JPH079248Y2 - デイスク状体の挿排機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンパクトデイスク再生装置などで好適に実
施されるデイスク状体の挿排機構に関する。

従来の技術 コンパクトデイスク再生装置では、デイスクの有無や挿
入／排出完了を検出するための検出器が設けられてお
り、操作入力とこれらの検出器の検出結果に基づいてデ
イスクの挿入／排出動作が行われる。

第５図は、典型的な従来技術のコンパクトデイスク再生
装置におけるデイスクの排出動作を説明するためのフロ
ーチヤートである。ステツプn1では、排出釦が操作され
たかどうかが判断され、そうでないときにはこのステツ
プn1を繰返し、排出釦が操作されたときにはステツプn2
に移り、前記検出器の検出結果に基づいてデイスクが収
納されているかどうかが判断され、そうでないときには
前記ステツプn1に戻り、そうであるときにはステツプn3
に移る。

ステツプn3では、ターンテーブル上に載置されるコンパ
クトデイスクをクランプするためのクランプモータが逆
回転方向に駆動され、ステツプn4でクランプが上昇した
かどうかが判断され、そうでないときにはこのステツプ
n4を繰返し、こうしてクランプが上昇したときにはステ
ツプn5に移り、クランプモータが停止される。ステツプ
n6ではコンパクトデイスクの挿入口に設けられた扉が開
けられ、ステツプn7ではコンパクトデイスクの搬送を行
うローデイングモータが逆回転方向に駆動され、こうし
てコンパクトデイスクの排出動作が行われる。

ステツプn8では、前記検出器の検出結果に基づいてコン
パクトデイスクの排出が完了したかどうかが判断され、
そうでないときにはこのステツプn8を繰返し、排出動作
が完了するとステツプn9に移り、前記ローデイングモー
タが停止され、ステツプn10で前記コンパクトデイスク
の挿入口の扉が閉じられて動作を終了する。

考案が解決しようとする課題 上述のような従来技術では、デイスク排出釦の操作が行
われた場合であつても、検出器によつてコンパクトデイ
スクが収納されていることが検出されない限りは、上述
のような排出動作は行われない。したがつて該コンパク
トデイスク再生装置が、たとえば直径12cmのいわゆる標
準デイスク専用の再生機である場合、近年発売された直
径8cmのデイスクをアダプタ無しで挿入してしまうと、
前記検出器がこのようなデイスクの挿入を検出しないこ
とが生じる。また前記8cmのデイスク以外にも、たとえ
ば紙片などの異物が侵入した場合にもこのような異物を
強制的に排出することができず、こうして該コンパクト
デイスク再生装置が使用不能となつて、最悪の場合に
は、前記異物を取出すために該コンパクトデイスク再生
装置を分解しなければならなくなつてしまう。

本考案の目的は、コンパクトデイスクが挿入されている
かどうかに拘わらず、予め定められる特定操作入力によ
つて強制的に排出動作を行うことができるデイスク状体
の挿排機構を提供することである。

課題を解決するための手段 本考案は、デイスク状体を挿入口を通して挿入または排
出するデイスク再生装置であつて、 少なくとも該デイスク状体を該デイスク再生装置内から
排出する際に、該デイスク状体が該デイスク再生装置内
に存在するか否かを検出する第１検出手段と、 デイスク状体が、該デイスク状体の少なくとも一部が該
デイスク再生装置外に突出した排出完了位置にあるか否
かを検出する第２検出手段と、 デイスク状体を該デイスク再生装置内から排出すべく搬
送するデイスク搬送手段と、 操作されるデイスク排出スイツチと、 デイスク排出スイツチへの第１の態様による操作と第１
検出手段の出力とに応答してデイスク搬送手段を駆動
し、前記第２検出手段の出力に応答してデイスク搬送手
段の駆動を停止する排出制御手段とを備えるデイスク状
体の挿排機構において、 前記デイスク排出スイツチに対し前記第１の態様とは異
なる第２の態様による操作が行われると、前記排出制御
手段は少なくとも前記第１および第２検出手段の出力に
かかわらず前記デイスク搬送手段を駆動してデイスク状
体の排出動作を行わせることを特徴とするデイスク状体
の挿排機構である。

