JPH07100819B2 - 機械的性質と表面性状が優れたCr―Ni系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

機械的性質と表面性状が優れたCr―Ni系ステンレス鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はCr−Ni系ステンレス鋼板を製造するプロセスに
おいて鋳片と鋳型内壁面の相対速度差のない、いわゆる
同期式連鋳式を用いて連続鋳造により鋳片厚さを製品サ
イズに近い形で鋳造し、その後冷間圧延及び焼鈍を規定
することにより機械的性質と表面性状を良好にする製造
方法に関する。
(従来の技術〕 従来の連続鋳造法においては鋳型をオシレーションさせ
ながら厚さ100mm以上の鋳片を製造し、その後表面手入
れを行い、加熱炉において1000℃以上に加熱した後、粗
圧延及び仕上げ圧延からなる連続圧延機によって熱間圧
延し、厚さにして数mmのホットストリップを製造してき
た。その後この厚さ数mmのホットストリップを冷間圧延
するに際しては最終製品に要求される形状(平坦さ)、
材質、表面性状を得るために、強い熱間加工を受けたホ
ットストリップを軟化させるために熱延板焼鈍を行い冷
延しやすくするとともに、熱間圧延工程でホットストリ
ップに生じたスケール等を、酸洗工程の後に研削によっ
て除去することを、事前に行うことが必要とされてい
た。この従来のプロセスにおいては長大な熱間圧延設備
を必要とするなど多大なエネルギーが必要となっており
生産性という点で最も優れた製造プロセスとはいい難か
った。更に最終製品は100mm以上の素材から製造される
ために集合組織が発達し、加工時にはその異方性を考慮
して加工することが必要となるなど使用上の制約も多か
った。
また従来技術における基本的な問題である100mm以上の
厚さを有する鋳片をホットストリップに圧延するために
長大な熱間圧延設備と多大なエネルギー、圧延動力を要
すると言う問題を解決すべく、連続鋳造の過程でホット
ストリップと同等かあるいはそれに近い厚さの鋳片(ス
トリップ)を得るプロセスの研究が進められている。例
えば「鉄と鋼」85′、A197〜85′、A256において特集さ
れた論文にホットストリップを連続鋳造によって直接的
に得るプロセスが開示されている。このような連続鋳造
プロセスにあっては得ようとする鋳片(ストリップ)の
ゲージが1〜10mmと水準であるときはツインドラム方式
が、また鋳片のゲージが20〜50mmの水準であるときには
ツインベルト方式が専ら適用される。
(発明が解決しようとする問題点) 以上述べたようにCr−Ni系ステンレス鋼板を製造する
工程において多大な加熱エネルギー、圧延動力を要する
長大な熱間圧延設備を用いて鋼板を得ていることは生産
性を低下させコストアップの大きな障害であった。また
従来の100mm以上の鋳片より鋼板を得ていたために異方
性が大きく製品使用時にはその異方性を考慮して加工す
る必要がある等、使用時にも問題が生じていた。また薄
鋳片においては工程が簡略化されるために製品の機械的
性質及びステンレス鋼に必要とされる表面特性が鋳片組
織の影響を大きく受け、これらの課題を改善する必要が
生じ製造上の大きな問題点であった。
(問題点を解決しようとするための手段) このため本発明者たちはこの機械的性質と表面性状の優
れたCr−Ni系ステンレス鋼の安定な製造方法を確立す
るために研究を行い以下に述べる要旨の製造方法を確立
した。
すなわち本発明の要旨は、重量%で18%Cr−8%Niを基
本成分としSi≦0.5%、Mn≦2.0%、S≦0.008%、N≦
0.18%であって、15×S(%)+N(%)<0.18なる関
