って、そのカラムのより完全な名称はブル
ーデキストラン−セファロース4Bである。この種のカラ
ムはBollinらの前記文献に記載されている。溶離した
後、そのカラムを、エチレングリコール濃度が25%、Na
Cl濃度が1.5M及びリン酸塩濃度が20mMのPBの25〜30mlで
溶離することによって洗浄した。このカラムを使用しな
い際は、4℃でこの緩衝液中に保存された。上記のごと
く、カラムへの負荷条件には種々な量(0〜50%)のア
ルコール類のごとき疎水性試薬を使用することも含まれ
る。
ブルーデキストラン クロマトグラフィから0.6M NaCl
で溶離されたものは、ヒト白血球インターフェロン及び
ナマルバインターフェロンの両者について、70×106IFU
/mg蛋白の比活性度を示す。従ってこれらのインターフ
ェロンは治療を目的としてヒトに非経口投与しうるもの
であり、この点については通常用いられるPIF製剤より
もはるかに高純度の製剤である。この用途に用いるた
め、この溶出液は上記のごとき生理学的に受容な安定
剤、例えば1%のヒトアルブミンで安定化される。
さらに精製し純インターフェロンを製造するため、ブル
ーデキストランカラムから得られた溶出液は、抗体アフ
ィニティ クロマトグラフィ カラムに直接移される。
最も有利なのは、抗体アフィニティ クロマトグラフィ
カラムを、下記のように“タンデムシステム”でブル
ーデキストラン カラムと連結することである。
タンデム アフィニティ クロマトグラフィ 上記のようにしてブルーデキストラン カラムを溶離す
るのに代って、溶離を行う前にブルーデキストラン カ
ラムの出口と抗体カラムの入口とを結合することによっ
てブルーデキストラン カラムと平衡化された抗体カラ
ムとが連結される。この方法ではブルーデキストラン
カラムからの溶出液は直ちに抗体カラムによって“キャ
ッチ”される。この組合わせは、0.6M NaCl,20mM PB,pH
7.2の溶離条件が抗体カラムの負荷条件として用いうる
という事実を利用するものである。20mlの溶出液/“負
荷緩衝液”(この“負荷緩衝液”は、もちろん同時にブ
ルーデキストラン カラムから溶離されたインターフェ
ロンを含有している)を用いて溶離/負荷を行った後、
この2つのカラムをはずし、次いで抗体カラムを上記の
ごとく溶離する前にさらに洗浄する。抗体カラムからの
ヒト白血球インターフェロン溶出液109IFU/mg蛋白以上
の比活性度(上記測定法による)を示す純インターフェ
ロン蛋白を含有する。純インターフェロン蛋白を安定化
するには、抗体カラムからの溶出液を集める管(フラク
ションサイズ2ml)を各々10μlの1% SDSで予め濡ら
しておいた。インターフェロン含有溶出液をプールした
後、追加のSDSを全濃度を0.1重量%まで加えた。
プールされ、0.1%SDSで安定化されたインターフェロン
含有溶出液は、氷浴中で0℃に予め冷却された20mlのス
テンレス鋼製管に移される。15分後、沈殿が生成する。
この沈殿を4℃で20分間20,000rpmの遠心分離法で分離
される。上澄液(インターフェロン活性なし)を排棄
し、沈殿を4mlの8M尿素溶液に再溶解し、8ml容量、10,0
00分子量カットのミリポア濃縮セル(Millipore concen
tration cell)に移され、室温で約100μlまで濃縮さ
れる。その後この濃縮物に4lの4M尿素溶液(p.a.)を加
え、その溶液を室温で約100μlまで濃縮した。1〜3ml
の蒸留水を加え、その溶液を再度20μl容量まで濃縮
し、次いで20μlのSDS試料電気泳動緩衝液と混合し
た。得られた溶液の20μlを下記の“SDS PAGE"の項に
記載の特性決定に用いた。
上記の抗体アフィニティ クロマトグラフィカラムは、
次のようにして吸収された非単一特異性抗−PIFを用い
る“結合手法”にしたがって作製された。すなわち全量
で106IFU−NUの抗インターフェロン免疫グロブリン(4
μmの羊抗インターフェロン血清に相当)をヒト血清が
結合されたセファロース4Bの150mlカラムに3回吸収さ
せ、次いでCIF−エポキシセファロースカラムに4回吸
収させ次いで下記“抗インターフェロンの吸収”の項と
Scand.Immunol.,429−436(1978)とに記載のCIF CH
で活性化されたセファロース4Bに2回吸収させた。免疫
グロブリンは、最終的にはポリ−L−リジン−セファロ
ース カラムに1回吸収させ、次いでソヤビーン トリ
プシン阻害剤−セファロース カラムに2回吸収させ
た。
ナマルバ インターフェロンのブルーデキストラン ク
ロマトグラフィからの溶出液を2分した。その一方を下
記のSDS PAGE電気泳動法に用いた。250,000IFUのもの
を、前記の吸収させた抗体カラムに負荷して結果を第8
図に示した。洗浄水中にはインターフェロンは全く認め
られなかった。インターフェロンは、通常どおりpHを2.