作用 本考案に従えば、デイスク再生装置内に装填されたデイ
スク状体に対する再生動作などが終了し、デイスク排出
スイツチへの第１の態様による操作が行われると、排出
制御手段は、第１検出手段の出力によつてデイスク状体
がデイスク再生装置内に存在するか否かを確認し、存在
するときにはデイスク搬送手段を駆動してデイスク状体
の排出動作を開始させる。こうしてデイスク状体が挿入
口から排出されてゆき、デイスク状体の少なくとも一部
がデイスク再生装置外に突出した排出完了位置に到達し
たことが第２検出手段で検出されると、排出制御手段は
デイスク搬送手段の駆動を停止し、排出動作を終了す
る。したがつて、デイスク状体は挿入口から落下するこ
となく排出状態で保持される。

これに対して、デイスク排出スイツチに対し前記第１の
態様とは異なる第２の態様による操作が行われると、排
出制御手段は少なくとも第１および第２検出手段の出力
にかかわらずデイスク搬送手段を駆動してデイスク状体
の排出動作を行わせる。これによつて誤つて小径のデイ
スクや紙片などの異物が挿入されたときには、前記デイ
スク排出スイツチに対する第２の態様による操作によつ
てこれらの異物を強制的に排出することができる。

実施例 第１図は本考案の一実施例のコンパクトデイスク再生装
置１の電気的構成を簡略化して示すブロツク図であり、
第２図はこのコンパクトデイスク再生装置１を簡略化し
て示す平面図である。このコンパクトデイスク再生装置
１においてコンパクトデイスク２を収納する収納空間３
内には、コンパクトデイスク２の挿入口４から挿入方向
５に沿つて順に、第２検出手段である排出完了検出器S1
と、挿入開始検出器S2と、第１検出手段であるデイスク
有無検出器S3と、挿入完了検出器S4とが配置されてい
る。

これらの検出器S1〜S4の検出結果は、たとえばマイクロ
コンピユータなどによつて実現される処理回路６に入力
される。この処理回路６に関連して、特定操作入力手段
であるデイスク排出スイツチ７と、再生スイツチ８と、
選曲スイツチ９と、停止スイツチ10などとから成る入力
手段11が設けられる。

処理回路６は、前記各検出器S1〜S4および入力手段11か
らの入力操作に対応して、駆動回路12,13を介してモー
タ14,15を駆動する。モータ14は、前記コンパクトデイ
スク２の搬送動作を行うローラ32を回転駆動する。また
モータ15は、所定位置まで搬送されたコンパクトデイス
ク２をターンテーブル16上に装着するクランプ機構17を
駆動する。処理回路６はまた、駆動回路18を介して前記
ターンテーブル16を回転駆動するモータ19の回転速度を
制御するとともに、駆動回路20を介して光学ピツクアツ
プ21を、ターンテーブル16上に載置されたコンパクトデ
イスク２の半径方向に変位駆動する。

第３図は、クランプ機構17の動作を説明するための側面
図であり、第３図（１）はコンパクトデイスク２が挿入
されてクランパ31が下降する直前の状態を表し、第３図
（３）はコンパクトデイスク２がターンテーブル16とク
ランパ31とによつて挟持された状態を表し、第３図
（２）は第３図（１）で示される状態から第３図（３）
で示される状態への過度状態を表す。

挿入口４からコンパクトデイスク２が挿入されて、第２
図において仮想線で示される状態となると、挿入開始検
出器S2からの出力に基づいて処理回路６はモータ14を駆
動し、これによつてローラ32が回転駆動されて、該ロー
ラ32とローラ33とによつて挟持されたコンパクトデイス
ク２は、前記参照符５で示される挿入方向に取込まれ搬
送されてゆく。ローラ33は、弾性部材29によつて、ロー
ラ32に近接する方向に弾発的に付勢されている。

