JP3216089B2 - 超電導デバイスの製造方法並びにそれを用いた超電導トランジスタ - Google Patents

超電導デバイスの製造方法並びにそれを用いた超電導トランジスタ

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JP3216089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸化物超電導体と半
導体接合を利用するデバイス、例えば、高周波ミキサ
ー、スーパーショットキダイオード、超電導トランジス
タのベース・コレクタ接合に用いられる超電導デバイ
の製造方法及びそれを用いた超電導トランジスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】超電導トランジスタとして、近接効果型
トランジスタが提案されている(西野他「超電導トラン
ジスタ」応用物理第56巻第6号(1987)P752
〜756参照)。
【0003】これは、超電導体と常電導体を密着させる
と超電導体側から常電導体側へクーパ一対がしみ出し
て、常電導体側へのしみだし距離程度の薄い層に超電導
を誘発する近接効果を利用したものである。即ち、常電
導膜Nを超電導膜Sで挾んだSNS接合で、常電導膜N
の膜厚がしみ出し距離程度であると、近接効果のために
クーパ一対が超電導膜S間を行き来できるようになる。
しみ出し距離は常電導体内のコヒーレンス長さに相当す
る量で、温度の低下と共に大きくなり、また自由電子の
濃度と共に増大する。
【0004】金属の自由電子濃度を変えるのは難しい
が、半導体を用いると半導体の電流を運ぶキャリアを電
界によって接合部に引き寄せて接合部でキャリア濃度を
電界効果トランジスタのように変えることができる。
【0005】近接効果型トランジスタは、この半導体を
用いたものであり、図8に示すように、シリコン単結晶
板51上に、ソース電極52とドレイン電極53を形成
すると共にシリコン単結晶板51の下面にゲート電極5
4を形成するものであり、各電極を鉛合金の超電導体に
て構成するものである。図中、55、56、57は絶縁
膜である。
【0006】他の従来例としてトンネル注入型超電導ト
ランジスタが提案されている。このトンネル注入型超電
導トランジスタの概念構造は、例えば、IEEE Tr
ansactions on Magnetics,V
OL.MAG−21,NO.2,MAR.1985「A
NEW SUPERCONDUCTING BASE
TRANSISTOR」P.721〜724あるいは
同誌 VOL.MAG−19,No.3,MAY 19
83「QUITERON」P.1203〜1295に示
されている。即ち、図9に示すように、半導体からなる
コレクタ領域61と、コレクタ領域61に接した超電導
体からなるベース領域62と、このベース領域62に絶
縁膜63を介して設けられた超電導体からなるエミッタ
領域64とから構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の近接効果型トラ
ンジスタを製造するには、半導体と超電導体の積層化が
必要である。半導体上に例えばYBCO系高温酸化物超
電導薄膜を形成する場合、形成時の基板温度を650℃
以上にする必要があり、半導体との相互拡散などのため
特性が劣化する。このため、高温酸化物超電導薄膜と半
導体との積層化が困難であった。
【0008】更に、シリコン又はGaAs半導体上にイ
ットリウム系又はビスマス系の酸化膜超電導体を積層形
成した場合、非常に短いコヒーレンス長のために、接合
界面で超電導特性が劣化し十分なクーパ一対のしみ出し
が行なわれなかった。
【0009】しかも、GaAs半導体基板上に超電導体
としてNbを設けた超電導体と半導体接合は存在してい
たが、酸化物超電導体と半導体接合は、相互拡散のため
いずれもダメージを受け、良好な接合が得られていな
い。
【0010】そして、上記接合を超電導ベーストランジ
スタに用いた場合には、その接合界面の劣化によりコレ
クター・ベース間の障壁が高く且つ厚くなり、準粒子の
透過率が低下し、トランジスタとして動作させるデバイ
スの作成が困難であるという問題があった。
【0011】この発明は、かかる点に鑑みなされたもの
にして、製造の容易な超電導トランジスタを提供するこ
とをその課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この第1の発明は、アル
ゴンガスと酸素ガスとを装置内に導入した後、装置内を
プラズマ雰囲気として、Ba1-ppBiO3(0.2<
p<0.5)又はBa1-pRbpBiO3(ここに、pは
0.2<p<0.5)という組成から成る超電導薄膜を
基板上に作成する超電導薄膜の製造方法において、前記
基板としてNbを0.005重量以上0.5重量%以下
でドープした単結晶SrTiO3を用い、前記基板の温
度を300℃以上400℃以下に加熱した状態で超電導
薄膜を作成することを特徴とする。
【0013】更に、超電導薄膜形成前に、前記基板に熱
リン酸またはバッファドフッ酸によるエッチング処理を
施すとよい。
【0014】この第2の発明は、基板としてNbを0.
