JPH0793461B2 - 電界効果型超電導トランジスタ装置の製造方法 - Google Patents

電界効果型超電導トランジスタ装置の製造方法

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JPH0793461B2
JPH0793461B2 JP1175461A JP17546189A JPH0793461B2 JP H0793461 B2 JPH0793461 B2 JP H0793461B2 JP 1175461 A JP1175461 A JP 1175461A JP 17546189 A JP17546189 A JP 17546189A JP H0793461 B2 JPH0793461 B2 JP H0793461B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速,低消費電力でスイッチング動作を行なう
超電導スイッチング装置等超電導エレクトロニクスの分
野に係り、とくに液体窒素温度で動作可能な酸化物超電
導トランジスタ装置の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
Y−Ba−Cu酸化物をはじめとするLn−Ba−Cu酸化物(L
n:La,Nd,Sm,Eu,Gd,Yb,Ho,Erなどの希土類元素)超電導
材料は超電導臨界温度(Tc)が90K以上であり、液体窒
素温度(77K)において完全な超電導性を示すものであ
る。これらY−Ba−Cu酸化物等の超電導材料をエレクト
ロニクス、特にスイッチングデバイスの分野に応用する
ためには基本的な超電導能動素子である超電導トランジ
スタを得る必要がある。
このためにはY−Ba−Cu酸化物等の超電導薄膜が基板上
でエピタキシャル成長することが重要である。最も一般
的には、Y−Ba−Cu酸化物等の超電導材料と結晶の格子
定数のマッチングの良いチタン酸ストロンチウム(SrTi
O3)が基板として用いられる。この場合、例えば(10
0)SrTiO3基板上では,Y−Ba−Cu酸化物超電導材料のa
軸が基板面に垂直方向にエピタキシャル成長する。また
(110)SrTiO3基板上では、Y−Ba−Cu酸化物超電導材
料のc軸が基板面に平行にエピタキシャル成長する。
Y−Ba−Cu酸化物を用いた超電導トランジスタ、あるい
は超電導三端子素子としてはY−Ba−Cu酸化物薄膜から
成る超電導弱結合に対してAl薄膜から成る電流注入電極
を備えた、いわゆる電流注入スイッチング素子が作製さ
れている。この例は第49回応用物理学会学術講演会予稿
集第1分冊151頁(1988年)において記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
酸化物超電導材料を液体窒素温度で動作可能なエレクト
ロニクス、特にスイッチングデバイスの分野に応用する
ためにはY−Ba−Cu酸化物等の超電導薄膜が基板上でエ
ピタキシャル成長することが重要である。このためには
酸化物超電導材料と結晶の格子定数のマッチングの良い
基板材料や下地材料を選ぶ必要がある。最も一般的に
は、Y−Ba−Cu酸化物等の超電導材料と結晶の格子定数
のマッチングの良いチタン酸ストロンチウム(SrTiO3
が基板として用いられ、この上に酸化物超電導薄膜をエ
ピタキシャル成長させる。結晶性の良い酸化物超電導薄
膜をエピタキシャル成長させるには、成膜中の基板温度
は400℃〜800℃に加熱して行なわれる。また成膜中に酸
化物薄膜中の欠損酸化量を補うために、成膜後に酸素雰
囲気中で熱処理が行なわれる。この場合、基板材料の構
成元素である例えばTiが超電導膜中に拡散して侵入し、
超電導特性、特に臨界温度を劣化させる問題がある。ま
た、酸化物系超電導膜を用いた超電導トランジスタを形
成するにはSiやGaAsなどの半導体基板上に前記超電導膜
を形成することが考えられる。しかし、SiやGaAs基板上
では超電導膜の形成中に相互に反応して超電導特性を劣
化させる問題がある。さらに電界効果型トランジスタな
どのスイッチング素子を形成するには、酸化物超電導薄
膜の上部あるいは下部、あるいはその一部分に半導体層
を形成する必要がある。この場合も、超電導薄膜と半導
体層あるいは基板と半導体層との界面には反応層が形成
されないことが必要である。さらには半導体層と超電導
