JPH0788308B2 - ミミズ乾燥粉末の製造法 - Google Patents

ミミズ乾燥粉末の製造法

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JPH0788308B2
JPH0788308B2 JP63094541A JP9454188A JPH0788308B2 JP H0788308 B2 JPH0788308 B2 JP H0788308B2 JP 63094541 A JP63094541 A JP 63094541A JP 9454188 A JP9454188 A JP 9454188A JP H0788308 B2 JPH0788308 B2 JP H0788308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野: 本発明は、ミミズ乾燥粉末の製造法に関する。さらに詳
しく述べれば、すぐれた抗高脂症活性と安全性をもち、
かつ新規で進歩性のある改良製法によるミミズ乾燥粉末
の製造法に関する。
従来の技術: 高脂血症は高血圧、糖尿病、喫煙と共に動脈硬化の主要
な危険因子であることが認識されており、その治療及び
予防のために種々の合成有機化合物の抗高脂血症剤が研
究開発されてきた。たとえば、クロフイブレート及びニ
コモールなどが開発されたが、クロフイブレートには筋
肉痛、肝機能障害のほかに胆石発生の可能性が高いこと
が知られている。また、ニコモールには顔面紅潮、胃腸
障害などの副作用のあることが知られている。又、クロ
フイブレート及びその誘導体では筋肉痛、肝機能障害の
ほか、胆石発生の可能性が高いことが知られている。
又、クロフイブレートは動物実験で肝臓癌の発生もある
ことが報告〔D.J.Svoboda等;Cancer Res.,39,3419(197
9)〕されている。
これらの安全性の問題のほかに、薬効・薬理について
も、近年の脂質代謝に関する研究、特に血清脂質の運搬
体である血清リポ蛋白の機能についての研究が進歩した
結果、血清中の脂質濃度低下能だけでなく、リポ蛋白に
対する作用が重要であると注目されるようになった。
血清コレステロールは、トリグリセライド(以下TGと称
する。)、総リン脂質(以下PLと称する。)、アポ蛋白
と共に、リポ蛋白を形成しているが、このリポ蛋白は比
重の差により超低比重リポ蛋白(以下VLDLと称す
る。)、低比重リポ蛋白(以下LDLと称する。)及び高
比重リポ蛋白(以下HDLと称する。)に分類される。こ
れらの中で、VLDL、LDLが動脈硬化を誘発するリポ蛋白
と考えられている。これに対し、HDLは末梢血管組織か
ら肝臓へのコレステロールの輸送、コレステロールエス
テルの生成、TGの異化への関与などの機能をもち、動脈
硬化を予防、退縮させる作用をもっているとされてい
る。
従って、今後の抗高脂血症剤の創製は、血清の総コレス
テロール(以下TCと称する。)を低下させる作用のほか
に、どのタイプのリポ蛋白のコレステロールに作用する
かが重視させる。特にLDL中のコレステロール(以下LDL
−Cと称する。)値を下げ、HDL中のコレステロール
(以下HDL−Cと称する。)値を上昇させる作用ととも
に、動脈硬化指数〔TC−HDL−C/HDL−Cの計算式より求
める。以下AIと称する。〕を低下させる作用を有する薬
剤が望まれている。
一方、ミミズは太古の昔より主として東洋諸国において
蚯蚓、地竜と称し、薬として用いられてきた。従来の文
献に報告されているミミズの薬理・薬効作用を下記に示
す。
「みみずと人生」大淵真龍著1947年(昭和22年)10
月30日、牧書房発行、第223〜226頁及び「復刻みみず」
畑井新喜司著1980年4月30日、株式会社サイエンテイス
ト社発行、第160〜163頁に、ミミズが膀胱内結石の縮小
作用剤及び体外への排出作用剤、黄疽の治療剤、分娩
剤、強壮剤、毛生薬、強精剤及び解熱剤の薬理作用を有
し、一方、ミミズ毒として、一つは神経系統を侵し、他
は赤血球の破壊即ち、溶血作用を有することを報告して
いる。
「中華人民共和国葯典」中華人民共和国衛生部葯典
委員会編、1977年版、一部第197〜198頁には、次のこと
が記載されている。慣習的に地竜製品には2種類があ
る。その一つの広地竜(Lumbricus Kwangtungesis)
は、腹部を裂いて内臓と泥砂を洗い流し、天日、日陰又
は低温で乾燥させたものである。他の土地竜(Lumbricu
s Nativus)は、草木灰の中に入れて殺したのち、灰を
とり去って天日、日陰又は低温で乾燥したものでミミズ
体内には泥土がつまっている。これらの2種の地竜は解
熱剤、ひきつけ治療剤、血行促進剤、半身不随治療剤、
関節鎮痛剤、排尿剤、気管支喘息剤及び高血圧症剤とし
て4.5〜9g/日 使用すると報告している。
「わたしたちの漢方薬シリーズ3、地竜・烏賊骨、
中国の科学研究」1978年10月30日、松浦薬業株式会社発
行、第7頁には地竜チンキ(地竜のエチルアルコール抽
出物)には降圧作用のあることを報告している。
「天然薬物事典」奥田拓男編、昭和61年4月15日、
廣川書店発行、第215頁には、地竜が下熱剤、鎮痛剤、
利尿剤及び解毒剤に利用されていることを報告してい
る。
田中護〔北海道医学雑誌第24巻、第18〜24頁(1949
年)〕は、蚯蚓乾燥細片物から泥土を除いたものを煮沸
水で抽出し、この抽出物の濃縮液にエチルアルコールを
添加して得た沈澱物質(Lumbrofebrin)をリンゲル氏液
に溶解し、この液を麻酔下の猫に静脈注射すると急激な
血圧降下をきたし、かつショックに比例して血液凝固の
促進が認められたと報告している。
居川賢二郎〔山口医学第9巻、第571〜576頁(1960
年)〕は地竜の生理食塩水の抽出液、地竜のエチルアル
コール又はアセトン抽出乾燥物を生理食塩水に溶解した
液を成熟家兎に静脈注射して血圧降下を認めた。
「中葯大辞典」下巻、江蘇新医学院編、1980年、上
海科学技術出版社発行、第2112頁には、広地竜チンキ、
蚯蚓乾燥粉末懸濁液、蚯蚓の熱水浸せき液、蚯蚓の煎じ
液等を麻酔下の犬、大きなネズミ、猫又は慢性腎性高血
圧のハツカネズミに投薬したら緩慢にして持続的な血圧
降下作用がみられた。麻酔下の犬又は猫に地竜エキスを
静脈注射したところ血圧降下作用が急速に現われた。た
