JPH0790471A - 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法及び鋳片 - Google Patents
高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法及び鋳片Info
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- JPH0790471A JPH0790471A JP23160493A JP23160493A JPH0790471A JP H0790471 A JPH0790471 A JP H0790471A JP 23160493 A JP23160493 A JP 23160493A JP 23160493 A JP23160493 A JP 23160493A JP H0790471 A JPH0790471 A JP H0790471A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼
鋳片の製造において、気泡の発生を防止する。 【構成】 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼
の溶鋼成分組成から算出されるδ−Fe量、溶鋼の窒素
濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度
〔%Neq〕が(1)式を満足するように溶鋼の成分組成
を調整して鋳造する。 k1 ×δ−Fe量(%)+k2 ×(〔%N〕÷〔%
Neq〕)≦1…(1)
鋳片の製造において、気泡の発生を防止する。 【構成】 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼
の溶鋼成分組成から算出されるδ−Fe量、溶鋼の窒素
濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度
〔%Neq〕が(1)式を満足するように溶鋼の成分組成
を調整して鋳造する。 k1 ×δ−Fe量(%)+k2 ×(〔%N〕÷〔%
Neq〕)≦1…(1)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気泡の発生を防止した
高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片及びそ
の製造方法に関するものである。
高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高Mn・高Nオーステナイト系ステンレ
ス鋼は、高強度・非磁性・低熱膨張係数・耐銹性等が要
求される分野で広く利用されている。しかしながら鋳造
された鋳片に気泡が発生しやすく、鋳片の品質低下を招
いていた。また気泡が発生した鋳片をそのまま圧延する
と表面疵となるため、圧延前に気泡を手入れ除去する
か、圧延後に表面疵を手入れ除去する必要があり、歩留
低下や手入れ工程による製造コストアップを招いてい
た。
ス鋼は、高強度・非磁性・低熱膨張係数・耐銹性等が要
求される分野で広く利用されている。しかしながら鋳造
された鋳片に気泡が発生しやすく、鋳片の品質低下を招
いていた。また気泡が発生した鋳片をそのまま圧延する
と表面疵となるため、圧延前に気泡を手入れ除去する
か、圧延後に表面疵を手入れ除去する必要があり、歩留
低下や手入れ工程による製造コストアップを招いてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決しようとするもので、高Mn・高Nオーステ
ナイト系ステンレス鋼鋳片に発生する気泡を防止するこ
とを課題とする。
問題を解決しようとするもので、高Mn・高Nオーステ
ナイト系ステンレス鋼鋳片に発生する気泡を防止するこ
とを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高Mn・
高Nオーステナイト系ステンレス鋼の鋳片に発生する気
泡について詳細に調査した結果、気泡中のガスは、溶鋼
がδ相凝固する際に、溶鋼の窒素溶解度が大幅に減少す
るために放出されたN2 ガスであること、そして鋳片に
おける気泡の発生の有無は、溶鋼中の窒素濃度と液相線
温度における溶鋼の窒素溶解度との比、及び溶鋼の成分
組成から算出されるδ−Fe量の関数で整理でき、鋳片
の気泡発生を阻止するためには、これらの値を後述する
関係を満足するように調整すればよいことを見出した。
高Nオーステナイト系ステンレス鋼の鋳片に発生する気
泡について詳細に調査した結果、気泡中のガスは、溶鋼
がδ相凝固する際に、溶鋼の窒素溶解度が大幅に減少す
るために放出されたN2 ガスであること、そして鋳片に
おける気泡の発生の有無は、溶鋼中の窒素濃度と液相線
温度における溶鋼の窒素溶解度との比、及び溶鋼の成分
組成から算出されるδ−Fe量の関数で整理でき、鋳片
の気泡発生を阻止するためには、これらの値を後述する
関係を満足するように調整すればよいことを見出した。
【0005】すなわち本発明の高Mn・高Nオーステナ
イト系ステンレス鋼鋳片の製造方法は、重量%で、C
;0.02%〜0.25%、Si;1.0%以下、M
n;4.5%〜15.5%、Ni;1.0%〜8.0
%、Cr;16.0%〜22.0%、N ;0.15%
〜0.40%、残りが主としてFeからなる溶鋼の溶製
において、前記溶鋼の成分組成から算出されるδ−Fe
量(%)、溶鋼の窒素濃度〔%N〕及び液相線温度にお
ける溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕が(1)式を満足する
