JPH0790026A - ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂組成物

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JPH0790026A
JPH0790026A JP5261482A JP26148293A JPH0790026A JP H0790026 A JPH0790026 A JP H0790026A JP 5261482 A JP5261482 A JP 5261482A JP 26148293 A JP26148293 A JP 26148293A JP H0790026 A JPH0790026 A JP H0790026A
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JP
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resin composition
resin
structural unit
ethylene
copolymer
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JP5261482A
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English (en)
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Hideyuki Sumi
英行 角
Yutaka Nakayama
豊 中山
Hiroshi Hotta
寛史 堀田
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子内に、エチレン構造単位(I)80〜9
8モル%と、一般式化1で表されるアクリルアミド構造
単位(III) 2〜20モル%と、必要に応じてアクリレー
ト構造単位(II)15モル%以下とを含有し、重量平均
分子量が1,000〜50,000で線状のカチオン性
共重合体を、ポリスチレン系樹脂に添加して得られるこ
とを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物。なお、化1
に於いて、R2 は低級アルキレン基を表し、R3 ,R4
及びR5 は低級アルキル基等を表し、Xはハロゲン原子
等を表す。 【効果】 この樹脂組成物は永久帯電防止性に優れてい
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気製品,部品,自動
車部品,容器,雑貨等の材料として用いられる永久帯電
防止性に優れたポリスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリス
チレン系樹脂は、フィルム,袋体などとして包装材料や
電気製品,部品,容器,雑貨,自動車部品等の材料に従
来から汎用されている。しかしながら、これらの熱可塑
性樹脂は一般に電気抵抗が大きく摩擦によって容易に帯
電し、塵などを吸引するという重大な欠点があった。
【0003】そこで、近年、熱可塑性樹脂に帯電防止能
を付与する方法として、以下の方法が提案されている。
すなわち、(イ)帯電防止剤を樹脂表面に塗布した後乾
燥する方法、(ロ)内部添加型帯電防止剤を樹脂中に練
り込む方法、(ハ)シリコーン系化合物を樹脂表面に塗
布する方法、(ニ)樹脂自体を改質する方法などが提案
されている。
【0004】しかしながら、前記(イ)の方法では、帯
電防止剤として界面活性剤溶液が用いられており、この
ような帯電防止剤は洗浄により樹脂表面から容易に除去
されるため、恒久的な帯電防止能を付与することができ
なかった。
【0005】また、前記(ロ)の方法においては、内部
添加型帯電防止剤として、グリセリン脂肪酸エステル,
ソルビタン脂肪酸エステル,アルキルジエタノールアミ
ド,アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム,アルキル
イミダゾールの4級塩などが用いられている。これらの
内部添加型帯電防止剤を用いた場合、樹脂表面の帯電防
止剤が洗浄により失われてもその内部から新たな帯電防
止剤が順次ブリードするため、帯電防止能が比較的長期
間永続する。
【0006】しかしながら、上記内部添加型帯電防止剤
を用いる方法では、樹脂表面を洗浄した後、帯電防止能
が回復するまでに長時間を要し、また、帯電防止剤が過
度にブリードした場合には、樹脂表面の粘着性が生じて
却って塵などが付着しやすくなるという問題があった。
さらに、これらの帯電防止剤は低分子量のものであるた
め高温での成形加工時の熱により揮散し、これにより、
必要以上の帯電防止剤を添加しなければならないという
経済的不利益や、帯電防止剤の有効量を調整することが
困難である等の問題があった。