係を満足するCr−Ni系ステンレス鋼を、鋳型壁面が鋳片
と同期して移動する形式の連続鋳造機を用いて、凝固時
の冷却速度を30℃/sec以上として厚さ6mm以下の鋳片を
鋳造し、20℃/sec以上の平均冷却速度を確保して650℃
まで冷却し650℃以下の温度で捲き取った後、酸洗を施
し、ついで85%以下の圧下率を適用する冷間圧延を行
い、さらに1000℃〜1300℃の温度域で温度・時間関係を
変化させる制御を行い、材料の平均結晶粒径を粒度番号
で6〜8にする焼鈍を施すことを特徴とする機械的性質
と表面性状が優れたCr−Ni系ステンレス鋼板の製造方法
である。
以下に本発明の製造方法について詳細に説明する。
鋳造直後から650℃までの温度域における平均冷却速度
が20℃/secより遅いと、鋳片のオーステナイト(以下、
γと略す)粗の粗大化による冷延時の冷延板の表面の微
細なうねり(ローピング)が生じたり、粒界酸化やCr炭
化物の析出が生じるために、冷延前の酸洗時に粒界腐食
が生じ製品には粒界腐食起因の肌荒れや光沢不良が生じ
ることになるからであり、これを防止するためにも650
℃までの冷却を平均冷却速度を20℃/sec以上とすること
が必要となる。また巻取り中のCr炭化物の析出を防止
するためにも巻取り温度は650℃以下が必要となる。
冷間圧延率を85%以下と定めたのは、これ以上の冷間圧
延率を鋳片に施すと冷延集合組織が発達し、異方性が大
きくなり従来法の厚さ100mm以上の厚スラブより製造し
た製品の異方性と同等になるからである。薄鋳片から製
造する場合異方性は冷延圧下率が小さいほど異方性は小
さく、特に異方性の小さい製品を製造する場合には、冷
延圧下率を70%以下とすることが望ましい。
冷延板の焼鈍は、1000〜1300℃の温度範囲において温度
・時間関係を制御することにより粒度番号で6〜8とす
ることが必要で、本発明法のように薄肉鋳片から熱間圧
延を省略して直接冷延〜焼鈍するプロセスでは、従来法
のような厚スラブの熱延の加熱のような鋳片に存在する
δ−フェライト以下δ−Fe.と略す)を消滅させる工程
がないため、最終焼鈍によりδ−Fe.を消滅させ機械的
性質を満足させる必要が生じ、δ−Fe.を消滅させるた
めに成分と焼鈍を組み合わせることが重要な技術となる
からである。
特にδ−Fe.の消滅の点で、1000℃以下ではδ−Fe.の消
滅に長時間の焼鈍が必要となり、またγ粒の再結晶も進
行しないため、冷延板の焼鈍温度の下限を1000℃とし
た。一方1300℃を越えるとγ粒の再結晶は進行するが、
この温度域ではδ−Fe.相も安定になり、焼鈍時γ単相
とならずδ−Fe.相が析出し、δ−Fe.の存在による強度
上昇、伸びの低下、加工性劣化が生じるため、冷延板の
焼鈍温度の上限を1300℃とした。この時、γ粒の平均結
晶粒径を粒度番号で6〜8の範囲としたのは、製品板の
粒径が粒度番号で6以下の粗大な結晶粒になると加工時
に肌荒れが顕著になるいわゆるオレンジビールが発生し
美観を大きく損ねることになるためであり、また粒度番
号で8以上の微細な組織にすると強度上昇により、伸び
の低下、加工性の劣化を生じるためである。
これを防止するためには、上述の焼鈍温度範囲における
焼鈍時間を粗粒または細粒すぎないようにすることが必
要で焼鈍時間が長時間になるほど粗粒になるため、1000
〜1300℃の温度範囲で温度・時間関係を変化させる制御
を行い、粒度番号で6〜8とすることが必要である。
以上のことについて成分範囲を広げて検討した結果次に
示す成分系に成立することが判明した。なお成分は重量
%で示した。