薄膜がお互いにエピタキシャル成長しやすいことが必要
である。さらに半導体層の構成元素の一部を超電導膜中
に侵入しても超電導特性を顕著に劣化させない材料を選
ぶ必要がある。本発明は、このような基板材料の構成元
素が超電導膜中に侵入することを抑制し、また超電導薄
膜と半導体層がエピタキシャル成長可能なトランジスタ
装置の製造方法を提供することである。
また、上記従来技術は電流注入型スイッチング素子に関
して第3電極を付加することによる超電導電流を制御す
るものである。スイッチング信号は電流である。スイッ
チング信号種を電流とする場合、入力信号電流と出力信
号電流を分離することが必要である。入力信号を分離し
ない場合、素子がスイッチングしない場合でも、入力信
号電流が出力線にそのまま流れるという問題が生じる。
これはスイッチング回路における誤動作の原因となる。
スイッチング信号電流を注入することによってスイッチ
ング動作を行なわせると共に、素子の入力電流分離作用
が働くことが必要である。このような機能をスイッチン
グ素子に付与することは非常に困難であり、またこのよ
うな機能を有せしめたとしても素子の構造が極めて複雑
となる。
したがってスイッチング素子において入出力信号の分離
を容易に達成するためには、入力信号を電流以外に求め
る必要がある。最も素子としての取扱いが簡単な方法は
半導体トランジスタのごとく、電圧信号を用いる方法で
ある。そこで本発明においては超電導薄膜と半導体層が
エピタキシャル成長することにより超電導スイッチング
素子、特に高臨界温度の酸化物超電導材料を用いた超電
導三端子素子において、電圧信号によってスイッチング
動作を生ぜしめる三端子素子の構造と製造方法を提供す
ることにある。
また、このような超電導スイッチング素子、特に高臨界
温度の酸化物超電導材料を用いた超電導三端子素子を作
製するには、酸化物超電導薄膜が基板上でエピタキシャ
ル成長しており、また超電導特性を劣化させる不純物な
どが結晶中に侵入しないことが必要である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明においては以下に示
す技術的手段を採用した。すなわち酸化物基板、例えば
チタン酸ストロンチウムの格子定数(3.90Å)と、Y−
Ba−Cu酸化物をはじめとするLn−Ba−Cu酸化物(Ln:La,
Nd,Sm,Eu,Gd,Yb,Ho,Erなどの希土類元素)超電導材料の
格子定数(a軸:3.83Å,b軸:3.89Å,c軸:11.7Å)との
格子のマッチングの良いNd2-X−AX−CuO4(A:Sr,Ca,Ba,
Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr)からなる酸化物薄膜(格子定数:a軸
3.95Å,c軸12.17Å)を形成し、これを半導体層として
基板上に形成した。例えば、(100)SrTiO3を基板とし
て用いた場合、Nd2-XAXCuO4(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,S
m,Pr;x=0〜0.4)からなる酸化物薄膜のc軸が基板上
に垂直方向にエピタキシャル成長する。さらにこの上に
Y−Ba−Cu酸化物をはじめとする超電導薄膜のc軸が膜
面に垂直方向にエピタキシャル成長する。超電導薄膜の
c軸が基板面に垂直に形成されるため、超電導膜の電流
特性が面内方向で一様になり易い。さらにNd2-XAXCuO4
(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr;x=0〜0.4)からなる
酸化物薄膜が基板の構成材料であるTiが上部に形成した
酸化物超電導薄膜に侵入するのを防止するので超電導特
性が劣化しない。また、Nd2-XAXCuO4酸化物材料の構成
元素であるSr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,Sm,Prが、この上に形
成した酸化物超電導材料に侵入しても超電導特性を劣化
させることはない。またNd2-XAXCuO4(A:Sr,Ca,Ba,Sc,
Y,La,Ce,Sm,Pr;x=0〜0.4)からなる酸化物薄膜がエピ
タキシャル成長する温度がこの上に形成するY−Ba−Cu
酸化物をはじめとする超電導薄膜のエピタキシャル成長
