JPH078931B2 - 色彩記憶性樹脂組成物 - Google Patents

色彩記憶性樹脂組成物

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JPH078931B2
JPH078931B2 JP60279799A JP27979985A JPH078931B2 JP H078931 B2 JPH078931 B2 JP H078931B2 JP 60279799 A JP60279799 A JP 60279799A JP 27979985 A JP27979985 A JP 27979985A JP H078931 B2 JPH078931 B2 JP H078931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特定の温度域において異なる色彩の保持が可能
な色彩記憶性樹脂組成物に関する。
従来の技術 従来、可逆熱変色性材料を含有させた樹脂組成物は種々
開示されている(例えば特公昭51-35216号、37180号公
報)が、それら樹脂組成物は前記熱変色性材料の変色温
度を境として周囲の温度変化により、単に変色を繰り返
すものであり、一旦変化した色は温度変化により元の色
に戻ってしまう。
また不可逆熱変色性材料を用いた樹脂組成物は一旦変色
すると再び元の色に戻る事はない。
発明が解決しようとする問題点 本発明は変色温度より低温側の色と高温側の色の両方を
特定の広い温度域において保持でき、必要に応じて熱ま
たは冷熱を適用することにより、いずれかの色に変色さ
せることが繰り返しできる樹脂組成物を提供しょうとす
るものである。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明の色彩記憶性樹脂組成物は全組成中0.1乃至75重
量%の温度依存性色彩記憶材料を含有しる。
前記温度依存性色彩記憶材料は色濃度−温度曲線に関
し、5℃乃至80℃のヒステリシス幅を示し、且つ1℃乃
至30℃のΔt値(発消色分岐温度と最高保持温度の差)
を示す準可逆熱変色性組成物からなる。
以下、第1図に図示のグラフについて温度依存性色彩記
憶材料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を
説明する。
グラフの縦軸は色濃度、横軸は温度が目盛られており、
Aは発消色分岐点に達する最低温度T4(以下、発消色分
岐温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは完全
呈色状態を保持できる最高温度T3(以下、最高保持温度
と称す)における濃度を示す点であり、Cは完全消色状
態を保持できる最低温度T2(以下、最低保持温度と称す
る)における濃度を示す点であり、Dは完全呈色状態に
達する最高温度T1(以下、完全呈色温度と称す)におけ
る濃度を示す点である。温度Taにおいては呈色状態E点
と消色状態F点の2相が共存する状態にある。この温度
Taを含む、呈色状態と消色状態が共存できる温度域が変
色の保持可能な温度域であり、線分EFの長さが変色のコ
ントラストの大小を示す尺度であり、線分EFの中点を通
る線分HGの長さがヒステリシスの程度を表す温度幅(以
下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値の
大きい程、変色の保持が容易である。本発明者らの実験
では実用上の変色の保持のできるΔH値は5℃乃至80℃
の範囲であり、好ましくは8℃乃至80℃の範囲である。
発消色分岐温度T4とは前記色彩記憶材料の色濃度を曲線
DEBGAから曲線AFCHDへ移行させるために必要な最低温度
であり、T4以下の温度では前記移行は起こらない。例え
ばT4より少し低い任意の温度Tbにおける濃度をA′点と
し、温度TaにおいてE点にあるものをTbまで加熱すると
曲線EBGA′の経路によりA′点に至る。再びTaに冷却す
ると曲線A′GBEの経路によりE点に戻り、色彩の保持
はされない。ところが、T4まで加熱すると曲線EBGAの経
路によりA点に至り、冷却するとAFの経路でF点に至
り、色彩の保持が可能となる。
ここで発消色分岐温度T4と最高保持温度T3の差Δtが変
色の鋭敏性を示す尺度であり、小さいことが望ましい
が、1℃乃至30℃の範囲であれば実用に供することがで
きる。
このような特性を有する準可逆熱変色性材料は実用面で
