JPH06304607A - 熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス合金の製造方法 - Google Patents

熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス合金の製造方法

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JPH06304607A
JPH06304607A JP9468093A JP9468093A JPH06304607A JP H06304607 A JPH06304607 A JP H06304607A JP 9468093 A JP9468093 A JP 9468093A JP 9468093 A JP9468093 A JP 9468093A JP H06304607 A JPH06304607 A JP H06304607A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はCr−Ni系ステンレス鋼の製造方
法に関し、ヘゲ疵となる微小割れを防止する方法を提供
する。 【構成】 Cr:16〜35%、Ni:7〜50%を主
成分とし、δ(cal)が4超〜10であるCr−Ni
系ステンレス鋼を連続鋳造する際、スラブ表面で135
0℃までを50℃/sec以下、1350〜1000℃
の範囲を30℃/sec以上、1000〜500℃の範
囲を10℃/sec以上で冷却したスラブを、1000
〜Tγ℃の温度で加熱した後、熱間圧延を行うことから
なる熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレ
ス鋼の製造方法。ここで、δ(cal)=3Creq
2.8Nieq−19.8。Creq=Cr+1.5Si+
Mo+0.5Nb+0.5Ti。Nieq=Ni+0.5
Mn+0.5Cu+30C+30N。Tγ=(105+
Nieq−3.9Creq)/(0.07−0.00195
Creq)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はCr−Ni系ステンレス
合金(以下、単にCr−Ni系ステンレス鋼という)の
熱間圧延時のスラブ表面に発生する微小な割れを防止す
る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Cr−Ni系ステンレス鋼は高合金であ
るために熱間加工性が悪く、熱間圧延時に割れが発生
し、これを防止するためにさまざまな研究がなされてき
た。特に、耳割れといわれるスラブエッジや熱延板エッ
ジに発生する割れは製造可否に関わる場合が生じたり、
歩留りを大幅に低下させるなど製造上の大きな問題点で
あった。これらの熱延過程で発生する大きな割れについ
ては従来からさまざまな検討がなされており、今日では
成分や圧延条件の適正化によって製造不可となることは
少なくなってきている。
【0003】一方、このような製造可否に関わるような
大きな割れとは別に、熱延圧延工程でほとんど検出され
ず、酸洗後や冷延工程のような熱延工程の後工程におい
てはじめて検出されるヘゲ疵といわれるような疵が発生
することがある。このヘゲ疵のような疵は発生箇所が熱
延板表面であり、表面品質が重要なステンレス鋼におい
ては致命的な欠陥で、再酸洗やグラインダー等による手
入れなど精整再工程を必要とし、場合によっては表面品
質の点で全く製品化できないなど厚板、薄板の製造工程
でコストアップの大きな要因となっている。
【0004】従来、このような熱延段階で発見できず酸
洗後や冷延工程段階で発見されるヘゲ疵に対しては、鋳
造工程から熱延及び焼鈍工程に到るまでさまざまな検討
がなされている。特に、ヘゲ疵は熱延工程での微小な割
れであるとして割れを防止する観点から、特開昭57−
16153号公報では鋼組成のCr当量、Ni当量を規
制し、δ(cal)=3(Cr+Mo+1.5Si+
0.5Nb)−2.8(Ni+0.5Mn+0.5C
u)−84(C+N)−19.8で決まるδ(cal)
を4以下にすることで熱間加工性を確保する技術が開示
されている。またδ−フェライトの取扱いについては、
従来δ−フェライトを多量に含有する二相組織のオース
テナイト系ステンレス鋼の耳割れを防止するためにソー
キング(拡散熱処理)を十分に行うことが特開昭59−
35620号公報等に述べられているが、耳割れを防止
し、さらにヘゲ疵の原因となる微小な割れを防止するた
めの加熱条件そのものについては開示がない。またスラ
ブ組織の観点から、特開昭57−127554号公報で
は鋳造段階でオーステナイト系ステンレス鋼のN量と鋳
造時のタンディシュ温度(ΔT)の関係を制御し結晶粒
の粗大化を防止して熱間加工性を高める技術が開示され
ている。さらに表層の組織改善という観点から、特公平
2−9651号公報ではオーステナイト系ステンレス鋼
のSi含有量を規制したスラブを加熱炉挿入前にショッ
トブラストを行うことで表層に加工層を導入し、加熱時
に再結晶させ、スラブ表層の結晶粒を微細化させて割れ
を防止する技術が開示されている。また、加熱時のスケ
ールに着目したものとしては、特公平4−48865号
公報ではsol.Alを規制し、スラブ加熱時の酸素濃
度を0.5〜5%に規制してヘゲ疵を防止する技術を開
示している。
【0005】しかし、前記の方法は微小割れ防止の点で