【0007】上述した内部添加型帯電防止剤の欠点を解
消するものとして、近時、メトキシ基の20〜80モル
%がジエタノールアミン変性されたポリメチルメタクリ
レート(特開平1−170603号公報)、アルコキシ
ポリエチレングリコールメタクリレートのグラフト共重
合体(特公昭58−39860号公報)、スチレン−無
水マレイン酸共重合体をイミド変性した後4級化しカチ
オン化したポリマー(特公平1−29820号公報)、
末端がカルボキシル基のポリメチルメタクリレートをグ
リシジルメタクリレートで末端カルボキシル基をメタク
リロイル基に変換した高分子量単量体と、アミノアルキ
ルアクリル酸エステル又はアクリルアミドとのくし型共
重合体及びその4級化カチオン変性品(特開昭62−1
21717号公報)などの制電性官能基を有する高分子
化合物が、内部添加型帯電防止剤として提案されてい
る。また、同様にエチレン−アクロイルアミノアルキル
トリアルキルアンモニウム塩共重合体(モル比65〜9
9/1〜35)又は、エチレン−アクロイルアミノアル
キルトリアルキルアンモニウム塩−アクリル酸エステル
共重合体(モル比65〜99/1〜35/0〜15)を
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリア
ミド等の熱可塑性樹脂に練り込んで帯電防止性のフィル
ムを得ることが開示されている(特開平5−5066号
公報)が該組成の組成物を成形体に適用した場合、耐水
性,機械的物性の点で実用上問題が残っている。
【0008】さらに、前記(ハ)の方法では、帯電防止
能が半永久的に持続するが、用いるシリコーン系化合物
が高価でありまた作業効率が悪いので、コスト面で大変
不利であった。
【0009】さらに、前記(ニ)の方法は、樹脂に親水
性基を導入するものであるが、十分な帯電防止能を付与
せしめるためにはかなりの量の親水性基を導入する必要
があり、このように親水性基を導入した場合には樹脂そ
のものの耐吸湿性の低下や機械的性質の低下を招くおそ
れがあった。以上述べたように、従来の帯電防止性のポ
リスチレン系樹脂組成物は、帯電防止能とその耐久性,
耐水性,樹脂の物性等が未だ不十分なものであった。
【0010】帯電防止剤の練り込み若しくは塗布による
方法では、樹脂表面にブリードアウト若しくは付着した
帯電防止剤層により帯電防止効果を発現しているため、
その帯電防止剤層が摩擦,水洗等により脱落してしまう
と帯電防止効果を失ってしまうという問題があった。特
に、ポリスチレン系樹脂に一般的によく使用されるアル
キルジエタノールアミン等を練り込んだ系においては、
樹脂の耐摩擦性や耐水性が大きく低下する。
【0011】さらに、帯電防止剤を練り込む方法では、
帯電防止剤がしばしば過度にブリードアウトして、樹脂
表面に粘着性や粉ふきを生じたり樹脂表面の印刷特性が
悪化したり等の樹脂の表面状態の悪化の問題があった。
【0012】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
発明されたものであって、その目的とするところは、永
久帯電防止性に優れ、耐水性と樹脂組成物自体の物性も
良好なポリスチレン系樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂をマト
リックス樹脂として、これに以下の特定のカチオン性共
重合体即ち、エチレン−アクロイルアミノアルキルトリ
アルキルアンモニウム塩共重合体又はエチレン−アクロ
イルアミノアルキルトリアルキルアンモニウム塩−アク
リル酸エステル共重合体を添加して得られる樹脂組成物
である。
【0014】前記カチオン性共重合体は、分子内に、一
般式化4で表されるエチレン構造単位(I)80〜98
モル%と、一般式化5で表されるアクリルアミド構造単
位(III) 2〜20モル%とを含有し、重量平均分子量が
1,000〜50,000で線状の共重合体である。各
構造単位は規則的に配列していても不規則に配列してい
てもどちらでもよい。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】また、前記カチオン性共重合体は、分子内
に、一般式化4で表されるエチレン構造単位(I)80
〜98モル%と、一般式化6で表されるアクリレート構
造単位(II)15モル%以下と、一般式化5で表される
アクリルアミド構造単位(III) 2〜20モル%とを含有
し、重量平均分子量が1,000〜50,000で線状
の共重合体である。各構造単位は規則的に配列していて
も不規則に配列していてもどちらでもよい。
【0018】
【化6】
【0019】本発明の樹脂組成物において用いられるカ
チオン性共重合体の構成について、以下にさらに詳しく
説明する。本発明の樹脂組成物において用いるカチオン
性共重合体において、一般式化4で表されるエチレン構
造単位(I)は、分子内に80〜98モル%含有されて