ような条件に調整して鋳造することを特徴とする。 k1 ×δ−Fe量(%)+k2 ×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1……(1) 但し、 k1 ,k2 ;実験によって求まる定数
イト系ステンレス鋼鋳片の製造方法は、重量%で、C
;0.02%〜0.25%、Si;1.0%以下、M
n;4.5%〜15.5%、Ni;1.0%〜8.0
%、Cr;16.0%〜22.0%、N ;0.15%
〜0.40%、残りが主としてFeからなる溶鋼の溶製
において、前記溶鋼の成分組成から算出されるδ−Fe
量(%)、溶鋼の窒素濃度〔%N〕及び液相線温度にお
ける溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕が(1)式を満足する
ような条件に調整して鋳造することを特徴とする。 k1 ×δ−Fe量(%)+k2 ×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1……(1) 但し、 k1 ,k2 ;実験によって求まる定数
【0006】また前記溶鋼の溶製において、前記溶鋼の
成分組成から算出されるδ−Fe量(%)、溶鋼の窒素
濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度
〔%Neq〕が、(2)式を満足するような条件、すなわ
ち(1)式において、k1 =0.125,k2 =1.2
5とする条件に前記溶鋼の成分組成を調整して鋳造する
ことを特徴とする。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 …(3) 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h …(4) ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕
成分組成から算出されるδ−Fe量(%)、溶鋼の窒素
濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度
〔%Neq〕が、(2)式を満足するような条件、すなわ
ち(1)式において、k1 =0.125,k2 =1.2
5とする条件に前記溶鋼の成分組成を調整して鋳造する
ことを特徴とする。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 …(3) 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h …(4) ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕
【0007】また本発明の高Mn・高Nオーステナイト
系ステンレス鋼鋳片は、重量%で、C ;0.02%〜
0.25%、Si;1.0%以下、Mn;4.5%〜1
5.5%、Ni;1.0%〜8.0%、Cr;16.0
%〜22.0%、N ;0.15%〜0.40%、残り
が主としてFeからなる鋼で、前記鋼の成分組成から算
出されるδ−Fe量(%)、該鋼の窒素濃度〔%N〕及
び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕が、
(2)式を満足し、気泡の少ないことを特徴とする。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕
系ステンレス鋼鋳片は、重量%で、C ;0.02%〜
0.25%、Si;1.0%以下、Mn;4.5%〜1
5.5%、Ni;1.0%〜8.0%、Cr;16.0
%〜22.0%、N ;0.15%〜0.40%、残り
が主としてFeからなる鋼で、前記鋼の成分組成から算
出されるδ−Fe量(%)、該鋼の窒素濃度〔%N〕及
び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕が、
(2)式を満足し、気泡の少ないことを特徴とする。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕
【0008】
【作用】前述したように鋳片に発生する気泡は、溶鋼が
δ相凝固する際に窒素溶解度が大幅に減少することによ
って放出されるN2 ガスであるから、このN2 ガスの放
出を阻止するためには、溶鋼のδ相凝固を阻止すればよ
い。溶鋼のδ相凝固は、溶鋼の成分組成から算出される
δ−Fe量と相関することから、δ−Fe量を低減すれ
ば溶鋼はδ相凝固しないでr相凝固する。溶鋼がr相凝
固するときは、窒素溶解度の減少はなく、むしろ増加す
るため、窒素溶解度の減少によるN2 ガスの放出はな
い。
δ相凝固する際に窒素溶解度が大幅に減少することによ
って放出されるN2 ガスであるから、このN2 ガスの放
出を阻止するためには、溶鋼のδ相凝固を阻止すればよ
い。溶鋼のδ相凝固は、溶鋼の成分組成から算出される
δ−Fe量と相関することから、δ−Fe量を低減すれ
ば溶鋼はδ相凝固しないでr相凝固する。溶鋼がr相凝
固するときは、窒素溶解度の減少はなく、むしろ増加す
るため、窒素溶解度の減少によるN2 ガスの放出はな
い。
【0009】上記のようにδ−Fe量を低減すること
で、窒素溶解度の減少によるN2 ガスの放出を阻止する
ことができるが、この場合、溶鋼中の窒素濃度の増加に
比例してδ−Fe量を低減しなければならない。高Mn
・高Nオーステナイト系ステンレス鋼では、δ−Fe量
の低減に限界があるため、δ−Fe量の低減のみでは、