4に下げて溶離され、235,000IFU(0.1%SDSの存在下で
収集)が回収された。この溶出液を上記のようにして濃
縮しさらにSDS PAGEで試験した。
SDS PAGE SDS PAGE電気泳動法は前記“原料及び方法”の項に記載
したのと同様にして行った。純ヒト白血球インターフェ
ロン蛋白の電気泳動法による染色スラブを第1図に示し
た。第2図は、他の実験で得た染色スラブと染色してい
ない平行したゲルストリップから溶離した対応するイン
ターフェロン活性とを図式的に示したものである。この
2つの図から、この2つの実験間のすぐれた再現性は明
らかであり、20,100と20,180との差は実験精度の範囲内
である。前記のごとく、その生物学的ピークは正確にそ
れら蛋白類と一致している。第1図から、そのインター
フェロン製剤が完全に純品であることはSDS PAGEによっ
て明らかである。他の蛋白のバンドは全く認められな
い。
第9図に、純ナマルバインダーフェロン蛋白類(A)と
ブルーデキストランカラムから得た溶出液(B)のそれ
ぞれのSDS PAGE(0.9×106IFU負荷)から得た染色スラ
ブを示す。第1図と比較すると、純ナマルバインダーフ
ェロンのバンドは、同量用いた純ヒト白血球インターフ
ェロンのバンドと本質的に一致していることが分かるで
あろう。
インターフェロンに対し指向された活性を有するハイブ
リドマ細胞の決定 2月令の3匹のバルブ/C(Balb/C)マウスを次のような
方法でヒト白血球インターフェロンで免疫にされた。
第1回の注射(40,000IFU)を各マウスの背中の皮下に
行った。毎週70,000IFUを皮下注射して免疫化を続け
た。最終の注射は静脈注射がなされ、No.1のマウスには
9週目に、No.2及び3のマウスには10週目にそれぞれ行
われた。
抗インターフェロンの生成は、マウスから得た血清試料
について、インターフェロン中和試験法を用いて測定し
た。インターフェロン中和試験を実験室内にチェックす
るため、内部抗インターフェロンIgG製剤(部分的に精
製されたヒト白血球インターフェロン製剤をうさぎに注
射することによって生ずる)が通常含まれていた。マウ
スから得た血清試料は、はじめの6週間、抗インターフ
ェロン活性を全く示さなかったがその後に顕著なインタ
ーフェロン活性が見出された。
第1表 IFU−NU/ml マウス番号 7週目 8週目 9週目 10週目 1 160 160 120 − 2 200 1280 25001200〜2500 3 80 40 40 5〜10 最後の注射をしてから2〜4日後に、マウスの背中を切
開して殺し、その脾臓を殺菌条件下に取出した。各脾臓
をPBS中で均質化した後、その均質化された細胞の懸濁
液を遠心分離管に移し、4℃で5分間、170Gで遠心分離
した。その細胞をPBS中に再び懸濁させ2回目の遠心分
離を行った後、血清を含まないDMEM(約0.5ml/脾臓)中
に再び懸濁させた。細胞の全量は、No.1マウスでは1
08、No.2とNo.3マウスはいずれも0.8×108であった。そ
の生育性(Viability)は約85〜90%であった。
下記の方法でポリエチレングリコールで処理することに
よって、各マウスから得た脾臓細胞懸濁液を、次のよう
なしかたで107のX63Ag8(HPRT−)骨髄腫細胞(myeloma
cell)と融合させた。すなわち108のマウス脾臓細胞と
1078−アザグアニン−耐性骨髄腫細胞(X63Ag8;NSI/1A
g4−1;SP2/0−Ag14)とを、50mlのコニカル プラスチ
ック遠心分離管(ファルコン2070)に入れた混合した。
この分離管を血清を含まないDMEMで満たし、4℃で10分
間、170〜200Gで遠心分離した。上澄液を注意深く除去
し、次いで37℃において、温度が37℃の50%ポリエチレ
ングルコール溶液の0.7mlを、ゆるやかに回転しながら
1分間かけて滴下して加えた。37℃で90秒間保温した
後、温かい血清を含まぬDMEMの15mlをきわめてゆっくり
