JPH0792868B2 - カップ式飲料自動販売機のカップ搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はコーヒー，ココア，紅茶等の各種飲料を直接
カップ内で調合して販売に供するカップ式飲料自動販売
機のカップ搬送装置に関する。

〔従来の技術〕

この種のカップ式飲料自動販売機として、機内に分散配
備したカップ供給装置，原料供給装置，希釈用水供給装
置，原料攪拌装置等を経由して商品取出口に至る搬送経
路に沿ってカップを搬送するベルト式のカップ搬送装置
を備え、販売指令によりカップ供給装置から搬出された
カップを前記搬送経路に沿って移送する途上で、まずカ
ップ内に指定された原料を投入し、続いて別な位置で希
釈用水を供給した後にカップ内で原料を攪拌して飲料を
調合し、最後に飲料入りカップを商品取出口へ送出する
ようにしたものが例えば実開昭58−190783号で提案され
ており、さらにカップ搬送装置として、カップを受容保
持するカップホルダを搭載した互いに直交する２基の直
線移動機構の組み合わせから成る直角座標型移動機構が
特願昭61−121472号として同じ出願人より提案されてい
る。

かかる直角座標型移動機構のカップ搬送装置を採用する
ことにより、ベルト式カップ搬送装置と比べてカップ搬
送経路の指定をその移動領域内で２次元的に自由に設定
することが可能であり、したがって前記したカップ供給
装置等の各種装置に対する機内レイアウトの自由度を高
めることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、カップ搬送装置を前記した直角座標型移動機
構として構成したものでは、X,Y軸の各直線移動機構の
駆動，位置決めのための制御系が複雑化する他、機内で
前後，左右方向に大きな移動スペースを占有して他の機
器の配置スペースが制約を受け、かつこれら装置の保守
点検の際にカップ搬送装置が邪魔となって各種装置の出
し入れを阻害する等、機内保守面でも悪影響を及ぼす問
題が残る。

この発明の目的は、カップ供給装置等の各種装置の機内
レイアウトの自由度を高めつつ、一方ではコンパクトで
その移動占有スペースも少なく、かつ機内保守の際にも
カップ搬送装置を機内の隅に寄せることにより他の各種
装置の取扱いに邪魔となることのないようにした汎用性
の高いカップ搬送装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、この発明によれば、カップ
供給装置から搬出されたカップを受容保持するカップホ
ルダを装備の移動ステージと、該移動ステージを搭載し
て一軸方向に移動操作する直線移動機構と、該直線移動
機構の一端を支点としてこの支点の回りで直線移動機構
を水平方向に旋回操作する旋回機構と、直線移動機構を
旋回経路途上の指定された旋回角位置で停止位置決めす
るメカニカルストッパ機構とを組み合わせて構成するも
のとする。

〔作用〕

上記の構成で、直線移動機構上での移動ステージの移
動，および直線移動機構の旋回移動を組み合わせること
により機内で２次元的にレイアウトされたカップ供給装
置等の各種装置に対してカップホルダをアクセスしてカ
ップ，原料を供給して飲料を調合し、商品取出口へ搬出
することができる。また機内保守の際には直線移動機構
を縦ないし横向きにして機内の隅に寄せることによりカ
ップ搬送装置が他の各種装置の保守作業の邪魔物となる
ことがない。さらに直線移動機構の旋回途上の停止位置
決め手段として採用したメカニカルストッパ機構は、販
売サイクルに合わせて一方向からの接近に対して直線移
動機構を停止位置決めするようにした簡単な機構で対応
でき、旋回機構に高価なパルスモータ，位置検出用のエ
ンコーダ等を用いることなく、簡単に停止、位置決めを
行うことができる。

〔実施例〕

第１図はこの発明の実施例の概要を示す平面図、第２
図，第３図はその詳細構造図、第４図，第５図はそれぞ
れ異なる実施例のメカニカルストッパ機構の構造を示す
ものである。

まず第１図において、１はカップホルダを装備した移動
ステージ、２は移動ステージ１を搭載して矢印Ｐ方向へ
移動操作する直線移動機構、３は直線移動機構２を右端
の支点の回りで矢印Ｑ方向に旋回操作する旋回機構、４
は直線移動機構２を旋回経路途上での指定された旋回角
位置に停止位置決めするためのメカニカルストッパ機構
である。また図中での符号C1,C2は図示されてないカッ
プ供給装置からのカップ供給地点、A1,A2,A3は各種原料
供給装置からの原料供給地点、Ｍは希釈用水供給，並び
に原料撹拌地点、Ｖは商品取出口への飲料入りカップの
受け渡し地点であり、またR,S,Tは直線移動機構２の旋
回途上における各停止位置を示す。

