JP2940688B2 - カップ式自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、カップ供給装置，飲料供給位置，販売口を
機内に分散して設け、カップ供給位置に送出されたカッ
プを移送装置により飲料供給位置及び販売口に順次移送
することで販売に供するカップ式自動販売機に関する。

（ロ）従来の技術 このような自動販売機としては、例えば実開昭62−19
985号公報に開示されているように、カップ供給機構に
て送出されたカップをベルトコンベアにて販売口まで移
送し、移送の途中に原料や希釈液をカップに送出して商
品の加工を施しながら販売口で販売に供する構成が提案
されている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来のカップ式自動販売機はベルトコ
ンベアにて移送されるカップをベルト上に載置する構成
であるために、移送途中で転倒したりまたは顧客によっ
て取り出されたりする不具合がある。しかも、開口面積
及び高さが異なる少なくとも２種類以上のカップサイズ
に選択的に飲料を注出するカップ式自動販売機にあって
は、販売するカップサイズに応じて販売口のカップレス
トの高さを調整するために、ベルトコンベアのように移
送するカップの底面がその高さに係わらず常に一定とな
る移送装置はそぐわないという課題がある。

従って、本発明は、カップ送出装置より送出されるカ
ップを把持して移送すると共に、カップの高さに応じて
カップレストを昇降させるようにした自動販売機を提供
するものである。

（ニ）課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明によるカップ式自
動販売機は、カップ供給位置、飲料供給位置、販売口を
順次移動するための移動経路を定めるレールと、開口面
積及び高さが異なる少なくとも２種類以上のサイズのカ
ップをカップサイズ指定信号に応じて選択的に前記カッ
プ供給位置に送出可能なカップ送出装置と、前記レール
に装架されており該カップ送出装置より送出されるカッ
プを把持する開閉式のカップ支持片を有したカップ保持
装置と、該カップ保持装置がレール上を移動するよう駆
動する駆動装置と、前記販売口に配置されるカップレス
トと、前記カップサイズ指定信号に応じて、カップ保持
装置に保持されて移動されたカップの底面と前記カップ
レストのカップ載置面とがほぼ同じ高さになるように、
前記該カップレストの高さ位置を調整する昇降機構と、
前記カップサイズ指定信号に応じて前記カップ支持片の
開閉を制御し、且つカップ保持装置が前記販売口まで移
送されると前記カップ支持片による把持を解除するよう
制御する制御装置とを備えている。

（ホ）作用 販売動作の開始によりカップ供給装置は、カップサイ
ズ指定信号に応じて指定のカップを送出する。送出され
たカップは、そのカップサイズに応じてカップ支持片を
開放させた状態でカップ供給位置に待機しているカップ
保持装置に受け止められる。そして、カップ保持装置は
駆動装置に付勢されてレール上を販売口まで移動する
が、この移動途中において、カップは、飲料供給位置に
到達すると飲料が供給される。

一方、昇降機構はカップサイズ指定信号に基づき、カ
ップ保持装置にて把持されているカップの底面とカップ
レストのカップ載置面とがほぼ同じ高さとなるように、
カップレストの上下方向の高さを調整している。カップ
保持装置は、販売口まで到達するとカップの把持を解除
し、これによりカップはカップレスの上に載置されて顧
客による取り出しが可能となる。

（ヘ）実施例 第１図は、本発明の実施例によるカップ式自動販売機
の全体の構成の概要図を示すものである。同図におい
て、１は自動販売機のキャビネット10の中に水平に配置
されたレール、２はこのレール１に摺動自在に装架され
たカップ保持装置であって、駆動装置1Aに付勢されてレ
ール１の上を移動する。カップ保持装置２がレール１上
を移動する途上には、大カップ供給位置C1,小カップ供
給位置C2,氷供給装置I,飲料供給位置V,ストロー供給位
置Ｓが定められており、それぞれの位置には、移動して
くるカップ保持装置２を検知するためのセンサS1〜S5を
配置している。そして、各々の位置C1,C2,I,V,Sに対応
してその上方には、大カップ供給装置3,小カップ供給装
置4,製氷機を具備した氷供給装置5,販売装置6,ストロー
供給装置７を配置している。そして、このストロー供給
位置Ｓは、顧客が自動販売機から販売用のカップを取り
出す販売口８に対応しており、且つこの位置にはカップ
保持装置２から販売用のカップを受け取るためのカップ
レスト９を設けている。

大カップ供給装置３および小カップ供給装置４は、そ
れぞれ16ozの大カップ,9ozの小カップを収納しており、
販売動作時には顧客の指定に応じていづれかのカップ供
給装置が駆動して、収納しているカップを送出する。

販売装置６は、顧客による商品選択動作に応答して飲
料を調合するもので、カップ保持装置２がカップを保持
している状態で飲料供給位置Ｖに停止しているとき、そ
のカップの中に調合した飲料を注出する。このとき販売
装置６は、シロップを炭酸水にて希釈して炭酸飲料を調
合したり、またはコーヒー等の粉末原料を湯にて溶解す
ると共に必要に応じて砂糖，ミルクを添加してコーヒー
飲料を調合する。