添加した(1〜2分間で)。その後、その混合物を10分
間200Gで遠心分離し、その細胞ペレットをコスター ト
レイ(Costar tray)に接種するため50mlの完全DMEM−F
CS中に懸濁させた。
各融合物から得た、1mlづつの48個の培養物をコスター
トレイに接種した(2つのトレイ×24孔/脾臓=48培
養物/マウス)。10〜15日後、No.1マウスの21個の培養
物に生育が認められ、No.2マウスの培養物については生
育が認められず、No.3マウスについては(さらに接種し
た後)150培養物に生育が認められた。
細胞を、コスタートレイのようにマクロファージの“フ
ィーダー層”を有する25ml NUNC瓶中の5mlの培養部中に
移した。培地の取替え時、上澄液が得られ、これらの濃
厚な培養物から得た細胞を液体窒素中で凍結した。
No.1マウスから得た個々の培養物の上澄液について、イ
ンターフェロン中和試験法を用いて陽性クローンの検出
を行った。この方法によって、一つの陽性クローンが、
非常に低い力価(約2〜3IFU−NU/ml)であるのが見出
された。
純インターフェロン蛋白(SDS PAGEによって純粋である
とされた)による抗インターフェロンの生産 SDS PAGEによって特徴づけられる、前記タンデム アフ
ィニティ クロマトグラフィから得られた溶出液を次に
示すように、うさぎの免疫に使用した。
約106IFU単位のものを約1mlに濃縮し、PBSに対し10℃で
一夜透析した。2匹のうさぎに、それぞれ、この方法で
作製した106IFUのものを皮下注射した。
この注射を2週間毎に繰返し、抗体の生成は下記第2表
から明らかである。
SDS PAGEから切り取った純染色インターフェロン蛋白に
よる抗インターフェロンの生産 免疫化は、本願明細書第27頁第5行〜第28頁第13行目に
記載の、インターフェロンの個々の種に対する抗体の生
産方法にしたがい、直接、免疫抗原性の製剤として、細
切されたインターフェロンを含有し(及び部分的に洗浄
され脱色された)ゲル懸濁液を用いて行った。
No.3のうさぎを18,400±200ダルトン種で免疫にし、他
のNo.4のうさぎは20,100±200ダルトン種で免疫にした
(15週後に死亡)。第3表に示すごとくよい結果が得ら
れた。
18,400ダルトン種の20,100ダルトン種に対する抗原性及
びその逆の抗原性 上記二つの種の抗原決定因子が同一であることを示すた
めに、下記の交差中和実験を行った。
インターフェロン蛋白を、前記方法によって、18,400±
200ダルトン種のSDS PAGEバンドと20,100±200ダルトン
種のSDS PAGEとから溶離し、次いでこの2つの種の5〜
10IFUを含有する溶液を作製した。この2つの種からの
抗インターフェロン溶液は前記のようにしてうさぎ中で
作製され、合計20IFU/NU/ml含有するように希釈した。1
0IFUの18,400ダルトンのインターフェロン種と10IFUの2
0,100ダルトンのインターフェロン種をそれぞれ含有す
る純インターフェロン種の1mlづつに、18,400ダルトン
種の抗インターフェロンの溶液1mlと20,100ダルトン種
の抗インターフェロンの容器1mlを可能なすべての組合
わせでそれぞれ混合した。すなわち各々の種の抗インタ
ーフェロンは別々に、両者の種のインターフェロンと混
合した。37℃で1時間後、残っているインターフェロン
活性を通常のインターフェロン滴定法で測定した(前記
“原料と方法”の項参照)。いずれもインターフェロン
活性は見出されなかった。すなわち18,400±200ダルト
ン種と20,100±200ダルトン種のそれぞれに、抗−18,40
0±200ダルトン種と抗−20,100±200ダルトン種をそれ
ぞれ別個に混合するかまたこれとは逆に該抗インターフ
ェロンを混合するとインターフェロンは検出されなかっ
た。換言すれば完全中和が起ったのである。それ故に、
この2のインターフェロン種は同一の抗原決定因子を示
していると結論することができる。このことは、抗18,4