する温度に比べて20〜100℃高いためにNd2-XAXCuO4酸化
物材料の構成元素が酸化物超電導材料中に侵入しにくい
利点がある。また成膜後に酸素雰囲気中で熱処理するこ
とにより、超電導薄膜の超電導特性が改善され、一方Nd
2-XAXCuO4酸化物材料の例えばキャリア濃度などの半導
体特性が改善される。
また上記超電導スイッチング素子を形成するために例え
ば、以下の技術的手段を用いた。すなわちNd2-XAXCuO4
酸化物材料を基板上にエピタキシャル成長させ、これを
半導体層として用い、この上に形成したY−Ba−Cu酸化
物をはじめとする酸化物超電導材料にソースおよびドレ
イン電極を設け、さらにこの上にゲート絶縁膜とゲート
電極を設けた電界効果型超電動トランジスタを構成す
る。また他の方法は、前記の方法により基板上に上記Nd
2-XAXCuO4酸化物材料と酸化物超電導薄膜をエピタキシ
ャル成長させる。つぎに上記酸化物超電導薄膜の一部に
H,He,Ne,ArイオンあるいはCa,Sr,Ba,Kなどのアルカリ土
類金属イオンあるいはPt,Rh,Ruなどの白金属イオンある
いはY,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Ho,Er,Tbなどの希土類金属イオ
ンあるいはFe,Ni,Co,Zn,Ti,Nb,Zr,V,Cr,Gaなどの金属イ
オンを酸化物超電導膜の裏面まで注入する。これにより
超電導膜の一部分がイオン照射により加工されたりある
いはこの部分の組成が変化して半導体的な性質を持たせ
る。この工程において酸化物超電導薄膜の超電導的性質
を有する領域と上記イオン注入により半導体的性質を有
せしめた細線部を介して2つの領域に分かつ。これら2
つの領域に分かれた酸化物超電導薄膜部をそれぞれソー
ス電極およびドレイン電極とする。さらに上記イオン注
入により半導体的性質を有せしめた部分の上部にゲート
絶縁膜を形成し、この上にゲート電極を形成する。この
場合下層に設けたNd2-XAXCuO4酸化物材料が半導体的性
質を有するためスイッチング電圧のより小さいデバイス
構成ができる。
〔作用〕
以上述べた手段は以下の理由により上記目的、すなわち
酸化物基板上に酸化物系超電導薄膜をエピタキシャル成
長させ、これら酸化物超電導材料の薄膜を用いた電界効
果による超電導トランジスタの動作を可能にするもので
ある。
酸化物超電導材料を用いて電界効果型超電導トランジス
タを製作する場合、ソースおよびゲート電極を構成する
酸化物超電導薄膜は、基板上でエピタキシャル成長させ
る必要がある。また半導体層もエピタキシャル成長させ
ることが必要である。さらに基板、半導体層および超電
導膜との界面に反応層が無く、界面が急俊であることが
必要である。さらに超電導特性を劣化させる不純物の侵
入を防止する必要がある。従って本発明では,SrTiO3
板と酸化物超電導材料の両者との格子のマッチングの良
いNd2-XAXCuO4(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,Sm,;x=0〜0.
4)酸化物材料を半導体層として用いた。この場合、酸
化物超電導薄膜は前記Nd2-XAXCuO4酸化物層の上にエピ
タキシャル成長する。この場合Nd2-XAXCuO4酸化物層の
エピタキシャル成長温度が超電導薄膜のエピタキシャル
温度より高いため、超電導特性を劣化させるTiなどの基
板からの不純物の拡散を上記Nd2-XAXCuO4酸化物層で抑
制できる。またNd2-XAXCuO4(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,Ce,La,S
m,;x=0〜0.4)酸化物材料の構成元素は、これに接し
て形成する超電導薄膜の特性を著しく劣化させることが
無い。またNd2-XAXCuO4酸化物層とLn−Ba−Cu酸化物超
電導薄膜を形成した後、酸化性雰囲気で熱処理を行うこ
とにより,Ln−Ba−Cu酸化物超電導薄膜は超電導特性が
向上するのに対して,Nd2-XAXCuO4酸化物層は半導体的性
質を有する効果がある。
酸化物超電導材料を用いて電界効果トランジスタを製作
する場合、酸化物超電導材料のコヒーレンス長さが短い
こと、および界面における超電導電子の反射係数が大き
いことなどの理由により異種材料を用いた寸法の長い,
つまり超電導電極間膜離の長い超電導弱結合素子を得る