いるが、この含有割合が80モル%未満であればマトリ
ックス樹脂への相溶性が極端に悪化し、押出機を用いて
の樹脂組成物の製造が困難になるばかりでなく、得られ
た樹脂組成物を用いて成形した成形体の耐水性と機械的
物性が著しく低下する。また、含有割合が98モル%を
超える場合には十分な帯電防止能が得られない。相溶
性,物性と帯電防止能との観点から、エチレン構造単位
(I)の含有割合は、85.0〜97.5モル%が好ま
しい。
【0020】また、本発明の樹脂組成物において用いる
カチオン性共重合体において、一般式化6で表されるア
クリレート構造単位(II)は、分子内に0〜15モル%
含有されている。アクリレート構造単位(II)が含有さ
れていることにより、カチオン性共重合体とマトリック
ス樹脂との相溶性が向上する。アクリレート構造単位
(II)の含有割合が15モル%を超える場合には樹脂組
成物の物性が悪化し、相溶性の観点からアクリレート構
造単位(II)の含有割合は3〜13モル%程度が好まし
い。
【0021】なお、アクリレート構造単位(II)の一般
式化6に於いて、R1 はメチル基又はエチル基を表し、
1 は構造単位毎に同一であっても異なってもよい(す
なわち、メチル基とエチル基が1分子中に混在してもよ
い。)。
【0022】さらに、本発明の樹脂組成物において用い
るカチオン性共重合体において、一般式化5で表される
アクリルアミド構造単位(III) は、4級アンモニウム塩
の形にしたカチオン性のアクリルアミド構造単位であ
り、分子内に2〜20モル%含有されている。この含有
割合が2モル%未満の場合には樹脂組成物が帯電防止能
力に欠け、含有割合が20モル%を超える場合にはカチ
オン性共重合体のマトリックス樹脂への相溶性が悪化
し、押出機を用いての樹脂組成物の製造が困難であるば
かりか、該樹脂組成物を用いて成形した成形体の耐水性
と機械的物性が低下する。帯電防止能力と相溶性,物性
との観点から、アクリルアミド構造単位(III) の含有割
合は2.5〜15モル%が好ましい。
【0023】なお、アクリルアミド構造単位(III) の一
般式化5に於いて、R2 は、エチレン基又はプロピレン
基を表しこれらは1分子中に混在してもよく、R3 及び
4は、メチル基を表し、R5 は、製造の容易さや良好
な帯電防止能が得られるといった観点から、メチル基,
エチル基等の低級直鎖状アルキル基又はベンジル基等の
アリールアルキル基を表す。さらに、X- は、Cl-
Br- ,I- 等のハロゲン化物イオン,CH3 OSO3 -
又はCH3 CH2 OSO3 -を表す。
【0024】上述したカチオン性共重合体の重量平均分
子量の測定はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ーで行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量で超高温
GPC法(絹川,「高分子論文集第44巻2号」,13
9〜141頁,1987)に準じて測定できるが、その
重量平均分子量の範囲は1,000〜50,000であ
る。重量平均分子量が1,000未満の場合にはカチオ
ン性共重合体がワックス状となり、ハンドリング性が悪
化し、さらには過度のブリードアウトにより樹脂表面の
粘着性が増すという問題を生じ、重量平均分子量が5
0,000を超える場合には、マトリックス樹脂への相
溶性が悪化するという問題を生じる。カチオン性共重合
体の好ましい重量平均分子量は3,000〜30,00
0である。
【0025】本発明の樹脂組成物において用いるカチオ
ン性共重合体の製造方法としては、例えば、エチレンと
アクリル酸エステルとを高圧重合法により共重合させて
得られるエチレン−アクリル酸エステル共重合体を、特
開昭60−79008号公報に記載の方法により加水分
解と同時に熱減成して所望の分子量とし、さらに、得ら
れたエチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合
体をN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンでアミド
化した後公知の4級化剤でカチオン変性し単離して上記
カチオン性共重合体を得るというものである。
【0026】本発明の樹脂組成物において、マトリック
ス樹脂に対する前述したカチオン性共重合体の添加量は
実用的には3〜30重量%であるが、この添加量が3重
量%未満の場合には要求される帯電防止性が得られにく
く、逆に添加量が30重量%を超える場合には樹脂の機
械的物性、特に衝撃強度が低下する。樹脂における帯電
防止性と機械的物性とのバランスから、マトリックス樹
脂に対するカチオン性共重合体の添加量は5〜20重量
%が特に好ましい。
【0027】本発明の樹脂組成物では、マトリックス樹
脂としてポリスチレン系樹脂を用いるが、その種類は特
に限定されるものではない。ポリスチレン系樹脂の具体