00±200ダルトン種が両インターフェロン種を精製用の
単一特異性抗体として使用しうること、また抗−20,100
±200ダルトン種及びこの2つの種の混合物についても
同様であることを意味する。同じ仕方で行った他の実験
は、6つの生物学的ピークの各々が、2つの主要な種に
対して生じた各抗血清によって完全に中和されるという
ことを示した。
ナマルバ SDS PAGEから単離された2つの主要な種が同
様の結果を与えるだろうということ、換言すればこの2
つの主要な種も交差反応を行い、抗原性についてはHuLe
IFと同一であることを示すであろうということが分かる
(抗原性及び分子量については、HuLeIF18,400±200と
ナマルバ18,400±200並びにHuLeIF20,100±200とナマル
バ200,100±200はそれぞれ同一である)。
純インターフェロン蛋白の生物学的効力 抗ウイルス活性 第3図に示した6つの染色された蛋白のバンドの各々に
ついて抗ウイルス活性を測定した。ゲルを2つのスロッ
トに充填し両者とも染色した。1つのスロットの染色さ
れたバンドを第3図のAに示した。他方のスロットは短
時間脱色し(50%メタノール、45%H2O2、5%酢酸中
で)、湿潤ゲル中のインターフェロン蛋白の正確な位置
を記録し、そのゲルを水で洗い、その後第3図Bに示し
たごとくスライスした。ゲルスライスの番号を第3図の
Cに示した。また、各インターフェロン蛋白バンドを、
隣接するものと混合することなく、ゲルから正確に切り
取った。各スライスを“原料及び方法”の項に記載した
のと同じ方法で溶離し、“原料及び方法”の項に記載の
通常のインターフェロン滴定法を用いその生物学的プロ
ファイルを第3図に示した。SDS PAGEから切り取って溶
離された6つの種の各々の中和活性を抗白血球インター
フェロンに対して調べたがすべての種が同じ抗血清によ
って完全に中和されることが見出された。第3図のイン
ターフェロンの回収率が、予め染色せずに行う通常の
“SDS PAGE溶離”(18,400±200ダルトン種を除く)と
比べてむしろ低かった(20%)ということは、ほとんど
のインターフェロン種の生物学的活性は、抗原性と比べ
て選択的に破壊されたということを示している。抗白血
球インターフェロンに対する中和試験において、“第3
図から溶離された”インターフェロン蛋白は、天然の
(粗)ヒト白血球インターフェロンよりも、インターフ
ェロン活性基準で計算して3〜5倍も有効に抗白血球イ
ンターフェロンを中和することができた。このことは生
物学的活性に応答しうる決定因子が選択的に破壊される
ことを示している。
非−抗ウイルス効力 純ヒト白血球インターフェロン種の非−抗ウイルス効力
を3つの系で調べた。
1)抗細胞活性 純インターフェロン蛋白の抗細胞活性は、第2図に示し
たSDS PAGE溶離フラクションから得られた純インターフ
ェロン蛋白の1:1000希釈物(媒体中)と共にダウデイ細
胞(Daudi cells)を培養し、インターフェロンなしの
対照と比べながらトリチウム放射性標識チミジン[I.He
ron and K.Berg.The actions of interferon are poten
tiated at elevated temperature,Nature,274508〜510
(1978)]が相対的に低下するのを確認することによっ
て研究された(第2図上部の“%G−I"は発育阻止%を
示す)。明らかなように、その“抗細胞曲線”は抗ウイ
ルス曲線の顕著に追随している。このとことは、純粋の
天然のヒト白血球インターフェロンの5つの種がすべて
抗ウイルス活性と抗細胞活性との両方を有することを立
証したのである。それぞれの“抗細胞性のピーク”は
“インターフェロンピーク”の対応する大きさと直線的
には変化しない。このことは多分ダウデイ細胞系の感受
性を反映している[J.Hilfenhaus,H.Damm,H.E.Karges a
nd K.E.Manthey,Growth inhibition of human lymphobl