N2 ガスの放出を阻止することができない場合がある。
N2 ガスの放出は、溶鋼中の窒素が凝固に伴って放出さ
れるものであるから、N2 ガスの放出を阻止するために
は、溶鋼の窒素濃度の液相線温度における溶鋼の窒素溶
解度に対する比を低減すればよい。
で、窒素溶解度の減少によるN2 ガスの放出を阻止する
ことができるが、この場合、溶鋼中の窒素濃度の増加に
比例してδ−Fe量を低減しなければならない。高Mn
・高Nオーステナイト系ステンレス鋼では、δ−Fe量
の低減に限界があるため、δ−Fe量の低減のみでは、
N2 ガスの放出を阻止することができない場合がある。
N2 ガスの放出は、溶鋼中の窒素が凝固に伴って放出さ
れるものであるから、N2 ガスの放出を阻止するために
は、溶鋼の窒素濃度の液相線温度における溶鋼の窒素溶
解度に対する比を低減すればよい。
【0010】以上のことから、高Mn・高Nオーステナ
イト系ステンレス鋼鋳片の気泡発生を阻止するために
は、溶鋼成分組成から算出されるδ−Fe量及び溶鋼の
窒素濃度と液相線温度における溶鋼の窒素溶解度との比
を低減すればよい。
イト系ステンレス鋼鋳片の気泡発生を阻止するために
は、溶鋼成分組成から算出されるδ−Fe量及び溶鋼の
窒素濃度と液相線温度における溶鋼の窒素溶解度との比
を低減すればよい。
【0011】図1は、重量%で、C ;0.02%〜
0.25%、Si;1.0%以下、Mn;4.5%〜1
5.5%、Ni;1.0%〜8.0%、Cr;16.0
%〜22.0%、N ;0.15%〜0.40%、残り
が主としてFeからなる溶鋼を鋳造した場合の、δ−F
e量及び窒素濃度〔%N〕と液相線温度における溶鋼の
窒素溶解度〔%Neq〕との比と鋳片の気泡有無の関係を
示している。なお、δ−Fe量、〔%Neq〕の値は、
(3)式および(4)式による値である。
0.25%、Si;1.0%以下、Mn;4.5%〜1
5.5%、Ni;1.0%〜8.0%、Cr;16.0
%〜22.0%、N ;0.15%〜0.40%、残り
が主としてFeからなる溶鋼を鋳造した場合の、δ−F
e量及び窒素濃度〔%N〕と液相線温度における溶鋼の
窒素溶解度〔%Neq〕との比と鋳片の気泡有無の関係を
示している。なお、δ−Fe量、〔%Neq〕の値は、
(3)式および(4)式による値である。
【0012】図1から、δ−Fe量及び窒素濃度〔%
N〕と液相線温度における溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕
との比の関係を特定範囲に調整すれば、すなわち前記
(2)式を満足すれば、気泡のない鋳片を製造すること
ができる。
N〕と液相線温度における溶鋼の窒素溶解度〔%Neq〕
との比の関係を特定範囲に調整すれば、すなわち前記
(2)式を満足すれば、気泡のない鋳片を製造すること
ができる。
【0013】なお本発明における溶鋼の成分組成の調整
は、例えば本発明の範囲を満足するための成分組成範囲
を、予め設定しておき、溶鋼分析値が、この範囲になる
ように成分調整して鋳造する。また本発明における鋳造
法は、例えば連続鋳造、インゴット鋳造など何れにも適
用される。
は、例えば本発明の範囲を満足するための成分組成範囲
を、予め設定しておき、溶鋼分析値が、この範囲になる
ように成分調整して鋳造する。また本発明における鋳造
法は、例えば連続鋳造、インゴット鋳造など何れにも適
用される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。高Mn・
高Nオーステナイト系ステンレス鋼の溶製は、容量10
kgの電気溶解炉と容量60ton のAOD炉の2種類の炉
を用いて行った。電気溶解炉で溶製した溶鋼は断面10
0mmφ、高さ100mmのインゴットに鋳造し、AOD炉
で溶製した溶鋼は、垂直型連続鋳造機により断面150
mm×150mm、のブルームに鋳造した。
高Nオーステナイト系ステンレス鋼の溶製は、容量10
kgの電気溶解炉と容量60ton のAOD炉の2種類の炉
を用いて行った。電気溶解炉で溶製した溶鋼は断面10
0mmφ、高さ100mmのインゴットに鋳造し、AOD炉
で溶製した溶鋼は、垂直型連続鋳造機により断面150
mm×150mm、のブルームに鋳造した。
【0015】表1に、溶鋼の成分組成、δ−Fe量、
〔%N〕÷〔%Neq〕及び0.125×δ−Fe量
(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)と、鋳片
の気泡発生有無の関係を示している。比較例のNo.1〜
20は、0.125×δ−Fe量(%)+1.25×
(〔%N〕÷〔%Neq〕)が1を超えているため、鋳片
に気泡が発生している。そのため、圧延前に気泡欠陥を
手入れ除去する必要があり、歩留低下や手入れ工程によ
る製造コストアップを招いた。これに対して、本発明例
のNo.21〜35は、0.125×δ−Fe量(%)+
1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)が1以下であるた
め、鋳片に気泡が発生しなかった。そのため、圧延前に
気泡欠陥を手入れ除去する必要がなくなり、歩留低下や
手入れ工程による製造コストアップを解消できた。
〔%N〕÷〔%Neq〕及び0.125×δ−Fe量
(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)と、鋳片
の気泡発生有無の関係を示している。比較例のNo.1〜
20は、0.125×δ−Fe量(%)+1.25×
(〔%N〕÷〔%Neq〕)が1を超えているため、鋳片
に気泡が発生している。そのため、圧延前に気泡欠陥を
