JPH0789227B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0789227B2
JPH0789227B2 JP61001251A JP125186A JPH0789227B2 JP H0789227 B2 JPH0789227 B2 JP H0789227B2 JP 61001251 A JP61001251 A JP 61001251A JP 125186 A JP125186 A JP 125186A JP H0789227 B2 JPH0789227 B2 JP H0789227B2
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potential
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/043Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure
    • G03G5/047Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure characterised by the charge-generation layers or charge transport layers

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機光導電体に関し、特に光導電層に電荷輸
送物質と電荷発生物質を含有せる電子写真感光体に関す
るものである。
〔従来の技術〕
これまで、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無
機光導電体を感光成分として利用した電子写真感光体
は、公知である。
一方、特定の有機化合物が光導電性を示すことが発見さ
れてから、数多くの有機光導電体が開発されてきた。例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアン
トラセンなどの有機光導電性ポリマー、カルバゾール、
アントラセン、ピラゾリン類、オキサジアゾール類、ヒ
ドラゾン類、ポリアリールアルカン類などの低分子の有
機光導電体やフタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン
染料、多環キノン顔料、ペリレン系顔料、インジゴ染
料、チオインジゴ染料あるいはスクエアリック酸メチン
染料などの有機顔料や染料が知られている。特に、光導
電性を有する有機顔料や染料は、無機材料に比べて合成
が容易で、しかも適当な波長域に光導電性を示す化合物
を選択できるバリエーションが拡大されたことなどか
ら、数多くの光導電性有機顔料や染料が提案されてい
る。
例えば、米国特許第4123270号、同第4247614号、同第42
51613号、同第4251614号、同第4256821号、同第4260672
号、同第4268596号、同第4278747号、同第4293628号明
細書などに開示された様に電荷発生層と電荷輸送層に機
能分離した感光層における電荷発生物質として光導電性
を示すジスアゾ顔料を用いた電子写真感光体などが知ら
れている。
この様な有機光導電体を用いた電子写真感光体はバイン
ダーを適当に選択することによって塗工で生産できるた
め、極めて生産性が高く、安価な感光体を提供でき、し
かも有機顔料の選択によって感光波長域を自在にコント
ロールできる利点を有している。
電荷輸送層と電荷発生材料を主成分とする電荷発生層を
積層することによって得られる積層型感光体は、他の単
層型感光体よりも感度や耐久テスト後の残留電位の上昇
などで有利であるが、未だ十分なレベルとはいえなかっ
た。
また、電荷発生層の膜厚を2μ以上と厚くした場合、耐
久テストによる暗部電位の低下が見られる。電荷輸送
層、電荷発生層をこの順に積層してなるプラス帯電用感
光体においては耐久による摩耗、キズ等の問題により膜
厚を厚くする必要があり、この場合は特に顕著な耐久に
よる暗部電位の低下が見られる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上記欠点を改良し、高感度で耐久テス
ト後も、暗部電位の低下がなく、極めて残留電位の少な
い積層型電子写真感光体を提供することにある。
本発明は、上記目的を導電性支持体上に少なくとも電荷
発生物質と電荷輸送物質を含有せる光導電層を有した。
電子写真感光体において、電荷発生物質に対し特定の範
囲の酸化電位を有する電荷輸送物質を用いることにより
達成し得ることを見出し本発明を完成させるに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生物質と電荷輸送物質を含む光導電層を有する電子写真
感光体において、前記電荷発生物質として以下の一般式
(1)の化合物を用い、かつ前記電荷発生物質に適合す
る限界の酸化電位をα(V)とするとき、酸化電位がα
−0.2(V)からα(V)の範囲の電荷輸送物質を用い
ることを特徴とする電子写真感光体である。
以下、本発明を詳細に説明する。
従来から電子写真感光体の感度と電荷輸送物質のイオン
化ポテンシャルとの間の関係が議論されているが、一般
にイオン化ポテンシャルと酸化電位とは一定の対応関係
があるとされている。そこで、本発明者等は酸化電位を
イオン化ポテンシャルの代用特性として用いることの可
能性に着目し、電荷発生物質及び電荷輸送物質の酸化電
位と電子写真特性の関係を検討した結果、以下の如き関
係を見出した。
電荷輸送物質の酸化電位測定は、溶媒としてアセトニト
リル、支持電解質として過塩素酸テトラn−ブチルアン
モニウム、電極として飽和カロメル電極を使用し、サイ
クリックボルタンメトリーにより測定した。
酸化電位の値は第1酸化波のピーク値(Eox)を採用し
た。ただし測定はこの方法により限定されるものではな
くポテンシオメトリー、ポーラログラフィーによって求
めることができる。
ある特定の電荷発生物質に、種々の酸化電位を有する電
荷輸送物質を組合せて電子写真感光体を作成したとこ
ろ、電子写真感光体の感度と電荷輸送物質の酸化電位Eo