有用であり、これを温度依存性色彩記憶材料と名付け
た。
温度依存性色彩記憶材料は(イ)電子供与性呈色性有機
化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記成分
(イ)、(ロ)の呈色反応を準可逆的に生起させる媒体
となる化合物の3成分を必須成分とする均質相溶体から
なる準可逆熱変色性組成物であり、所望の機能は重量比
で成分(イ)に対し成分(ロ)0.1〜50、好ましくは0.5
〜20、成分(ハ)1〜800、好ましくは5〜200の範囲の
組成から得られる。また各成分は各々2種以上の混合で
あってもよく、機能に支障のない範囲内で酸化防止剤、
紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、溶解助剤、希釈剤、増感
助剤等を添加することもできる。
以下に前記各成分について具体的に説明する。
成分(イ)の電子供与性呈色性有機化合物はジアリール
フタリド類、ポリアリールカルビノール類、ロイコオー
ラミン類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン
類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピ
ラン類、フルオラン類の化合物から選ばれる、いわゆる
ロイコ染料と言われている実質的に無色の化合物であ
る。
これらの化合物を次に例示する。
クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーン
ラクトン、ミヒラーヒドロール、クリスタルバイオレッ
トカービノール、マラカイトグリーンカービノール、N-
(2,3-ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N-ベンゾ
イルロイコオーラミン、ローダミンBラクトン、N-アセ
チルオーラミン、N-フェニルオーラミン、2-(フェニル
イミノエチリデン)‐3,3-ジメチルインドリン、3,3-ビ
ス(1-エチル‐2-メチルインドール‐3-イル)フタリ
ド、8-メトキシ‐N-3,3-トリメチルインドリノベンゾス
ピロピラン、2-クロロ‐3-メチル‐6-ジエチルアミノフ
ルオラン、3-クロロ‐6-シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2-ジベンジルアミノ‐3-メチル‐6-ジエチルアミノ
フルオラン、3-ジエチルアミノ‐7-メトキシフルオラ
ン、3-ジエチルアミノ‐6-ベンジルオキシフルオラン、
1,2-ベンツ‐6ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジ−
p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン‐フェニル
ヒドラジド‐γ‐ラクタム、3-アミノ‐5-メチルフルオ
ラン、2,6,7-トリメチル3-アミノフルオラン、2,3-ブチ
レン‐6-ジ‐n-ブチルアミノフルオラン、3-ジエチルア
ミノ‐7-(n-トルイジノ)フルオラン、7-アセトアミノ
‐3-ジエチルアミノフルオラン、2-ブロム‐6-シクロヘ
キシルアミノフルオラン、2,7-クロロ‐3-メチル‐6-n-
ブチルアミノフルオラン等である。
次に成分(ロ)について述べる。
成分(ロ)の電子受容性化合物としては活性プロトンを
有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成
物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物
群)、電子空孔を有する化合物群等である。活性プロト
ンを有する化合物を例示すると、アルキルフェノール
類、その他の置換フェノール類、ビスフェノール類、ポ
リフェノール類、フェノール−アルデヒド縮合樹脂など
のフェノール性水酸基を有する化合物、炭素数2乃至5
の脂肪族カルボン酸、1,2,3-トリアゾール類、環状カル
ボスルホイミド類、ハロヒドリン類、酸性リン酸エステ
ル類、ピロール類、オキサゾール類、チアゾール類、芳
香族カルボン酸類、スルホン酸類、無機酸類、シリカゲ
ル等がある。偽酸性化合物としては前記フェノール性水
酸基を有する化合物の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属