C:0.005〜0.10 Si:2%以下 Mn:3%以下 P:0.050%以下 S:0.010%以下 Cr:15.0〜30.0 Ni:5.0〜15.0 Mo:3.5%以下 Cu:3.0%以下 Al:0.1%以下 O:0.01%以下 N:0.25%以下 Ti:0.6%以下 Nb:1.0%以下 Ca:0.01%以下 以下に成分の限定理由を述べる。
C:Cはステンレス鋼の耐食性には有害な元素である。0.0
05%以下では製造コストを増加させ0.10%を越えると耐
食性を大幅に劣化させるので0.005〜0.10%とした。
Si:Siはステンレス鋼の耐食性を向上させまた耐酸化性
にも有効な元素であるが、高温における延性を低下させ
るため2.0%以下とした。
Mn:Mnは高価なNiの代替として添加でき同時にNの固
溶度を増すが3.0%を越すと鋳造時の割れが顕著となる
ため3.0%以下とた。
P:Pは耐食性、鋳造性の点で少ない方が良好であり0.050
%以下とした。これを越えると耐食性、鋳造性が劣化す
る。
S:Sは耐食性、鋳造性の点で少ない方が良好であり0.010
%以下とした。これを越えると耐食性、鋳造性が劣化す
る。
Cr:Crはステンレス鋼の基本成分であり、Niとのバラ
ンスから15.0〜30.0%とした。15.0%未満では耐食性が
不良となり、30.0%を越えると高価になる。
Ni:NiはCrと共にステンレス鋼の基本成分であり、γ
安定化元素として添加され、Cr量とのバランスから5.0
〜15.0%で添加される。
Mo:Moはステンレス鋼の耐食性を向上させる元素であ
り、特に局部腐食を抑制するのに効果的で、必要に応じ
て3.5%以下で添加できる。
Cu:Cuはステンレス鋼の耐食性を向上させる元素であ
り、必要に応じて3.0%以下で添加できる。
Al:Alは強力な脱酸剤として0.1%以下で添加する。こ
れを越えると耐食性、鋳造性を劣化させる。
O:Oは耐食性、鋳造性の点で少ない方が良好であり0.010
%以下とした。これを越えると耐食性、鋳造性が劣化す
る。
N:Nは強力なγ安定化元素であり、また耐食性も向上さ
せる元素であり、0.25%以下で添加できる。0.25%を越
えると鋳造時の割れが顕著となる。
Ti:TiはCを固定し耐食性を向上させまたCaと共存し
てOを固定しSi,Mnの酸化物を出現させない元素であ
り、必要に応じて0.6%以下で添加できる。
Nb:NbはCを固定し耐食性を向上させる元素であり、必
要に応じて1.0%以下で添加できる。
Ca:Caは強力な脱酸、脱硫剤として効果的で0.01%以下
で添加できる。これを越えると表面性状を不良にする。
以上の発明は、機械的性質と表面性状の優れたCr−Ni
系ステンレス鋼を、薄鋳片から直接冷延−焼鈍というプ
ロセスで製造することを目的としたものであるが、上記
の発明に鋳片割れ防止対策を織り込むことで、鋳造時の
操業性、また歩留りの観点からさらに優れたプロセスを
構築できる。このため発明者等は、急冷凝固される薄鋳
片の割れを防止する手段として、成分の点から凝固直後
の材料(鋳片)に延性を付与する方向で研究を進めた。
各種の合金について、丸棒引張試験片を通電加熱し平行
部中央が溶融開始するまで昇温し測温しつつ溶融を継続
しその後20℃/secで急冷して融点直下の温度で保持し、
引張試験を実施し破断までの試験片の絞り(%)と引張
強度を測定した。特に絞りが50%以上となる温度に注目
し合金組成の研究を実施した。調査した合金組成はCr
−Ni系ステンレス鋼であり次のような組成を有するも
のである。組成は重量%で表示している。
C:0.005〜0.10 Si:〜4.0 Mn:0〜3.0 P:0.001〜0.050 S:0.0003〜0.04 Cr:15.0〜30.0 Ni:5.0〜15.0 Mo:0〜3.5 Cu:0〜3.0 Al:0〜0.5 O:0.002〜0.011 N:0.005〜0.25 Ti:0〜0.6 Nb:0〜0.8 Ca:0〜0.01 これらの検討の結果、合金の凝固直後の延性にきわめて