005重量%以上0.5重量%以下ドープした単結晶S
rTiO3を用い、この基板上に、微小間隔を隔てて設
けられたBa1-ppBiO3(ここに、pは0.2<p
<0.5)又はBa1-pRbpBiO3(ここに、pは
0.2<p<0.5)の組成からなるソース及びドレイ
ン領域を設け、この微小間隔内の基板上とソース及びド
レイン領域に跨って形成された絶縁膜上にゲート電極を
設けたことを特徴とする。。
【0015】
【作用】SrTiO3は絶縁性基板として用いられる
が、SrTiO3にNbを0.008重量%から0.5
%重量%の範囲でドープすると、このSrTiO3は酸
化物n型半導体となる。このNbドープのSrTiO3
はペロブスカイト構造であり、Ba1-ppBiO3(以
下、BKBOと略記する。)膜又はBa1-pRbpBiO
3(以下、BRbBOと略記する。)膜をエピタキシャ
ル成長させることができる。
【0016】従って、半導体層と超電体層との拡散の全
くない接合界面が得られる。またBKBO及びBRbB
Oは300℃〜400℃での低温形成が可能でありSr
TiO3にダメージを与えることもない。
【0017】更に、BKBO及びBRbBOは300℃
〜400℃で低温形成することで、非常に接合のきれい
なヘテロ成長をさせることができるため、コンタクト領
域にダメージ層のない接合抵抗の小さい接合を形成でき
る。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0019】図1は、この発明の前提となる超電導デバ
イスの一例を示す断面図である。基板1として、SrT
iO3(110)の単結晶基板にNbを0.005重量
%以上0.5重量%以下、好ましくは0.008重量%
以上0.5重量%以下ドープしたものを用いる。このN
bドープ量の代表値は0.05重量%である。
【0020】そして、Nbを0.008重量%以上0.
5重量%以下ドープした基板上1に、超電導薄膜2aが
形成された構造となっている。上記、超電導薄膜層2a
は厚み約1000Åであって、Ba0.60.4BiO3
はBa0.6Rb0.4BiO3から構成される。尚、図中2
1、22はAu等からなる電極である。
【0021】Nbドープの単結晶SrTiO3は、例え
ばベルヌーイ法により作成したり、また、ノンドープの
SrTiO3にNbをイオン注入することにより作成し
たり、あるいはSrTiO3:Nb組成の膜をスパッタ
若しくは蒸着により形成し、H2雰囲気中で熱処理した
りすることで得られる。
【0022】そして、この基板1の研磨された表面に、
超電導組成膜としてのBa1-ppBiO3(0.2<p
<0.5)膜又はBa1-pRbpBiO3(0.2<p<
0.5)膜2aをRfマグネトロンスパッタリング法に
より焼結ターゲットから形成する。尚、pの代表値は
0.4である。
【0023】次に、上記構造の超電導デバイスの製造方
法について説明する。
【0024】先ず、基板1をエタノール中で超音波洗浄
した後、煮沸、乾燥させる。次に、この洗浄された基板
1を、スパッタリングターゲットが装着されたRf−マ
グネトロンスパッタ装置内に取付けた後、装置内圧が1
0~4〜10~6Paとなるまで真空引きを行う。
【0025】次いで、装置内に、ArガスとO2ガスと
を導入する。この際、ArガスとO2ガスと比は50:
50に、且つ装置内ガス圧は80Paとなる様に設定し
た。
【0026】この後、装置の正負極間に50〜150W
の放電電力を印加することによって装置内にプラズマを
発生させた後、装置内の加熱装置により基板1を300
℃〜400℃に加熱する。
【0027】しかる後、0.5〜2時間プレスパッタを
行った後、基板1を300℃〜400℃に加熱した状態
で、装置内シャッタを開成して本スパッタを開始する。
これにより、超電導薄膜層2aの形成が開始される。こ
の際、成膜速度は、500Å/hrであるので、約2時
間本スパッタを行う。本スパッタ終了後、上記シャッタ
を閉成し更にプラズマを消灯させる。この後、Arガス
の導入を中止すると共に、O2ガスの導入状態を維持す
る。これにより、基板1がO2ガス雰囲気で冷却される
ことになる。
【0028】Ba1-ppBiO3(0.2<p<0.