塩、酸性リン酸エステルの金属塩、芳香族カルボン酸無
水物、芳香族カルボン酸−スルホン酸無水物、シクロオ
レフィンジカルボン酸無水物、尿素類、チオ尿素類、グ
アニジン類がある。電子空孔を有する化合物としては硼
酸エステル類、硼酸塩類、周期表の第I族、第II族及び
第III族金属のハロゲン化物、酸化物等がある。
成分(ハ)の媒体有機化合物としては、(1)エステル
結合に関与していない置換基を有するベンゼン環を分子
中に含むモノカルボン酸エステル、(2)無置換芳香族
環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコール
のエステル、(3)分子中にシクロアルキル基を含むカ
ルボン酸エステル、(4)炭素数6以上の脂肪酸と無置
換芳香族アルコールのエステル、(5)炭素数8以上の
脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、(6)ジカ
ルボン酸と芳香族アルコール、分枝脂肪族アルコール又
は炭素数10以上の脂肪族アルコールのジエステルからな
るエステル化合物群より選ばれる。
次に、前記分類別に媒体有機化合物の具体例をあげる。
(1)エステル結合に関与していない置換基を有するベ
ンゼン環を分子中に含むモノカルボン酸エステル 2−メチル安息香酸ステアリル、4−tert−ブチル安息
香酸セチル、4−シクロヘキシル安息香酸ベヘニル、4
−フェニル安息香酸ミリスチル、4−オクチル安息香酸
ラウリル、3,5−ジメチル安息香酸ヘキシル、3−エチ
ル安息香酸ステアリル、4−ベンジル安息香酸ブチル、
3−メチル5−クロロ安息香酸オクチル、4−ベンゾイ
ル安息香酸ステアリル、4−tert−ブチル安息香酸フェ
ニル、2−メチル安息香酸4−クロロベンジル、4−ク
ロロ安息香酸ステアリル、3−ブロモ安息香酸ミリスチ
ル、2−クロロ−4−ブロモ安息香酸ステアリル、3,4
−ジクロロ安息香酸デシル、2,4−ジブロモ安息香酸オ
クチル、3−ニトロ安息香酸セチル、4−アミノ安息香
酸シクロヘキシルメチル、4−ジエチルアミノ安息香酸
セチル、4−アニリノ安息香酸ステアリル、4−メトキ
シ安息香酸デシル、4−メトキシ安息香酸セチル、4−
メトキシ安息香酸ステアリル、4−ブトキシ安息香酸オ
クチル、4−ブトキシ安息香酸セチル、安息香酸4−メ
トキシベンジル、p−クロロフェニル酢酸セチル、p−
クロロフェニル酢酸ステアリル、サリチル酸ベンジル、
サリチル酸ネオペンチル、サリチル酸4−メトキシベン
ジル、安息香酸4−クロロベンジル、カプリン酸4−ク
ロロベンジル、ミリスチン酸4−メトキシベンジル、ス
テアリン酸4−メトキシベンジル、ステアリン酸4−ニ
トロベンジル、カプロン酸4−メチルベンジル、ミリス
チン酸2−クロロベンジル、カプリン酸4−メチルベン
ジル、11−ブロモラウリン酸4−クロロフェニル、ステ
アリン酸4−イソプロピルベンジル等。
(2)無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上
の脂肪族アルコールのエステル 1−ナフトエ酸ステアリル、ベンジル酸セチル、ベンジ
ル酸ステアリル、安息香酸ステアリル、安息香酸セチ
ル、安息香酸ミリスチル、3−ベンゾイルプロピオン酸
デシル等。
(3)分子中にシクロアルキル基を含むカルボン酸エス
テル 桂皮酸シクロヘキシルメチル、ラウリン酸シクロヘキシ
ル、ミリスチン酸シクロヘキシル、パルミチン酸シクロ
ヘキシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ステア
リン酸シクロヘキシルエチル、シクロヘキシル酢酸ステ
アリル、2−シクロヘキシルプロピオン酸ステアリル、
シクロヘキシル蟻酸ステアリル、2−ベンゾイルプロピ
オン酸シクロヘキシル等。
(4)炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール
のエステルカプロン酸ベンジル、パルミチン酸ベンジ
ル、ステアリン酸3−フェニルプロピル等。
(5)炭素数8以上の脂肪酸と分枝脂肪族アルコールの
エステルカプリル酸ネオペンチル、ラウリン酸ネオペン
チル、ステアリン酸ネオペンチル等。
(6)ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分枝脂肪族