xとの間には第1図に示す如き関係が見出された。ここ
に電子写真感光体の感度は、電子写真感光体を−5kVの
コロナ放電で帯電後、5秒間暗所に放置した後の暗部電
位(VD)を1/2に減衰するのに必要な露光量E1/2(lux・
sec)で表わされている。
第1図に示されている如く、電子写真感光体の感度は、
電荷輸送物質の酸化電位が低い間は酸化電位の上昇に対
しわずかな の上昇を示すのみで目立った低下は認められない。
ところが電荷輸送物質の酸化電位がある電圧を越えると は急激に上昇し感度は急激に悪くなる。そこで、酸化電
位の低い範囲のE1/2(lux・sec)のグラフの延長と酸化
電位の高い範囲のE1/2(lux・sec)のグラフの延長の交
点を求め、その交点の電圧α(V)を当該の「電荷発生
物質に適合する上限界の酸化電位」と定義する。
すなわち、ある電荷発生物質において組合せられる電荷
輸送物質の酸化電位がある一定の電圧α(V)を越すも
のであるときは、得られる電子写真感光体の感度が急激
に低下するので、組合せられる電荷輸送物質の酸化電位
がα(V)以下であることが感度の面から必要となる。
また、電荷輸送物質の酸化電位がα(V)を越えると、
特に積層型感光体の場合電荷発生層から電荷輸送層への
キャリア注入効率が悪くなる。
他方、電荷輸送物質の酸化電位はα(V)以下であると
共に、他の面から一定の電圧以上である必要があること
が見出された。
すなわち、電荷輸送物質の酸化電位がα−0.2(V)未
満であると耐久テスト後の暗部電位の低下が大きい。
従って、本発明に用いられる電荷輸送物質はα−0.2
(V)からα(V)の範囲の酸化電位を有するものであ
る。
本発明の電子写真感光体における光導電層及び電荷発生
層は上述の電荷発生物質と必要に応じ本発明酸化電位範
囲の電荷輸送物質を適当なバインダーと共に(バインダ
ーがなくても可)基体の上に塗工することによって形成
でき、また真空蒸着装置により蒸着膜を形成することに
よって得ることができる。
電荷発生層を塗工によって形成する際に用いうるバイン
ダーとしては広範な絶縁製樹脂から選択でき、またポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンや
ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択で
きる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレ
ート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポ
リカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ
酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、
ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等の絶縁性樹脂を挙げ
ることができる。
光導電層及び電荷発生層中に含有する樹脂は電荷発生物
質の100倍(重量比)以下特に積層型の場合電荷発生層
の膜厚を2μ以上とするため、好ましくは0.1〜50倍が
適している。
これらの樹脂を溶解する溶剤は、樹脂の種類によって異
なり、具体的な有機溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシ
ド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メ
チレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエ
チレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、リグロイン、モノクロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることが
できる。
塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング
法等のコーティング法を用いて行なうことができる。乾
燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法が好
ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃で5分〜2時間の範
囲の時間で静止または送風下で行なうことができる。
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されて
おり、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キ
ャリアを受け取るとともに、これらの電荷キャリアを輸
送できる機能を有している。この際、この電荷輸送層
は、電荷発生層の上に積層されていてもよく、またその
下に積層されていてもよい。
電荷輸送層における電荷キャリアを輸送する物質(電荷
輸送物質)は、上述の電荷発生層が感応する電磁波の波
長域に実質的に非感応性であることが好ましい。ここで
言う「電磁波」とは、γ線、X線、遠赤外線などを包含
する広義の「光線」の定義を包含する。電荷輸送層の光
感応性波長域が電荷発生層のそれと一致またはオーバー
ラップする時には、両者で発生した電荷キャリアが相互
に捕獲し合い、結果的には感度の低下の原因となる。
本発明に用いられる電荷輸送物質の例としてはピレン、
N−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾー
ル、N−メチル−N−フエニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフエニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,
N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチ
ルフエノチアジン、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−