5)膜を成膜する場合の上記スパッタリングターゲット
は、バリウム化合物(例えば、BaCO3、BaO、B
a(NO)2)、カリウム化合物(例えば、KO2、K2
CO3、KNO3)、ビスマス化合物(例えばBi23
を基板温度に適した所定の割合で混合した後、チッソガ
ス雰囲気(600〜700℃)で2〜5時間、酸素ガス
雰囲気(400〜500℃)で2〜5時間焼成し、更
に、1〜3トン/cm2の圧力でプレスすることによっ
て作製した。
【0029】Ba1-pRbpBiO3(0.2<p<0.
5)膜を成膜する場合の上記スパッタリングターゲット
は、バリウム化合物(例えば、BaCO3、BaO、B
a(NO)2)、ルビジウム化合物(例えば、RbO2
Rb2CO3、RbNO3)、ビスマス化合物(例えばB
23)を基板温度に適した所定の割合で混合した後、
チッソガス雰囲気(600〜700℃)で2〜5時間、
酸素ガス雰囲気(400〜500℃)で2〜5時間焼成
し、更に、1〜3トン/cm2の圧力でプレスすること
によって作製した。
【0030】上記の製造方法で形成した超電導薄膜層2
aをX線回折法により調べたので、その結果を図2に示
す。
【0031】図2から明らかなように、超電導薄膜層2
aは略完全に(110)方向を向いていることが確認さ
れた。また、ピークの幅は単結晶構造の基板と近似して
いる。このことから、超電導薄膜層2aの膜質が良好で
あることが窺える。
【0032】また、RHEED法によって得られた写真
により、超電導薄膜層2aはエピタキシャル成長してい
ることを確認した。
【0033】図3は、上記の製造方法により形成した超
電導デバイスの接合(Junction)抵抗と基板温
度Ts依存性を示す。
【0034】図3より明らかなように、基板温度Tsが
350℃のとき接合抵抗が最も小さくなる。尚、測定し
たデバイスの接合面積は0.01cm2である。
【0035】上記した実施例においては、基板1表面
に、Ba1-ppBiO3(0.2<p<0.5)膜又は
Ba1-pRb p BiO3(0.2<p<0.5)膜2aを
Rfマグネトロンスパッタリング法により形成する前の
前処理としては、エタノールによる超音波洗浄のみ行っ
た。
【0036】これに対して、前処理として、熱リン酸に
より基板1にエッチングを施すと、基板1表面の研磨ダ
メージを取り除く効果があり、接合抵抗を下げることが
できる。即ち、熱リン酸により基板1を30秒〜1分エ
ッチングを施すことにより、接合抵抗をエタノールによ
る超音波洗浄のみの場合に比して約50%減少させるこ
とができた。
【0037】又、前処理として、バッファドフッ酸H2
2:HF=(10:1)〜(20:1)により、基板
1にエッチングを施しても、同様に接合抵抗を低下させ
ることができた。この場合、エッチング液温〜23℃、
エッチング時間15〜30秒で、エッチング後、純水洗
浄を10分行う。この時の接合抵抗の減少はエタノール
による超音波洗浄のみの場合に比して約50%であり、
熱リン酸によるエッチングの場合と同様である。
【0038】図4は、上記の製造方法により形成した超
電導デバイスのI−V特性の微分コンダクタンス(dI
/dV−V)特性の温度依存性を測定した結果を示す。
尚、この測定サンプルは、基板温度350℃でRfマグ
ネトロンスパッタリング法によりBKBO膜を形成した
ものである。
【0039】図4から明らかなように、温度が超電導転
移温度以下の4.8Kのとき、0バイアス近傍の±3.