アルコールのジエステル セバシン酸ジベンジル、4,4′−ジフェニルジカルボン
酸ジネオペンチル、アゾジカルボン酸ジベンジル等。
一方、公知の微小カプセル化技術によって前記温度依存
性色彩記憶材料を微小カプセルに内包することにより、
樹脂への適用を一層容易にすることもできる。
具体的に説明すれば、カプセル膜壁で保護されているこ
とにより、酸性物質、塩基性物質、過酸化物等の化学的
に活性な物質または他の溶剤成分と接触しても、その機
能を低下させることがない。利用できる微小カプセル化
技術としては界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被
覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離
法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライ
ング法等があり、用途に応じて適宜選択利用する。
本発明の樹脂組成物は前記温度依存性色彩記憶材料(以
下、着色料と略称する)を樹脂中に分散し、必要に応じ
て可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、重合促進剤、酸化防
止剤等の添加剤を添加して構成される。
用いられる樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ
アミド、ポリアクリロニトリル、アクリル酸エステル−
塩化ビニル共重合体、アセタール樹脂、アルキッド樹
脂、ブチラール樹脂、メタクリル酸エステル、ビニルケ
トン樹脂、ゴム系樹脂等の熱可塑性樹脂及びエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂があげられ
る。
実施例 まず着色料の一例とそれを微小カプセルに内包させて微
小カプセル形態の着色料とするカプセル化法について述
べる。
着色料A(以下組成の部数は重量部) (イ)クリスタルバイオレットラクトン 1.0部 (ロ)p-ヒドロキシ安息香酸ステアリル 4.0部 (ハ)ステアリン酸ネオペンチル 25.0部 以上3成分を100℃、10分間加熱、融解して得られる相
溶体を着色料Aとする。
次に着色料Aを以下の微小カプセル化法により微小カプ
セルの形態の着色料とした。
カプセル化法1 0.5gのヘキサメチレンビスクロロホルメートを着色料A3
0gに80℃で加熱溶解し、これを5%ゼラチン水溶液200g
中に滴下し、微小滴になるよう攪拌する。別に3gのヘキ
サメチレンジアミンを47gの水に溶解し、これを攪拌を
続けている先の溶液中に徐々に滴下し、液温を50℃に保
って4時間攪拌を続けると、水と着色料粒子の界面での
固状のポリウレタンの生成により着色料を内包する微小
カプセルが生成する。このけん濁液から微小カプセルを
濾過により分離し、更にスプレードライ法によって乾燥
粉体を得、これを着色料A1とした。
カプセル化法2 5gのエポキシ樹脂(ジグリジシルエーテル型エポキシ樹
脂、エポキシ当量230)を着色料A30g中に80℃に加熱溶
解し、これを5%ゼラチン水溶液150g中に滴下し、微小
滴になるよう攪拌する。別に0.5gのジエチレントリアミ
ンを20gの水に溶解し、これを攪拌を続けている先の液
中に徐々に滴下し、液温を80℃に保って約4時間攪拌を
続けると着色料の粒子の界面における固状のエポキシ樹
脂の生成により着色料を内包する微小カプセルが生成す
る。このけん濁液から微小カプセルを遠心分離し、4時
間真空乾燥(80℃,0.5mmHg)して着色料A2を得た。
カプセル化法3 1.0gの2,4-トルエンジイソシアネートと2,6-トルエンジ
イソシアネートの8:2混合物を着色料A30g中に加熱溶解
し、これを5%ポリビニルアルコール(ケン化度88%,
重合度1,400)水溶液150g中に滴下し、微小滴からなる
よう攪拌する。別にヘキサメチレンジアミン2.0gを20g
の水に溶解し、これを攪拌を続けている先の液中に徐々
に滴下し、液温を50℃に保って約5時間攪拌を続けると
着色料粒子の界面におけるポリユリアの生成により、着
色料Aを内包する微小カプセルが生成した。このけん濁
液をデカンテートにより微小カプセル濃厚スラリーと
し、熱風乾燥により着色料A3を得た。
カプセル化法4 ビスフェノールA4gを0.8%水酸化ナトリウム水溶液200g
中に溶解し、これにテレフタル酸ジクロライド3gを着色