だし、経口投薬したり、臨床への応用では効果がなかっ
たと報告している。更に、同誌第2114頁には濃度40%の
地竜チンキ(地竜40gを60度のエチルアルコール100mlに
浸せき)を毎回10ml、一日に3度〔即ち、地竜12g/日に
相当する(本発明者が換算)〕服用する。チンキを飲め
ない者は、純粋な地竜粉末に水を加えて丸薬(少量の賦
形剤を加える)をつくり、毎回3〜4g、一日に3度〔地
竜9〜12g/日に相当(本発明者が換算)〕服用し、30〜
60日間服用続けると本態性高血圧症に効果がある。又、
地竜B1液(HgCl2を用いてヒポキサンチンを除き、イオ
ン交換樹脂を用いて血圧降下成分を分離しとり出したも
の)を毎回2ml(生薬の地竜8gを含む)を一日に3度
〔地竜24g/日に相当(本発明者が換算)〕服用すると本
態性高血圧症に効果があったと報告している。
従来の慣習的なミミズの乾燥物又は乾燥粉末の製法は大
別すれば次のとおりである。
i ミミズの腹部を裂いて体内の内容物(内臓と泥土)
をとり去って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾
燥する方法。
ii ミミズを草木灰の中に入れて殺したのち、灰をとり
去って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾燥し、
ミミズ体内に泥土がつまったままのものを得る方法。
iii ミミズ体内の泥土をとり去ったのち、草木灰又は
火灰の中に入れて乾燥する方法。
などである。これらの乾燥物は必要時又は使用時に粉砕
して使用していた。これらの製法は簡易かつ経済的な方
法で、家庭でも安易に実行できる長所がある。然しなが
ら、これらの製法で得たミミズの乾燥物又は乾燥粉末は
0〜5℃の冷蔵庫内、又は5〜45℃の室温に開放状態で
貯蔵したとき約6ケ月以内、密閉状態で貯蔵したとき1
年以内の短期間内に黴が発生し、使用不可能となる欠点
がある。
前記iiの製法のように、体内に泥土がつまったまま乾燥
したミミズ、又はiiiの製法のように草木灰もしくは火
灰の中で乾燥したミミズは、薬として用いるときにはほ
とんどの場合、熱水で抽出又は煮沸水で煎じたのち過
し、液を服用することが多い。特に、iiの製法による
ミミズの乾燥物又は乾燥粉末は地竜チンキ又は粉末のま
まもしくは丸薬などにして服用することは稀である。i
の製法によるミミズは熱水浸せき液、煎じ液として服用
する他に、地竜チンキ又は地竜粉末のまま、もしくは、
粉末に少量の水もしくは少量の賦形剤を加えて丸薬とし
て服用することが多い。i及びiiiの製法によるとき、
生きミミズから水分10〜16%の乾燥ミミズの収率は5〜
9%,同じくiiの製法によるときの収率は13〜19%(本
発明者らの実測値)である。
最近、本発明者の一人である石井陽一は、ミミズの蛋白
質及び脂質を主成分とする健康食品又はその製造法〔日
本特許出願公開公報昭59−216572号(公開日1984年12月
6日)〕を報告した。この製法は、健康食品としてのミ
ミズ乾燥粉末を得るためには、一つのすぐれた方法であ
る。然し動脈硬化剤(別名、抗高脂血症剤)、糖尿病治
療剤などの薬用を目的としたミミズ乾燥粉末の製法とし
ては、薬効の点で十分でないことが判明した。すなわ
ち、生きミミズの生体内に残っているは排泄物を除去す
るために外的な作用を施すときには、糞土のみを選択的
に除去することができない。いくら注意深く操作して
も、薬効上、重要な役割をなす成分を多く含有する内臓
及び体液が、糞土と一緒に除去されるので薬効不足とな
ることがわかった。又、生きミミズに対する収率は10〜
19%と少ない。更に、大きな問題は、最終仕上げ工程の
真空乾燥を80℃、0.3トールの真空度で20時間以上の長
時間操作するために、薬理・薬効上、重要な作用をなす
ミミズ乾燥粉末中の酵素類が破壊又は失活することがわ
かった。従って、本発明の製法で得られたミミズ乾燥粉
末に比較すると、日本特許出願公開公報昭和59−216572
号で得たミミズ乾燥粉末の抗高脂血症剤の薬効は約50%
であった。
最近、本発明者の一人である美原恒とその他の共同研究
者等により、ミミズの線溶活性物質は至適pHが8〜10、
安定pHが5〜10、トラジロール(商標名)、トランサミ
ン(商標名)、大豆トリプシンインヒビター及び血清で
阻害され、プラスミノーゲン活性化作用及びフイブリン
溶解作用を有し、フイブリノーゲン溶解作用を有しない
諸性質を保有する酵素蛋白質であることが確認された。
ミミズからの水性溶媒の抽出法による粗製酵素蛋白質画
分と、その精製処理による精製酵素蛋白質画分からなる
線溶活性物質の製造法の出願特許即ち、日本特許出願公
開公報昭58−148824号(出願日1982年2月27日)と、こ
れの優先権主張による外国出願のアメリカ特許出願No.4
70394(出願日1983年2月28日)、イギリス特許出願No.
8305359(出願日1983年2月25日)、イタリア特許出願N
o.47795A(出願日1983年2月25日)、フランス特許出願
No.03165(出願日1983年2月25日)、西ドイツ特許出願
No.P3306944.1(出願日1983年2月28日)及びカナダ特
許出願No.422034(出願日1983年2月21日)が報告され
ている。
さらに、美原恒らによりミミズからの6種の新規なプロ
テアーゼの物質特許の出願、即ち日本特許出願公開公報
昭59−63184号(出願日、昭和57(1982)年10月2日)
及びこれらのプロテアーゼを有効成分とする血栓溶解剤
の特許出願即ち、日本特許出願公開公報昭59−184131号
(出願日、昭58(1983)年3月31日)と、これらの併合
出願の優先権主張の外国特許出願即ち、韓国特許出願第
2990号(出願日1983年6月30日)をはじめ次の特許出願
が報告〔AU.P.App.16293(出願日1983年6月27日)、C
A.P.App.431387(出願日1983年6月28日)、DK.P.App.3
008(出願日1983年6月29日)、EP.P.App.83106288.0
(出願日1983年6月28日)、ES.P.App.523754(出願日1
983年6月30日)、FI.P.App.832383(出願日1983年6月
29日)、NO.P.App.2399(出願日1983年6月30日)、PH.