5mV内に超電導ギャップの観測に伴う、約30%のコ
ンダクタンスの低下を観測できた。
【0040】このようにこの発明によれば、酸化物超電
導体と半導体との良好な接合が得られる。
【0041】図5に従い、この発明をMOS型近接効果
型トランジスタに適用した実施例につき説明する。
【0042】図5(A)〜(D)は、MOS型の近接効
果型超電導トランジスタの製造工程を示すものである。
【0043】この図面において、基板1としては、Sr
TiO3(110)の単結晶基板にNbを0.008重
量%以上0.5重量%以下ドープしたものを用いる。こ
のNbドープ量の代表値は0.05重量%である。
【0044】そして、この基板1の研磨された表面に、
超電導組成膜としてのBa1-ppBiO3(0.2<p
<0.5)膜2をRfマグネトロンスパッタリング法に
より次の条件下で焼結ターゲットから形成する。尚、p
の代表値は0.4である。
【0045】この焼結ターゲットは、Ba0.60.5Bi
xの粉末をN2及びO2雰囲気中により仮焼成したもの
を用いる。
【0046】基板1をエタノール中で超音波洗浄した
後、煮沸、乾燥させる。次に、この洗浄された基板1
を、スパッタリングターゲットが装着されたRf−マグ
ネトロンスパッタ装置内に取付けた後、装置内圧が10
~4〜10~6Paとなるまで真空引きを行う。
【0047】陰極側のこのターゲットに対し、接地され
た陽極側に基板1を40mm離間して配置し、焼結ター
ゲットには負の高電圧1.5KVを印加する。
【0048】ベルジャ内に純度99.9995%のアル
ゴンガス(Ar)と純度99.999%の酸素ガス(O
2)を比1:1の割合で且つ装置内ガス圧は80Paと
なる様に設定した。
【0049】この後、装置の正負極間に50〜150W
の放電電力を印加することによって装置内にプラズマを
発生させた後、装置内の加熱装置により基板1を300
℃〜400℃に加熱する。
【0050】スパッタ出力を150Wとしてスパッタリ
ング処理し、基板1上に厚み300〜3000Åの薄膜
2を形成することができる。尚、この実施例では、BK
BO薄膜2の膜厚は1000Åとした。
【0051】次に、図5(B)に示すように、イオンビ
ームエッチング又はCCl4、CF4によるプラズマエッ
チングにより、BKBO薄膜2をパターニングしてソー
ス領域3とドレイン領域4を形成する。このソース領域
3とドレイン領域4間は0.15〜2.5μmの間隔で
基板1表面が露出される。
【0052】続いて、図5(C)に示すように、ソース
領域3とドレイン領域4とその間の基板1表面とに跨っ
て、酸化膜などの絶縁性膜5を形成する。
【0053】絶縁性膜5としてMgO、SiO2又はA
23を使用することができるが、この実施例において
はMgOを使用し、電子ビーム蒸着法で膜厚1000Å
とした。この場合の成膜速度は10Å/秒、基板温度3
00℃とした。
【0054】その後、図5(D)に示すように、絶縁性
膜5介してゲート電極6を設けると共にソース領域3と
ドレイン領域4にそれぞれ電気的に連なったAuなどか
らなるソース電極7並びにドレイン電極8を設ける。
【0055】また、各電極6、7、8としてAuを厚み
6000Åに電子ビーム蒸着法で蒸着した。その電子ビ
ーム蒸着法の作動条件は前述の絶縁性膜5の電子ビーム
蒸着法と同じであり、成膜速度は20Å/秒であった。
【0056】図6は、この発明の超電導デバイスを低エ
ネルギー型超電導ベーストランジスタに適用した構成を
示す模式図である。
【0057】図6に示すように、この低エネルギー型超
電導ベーストランジスタは、前述の前述の実施例と同様
にNbを0.008重量%以上0.5重量%以下ドープ
した単結晶SrTiO3(110)からなる酸化物半導
体をコレクタ領域10として用いる。
【0058】このNbドープのSrTiO3に、基板温
度を300℃から400℃に保持し、スパッタ法により
Ba1-ppBiO3(0.2<p<0.5)組成の超電
導体からなるベース領域11を形成する。尚、pの代表
値は0.4である。このベース領域11は膜厚500〜
1500Åエピタキシャル成長によりSrTiO3(1
10)上に形成するが、前述したように、Nbドープの
SrTiO3はペロブスカイト構造であり、SrTiO3
上にBKBO薄膜のエピタキシャル成長が行われる。ま
た、両者の接合界面は良好な状態が得られる。
【0059】そして、コレクタ領域10となるSrTi
3基板上にBKBOを形成した後、スパッタ装置のチ
ャンバから基板を取り出し、湿度60%以下の室温で大
気中または、Ar、N2ガスに約30分間さらしてお
く。この処理でBKBO表面に自然に約20Åのバリヤ
