JPH01259143A - 鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr−Ni系ステンレス鋼 - Google Patents

鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr−Ni系ステンレス鋼

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JPH01259143A
JPH01259143A JP8734488A JP8734488A JPH01259143A JP H01259143 A JPH01259143 A JP H01259143A JP 8734488 A JP8734488 A JP 8734488A JP 8734488 A JP8734488 A JP 8734488A JP H01259143 A JPH01259143 A JP H01259143A
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Masanori Ueda
上田 全紀
Masayuki Abe
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋳片と鋳型で相対速度差のない、所謂同期式
連続鋳造法を用いて、Cr−Ni系ステンし・ス鋼を製
造するプロセスにおいて、連続鋳造を、鋳片厚さが製品
ゲージに近い厚さとなる形で行なうに際し、鋳造過程な
らびに熱間圧延過程て、利料に割れを生ぜしめないCr
  Ni系ステンレス鋼に関する。
(従来の技術) 従来、ステンレス鋼ストリップを得るには、たとえば特
開昭56−139278号公報に開示されているように
、鋳型を鋳造方向に、2〜311zの周波数て振動させ
つつ溶鋼を連続鋳造し2.1.00 mm以」二の厚さ
を有する鋳片を冑、次いで鋳片の表面手入れを行ない、
加熱炉で1000 ’C以+に加熱した後、複数の圧延
機から構成される圧延機列によって熱間圧延してボット
ストリップ している。
しかしながら、この従来のプロセスによるときは、長大
な熱間圧延設備を必要とするほか、鋳片を加熱するため
のエネルギや圧延動力として多大のエネルギを必要とす
る等の点で問題がある。
更にごのボットストリップを冷間圧延するに際しては、
最終製品に要求される形状(平坦さ)、材質、表面性状
を得るために、強い熱間加工を受けたボンドストリップ
を焼鈍によって軟化せしめ、冷延し易くするとともに、
熱間圧延過程でホットストリンブに生じたスケール疵等
を、酸洗工程の後に研削によって除去することを、事前
に行なわねばならない。このような従来技術は薄板のみ
でなく、線材や、厚板においても同様の問題を有してい
る。
一方、上に述べた従来技術における基本的な問題である
100mm以上の厚ざを有する鋳片をホットストリンプ
に圧延するために長大な熱間圧延設備と多大の加熱エネ
ルギ、圧延動力を要する、という問題を解決すべく、連
続鋳造の過程で、ホットス1−リップと同等か、或いは
それに近い厚さの鋳片を得るプロセスの研究が進められ
ている。
例えば、[鉄と鋼j ’85,A197〜’85,A2
56において、特集された論文に、前述の、ホン1−ス
1−リップを連続鋳造によって直接的に得るプロセスが
開示されている。
かかる連続鋳造プロセスにあっては、得ようとする鋳片
(ストリップ)のゲージが1〜1 0 mmの水準であ
るときには、ツインドラム(Twin Drum)方式
が、またゲージが20〜50mmの水準であるときには
、ツインヘル) (Twin Belt)方式が専ら適
用される。これらの鋳造方式は従来の鋳型振動方式に対
して同期式連続鋳造法と呼ばれ、極力製品形状に近い形
での鋳造を狙いに、多数の研究がなされているところで
ある。
以上の研究において、現在量も大きな課題となっている
のは製品に近い形で鋳造することで、凝固時、表面積が
大きくなり、凝固の不均一化が生じやすく、鋳造から凝
固過程で割れを生じやすい点である。
たとえばツインドラム方式の連続鋳造法で特に鋳片の幅
の拡大に伴なって、幅方向において凝固が不均一となり
易く、このことに起因して鋳造過程で鋳片に割れを生し
易い。又厚手のゲージから直接熱間圧延する場合にも割
れを生しやすい。
この種の鋳片の割れは、ス1へりンブを連続鋳造によっ
て直接的に得る過程を織込んだステンレス鋼ス1ヘリツ