P.App.29151(出願日1983年6月30日)、TW.P.App.7211
983(出願日1983年6月18日)、US.P.App.508163(出願
日1983年6月27日)〕されている。
本発明者等の調査結果では、ミミズの乾燥粉末を有効成
分とする抗高脂血症作用を報告した文献を見出すことが
できなかった。ましてや、ミミズ乾燥粉末が血清中のTC
低下作用を有すると共に血清中のLDL−Cを下げ、HDL−
Cを上げ、さらにAIを低下させる作用を有し、かつ肝肥
大、肝機能障害などの副作用のない安全性の高い薬剤で
あることを報告した文献は見出すことができなかった。
発明が解決しようとする問題点: 抗高脂血症剤は長時間の服用を行なうので、安全で副作
用がなく、すぐれた薬効の薬剤が必要である。その目的
達成の一つとして、本発明者らは天然物の生薬から副作
用のない安全性の高い抗高脂血症剤の創製を目的として
長年鋭意研究してきた。すなわち、すぐれた抗高脂血症
作用を有し、しかもLDL−Cを下げ、HDL−Cを上げると
共に、AIを低下させる作用を有しているのみならず、肝
肥大、肝機能障害などの副作用のない安全性の高い薬剤
を見出すことにあった。
更に、前記の先行文献に示すように、古典的な従来の技
術によるミミズの乾燥物の収率は生きミミズに対し5〜
19%と少ないばかりか、5〜45℃の室温に密閉状態で貯
蔵したときでも1年以内に黴が発生したり、又は変質
し、薬用として不適当となる。又は、ミミズ乾燥物中の
酵素が破壊又は失活しているなど抗高脂血症剤の薬効不
十分又は薬効不足もしくは副作用の欠点があった。従っ
て、本発明の製法ではミミズ乾燥物中の酵素は破壊又は
失活することがなく、かつ密閉状態で少なくとも4年間
貯蔵又は保管が可能な無菌ミミズの乾燥粉末を高い収率
で得るために詳細に研究した。
問題点を解決するための手段: 上記の問題点を解決するために、詳細に研究した結果、
次に示すミミズ乾燥粉末の新規でかつ進歩性のある改良
製法を確立した。
製法1.: 生きミミズを酢酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒
石酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、塩酸などの
無機酸またはこれらの酸のナトリウム又はカリウム塩の
少なくとも1種類の化合物を0.3(重量)%以下含有好
ましくは0.1(重量)%以下含有の低濃度又はpH3〜6.5
の微酸性の水溶液中(又は必要に応じて真水中)に、温
度1〜25℃にて0.5〜72時間、好ましくは温度2〜15
℃、1〜40時間、放置して生きミミズ自身が有する排泄
によって生きミミズの消化管内の糞土を十分排泄させた
のち、水で生きミミズの体表面に付着している汚物を洗
い落とし、湿式粉砕を行なった。湿式粉砕されたミミズ
の懸濁物を−5℃以下の低温、好ましくは−10〜−60℃
の低温で凍結したのち、次に凍結・真空乾燥を行なっ
た。凍結・真空乾燥の条件は温度−60〜+90℃、真空度
100mmHg以下、好ましくは−40〜+80℃で30mmHg以下の
真空度で温度を階段的に上げながら5〜100時間好まし
くは10〜60時間凍結・真空乾燥を行なって無菌のミミズ
の乾燥粉末を得た。
製法2.: 生きミミズの体表面に付着している汚物を水で洗い落と
したのち、酢酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石
酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、塩酸などの無
機酸又はこれらの酸のナトリウム又はカリウム塩の少な
くとも1種類の化合物を0.3(重量)%以下含有好まし
くは0.1(重量)%以下含有の低濃度又はpH3〜6.5の微
酸性の水溶液中(又は必要に応じて真水中)に、温度1
〜25℃にて0.5〜72時間好ましくは温度2〜15℃にて1
〜40時間、放置して生きミミズ自身が有する排泄力によ
って生きミミズの消化管内の糞土を十分排泄させたの
ち、湿式粉砕を行なった。湿式粉砕されたミミズの懸濁
液を−5℃以下の低温、好ましくは−10〜−60℃の低温
で凍結したのち、次に凍結・真空乾燥を行なった。この
凍結・真空乾燥の条件は温度−60〜+90℃、真空度100m
mHg以下、好ましくは−40〜+80℃、30mmHg以下の真空
度で温度を階段的に上げながら5〜100時間好ましくは1
0〜60時間凍結・真空乾燥を行なって無菌のミミズの乾
燥粉末を得た。
ミミズの湿式粉砕方法、即ち、ミミズの組織(細胞)破
壊方法としては、ホモジナイザー、ブレンダー、ホモミ
キサー、擂潰機、加圧型細胞破壊装置の機器を利用して
懸濁液又は均質液とすることが好ましい。この湿式粉砕
時の温度は1〜25℃好ましくは2〜15℃が望ましい。
前記の操作により生きたミミズから黄褐色又は褐色のミ
ミズ乾燥粉末を収率20〜35%で得ることができた。通常
の場合、このミミズ乾燥粉末の水分は5〜16%好ましく
は7〜14%、灰分は3〜8%好ましくは4〜7%、窒素
は1〜11%好ましくは6〜11%含有するように調製し
た。又、ミミズ乾燥粉末中にはアスパラギン酸、スレオ
ニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、ア
ラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシ
ン、ロイシン、チロシン、フエニルアラニン、トリプト
フアン、リジン、ヒスチジン、アルギニンの18種又はそ
れ前後のアミノ酸を含有する。
試験例1. 前記の製法1及び2の方法で得たミミズ乾燥粉末の粗分
析結果を表−1に示す。
尚、上記「窒素%」欄の各値を、水分を除去した固形分
に対して換算すると、各々10.5%(M−1)、9.6%
(M−2)、10.3%(M−3)、10.7%(M−4)、8.
