JPH0791068A - 壁パネルの組立方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユニットルームの壁パネルを外組みにて強固
に且つ簡単に組み立てる。 【構成】 躯体壁面１，２によって囲まれた躯体床面３
の防水パン４上に複数の台車７が載っている。この台車
７の上で、複数の壁パネル５を外組みで連結して壁パネ
ル連結体９を構成する。この壁パネル連結体９を、防水
パン４の壁パネル載置部４ａに移動する。次いで台車７
を引き抜き、壁パネル５を壁パネル載置部４ａ上に立設
する。 【効果】 壁パネル同志を連結する際には、壁パネルを
躯体壁面から十分に離隔させておき、両者の間に作業員
が入り込める十分なスペースを作っておくことができ
る。このため、作業員が壁パネルの背後に回り、壁パネ
ル同志を簡単に、しかも強固に連結することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は壁パネルの組立方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ユニットバスルーム，ユニットバストイ
レルーム等のユニットルームを構築する場合、防水パン
を躯体床面上に設置した後、壁パネルを該防水パンの壁
パネル載置部上に立設し、その後、壁パネルの上側に天
井パネルを架設する。在来工法の一つとして、ベースア
ングルを床に固定しておき、壁パネルを該ベースアング
ル上に立てるベースアングル工法がある。

【０００３】壁パネルを立設する場合、従来は壁パネル
を１枚ごとに壁パネル載置部やベースアングル上に立
て、隣接する壁パネルに連結するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】隣接する壁パネル同志
を強固に連結するには、作業員が壁パネルの背後に回っ
てビスやボルトを締めるのが最も確実であるが、壁パネ
ルの背後には建築物の躯体壁面が迫っていることが多
く、作業員が入り込む十分なスペースが無く、壁パネル
同志の連結作業が行いにくいものとなっていた。

【０００５】壁パネル同志をユニットルームの内側から
連結する内組工法も種々提案されているが、作業員が壁
パネル背後で連結する外組工法と比べると、壁パネル同
志の連結強度が低かったり、連結金具の点数が多くなる
等の不具合があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の壁パネルの組立
方法は、壁パネル載置部やベースアングル等の壁パネル
載置部材上に複数枚の壁パネルを立設する壁パネルの組
立方法において、床面上に台車を置き、該台車に複数枚
の壁パネルを立てて壁パネル同志を連結し、該台車に載
せたまま壁パネルの連結体を該壁パネル載置部材上まで
移動させ、次いで、該台車を引き抜いて壁パネル連結体
を壁パネル載置部材上に載せるようにしたことを特徴と
するものである。

【０００７】

【作用】本発明の壁パネルの組立方法にあっては、壁パ
ネルを台車の上で連結した後、壁パネル載置部材の上方
まで移動させる。従って、壁パネル同志を連結する際に
は、壁パネルを躯体壁面から十分に離隔させておき、両
者の間に作業員が入り込める十分なスペースを作ってお
くことができる。このため、作業員が壁パネルの背後に
回り、壁パネル同志を簡単にしかも強固に連結すること
ができる。

【０００８】この壁パネル同志の連結が終了した後、壁
パネル連結体を壁パネル載置部材の上方まで移動させ、
台車を引き抜くと、壁パネルが壁パネル載置部材上に立
設される。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は、実施例に係るユニットルームの壁パネル
の組立方法を示す平面図、第２〜４図は、この実施例方
法を示す側面図である。

【００１０】躯体壁面１，２が交差する躯体室内の隅部
において、躯体床面３上に脚ボルト３ａを介して防水パ
ン４が設置されている。この防水パン４の周縁部には壁
パネル載置部４ａが設けられている。この壁パネル載置
部４ａは、防水パン４の床面から立ち上がる垂直片４ｂ
の上端から水平かつ外方に延出されたものである。この
壁パネル載置部４ａの外縁からは、水返し用の垂直片４
ｃが立ち上げられている。

【００１１】壁パネル５の背面の下部には、クランク形
状の壁パネル固定金具６がビス等により固着されてい
る。この壁パネル固定金具６の下部６ａと、壁パネル５
の背面との間には、防水パン４の垂直片４ｃが差し込ま
れる隙間があいている。