こうして搬送されたコンパクトデイスク２が前記第２図
において実線で示される所定の装填位置に到達すると、
挿入完了検出器S4からの出力に基づいて処理回路６はモ
ータ14を停止するとともに、モータ15を起動する。これ
によつて駆動レバー34が前記挿入方向５側に変位され、
第３図（１）で示される状態から第３図（２）で示され
る状態を経て、第３図（３）で示される状態となる。

駆動レバー34には、前記挿入方向５と平行に案内溝35,3
6が形成されており、この案内溝35,36には、筐体37に立
設された案内ピン38,39が嵌り込む。駆動レバー34には
また駆動溝40が形成されており、この駆動溝40には、ク
ランパ31のアーム41に接続された駆動ピン42が嵌り込ん
でいる。したがつて駆動レバー34が前述のように挿入方
向５側に変位されることによつてクランパ31は下降し、
前述のようにコンパクトデイスク２がクランプされる。

このとき図示しない構成によつて、主レバー45は挿入方
向５側に変位駆動される。この主レバー45には、該主レ
バー45を案内するための案内溝46,47が形成されてお
り、この案内溝46,47には、前記筐体37に立設された案
内ピン48,49が嵌め込まれる。この主レバー45にはまた
駆動溝50が形成されており、この駆動溝50には前記ロー
ラ33を揺動自在に支持するホルダ51に立設された駆動ピ
ン52が嵌入している。したがつてこの主レバー45が挿入
方向５側に変位されることによつて、ホルダ51に支持さ
れているローラ33が前記弾性部材29の弾発力に抗してロ
ーラ32から離反する方向に変位される。こうしてコンパ
クトデイスク２は、ターンテーブル16上に回転自在に保
持される。

前記デイスク排出スイツチ７が操作されると、処理回路
６はデイスク有無検出器S3の検出結果から、コンパクト
デイスク２が該コンパクトデイスク再生装置１の収納空
間３内に収納されているときには、前述の装填動作とは
逆の動作を行い、コンパクトデイスク２は排出される。
こうしてコンパクトデイスク２が排出完了検出器S1上を
通過して、確実に排出されたことが検出されると、 処理回路６は排出動作を終了する。この状態では、図２
において仮想線で示すように、コンパクトデイスク２は
その一部分がコンパクトデイスク再生装置１内に残つて
いる状態で、落下することなく保持されている。

またデイスク排出スイツチ７が予め定める時間、たとえ
ば3sec以上操作（第２の態様）されたときには、処理回
路６はデイスク有無検出器S3の検出結果に拘わらず、強
制的に上述のような排出動作を行う。

第４図は、動作を説明するためのフローチャートであ
る。ステツプm1では、デイスク排出スイツチ７が押圧操
作されたかどうかが判断され、そうでないときにはこの
ステツプm1を繰返し、操作されるとステツプm2に移る。
ステツプm2では、デイスク有無検出器S3または排出完了
検出器S1の出力に基づいて、該コンパクトデイスク再生
装置１の収納空間３内にコンパクトデイスク２が収納さ
れているかどうかが判断され、そうであるときにはステ
ツプm3に移り、そうでないときにはステツプm4に移る。
ステツプm4では、前記デイスク排出スイツチ７が予め定
めるたとえば3sec以上操作（第２の態様）されたかどう
かが判断され、そうでないときにはステツプm1に戻り、
そうであるときにはステツプm5で強制排出動作を表すフ
ラグＦを１にセツトして、前記ステツプm3に移る。

ステツプm3ではモータ15が逆回転方向に駆動され、クラ
ンプ機構17は前記第３図（１）で示されるように上昇さ
れる。ステツプm6では、クランプ機構17が完全に上昇し
たかどうかが判断され、そうでにときにはこのステツプ
m6を繰返し、クランプ機構17が完全に上昇するとステツ
プm7に移る。ステツプm7ではモータ15の回転が停止さ
れ、こうしてクランプ状態が解除される。ステツプm8で
は挿入口４に設けられた扉が開放され、ステツプm9では
モータ14が逆回転方向に駆動され、コンパクトデイスク
２が搬送されて、排出される。