6%(M−5)、9.3%(M−6)となる。
試験例2. 製法1の方法で得たミミズ乾燥粉末製品のM−2とM−
4及び製法2の方法で得たミミズ乾燥粉末製品M−5の
成分分析結果を表−2に示す。
尚、上記「窒素%」欄の各値を、水分を除去した固形分
に対して換算すると、各々60.0%(M−2)、67.1%
(M−4)、53.9%(M−5)となる。
試験例3. 製法1の方法で得たM−2とM−4及び製法2の方法で
得たM−5のミミズ乾燥粉末製品中の粗蛋白質のアミノ
酸分析をおこない、蛋白食品のフイシユミール及び大豆
粉の分析値と比較した結果を表−3に示した。
表−2および表−3より、製法1及び2の方法により得
たミミズ乾燥粉末中には粗蛋白質、粗脂質及び各種金属
類が豊富に含有していることがわかり、又、粗蛋白質中
のアミノ酸組成では必須アミノ酸を多量に含有している
ことがわかった。
前記製法1の方が、製法2で得られたミミズ乾燥粉末よ
りも、若干好ましい製品が得られた。又、前記の有機酸
又は無機酸又はこれらの両酸のナトリウム又はカリウム
塩の少なくとも1種類の化合物を上記のような低濃度に
含む水溶液中に生きミミズを放置した方が、真水中に放
置するよりも生きミミズの消化管内の糞土の排泄が早
く、かつ、排泄率が大きい。
美原恒ら〔日本特許出願公開公報昭59−63184号及び昭5
9−184131号〕は、ミミズから線溶酵素の6種の新規プ
ロテアーゼを分画した。即ち、美原恒らは、ミミズ乾燥
粉末に10倍量の生理的食塩水を加えて2日間のインキユ
ベーシヨン(Incubation)を行なった上清液について硫
安分画を行なったのち、その沈渣をSephacryl S−200に
よるゲル過を行ない、得られた蛋白分画についてDEAE
−セルロースイオン交換クロマトグラフイーを行なった
結果、カゼイン分解とフイブリン分解活性を有するI、
II、III分画の蛋白を得た。このI、II、IIIの分画につ
いて更にDEAE−セルロース、Sephadex G−75、トヨパー
ルHW55、ACH−Sepharose、Benzamidine−Sepharoseなど
による精製処理を行なった結果、6分画の精製酵素を得
た。SDS−PAGEで分子量を測定すると分画1−0の分子
量が一番低く、23,500と計算され、その後、順次にI−
1、I−2、II、III−1、III−2と分子量が増加し、
III−2は分子量34,200であった。また等電点電気泳動
でこの6分画の等電点を測定するとI−0が最も高く、
pH4.12であり、その後、順次pHは低くなり、III−2でp
H3.52であった。これらの6分画はセリン酵素とも異な
る新しい蛋白分解酵素であり、また、これらの6分画の
蛋白分解酵素の至適pHは8付近またはpH8〜10、安定pH
は4〜12または5〜12、至適温度50℃または50〜60℃、
失活条件は70℃で60分間であったと報告している。
前記の製法1及び2で得たミミズの乾燥粉末製品M−4
及びM−5に10倍量の生理的食塩水を加え、その上清を
標準フイブリン平板で測定すると、表−4に示すよう
に、直ぐに線溶活性が認められた。このM−4のミミズ
乾燥粉末の生理的食塩水溶液を37℃でインキユベートし
ておくと、表−4に示すようにその上清の線溶活性は10
日間で約4倍となり、50日目で5倍、75日目で5.5倍と
なる。この事実は、ミミズの凍結乾燥粉末中にはこの蛋
白分解酵素の前駆物質が大量に存在し、自己消化により
酵素活性の発現があるものと考えられる。この50日目の
上清の活性をウロキナーゼの国際単位に換算して比較す
ると約8,000IU/mlと計算された。また、この酵素はプラ
スミノゲン・フリーフイブリン平板、標準フイブリン平
板とも溶解し、標準フイブリン平板の方がプラスミノゲ
ン・フリー平板に比較して溶解窓が大きく、フイブリン
を直接分解する酵素活性とともに、プラスミノゲン・ア
クチベータ活性も示された。
前記操作においてM−4の代りにM−5のミミズ乾燥粉
末を用い測定した結果は、表−4と同一結果が得られ
た。
本発明の製法で得たミミズ乾燥粉末をラツト及びヒトへ
経口投与することにより抗高脂血症効果を示す理由につ
いての詳細は不明であるが、ミミズ乾燥粉末中に含有さ
れている蛋白分解酵素(蛋白質)自体又は、この酵素の
前駆物質(蛋白質)自体もしくは蛋白質又は脂質物質も
しくはその他の未知化合物自体又はこれらの併合の作用
によるものと考えられる。抗高脂血症剤として最も好ま
しい本発明のミミズ乾燥粉末の窒素含量は7〜10%(水
分を除去した固形分に対して7.7〜11%)、即ち粗蛋白
含量43.8〜62.5%(水分を除去した固形分に対して48〜
70%)のものである。
次に前記の製法1及び2の方法で得たミミズの湿式粉砕
によるミミズ懸濁液の凍結・真空乾燥操作の好ましい具
体例を示すと次のとおりである。
ミミズの湿式粉砕物すなわち、ミミズの懸濁液を−10〜
−60℃好ましくは−30〜−50℃で5〜60時間凍結したの
ち、同温度で0.01〜0.2mmHgの真空下、5〜12時間の凍
結乾燥する。次に20〜20℃で5〜15時間、0.01〜0.2mmH
gの真空下で乾燥する。次に35〜50℃、0.1〜0.5mmHgの
真空下で10〜20時間乾燥する。次に最終工程の真空乾燥
は0.01〜0.5mmHgの真空下、70〜80℃好ましくは75〜80
℃で5〜10時間真空乾燥すると無菌で且つ水分5〜15%
含有のミミズ乾燥粉末を得ることができた。特に最終仕
上げの真空乾燥が重要操作である。ミミズ乾燥粉末中に
含まれる蛋白分解酵素及びその酵素の前駆物質の活性を
失活させることがなく、ミミズの乾燥粉末を無菌状態に
仕上げるために、本発明者は詳細に研究した結果、凍結
・真空乾燥の最終工程の真空乾燥条件の真空度、加温温
度、時間の3要素の組合わせが重要条件であることを見
出し、前記の運転条件を確立した。
前記に示すように、ミミズ乾燥粉末からの精製蛋白分解
酵素の6種共(日本特許出願公開公報昭59−63184号及
び昭59−184131号)70℃、60分間で失活することが報告
されているが、本発明の製法で得たミミズ乾燥粉末中の
蛋白分解酵素は表−4に示すように失活されていない。
製法1及び2の方法で得たミミズ乾燥粉末は、5〜45℃
の室温に密閉状態で5年間、保存した例では、黴の発生
その他の物性及び化学的な変質は全く認められなかっ
た。
本発明において使用するミミズはアカミミズ(Lumbricu
s rubellus)、LTミミズ(別名ツリミミズ)(Lumbricu
s terrestris)、ツマミミズ(Eisenia foetida)、カ
ッショクツリミミズ(Allolobophora caliginosa)、ム
ラサキツリミミズ(Dendrobaena octaedra)、サクラミ
ミズ(Allolobophora japonica Michaelsen)、ハッタ