例としては、スチレンの単独重合体の他にスチレン−ブ
タジエン共重合体,メタクリル酸メチル−スチレン共重
合体,スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン
−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体等のスチレ
ンを共重合成分に持つ共重合体が挙げられる。但しスチ
レンとアクリロニトリルとブタジエンが同じ分子内に共
存する共重合体は除かれる。
【0028】本発明に用いるカチオン性共重合体の屈折
率は通常1.47〜1.52の範囲にあり、本カチオン
性共重合体を配合すべきスチレン系樹脂の屈折率をこの
範囲に合わせることにより透明な本発明のスチレン系樹
脂組成物を得ることも出来る。この場合カチオン性共重
合体の屈折率とスチレン系樹脂の屈折率の差が0.02
以下になるようにカチオン性共重合体ないしはスチレン
系樹脂を選ぶことが望ましい。
【0029】例えばスチレン/n−ブチルアクリレート
の共重合体樹脂においてスチレンが59.5モル%以
下、またはスチレン/エチルアクリレート共重合体樹脂
においてスチレンが58モル%以下、さらにスチレン/
MMA共重合体樹脂においてスチレンが49モル%以下
の場合屈折率が1.45〜1.54のスチレン系樹脂が
得られ、かくして得られる組成のスチレン系樹脂とカチ
オン性共重合体を任意の配合とすることにより永久制電
性と透明性を兼ね備えたスチレン系樹脂組成物が得られ
る。
【0030】本発明の樹脂組成物の製造方法としては、
公知の方法でポリスチレン系樹脂に前記カチオン性共重
合体を規定量添加すればよく、例えば、二軸押出し機に
て添加すればよい。
【0031】なお本発明において他の添加物、例えば炭
酸カルシウム,タルク,ガラス繊維等の無機充填剤、テ
トラキス(2,4−ジtertブチルフェニル)−4,
4’ビフェニレンジホスホナイト等の熱安定剤、テトラ
キス[メチレン−3(3,5ジtertブチル−4−ヒ
ドロオキシ−フェニル)プロピオネート]メタン等のヒ
ンダードフェノール系,メルカプトプロピオン酸エステ
ル等のチオ系酸化防止剤、ヘキサブロモシクロドデカ
ン,テトラブロモビスフェノールAやその誘導体さらに
はジフェニルエーテルの臭素化物等の含臭素系難燃剤や
含リン化合物難燃剤及びSb23 等の難燃助剤、非イ
オン系もしくはカチオン系界面活性剤、ポリオキシエチ
レン鎖を持つポリマー、例えばポリオキシエチレンやポ
リエチレングリコールをエステル結合,アミド結合ある
いはイミド結合で重縮合させた高分子量体もしくはウレ
タン結合,エポキシエステル結合,エポキシエーテル結
合で重付加させた高分子量体である帯電防止剤を同時に
添加しても差しつかえない。
【0032】
【作用】従来の内部添加型帯電防止剤が樹脂表面にブリ
ードアウトして吸湿層を形成し、これにより発生した静
電気を漏洩するのに対し、本発明の樹脂組成物において
添加されるカチオン性共重合体は、マトリックス樹脂中
で連続層を形成し、共重合体分子中のカチオン基の対イ
オンの移動に伴う電荷の移動によって静電気の漏洩が起
こる。従って、本発明におけるカチオン性共重合体の方
が従来の内部添加型帯電防止剤よりも、静電気の漏洩そ
のものの速度が速い。また、本発明の樹脂組成物では、
カチオン性共重合体が外的因子に左右され易い樹脂の表
面付近に高濃度に存在しないため、樹脂表面の摩擦,水
洗等による帯電防止効果の消失が起こらない。
【0033】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、カチオン性共重
合体が樹脂の表面付近に高濃度に存在しないため、以下
に記載の如く幾多の顕著な作用効果を奏するものであ
る。 (1)本発明の樹脂組成物は、樹脂表面の摩擦,水洗等
による帯電防止効果の消失を起こさず、耐摩擦性や耐水
性に優れた樹脂組成物である。本発明の組成物を用いて
成形して得られる成形体は、水又は温水浸漬においても
水ブクレ(ブリスター)等の表面外観の変化や帯電防止
効果の低下がなく耐水性が良好である。また、通常の帯
電防止剤を用いた場合にはその効果が失活してしまうよ
うな苛酷な条件下(高温での成形加工等)においても、
本発明の樹脂組成物は、高いレベルでの帯電防止能を保
持する。
【0034】(2)本発明の樹脂組成物では、従来の内
部添加型帯電防止剤を用いた場合のように過度なブリー
ドアウトにより樹脂表面に粘着性が生じて却って塵など
が付着しやすくなるという問題を生じない。
【0035】(3)本発明の樹脂組成物では、従来の帯
電防止性樹脂組成物のように樹脂の耐衝撃性,強伸度等
の物性の低下を招くことがない。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の樹脂組成物において用いら
れるカチオン性共重合体の具体的な合成例A〜Dについ