ステツプm10では、前記強制排出フラグＦが１にセツト
されているかどうかが判断され、そうでないときにはス
テツプm11に移り、排出完了検出器S1およびデイスク有
無検出器S3の両方の出力がローレベルとなつたかどう
か、すなわちコンパクトデイスク２の排出動作が完了し
たかどうか判断され、そうでないときにはこのステツプ
m11を繰返し、排出動作が完了するとステツプm12で10ms
ecだけ待機してステツプm13に移る。

ステツプm13では、モータ14が停止されてローデイング
動作が停止され、ステツプm14では、挿入口４の扉が閉
じられて動作を終了する。ステツプm10において強制排
出フラグＦが１であるとき、すなわち該コンパクトデイ
スク再生装置１内にコンパクトデイスク２が挿入されて
いるのではなく、異物が侵入している場合などでは、ス
テツプm15で1.5secだけ待機され、前記ステツプm13に移
る。こうして前記ステツプm9でモータ14が逆回転方向に
駆動され、このステツプm15で1.5secだけ待機すること
によつて、強制排出動作を行うことができる。

このように本考案に従うコンパクトデイスク再生装置１
では、デイスク有無検出器S3によつて、収納空間３内に
コンパクトデイスク２が収納されていないことが検出さ
れている状態であつても、デイスク排出スイツチ７を予
め定める3sec以上操作して特定操作入力を行うことによ
つて、モータ14を逆回転方向に駆動して強制的に排出動
作を行うことができるようにしたので、前記デイスク有
無検出器S3によつて検出されない異物が収納空間３内に
侵入した場合であつても、この強制排出動作によつて侵
入した異物を排出することができ、異物の侵入によつて
該コンパクトデイスク再生装置１が動作不能に陥ってし
まうような不所望な事態を防止することができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、デイスク排出スイツチに
対し第１の態様とは異なる第２の態様による操作が行わ
れると、排出制御手段は少なくとも第１および第２検出
手段の出力にかかわらずデイスク搬送手段を駆動してデ
イスク状体の排出動作を行わせるようにしたので、誤つ
て小径のデイスクや紙片などの異物が挿入されたときに
は、前記特定操作入力によつてこれらの異物を強制的に
排出することができ、異物の侵入に起因する動作不能な
どの不所望な事態の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のコンパクトデイスク再生装
置１の電気的構成を簡略化して示すブロツク図、第２図
はコンパクトデイスク再生装置１を簡略化して示す平面
図、第３図はクランプ機構17の動作を説明するための側
面図、第４図は動作を説明するためのフローチヤート、
第５図は従来技術の動作を説明するためのフローチヤー
トである。 １……コンパクトデイスク再生装置、２……コンパクト
デイスク、３……収納空間、４……挿入口、６……処理
回路、７……デイスク排出スイツチ、11……入力手段、
12,13,18,20……駆動回路、14,15,19……モータ、17…
…クランプ機構、21……光学ピツクアツプ、31……クラ
ンパ、32,33……ローラ、S1〜S4……検出器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】デイスク状体を挿入口を通して挿入または
   排出するデイスク再生装置であつて、 少なくとも該デイスク状体を該デイスク再生装置内から
   排出する際に、該デイスク状体が該デイスク再生装置内
   に存在するか否かを検出する第１検出手段と、 デイスク状体が、該デイスク状体の少なくとも一部が該
   デイスク再生装置外に突出した排出完了位置にあるか否
   かを検出する第２検出手段と、 デイスク状体を該デイスク再生装置内から排出すべく搬
   送するデイスク搬送手段と、 操作されるデイスク排出スイツチと、 デイスク排出スイツチへの第１の態様による操作と第１
   検出手段の出力とに応答してデイスク搬送手段を駆動
   し、前記第２検出手段の出力に応答してデイスク搬送手
   段の駆動を停止する排出制御手段とを備えるデイスク状
   体の挿排機構において、 前記デイスク排出スイツチに対し前記第１の態様とは異
   なる第２の態様による操作が行われると、前記排出制御
   手段は少なくとも前記第１および第２検出手段の出力に
   かかわらず前記デイスク搬送手段を駆動してデイスク状
   体の排出動作を行わせることを特徴とするデイスク状体
   の挿排機構。