JP4792647B2 - カップ式自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ内に粉末原料と湯または水等の希釈液とを投入し、攪拌機構で攪拌して調理したカップ飲料を販売するカップ式自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カップ内に投入した粉末原料と湯または水等の希釈液とからなる飲料に攪拌機構の羽根車を挿入して、これを攪拌して調理したカップ飲料を販売するカップ式自動販売機が知られている。この種のカップ式自動販売機では、その機内に複数のキャニスタが配設され、これらキャニスタ内には飲料調理用の各種の粉末原料が収容されている。また、機内には、カップを保持するカップ保持機構およびカップを保持したカップ保持機構を所定の位置に搬送する搬送機構が設けられている。そしてカップ保持機構で保持したカップを搬送機構で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップ内に飲料の粉末原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌機構で攪拌混合して飲料を調理する。この調理した飲料は販売口に搬送され、カップ飲料購入客に受け取られ、販売動作が終了するようになっている。
【0003】
図6は従来のカップ式自動販売機における、カップ飲料用の調理部を示す構成図である。調理部1は、水平方向に延びる搬送機構2と、カップCを供給するカップ供給装置3と、カップC内にクリーム、コーヒー、及び砂糖等の粉末原料を供給するキャニスタ4と、カップC内に湯を供給する湯タンク5と、粉末原料と湯とを攪拌(調理)する攪拌機構6と、アイス飲料の調理に使用する氷を製氷および貯氷する製氷機7と、から構成されている。
【0004】
搬送機構2は、左右方向(図6に対し)にカップ保持機構搬送部28を搬送する主搬送部21と、カップ保持機構搬送部28で前後方向(図6に対し)に搬送されるカップ保持機構36と、で構成されている。
【0005】
カップ保持機構36には、カップ供給装置3から供給されたカップCを把持するカップ把持アーム39が突設されており、カップC胴部をカップ把持アーム39が把持するようになっている。
【0006】
カップ供給装置3は、大、中、小3種類のカップCを多数収容していて、図示しないカップ搬出装置を下部に備えている。販売指示に基づいて、カップ供給装置3から大、中、小何れかのカップCが1個ずつカップ搬出装置から搬出され、カップ保持機構36に受け渡されるようになっている。
【0007】
キャニスタ4は、粉末原料としてのクリーム、コーヒー、および砂糖それぞれを収容している、クリームキャニスタ4a、コーヒーキャニスタ4b、および砂糖キャニスタ4cを有し、下部に設けた供給機構41により所定量の各粉末原料をカップCに供給する。各供給機構41の下側には、粉末原料シュート42が設けられており、各キャニスタ4a、4b、4c内の粉末原料は各粉末原料シュート42の下側に搬送されてくるカップCに、粉末原料シュート42を介して供給される。
【0008】
湯タンク5は、内部に図示しないヒータを備え、湯タンク上部から湯をカップCに供給するものであり、給湯口51に給湯電磁弁52と、給湯電磁弁52に連通する給湯管53と、を備えている。販売指示により、給湯電磁弁52がオン(開放)されると、給湯管53を介して所定量の湯がカップCに供給されるようになっている。
【0009】
攪拌機構6は、カップC内の原料と希釈液とからなる飲料を攪拌混合する羽根車61が設けられ、各キャニスタ4a、4b、4cから供給された粉末原料と、湯タンク5から供給された湯と、を攪拌混合して飲料を調理する。
【0010】
製氷機7は、氷を製造する製氷部7aと、製氷部7aで製造した氷を貯えておく貯氷部7bとを備え、貯氷部7bで貯えている氷を氷供給パイプ75を介してカップCに供給する。
【0011】
この状態において、制御部(図示せず)からの販売信号が出力されると、カップ保持機構36で保持したカップCを搬送機構2で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップC内に各飲料の粉末原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌機構6で攪拌混合して飲料を調理する。この調理した飲料は販売口(図示せず)に搬送され、カップ飲料購入客に受け取られ、販売動作が終了するようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
各キャニスタ4a、4b、4cはそれぞれ粉末原料としてのクリーム、コーヒー、および砂糖を収容しておくとともに、下部に設けた供給機構41により所定量の各粉末原料をカップCに供給する。各供給機構41の下側には、粉末原料シュート42が設けられており、各キャニスタ4a、4b、4c内の粉末原料は各粉末原料シュート42の下側に搬送されてくるカップCに、粉末原料シュート42を介して供給される。