ミミズ(Drawida hattamimizu Hatai)セグロミミズ(P
heretima divergens Michaelsen)、フツウミミズ(Phe
retima communissima)、ハタケミミズ(Pheretima agr
estis)、シーボルトミミズ(Pheretima sieboldi Hors
t)、ヒトツモンミミズ(Pheretima hilgendorti)、イ
ソミミズ(Pontod−rilus matsushimensis Iizuka)、
イトミミズ(Tubifex hattai Nomura)、コドウイトミ
ミズ(別名:ユリミミズ)〔Limmodrilus gotoi Hatai
=L,socialis Stephenson〕などであり、通常生育し、
かつ有毒でないミミズならいずれのミミズでも利用でき
る。
本発明のミミズ乾燥粉末は臨床治療用として投与すると
きの形態は経口剤又は非経口剤のいずれでもよいが、特
に経口投与が好ましい。本発明品の経口用の剤形として
は、本発明品自体又は適宜な薬理的に許容される医薬担
体と混合してカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤(粉
剤)、コーテイング剤、糖衣剤、乳剤などの薬剤が用い
られる。医薬担体としては、例えば、賦形剤として乳
糖、白糖、マニトール、ブドウ糖、デン粉、ソルビトー
ル、グリシン、リン酸カルシウム、微結晶セルロースな
ど;結合剤としてデン粉、ゼラチン、アラビアゴム、ブ
ドウ糖、白糖、ソルビトール、マニトール、トラガン
ト、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロポ
キシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
2−メチル−5−ビニルピリジン−メタアクリル酸−ア
クリル酸メチルエチル共重合体、ポリビニルピロリド
ン、アルギン酸ナトリウムなど;滑沢剤としてステアリ
ン酸、硬化油、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ポリオキシエチレンモノステアレート、
タルク、酸化ケイ素、ポリエチレングリコールなど;崩
壊剤としてバレイシヨデン粉,界面活性剤などを含むデ
ン粉;湿潤剤としてラウリル硫酸ナトリウムなどがあげ
られる。更に非経口的に投与する場合には坐剤として用
いることができる。特に坐剤の基剤としてカカオ脂、ウ
イテプソール(Witepsol)、サバナール(Subanal)、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
グリセロゼラチン、ゼラチンカプセルなどが用いられ
る。その他、メチルパラヒドロキシベンゾエート、プロ
ピルパラヒドロキシベンゾエート、ブチルパラヒドロキ
シベンゾエート、ブチルヒドロキシアニソールなどの公
知の安全な防腐剤、その他の安全な色素を配合して用い
る。
本発明の抗高脂血症剤のミミズ乾燥粉末の投与量は、投
与方法、患者の年齢、体重、状態及び疾患の種類によっ
ても変動するが、通常ヒトに一日当り0.01gから5g程度
が好ましい。最も好ましいのは一日当り0.02gから2gで
一日1〜3回に分けて投薬することである。
作用: 本発明のミミズ乾燥粉末の毒性及び抗高脂血症の薬理試
験法とその結果について、以下、詳細に説明する。
A. 急性毒性試験: 体重30±2gのddy系雄マウス及び体重100±2gのウイスタ
ー(Wistar)系雄ラツト各一群5匹を用いて経口投与で
の急性毒性試験を行なった。本発明のミミズ乾燥粉末M
−1(水分10.2%、灰分5.1%、窒素9.4%含有);同M
−2(水分10.4%、灰分5.3%、窒素8.6%含有);同M
−3(水分10.7%、灰分5.2%、窒素9.2%含有);同M
−4(水分10.6%、灰分5.6%、窒素9.6%含有);同M
−5(水分9.5%、灰分4.5%、窒素7.8%含有);同M
−6(水分9.2%、灰分4.7%、窒素8.4%含有)の6種
及び薬物の対照薬として用いたγ−オリザノール及びソ
イステロールのそれぞれの服用量を0.1g/Kgから8g/Kgに
増加して、前記のマウス(0.1から5g/Kg)及びラツト
(2から8g/Kg)に咽喉さぐり棒で強制投与によって個
々に投薬した。試験期間中動物は動物室温度22〜23℃に
維持し、投薬後14日間観察した。投薬された服用量での
死亡は全く認められなかった。投薬後の中毒症及び行動
を経時的に観察したが、正常動物群と何等の相違は認め
られなかった。又、体重増加も正常動物群とほとんど差
がなかった。試験後に実施した検視において主要器管の
いかなる部分にも何等巨視的障害は認められなかった。
従って、本発明のミミズ乾燥粉末は非常に低い毒性のた
めにLD50値を決定することができなかった。
B. 実験的高脂血症ラツトに対する作用 薬理試験1: 1) 動物:体重100±1gのWistar系雄性ラツト1群8
匹を用いた。
2) 飼料:日本クレア社製粉末飼料(CE−2)にコレ
ステロール1wt %及びコール酸0.5wt %を添加し、よく
混合したものをコレステロール食飼料とした。このコレ
ステロール食飼料に本発明のミミズ乾燥粉末の2種〔M
−2(水分10.4%、灰分5.3%、窒素8.6%含有)とM−
5(水分9.5%、灰分4.5%、窒素7.8%含有)〕をそれ
ぞれ2%混和し被験薬飼料とした。
3) 飼育条件:1ケージにラツト一匹を入れ、各飼料及
び水は自由摂取とした。温度23±1℃及び湿度55±5%
の恒温恒湿で7日間飼育した。7日間に水以外は一夜絶
食したラツトをペントバルビタールナトリウム〔商品
名:ネンブタール(Nembutal)〕を用いた麻酔下で腹部
下行大動脈より採血し、冷却遠心分離により血清を得
た。血清中のTC、遊離コレステロール(FCと称す
る。)、LDL−C、HDL−Cを東芝TBA−480自動分析装置
と和光純薬工業株式会社より市販されている各TA480Tes
t試験を用いて定量した。AIは前記により計算した。
4) 結 果 結果を表−5に示した。
本発明のミミズ乾燥粉末を2%添加した群は、血清中の
TC、FC、LDL−C及びAIが有意に低下したが、HDL−Cは
一定で有意な変化がなかった。
即ち、本発明のミミズの乾燥粉末はすぐれた抗高脂血症
効果を有することがわかった。
薬理試験2: 1) 動物:体重105±1gのSprague−Dawley(以下SDと
称する。)系雄性ラツト一群8匹を用いた。
2) 飼料:薬理試験2におけるコレステロール食の成
分は表−6に示した。
この表−6の成分をよく混合し、コレステロール食飼料
とした。被験薬群の飼料は、このコレステロール食飼料
に本発明品のミミズ乾燥粉末M−3(水分10.7%、灰分
5.2%、窒素9.2%)を0.25wt %、同じM−1(水分10.