完全とはいえないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記したCr
−Ni系ステンレス鋼の熱間圧延時に発生する微小な割
れやヘゲ疵といわれる疵を改善するにあたり、疵防止の
ための工程負荷増なく疵を改善し、Cr−Ni系ステン
レス鋼を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記の通りである。 (1)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%を含み、残部がFeと不可避的不純物からなり、次
式で示されるδ(cal)=3(Cr+1.5×Si+
Mo+0.5×Nb+0.5×Ti)−2.8(Ni+
0.5×Mn+0.5×Cu)−84(C+N)−1
9.8においてδ(cal)が4を超え10以下である
Cr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造によってス
ラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均冷却速度を13
50℃までを50℃/sec以下で冷却し、1350℃
から1000℃までを30℃/sec超で冷却し、10
00℃から500℃までを10℃/sec以上で冷却し
た連続鋳造スラブを、1000℃以上かつTγ(℃)=
(105+Nieq−3.9×Creq)/(0.07−
1.95×10-3×Creq)以下の温度T(℃)で加熱
した後、熱間圧延することを特徴とする熱間圧延での割
れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の製造方法。
【0008】(ここでCreq=Cr(%)+1.5×S
i(%)+Mo(%)+0.5×Nb(%)+0.5×
Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%)) (2)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%、Al:0.05%以下を含み、残部がFeと不可
避的不純物からなり、次式で示されるδ(cal)=3
(Cr+1.5×Si+Mo+0.5×Nb+0.5×
Ti)−2.8(Ni+0.5×Mn+0.5×Cu)
−84(C+N)−19.8においてδ(cal)が4
を超え10以下であるCr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼
を連続鋳造によってスラブに鋳造し、その際スラブ表面
の平均冷却速度を1350℃までを50℃/sec以下
で冷却し、1350℃から1000℃までを30℃/s
ec超で冷却し、1000℃から500℃までを10℃
/sec以上で冷却した連続鋳造スラブを、1000℃
以上かつTγ(℃)=(105+Nieq−3.9×Cr
eq)/(0.07−1.95×10-3×Creq)以下の
温度T(℃)で加熱した後、熱間圧延することを特徴と
する熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレ
ス鋼の製造方法。
【0009】(ここでCreq=Cr(%)+1.5×S
i(%)+Mo(%)+0.5×Nb(%)+0.5×
Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%)) (3)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%を含み、さらに選択元素としてNb:0.01〜
1.5%、Ti:0.01〜1.0%のいずれか1種ま
たは2種を含有し、残部がFeと不可避的不純物からな
り、次式で示されるδ(cal)=3(Cr+1.5×
Si+Mo+0.5×Nb+0.5×Ti)−2.8
(Ni+0.5×Mn+0.5×Cu)−84(C+
N)−19.8においてδ(cal)が4を超え10以
下であるCr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造に
よってスラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均冷却速
度を1350℃までを50℃/sec以下で冷却し、1
350℃から1000℃までを30℃/sec超で冷却
し、1000℃から500℃までを10℃/sec以上
で冷却した連続鋳造スラブを、1000℃以上かつTγ
(℃)=(105+Nieq−3.9×Creq)/(0.
07−1.95×10-3×Creq)以下の温度T(℃)
で加熱した後、熱間圧延することを特徴とする熱間圧延
での割れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の製造方
法。
【0010】(ここでCreq=Cr(%)+1.5×S
i(%)+Mo(%)+0.5×Nb(%)+0.5×
Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%)) (4)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%、Al:0.05%以下を含み、さらに選択元素と
してNb:0.01〜1.5%、Ti:0.01〜1.
0%のいずれか1種または2種を含有し、残部がFeと
不可避的不純物からなり、次式で示されるδ(cal)
=3(Cr+1.5×Si+Mo+0.5×Nb+0.
