JPH0791922B2 - Ａｌｃ外壁パネルへの窓枠固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、建物の外壁を構成するALC外壁パネルへの窓
枠固定構造に関する。

（従来の技術） 従来、ALC外壁パネルへ窓枠を固定する際には、ALC外壁
パネルに開口部を形成し、該開口部の内周面に窓枠を固
定していた（実開昭61−108410号公報参照）。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の窓枠固定構造にあって
は、窓枠の室外側側面がALC外壁パネルの室外側壁面と
ほぼ同一面上に配設されるので、窓枠の外側に面格子等
を取り付ける場合には、面格子等が外壁面の外側に出っ
張ることになる。従って、外観的に建物の見栄えが悪く
なるだけでなく、例えば、外壁面の外側に廊下等が設け
られている場合には、出っ張った面格子等が通行の邪魔
になるという問題があった。

本発明は、上記従来の問題に着目し、窓枠の外側に面格
子等を取り付ける場合でも、面格子等がALC外壁パネル
の室外側壁面よりも出っ張ることのないALC外壁パネル
への窓枠固定構造を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本発明は、上述のような課題を解決することを目的とし
てなされたもので、この目的達成のために、本発明のAL
C外壁パネルへの窓枠固定構造は、ALC外壁パネルに開口
部が形成され、該開口部の周縁の室内側壁面に沿って取
付枠が固定され、前記取付枠には、開口部の周縁の室内
側壁面に沿って固定される固定片と、該固定片から室内
側へ向けて延出する突出片とが設けられ、該突出片に対
して窓枠が固定されているものである。

（作用） 本発明のALC外壁パネルへの窓枠固定構造では、開口部
の周縁の室内側壁面に沿って取付枠が固定され、前記取
付枠には、開口部の周縁の室内側壁面に沿って固定され
る固定片と、該固定片から室内側へ向けて延出する突出
片とが設けられ、該突出片に対して窓枠が固定されてい
る構造であるので、窓枠を開口部の周縁に固定するに際
して、容易に、窓枠の室外側側面をALC外壁パネルの室
外側壁面にALC外壁パネルの壁厚にほぼ等しい幅だけ引
っ込ませることができる。そうすることにより、窓枠の
外側に面格子等を取り付ける場合には、面格子等をALC
外壁パネルの室外側壁面より内側へ納めることができ
る。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図及び第２図に基づいて、本実施例の構成を
説明する。

図中、１はALC（Autoclaved light−weight concrete）
ボードから成る外壁パネルで、窓枠３を嵌め込むための
開口部10が形成されている。そして、前記開口部10の右
縁及び左縁には、室内側壁面からＣ形チャネル材11,11
が埋設され、該Ｃ形チャンネル材11,11には、Ｌ形チャ
ンネル材12,12が固定されている。

また、前記開口部10の周縁には室内側壁面に沿って取付
枠２が固定されている。

前記取付枠２は、左右一対の縦枠2a,2aと、上横枠2b及
び下横枠2cとで構成されており、各枠2a,2b,2cに、開口
部10の縁の室内側壁面に沿って固定される固定片21a,21
b,21cと、該固定片21a,21b,21cから室内側へ向けて延出
する突出片22a,22b,22cとが設けられており、前記縦枠2
aには、前記突出片22aの先端から更に折り返し片23aが
延設されている。即ち、前記縦枠2aは、固定片21aと突
出片22aと折り返し片23aとで断面コの字形に形成されて
おり、前記上横枠2b及び下横枠2cは、固定片21b,21cと
突出片22b,22cとで断面Ｌ字形に形成されている。ま
た、縦枠2a,2aは、外壁パネル１のＣ形チャンネル材11,
11及びＬ形チャンネル材12,12に対してリベット24等で
固定され、上横枠2b及び下横枠2cは、外壁パネル１に対
してボルト25等で固定されている。

また、図中３はアルミニウム等の押出成形品から成る窓
枠であって、この窓枠３は、左右一対の縦枠3a,3aと、
上横枠3b及び下横枠3cとで構成され、各枠3a,3b,3cが前
記取付枠２の突出片22a,22b,22cに対してネジ34で固定
されている。尚、窓枠３の固定位置は、窓枠３の室外側
側面が外壁パネル１の室内側壁面よりも若干引っ込む位
置に設定されている。