【0013】
しかしながら、粉末原料は非常に飛散しやすく、飛散した粉末原料で機内が汚れてしまうという問題がある。従来、この飛散した粉末原料で機内が汚れることを防止するために、排気ファンを設け、機内に漂っている粉末原料を機外に排出する方法がとられている。しかし、自動販売機が屋内に設置されている場合、排気ファンにより機内に漂っている粉末原料を機外に排出すると、排出された粉末原料で機外が汚れてしまう恐れがある。また、排気ファンで機内に漂っている粉末原料を機外に排出するには、各キャニスタの設置位置から機外まで排気ダクトを設ける必要があるので、排気ダクトの配設スペースが必要になり、自動販売機寸法が大きくなるとともに、コストアップ要因となる問題がある。
【0014】
従って、本発明の目的は、カップを搬送機構で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップ内に飲料の粉末原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌機構で攪拌混合して飲料の調理を行うカップ式自動販売機に関し、各キャニスタの供給機構からカップに粉末原料を供給する際に、簡便な構成で、粉末原料の飛散をなくして機内の汚れを防ぐことができるカップ式自動販売機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、カップに粉末原料を供給した後に希釈液を供給することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、粉末原料収納部に収納されている粉末原料をカップに供給する粉末原料送出路と、前記カップの開口部を自重で覆うカバーと、前記カップを保持するカップ保持機構と、前記粉末原料を前記カップに供給するとき、前記粉末原料送出路の開口部が前記カップの内部に入り込むように、前記カップ保持機構の高さ方向の移動距離を制御する制御手段と、を備え、前記カップの開口部が前記カバーを突き上げることにより前記カバーが前記粉末原料送出路の周面を移動して、自重で前記カップ開口部を覆うことを特徴とするものである。
【0016】
請求項2にかかる発明は、カップに粉末原料を供給した後に希釈液を供給することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、粉末原料収納部に収納されている粉末原料をカップに供給する粉末原料送出路と、前記カップの開口部を弾性部材の弾性力を用いて覆うカバーと、前記カップを保持するカップ保持機構と、前記粉末原料を前記カップに供給するとき、前記粉末原料送出路の開口部が前記カップの内部に入り込むように、前記カップ保持機構の高さ方向の移動距離を制御する制御手段と、を備え、前記カップの開口部が前記カバーを突き上げることにより前記カバーが前記粉末原料送出路の周面を移動して、弾性部材の弾性力を用いて前記カップ開口部を覆うことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。本発明のカップ式自動販売機は、販売口内で飲料の調理(混合)が行われる方式と異なり、自動販売機内で調理した調理済みのカップ入り飲料を、販売口に搬送してカップ飲料購入客に提供する飲料調理方法を採用するものである。
【0022】
図1は、本発明のカップ式自動販売機における実施の形態として、カップ飲料用の調理部を示す構成図である。調理部1は、水平方向に延びる搬送機構2と、カップCを供給するカップ供給装置3と、カップC内にクリーム、コーヒー、及び砂糖等の粉末原料を供給するキャニスタ(粉末原料収納部)4と、カップC内に湯を供給する湯タンク5と、粉末原料と湯とを攪拌(調理)する攪拌機構6と、アイス飲料の調理に使用する氷を製氷および貯氷する製氷機7と、から構成されている。
【0023】
搬送機構2は、左右方向(図1に対し)水平に直線的に延びる支持フレーム22と、支持フレーム22の両端部にそれぞれ回転自在に軸支された駆動プーリ23および従動プーリ24と、両プーリ間に掛け渡した無端の搬送ベルト25と、駆動プーリ23を作動させる搬送モータ26と、支持フレーム22と平行して設けたサブフレーム27と、で構成する主搬送部21と、一端を搬送ベルト25に固定し、他端をサブフレーム27上に載置した、同じく、両端部にそれぞれ回転自在に軸支された駆動プーリ29および従動プーリ30を設けた支持フレーム31と、両プーリ間に掛け渡した無端の搬送ベルト32と、駆動プーリ29を作動させる搬送モータ33と、搬送ベルト25の作動に伴って支持フレーム31が支持フレーム22面上を転動するように設けたローラ34と、サブフレーム27面上を転動するように設けたローラ35と、で構成するカップ保持機構搬送部28と、カップ保持機構搬送部28の搬送ベルト32に固定されたカップ保持機構36と、で構成されている。
