JPH0791625B2 - 溶融亜鉛浴浸漬部材およびその製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛浴浸漬部材およびその製造方法

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JPH0791625B2
JPH0791625B2 JP4148211A JP14821192A JPH0791625B2 JP H0791625 B2 JPH0791625 B2 JP H0791625B2 JP 4148211 A JP4148211 A JP 4148211A JP 14821192 A JP14821192 A JP 14821192A JP H0791625 B2 JPH0791625 B2 JP H0791625B2
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彰一 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛メッキ設備等
の亜鉛浴中に浸漬され、あるいは溶融亜鉛と接触して使
用されるための優れた耐食性を有する部材およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛は、金属に対する侵食性が高
く、かつ表面張力が低く粘度も低いため、マイクロメー
ター単位の微小間隙にも侵入する。
【0003】したがって、例えば鋼板メッキラインのポ
ットロールにはその素材として一般にSCH−13など
のステンレス系材料が用いられているが、亜鉛による著
しい侵食を受け、かつ通常亜鉛浴中に添加されるアルミ
ニウム、鋼板あるいはロール母材より溶出する鉄、およ
び浴の主成分である亜鉛との3元系金属間化合物が析出
するため、短期間で該ロール胴部の面荒れが発生する。
この面荒れは鋼板に疵を生じせしめ鋼板の品質を低下さ
せる。
【0004】このため、部材そのものの改良あるいは部
材上にコーティングを形成して、金属性構造部材の溶融
亜鉛による侵食あるいは部材上への亜鉛合金の析出を防
止しようとして従来以下のような技術が提案されてい
る。 (1)ロール母材材質の改良 (2)自溶性合金溶射 (3)サーメット溶射および肉盛り
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の例として
は、例えば特開昭56−112447に開示された鉄基
合金部材があるが、金属合金であるため、溶融亜鉛浴浸
漬部材としての実用目的上、十分な耐食性が得られてい
ない。
【0006】前記(2)については、例えば特開平1−
108335に開示されている部材のように、Co、N
iあるいはFe基の自溶性合金を母材上に溶射し、次い
で溶着熱処理により緻密化した耐食被覆を形成させたも
のがあり、実使用例も多く、ある程度の改善効果は認め
られるが、部材が基本的に金属合金であるため上記実用
目的上の耐食性がやはり不十分である。
【0007】また前記(3)は、金属と炭化物または硼
化物との合金あるいはそれらの混合組成物の溶射被覆で
あり、例えば特開平1−225761に開示されている
部材のように、WC−Co系サーメットの溶射被覆層を
設けた部材、特開平2−236266に開示されている
部材のように、金属と金属硼化物または金属炭化物とか
らなるサーメットの溶射被覆層を設けた部材あるいは特
開平3−94048に開示された部材のように、炭化物
または硼化物含有Co合金の肉盛りをおこなった部材な
どが知られている。しかしながら、いずれも十分な緻密
さを得るために添加したCo等の金属成分が優先的に亜
鉛による侵食を受けるため、炭化物、硼化物本来の優れ
た耐食性を十分に発揮させ得るに到っていない。従来、
上記の溶射においてCo等の金属をバインダーとして加
えることは必須の要件とされていたのであり、その理由
は、ある種の金属の硼化物あるいは炭化物が、溶融金属
に対して高い耐性を有することは知られていたものの、
それらはいずれも融点が2,000℃以上と高くかつ脆
いため、溶融亜鉛メッキ浴部材等の比較的大型部材の表
面処理に多用される溶射法によっては、硼化物あるいは
炭化物だけを用いて溶融亜鉛の侵入を防ぐに十分な緻密
さを備えた被覆の形成は、従来極めて困難とされていた
ためである。
【0008】そこで、本発明の目的は、Co等の金属バ
インダーを用いることなく、母材表面に緻密な非−金属
合金被覆を形成して溶融亜鉛からの侵食を防ぐとともに
該皮膜上に、浴中に添加されるAl、母材から溶出する
Feおよび浴の主成分たる亜鉛との金属間化合物等が析
出することのない耐食性に優れた亜鉛浴中浸漬部材およ
びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、各種材質単独あるいはそれらの組み合わ
せによる保護コーティングの試験研究を進め、各種硼化
物、炭化物中、特に金属を含まないモリブデン硼化物
(MoB)は、溶射法によりバインダーなしで緻密なコ
ーティング層に形成でき、このようなコーティングを部
材上に形成することにより、溶融亜鉛に対し十分な耐食
性を示し、かつ亜鉛との濡れの少ない(したがってその
上への金属間化合物の析出も少ない)部材が得られるこ
とを見い出し、本発明に到達した。
【0010】なお、モリブデン硼化物の緻密なコーティ
ング層は、特にアセチレンと酸素のデトネーションを利
用した爆発溶射法に依るのが好適であり、残留気孔率1
%以下が達成可能であることも判明した。
【0011】すなわち本発明者達は主として、下記の部
材および方法を開発することにより、上記の課題を解決
したのである。
【0012】(1) 鉄鋼製部材の表面に気孔率2%未満で
厚さ0.02ないし0.3mmのモリブデン硼化物から