次に第２図，第３図により直線移動機構２および旋回機
構３の詳細構造を示す。まず移動ステージ１はベンドス
テージを兼用するようにその上面と前面を開放した筐体
構造として成り、その内部にカップ５を左右から侠持し
て定位置に受容保持するカップホルダ11を装備したもの
である。なおこの移動ステージ１に対向して自動販売機
の前面に開口する商品取出口には移動ステージ１の上
面，および左右両面をカバーするステージカバーが設置
されており、飲料入りカップの搬出の際に移動ステージ
１がステージカバー内に送り込まれる。このように商品
取出口にステージカバーを設けて置くことにより、機内
へのいたずらを防止できる。

一方、直線移動機構２はスライドベース21、スライダ2
2、該スライダ22に結合してスライドベース21内のスプ
ロケット23の間に張架した駆動ベルト24、駆動モータ25
等の組立体として構成され、スライダ22がスライドベー
ス21内に敷設したガイドレール26に沿って矢印Ｐ方向に
移動操作される。

なお27はスライダ21のガイドローラ、28はスライドベー
ス21の先端下面に取付けた補助ローラである。

旋回機構３は直線移動機構２の一端を担持した軸受部3
1、その支軸にウォーム歯車機構32を介して結合された
駆動モータ33から成り、直線移動機構２を支軸の回りで
矢印Ｑ方向へ90度の範囲で旋回操作する。

さらに第４図に示すメカニカルストッパ機構４は第１図
の実線位置に設置されたものであり、その構成はベース
41にヒンジ結合した動揺式レバー42と、レバー42の先端
に設けた油圧式ダンパ43と、レバー42に取付けプランジ
ャ44と、プランジャ44を吸引操作するソレノイドコイル
45と、プランジャ44を上方に押し上げ付勢するばね46と
の組立体として成る。かかる構成でソレノイドコイル45
が非励磁であればレバー42はばね46の付勢で実線位置に
押し上げられ、矢印Q1方向から旋回移動して来る直線移
動機構２の側面をダンパ43に突き当てて停止させる。ま
たソレノイドコイル45を励磁すればレバー42が鎖線位置
に下降し、直線移動機構２の拘束を解く。またこの励磁
状態では直線移動機構２の矢印Q2方向の旋回移動に対し
ては何等の拘束を行わない。

また第５図にメカニカルストッパ機構４の別な実施例を
示す。この実施例は第１図の鎖線位置に設置して直線移
動機構２を停止位置ＳとＴで位置決めするものであり、
この実施例ではダンパ43,プランジャ44がベース41に対
し水平方向にスライド可能に軸支された軸47に取付けら
れ、その背後に付勢ばね46が介装されている。かかる構
成でソレノイドコイル45が非励磁であれば、第５図
（ａ）のように矢印Q1方向から旋回移動して来る直線移
動機構２がばね46を圧縮し、直線移動機構を第１図で指
定された旋回停止位置Ｔに停止させる。これに対し自由
状態ではばね付勢によりダンパ43は第５図（ｂ）のよう
にストロークｌだけ前方に突出し、かつこの状態でソレ
ノイドコイル45を励磁してプランジャ44をその位置に吸
引して置けば、矢印Q1方向から旋回移動して来る直線移
動機構２を第１図における旋回停止位置Ｓに停止させ
る。さらに（ｂ）図の状態からソレノイドコイル45を非
励磁とすれば、拘束を解いて直線移動機構２が停止位置
Ｓから（ａ）図の停止位置Ｔに向けて旋回移動できる。
なお矢印Q2方向への直線移動機構の旋回移動に対しては
メカニカルストッパ機構が何等の拘束を与えない。

次に上記構成による飲料販売動作を第１図に付いて説明
する。販売待機状態では直線移動機構２が旋回停止位置
Ｓに停止して待機している。なおこの停止位置Ｓの位置
決めは第４図ないし第５図で述べたメカニカルストッパ
機構４の動作により行われる。ここで販売指令が与えら
れると、まず直線移動機構２の上で飲料選択に応じて移
動ステージ１がカップ供給地点C1ないしC2に移動操作さ
れ、ここでカップ供給装置から搬出されたカップをカッ
プホルダで受容保持する。続いてメカニカルストッパ機
構４の拘束を解除し、直線移動機構２を旋回機構３の操
作により旋回停止位置Ｔに旋回移動して停止し、ここで
移動ステージ１を指定された原料供給地点A1〜A3のいず
れかに移動してカップ内に原料を投入する。原料供給が
済むと再び旋回機構３の操作で直線移動機構２は旋回停
止位置Ｒに向けて旋回し、さらに移動ステージ１を地点
Ｍに移動したところで、希釈用水供給装置より定量の希
釈用水をカップ内に注入し、引き続いて原料撹拌装置に
よりカップ内で原料を撹拌して飲料を調合する。最後に
移動ステージ１を商品取出口の受け渡し地点Ｖに送出
し、ここで客が飲料入りカップを取出すと、旋回機構３
の操作で直線移動機構２は再び待機位置に復帰して販売
動作が終了する。なおこの一連の販売動作は制御装置か
らの指令プログラム制御される。また、前記した直線移
動機構２上での移動ステージ１の直線移動操作と旋回機
構３の旋回操作を平行して進行させるよう運転制御する
ことにより、機内に指定されたカップ，原料，希釈用水
供給地点に対し最短ルートを通って移動ステージ１をア
クセスさせて販売動作時間の短縮化を図ることができ
る。