astoid Daudi cells in vitro by interferon preparat
ions,Arch.Virol.51,87−97(1976)]。19,500ダルト
ンにおける小さなインターフェロンピークはその抗細胞
曲線に対応するピークを生じなかった。しかし、希釈度
が10倍低い場合(1:100)、抗細胞性活性の小さいが顕
著なピークが観察された(記載せず)。
2)リンパ球及び単核細胞上の主要組織適合性抗原(MH
C)の発現(expression)。
β−系MHC(主要組織適合性抗原)の圧出が選択的に増
加することは、[I.Heron,M.Hokland & K.Berg(197
8),“Enhanced expression of β2 microglobulin an
d HLA on human lymphoid cells by interferon",Proc.
Natl.Acad.Sci.75:6215−6222(PNAS 75として下記に引
用)]に記載のごとく部分的精製ヒト白血球インターフ
ェロンを用いて観察された。2つの主要なヒト白血球イ
ンターフェロン種(18,400及び20,100ダルトン,第1図
参照)は各々、約100IFU/ml培地の量で測定した。上記
の効力は、これらの純粋な分子種を用いて見出された
が、一方抗ウイルス活性が記録された領域以外のゲルス
ライスの溶出液は何ら効力を示さなかった。かくして、
リンパ球細胞へのMHC抗原の圧出を選択的に増大させる
効力はこのインターフェロン分子固有の特性であること
が立証されたのである。
3)ナチュラルキラー細胞系(NK系)の強化作用 第10図は抗ウイルス性プロファイルを示す(第2図に関
連して記載したのと同じ仕方でSDS PAGEで測定)。その
ゲルから得た種の各々について、そのNK強化活性はPNAS
75に記載の方法を用いて測定した。図10中、横軸はゲル
上の位置(cm)を示し、その横軸の下の縦線は、上の段
が主要なピークの位置、下の段が主要なピークとマイナ
ーピークの位置を示している。また、図10中のNKは、ナ
チュラルキラー(NK)活性(ナチュラルキラー細胞によ
る腫瘍溶解活性)を示している。下方の曲線に示された
抗ウイルス活性を有するフラクションは、上方の曲線に
示されたような増大したナチュラルキラー(NK)活性を
示した。一方“ベースライン”のフラクションは増大し
たNKを与えなかった。1本の矢印は食塩水だけの消極的
な対照例を示し、2本の矢印は、積極的な対照例として
用いた部分精製ヒト白血球インターフェロン(PIF)を
示している。約100IFUの抗ウイルス単位の各インターフ
ェロン製剤をml当り添加した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で得られたインターフェロン蛋白の電
気泳動法による染色スラブを示す平面図、第2図は同じ
く、染色スラブと染色していない平行したゲルストリッ
プから溶離した対応するインターフェロン活性を示すグ
ラフ図、第3図は、同じく染色された蛋白のバンドを示
すグラフ図、第4図は、ヒト白血球インターフェロンの
溶離パターンを例示するグラフ図、第4a図は同じく溶出
液のSDS PAGEを示す平面図、第5図及び第6図は、実施
例のインターフェロンのゲル濾過曲線を示すグラフ図、
第7図は、ナマルバインターフェロンのブルーデキスト
ランクロマトグラフを例示するグラフ図、第8図は、同
じくブルーデキストランクロマトグラムの画分の電気泳
動による分離グラフ図、第9図は、純ナマルバインター
フェロン蛋白類(A)とその溶出液(B)から得た染色
スラブを示す平面図、第10図は、抗ウイルス性のプロフ
ァイルを示すグラフ図である。