2%、灰分5.1%、窒素9.4%)を0.5wt %及び対照薬の
γ−オリザノール(商品名:ハイゼツト細粒)又はソイ
ステロール(商品名:モリステロール細粒)を0.5及び
/又は1wt %をそれぞれよく混和し飼料とした。
3) 飼育条件:1ケージにラツト2匹を入れ、飼料及び
水は自由摂取とした。温度23±1℃及び湿度55±5%の
恒温恒湿で4週間飼育した。4週目に水以外は一夜絶食
したラツトをペントバルビタールナトリウム〔商品名:
ネンブタール(Nembutal)〕を用いた麻酔下で腹部下行
大動脈より採血し、冷却遠心分離により血清を得た。
血清中のTC、FC、TG、PL、遊離脂肪酸(以下NEFAと称す
る。)、HDL−C、AI、グルタミン酸オキサロ酢酸トラ
ンスアミナーゼ(以下GOTと称する。)及びグルタミン
酸ピルビン酸トランスアミネーザ(以下GPTと称す
る。)を東芝TBA−480自動分析装置と和光純薬工業株式
会社より市販されている各TA480Test試薬を用いて定量
かつ計算した。肝臓中の脂質はFolch法により抽出し、
この肝臓脂質中のTC、TG及びPLは前記と同じ方法により
定量した。
4) 結 果:γ−オリザノール及びソイステロールを
対照薬として本発明品の実験的高脂血症ラツトに対する
効果を表−7に示した。本発明品を0.25及び0.5%混合
した飼料の場合、コレステロール食群に比べいずれも血
清中のTC、FC、PL、NEFAを統計学的に有意に低下させ
た。TGは低下傾向を示したが、有意な低下は認められな
かった。
γ−オリザノールを0.5及び1%混合した場合、NEFAを
有意に低下させる以外はTC、FC、TG及びPLの値の有意な
低下は認められなかった。この点、対照薬のソイステロ
ールの1%混合のときにはTC、FC、PLは有意に低下させ
るが、TG及びNEFAの値はコレステロール食群とほぼ同じ
値であった。
HDL−Cは前記に示すように動脈硬化を改善する因子と
されており、この数値の増加は、抗高脂血症剤として有
用な性質であることが多くの基礎並びに臨床の研究者に
よって明らかにされている。本発明品添加群は、表−7
に示すようにコレステロール食群に比べ統計学的に有意
にHDL−Cを増加させることが確認された。一方、対照
薬のγ−オリザノールでは増加作用が認められなかっ
た。然し、ソイステロールでは有意な増加が認められ
た。
AIを低下させる作用は、抗高脂血症剤の作用として有用
なことは前記したが、本発明品及び対照薬ソイステロー
ルの添加群では有意に低下させることが確認された。然
し、対照薬のγ−オリザノールは低下傾向を示したが有
意な低下ではなかった。
前記のように市販されている抗高脂血症剤の中には副作
用として肝障害を発生するものがある。従って、長期連
用の際には問題となってくる。肝臓に及ぼす影響を調べ
るため血清中のGOT、GPTを測定した。一般的に、これら
の検査値の上昇は肝機能障害を示唆することが知られて
いる。本発明品添加群はコレステロール食群に比べGOT
及びGPT共に有意な低下を示した。一方、対照薬のγ−
オリザノールの0.5%添加群では有意ではないが、明ら
かな上昇傾向を示し、1%添加群ではGOT及びGPT共に有
意な上昇を示した。その点、対照薬のソイステトール1
%添加群は、コレステロール食群よりもGOT及びGPT共に
低い値を示したが、有意な低下ではなかった。
肝臓の重量は、本発明品添加群はコレステロール食群よ
りも有意な低下を示すが、対照薬のγ−オリザノール及
びソイステロール添加群ではコレステロール食群とほと
んど差異が認められなかった。
肝脂質中のTCは、本発明品及び両対照薬の添加群共に、
コレステロール食群に対し有意な低下を示した。
肝脂質中のTGは、本発明品及び両対照薬の添加群共に、
僅かな低下傾向を示すが、本質的な変化は認められなか
った。
肝脂質中のPLは、本発明品添加群はコレステロール食群
に対し有意な低下を示したが、両対照薬の添加群は変化
が認められなかった。
ラツトの体重については、本発明品及び両対照薬の添加
群共に順調に増量し、有意な変化が認められなかった。
C. ミミズ乾燥粉末のヒトの抗高脂血症に対する経口投
与実験: 本発明に賛同を得た4人のボランテイア(Volunteer)
に対し、後述の実施例10で製造したカプセル剤D〔1剤
中にミミズ乾燥粉末(前記のM−2、水分10.4%、灰分
5.3%、窒素8.6%含有)150mg含有〕を1回1剤1日3
回を食後30分以内の経口服用とした。血清脂質の測定は
原則として薬剤服用後3〜4ケ月毎とし、服用期間6〜
7ケ月間、早朝空腹時に採血して血清中のTC、TG、HDL
−C及びAIを測定した。測定法は前記と同じ和光純薬株
式会社市販のキツトを用いた。この結果は表−8に示し
た。
この4人のボランテイアに本発明のミミズ乾燥粉末の投
与実験を行なった地方住民健康人の血清脂質の標準値
(mg/dl)は、TC130〜230、TG50〜170、HDL−C35〜60で
ある。表−8に示すように、投与前の4人全員のTC値
は、いずれも標準値を越えていた。TG及びHDL−C値は
標準値内であった。
表−8の結果は、僅か4人へのミミズ乾燥粉末の経口投
与実験結果であったが、投与前のTC238〜280mg/dlの値
は、投与3〜4ケ月後に194〜220mg/dlとなり、標準値
範囲内まで低下し、6〜7ケ月後では174〜209mg/dlと
顕著に低下した。AIは、投与3〜4ケ月後から明らかに
低下し、6〜7ケ月後にはTCの低下と共に、顕著に低下
した。
一方、HDL−Cは、ほぼ一定で変化がとぼしいが6〜7
ケ月後には僅かながら明らかな上昇傾向が認められた。
TGは、3〜4ケ月後から低下傾向が観察され、6〜7ケ
月後では明らかな低下が認められた。
このヒトへの経口投与実験結果は、実験的高脂血症ラツ
トへの投与実験結果と同じように、TC及びAIが顕著に低
下し、HDL−Cも僅かながら上昇することが認められ
た。然しながら、実験的高脂血症ラツトへの投与実験で
は、TGの有意な低下は認められなかったが、ヒトへの経
口投与実験においては6乃至7ケ月後に明らかな低下が
認められた。このことは注目すべき結果と考えられる。
このミミズ乾燥粉末のヒトへの経口投与実験は、安全
に、かつ副作用が発生することなく、無事に終了するこ
とができた。たとえば、6〜7ケ月間の長期投与におい
ても、血中糖量(以下血糖と称する。)が標準値(60〜
110mg/dl)の下限値以下まで降下した低血糖の危険発生
は皆無であった。表−8からわかるように、ミミズ乾燥
粉末は、合成有機化合物薬剤のように比較的短期間内
に、かつ急速に目的達成できる抗高脂血症剤ではないよ
うである。すなわち、比較的長期間の連用投薬を必要と
する緩和作用型の抗高脂血症剤であると考えられる。然
しヒトへ経口投与した3〜4ケ月後以後からTC、AIが明
らかに低下し、HDL−Cは6〜7ケ月後に僅かながら上
昇傾向を示し、TGも6〜7ケ月後に明らかな低下が認め
られた。
本発明のミミズ乾燥粉末の対象患者には、年令別の制限