次に、第２図から第９図までにより、カップ保持装置
２及びカップレスト９について説明する。

まずカップ保持装置２は、レール１に摺動自在に装架
されるスライダー11と、このスライダー11に取り付けら
れ、カップ12を挟持するための一対のカップ支持片13A,
13B及びカップ12の底部を支持するためのバー14を備え
たカップホルダー15とから構成される。

スライダー11は、駆動装置1Aにより付勢されてレール
１の上を往復移動するが、駆動装置1Aは、レール１の背
面に設けたラック16と噛み合うピニオン17と、駆動モー
タ18とから構成される。またスライダー11は、ラック16
が形成されている突起部40を上下方向から挟み込み支持
する上下一対のローラ41,42を二組備えると共に、下方
にはレール１の下端に設けたローラ受部43の中を回動し
ながら移動する一組のローラ44が設けられている。

一対のカップ支持片13A,13Bは、カップホルダー15の
基台21に立設した一対の軸22に軸支されている作動レバ
ー20A,20Bの一端に、アーム19A,19Bを介して連結されて
いる。この作動レバー20A,20Bは、カップホルダー15の
上部機枠25に装着されているバネ23A,23Bにて互いが反
発する方向に付勢されている。そして作動レバー20A,20
Bのもう一方の回動端部はそれぞれ中央に寄り合う方向
に屈曲してその先端を連結しており、この連結部45はカ
ム46と当接するようになっている。連結部45がカム46の
凹部と接している第６図に示す状態のときには、作動レ
バー20A,20Bはバネ23A,23Bに付勢されて互いに反発する
方向に回動するためにカップ支持片13A,13Bは開放して
いる。また連結部45がカム46の凸部によって押し圧され
ている第４図や第５図に示す状態のときには、作動レバ
ー20A,20Bはバネ23A,23Bに抗して互いが中央に寄り合う
方向に回動するようになり、この状態でカップ支持片13
A,13Bにてカップの把持が可能となる。従って、本例に
おいては、カム46にてカップ支持片13A,13Bによるカッ
プの把持動作を制御するものである。

バー14は、基台21上に立設した一対のガイド軸24,25
に沿って上下方向に摺動可能な支持板26に装着されてお
り、支持板26に装着される側の端部は円筒カム27に形成
したカム溝28に挿入されている。このカム溝28は、円筒
カム27の回転にてバー14が上下方向に移動するよう溝が
形成されている。

カム46及び円筒カム27は一体に形成されており、これ
らの共通のカム軸29は、ギヤ30,31を介して駆動モータ3
2の駆動軸と連動結合されると共に、上部には回転円板4
8が取り付けられている。そして、この回転円板48には
突板49を設けており、回転円板48の回動に伴う突板49の
回転周囲上には、突板49が横切り光が遮断されることで
回転円板48の回転角度位置を検知するセンサS10〜S14を
配置している（第10図）。これらセンサS10〜S14は、カ
ップ保持装置２の待機状態・小カップ把持状態・小カッ
プ解放状態・大カップ把持状態・大カップ解放状態の各
モードにおけるカム46の回転角度位置を検知するための
ものである。

第４図はカップ支持片13A,13Bが大カップを把持して
いる状態を示しており、連結部45はカム46の凸部46aに
接している。また、この状態においては、カム46と連動
する円筒カム27の回動により、バー14はカム溝28に導か
れて大カップの底部を支持できるような位置まで下方に
移動している（第７図に実線にて示す位置）。

第５図はカップ支持片13A,13Bが小カップを把持して
いる状態を示しており、連結部45はカム46の凸部46bに
接している。そして、この状態においては、カム46と連
動する円筒カップ27の回動により、バー14はカム溝28に
導かれて小カップの底部を支持できるような位置まで上
方に移動している（第７図に破線にて示す位置）。

第６図は、カップ支持片13A,13Bが大カップを解放す
るのに開いている状態を示しすもので、連結部45はカム
46の凹部46cに接している。

カップレスト９は、昇降機構50の作用により販売する
カップサイズに応じて上下方向に移動できるようになっ
ている。昇降機構50は、カップレスト９に形成した孔部
51に挿入される一対のシャフト52を具備しており、この
シャフト52はクランク機構53を介してモータ51に連結さ
れて、第９図の実線にて示す小カップ支持位置と破線に
て示す大カップ支持位置との間を往復移動するようにな
っている。また、カップレスト９には、カップ保持装置
２が接近してきたときに進出してくるバー14を受容する
切欠34が形成されている。