5×Ti)−2.8(Ni+0.5×Mn+0.5×C
u)−84(C+N)−19.8においてδ(cal)
が4を超え10以下であるCr−Ni系ステンレス鋼の
溶鋼を連続鋳造によってスラブに鋳造し、その際スラブ
表面の平均冷却速度を1350℃までを50℃/sec
以下で冷却し、1350℃から1000℃までを30℃
/sec超で冷却し、1000℃から500℃までを1
0℃/sec以上で冷却した連続鋳造スラブを、100
0℃以上かつTγ(℃)=(105+Nieq−3.9×
Creq)/(0.07−1.95×10-3×Creq)以
下の温度T(℃)で加熱した後、熱間圧延することを特
徴とする熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステ
ンレス鋼の製造方法。
【0011】(ここでCreq=Cr(%)+1.5×S
i(%)+Mo(%)+0.5×Nb(%)+0.5×
Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%)) (5)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%、Al:0.05%以下を含み、さらに選択元素と
してCa:0.001〜0.005%、希土類元素(R
EM):0.05〜0.5%のいずれか1種または2種
を含有し、残部がFeと不可避的不純物からなり、次式
で示されるδ(cal)=3(Cr+1.5×Si+M
o+0.5×Nb+0.5×Ti)−2.8(Ni+
0.5×Mn+0.5×Cu)−84(C+N)−1
9.8においてδ(cal)が4を超え10以下である
Cr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造によってス
ラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均冷却速度を13
50℃までを50℃/sec以下で冷却し、1350℃
から1000℃までを30℃/sec超で冷却し、10
00℃から500℃までを10℃/sec以上で冷却し
た連続鋳造スラブを、1000℃以上かつTγ(℃)=
(105+Nieq−3.9×Creq)/(0.07−
1.95×10-3×Creq)以下の温度T(℃)で加熱
した後、熱間圧延することを特徴とする熱間圧延での割
れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の製造方法。
【0012】(ここでCreq=Cr(%)+1.5×S
i(%)+Mo(%)+0.5×Nb(%)+0.5×
Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%)) (6)重量%で、C:0.002〜0.08%、Si:
2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.040%以
下、S:0.008%以下、O:0.005%以下、C
r:16〜35%、Ni:7〜50%、Mo:0.01
〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.003〜0.
3%、Al:0.05%以下を含み、選択元素としてN
b:0.01〜1.5%、Ti:0.01〜1.0%の
いずれか1種または2種を含有し、さらにCa:0.0
01〜0.005%、希土類元素(REM):0.05
〜0.5%のいずれか1種または2種を含有し、残部が
Feと不可避的不純物からなり、次式で示されるδ(c
al)=3(Cr+1.5×Si+Mo+0.5×Nb
+0.5×Ti)−2.8(Ni+0.5×Mn+0.
5×Cu)−84(C+N)−19.8においてδ(c
al)が4を超え10以下であるCr−Ni系ステンレ
ス鋼の溶鋼を連続鋳造によってスラブに鋳造し、その際
スラブ表面の平均冷却速度を1350℃までを50℃/
sec以下で冷却し、1350℃から1000℃までを
30℃/sec超で冷却し、1000℃から500℃ま
でを10℃/sec以上で冷却した連続鋳造スラブを、
1000℃以上かつTγ(℃)=(105+Nieq
3.9×Creq)/(0.07−1.95×10-3×C
eq)以下の温度T(℃)で加熱した後、熱間圧延する