顕著な作用を及ぼす成分が認められた。ステンレス鋼の
主要成分であるCr,Ni,Mo等は余り大きな影響を及ぼさ
ないが、Si,Mn,S,N,P,O等の影響が顕著である。第3図
は特願昭62−167633号(特開昭64−11925号)で開示し
たものであるが溶融グリーブル試験において、溶融後融
点直下の各種温度で引張試験を実施し、絞りが50%に達
する温度を示したものである。図中での大部分の検討は
に示す18Cr−8Ni−0.6Si−1.2Mnを基本成分系とする
合金で検討した。に示す通りこれらの成分系では融点
直下で50%に達する温度が1330℃程度で、に示すよう
にSを変えると大きく変動し低Sでは1340℃、高Sでは
1300℃に低下する。なおこの温度はグリーブル試験片の
表面温度である。試験片中心部の割れはデンドライトの
境界面に沿って、残留した液層に沿って伝播しており液
膜脆化と考えられる。ところがに示した18Cr−8NiでS
iを0.2%、Mnを0.2%にし、Sを0.001%の基本成分系に
したものでは、上記の温度が1350℃以上になり1370〜13
80℃に近ずくことが判明した。こうしての合金は融点
直下から延性が大きく、きわめて割れが生じにくい。
に示す通り、Si,Mn量を変化させた成分系ではこの温度
が大きく変動することを開示した。
本発明者等は、更にこのSi,Mnについて検討を進めたと
ころこの融点直下の延性の変化は第1図に示すようにS
i層に大きく依存し、Mn量には大きく依存しないことが
判明した。この第1図よりSiを0.5%以下にした場合は
Mnは2%までは許容される。また第2図に示すように
SとNの関係について整理したところS,Nが増加するほ
ど高温の延性は低下する傾向がみられ15×S(%)+N
(%)が0.18を越えると延性低下が顕著となる。18Cr−
8Ni基本成分系としたものではSi,Mn,S,N,O等の影響が
大きく、延性に大きく影響する成分としてSi,Mn,S,Nに
ついて融点直下での延性不足による割れ等に起因する表
面特性の劣化を防ぐ成分範囲を以下のように定めた。
Si:0〜0.5% Mn:0〜2.0% S:0〜0.008% N:0〜0.18% また10×S+N<0.18 (実施例) 主成分として18Cr−18Ni等のCr−Ni系ステンレス鋼の小
鋼塊を実験室で溶解し、鋳片厚で10mm以下の鋳片を鋳込
み種々の冷却速度を鋳片に与えた後巻取り処理を施し酸
洗、冷延を行い、焼鈍を行った後材質試験を行って機械
的性質を評価した。また異方性の評価としては製品板よ
り圧延方向に対し平行(L方向)、直角(C方向)、45
度(D方向)より引張試験片を採取し15%の引張試験を
行ったときのランクフォード値(r値)を求めΔr=
{(rL+rC+2rD)/2)}を求めた。第1表に供試鋼の
成分(wt%)、鋳片厚、捲取温度及び650℃または捲取
温度までの平均冷却速度を示す。また第2表には鋳片を
酸洗後、直接冷延を行い焼鈍して、材質を評価した場合
のプロセス条件と材質試験結果を示す。
第2表の本発明法の、鋳造後の冷却速度を20℃/sec以上
にし捲取温度を650℃以下とし冷延率85%以下で製造し
焼鈍温度と時間を制御し粒度番号で6〜8の結晶粒径に
したものは、強度延性が現行プロセス並でしかも異方性
が小さく、表面性状も良好であった。
しかし比較法のうち、鋳造後の冷却速度が20℃/sec以下
のN1、N2およびP1については表面性状が不良となってお
り、これは鋳造後の冷却速度が遅いために冷却中に粒界
酸化、Cr炭化物の析出により酸洗時に粒界腐食が生じ