のは困難である。しかるに従来のSi等半導体材料によっ
て構成される電界効果型MOSトランジスタの構造はソー
スおよびドレイン電極、それぞれの半導体におけるオー
ミック伝導層、ゲート部、ゲート絶縁膜およびゲート電
極から成る複雑な構造を有している。酸化物超電導材料
を用いた電界効果型トランジスタにおいてこのようなMO
Sトランジスタ型の構造を用いた場合、超電導ソース電
極とドレイン電極間の距離は制約され、0.1μm以下の
長さにする必要がある。しかるに本発明においては酸化
物超電導薄膜に界面を接して酸化物材料で構成した半導
体層をエピタキシャル成長することにより、その構造お
よび製法が非常に簡単であり、例えばイオン注入の幅を
狭くすることに対応して、超電導ソースとドレイン電極
間の距離を短くすることができる。すなわちパターン形
成技術の限界が0.1μmであれば、0.1μmの電極間隔を
得ることができる。
さらにソースおよびドレイン電極をなす超電導薄膜と半
導体薄膜は同種類の材料で形成されるので、超電導電極
と半導体の界面でショットキー障壁が形成され、超電導
電子の透過率が大幅に低下するという問題を低減でき
る。
以上のごとき本発明にかかるトランジスタ装置の構造は
酸化物超電導材料に特有の問題点を克服して、ゲート電
極によって信号電圧を印加し、従来に比べて約30%低い
信号電圧によりスイッチング動作を行わせるという電界
効果型超電導トランジスタの機能を可能ならしめるもの
である。
〔実施例〕
実施例1 第1図に示したごとく、面内方位(100)のチタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)単結晶基板1上に高周波マグネ
トロンスパッタ法によりNd−La−Cu酸化物薄膜2を形成
する。このためのターゲットは、Nd2-XLaXCuO4(x=0
〜0.4)の組成の円板状の焼結体を用いた。Nd−La−Cu
酸化物薄膜2は、放電ガスとしてO2濃度50%のAr+O2
合ガスを用い、ガス圧力は5mTorrとし、高周波電力100
W、基板温度は760℃として形成する。このNd−La−Cu酸
化物薄膜2は、Nd2CuO4型結晶のc軸が基板面に垂直に
エピタキシャル成長した膜である。膜厚は、0.5μmと
した。続いて、上記Nd−La−Cu酸化物薄膜2の上に同様
に高周波マグネトロンスパッタ法によりY−Ba−Cu酸化
物超電導薄膜3を形成し層状酸化物薄膜4を作製する。
このためのターゲットは、組成比が1:2:4のY−Ba−Cu
酸化物の円板状の焼結体を用い、基板温度は700℃と
し、他のスパッタ条件はNd−La−Cu酸化物薄膜2の形成
条件と同じとする。この方法により形成した層状酸化物
薄膜4における超電導膜は、化学量論組成のY1Ba2Cu3O
7-Z(z=0〜0.2)酸化物超電導薄膜3である。このY
−Ba−Cu酸化物超電導薄膜3はこの下層に形成したNd−
La−Cu酸化物薄膜2上にエピタキシャル成長しており、
ペロブスカイト型結晶のc軸が膜面に成長した膜であ
り、膜面に平行な面での超電導特性は一様である。この
膜の膜厚は、0.1μmとする。このY−Ba−Cu酸化物超
電導薄膜3の超電導臨界温度は80〜84Kである。スパッ
タ法により、Nd−La−Cu酸化物薄膜2やY−Ba−Cu酸化
物超電導薄膜3を形成した後、酸素雰囲気中で500℃〜9
00℃の温度で熱処理を行うことにより薄膜の結晶性を向
上でき、これによりY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜3の超
電導特性が向上し、また、Nd−La−Cu酸化物薄膜2は半
導体的性質が高められる効果がある。
ここで、Nd2CuO4型結晶構造の酸化物薄膜は、Nd2-XLaXC
uO4(x=0〜0.4)薄膜の他にNd2-XAXCuO4(A:Sr,Ca,B
a,Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr;x=0〜0.4)を用いても同様なエ
ピタキシャル成長した薄膜を形成でき、さらにこの上に
Ba2LnCu3O7-Z,(Ln=Y,希土類元素;z=0〜0.2)超電導
薄膜をエピタキシャル成長できる。
酸化物基板1として、LaGaO3,LaAlO3,LaTaO3を用いて同
様の実験を行ない、これらの基板上にNd2-XAXCuO4(x