料A30g中に加熱溶解したものを添加し、微小滴になるま
で攪拌する。液温50℃に保ち、1時間攪拌を続けると着
色料粒子の界面における固状の飽和ポリエステルの生成
により着色料Aを内包する微小カプセルが生成した。こ
のけん濁液から微小カプセルを遠心分離により単離し、
熱風乾燥により着色料A4を得た。
カプセル化法5 15gのカチオン変性尿素−ホルマリン初期縮合物水溶液
を135gの水で希釈した溶液中に80℃に加熱した着色料A
を滴下し、微小滴になるよう攪拌する。酢酸を添加して
pH4に調節し、液温を45〜50℃に保ちつつ、5時間攪拌
すると着色料粒子の界面における尿素−ホルマリン縮合
物の生成により着色料Aを内包する微小カプセルが生成
した。このけん濁液からスプレードライ法によりカプセ
ルを単離して着色料A5とした。
カプセル化法6 5%ゼラチン水溶液80g中に80℃に加熱した着色料A30g
を滴下し、一定攪拌の下に酢酸を添加してpH5に調節
し、200gの水を加えてコアセルベーションを生起させ、
更にpH4にまで下げる。これまでの操作は液温を50℃に
保っておき、次に濃厚相をゲル化させるために10℃にま
で冷却し、続いて硬膜のために37%ホルマリン1gを添加
してpH9に下げる。数時間放置した後、硫酸ナトリウム4
0gを添加してカプセル膜を収縮させ、浮上した微小カプ
セルを収集し、熱風乾燥により着色料A6を得た。
カプセル化法7 アルギン酸ナトリウム2g、ゼラチン1gを水97gに溶解
し、この水溶液中に80℃に加熱した着色料A30gを滴下
し、微小滴となるよう攪拌する。この乳濁液を15%塩化
カルシウム水溶液300g中に滴下すると着色料粒子の界面
におけるアルギン酸カルシウムの生成により、着色料A
内包の微小カプセルが生成する。これをろ別分離してス
ラリーとし、続いて真空乾燥により着色料A7を得た。
着色料A及び着色料A1乃至A7は全て色濃度−温度曲線に
おいて、ヒステリシス幅ΔH=20℃、発消色分岐温度と
最高保持温度の差Δt=2℃の特性を示し、15℃以下で
青色を呈し、35℃以上で無色となり、その間の温度域で
は任意に青色と無色を選択保持できた。
実施例1 ポリエチレン(平均分子量約2000,軟化点107℃,密度0.
927g/cm3)95gに着色料A15gを150〜200℃で混合し、色
彩記憶性ポリエチレンを得た。該ポリエチレンは15℃以
下では青色を呈し、35℃以上で乳白色となり、その間の
温度域では任意に青と乳白色を選択できた。更にこの材
料を公知のブロー成形、射出成形等の成形法により種々
の形に成形しても前記特性は維持された。
実施例2 着色料A1gを1000gのスチレンモノマー中に加熱溶解した
後、6gのジビニルベンゼンを添加し、この溶液を2%ア
ラビアガム水溶液4.5l中に滴下して微小滴とし、続いて
100mgの過酸化ベンゾイルを添加し、約70℃に保って5
時間攪拌することにより、粒状のポリスチレン組成物
(着色料含有量0.1%)が生成した。ろ別単離して得ら
れる前記組成物は着色料Aのもつ変色特性を示し、この
材料からの成形物も同様であった。
実施例3 ロイコ染料A(後に詳記)2.0g、1,2,3-ベンゾトリアゾ
ール12.0g、パルミチン酸ベンジル36.0gを100℃、10分
加熱溶解してえられる相溶体を前記カプセル化法3によ
って微小カプセル形態の着色料(ΔH=23.0℃、Δt=
8.6℃)とした。塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体(平
均分子量700,柔軟温度69℃)100gにフタル酸ジオクチル
47gを加え、200℃に加熱して塩化ビニルゾルとし、前記
着色料3gを加えて混合した後、ロール成形して軟質塩化
ビニルシート(着色料含有量2重量%)を得た。該シー
トは10℃以下で橙色を呈し、35℃以上では乳白色とな
り、常温度域において色彩の保持が可能であった。
実施例4 ロイコ染料B2.7g、2,3-キシリルアシッドホスフェート
8.4g、4-tert-ブチル安息香酸セチル42gを100℃、10分
加熱溶解して得られる相溶体を前記カプセル化法4によ
って微小カプセルに内包した着色料(ΔH=38.0℃、Δ
t=4.2℃)とした。ポリプロピレングリコール(分子
量2,000)10g、2,4-トルエンジイソシアネートと2,6-ト
ルエンジイソシアネートの8:2混合物5g、水0.4g、前記