【0024】
カップ保持機構搬送部28は、搬送ベルト25が作動すると、ローラ34が支持フレーム22、ローラ35がサブフレーム27それぞれの面上を転動して、カップ保持機構搬送部28は左右方向に円滑に移動される。カップ保持機構36は、搬送ベルト32の所定の部位に固定され、この固定部位にはローラ37が取り付けられている。搬送ベルト32が作動すると、ローラ37が支持フレーム31面上を転動して、カップ保持機構36は前後方向(図1に対し)に円滑に移動される。カップ保持機構搬送部28は、制御部(図示せず)からの信号で動作する搬送モータ26の働きにより左右方向に移動することができ、また、カップ保持機構搬送部28の搬送ベルト32に固定されたカップ保持機構36も制御部からの信号で動作する搬送モータ33の働きにより前後方向に移動することができる。その結果、カップ保持機構36は、制御部からの信号で、前後左右方向へ自在に移動することができる。
【0025】
また、カップ保持機構36には、カップ供給装置3から供給されたカップCを受けるカップ受台38と、カップC胴部を把持するカップ把持アーム39と、が突設されており、カップ受台38は図示しないカップ受台移動機構により、カップCの大きさ(大、中、小)に応じたカップ高さ(上下)方向に移動させることができる。また、カップ把持アーム39は図示しないアーム開閉機構によりアームを開閉し、カップCの大きさ(大、中、小)に応じたアーム間隔にすることができ、カップ受台38で受けたカップCをカップ把持アーム39が把持するようになっている。
【0026】
カップ供給装置3は、大、中、小3種類のカップCを多数収容していて、図示しないカップ搬出装置を下部に備えている。販売指示に基づいて、カップ供給装置3から大、中、小何れかのカップCが1個ずつカップ搬出装置から搬出され、カップ保持機構36に受け渡されるようになっている。
【0027】
キャニスタ4は、それぞれ粉末原料としてのクリーム、コーヒー、および砂糖を収容している、クリームキャニスタ4a、コーヒーキャニスタ4b、および砂糖キャニスタ4cと、それぞれのキャニスタの下部に設けた供給機構41により、各キャニスタ4a、4b、4c内の所定量の粉末原料を、搬送機構2により供給機構41の下に搬送されてきたカップCに供給する。キャニスタ4内には、後述するオーガ48が設けられ、オーガ48は図示しないオーガモータにより回転し、キャニスタ4内の粉末原料を供給機構41に送出する。なお、各キャニスタ4a、4b、4cは、販売飲料に対応した粉末原料の数を設けている。
【0028】
湯タンク5は、内部に図示しないヒータを備え、湯タンク上部から湯をカップCに供給するものであり、給湯口51に給湯電磁弁52と、給湯電磁弁52に連通する給湯管53と、を備えている。販売指示により、給湯電磁弁52がオン(開放)されると、給湯管53を介して所定量の湯がカップCに供給されるようになっている。
【0029】
攪拌機構6は、カップC内の粉末原料と希釈液とからなる飲料を攪拌混合する羽根車61が設けられ、各キャニスタ4a、4b、4cから供給された粉末原料と、湯タンク5から供給された湯と、を攪拌混合して飲料を調理する。
【0030】
製氷機7は、氷を製造する製氷部7aと、製氷部7aで製造した氷を貯えておく貯氷部7bとを備え、貯氷部7bで貯えている氷を氷供給パイプ75を介してカップCに供給する。
【0031】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るカップ保持機構36と供給機構41を示し、カップ保持機構36は、カップ供給装置3から供給されたカップCを受けるカップ受台38と、移動モータ36aの回転数を変換する回転数変換部36bの出力軸に取り付けたネジ構造のシャフト36cがカップ受台38のネジ穴38aに噛み合わされて設けられ、移動モータ36aの制御回転によりシャフト36cを回転させると、シャフト36cと噛み合っているネジ穴38aにより、カップ受台38をカップCの大きさ(大、中、小)に応じてカップ高さ方向に移動させることができる。また、カップ把持アーム39は図示しないアーム開閉機構によりアームを開閉し、カップCの大きさ(大、中、小)に応じたアーム間隔にすることができ、カップ受台38が受けたカップCをカップ把持アーム39で把持するようになっている。
【0032】
制御部(図示せず)は、カップ保持機構36のカップ受台38を待機位置からカップCの大きさに応じた移動量L(ステップ数)移動させる。すなわち、制御部には、カップCの大きさに応じて、カップ受台38の上下の移動量と移動のタイミング等が設定されており、移動モータ36aに内蔵しているエンコーダからの回転数信号を制御部が受け、移動モータ36aが所定のステップ数回転され、回転数変換部36b、シャフト36cを介してカップ受台38を所定の位置まで移動させる。