手入れ除去する必要があり、歩留低下や手入れ工程によ
る製造コストアップを招いた。これに対して、本発明例
のNo.21〜35は、0.125×δ−Fe量(%)+
1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)が1以下であるた
め、鋳片に気泡が発生しなかった。そのため、圧延前に
気泡欠陥を手入れ除去する必要がなくなり、歩留低下や
手入れ工程による製造コストアップを解消できた。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明は、気泡の発生しない内部品質の
優れた高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片
を製造することで、気泡を研削除去するための手入れを
行わなくて済むため、歩留を向上し、製造コストを低減
することができる。
優れた高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片
を製造することで、気泡を研削除去するための手入れを
行わなくて済むため、歩留を向上し、製造コストを低減
することができる。
【図1】鋳片の気泡発生におよぼすδ−Fe計算値と
〔%N〕÷〔%Neq〕の影響を示す図である。
〔%N〕÷〔%Neq〕の影響を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 C ;0.02%〜0.25%、 Si;1.0%以下、 Mn;4.5%〜15.5%、 Ni;1.0%〜8.0%、 Cr;16.0%〜22.0%、 N ;0.15%〜0.40%、 残りが主としてFeからなる溶鋼の溶製において、前記
溶鋼の成分組成から算出されるδ−Fe量(%)、溶鋼
の窒素濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素
溶解度〔%Neq〕が(1)式を満足するような条件に調
整して鋳造することを特徴とする高Mn・高Nオーステ
ナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法。 k1 ×δ−Fe量(%)+k2 ×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1……(1) 但し、 k1 ,k2 ;実験によって求まる定数 - 【請求項2】 重量%で、 C ;0.02%〜0.25%、 Si;1.0%以下、 Mn;4.5%〜15.5%、 Ni;1.0%〜8.0%、 Cr;16.0%〜22.0%、 N ;0.15%〜0.40%、 残りが主としてFeからなる溶鋼の溶製において、前記
溶鋼の成分組成から算出されるδ−Fe量(%)、溶鋼
の窒素濃度〔%N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素
溶解度〔%Neq〕が、(2)式を満足するような条件に
前記溶鋼の成分組成を調整して鋳造することを特徴とす
る高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製
造方法。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕 - 【請求項3】 重量%で、 C ;0.02%〜0.25%、 Si;1.0%以下、 Mn;4.5%〜15.5%、 Ni;1.0%〜8.0%、 Cr;16.0%〜22.0%、 N ;0.15%〜0.40%、 残りが主としてFeからなる鋼で、前記鋼の成分組成か
ら算出されるδ−Fe量(%)、該鋼の窒素濃度〔%
N〕及び液相線温度における溶鋼の窒素溶解度〔%
Neq〕が、(2)式を満足し、気泡の少ないことを特徴
とする高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳
片。 0.125 ×δ−Fe量(%)+1.25×(〔%N〕÷〔%Neq〕)≦1…(2) 但し、 δ−Fe量(%)=−4.7 +〔%Cr〕+0.48〔%Si〕+1.2 〔%Mo〕 −〔%Ni〕−0.11〔%Mn〕+0.0086〔%Mn〕2 −24.5〔%C〕−18.4〔%N〕 〔%Neq〕=10-(518/T)-1.063-h ここで、T(K)=1536−55〔%C〕−80〔%C〕2 −13〔%Si〕 −4.8 〔%Mn〕−30〔%P〕−30〔%S〕 −5〔%Cu〕−4.3 〔%Ni〕−1.5 〔%Cr〕 −2.5 〔%Mo〕+273 h=0.13〔%C〕+0.048 〔%Si〕−0.02〔%Mn〕 +0.059 〔%P〕+0.007 〔%S〕+0.007 〔%Ni〕 −0.046 〔%Cr〕−0.011 〔%Mo〕 +0.009 〔%Cu〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23160493A JPH0790471A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法及び鋳片 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP23160493A JPH0790471A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 高Mn・高Nオーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法及び鋳片 |
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