一方、原料，カップ補給等の機内保守の際には直線移動
機構２を図示の停止位置Ｒに移動し、機内の隅に寄せて
停止させておく。これによりカップ搬送装置が前方から
の保守作業に対して邪魔にならず、原料供給装置等の出
し入れを容易に行うことができる。

さらに前記した販売動作のサイクルは、直線移動機構が
旋回停止位置Ｓを待機位置としてＳ→Ｒ→Ｔ→Ｓのルー
トを辿ることから、旋回停止位置Ｓでの停止位置決めは
Ｒ側から旋回移動して来る直線移動機構２を停止制御す
ればよく、したがって第４図，第５図に示したメカニカ
ルストッパ機構４を採用することにより、旋回機構３の
駆動モータとして高価なパルスモータを使用せずに通常
の可逆転モータを使用して簡単に停止位置決め制御が行
える。なお旋回機構の駆動モータはメカニカルストッパ
機構４で直線移動機構２を指定の位置で停止させた後に
通電オフとするか、あるいは直線移動機構の停止直前位
置をリミットスイッチで検出してモータを発電制動する
ようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたようにこの発明によれば、カップ供給装置か
ら搬出されたカップを受容保持するカップホルダを装備
の移動ステージと、該移動ステージを搭載して一軸方向
に移動操作する直線移動機構と、該直線移動機構の一端
を支点としてこの支点の回りで直線移動機構を水平方向
に旋回操作する旋回機構と、直線移動機構を旋回経路途
上の指定された旋回角位置で停止位置決めするメカニカ
ルストッパ機構とを組み合わせてカップ搬送装置を構成
したことにより、カップ供給装置等の各種装置に対する
機内レイアウトの自由度を高めつつ，一方では従来の直
角座標型移動機構に比べてコンパクトで移動占有スペー
スも小さく，かつ高価なパルスモータ等を採用すること
なく簡単に直線移動機構の停止位置決めが行え、しかも
機内保守の際には他の装置に対して邪魔にならないよう
に機内の隅に移動できる等、各種飲料を販売するカップ
式自動販売機に対して汎用性の高いカップ搬送装置を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例によるカップ搬送装置の概要を示
す平面図、第２図，第３図は第１図の詳細構造を示す横
断面図，および移動ステージ部分の縦断面図、第４図，
第５図（ａ），（ｂ）はそれぞれメカニカルストッパ機
構の異なる実施例の構成図である。各図において、 １……移動ステージ、11……カップホルダ、２……直線
移動機構、３……旋回機構、４……メカニカルストッパ
機構、５……カップ、Ｐ……直線移動機構上での移動ス
テージの移動方向、Ｑ……直線移動機構の旋回方向。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機内に分散して配備されたカップ供給装
   置，各種原料供給装置，希釈用水供給装置，原料撹拌装
   置等を経て商品取出口に至る搬送経路に沿ってカップ供
   給装置から搬出されたカップを搬送し、その搬送途上で
   カップ内に指定された原料の供給，希釈用水の供給，お
   よび原料撹拌を行って飲料を調合した上で、飲料入りカ
   ップを商品取出口へ送出するようにしたカップ式飲料自
   動販売機のカップ搬送装置であって、カップ供給装置か
   ら搬出されたカップを受容保持するカップホルダを装備
   の移動ステージと、該移動ステージを搭載して一軸方向
   に移動操作する直線移動機構と、該直線移動機構の一端
   を支点としてこの支点の回りで直線移動機構を水平方向
   に旋回操作する旋回機構と、直線移動機構を旋回経路途
   上の指定された旋回角位置で停止位置決めするメカニカ
   ルストッパ機構とを組み合わせて構成したことを特徴と
   するカップ式飲料自動販売機のカップ搬送装置。