光沢が劣化したことによる。特に捲取温度を800℃にし
たN1、N2及びN3では激しい粒界腐食を生じ光沢は著しく
劣化していた。また冷却速度が20℃/sec以上であって
も、M1、O1のように捲取温度が650℃以上の場合は、捲
取り後の冷却中にCr炭化物が析出し、表面性状が劣化
した。
また焼鈍条件が不適切で結晶粒径が小さく、粒度番号で
8より大きくなったA3、A4およびK2については、強度が
高く特に耐力が高いために加工時に問題になる。これ
は、焼鈍温度が低すぎたり、焼鈍時間が短時間であるこ
とによるためであり、本発明法のような鋳片直接冷延プ
ロセスにおいては、鋳片に存在するδ−Fe.を消滅させ
るプロセスが、従来法に比べて大幅に減少するため、焼
鈍条件が適切でないとδ−Fe.が焼鈍時に消滅せず、粒
成長の抑制による細粒化とδ−Fe.の存在による強度の
増加が起きたためである。
焼鈍条件により結晶粒径が大きくなり粒度番号が6未満
となったE2、F3については引張時及び加工時に表面にオ
レンジピールが発生し表面性状が不良となった。また冷
延圧下率が85%を越える冷間圧延を施したN3、P1ではΔ
rが大きく異方性がほぼ現行プロセス材並になることが
判明した。以上示したように、薄鋳片から直接冷延プロ
セスにおいて18Cr−8Niに代表されるCr−Ni系ステン
レス薄鋼板を製造する場合には、機械的特性の材質とス
テンレス鋼の特徴である表面性状の両特性を満足するプ
ロセスを構築する必要があり、本発明法のように凝固時
の冷却から最終焼鈍までのプロセス条件を制御すること
が必要になる。
(発明の効果) 本発明によれば、製品形状に極力近い形の鋳片を利用し
て熱延工程を省略化することにより経済的にも優れ、な
おかつ材質、表面特性が優れたCr−Ni系ステンレス鋼
を安定して製造できることになり、本発明はきわめて工
業的価値が大きい製造方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は18Cr−8Ni−0.003S系に置けるMnとSiの融点
直下の延性に対する影響を溶融後の引張試験で調べた結
果を示す図であり、絞りが50%になる温度が1350℃以上
を○、1350℃未満を×で示した。第2図は18Cr−8Ni−
0.3Si−0.4Mn系に置けるSとNの融点直下の延性に対す
る影響を溶融後の引張試験で調べた結果を示す図であ
り、絞りが50%になる温度が1350℃以上を○、1350℃未
満を×で示した。第3図は各種合金の溶融後の引張試験
において、絞りが50%に達する温度を示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で18%Cr−8%Niを基本成分としSi
    ≦0.5%、Mn≦2.0%、S≦0.008%、N≦0.18%であっ
    て、15×S(%)+N(%)<0.18なる関係を満足する
    Cr−Ni系ステンレス鋼を、鋳型壁面が鋳片と同期して移
    動する形式の連続鋳造機を用いて、凝固時の冷却速度を
    30℃/sec以上として厚さ6mm以下の鋳片を鋳造し、20℃/
    sec以上の平均冷却速度を確保して650℃まで冷却し650
    ℃以下の温度で捲き取った後、酸洗を施し、ついで85%
    以下の圧下率を適用する冷間圧延を行い、さらに1000℃
    〜1300℃の温度域で温度・時間関係を変化させる制御を
    行い、材料の平均結晶粒径を粒度番号で6〜8にする焼
    鈍を施すことを特徴とする機械的性質と表面性状が優れ
    たCr−Ni系ステンレス鋼板の製造方法。
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