ことを特徴とする熱間圧延での割れを防止するCr−N
i系ステンレス鋼の製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
u(%)+30×C(%)+30×N(%))
【0013】
【作用】本発明によれば、熱間圧延時に発生する微小な
割れヘゲ疵を防止することができる。以下に本発明を詳
細に説明する。本発明者らは、微小な割れやヘゲ疵に対
してその防止方法を詳細に検討した。特に熱間圧延時の
割れの発生箇所と鋳片組織の対応を検討することによ
り、スラブの割れ発生起点を明らかにし、その制御方法
について検討を加えた。
【0014】まず熱間圧延時のスラブ表層で割れる箇所
を調査した結果、割れはγ粒界で割れる場合とδ/γ界
面で割れる場合の2通りあることが判明し、特にγ粒界
の割れはオッシレーションマークの谷部に多く、δ−フ
ェライトによる割れはオッシレーションの山部で多くみ
られ、またγ粒界で割れる場合は粗大γ粒部で発生する
ことが判った。
【0015】δ−フェライトによる割れを防止するには
δ−フェライトを加熱時に消滅させる必要がある。また
δ−フェライトは直接的に熱間加工性に関係するが、加
熱時のγ粒の成長粗大化にも影響し、γ粒の不整(ばら
つき)を作る原因にもなる。したがって、δ−フェライ
トの微小割れに及ぼす影響を取り除くためには、δフェ
ライトを表層に微細に分散させた後、加熱時に消滅さ
せ、かつγ粒の異常な粗大化を防止する必要がある。
【0016】表層のδ−フェライトを微細に分散させる
ために、種々検討した結果、凝固後の冷却速度を変化さ
せることで表層のδ−フェライトの分散状態を変えるこ
とができることが判った。特にδ(cal)を4を超え
て10以下にした場合は1350〜1000℃の温度域
を30℃/sec超で冷却すればδ→γ変態が急激に生
じるために微細なγおよび未変態δ−フェライトが存在
した微細組織が得られることが判明した。この温度域を
30℃/sec以下で緩冷却されるとδ→γ変態が緩慢
に進行するためδから変態したγは粗大になり、δ−フ
ェライトもまた微細な分散形態をとらなくなる。さら
に、1350〜1000℃の温度域ではMnSも析出
し、この温度域の急速冷却によりMnSも微細に析出す
ることが判明した。
【0017】δ−フェライトを微小割れの起点とならな
いようにするためには加熱温度をγ単相となる温度で加
熱することが重要であるが、ステンレス鋼は多元系のた
め成分系毎に加熱温度の上限を明確に決定することがで
きなかった。本発明者らは詳細な検討を行い、加熱温度
の不適、特に過熱によるδ−フェライトの再析出を防止
するという観点から、δ−フェライトが再析出しない温
度を実験的に求め、次式で示すようなCreq、Nieq
求めうるγ単相の上限温度を明確にした。
【0018】Tγ(℃)=(105+Nieq−3.9×
Creq)/(0.07−1.95×10-3×Creq) 従って、上記のγ単相となるTγ以下の温度で加熱する
ことにより加熱中のδ−フェライトの再析出を防止する
ことができるようになった。さらに本発明におけるδ
(cal)が4を超えて10以下の合金系においては、
連続鋳造時の冷却条件を1350〜1000℃の温度域
を30℃/sec超とすることによりδ−フェライトが
微細になるため、加熱時のδ−フェライトも消滅しやす
く、1150℃以上の加熱温度であればスラブ表層の均
熱時間で30分以上均熱することでδ−フェライトによ
る割れは防止可能となった。δ(cal)が10を超え
るようになるとδ−フェライトを消滅させるための時間
が長時間となり、δ−フェライトが一部残存しやすく、
δ−フェライト起因の耳割れやヘゲ疵が発生しやすくな
るため、δ(cal)は10以下とした。
【0019】しかし、前記のようにδ−フェライトの影
響を取り除いてもヘゲ疵が発生することがある。この原
因について検討した結果、割れはオーステナイト粒界に
沿って割れること、割れは粗大な結晶粒で発生し、微細
な結晶粒の存在する箇所では発生しないことが明らかと
なった。また割れる箇所はスラブのオッシレーションマ
ークの谷部が多いことが判明した。
【0020】この点について割れと組織の関係を調査し
た。その結果、オッシレーション谷部にNiが濃縮した
部分が存在する場合があることが判明した。加熱後はこ