【0033】
これにより、カップ保持機構36は、カップCの大きさに応じて、カップCを所定のカップ高さ方向の位置に移動することができる。
【0034】
なお、この制御部に回転速度制御装置を組み込んでもよい。この場合、移動モータ36aの回転速度を制御して、カップ受台38の上昇および下降速度を適宜制御して、最短時間でカップ受台38を所定のカップ高さ方向の位置まで移動させることが可能になる。
【0035】
供給機構41は、オーガ48の回転により送出された粉末原料をカップCに供給する、キャニスタ4前下方に突出した粉末原料送出路43が形成されており、粉末原料送出路43の途中には、粉末原料送出路43内を閉口し、粉末原料を一時保持するシャッター44を内設している。このシャッター44は図示しないシャッター回動機構により回動し、シャッター44が点線で図示する位置(粉末原料供給位置)に回動すると、一時保持している粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する。
【0036】
また、供給機構41には、カップ保持機構36のカップ受台38を待機位置からカップCの大きさに応じた移動量(L)上方向に移動させたときに、カップC開口部と所定の隙間(例えば、3mm)になる位置に、カップC開口部を覆うカバー45を設けている
図3は、本発明のカップ式自動販売機の制御ブロック図を示し、カップ式自動販売機の前面パネル(図示せず)に設けた、カップ飲料の種類を選択するための飲料選択ボタン80と、飲料選択ボタン80で選択されたカップ飲料を調理するための制御を行う制御部(制御手段)100と、制御部100からの信号を受けてカップCを搬送する搬送機構2と、同じく、制御部100からの信号を受けて、所定量の粉末原料をカップCに供給するキャニスタ4とを有する。飲料選択ボタン80にはそれぞれ販売される飲料の表示がされている。そして、飲料選択ボタン80が押されると、制御部100は、飲料選択ボタン80の表示に対応させて設定してある粉末原料、希釈液、および、カップCを供給、搬送、攪拌混合する信号を出力する。制御部100が信号を出力すると、搬送機構2はカップCを所定の位置に搬送し、キャニスタ4は所定量の各粉末原料を供給する。
【0037】
以上、本発明の、カップ内に粉末原料と湯または水等の希釈液とを投入し、攪拌機構で攪拌して調理したカップ飲料を販売するカップ式自動販売機の構成について説明したが、次にその作用についてホットコーヒーの調理を例に説明する。
【0038】
かかる構成により、カップ式自動販売機内でカップCに粉末原料と希釈液を投入し、攪拌機構6で攪拌して調理したホットコーヒーを販売するには、飲料選択ボタン80が押されると、先ず、カップ供給装置3からカップ保持機構36に供給されたカップCがカップ受台38とカップ把持アーム39で保持固定される。カップ保持機構36がカップCを保持すると、搬送モータ26と搬送モータ33の動作により、カップ保持機構36が適宜ステップ送りされて行き、クリームキャニスタ4aからクリームの供給を受け、コーヒーキャニスタ4bからコーヒーの供給を受け、砂糖キャニスタ4cから砂糖の供給を受けて、攪拌機構6の位置まで搬送される。
【0039】
その際、カップCが搬送機構2により各キャニスタ4の位置に搬送されてくるまでの間に、先ず、オーガ48の回転によりキャニスタ4内の粉末原料を供給機構41に送出する。供給機構41に送出された粉末原料は、粉末原料送出路43内でシャッター44の上に一時保持されて待機状態となる。
【0040】
この待機状態において、粉末原料送出路43下端開口部の真下の位置にカップCが搬送されて配置すると、このタイミングに合わせて、カップCをカップ受台38の上方向の移動によりカップCの大きさに応じた所定の高さ位置に移動させ、粉末原料送出路43下端開口部をカップC内部に入り込ませるとともに、カップC開口部をカバー45で覆うようにする。カップCを所定の高さ位置に移動させて、粉末原料送出路43下端開口部をカップC内部に入り込ませ、カップC開口部をカバー45で覆うと同時に、シャッター回動機構によりシャッター44を粉末原料供給位置に回動させ、一時保持している粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する。そしてこの後、カップ受台38が下降して、カップCが他の位置に搬送される。
【0041】
このように、粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、粉末原料送出路43下端開口部をカップC内部に入り込ませるとともに、カバー45でカップC開口部を覆うことにより、粉末原料の飛散を防ぐことができるので、粉末原料でカップ式自動販売機内が汚れることがなくなる。
【0042】