(nativeバリヤ)12が形成される。
【0060】他の方法としては、BKBOを大気圧の1
00%のO2にさらしておくか、または真空中に保持し
たままMgO、SiO2、SiN等の絶縁膜を基板温度
300℃〜350℃で約10Å〜40Åスパッタ形成す
ることにより、人工的にバリヤ12を形成することがで
る。
【0061】また、MgO、SiO2、SiNはMBE
法、EB法または抵抗加熱法によっても同様に形成する
ことができる。MBE法の場合、真空度を1×10~9
orr以上、EB法の場合1×10~8torr以上、抵
抗加熱の場合1×10~7torr以上になった時それぞ
れ蒸着レートを0.1Å/秒、0.5Å/秒、1.0Å
/秒で形成する。
【0062】これらのバリヤ12上に、金属又は超電導
体からなるエミッタ領域13を形成することにより、低
エネルギー型超電導トランジスタが形成される。
【0063】このエミッタ領域13は、金属の場合に
は、Au、Ti、Al、Niなどを抵抗加熱もしくはE
B蒸着法にて形成される。すなわち、Au、Al、Ni
は抵抗加熱で形成され、1×10~6Pa以下の真空度で
蒸着する。但し、基板温度は室温以上300℃以下であ
る。また、Tiの場合は、EB蒸着法によって形成す
る。この場合には、1×10~6Pa以下の真空度で0.
1〜1nm/秒の成膜スピードによって蒸着を行う。いず
れの場合もエミッタ領域13は3000〜6000Åの
厚みに形成する。
【0064】また、エミッタ領域13が超電導体の場
合、例えば、金属系超電導体(Pb、Nb、NbN、N
3Sn、Nb3Ge、NbTi)の場合には、多結晶エ
ミッタでも可能であるので、350℃以下の基板温度で
スパッタ法、MBE法、EB蒸着法、抵抗加熱法で形成
する。
【0065】NbN、Nb3Sn、Nb3Ge、NbTi
の場合は、スパッタ法により形成する。Pb、Nbの場
合は、MBE法によって形成する。
【0066】更に、酸化物超電導体の場合には、BKB
Oをスパッタ法により、ベースと同じ条件で形成するが
基板温度は、ベースを形成した温度より低いほうがよ
い。
【0067】そして、超電導体で構成するエミッタ領域
13の膜厚は、1000Å〜1μmで、金属系、酸化物
超電導体層共に同じであり、その代表値は4000Åで
ある。
【0068】図7はこの発明の超電導デバイスを高エネ
ルギー型超電導ベーストランジスタに適用した構成を実
施例の構成を示す模式図である。
【0069】図7に示すように、この高エネルギー型超
電導ベーストランジスタは、前述の図6で示した低エネ
ルギー型超電導ベーストランジスタと同様にNbを0.
008重量%以上0.5重量%以下ドープした単結晶S
rTiO3(110)からなる酸化物半導体をコレクタ
領域10として用い、この上にBKBOからなるベース
領域11を形成するものである。
【0070】すなわち、Nbを0.01重量%ドープし
たSrTiO3(110)基板10上に、前述と同様に
Ar:O2=1:1の割合で圧力80Paの条件による
スパッタ法により、膜厚300〜1000ÅのBKBO
膜11を作成する。この時SrTiO3基板10の基板
温度は300℃〜400℃にて行う。
【0071】この温度領域で成膜を行うと、SrTiO
3とBKBOの界面には、ほとんど拡散が起こらない。
【0072】又、成膜後、スパッタのチャンバーから取
り出す前に、チャンバー中を5/6気圧程度のO2雰囲
気にし、380℃〜410℃の温度下で1時間放置する
ことにより、転移温度Tc=28Kの超電導薄膜を得る
事ができる。
【0073】このような方法で、ベース領域としてのB
KBOを作成すると、Tc(転移温度)の高い、エピタ
キシャル成長をした、良質の膜が作成される。
【0074】この時、SrTiO3/BKBO界面のシ
ョットキーバリヤの高さは0.05eV〜0.2eVが
得られている。
【0075】従って、高エネルギー型超電導ベーストラ
ンジスタでは、バリヤ高さよりも高い、ショットキーバ
リヤを作るn型半導体を用いてエミッタ領域13にす
る。
【0076】このn型半導体としては、GaAs、Ga
P、InAs、InGaAs、Ge、Si又はNbをド
ープしたSrTiO3半導体を450℃以下の低温で成
膜すれば良い。
【0077】また、InAsについては、MBE法によ
って行い、他の半導体については、スパッタ法を用い
る。このように形成すると、GaAs、Si、SrTi
3では、多結晶体が形成されるが、ショットキーバリ
ヤは0.8〜0.4eVの高さのものが得られるので、
エミッタとしてさしさわりは無い。
【0078】尚、上述した図5ないし図7においては、
SrTiO3上にBKBOを設ける場合につき説明した
が、BKBOを代わりにBRbBOを用いても同様の効