メチリデン−10−エチルフエノキサジン、P−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾ
ン、P−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナ
フチル−N−フエニルヒドラゾン、P−ピロリジノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、1,3,3−ト
リメチルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフエ
ニルヒドラゾン、P−ジエチルベンズアルデヒド−3−
メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾン等のヒドラ
ゾン類、2,5−ビス(P−ジエチルアミノフエニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、1−フエニル−3−(P−
ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−〔キノリル(2)〕−3−
(P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジエチル
アミノフエニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕
−3−(P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジ
エチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−〔6−メトキ
シ−ピリジル(2)〕−3−(P−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−〔ピリジル(3)〕−3−(P−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(Pジエチルアミノフエニル)ピラ
ゾリン、1−〔レピジル(2)〕−3−(P−ジエチル
アミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフエニ
ル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−(P−
ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(P−ジ
エチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル
(2)〕−3−(α−メチル−P−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−フエニル−3−(P−ジエチルアミノスチリ
ル)−4−メチル−5−(P−ジエチルアミノフエニ
ル)ピラゾリン、1−フエニル−3−(α−ベンジル−
P−ジエチルアミノスチリル)−5−(P−ジエチルア
ミノフエニル)ピラゾリン、スピロピラゾリンなどのピ
ラゾリン類、2−(P−ジエチルアミノスチリル)−6
−ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(P−ジエ
チルアミノフエニル)−4−(P−ジメチルアミノフエ
ニル)−5−(2−クロロフエニル)オキサゾール等の
オキサゾール系化合物、2−(P−ジエチルアミノスチ
リル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチア
ゾール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチ
ルフエニル)−フエニルメタン等のトリアリールメタン
系化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−
メチルフエニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4
−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフエニル)エタン
等のポリアリールアルカン類、トリフエニルアミン等を
あげることができる。
電荷輸送物質はここに記載したものに限定されるもので
はなく、その使用に際しては、電荷輸送物質を1種類あ
るいは2種類以上混合して用いることができる。
また、本発明においては、本発明酸化電位範囲の電荷輸
送物質を1種類あるいは2種類以上電荷発生層に添加す
ることが出来、その増感効果は一層顕著なものとなる。
その際、電荷輸送層で用いる化合物と同一でも、異なる
ものでもかまわない。
電荷発生層に電荷輸送物質を添加する場合、化合物は、
電荷発生物質の100倍(重量比)以下、好ましくは0.1〜
30倍(重量比)が高感度、低残留電位、繰り返し安定性
の点から適当である。電荷輸送層を形成するには、適当
なバインダーを選択することによって被膜形成ができ
る。バインダーとして使用できる樹脂は、例えばアクリ
ル樹脂、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンポ
リマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスル
ホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等
の絶縁性樹脂、あるいはポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有
機光導電性ポリマーを挙げることができる。
電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送できる限界があるの
で、必要以上に膜厚を厚くすることができない。一般的
には、5ミクロン〜50ミクロンであるが、好ましい範囲
は10ミクロン〜30ミクロンである。塗工によって電荷輸
送層を形成する際には、上述した様な適当なコーティン
グ法を用いることができる。