また、カップCの搬送途中で、予め所定量の粉末原料を粉末原料送出路43内に一時保持させ、この状態でカップCの到着を待つようにしている。一時保持のないものでは粉末原料の供給開始動作が遅れることになるが、所定量の粉末原料を一時保持させてカップCの到着を待つ構成によれば、販売動作開始からカップC内に粉末原料が供給されるまでの工程が短時間で達成され、カップ式自動販売機の利用客に対して速やかにカップ飲料を提供することができる。
【0043】
それぞれのキャニスタ4a、4b、4cで粉末原料をカップCに供給した後、カップ保持機構36が攪拌機構6の位置に移動すると、給湯電磁弁52をオンして湯タンク5に貯湯している湯を給湯管53を介してカップCに供給する。カップCに湯を供給するとともに、攪拌機構6の羽根車61をカップC内に挿入し回転させると、カップC内で上記各粉末原料と湯が攪拌混合され飲料になる。
【0044】
調理が完了したホットコーヒーは、カップCに満たされた状態で、さらに、図示しない販売口に搬送され、カップ飲料購入客に受け取られ、販売動作が終了する。
【0045】
なお、ホットコーヒーを調理する実施例で説明したが、本発明は、他の粉末原料と水または湯等の希釈液とからなる飲料を攪拌して混合する調理に適用できることはいうまでもない。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る供給機構41を示し、第1の実施の形態で説明したカバー45に代えて、自重でカップC開口部を閉塞するカバー46を有する構成において第1の実施の形態と相違しており、その他の構成および機能については第1の実施の形態と同一であるので重複する説明を省略する。
【0047】
カバー46は、粉末原料送出路43外壁を摺動するように取り付けられ、粉末原料送出路43下端に設けた落下防止リング43aにより、粉末原料送出路43下端に係留されている。カップ保持機構36のカップ受台38が待機位置からカップCの大きさに応じた移動量(L)上方向に移動され、カップCの開口部がカバー46の係留位置を通過し、カバー46を突き上げると、カップC開口部とともに上昇し、カップCが所定の位置に停止すると、カバー46が自重でカップC開口部を閉塞する。
【0048】
このように、一時保持している粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、カバー46が自重でカップC開口部を閉塞するので、粉末原料の飛散を防ぐことができ、粉末原料でカップ式自動販売機内が汚れることがなくなる。
【0049】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る供給機構41を示し、第2の実施の形態で説明したカバー46を常に下方向に押し下げるスプリング(弾性部材)47を有する構成において第2の実施の形態と相違しており、その他の構成および機能については第2の実施の形態と同一であるので重複する説明を省略する
カバー46は、粉末原料送出路43外壁を摺動するように取り付けられ、粉末原料送出路43下端に設けた落下防止リング43aにより、粉末原料送出路43下端に係留されている。さらに、粉末原料送出路43途中にはスプリング止め43bが設けられ、カバー46は、スプリング止め43bとの間に設けたスプリング47により、常に下方向に押し下げられている。カップ保持機構36のカップ受台38が待機位置からカップCの大きさに応じた移動量(L)上方向に移動され、カップCの開口部がカバー46の係留位置を通過し、カバー46を突き上げると、カップC開口部とともに上昇し、カップCが所定の位置に停止すると、カバー46が自重とスプリング47が下方向に押し下げる力でカップC開口部を閉塞する。
【0050】
このように、一時保持している粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、カバー46が自重とスプリング47が下方向に押し下げる力でカップC開口部を確実に閉塞することができるので、粉末原料の飛散がなくなり、粉末原料でカップ式自動販売機内が汚れなくなる。
【0051】
以上説明したように、カップCに粉末原料を供給した後に希釈液を供給することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、キャニスタ4に収納されている粉末原料をカップCに供給する粉末原料送出路43と、カップCを保持するカップ保持機構36と、粉末原料をカップCに供給するとき、粉末原料送出路43の開口部がカップCの内部に入り込むように、カップ保持機構36の高さ方向の移動距離を制御する制御部100と、を備えたことにより、キャニスタ4に収容している粉末原料を粉末原料送出路43の開口部からカップC内に供給する際に、簡便な構成で、粉末原料の飛散による機内の汚れをなくしたカップ式自動販売機を提供することが可能になる。
【0052】