カップ保持装置２及びカップレスト９は、顧客による
カップサイズの選定に応じて発生するカップサイズ指定
信号により、次のような動作を行う。

大カップが指定されると、カップ保持装置２はカップ
支持片13A,13Bを大カップを把持する状態にし、また昇
降機構50はカップレスト９を大カップを保持できる高さ
位置にする。そして、カップ保持装置２は駆動装置1Aに
付勢されて大カップ供給位置C1までレール１上を移動
し、カップ支持片13A,13Bにて送出される大カップを保
持した後、氷供給位置Ｉ及び飲料供給位置Ｖを経てスト
ロー供給位置Ｓに到達する。このときカップレスト９の
位置は、カップ保持装置２にて保持されている大カップ
の底部を支持できる高さにあるために、カップ保持装置
２がカップレスト９に接近してくるとバー14は切欠34内
に受容される。そして、カップ保持装置２がストロー供
給位置Ｓに到達して把持しているカップを解放したと
き、このカップはカップレスト９にて保持される。その
後、カップ保持装置２はレール１上を後退するために、
顧客はカップレスト９に載置されている商品を取り出す
ことができる。またカップ保持装置２は、レール１上を
後退すると同時に、カム46及び円筒カム27が待機位置に
来るまで駆動モータ32を駆動する。

また、小カップが指定されると、カップ保持装置２は
カップ支持片13A,13Bを小カップを把持する状態にし、
また昇降機構50はカップレスト９を小カップを保持でき
る高さ位置にする。そして大カップの場合と同じ動作が
行われて、カップレスト９には小カップが載置されてい
る。

上記のカップ式自動販売機は販売指令が与えられると
駆動装置1Aが動作し、カップ保持装置２は、顧客のカッ
プサイズの選定に応じてセンサS1またはS2にて検知され
る位置まで進み、大カップ供給位置C1あるいは小カップ
供給位置C2に待機してカップを受け取る。そして、駆動
装置1Aが駆動を再開すると、カップ保持装置２はそのま
まレール１受を矢印Ａ方向に移動し、途中でセンサS3,S
4に検知されて氷供給位置I,飲料供給位置Ｖにそれぞれ
停止したとき、氷供給装置５および販売装置６が動作し
てカップ保持装置２が保持しているカップに氷や飲料を
送出する。そして、カップ保持装置２は最終のストロー
供給位置Ｓに到達するとセンサS5にて検知され、これに
より駆動装置1Aは動作を停止するためカップ保持装置２
は移動を停止すると共に、ストロー供給装置７が動作し
て、カップ保持装置２が把持しているカップにストロー
を送出する。そしてカップにストローが送出されると、
カップ保持装置２はカップの把持を解除してカップレス
ト９に載置し、その後駆動装置1Aは、カップ保持装置２
がレール１上を矢印Ｂ方向に移動して販売待機状態に復
帰するよう付勢する。したがって顧客は、カップレスト
９に載置されているカップを販売口８から取り出すこと
ができる。

（ト）発明の効果 本発明は、カップ送出装置より送出されるカップを把
持して販売口まで移送すると共に、販売口においては、
カップ保持装置が把持しているカップの高さに応じて、
カップ保持装置に保持されて移動されたカップの底面と
カップレストのカップ載置面とがほぼ同じ高さになるよ
うに、カップレストの高さを調整して、カップ保持装置
からカップを受け取るように構成したものである。従っ
て、カップを把持して移送するために、販売口まで安定
して移送することができる。しかも、販売口において
は、カップレストはカップサイズに係わらず正確にカッ
プを受け取ることができるために、確実な販売動作を行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるカップ式自動販売機の概要を示す
図、第２図はカップ保持装置を前面から見た外観斜視
図、第３図はカップ保持装置をレールの後方から見た外
観斜視図、第４図はカップ保持装置が大カップを把持し
ている状態を示す図、第５図はカップ保持装置が小カッ
プを把持している状態を示す図、第６図はカップ保持装
置がカップの把持を解除している状態を示す図、第７図
はカップ保持装置を側面から示す図、第８図はカップ保
持装置とカップレストとの関係を平面から示す図、第９
図は昇降機構の構成図、第10図はカムとこのカムに連動
して回動する回転円板とカムの回転角度位置を検知する
ためのセンサの配置関係を示す図である。 １……レール、1A……駆動装置、２……カップ保持装
置、３……大カップ供給装置、４……小カップ供給装
置、８……販売口、９……カップレスト、46……カム
（制御装置）、50……昇降機構。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機内においてカップ供給位置、飲料供給位
   置、販売口が分散して設けられたカップ式自動販売機に
   おいて、 カップ供給位置、飲料供給位置、販売口を順次移動する
   ための移動経路を定めるレールと、開口面積及び高さが
   異なる少なくとも２種類以上のサイズのカップをカップ
   サイズ指定信号に応じて選択的に前記カップ供給位置に
   送出可能なカップ送出装置と、前記レールに装架されて
   おり該カップ送出装置より送出されるカップを把持する
   開閉式のカップ支持片を有したカップ保持装置と、該カ
   ップ保持装置がレール上を移動するよう駆動する駆動装
   置と、前記販売口に配置されるカップレストと、前記カ
   ップサイズ指定信号に応じて、カップ保持装置に保持さ
   れて移動されたカップの底面と前記カップレストのカッ
   プ載置面とがほぼ同じ高さになるように、前記該カップ
   レストの高さ位置を調整する昇降機構と、前記カップサ
   イズ指定信号に応じて前記カップ支持片の開閉を制御
   し、且つカップ保持装置が前記販売口まで移送されると
   前記カップ支持片による把持を解除するよう制御する制
   御装置とから成るカップ式自動販売機。