【００１２】この防水パン４上に壁パネル５を立設する
には、まず防水パン４上に複数の台車７を配置する。そ
して、躯体壁面１，２から十分に離隔した位置において
壁パネル５を台車７上に立て、隣接する壁パネル５同志
を連結する。

【００１３】この連結を行うには、壁パネル５と躯体壁
面１，２との間に作業員が入り、壁パネル５の側縁５ａ
同志をボルトや連結金具８によって連結する。壁パネル
５と躯体壁面１，２との間には十分な間隔が空いている
ため、この連結作業はきわめて容易に行える。

【００１４】壁パネル５同志を連結し、第１図の如くＬ
字形平面形状の壁パネル連結体９を構成する。次いで、
この壁パネル連結体９を、第１，２図の矢印Ａ方向に移
動させ、すべての壁パネル５を第３図の如く、壁パネル
載置部４ａの上方に配置する。

【００１５】然る後、第３図に示す如く、台車６を矢印
Ｂ方向に引き抜き、壁パネル５を矢印Ｃ方向に壁パネル
載置部４ａ上に降ろす。この際、壁パネル固定金具６の
下部６ａと壁パネル５の背面との間の間隙に防水パン４
の垂直片４ｃを入り込ませる。

【００１６】これにより、防水パン４の隣接する２辺４
Ｄ，４Ｅの壁パネル載置部４ａ上に壁パネル５が立設さ
れる。

【００１７】防水パン４の残りの２辺４Ｆ，４Ｇは躯体
に対向しておらず、壁パネル載置部４ａ上に１枚ずつ壁
パネル５を立て、外組にて連結する。なお、壁パネル載
置部４ａの一部には、壁パネル５の代わりにドアフレー
ムを立設する。これにより、防水パン４の全周にわたっ
て壁パネル５及びドア（図示略）が立設される。

【００１８】このように、本実施例に係る壁パネル組立
方法では、壁パネル５同志の連結はすべて外組みである
から、壁パネル５同志を連結する金具が簡易であり、壁
パネル５同志を強固に連結できる。しかも、壁パネル５
の背面と躯体壁面１，２との間に十分なスぺースをあけ
ておいて壁パネル５同志の連結を行えるから、この連結
作業もきわめて容易かつ迅速に行える。

【００１９】なお、壁パネル５の背面に配管を取り付け
ておく場合には、この配管の端部を第１図の９Ａ、ある
いは９Ｂで示される壁パネル連結体９の外側縁に引き出
しておく。このようにしておけば、躯体側の配管と壁パ
ネル５側の配管とを第１図のＨ、あるいはＩで示される
広いオープンスペースにて連結でき、配管連結作業もき
わめて容易に行える。

【００２０】上記実施例は、ユニットルーム設置スペー
スの２方が躯体で囲まれている場合に関するものである
が、本発明は、ユニットルーム設置スペースの３方が躯
体で囲まれている場合においても、第５〜第８図に示す
如く適用できる。

【００２１】第５〜８図において、３方が躯体壁面１，
１ａ，２で囲まれたユニットルーム設置スペースに防水
パン４が設置されている。

【００２２】まず、第５図の如く、防水パン４上に台車
７を配置し、複数枚の壁パネル５を台車７上に立て相互
に連結する。これによりＬ字形平面形状の第１の壁パネ
ル連結体９ａが形成される。次に、この壁パネル連結体
９ａの長側辺部分が、防水パン４の図面の右側の側辺４
Ｊ部分の壁パネル載置部４ａ上に位置するように、壁パ
ネル連結体９ａを矢印Ｋ方向に移動する。

【００２３】次いで、第６図の如く、更に別の台車７を
防水パン４上に配置し、壁パネル５を台車７上に立て、
相互に連結して壁パネル連結体９ｂを組み立てる。この
壁パネル連結体９ｂを矢印Ｍ方向に移動させ、壁パネル
５を防水パン４の図面の左側の側辺４Ｎ部分の壁パネル
載置部４ａ上に配置する。

【００２４】この状態で１人（または複数人）の作業員
１０が第７図の如く、これら壁パネル連結体９ａ，９ｂ
の背後に回り込み、次いで壁パネル連結体９ｂを矢印Ｐ
方向に移動させ、壁パネル連結体９ａ，９ｂの短辺部同
志を外組みで連結し、壁パネル連結体９を構成する。