粉末原料および希釈液を供給する位置までカップ保持機構36を搬送する搬送機構2を備え、制御部100は、粉末原料をカップCに供給するとき、カップ保持機構36上のカップCの開口部が粉末原料送出路43の開口部と対向する位置となるように、搬送機構2を移動させることにより、カップCをカップ受台38の上方向の移動によりカップCの大きさに応じた所定の高さ位置に移動させ、粉末原料送出路43下端開口部をカップC内部に入り込ませ、粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給することが可能になる。
【0053】
制御部100は、カップCの大きさに応じて、カップ保持機構36の高さ方向の移動距離を制御することにより、カップCの大きさに係わらず、粉末原料を飛散させることなく粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給することが可能になる。
【0054】
粉末原料をカップCに供給するとき、カップCの開口部を覆うカバー45を、粉末原料送出路43の周面に固定して設けたことにより、粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、粉末原料の飛散を防止することが可能になる。
【0055】
粉末原料をカップCに供給するとき、カップCの開口部を自重で覆うカバー46を、粉末原料送出路43の周面に移動可能となるように設けたことにより、粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、粉末原料の飛散をなくすことが可能になる。
【0056】
粉末原料をカップCに供給するとき、カップCの開口部をスプリング47の弾性力を用いて覆うカバー46を、粉末原料送出路43の周面に移動可能となるように設けたことにより、粉末原料を粉末原料送出路43下端開口部からカップCに供給する際に、さらに粉末原料の飛散をなくすことが可能になる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、キャニスタに収容している粉末原料を供給機構からカップ内に供給する際に、簡便な構成で、粉末原料の飛散をなくして機内の汚れを防ぐことができるカップ式自動販売機を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカップ式自動販売機を適用する調理部を示す構成図である。
【図2】本発明のカップ式自動販売機を適用する第1の実施の形態に係る供給機構を示す構成図である。
【図3】本発明のカップ式自動販売機の制御ブロックを示す図である。
【図4】本発明のカップ式自動販売機を適用する第2の実施の形態に係る供給機構を示す構成図である。
【図5】本発明のカップ式自動販売機を適用する第3の実施の形態に係る供給機構を示す構成図である。
【図6】従来のカップ式自動販売機の調理部を示す構成図である。
【符号の説明】
1 調理部
2 搬送機構
3 カップ供給装置
4 キャニスタ
5 湯タンク
6 攪拌機構
7 製氷機
21 主搬送部
28 カップ保持機構搬送部
36 カップ保持機構
38 カップ受台
39 カップ把持アーム
41 供給機構
43 粉末原料送出路
44 シャッター
45 カバー
46 カバー
47 スプリング
80 飲料選択ボタン
100 制御部
Claims (2)
- カップに粉末原料を供給した後に希釈液を供給することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、
粉末原料収納部に収納されている粉末原料をカップに供給する粉末原料送出路と、
前記カップの開口部を自重で覆うカバーと、
前記カップを保持するカップ保持機構と、
前記粉末原料を前記カップに供給するとき、前記粉末原料送出路の開口部が前記カップの内部に入り込むように、前記カップ保持機構の高さ方向の移動距離を制御する制御手段と、
を備え、
前記カップの開口部が前記カバーを突き上げることにより前記カバーが前記粉末原料送出路の周面を移動して、自重で前記カップ開口部を覆うことを特徴とするカップ式自動販売機。 - カップに粉末原料を供給した後に希釈液を供給することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、
粉末原料収納部に収納されている粉末原料をカップに供給する粉末原料送出路と、
前記カップの開口部を弾性部材の弾性力を用いて覆うカバーと、
前記カップを保持するカップ保持機構と、
前記粉末原料を前記カップに供給するとき、前記粉末原料送出路の開口部が前記カップの内部に入り込むように、前記カップ保持機構の高さ方向の移動距離を制御する制御手段と、
を備え、
前記カップの開口部が前記カバーを突き上げることにより前記カバーが前記粉末原料送出路の周面を移動して、弾性部材の弾性力を用いて前記カップ開口部を覆うことを特徴とするカップ式自動販売機。
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