ブの製造プロセスにおいて、重大な隘路となる。
鋳造過程やその後の熱間圧延過程で鋳片に割れを生ぜし
めないための技術的手段としては、鋳造方式、鋳造機の
工夫或いは操業法を工夫することによって、幅方向にお
ける凝固を均一化する接近方法も考えられるiJれども
、鋼組成によって問題を解決する接近方法も極めて重要
である。
特に今後重要となる高合金鋼やステンレス鋼では極めて
重要な課題であるが、かかる技術的手段についてはこれ
までに開示がない。
(発明か解決しようとする課題) この発明は、ストリップを、溶鋼の連続鋳造によって直
接的に得る過程を織込んだ、Cr−Ni系ステンレス鋼
ストリップの製造プロセスにあって、十分に広い幅のス
トリップを対象とするときも、鋳造過程やその後の熱間
圧延過程で鋳片に割れを生しることのないCr−Ni系
ステンレス鋼を提供することを目的としてなされた。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とする処は、下記のとおりである。
(1)重量で、Cr:11〜40%、N1:5〜70%
、Si : 0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C
≦0.2%、N≦0.4%を含有し、凝固時の平衡分配
係数が小さく特に偏析し易いS、B、P、Oに関しては
S≦0.006%、B≦0.0015%、B≦0.03
5%、0≦0.015%であり、しかも合金中のNi+
30×N量とΔSとの関係(但しΔS = S −0,
8×Ca −0,5×Y−0,3×Mg−0,3×Ce
)が第2図の斜線領域内にあり、かつNi+30×Ni
iとB≦との関係が第3図の斜線領域内にあることを特
徴とする鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れを
起こし難いCr−Ni系ステンレス鋼。
(2)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
、Si : 0.05〜2.0%、MnS2,0%、C
≦0.2%、N≦0.4%を含有し、更にY≦0.06
%、Ce≦0.02%、Mg≦0.02%、Ca≦0.
01%の1種または2種以上を含み、凝固時の平衡分配
係数が小さく特に偏析し易いS、B、、P、○に関して
はS≦0.006%、B≦0.0015%、B≦0.0
35%、0≦0.015%であり、しかも合金中のNi
+30×N量とΔSとの関係(但しΔS=S−0,8×
Ca −0、5X Y −,0,3×Mg −0,3×
Ce)が第2図の斜線領域内にあり、かつNi+30×
N量とB≦との関係が第3図の斜線領域内にあることを
特徴とする鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れ
を起こし難いCr−Ni系ステンレス鋼。
(3)重量で、Cr:11−40%、Ni:5〜70%
、Si : 0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C
≦0.2%、N≦0.4%を含有し、更にMo57%、
Cu54%、 八l≦ 7 %、 Nb≦ 1 %、 
T1≦ 1 %、 Zr≦ 0.2 %の1種または2
種以上を含み、凝固時の平衡分配係数が小さく特に偏析
し易いS、B、P、0に関してはS≦0.006%、B
≦0.0015%、B≦0.035%、050.015
%であり、しかも合金中のNi+30×N量とΔSとの
関係(但しΔS=S−0.8×Ca−0.5 ×Y−0
,3×Mg−0゜3×Ce)が第2図の斜線領域内にあ
り、かつNi+30×N量とB≦との関係が第3図の斜
線領域内にあることを特徴とする鋳造過程或いはその後
の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr−Ni系ステン
レス鋼。
(4)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
、Si : 0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C
≦0.2%、N≦0.4%を含有し、更にY≦0.06
%、Ce≦0.02%、hg≦0.02%、Ca≦0.
01%の1種または2種以上及びMo57%、Cu54
%、Al≦7%、Nb51%、Ti61%、Zr≦7.