=0〜0.4)薄膜やBa2LnCu3O7-Z(Ln=Y,希土類元素;z
=0〜0.2)超電導薄膜をエピタキシャル成長できる。
実施例2 実施例1により作製した層状酸化物薄膜4を用いて、第
2図に示す構成の酸化物超電導トランジスタ装置を作製
した。すなわち、Y−Ba−Cu酸化物超電導薄膜3に対し
て、加速電圧20kVのGa収束イオン源を用いて、Gaイオン
を注入する。ドープ量は5×1015/cm2〜5×1017/cm2
し、線幅は0.1μm、長さは2mmとする。これによりGaイ
オンを注入した細線部分において半導体層5を得る。こ
の後、酸素雰囲気中で500℃〜900℃の温度で熱処理を行
なっても良い。さらにこの細線部分の上部にゲート絶縁
膜6、およびゲート電極7を形成する。
以上のごとき工程により酸化物超電導トランジスタ装置
を得る。この酸化物超電導トランジスタ装置は、酸化物
材料薄膜がエピタキシャル成長しているため、多結晶膜
で構成した場合に比べて約30%低い電圧信号によってス
イッチング動作するいわゆる電界効果型トランジスタと
して用いることができる。すなわち本酸化物超電導トラ
ンジスタ装置は第3図に示されるごとく、ゲートに電圧
を印加しない状態8においては零電圧状態において超電
導電流が流れないが、ゲートに負電圧を印加した状態9
においては超電導電流が流れ、スイッチング動作が行わ
れる。これはゲートに負電圧を印加することにより、ゲ
ート近傍の半導体層のバンドが上方に曲げられ、ホール
濃度が高くなる。ソースおよびドレイン電極から半導体
層にしみだす超電導電子の広がる距離はホール濃度すな
わち超電導電子の濃度に依存して長くなり、各電極から
しみだした超電導電子波が互いに重なりあうからであ
る。
Gaイオンに替ってCa,Sr,Ba,Kなどのアルカリ土類金属イ
オンあるいはPt,Rh,Ruなどの白金属イオンあるいはY,L
a,Ce,Pr,Nd,Eu,Ho,Er,Tbなどの希土類金属イオンあるい
はFe,Ni,Co,Zn,Ti,Nb,Zr,V,Cr金属イオンを注入して
も、同様の効果を得る。
この場合、Y,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Ho,Er,Tbなどの希土類金
属イオンは、Y−Ba−Cu酸化物超電導薄膜のYサイトを
置換し、Ca,Sr,Ba,Kなどのアルカリ土類金属イオンはBa
サイトを、Pt,Rh,Ruなどの白金属イオンあるいはFe,Ni,
Co,Zn,Ti,Nb,Zr,V,Cr,Ga金属イオンはCuサイトを置換す
ることにより、超電導膜の一部分の臨界温度を低下せし
めたり、あるいは一部分を加工することにより超電導性
をなくす効果がある。
実施例3 実施例1と同様の方法により第1図に示した構成の層状
の酸化物薄膜4を作成する。この薄膜においてNd−La−
Cu酸化物2は半導体的な電気特性を示す。この薄膜を用
いて、第4図に示す構成の酸化物超電導トランジスタを
作製する。すなわち層状の酸化物薄膜4の上部から収束
イオンビームエッチング法によりY−Ba−Cu酸化物超電
導薄膜3の一部をエッチングして、ソース電極21、およ
びドレイン電極22を形成する。このときのパターン幅は
0.2μmとする。つづいてこの上にゲート絶縁膜23を形
成し、さらにこの上にゲート電極24を形成する。この方
法により形成した酸化物超電導トランジスタ装置は第3
図のごとく電圧信号によってスイッチング動作するいわ
ゆる電界効果型トランジスタとして用いることができ
る。
実施例4 面内方位(110)のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3
短結晶基板1上に高周波マグネトロンスパッタ法により
膜厚0.1μmのY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜31を形成す
る。この薄膜はc軸が基板面に平行にエピタキシャルし
ており、この膜のTcは84〜89Kである。成膜条件は、ガ
ス圧力5mTorrとし、高周波電力100W、基板温度は700℃
として形成した。続いてこの膜をイオンビームエッチン
グ法により加工して第5図(a)に示すパターン32を形
成し、これによりソース、ドレイン電極とした。このパ
ターンの形成後、酸素雰囲気中で500〜900℃で熱処理を
行なっても良い。この上にNd2-XCeXCuO4(x=0〜0.