のような部分が粗大なγ粒になることも判明した。この
粗大なγ粒の粒界に沿って熱間圧延時に割れが発生し、
ヘゲ疵や微小な割れ疵となることが明らかとなった。ま
た、このオッシレーションマークの谷部でもNi偏析の
程度に差があり、これが疵発生要因の特定を困難にして
いたことも判明した。
【0021】CC鋳片のオッシレーションマークの谷部
のNi偏析部の生成については凝固時のシェルの再溶解
やオッシレーション時のオーバーフローなどの機構が提
案されているが、これとは別に凝固時のシェルの延性不
足によりシェルが部分的に割れ、濃化溶鋼が流れ出たも
のと考えることが出来る。その結果、その部分ではNi
濃度が高いためδ−フェライトが少なくなり、加熱時に
粗大なγ粒になる。
【0022】図1はSUS304鋼の融点直下50℃で
の延性に対するδ(cal)の影響を調査したものであ
るが、δ(cal)が高いほど延性は向上し、割れにく
くなることが判る。この融点直下の延性とδ(cal)
の関係を詳細に検討したところ、融点直下の高温ではオ
ーステナイトよりS、P等の不純物の固溶度が大きいδ
−フェライトが存在することにより不純物の無害化は促
進されるが、δ(cal)が高いほど融点直下50℃に
おけるδ−フェライトの体積分率が大きく、このため不
純物の影響を無害化し、延性が向上することが判明し
た。特に連続鋳造時のシェルの延性との関係では融点直
下50℃で20%以上の断面収縮率(絞り)があればシ
ェルが割れることなく良好に保たれることから、δ(c
al)を大きくすることでCC鋳片の鋳造時の割れを防
止することが可能になり、オッシレーションマーク谷部
のNi偏析の程度を軽減することができる。このことに
より鋳片表層のNi偏析によるδ−フェライトのばらつ
きを防止することが可能になり、粗大なγ粒の生成防止
が可能となる。
【0023】また、Ni偏析部は凝固過程で濃化溶鋼が
流出した部位であり、不純物も濃化しており、鋳片段階
でNi偏析部は粗大なMnSが多く存在し、割れそのも
のを助長する。これを防止するために、δ(cal)を
4を超えるようにし、鋳造後の1350℃までの冷却を
緩冷化することによりNiの偏析及び不純物P、Sの偏
析を大幅に軽減できることが判明した。また、前記のよ
うに1350℃以下の冷却については、1350〜10
00℃の温度域を30℃/sec超の平均冷却速度で冷
却することによりδ−フェライトの微細分散化とγの微
細化が達成でき、かつMnSも微細分散化可能となる。
また、1000〜500℃の温度域の平均冷却速度を1
0℃/sec以上とすることによりδ−フェライトの凝
集粗大化を防止できる。
【0024】以上のように、Cr−Ni系ステンレス鋼
のδ(cal)を4超〜10に制御し、連続鋳造時のス
ラブの冷却並びに圧延前の加熱条件を適正化することに
より、割れの原因となっていたδ−フェライト並びにオ
ッシレーションマーク谷部のNi偏析、δ−フェライト
の分布のばらつき及び凝集粗大化に起因するγ粒の粗大
化さらにはMnSのNi偏析部での粗大析出を防止する
ことができ、熱間圧延時の割れ防止が可能になり、ヘゲ
疵の発生を防止できるようになった。
【0025】これらのヘゲ疵防止対策は、次の成分系の
Cr−Ni系ステンレス鋼で成り立つ。すなわち、本発
明を適用する合金は具体的には、重量%で、C:0.0
02〜0.08%、Si:2.0%以下、Mn:10%
以下、P:0.040%以下、S:0.008%以下、
O:0.005%以下、Cr:16〜35%、Ni:7
〜50%、Mo:0.01〜8%、Cu:0.01〜4
%、N:0.003〜0.3%を含み、必要に応じてA
l:0.05%以下を含有し、選択元素としてNb:
0.01〜1.5%、Ti:0.01〜1.0%のa群
のいずれか1種または2種または/およびCa:0.0
01〜0.005%、希土類元素(REM):0.05
〜0.5%のいずれか1種または2種を含有し、残部が
Feと不可避的不純物からなる合金である。
【0026】以下に成分の限定理由を述べる。 C:Cはステンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の
点からはある程度の含有量は必要である。0.002%
未満の極低炭素量では製造コストが高くなり、また0.