2%の1種または2種以上を含み、凝固時の平衡分配係
数が小さく特に偏析し易いS、、B、P、0に関しては
S≦0.006%、B≦0.0015%、B≦0.03
5%、0≦0.015%であり、しかも合金中のNi+
30xN量とΔSとの関係(但しΔS−3−0.8×C
a−0,5X Y−0,3×Mg −0,3×Ce)が
第2図の斜線領域内にあり、かつNi+30×Nlil
とB≦との関係が第3図の斜線類域内にあることを特徴
とする鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起
こし難いCr−Ni系ステンレス鋼。
以下に、本発明の詳細な説明する。
既に述べたように、所謂同期式連続鋳造法により、極力
製品ゲージに近い厚さの鋳片(ストリップ)を得るプロ
セス、たとえばツインドラム(双ロール法)方式のプロ
セスにおいては、鋳片(ストリップ)の広幅化に伴なっ
て、幅方向における凝固の不均一さに起因して局部的な
収縮による応力が発生し、材料の延性限界をこえると、
凝固直後の鋳片表面に割れを生し易い。またやや厚い鋳
片を鋳造し鋳片を直接熱間圧延する場合にも凝固不均一
部から割れを発生ずることがある。
前述のような鋳片の割れを防止するためには、(1)凝
固を均一化させ局部的な収縮を発生させないような鋳造
機や鋳造法の進歩と、(2)凝固直後の鋳片が極力延性
に冨む方向の合金設計という両面の対策が必要である。
従来、通常の100mm以上の厚さを有する連続器 鋳造鋳片の再加熱後の熱間圧延過程での割れ現象の解明
ならびにその防止手段については種々の研究がなされて
来た。
しかしながら、ツイン1〜ラム方式やツインヘルド方式
の連続鋳造プロセスにおける如く、鋳片のゲージ(厚さ
)が製品に近い状態で!h造され、急冷凝固される鋳片
やその後の熱間圧延過程°この割れ現象の解明ならびに
割れ防止手段の研究は未だ十分ではなかった。
本発明者等は、象、冷強固される、薄いゲージの鋳片の
割れを防止する手段を、凝固直後の材料(鋳片)に延性
を付与する方向で研究を進めた。
各種の合金について、丸棒引張り試験片を通電加熱し、
平行部中央が溶融開始するまで界温し、溶融開始温度を
測定し、その役急冷して、溶融開始温度よりそれぞれ2
0’C,40’C,60’C。
80°C,100°C低い温度のところで保持し、引張
試験を実施し、破断までの試験片の絞り(%)と引張強
度を測定した。絞りが60%以上に達する温度を測定し
て合金の延性を評価した。より高温で60%以上の絞り
を示す合金が融点直下で延性の大きな材料である。なお
、調査した合金組成はオーステナイト系ステンレス鋼を
主とするCr −Ni系合金で次のような組成を有する
ものである。
組成は重量パーセントで表示している。
C: 0.005〜0.10%  ○: 0.002〜
0.015%Si : 0.05〜4.0%   N 
: 0.005〜0.40%Mn : 0.1〜7.O
%   Ti : 0〜0.010 : 0.001〜
0.040% Nb:0〜1.0%S : 0.000
3〜0.010  Ca : O〜0.01%Cr:1
1〜40%     Zr : O〜0.2%Nl:5
〜70%     Ce : O〜0.06%Mo:0
〜7.0%    Y : O〜0.06%Cu : 
0〜4.0%    h : O〜0.06%八R二 
へ 〜7.0 %         B : 0〜0.
010  %主要合金組成と共に微量の不純物の影響に
ついても検a・]シ、あわせて微量成分の影響に注目し
た。
こうして、擬固点直下から100°C低温までの間での
合金の延性に対する、合金組成の影響を調査した結果衣
の事が判明した。典型的な例は第1図の通りである。
延性を劣化させる成分: S、 B、 P、 O,N、
 Ni、 Si延性を向上させる成分’ Y + Ce
 + Ca + M g顕著な影響を示さない: Cr
、Mo、Mn+Cu、Ti、C,AIこの結果延性を劣
化させる成分は、S、B、P。
0等が特に顕著であるが、これらはすでによく研究され
ている平衡分配係数の小さい群である(鉄鋼便覧第3版
、基礎編のP217)。すなわち凝固時に偏析しやすい
不純物成分が、合金の融点直下の延性を大きく劣化させ
ていることが判明した。
事実、融点直下での割れは鋳造時の粒界を通るが、この
部分にはSやPの偏析がきわめて顕著であることも判明
した。従来よりSやP等についてはこのような傾向は一
部知られていたが、今回Bも有害であることが判明し、
S以上に悪影響することがはじめて明らかになり、平衡