着色料45gを混合し、適宜冷却しながら発泡させて発泡
ウレタン(3倍発泡、着色料含有量75重量%)を得た。
該発泡ウレタンは40℃以上で桃色を呈し、0℃以下では
乳白色となった。0〜40℃の温度域で乳白色と桃色の選
択が可能であった。
実施例5 ロイコ染料C1.0g、1,3-ジフェニルチオ尿素9.6g、サリ
チル酸セチル39.4gからなる相溶体を低分子量ポリプロ
ピレン(軟化点150℃)15kg中に200〜250℃で溶解して
ポリプロピレン組成物(着色料含有量0.33重量%、ΔH
=30℃、Δt=12.6℃)を得た。該組成物を射出成形に
より糸状とし、更に冷延伸して50μmφのフィラメント
とした。該フィラメントは6℃以下で朱色を呈し、36℃
以上で無色となり、6〜36℃の温度域では朱色と無色を
選択することができた。
実施例中のロイコ染料(電子供与性呈色性有機化合物)
の化学構造は次のとおり。
ロイコ染料A:3-クロロ‐6シクロヘキシルアミノフルオ
ラン ロイコ染料B:3,3-ビス(1-エチル‐2-メチルインドール
‐3-イル)フタリド ロイコ染料C:2-クロロ‐3メチル‐6-ジエチルアミノフ
ルオラン 発明の効果 本発明の色彩記憶性樹脂組成物は常温域を含む特定の温
度域において異なる2種の色彩を選択、保持できると言
う従来の樹脂組成物にはみられない有用な特性をもつも
のであり、一般の樹脂組成物と同様、ブロック、フィル
ム、フィラメント、微細粒子、ゴム状弾性体、液状体等
種々の形態にすることができる。従って、表面色可変の
成形物、繰り返し使用できる不可逆示温性を示す成形
体、可変の記録表示のできる成形物等への用途があり、
成形物に利便性、装飾性、おもしろさ、ファッション性
等の付加価値を付与すると同時にそれら成形物自体に新
しい用途をもたらす可能性をもつものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は温度依存性色彩記憶材料の色濃度−温度曲線に
おけるヒステリシス特性を示すグラフである。 T1……完全呈色温度 T2……最低保持温度 T3……最高保持温度 T4……発消色分岐温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−33934(JP,A) 特開 昭49−99141(JP,A) 特開 昭50−81157(JP,A) 特開 昭50−75640(JP,A) 特開 昭50−107040(JP,A) 特開 昭51−31682(JP,A) 特開 昭54−117548(JP,A) 特開 昭60−173028(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色濃度−温度曲線に関し、5℃乃至80℃の
    ヒステリシス幅、1℃乃至30℃のΔt値(発消色分岐温
    度と最高保持温度の差)及び保持温度域が常温域にある
    特性を示す準可逆熱変色性組成物を全組成中0.1乃至75
    重量%含有してなる色彩記憶性樹脂組成物であって、前
    記準可逆熱変色性組成物は(イ)電子供与性呈色性有機
    化合物、(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記二者の
    呈色反応の生起温度を決める媒体有機化合物の3成分を
    含む均質相溶体であり、前記媒体有機化合物は(1)エ
    ステル結合に関与していない置換基を有するベンゼン環
    を分子中に含むモノカルボン酸エステル、(2)無置換
    芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アル
    コールのエステル、(3)分子中にシクロアルキル基を
    含むカルボン酸エステル、(4)炭素数6以上の脂肪酸
    と無置換芳香族アルコールのエステル、(5)炭素数8
    以上の脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、
    (6)ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分枝脂肪族
    アルコールのジエステルからなる群より選ばれるエステ
    ル化合物である色彩記憶性樹脂組成物。
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