この様な感光層は、導電層を有する基体すなわち導電性
支持体の上に設けられる。導電層を有する基体として
は、基体自体が導電性をもつもの、例えばアルミニウ
ム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジ
ウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジ
ウム、金や白金等を用いることができ、その他にアルミ
ニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化錫、
酸化インジウム一酸化錫合金等を真空蒸着法によって被
膜形成した層を有するプラスチック(例えば、カーボン
ブラック、銀粒子等)を適当なバインダーとともにプラ
スチックの上に被覆した基体、導電性粒子をプラスチッ
クや紙と含浸した基体や導電性ポリマーを有するプラス
チック等を用いることができる。
導電層と感光層の中間に、バイヤー機能と接着機能をも
つ下引層を設けることもできる。下引層は、カゼイン、
ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−
アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノ
ール樹脂、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロ
ン等)、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムな
どによって形成できる。
下引層の膜厚は、0.1ミクロン〜40ミクロン、好ましく
は、0.1ミクロン〜3ミクロンが適当である。
導電層、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した感光体
を使用する場合において電荷輸送層の電荷輸送物質が電
子輸送物質からなるときは、電荷輸送層表面を正に帯電
する必要があり、帯電後露光すると露光部では電荷発生
層において生成した電子が電荷輸送層に注入され、その
あと表面に達して正電荷を中和し、表面電位の減衰が生
じ未露光部との間に静電コントラストが生じる。この様
にしてできた静電潜像を負荷電性のトナーで現像すれば
可視像が得られる。これを直接定着するか、あるいはト
ナー像を紙やプラスチックフィルム等に転写後、現像し
定着することができる。
また、感光体上の静電潜像を転写紙の絶縁層上に転写後
現像し、定着する方法もとれる。現像剤の種類や現像方
法、定着方法は公知のものや公知の方法のいずれを採用
しても良く、特定のものに限定されるものではない。
一方、電荷輸送物質が正孔輸送物質から成る場合、電荷
輸送層表面を負に帯電する必要があり、帯電後、露光す
ると露光部では電荷発生層において生成した正孔が電荷
輸送層に注入され、その後表面に達して負電荷を中和
し、表面電位の減衰が生じ未露光部との間に静電コント
ラストが生じる。現像時には電子輸送物質を用いた場合
とは逆に正電荷性トナーを用いる必要がある。
導電層、電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した感光体
を使用する場合においても、その極性に応じた帯電、露
光、現像、定着のプロセスが採用できる。
本発明にかかる電子写真感光体は紫外線、オゾン等によ
る劣化、オイル等による汚れ、金属等の切り粉による傷
つき、現像部材、転写部材、クリーニング部材等の感光
体当接部材による感光体の傷つき、削れを防止する目的
で電荷発生層または電荷輸送層上に更に保護層を設けて
も良い。この保護層上に静電潜像を形成するためには、
表面抵抗率が1011Ω以上であることが望ましい。
本発明で用いる保護層は、ポリビニルブチラール、ポリ
エステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリ
ウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン
−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリル
コポリマーなどの樹脂を適当な有機溶剤によって溶解し
た液を感光層の上に塗布、乾燥して形成できる。
また前記樹脂液に紫外線吸収剤等の添加物を加えること
ができる。この際、保護層の膜厚は、一般に0.05〜20ミ
クロン、特に好ましくは0.2〜5ミクロンの範囲であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に従って説明する。
参考例1 アルミニウムシリンダー上にカゼインのアンモニア水溶
液(カゼイン11.2g、28%アンモニア水1g、水222ml)を
浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して塗工量1.0g/m2
の下引層を形成した。
次に、表1の電荷発生物質No.(1)で示される電荷発
生材料1重量部、ブチラール樹脂(エスレックBM−2:積
水化学(株)製)5重量部とイソプロピルアルコール30
重量部をボールミル分散機で4時間分散した。この分散
液を先に形成した下引層の上に浸漬コーティング法で塗
工し、乾燥して電荷発生層を形成した。この時の膜厚は
2.0μであった。次に、表2の電荷輸送物質No.(1)の
化合物1重量部、ポリスルホン樹脂(P1700:ユニオンカ
ーバイト社製)1重量部とモノクロルベンゼン6重量部
を混合し、攪拌機で攪拌溶解した。この液を電荷発生層
の上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷輸送
層を形成した。この時の膜厚は、12μであった。
こうして調製した感光体に−5kVのコロナ放電を行なっ
た。この時の表面電位を測定した(初期電位V0)。さら
に、この感光体を5秒間暗所で放置した後の表面電位を
測定した(暗減衰V5)。感度は、暗減衰した後の電位V5
を1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2lux・sec)を測
定することによって評価した。