分配係数が小さい(0,1以下)群の成分が凝固時に偏
析し、融点直下の延性を大きく劣化させていることをは
じめて明らかにした。実験ではNilも増大すると延性
を劣化させ、Siは少ない程有効であることが判ったが
、これらは先の不純物偏析を助長することで影響すると
考えられる。
延性を向上せさる成分は、Yが特に顕著であるが、Ce
+ Ca+ Mg等で、明らかにSや0を固定して、こ
れらの偏析傾向を抑制する成分であることが判った。ス
テンレスや高合金で重要なCr、 Mo量 Mn+Cu
、 1’i、 Nb等はさして大きく影響せず、Cも余
り影響しない。
以」二の結果、特に偏析傾向の大きな、平衡分配係数が
小さいS、B、0.P等は極力低減するが、凝固前に固
定することが必要である。Sは特に有害て、低減するか
Y、 Ce、 Ca、 Mg等で固定する必要がある。
Bも有害で、Bの混入をさけ低減することか必要である
。Oは脱酸剤の活用で低減することか可能である。Pは
後述する通り、Ni量との関係で影響度が異なり、Ni
量との関連で低減することか必要である。
一方合金組成の点でばNiやNば悪影響があっても使用
すべき成分である。こうして必要とされるNiやNのレ
ヘルにおいても十分な延性を確保し得■5 るようにS、P、B、 ○等の偏析成分のコントロール
が重要である。こうして各種の合金で割れ抑制に必要な
延性レヘル(〜60%絞り)を検討した結果、合金のN
i量とN量で、Ni+30×NO量に応して、SやPの
量をきびしく規制する必要のあることが判明した。特に
S量に関して番よ、Siの低減と共に、添加したY、 
Ce、 Ca+ Mg等により固定される量も考慮した
ΔS量(ここでΔS量は次の通り定義した。ΔS−3−
0.8 ×Ca−0,5×Y −0,3×Mg −0,
3×Ce) とNi+30×Nとの関係を第2図の通り
満足する必要がある。すなわら合金のNi+30×Nが
増大するにつれて、S量を低減し、更に必要に応して、
Y、 Ce、 Ca、 MB等の1種又は2種以上を添
加して、ΔSを小さくすることが必要である。しかしY
、 Ce、 Ca+ Mg等は余り多量に添加すると、
耐食性等に有害で、Y≦0.06%、Ce≦0.02%
、Ca≦0.01%、Mg≦0.02%の範囲としなけ
ればならない。
特にYが有効であるが、Yは高価であり、上限を0.0
6%とした。Ce、 Ca、 Mg等も微量で効果を示
す。
同様に1)も第3図の通りに、Ni+30×Nに応して
低減する必要がある。BはいづれにおいてもB≦0.0
015%とすべきであり、0も脱酸してO≦0.015
%とする必要がある。なおY、 Ce、 Ca等は鋳造
時の流動で反応が加速され、量が変動するが、あくまで
も鋳造・凝固の直前の成分規定が上述した条件である。
以上鋳造凝固時に特に偏析しやすい4種の不純物を低減
ないし固定し、N1とN量に応して許容範囲内にコント
ロールすれば、融点直下の延性は大幅に改善され、更に
その後の熱間圧延過程においても割れを起こしにくい鋼
となる。
もらろんCr量、 Mo量等も若干影響するが、次に限
定する組成範囲に関しては、先に述べた成分に比較して
影響度は小さい。したがって本発明の考え方は次の組成
範囲に適応し得る。又薄板のみでなく、線材、鋼管、板
にも適応し得るものである。
C: 0.005 〜0.20%   0:≦0.01
5  %Si : 0.05〜2.0  %    N
 : 0.005 〜0.40%Mn : 0.1 〜
7.0  %    Ti : 0 〜1.0  %P
 :≦O,,035%      Nb:O〜1.0 
 %S :≦0.006  %      B :≦0
.0015%Cr:11〜40%       Y:≦
0.06%旧:5〜70%   Ce:≦0.02%M
O:0〜7.0 %     Ca:50.01%Cu
 : O〜4.0  %     Mg: 50.02
%Al:0〜7.0 %      Zr: ≦0.2
 %以下に本発明合金成分の限定理由について述べる。
今回合金の融点直下の高温延性が合金成分の偏析傾向と
密接に関連し、したがって従来からよく知られた平衡分
配係数の小さな(≦0.1 ) 、偏析しやすい成分で
あるS、B、O,Pを特に制御し、量的に規制すること
が必要なことを見出し、これらの偏析を助長するNi量
とNの関連で量的規制を明らかにした。
Sばきわめて偏析しやすい成分で、極力低くずるか、Y
、 Ce、 Ca、 Mg等の硫化物を生成しやすい成
分を添加して固定することが必要である。特にNiやN