また、この窓枠３には、ガラス窓4,5が引き違いに嵌め
込まれると共に、網戸６が嵌め込まれるようになってお
り、上横枠3bと下横枠3cには、窓用レール31b,32b,31c,
32cと網戸用レール33b,33cとが一体形成されている。

尚、外壁パネル１に対する取付枠２の固定は、前記窓枠
３を取付枠２に固定した後に行ってもよいし、窓枠３を
固定する前に単独で行ってもよい。

更に、図中７は水切り材であって、外壁パネル１の開口
部10の下縁に沿って設けられている。尚、前記水切り材
７と開口部10の下縁との目地にはシーリングが施されて
いる。

また、図中８は石膏ボード等から成る内壁パネルで、裏
面には目桟81が固定されている。そして、この内壁パネ
ル８にも、外壁パネル１の開口部10に対応して開口部80
が形成されており、この開口部80の周縁には飾り枠９が
固定されている。

次に実施例の作用を説明する。

本実施例構造は、窓枠３の固定位置が、窓枠３の室外側
側面が外壁パネル１の室内側壁面よりも若干引っ込んだ
位置に設定されているので、窓枠３の室外側側面は、外
壁パネル１の室外側壁面から外壁パネル１の壁厚よりも
若干広い幅だけ引っ込んだ位置に配設されている。尚、
実施例では、網戸６が窓枠３の室外側側面よりも外側へ
出っ張った状態で取り付けられているが、それでも網戸
６は、外壁パネル１の室外側壁面から外壁パネル１の壁
厚にほぼ等しい幅だけ引っ込んだ位置に配設されてい
る。

従って、窓枠３の外側に面格子等を取り付ける場合に
は、面格子等を外壁パネル１の室外側壁面より内側へ納
めることができる。そうすることによって、外観的に建
物の見栄えが良くなると共に、外壁パネル１の外側に廊
下がある場合でも通行の邪魔にならないようにすること
ができる。

また、面格子等を取り付けない場合でも、窓枠３の室外
側側面が、外壁パネル１の室外側壁面より引っ込んだ位
置に配設されるので、外壁パネル１の開口部10に陰影が
でき、鉄筋コンクリート構造と同様の重厚な意匠性を持
たせることができる。

以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。

例えば、実施例では、ガラス窓が引き違いに嵌め込まれ
る窓枠を適用したが、ガラス窓が嵌め殺しされる窓枠を
適用してもよい。

また、取付枠は、固定片と突出片とが設けられていれ
ば、断面形状は実施例に限られない。

（発明の効果） 以上説明してきたように、本発明のALC外壁パネルへの
窓枠固定構造にあっては、ALC外壁パネルの室外側壁面
から出っ張らないように窓枠の外側に面格子等を取り付
けることができるので、外観的に建物の見栄えが良くな
ると共に、ALC外壁パネルの外側に廊下がある場合でも
通行の邪魔にならないようにすることができるという効
果が得られる。

また、面格子等を取り付けない場合でも、窓枠の室外側
側面が、ALC外壁パネルの室外側壁面より引っ込んだ位
置に配設されるので、開口部に陰影ができ、鉄筋コンク
リート構造と同様の重厚な意匠性を持たせることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例のALC外壁パネルへの窓枠固定構
造を示す横断面図、第２図は本実施例構造を示す縦断面
図である。 １……ALC外壁パネル 10……開口部 ２……取付枠 21a,21b,21c……固定片 22a,22b,22c……突出片 ３……窓枠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ALC外壁パネルに開口部が形成され、該開
   口部の周縁の室内側壁面に沿って取付枠が固定され、前
   記取付枠には、開口部の周縁の室内側壁面に沿って固定
   される固定片と、該固定片から室内側へ向けて延出する
   突出片とが設けられ、該突出片に対して窓枠が固定され
   ていることを特徴とするALC外壁パネルへの窓枠固定構
   造。