は特にない。本発明品は萬能型であるが、好ましい対象
患者は中・高年者の患者である。上記の結果により本発
明のミミズ乾燥粉末は安全で、かつすぐれた抗高脂血症
治療・予防剤であることがわかった。
実施例1. 錠剤A ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−3と同じ) 150mg マニトール 123 ヒドロキシプロポキシメチルセルロース 7 タルク 5 微結晶セルロース 60 水素化ヒマシ油 計350mg 錠剤B ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−3と同じ) 150mg トウモロコシデン粉 60 乳 糖 80 タルク 7 ステアリン酸マグネシウム 計300mg 錠剤C ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−3と同じ) 150mg 可溶性デン粉 20 トウモロコシデン粉 125 微結晶セルロース 45 酸化ケイ素 6 ステアリン酸マグネシウム 計350mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機によ
り、各種重量の錠剤を製造した。
実施例2. 顆粒剤A ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−2と同じ) 150mg 乳 糖 20 微結晶セルロース 60 トウモロコシデン粉 15 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方に従い流動層造粒装置を用い、ミミズの乾燥粉
末、乳糖、微結晶セルロース及びトウモロコシデン粉を
よく混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの5%水溶
液を結合剤として噴霧し、低温乾燥後顆粒とした。
実施例3. 顆粒剤B ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−2と同じ) 100 mg マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬化油 1.5 計200.0mg 顆粒剤C ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−2と同じ) 150 乳 糖 53 トウモロコシデン粉 39 バレイシヨデン粉 2 タルク 3 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方に従い、よく混合した粉末を押出機で顆粒剤を
製造した。
実施例4. カプセル剤A ミミズの乾燥粉末(成分はM−2と同じ) 150mg 乳 糖 28 微結晶セルロース 47 マニトール 10 トウモロコシデン粉 10 ポリビニルピロリドン 2 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方の内、ヒドロキシプロピルセルロース以外の成
分を流動層造粒装置を用いてよく混合したのち、ヒドロ
キシプロピルセルロースの5%水溶液を結合剤として噴
霧し、低温乾燥後顆粒とした。この顆粒を硬カプセルに
250mgずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例5. カプセル剤B 実施例3により製造した顆粒剤Cを硬カプセルに250mg
ずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例6. カプセル剤C ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−3と同じ) 150mg リン酸−水素カルシウム 60 リン酸−水素ナトリウム 10 マニトール 28 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合し、この混合粉末をNo.1の
ゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製
造した。
実施例7. 腸溶錠剤 ミミズ乾燥粉末(成分は前記M−1と同じ) 100 mg マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬化油 1.5 計200.0mg 上記の処方に従い、均一に混合した粉末を打錠機にて素
錠を製造したのち、次に示す腸溶剤皮のコーテイング剤
でコーテイングし、腸溶錠剤を製造した。
コーテイング剤 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 14.8mg ジオクチルフタレート 2.3 ステアリン酸 2.3 軽質酸化ケイ素 0.6 計22.0mg 実施例8. 散剤 A ミミズ乾燥粉末(成分は前記M−4と同じ) 150mg マニトール 50 トウモロコシデン粉 50 計250mg 散剤 B ミミズ乾燥粉末(成分は前記M−4と同じ) 150mg リン酸−水素カルシウム 20 トウモロコシデン粉 80 計250mg 上記成分をそれぞれ円錐混合機中で均一によく混合して
散剤とした。
実施例9. 坐剤 A ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−5と同じ) 200mg ウイテツプソール(Witepsol)E−85 540 ウイテツプソール( 〃 )W−35 1,454 メチルパラヒドロキシベンゾエート 3 ブチルパラヒドロキシベンゾエート 計2,200mg 坐剤 B ミミズの乾燥粉末(成分は前記M−6と同じ) 200mg ブチルヒドロキシアニソール 6 半合成グリセリド 2,900 計3,106mg 上記処方したものをそれぞれよく混合した熔融物をアル
ミニウム製の型に注入し、冷却して坐剤を製造した。
実施例10. カプセル剤D ミミズ乾燥粉末(成分は前記M−2と同じ) 150mg ラウリル硫酸ナトリウム 4 リン酸−水素ナトリウム 1 マニトール 93 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をNo.1
のゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を
製造した。
実施例11 水で軽く洗浄した生きミミズ(アカミミズ)1Kg(約2
万匹)を、リンゴ酸とクエン酸の1:1の混合酸を溶存す
るpH6.2の酸性水溶液4中に温度8℃で3時間放置
し、消化管内の糞土を十分に排泄させたのち、生きミミ
ズを水でよく洗浄して生きミミズの体表面に付着してい
る泥、糞などの汚物を洗い落とす。
次にミキサーにかけて湿式粉砕する。得られたミミズの
懸濁液をトレーに入れ−30℃で40時間凍結したのち、品
温−40℃で0.1mmHgの真空下、6時間凍結乾燥し、次に
トレーの乗せている棚温を30℃に上げ0.1mmHgの真空