08%を超えると耐食性を大幅に劣化させるため、その
成分範囲を0.002〜0.08%とした。
【0027】Si:Siはステンレス鋼の脱酸元素とし
て使用されるが、2.0%を超えて添加しても脱酸効果
は飽和し、また熱間加工性を劣化させ、ヘゲ疵発生の頻
度を増加させるので2.0%以下で添加する。 Mn:Mnはγ安定化元素であり、Niの代替として添
加することが可能であり、脱酸効果もあるので有効な元
素であるが、10%を超えて添加してもその効果は飽和
し、耐食性も劣化するため10%以下で添加する。
【0028】Cr:Crはステンレス鋼の基本成分であ
り、耐食性の点から16%以上の添加が必要である。し
かし35%を超えて添加しても耐食性の向上効果は飽和
し、さらに金属間化合物の析出を促進させるため熱間加
工性を劣化させ、ヘゲ疵の原因となるのでCrの範囲を
16〜35%とした。 Ni:NiはCrとともにステンレス鋼の基本成分であ
り、本発明ではCr量との関係から7〜50%の範囲で
添加する。7%未満では本発明の合金ではδ−フェライ
ト量が多量に存在するようになるため本発明の方法によ
ってもδ−フェライトを制御できず、熱間加工性不良に
よるヘゲ疵が発生する。またCr量との関係から本発明
においてはNi量は50%以下で十分であり、これを超
えて添加してもヘゲ疵防止の点で効果は飽和し、コスト
も高くなるため上限を50%とした。
【0029】Mo:Moは耐食性を確保するための重要
な添加元素であり、0.01%以上の添加で効果がみら
れる。また8%を超えて添加しても耐食性は飽和し、さ
らに金属間化合物の析出を促進させるため熱間加工性を
劣化させ、本発明の方法によってもヘゲ疵を防止できな
くなるので上限を8%とした。 N:Nはγ相安定化のために高価なNiの代替として使
用可能で、耐食性、強度の観点からも望ましい元素であ
る。しかし0.003%未満にすることは溶製コストを
大きく増加させ、また0.3%を超えて添加してもその
効果は飽和し、さらに固溶度を超えると、ピンホール等
をスラブに形成し、疵を発生させるため上限を0.3%
とした。
【0030】P:Pは耐食性及び熱間加工性の観点から
有害な元素であり、特に鋳造直後の延性を劣化させるた
めスラブ表層の割れ防止の観点から極力低減することが
望ましく、その成分範囲を0.040%以下とした。 S:Sは耐食性及び熱間加工性に対して有害な元素であ
り、鋳造直後のスラブ表層の延性及び熱間圧延時の熱間
加工性に大きく影響し、その量により熱間加工性不良に
よるヘゲ疵を発生させるため、含有量は低いほどが望ま
しい。本発明の方法によってもS量が0.008%を超
えるとSに起因する疵が発生しやすくなるので上限を
0.008%とした。
【0031】Cu:Cuはステンレス鋼の耐食性を向上
させる元素で、0.01%以上を添加する。しかし4%
を超えて添加してもその効果は飽和し、さらに熱間加工
性を劣化させ、疵を発生させるので、その添加範囲を
0.01〜4%とする。 Nb:NbはCを固定し、耐食性を向上させる効果があ
るため、必要に応じて0.01%以上添加することがで
きる。一方、1.5%を超えて添加してもその改善効果
は飽和し、また熱間加工性を劣化させ、熱間加工性不良
による疵を発生させるので0.01〜1.5%で選択添
加する。
【0032】Ti:TiはNbと同様にCを固定し、耐
食性を向上させる。またCaと共存してOを固定し、S
i、Mnの酸化物の生成を抑制する効果があるため、
0.01%以上を添加することができる。一方、1.0
%を超えて添加するとTiの酸化物による表面疵が多発
するので、その範囲を0.01〜1.0%とした。 Al:Alは強力な脱酸剤として脱酸を強化する場合に
添加する。しかし0.05%を超えて添加をしてもその
効果は飽和し、さらにAlの酸化物による表面疵が発生
しやすくなるため、その添加量を0.05%以下とし
た。
【0033】Ca:Caは強力な脱酸、脱硫剤であり、
また熱間加工性を改善するのに有効な元素であるので、
必要に応じて0.001〜0.005%の範囲で選択添
加される。0.001%未満ではその効果は顕著でな
く、0.005%超添加しても効果は飽和する。 O:Oは熱間加工性に著しく有害な元素であり、その含
有量は極力低減することが望ましいため、含有量を0.