4)の組成の円板状の焼結体ターゲットを用いて膜厚0.1
μmのNd−Ce−Cu酸化物薄膜33を形成した。この膜の成
膜条件は上記Y−Ba−Cu酸化物超電導薄膜31と同様に行
なった。Nd−Ce−Cu酸化物薄膜33を形成した後、酸素雰
囲気中で500〜900℃で熱処理を行なうのが望ましい。こ
の処理によりY−Ba−Cu酸化物超電導薄膜31の超電導特
性が向上し、一方Nd−Ce−Cu酸化物薄膜33は半導体的な
電気特性を示す。またこの膜は、Y−Ba−Cu酸化物超電
導薄膜31の上に、c軸を膜面に垂直にエピタキシャル成
長する。Nd−Ce−Cu酸化物薄膜33の上部にゲート絶縁膜
34、ゲート電極35を形成し、第5図(b)に示す構造の
酸化物超電導トランジスタ装置を得る。この方法により
形成した酸化物超電導トランジスタ装置は第3図のごと
く電圧信号によってスイッチング動作するいわゆる電界
効果型トランジスタとして用いることができる。
酸化物超電導膜は、Ln1Ba2Cu3O7-z系超電導薄膜(Ln:Y,
La,Nd,Sm,Eu,Gd,Yb,Ho,Erなどの希土類元素;z=0〜0.
2)のいずれを用いても同様の効果があり、またNd2CuO4
型構造のNd−A−Cu−O系(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,S
m,Pr)酸化物で半導体層膜を構成しても同様の効果があ
る。
〔発明の効果〕 以上述べたごとく、本発明にかかる酸化物超電導トラン
ジスタ装置の製造方法は以下の効果を有する。
(1)Ln1Ba2Cu3O7-z系超電導薄膜(Ln:Y,La,Nd,Sm,Eu,
Gd,Yb,Ho,Erなどの希土類元素;z=0〜0.2)とNd−A−
Cu−O系超電導薄膜(A:Sr,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr)
からなる酸化物半導体層膜がお互いにエピタキシャル成
長した薄膜が形成できる。
(2)酸化物系超電導膜と酸化物半導体膜がエピタキシ
ャル成長した層状酸化物膜を用いることにより、ソース
およびドレイン電極をLn1Ba2Cu3O7-z系超電導薄膜(Ln:
Y,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Yb,Ho,Erなどの希土類元素;z=0〜
0.2)で構成し、半導体層をNd−A−Cu−O(A:Sr,Ca,B
a,Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr)からなる酸化物薄膜で構成した、
低い信号電圧で動作可能な酸化物超電導トランジスタ装
置を形成できる。
なお、本発明における薄膜形成法はスパッタ法であった
が、酸化物薄膜はこの他、反応性蒸着法やCVD(Chemica
l Vapor Doposition)法、レーザービーム蒸着法、イオ
ンビームスパッタ法でも形成可能であり、他の成膜法が
適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における酸化物薄膜の断面図、第2図
は実施例2における酸化物超電導トランジスタ装置の断
面図、第3図は酸化物超電導トランジスタの電圧−電流
特性、第4図は実施例3における酸化物超電導トランジ
スタ装置の断面図、第5図(a)は実施例4で得られた
パターンを示す図、第5図(b)は実施例4における酸
化物超電導トランジスタ装置の断面図である。 1……基板、2……Nd−La−Cu酸化物薄膜、3……酸化
物超電導薄膜、4……層状酸化物薄膜、5……半導体
層、6……ゲート絶縁膜、7……ゲート電極、8……ゲ
ート信号電圧零時の電圧−電流特性、9……ゲート信号
電圧印加時の電圧−電流特性、21……ゲート電極、22…
…ドレイン電極、23……ゲート絶縁膜、24……ゲート電
極、31……酸化物超電導薄膜、32……パターン、33……
Nd−Ce−Cu酸化物薄膜、34……ゲート絶縁膜、35……ゲ
ート電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−86574(JP,A) 特開 昭64−779(JP,A) 特開 昭64−64379(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導トランジスタ装置の製造方法
    において、 (1)基板上にチャネル層となるNd−A−Cu−O(A;S
    r,Ca,Ba,Sc,Y,La,Ce,Sm,Pr)からなる酸化物薄膜を形成
    する工程、 (2)上記酸化物薄膜上にLn−Ba−Cu酸化物(Ln;Y,La,
    Nd,Sm,Eu,Gd,Yb,Ho,Erから選ばれる希土類元素)超電導
    薄膜を形成する工程、 (3)上記酸化物超電導薄膜に対して、イオンを上記酸
    化物超電導膜の裏面まで注入することにより絶縁層を形
    成し、上記絶縁層により上記酸化物超電導薄膜を2つの
    領域に分かつ工程、 (4)上記絶縁層および上記酸化物超電導薄膜にゲート
    絶縁膜を形成する工程、 (5)上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工
    程、を有することを特徴とする酸化物超電導トランジス
    タ装置の製造方法。
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