て説明する。カチオン性共重合体の具体的な合成例A 温度計,撹拌機,滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸エチル・アクリル酸
共重合体(エチレン/エチル アクリレート/アクリル
酸=93/3/4)150g及びパラトルエンスルホン
酸1.0gを仕込んだ。次に、N,N−ジメチルアミノ
プロピルアミン21.1gを仕込み、オイルバスを用い
て140℃に加熱して生成した水をキシレンとの共沸に
より連続的に除去し、さらに、140℃で17時間反応
し、生成する水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0037】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、そこへ滴下ロートよりジエチル硫酸31.1gを1
時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱が認められた
が、冷却することにより反応温度を90℃に維持し、滴
下終了後は100℃で4時間熟成反応を行った。ここで
得られた反応物を多量のメタノール中へ投入し、生成し
た沈殿物を回収、乾燥してカチオン性ポリマーAを得
た。ポリマーAの重量平均分子量を測定したところ5,
300であった。
【0038】カチオン性共重合体の具体的な合成例B 温度計,撹拌機,滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸共重合体(エチレン
/アクリル酸=91/9)150g及びパラトルエンス
ルホン酸1.0gを仕込んだ。次に、N,N−ジメチル
アミノエチルアミン38.5gを仕込み、オイルバスを
用いて140℃に加熱して生成した水をキシレンとの共
沸により連続的に除去し、さらに、140℃で17時間
反応し、生成する水の共沸が認められなくなるまでアミ
ド化反応を継続した。
【0039】得られた反応物を80℃まで冷却し、そこ
へ沃化メチル72.0gを1時間かけて滴下した。この
間、発熱が認められたが、冷却することにより反応温度
を90℃に維持し、滴下終了後は100℃で4時間熟成
反応を行った。ここで得られた反応物を多量のn−ヘキ
サン中へ投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥してカチ
オン性ポリマーBを得た。ポリマーBの重量平均分子量
を測定したところ22,000であった。
【0040】カチオン性共重合体の具体的な合成例C 温度計,撹拌機,滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸エチル・アクリル酸
共重合体(エチレン/エチル アクリレート/アクリル
酸=93/3/4)150g及びパラトルエンスルホン
酸1.0gを仕込んだ。次に、N,N−ジメチルアミノ
プロピルアミン21.1gを仕込み、オイルバスを用い
て140℃に加熱して生成した水をキシレンとの共沸に
より連続的に除去し、さらに、140℃で17時間反応
し、生成する水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0041】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、そこへ滴下ロートより塩化ベンジル25.5gを1
時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱が認められた
が、冷却することにより反応温度を90℃に維持し、滴
下終了後は100℃で4時間熟成反応を行った。ここで
得られた反応物を多量のメタノール中へ投入し、生成し
た沈殿物を回収、乾燥してカチオン性ポリマーCを得
た。ポリマーCの重量平均分子量を測定したところ5,
500であった。
【0042】カチオン性共重合体の具体的な合成例D
(比較合成例) 温度計,撹拌機,滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・エチルアクリレートアクリル酸
共重合体(エチレン/エチルアクリレート/アクリル酸
=65/5/30)150g及びパラトルエンスルホン
酸1.0gを仕込んだ。次に、N,N−ジメチルアミノ
エチルアミン105.6gを仕込み、オイルバスを用い
て140℃に加熱して生成した水をキシレンとの共沸に
より連続的に除去し、さらに、140℃で17時間反応
し、生成する水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0043】得られた反応物を80℃まで冷却し、そこ
へ沃化メチル170.4gを1時間かけて滴下した。こ
の間、発熱が認められたが、冷却することにより反応温
度を90℃に維持し、滴下終了後は100℃で4時間熟
成反応を行った。ここで得られた反応物を多量のn−ヘ
キサン中へ投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥してカ
チオン性ポリマーDを得た。ポリマーDの重量平均分子
量を測定したところ8,600であった。
【0044】以下に、本発明の樹脂組成物の具体的な実
施例とそれと比較対照するための具体的な比較例につい
て説明するが、得られた樹脂組成物の各種物性について
は下記方法により測定した。
【0045】樹脂組成物の各種物性の評価方法 表面固有抵抗値 メガオームメーター(東亜電波社製)にて、樹脂組成物
の試験片に500Vの電圧をかけた場合の表面固有抵抗
値を測定した。
【0046】 帯電圧減衰速度 スタティックオネストメーター(宍戸商会社製)にて、
樹脂組成物の試験片に10,000V×30秒印加し
て、初期電圧の半分になるのに要した時間を秒数で示し
た。
【0047】 耐摩擦性 樹脂組成物の試験片を、水を浸したガーゼにより80回
摩擦した後乾燥して、と同様の方法で試験片の表面固
有抵抗値を測定した。
【0048】 耐水性 樹脂組成物の試験片を沸騰水中で2時間煮沸した後、乾
燥して、と同様の方法で試験片の外観変化と表面固有
抵抗値を測定した。
【0049】 アイゾット衝撃強度 樹脂組成物の試験片のアイゾット衝撃強度をJIS K
−7110に従って測定した。 なお、上記〜の電気特性については、温度20℃、
相対湿度60%で24時間以上調湿した後測定したもの
である。
【0050】スチレン系樹脂組成物の製造について 各種スチレン系樹脂と、合成例で得たカチオン性共重合
体とを、定量供給装置の付いた二軸押出し機(栗本鉄工
所社製,KRCニーダーS−II型)により、230℃で
混練、押出し、コールドカットして組成物ペレットを得
た。上記で得られたペレットを射出成型機(新潟鉄工所
社製,ハイパーショット3000)にて成形した試験片
により、各種物性試験を行った。スチレン系樹脂とカチ
オン性共重合体の種類と組成及び物性測定結果を表1,
表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1,表2より、カチオン性ポリマーA,
B,Cを樹脂に添加すると、帯電防止性,耐摩擦性,耐
水性,さらに耐衝撃性に優れたスチレン系樹脂組成物が
得られた。
【0054】カチオン性ポリマーA,B及びCの代わり
にラウリルジエタノールアミンを樹脂に添加すると、樹
脂の表面固有抵抗値はほぼ同等の値だが、耐摩擦性や耐
水性が大きく低下した。さらに、アクリルアミド構造単
位(III) が20モル%を越える場合は(カチオン性ポリ
マーD)衝撃強度及び耐水性の低下が認められた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に、 一般式化1で表されるエチレン構造単位(I)80〜9
    8モル%と、 一般式化2で表されるアクリルアミド構造単位(III) 2
    〜20モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000
    〜50,000である線状のカチオン性共重合体を、ポ
    リスチレン系樹脂に添加して得られることを特徴とする
    ポリスチレン系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (ただし、化2に於いて、R2 はエチレン基又はプロピ
    レン基を表し、R3 及びR4 はメチル基を表し、R5
    メチル基、エチル基等の低級直鎖状アルキル基又はベン
    ジル基等のアリールアルキル基を表し、さらに、X-
    ハロゲン化物イオン、CH3 OSO3 -又はCH3 CH2
    OSO3 -を表す。なお、R2 は、構造単位毎に同一であ
    っても異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 分子内に、 一般式化1で表されるエチレン構造単位(I)80〜9
    8モル%と、 一般式化3で表されるアクリレート構造単位(II)15
    モル%以下と、 一般式化2で表されるアクリルアミド構造単位(III) 2
    〜20モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000
    〜50,000である線状のカチオン性共重合体を、ポ
    リスチレン系樹脂に添加して得られることを特徴とする
    ポリスチレン系樹脂組成物。 【化3】 (ただし、化3に於いて、R1 はメチル基又はエチル基
    を表し、R1 は構造単位毎に同一であっても異なっても
    よい。)
  3. 【請求項3】 前記ポリスチレン系樹脂に対し、前記カ
    チオン性共重合体を3〜30重量%添加して得られるこ
    とを特徴とする請求項1若しくは2記載のポリスチレン
    系樹脂組成物。
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