005%以下とした。
【0034】REM:REMは強力な脱酸、脱硫剤であ
り、また熱間加工性を改善するのに有効な元素であるの
で、必要に応じて0.05〜0.5%の範囲で選択添加
される。0.05%未満ではその効果は顕著でなく、
0.5%超添加しても熱間加工性改善効果は飽和する。
【0035】
【実施例】本発明の実施例としてA〜Pに示す合金につ
いて表1に示すプロセス条件でCC鋳片を製造し、さら
に表中の加熱条件で加熱後、通常条件で熱間圧延し、捲
取り〜酸洗〜冷延による薄板を製造する方法を実施し、
また厚板圧延を行い、酸洗を通常の方法で実施し、ヘゲ
疵の発生状況を評価した。本発明法によるA〜J鋼はヘ
ゲ疵の発生がなく良好な成品が得られた。
【0036】これに対し、K鋼はδ(cal)が本発明
の条件からはずれ、δ−フェライト起因のヘゲ疵が生じ
た。L鋼はδ(cal)が本発明の条件からはずれ、N
i偏析起因のヘゲ疵が発生した。M鋼は凝固から135
0℃までのスラブ表面の冷却速度が大きく、ヘゲ疵が生
じた。N鋼は1350〜1000℃の冷却速度が小さ
く、ヘゲ疵が発生した。O鋼は1000〜500℃の冷
却速度が小さく、δ−フェライトが粗大化し、δ−フェ
ライト起因のヘゲ疵が生じた。P鋼は加熱温度が高く、
δ−フェライトが析出してヘゲ疵が発生した。これらK
〜P鋼はヘゲ疵が両サイドに著しく発生したことによ
り、成品歩留りの低下ならびにグラインダー等の救済工
程が必要になるなど本発明との効果上の差異が著しいこ
とが明確になり、本発明の効果が明らかとなった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、従来熱延工程では発見
されにくく、歩留り低下の大きな原因であった微小割れ
によるヘゲ疵の発生を防止することが可能になるので、
本発明は産業上裨益するところが極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】融点直下における延性にに対するδ(cal)
の影響を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 38/00 302 Z 38/50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%を含み、残部がFeと不可避的不純物
    からなり、次式で示されるδ(cal)=3(Cr+
    1.5×Si+Mo+0.5×Nb+0.5×Ti)−
    2.8(Ni+0.5×Mn+0.5×Cu)−84
    (C+N)−19.8においてδ(cal)が4を超え
    10以下であるCr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続
    鋳造によってスラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均
    冷却速度を1350℃までを50℃/sec以下で冷却
    し、1350℃から1000℃までを30℃/sec超
    で冷却し、1000℃から500℃までを10℃/se
    c以上で冷却した連続鋳造スラブを、1000℃以上か
    つTγ(℃)=(105+Nieq−3.9×Creq)/
    (0.07−1.95×10-3×Creq)以下の温度T
    (℃)で加熱した後、熱間圧延することを特徴とする熱
    間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の
    製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%、Al:0.05%以下を含み、残部
    がFeと不可避的不純物からなり、次式で示されるδ
    (cal)=3(Cr+1.5×Si+Mo+0.5×
    Nb+0.5×Ti)−2.8(Ni+0.5×Mn+
    0.5×Cu)−84(C+N)−19.8においてδ
    (cal)が4を超え10以下であるCr−Ni系ステ
    ンレス鋼の溶鋼を連続鋳造によってスラブに鋳造し、そ
    の際スラブ表面の平均冷却速度を1350℃までを50
    ℃/sec以下で冷却し、1350℃から1000℃ま
    でを30℃/sec超で冷却し、1000℃から500
    ℃までを10℃/sec以上で冷却した連続鋳造スラブ
    を、1000℃以上かつTγ(℃)=(105+Nieq
    −3.9×Creq)/(0.07−1.95×10-3×
    Creq)以下の温度T(℃)で加熱した後、熱間圧延す
    ることを特徴とする熱間圧延での割れを防止するCr−
    Ni系ステンレス鋼の製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%を含み、さらに選択元素としてNb:
    0.01〜1.5%、Ti:0.01〜1.0%のいず
    れか1種または2種を含有し、残部がFeと不可避的不
    純物からなり、次式で示されるδ(cal)=3(Cr
    +1.5×Si+Mo+0.5×Nb+0.5×Ti)
    −2.8(Ni+0.5×Mn+0.5×Cu)−84
    (C+N)−19.8においてδ(cal)が4を超え
    10以下であるCr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続
    鋳造によってスラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均
    冷却速度を1350℃までを50℃/sec以下で冷却
    し、1350℃から1000℃までを30℃/sec超
    で冷却し、1000℃から500℃までを10℃/se
    c以上で冷却した連続鋳造スラブを、1000℃以上か
    つTγ(℃)=(105+Nieq−3.9×Creq)/
    (0.07−1.95×10-3×Creq)以下の温度T
    (℃)で加熱した後、熱間圧延することを特徴とする熱
    間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の
    製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%、Al:0.05%以下を含み、さら
    に選択元素としてNb:0.01〜1.5%、Ti:
    0.01〜1.0%のいずれか1種または2種を含有
    し、残部がFeと不可避的不純物からなり、次式で示さ
    れるδ(cal)=3(Cr+1.5×Si+Mo+
    0.5×Nb+0.5×Ti)−2.8(Ni+0.5
    ×Mn+0.5×Cu)−84(C+N)−19.8に
    おいてδ(cal)が4を超え10以下であるCr−N
    i系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造によってスラブに鋳
    造し、その際スラブ表面の平均冷却速度を1350℃ま
    でを50℃/sec以下で冷却し、1350℃から10
    00℃までを30℃/sec超で冷却し、1000℃か
    ら500℃までを10℃/sec以上で冷却した連続鋳
    造スラブを、1000℃以上かつTγ(℃)=(105
    +Nieq−3.9×Creq)/(0.07−1.95×
    10-3×Creq)以下の温度T(℃)で加熱した後、熱
    間圧延することを特徴とする熱間圧延での割れを防止す
    るCr−Ni系ステンレス鋼の製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%、Al:0.05%以下を含み、さら
    に選択元素としてCa:0.001〜0.005%、希
    土類元素(REM):0.05〜0.5%のいずれか1
    種または2種を含有し、残部がFeと不可避的不純物か
    らなり、次式で示されるδ(cal)=3(Cr+1.