【００２５】この外組み完了後、壁パネル連結体９の上
を乗り越えて作業員１０が室内側に戻る。そこで、この
壁パネル連結体９を第８図の矢印Ｑ方向に移動させ、第
３図と同様に壁パネル連結体９の長辺部分の下縁を防水
パン４の側辺４Ｒ部分の壁パネル載置部４ａ上に配置す
る。そこで、台車７を引き抜き、すべての壁パネル５を
壁パネル載置部４ａ上に降ろす。

【００２６】この時、第４図と同様に壁パネル固定金具
６を防水パン４の垂直片４ｃ上に係止させる。

【００２７】その後、残りの側辺４Ｓ部分の壁パネル載
置部４ａ上に壁パネル５及びドアフレーム（図示略）を
立設する。

【００２８】この第５〜８図の実施例においても、壁パ
ネル５同志を外組みにて簡単にしかも強固に連結でき
る。また、壁パネル５の背後に十分な作業スペースをあ
けておくことができるから、作業性がきわめて良い。

【００２９】第９図はベースアングル工法に本発明を適
用した実施例を示す縦断面図である。

【００３０】コンクリート又はモルタルよりなる床面１
２にＬアングルよりなるベースアングル１３がアンカー
ボルト１４によって固定されている。壁パネル連結体１
５が台車１６上に載置されている。

【００３１】壁パネル連結体１５をベースアングル１３
の上方にまで台車１６と共に移動させた後、台車１６を
引き抜く。そして、壁パネルの背面と壁パネル固定金具
１８との間にベースアングル１３の立上り片１３ａを挿
入させるようにして壁パネル連結体１５を床面１２上に
立設する。

【００３２】第１０図は別のベースアングル工法に係る
実施例を示すものである。コンクリート製スラグ２０上
にモルタル２１が打設されており、このモルタル２１中
にベースアングル２２の下半部が埋設されている。ベー
スアングル２２の立上り片２２ａはモルタル２１から上
方に突出されている。台車２３上に載せられてベースア
ングル２２の上方まで壁パネル連結体１５を移動させた
後、台車２３を引き抜くことにより、壁パネルの背面と
壁パネル固定金具１８との間に立上り片２２ａを差し込
ませ、壁パネル連結体１５を床面上に立設する。なお、
第１０図の２４はタイル、２５，２６，２７はシール材
を示す。

【００３３】この第９，１０図のベースアングル工法の
実施例においても、壁パネル同志を外組みにて簡単にし
かも強固に連結できる。また、壁パネルの背後に十分な
作業スペースをあけておくことができるから、作業性が
きわめて良い。

【００３４】

【発明の効果】本発明の壁パネルの組立方法にあって
は、壁パネルを台車の上で連結した後、壁パネル載置部
材の上方まで移動させる。従って、壁パネル同志を連結
する際には、壁パネルを躯体壁面から十分に離隔させて
おき、両者の間に作業員が入り込める十分なスペースを
作っておくことができる。このため、作業員が壁パネル
の背後に回り、壁パネル同志を簡単にしかも強固に連結
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るユニットルームの壁パネルの組立
方法を示す平面図である。

【図２】実施例に係る組立方法を示す縦断面図である。

【図３】実施例に係る組立方法を示す縦断面図である。

【図４】実施例に係る組立方法を示す縦断面図である。

【図５】別の実施例に係るユニットルームの壁パネルの
組立方法を示す平面図である。

【図６】図５の実施例に係る組立方法を示す平面図であ
る。

【図７】図５の実施例に係る組立方法を示す平面図であ
る。

【図８】図５の実施例に係る組立方法を示す平面図であ
る。

【図９】さらに別の実施例方法を示す縦断面図である。

【図１０】異なる実施例方法を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１，１ａ，２ 躯体壁面 ３ 躯体床面 ４ 防水パン ４ａ 壁パネル載置部 ５ 壁パネル ７ 台車 ９，９ａ，９ｂ 壁パネル連結体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネル載置部材上に複数枚の壁パネル
   を立設する壁パネルの組立方法において、 床面上に台車を置き、該台車に複数枚の壁パネルを立て
   て壁パネル同志を連結し、 該台車に載せたまま壁パネルの連結体を該壁パネル載置
   部材上まで移動させ、 次いで、該台車を引き抜いて壁パネル連結体を壁パネル
   載置部材上に載せるようにしたことを特徴とする壁パネ
   ルの組立方法。