フロントページの続き (56)参考文献 Virology,Vol.92(No. 2),P.324〜330(1979) Tex.Rep・Brol・Med., Vol.35,P.187〜192(1977) Scand.J.Immunnol., Vol.8(No.5),P.429−436 (1978) Scand.J.Immunnol., Vol.6(No.1−2),P.77−86 (1977) Byull・Ehsp・Biol・Me d.,Vol.86(No.11),P.561 −563(1978) Imfect・Imman.,Vol. 19(No.2),P.570−574(1978) J.Gem.Virol.,Vol.38 (No.1),P.51−60(1977) J.Gem.Virol.,Vol.35 (No.2),P.341−351(1977) J.Biol・Chem.,Vol. 251(No.16),P.4810−4816(1976) J.Immunol.Vol.114(N o.2−pt1),P.640−644(1975)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウム ドデシルスルフアート ポリ
    アクリルアミド傾斜電気泳動(SDS PAGE)染色条件下0.
    9×106IFUの全インターフェロン負荷で、18,400と20,10
    0ダルトンに抗ウィルス性インターフェロン活性を有す
    る2つの主要なシヤープな染色蛋白バンド、20,300と2
    0,400ダルトンの間に抗ウィルス性インターフェロン活
    性を有する次位の染色蛋白バンド、並びに19,500、21,1
    30及び23,440ダルトンに抗ウィルス性の小さなピークを
    示し(但し、上記ダルトン分子量の実験精度は±200ダ
    ルトンである)、該SDS PAGEアクリルアミド グラジエ
    ントが本質的に染色インターフェロン蛋白のみであるヒ
    トLe型インターフェロン蛋白の免疫学的決定子を認識す
    る、マトリックスに固定化されているか又は固定化され
    ていない抗体。
  2. 【請求項2】ナトリウム ドデシルスルファート ポリ
    アクリルアミド傾斜電気泳動染色条件下3.8×106IFUの
    全インターフェロン負荷で、抗ウィルス性インターフェ
    ロン活性を有する6つの染色蛋白バンド、すなわち18,4
    10と20,180ダルトンに強いバンド、20,420ダルトンに中
    程度の強いバンド、及び19,500、21,130と23,440ダルト
    ンに見える程度のバンド(ダルトン分子量の実験精度は
    ±200ダルトン)を示し、抗ウイルス性インターフェロ
    ン活性のピークは正確に染色蛋白バンドに一致し、かつ
    該SDS PAGE アクリルアミド グラジエントが本質的に
    染色インターフェロン蛋白のみであるヒトLe型インター
    フェロン蛋白の免疫学的決定子を認識することを更に特
    徴とする請求の範囲第1項記載の抗体。
  3. 【請求項3】ヒトLe型インターフェロン蛋白が、請求の
    範囲第1又は2項記載の蛋白の成分である抗ウィルス性
    インターフェロン活性を有する蛋白の何れか1つ又は混
    合物である請求の範囲1又は2記載の抗体。
  4. 【請求項4】免疫しうる動物を、18,400±200ダルトン
    もしくは20,100±200ダルトン又はこれらの組合せであ
    る請求の範囲第1または2項記載の蛋白のヒトLe型イン
    ターフェロン蛋白成分で免疫して得られる請求の範囲第
    3項記載の抗体。
  5. 【請求項5】マトリックスへの固定化が共有結合により
    されている請求の範囲第1項記載の抗体。
  6. 【請求項6】マトリックスがセファロース4Bのような架
    橋アガロースである請求の範囲第1又は5項記載の抗
    体。
  7. 【請求項7】蛋白分解性酵素活性を減少すべく処理され
    た請求の範囲第1〜6項の何れかに記載の固定化された
    抗体。
  8. 【請求項8】酵素阻害剤又は酵素破壊剤で処理されてな
    る請求の範囲第7項記載の抗体。