果があることを確認している。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、この発明はNbを
0.008重量%から0.5%重量%の範囲でドープし
たSrTiO3を半導体基板として用ることで、この基
板上にBKBO膜をエピタキシャル成長させることがで
きる。従って、半導体層と超電体層との良好な接合界面
が得られ、特性の向上した超電導デバイスを提供でき
る。
【0080】またBKBOは低温形成が可能でありSr
TiO3にダメージを与えることもない。
【0081】更に、BKBOは300℃〜400℃で低
温形成することで、非常に接合のきれいなヘテロ成長を
させることができるため、コンタクト領域にダメージ層
のない接合抵抗の小さい接合を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前提となる超電導デバイスを示す断
面図である。
【図2】超電導薄膜のX線解析パターンを示すグラフで
ある。
【図3】この発明の製造方法により形成した超電導デバ
イスの接合抵抗と基板温度依存性を示す特性図である。
【図4】この発明の製造方法により形成した超電導デバ
イスの微分コンダクタンス特性の温度依存性を示す特性
図である。
【図5】この発明をMOS型近接効果型トランジスタに
適用した実施例における製造工程を示す断面図である。
【図6】この発明の超電導デバイスを低エネルギー型超
電導ベーストランジスタに適用した構成を示す模式図で
ある。
【図7】この発明の超電導デバイスを高エネルギー型超
電導ベーストランジスタに適用した構成を示す模式図で
ある。
【図8】従来の超電導トランジスタを示す断面図であ
る。
【図9】従来の超電導トランジスタを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 SrTiO3基板 2a 超電導薄膜 2 BKBO膜 3 ソース領域 4 ドレイン領域 5 絶縁膜 6 ゲート電極 7 ソース電極 8 ドレイン電極 10 SrTiO3基板(コレクタ領域) 11 ベース領域(BKBO膜) 13 エミッタ領域
フロントページの続き (72)発明者 善里 順信 守口市京阪本通2丁目18番地 三洋電機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−91985(JP,A) 特開 平2−144977(JP,A) 特開 平1−146359(JP,A) 特開 平1−297872(JP,A) 特開 平3−68181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/22 - 39/24 H01L 39/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルゴンガスと酸素ガスとを装置内に導
    入した後、装置内をプラズマ雰囲気として、Ba 1-p p
    BiO 3 (0.2<p<0.5)又はBa 1-p Rb p Bi
    3 (ここに、pは0.2<p<0.5)という組成か
    ら成る超電導薄膜を基板上に作成する超電導薄膜の製造
    方法において、前記基板としてNbを0.005重量以
    上0.5重量%以下でドープした単結晶SrTiO 3
    用い、前記基板の温度を300℃以上400℃以下に加
    熱した状態で超電導薄膜を作成することを特徴とする超
    電導デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 超電導薄膜形成前に、前記基板に熱リン
    酸またはバッファドフッ酸によるエッチング処理を施す
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導デバイスの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 基板としてNbを0.005重量%以上
    0.5重量%以下ドープした単結晶SrTiO 3 を用
    い、この基板上に、微小間隔を隔てて設けられたBa
    1-p p BiO 3 (ここに、pは0.2<p<0.5)又
    はBa 1-p Rb p BiO 3 (ここに、pは0.2<p<
    0.5)の組成からなるソース及びドレイン領域を設
    け、この微小間隔内の基板上とソース及びドレイン領域
    に跨って形成された絶縁膜上にゲート電極を設けてなる
    超電導トランジスタ。
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