を多く含有する合金においてはNi+30×N量に応じ
てSを減することが必要になる。こうしてΔS=S−0
.8×Ca−0.5×Y−0,3×Mg−0,3×Ce
を定義し、各成分の重量パーセントで求めたΔSと旧+
30×N量の関係を第2図の範囲に限定することで、割
れを防止することが出来る。
なおSは0.006%以下としたが、これを越えると割
れを防止し得ない。又Yは0.06%以下で添加出来最
も有効である。Ce、 Mgは0.02%以下、Caば
0.01%以下の範囲で1種又は2種以上必要に応して
添加する。しかし余り多量に加えると、耐食性を劣化さ
せる。Yは特に有効であるが高価であり、0.06%以
下とした。これら添加元素は微量で相乗効果が大きい。
BばSに次いで偏析しやすく、割れを助長する。
したがって微量Bの管理が重要である。鋳造時のBを0
.0015%以下にしなければならない。このためには
原料や耐火物からの混入を抑えなければならない。これ
を越えると割れを助長する。
0も偏析しやすい成分であり、凝固時偏析して割れを助
長する。十分脱酸して0.015%以下とすることが必
要である。なお鋼中に存在するOばΔl≦0.08%、
 Si≦7.0%やY≦0.06%、 Ce≦0.02
%、 Mg≦0.02%、 Ca≦0.01%等の選択
添加の脱酸で固定すれば十分である。
Pも偏析傾向が大きく、出来る限り低いことが望ましい
が、その許容限界はNi+30×N量との関係で第3図
斜線領域の通り決めるごとが出来る。
特にNiやNを多く含有する合金でPを減することが必
要になる。S、B、 ○量のコントロールと並行してB
≦を第3図の通り規制することで融点直下からすぐれた
延性が得られる。
なおNi、 N、 Si等も融点直下の延性を劣化させ
るが、合金組成として必須の成分である。Niはオース
テナイト相の安定化の点で5%は必要下限であり、多い
方が組成の安定性、耐食性の点で有効であるが、70%
を越えると高価となり、又割れやすさも顕著になる。N
は相の安定化、高強度化、耐食性の向上の点で有効でC
rと共に固溶量も増し、多い程効果が大である。しかし
0.4%を越えると固溶限をこえ、気泡を生じる。Sl
ば脱酸剤として、又渦流れの点で有効であり面1スケー
ル性の点で好ましい成分である。しかし融点直下の延性
の点では少ない方が好ましい。したがってSiの上限は
2.0%とし、下限は経済性の点で0.05%とした。
他の合金組成に関しては特に大きな影響は認められず、
したがって先に述べた検討範囲とした。
(実施例) 通常通り、溶製し2次精錬をされた各種のCr −Ni
系ステンレス鋼を溶製した。溶製された鋼の成分を第1
表に示す。これらは先に述べたように主成分はもちろん
、特に、S、B、P、  ○に注目し更にNi+30×
N量に応して第2図、第3図をもとに、ΔS量とB≦を
コントロールし、Y、 Ce。
Ca、 MgやA!量等で成分調整した。
その後、取消にて十分温度コントロールした後、水冷式
銅鋳型より成る双ロール鋳造機により鋳造し、8mmか
ら1 mmのa!鋳片を鋳造した。鋳造幅は600+n
mである。双ロール直下から気体及び水により幅方向に
均一に冷却して、1100°Cまで冷却した。
鋳片はその後冷却され巻取られたが、S、B。
P、0量の規制を満たす本発明鋼の鋳片には割れは全く
発生しなかった。
一部の鋳片には表面温度で1350°C〜1150“0
間で50%以下の圧下率で熱間圧延を加えたが、この熱
間圧延時にも割れは発生しなかった。
一方、第1表に示した比較合金においては、すでに述べ
たS、B、P、Oの含有量が多く、又N1−l−30×
Nとの関係を満さず、いづれも鋳造時幅方向を主とした
小さな割れが発生した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、鋳片と鋳型で相対速度差のない、所謂
同期式連続鋳造法を用いて、Cr−Ni系ステンレス鋼
を製造するプロセスにおいて、連続鋳造を、鋳片厚さが
製品ゲージに近い厚さとなる形で行なうに際し、鋳造過
程ならびに熱間圧延過程で、材料に割れを生じないCr
−Ni系ステンレス鋼を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1回は融点直下の延性に対する各種合金元素の影響を
示す図、第2図は鋼中のNi+30×N(%)とΔS=
S−0.8×Ca−0.5×Y  O,3×Mg  O
,3×Ce(%)との関係で、融点直下の延性良好域を
示す図、第3図は鋼中のNi+301x’N(%)とP