    5×Si+Mo+0.5×Nb+0.5×Ti)−2.
    8(Ni+0.5×Mn+0.5×Cu)−84(C+
    N)−19.8においてδ(cal)が4を超え10以
    下であるCr−Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造に
    よってスラブに鋳造し、その際スラブ表面の平均冷却速
    度を1350℃までを50℃/sec以下で冷却し、1
    350℃から1000℃までを30℃/sec超で冷却
    し、1000℃から500℃までを10℃/sec以上
    で冷却した連続鋳造スラブを、1000℃以上かつTγ
    (℃)=(105+Nieq−3.9×Creq)/(0.
    07−1.95×10-3×Creq)以下の温度T(℃)
    で加熱した後、熱間圧延することを特徴とする熱間圧延
    での割れを防止するCr−Ni系ステンレス鋼の製造方
    法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.002〜0.08
    %、Si:2.0%以下、Mn:10%以下、P:0.
    040%以下、S:0.008%以下、O:0.005
    %以下、Cr:16〜35%、Ni:7〜50%、M
    o:0.01〜8%、Cu:0.01〜4%、N:0.
    003〜0.3%、Al:0.05%以下を含み、選択
    元素としてNb:0.01〜1.5%、Ti:0.01
    〜1.0%のいずれか1種または2種を含有し、さらに
    Ca:0.001〜0.005%、希土類元素(RE
    M):0.05〜0.5%のいずれか1種または2種を
    含有し、残部がFeと不可避的不純物からなり、次式で
    示されるδ(cal)=3(Cr+1.5×Si+Mo
    +0.5×Nb+0.5×Ti)−2.8(Ni+0.
    5×Mn+0.5×Cu)−84(C+N)−19.8
    においてδ(cal)が4を超え10以下であるCr−
    Ni系ステンレス鋼の溶鋼を連続鋳造によってスラブに
    鋳造し、その際スラブ表面の平均冷却速度を1350℃
    までを50℃/sec以下で冷却し、1350℃から1
    000℃までを30℃/sec超で冷却し、1000℃
    から500℃までを10℃/sec以上で冷却した連続
    鋳造スラブを、1000℃以上かつTγ(℃)=(10
    5+Nieq−3.9×Creq)/(0.07−1.95
    ×10-3×Creq)以下の温度T(℃)で加熱した後、
    熱間圧延することを特徴とする熱間圧延での割れを防止
    するCr−Ni系ステンレス鋼の製造方法。 (ここでCreq=Cr(%)+1.5×Si(%)+M
    o(%)+0.5×Nb(%)+0.5×Ti(%) Nieq=Ni(%)+0.5×Mn(%)+0.5×C
    u(%)+30×C(%)+30×N(%))
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012528723A (ja) * 2009-06-26 2012-11-15 ヒュンダイ スチール カンパニー 薄スラブ熱延コイルの表面品質予測方法およびこれを用いた薄スラブ熱延コイルの製造方法
CN103842539A (zh) * 2011-09-29 2014-06-04 杰富意钢铁株式会社 热轧钢板及其制造方法
KR20180069605A (ko) * 2016-12-15 2018-06-25 주식회사 포스코 크랙발생이 저감된 고강도 듀플렉스 스테인리스 강 및 그 제조방법
CN115948703A (zh) * 2022-12-26 2023-04-11 浦项(张家港)不锈钢股份有限公司 一种高硫316l不锈钢、制备工艺及应用

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