なるコーティング層が形成されて成ることを特徴とする
溶融亜鉛浴浸漬部材。
【0013】(2) 鉄鋼製部材の表面に、爆発溶射法によ
りモリブデン硼化物からなるコーティング層を0.02
ないし0.3mmの厚さに形成することを特徴とする溶
融亜鉛浴浸漬部材の製造方法。
【0014】
【作用】本発明において、溶射法により形成されるコー
ティング層の気孔率を2%未満とし、厚さを0.02な
いし0.3mmの範囲にそれぞれ限定した理由は以下の
通りである。
【0015】一般の溶射法により形成される金属バイン
ダーを含まない純セラミックコーティングは2%以上の
気孔率を有する。このレベルの気孔率を有するコーティ
ングでは、気孔を通じ溶融亜鉛が気孔に浸透し、その結
果亜鉛がコーティングに強固に付着する。同時に、浸透
した亜鉛は容易に母材にまで達し母材を侵食する結果、
母材/コーティング界面が脆弱化し、コーティングの剥
離にいたる。
【0016】コーティングの膜厚は、0.02mm未満
では、爆発溶射による被膜であっても残留気孔を通じ亜
鉛の浸透を許し、また0.3mmを越えると溶射時の残
留応力により被膜中にクラックを生じ、著しくは使用中
に剥離する。
【0017】
【実施例1】図1および図2はそれぞれ本発明に係る部
材および従来の部材に関する試験(コーティング面と亜
鉛との反応)の結果を示すスケッチ図、図3は上記試験
に供試された板状試料の斜視図、図4はコーティング面
と亜鉛との反応試験に用いられた試験装置の模式断面図
であって、これらの図を参照して以下説明する。
【0018】片面にMoBを爆発溶射法により溶射して
コーティング層3を形成したSUS103を母材とする
図3に示すような板状試料(30×30×10mm)1
上に亜鉛粒4を載せ、炉体7に設けた窒素ガス導入孔9
により窒素雰囲気に保った炉内において、亜鉛の融点を
越える500℃までヒーター6で加熱し、そのまま5時
間保持した。
【0019】試験後の亜鉛粒4は、図1のスケッチ図に
見られるように、コーティング層3とは全く濡れておら
ず、液滴状を保ったままであった。またコーティング面
に亜鉛との反応の形跡は認められなかった。
【0020】
【比較例1】実施例1の場合と同時に炉内に供試した比
較材すなわちWC−Coコーティング試料では、亜鉛と
コーティング層との明確な反応が認められ、図2のスケ
ッチ図に見られるように、亜鉛粒4の形状から濡れ角は
約20度と判定された。
【0021】
【実施例2】図5は棒状試料による亜鉛浴浸漬試験に用
いられた試験装置の模式断面図であり、この図を参照し
て以下説明する。
【0022】図5の装置により、先端を半球状に加工し
たSUS403を母材とする径20mmの棒状試料2に
MoBを厚さ0.12mmに爆発溶射被覆し、これを炉
体7に設けられた黒鉛るつぼ8内においてヒーター6に
より470℃に保った亜鉛浴5中に10日間浸漬した。
【0023】該試料2上には、浴より引き上げた時に亜
鉛が薄く付着していたが容易に除去でき、除去後のコー
ティング面は浴表面より大気に露出した部位で若干の酸
化が認められたものの、浴中にあった部位では試験前と
の外観上の変化は見られなかった。
【0024】なお、従来材との比較のため以上の結果を
まとめて表1に示した。
【0025】
【比較例2】実施例2の要領に従い、母材上にWC−C
oコーティングを施した棒状試料2について同様な試験
を行った。試験後の試料は全面が亜鉛に厚く覆われ、そ
の除去は困難であった。実施例との比較のため結果をま
とめて表1に示した。
【0026】
【表1】浸漬試験結果
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
って得られた亜鉛浴浸漬部材では、母材上に気孔率2%
未満で膜厚0.02〜0.3mmのMoBからなるコー
ティング層が形成されているので、溶融亜鉛による侵食
あるいは部材上への亜鉛合金の析出を完全に防止するこ
とができ、自動車用途で特に強く求められている鋼板表
面品質への影響が著しく改善されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部材の試験結果を示すスケッチ図
である。
【図2】従来の部材の試験結果を示すスケッチ図であ
る。
【図3】コーティング面と亜鉛との反応試験に供試され
た板状試料を示す斜視図である。
【図4】コーティング面と亜鉛との反応試験に用いられ
た試験装置の模式断面図である。
【図5】棒状試料による亜鉛浴浸漬試験に用いられた試
験装置の模式断面図である。
【符号の説明】
1 板状試料 2 棒状試料 3 コーティング層 4 亜鉛粒 5 亜鉛浴 6 ヒーター 7 炉体 8 黒鉛るつぼ 9 窒素ガス導入孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼製部材の表面に気孔率2%未満で厚
    さ0.02ないし0.3mmのモリブデン硼化物からな
    るコーティング層が形成されて成ることを特徴とする溶
    融亜鉛浴浸漬部材。
  2. 【請求項2】 鉄鋼製部材の表面に、爆発溶射法により
    モリブデン硼化物からなるコーティング層を0.02な
    いし0.3mmの厚さに形成することを特徴とする溶融
    亜鉛浴浸漬部材の製造方法。
JP4148211A 1992-05-14 1992-05-14 溶融亜鉛浴浸漬部材およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0791625B2 (ja)

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日本溶射協会編「溶射便覧」(昭和39−5−31)日刊工業新聞社P.39

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