  9. 【請求項9】酵素阻害剤又は酵素破壊剤での処理が、マ
    トリックスに固定化された酵素阻害剤又は酵素破壊剤で
    行われる請求の範囲8記載の抗体。
  10. 【請求項10】マトリックスに共有結合させる前に、マ
    トリックスに固定化されたポリL−リジン及び/又は大
    豆トリプシン阻害剤及び/又はカリクレイン不活性化剤
    のカラムを通過される請求の範囲第9項記載の抗体。
  11. 【請求項11】ナトリウム ドデシルスルファート ポ
    リアクリルアミド傾斜電気泳動(SDS PAGE)染色条件下
    0.9×106IFUの全インターフェロン負荷で、18,400と20,
    100ダルトンに抗ウィルス性インターフェロン活性を有
    する2つの主要なシャープな染色蛋白バンド、20,300と
    20,400ダルトンの間に抗ウィルス性インターフェロン活
    性を有する次位の染色蛋白バンド、並びに19,500、21,1
    30及び23,440ダルトンに抗ウィルス性の小さなピークを
    示し(但し、上記ダルトン分子量の実験精度は±200ダ
    ルトンである)、該SDS PAGEアクリルアミド グラジエ
    ントが本質的に染色インターフェロン蛋白のみであるヒ
    トLe型インターフェロン蛋白で、免疫しうる動物を免疫
    させ、その動物から前記ヒトLe型インターフェロン蛋白
    の免疫学的決定子を認識する抗体を得ることからなる抗
    体の製造法。
  12. 【請求項12】免疫に使用されるヒトLe型インターフェ
    ロン蛋白が、ナトリウム ドデシルスルファート ポリ
    アクリルアミド傾斜電気泳動から切り取った1つのバン
    ドは複数のバンドから得たものである請求の範囲第11項
    記載の方法。
  13. 【請求項13】該バンドが、ナトリウム ドデシルスル
    ファート ポリアクリルアミド傾斜電気泳動のゲルを染
    色し、次いで蒸留水で短時間洗浄した後切り取られる請
    求の範囲第12項記載の方法。
  14. 【請求項14】免疫が該インターフェロン蛋白の安定化
    水溶液で行われ、安定化水溶液中の安定剤がドデシル硫
    酸ナトリウムである請求の範囲第11〜13項の何れかに記
    載の方法。
  15. 【請求項15】該インターフェロン蛋白の安定化水溶液
    が、リン酸塩緩衝液でpH約7.2に緩衝化されている請求
    の範囲第14項記載の方法。
  16. 【請求項16】該安定化水溶液が、アジュバントを含む
    請求の範囲第15項記載の方法。
  17. 【請求項17】アジュバントがフロイントのアジュバン
    トである請求の範囲第16項記載の方法。
  18. 【請求項18】ハイブリドマ セル クローン〔骨髄腫
    細胞系(×63Ag8;NSI/1Ag4−1;SP2/0−Ag14)から誘
    導〕を培養し、ナトリウム ドデシルスルファート ポ
    リアクリルアミド傾斜電気泳動(SDS PAGE)染色条件下
    0.9×106IFUの全インターフェロン負荷で、18,400と20,
    100ダルトンに抗ウィルス性インターフェロン活性を有
    する2つの主要なシャープな染色蛋白バンド、20,300と
    20,400ダルトンの間に抗ウィルス性インターフェロン活
    性を有する次位の染色蛋白バンド、並びに19,500、21,1
    30及び23,440ダルトンに抗ウィルス性の小さなピークを
    示し(但し、上記ダルトン分子量の実験精度は±200ダ
    ルトンである)、該SDS PAGEアクリルアミド グラジエ
    ントが本質的に染色インターフェロン蛋白のみであるヒ
    トLe型インターフェロン蛋白の免疫学的決定子を認識す
    る抗体を生産し、培養液から前記抗体を回収することか
    らなる抗体の製法。
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