(%)との関係で、融点直下の延性良好域を示す図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
    、Si:0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C≦0
    .2%、N≦0.4%を含有し、凝固時の平衡分配係数
    が小さく特に偏析し易いS、B、P、Oに関してはS≦
    0.006%、B≦0.0015%、P≦0.035%
    、O≦0.015%であり、しかも合金中のNi+30
    ×N量とΔSとの関係(但しΔS=S−0.8×Ca−
    0.5×Y−0.3×Mg−0.3×Ce)が第2図の
    斜線領域内にあり、かつNi+30×N量とP量との関
    係が第3図の斜線領域内にあることを特徴とする鋳造過
    程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr
    −Ni系ステンレス鋼。
  2. (2)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
    、Si:0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C≦0
    .2%、N≦0.4%を含有し、更にY≦0.06%、
    Ce≦0.02%、Mg≦0.02%、Ca≦0.01
    %の1種または2種以上を含み、凝固時の平衡分配係数
    が小さく特に偏析し易いS、B、P、Oに関してはS≦
    0.006%、B≦0.0015%、P≦0.035%
    、0≦0.015%であり、しかも合金中のNi+30
    ×N量とΔSとの関係(但しΔS=S−0.8×Ca−
    0.5×Y−0.3×Mg−0.3×Ce)が第2図の
    斜線領域内にあり、かつNi+30×N量とP量との関
    係が第3図の斜線領域内にあることを特徴とする鋳造過
    程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr
    −Ni系ステンレス鋼。
  3. (3)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
    、Si:0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C≦0
    .2%、N≦0.4%を含有し、更にMo≦7%、Cu
    ≦4%、Al≦7%、Nb≦1%、Ti≦1%、Zr≦
    0.2%の1種または2種以上を含み、凝固時の平衡分
    配係数が小さく特に偏析し易いS、B、P、Oに関して
    はS≦0.006%、B≦0.0015%、P≦0.0
    35%、O≦0.015%であり、しかも合金中のNi
    +30×N量とΔSとの関係(但しΔS=S−0.8×
    Ca−0.5×Y=0.3×Mg−0.3×Ce)が第
    2図の斜線領域内にあり、かつNi+30×N量とP量
    との関係が第3図の斜線領域内にあることを特徴とする
    鋳造過程或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難
    いCr−Ni系ステンレス鋼。
  4. (4)重量で、Cr:11〜40%、Ni:5〜70%
    、Si:0.05〜2.0%、Mn≦7.0%、C≦0
    .2%、N≦0.4%を含有し、更にY≦0.06%、
    Ce≦0.02%、Mg≦0.02%、Ca≦0.01
    %の1種または2種以上及びMo≦7%、Cu≦4%、
    Al≦7%、Nb≦1%、Ti≦1%、Zr≦0.2%
    の1種または2種以上を含み、凝固時の平衡分配係数が
    小さく特に偏析し易いS、B、P、Oに関してはS≦0
    .006%、B≦0.0015%、P≦0.035%、
    O≦0.015%であり、しかも合金中のNi+30×
    N量とΔSとの関係(但しΔS=S−0.8×Ca−0
    .5×Y−0.3×Mg−0.3×Ce)が第2図の斜
    線領域内にあり、かつNi+30×N量とP量との関係
    が第3図の斜線領域内にあることを特徴とする鋳造過程
    或いはその後の熱間圧延過程で割れを起こし難いCr−
    Ni系ステンレス鋼。
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