これらの結果は、次のとおりであった。
V0 −610ボルト V5 −600ボルト E1/2 3.9lux・sec 本参考例の感光体における初期の暗所電位(VD)と明部
電位(VL)を測定し、さらにこの感光体を複写機(キャ
ノン株式会社製NP150Z)で10000回使用した時の暗部電
位と明部電位を測定した。
結果を表3に示す。
比較例1,2 参考例1で用いた電荷輸送物質No.(1)の化合物に代
えて、下記に示す化合物をそれぞれ用いたほかは、参考
例1と全く同様の方法で感光体を調整し、この感光体の
特性を測定した。これらの結果を表4に示す。
比較化合物(2)は電荷発生物質(1)の限界適合酸化
電位α=0.75Vに比べ、酸化電位(0.80V)が大きく感度
が悪く、耐久後のVLの増加が大きい。又、比較化合物
(1)の酸化電位(0.33V)はα−0.2(V)より小さ
く、耐久後のVDの減少が多い。
参考例2 参考例1と同様に下引層まで形成した。
次に電荷発生物質No.1の物質を1重量部、電荷輸送物質
No.1の物質を5重量部とポリスルホン樹脂(P1700:ユニ
オンカーバイド社製)6重量部とモノクロルベンゼン40
重量部をボールミル分散機で4時間分散した。
この分散液を先に形成した下引層の上に浸漬コーティン
グ法で塗工した。膜厚は15μであった。比較例3,4とし
て電荷輸送物質(1)の化合物のかわりに比較化合物
(1),(2)を用いて、参考例1と全く同様の方法で
感光体を調製した。これらの感光体の特性を測定し、結
果を表6に示す。
実施例1及び参考例3〜5 参考例1と同様に下引層を形成した。
次に表(2)に示す化合物を1重量部、ポリカーボネー
ト樹脂(パンライトL−1250)1重量部とジオキサン6
重量部を攪拌溶解し、この塗工液を浸漬コーティング法
で塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成した。この時膜厚
は15μであった。
さらに表(1)に示す電荷発生物質1重量部、ポリカー
ボネート樹脂(パンライトL−1250)8重量部とジオキ
サン10重量部をボールミル分散機で4時間分散した。こ
の分散液を先に形成した電荷輸送層上にスプレーコーテ
ィング法により塗工し、乾燥して5μとした。
これらの感光体の特性を表7に示す。NP-150Z複写機は
プラス帯電用に改造し、測定を行なった。
結果を表7に示す。
比較例5〜8 参考例2、実施例1、参考例3及び参考例4と同様の電
荷発生物質を用い電荷輸送物質だけを表8に示す化合物
に加えた以外は全く同様の方法で感光体を作成した。そ
の特性を表9に示す。
参考例6 参考例2と同様に下引き層、電荷輸送層を形成した。さ
らに、表1電荷発生物質No.6の顔料1重量部、表2の電
荷輸送物質No.6を0.5重量部とポリカーボネート樹脂
(パンライトL−1250)8重量部を参考例2と同様の方
法で分散し、スプレーコーティング法で塗工し乾燥し5
μとした。
この感光体の特性を表10に示す。
さらにこの感光体をNP-150Z複写機をプラス帯電用に改
造した機械を用いて、20000枚のコピーを繰返した。そ
の結果20000枚繰返した後にも良質な画像が得られた。
この結果本発明の感光体は耐久性においてもきわめて優
れたものであることが判る。
上記実施例、参考例、比較例をまとめてみると第2図の
ようになる。電荷発生物質に適合する限界の酸化電位
(α)と電荷輸送物質の酸化電位EOX(CT材)の差が0.2
V以上になると10000回耐久後のVdの差が大きい。特に
帯電の感光体が顕著である。
又、電荷輸送物質の酸化電位EOX(CT材)がαより大き
い場合感度が悪く、耐久後のVLの増加もはげしい。
「発明の効果」 以上から明らかな如く、本発明は電荷発生物質に最適な
範囲の酸化電位の電荷輸送物質を用いることにより従来
のものに比べてきわめて感度の高い、耐久後の電位変動
の少ない電子写真感光体を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
第1図は電荷輸送物質の酸化電位と感度の関係を示すグ
ラフ図であり、第2図は電荷輸送物質の酸化電位とα
(V)の差と10000回耐久後の暗部電位の電位差の関係
を示すグラフ図である。 a……積層型帯電感光体 b……積層型帯電感光体。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 浩二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤村 直人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岸 淳一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−204054(JP,A) 特開 昭60−207142(JP,A) 特開 昭61−198160(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質
    と電荷輸送物質を含む光導電層を有する電子写真感光体
    において、前記電荷発生物質として以下の一般式(1)
    の化合物を用い、かつ前記電荷発生物質に適合する限界
    の酸化電位をα(V)とするとき、酸化電位がα−0.2
    (V)からα(V)の範囲の電荷輸送物質を用いること
    を特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】上記感光体が導電性支持体上に少なくとも
    電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型の電子写真感
    光体であり、電荷発生層の膜厚が2μ以上である特許請
    求の範囲第1項記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】上記電荷発生層に酸化電位がα−0.2
    (V)からα(V)の範囲の電荷輸送物質を含む、特許
    請求の範囲第2項記載の電子写真感光体。
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