下、6時間真空乾燥したのち、次に棚温を50℃に上げ、
0.2mmHgの真空下10時間真空乾燥し、次に棚温を80℃に
上げ、0.2mmHgの真空下で8時間乾燥することによりミ
ミズの乾燥粉末製品(M−1)を280g得た。
実施例12 水で軽く洗浄した生きミミズ(アカミミズ)1Kgを、リ
ン酸、酒石酸および乳酸1:1:1の混合酸を含むpH5.5の酸
性水溶液3中に温度10℃で2.5時間放置して消化管内
の糞土を十分に排泄させたのち、生きミミズを水でよく
洗浄して生きミミズの体表面に付着している泥、糞など
の汚物を洗い落とす。
次にミキサーで湿式粉砕する。得られたミミズの懸濁液
をトレーに入れ、−25℃で20時間凍結したのち、品温を
−35℃に下げ、0.1mmHgの真空下で7時間凍結乾燥し、
次にトレーの乗せている棚温を28℃に上げ、0.1mmHgの
真空下で10時間真空乾燥し、次に40℃で0.2mmHgの真空
下、13時間真空乾燥し、次に78℃で0.1mmHgの真空下で
8時間乾燥することによりミミズ乾燥粉末製品(M−
2)を275g得た。
実施例13 水で軽く洗浄した生きミミズ(アカミミズ)1Kgを、リ
ンゴ酸を溶解したpH5.8の酸性水溶液2中に温度13℃
で3時間放置し、消化管内の糞土を十分に排泄させる。
生きミミズを水でよく洗浄して生きミミズの体表面に付
着している泥、糞などの汚物を洗い落とす。次にウルト
ラホモミキサー(日本精機株式会社製)で湿式粉砕す
る。得られたミミズの懸濁液をトレーに入れ−30℃で30
時間凍結したのち、品温−30℃で0.1mmHgの真空下、8
時間凍結乾燥し、次にトレーの乗せている棚温を25℃に
上げ0.1mmHgの真空下で7時間真空乾燥し、次に棚温を4
5℃に上げ0.1mmHgの真空下で12時間真空乾燥し、次に棚
温を80℃に上げ0.1mmHgの真空下で7時間乾燥すること
によりミミズ乾燥粉末製品(M−4)275gを得た。
実施例14 水で軽く洗浄した生きミミズ(アカミミズ)1Kgを、真
水3中に温度10℃で16時間放置して消化管内の糞土を
排泄させる。生きミミズを水でよく洗浄して生きミミズ
の体表面に付着している泥、糞などの汚物を洗い落と
す。次にウルトラホモミキサーで湿式粉砕する。得られ
たミミズの懸濁液をトレーに入れ−25℃で15時間凍結す
る。次に品温を−35℃に下げ0.1mmHgの真空下で6時間
凍結乾燥し、次に30℃で0.08mmHgの真空下で10時間乾燥
したのち、次に40℃で0.2mmHgの真空下、15時間乾燥
し、次に78℃で0.1mmHgの真空下で8時間乾燥すること
によりミミズ乾燥粉末製品(M−3)を245g得た。
実施例15 生きミミズ(アカミミズ)1Kgの体表面に付着する泥、
ワラなどの汚物を水で5回よく洗浄して洗い落とす。次
に、この生きミミズを真水2.5中に温度15℃で18時間
放置して消化管内の糞土を排泄させる。次に生きミミズ
を軽く洗ったのち、ウルトラホモミキサーで湿式粉砕す
る。得られたミミズの懸濁液をトレーに入れ−40℃で24
時間凍結する。次に品温を−40℃で0.1mmHgの真空下で
5時間凍結乾燥し、次に25℃で0.1mmHgの真空下で8時
間乾燥しこのち、次に45℃で0.1mmHgの真空下で12時間
乾燥し、次に80℃で0.1mmHgの真空下で7時間乾燥する
ことによりミミズ乾燥粉末製品(M−5)を240g得た。
実施例16 生きミミズ(アカミミズ)1Kgの体表面に付着する泥、
糞などの汚物を水で4回よく洗浄して洗い落とす。次
に、この生きミミズをリンゴ酸と乳酸1:1の混合酸を溶
解させたpH5.7の酸性水溶液2.5中に温度15℃で2.5時
間放置して消化管内の糞土を排泄させる。次に生きミミ
ズを軽く洗浄したのち、ミキサーで湿式粉砕する。得ら
れたミミズの懸濁液をトレーに入れ−35℃で24時間凍結
する。次に品温−35℃で0.1mmHgの真空下、7時間凍結
乾燥し、次にトレーの乗せている棚温を22℃に上げ0.1m
mHgの真空下、10時間真空乾燥したのち、次に棚温を42
℃に上げ0.2mmHgの真空下15時間乾燥し、最後に棚温を7
8℃に上げ0.1mmHgの真空下で7時間乾燥することにより
ミミズの乾燥粉末製品(M−6)265gを得た。
実施例17 クエン酸を溶解したpH6.0の酸性水溶液2.5中にリン酸
二水素カリウム1.5gを溶解し、これに水で軽く洗浄した
生きミミズ(フトミミズ)1Kgを入れ、10℃で2時間放
置して消化管内の糞土を排泄させる。次に生きミミズを
水で2回洗浄し、生きミミズの体表面に付着する泥、
糞、わらなどの汚物を洗い落とす。次にミキサーで湿式
粉砕する。その後は得られたミミズの懸濁液を実施例15
に記載と同じ方法で凍結、真空乾燥することによりミミ
ズの乾燥粉末280gを得た。
実施例18 生きミミズ(ツリミミズ)1Kgの体表面に付着する泥、
糞、わらなどの汚物を水で5回よく洗浄して洗い落と
す。次に、この生きミミズをコハク酸を溶解したpH5.7
の酸性水溶液3(この中に酢酸ナトリウム1gと硫酸ナ
トリウム0.5gを溶存する。)中に13℃で2.5時間放置し
て消化管内の糞土を排泄させる。
次に、生きミミズを水で軽く洗浄したのち、ホモジナイ
ザーで湿式粉砕する。その後は、得られたミミズの懸濁
液を実施例16に記載と同じ方法で凍結、真空乾燥するこ
とによりミミズ乾燥粉末275gを得た。
実施例19 生きミミズ(フトミミズ)1Kgの体表面に付着する泥、
糞、わらなどの汚物を水で5回よく洗浄して洗い落と
す。次にこの生きミミズをクエン酸と酒石酸1:1の混合
酸を溶解したpH5.9の酸性水溶液2.5(この中にクエン
酸カリウム0.7gを溶存する。)中に15℃で2時間放置し
て消化管内の糞土を排泄させる。次に、生きミミズを水
で軽く洗浄したのち、ブレンダーで湿式粉砕する。その
後は得られたミミズの懸濁液を実施例16に記載と同じ方
法で凍結、真空乾燥することによりミミズ乾燥粉末283g
を得た。
発明の効果: 上記に述べたように、本発明はすぐれた抗高脂血症効果
を有するミミズ乾燥粉末の製造法に関する。本発明の方
法で得たミミズ乾燥粉末を混和した高コレステロール食
でラツトを1週間及び4週間飼育した実験により、本発
明の製法で得たミミズ乾燥粉末はすぐれた抗高脂血症効
果を有することがわかった。
1週間の混餌実験では、コレステロール食群に比べ、血
清中のTC、FC、LDL−C及びAIは有意に低下するが、HDL
−Cは有意な変化がなかった。4週間混餌実験ではコレ
ステロール食群に比べ血清中のTC、FC、PL及びNEFAを有
意に低下させた。
更に、動脈硬化改善因子とされているHDL−Cを有意に
上昇させると共に、AIを有意に低下させることが確認さ
れた。TGは低下傾向を示すが有意な低下ではなかった。
又、GOT及びGPTを有意に低下させた。
肝臓の重量及び肝脂質中のTCとPLは有意に低下させる
が、TGはほとんど変化がなかった。又、ラツトの体重
は、順調に増量し、有意な変動は認められなかった。
ミミズ乾燥粉末のカプセル剤(150mg含有)を1回1
剤、1日3回、4人のボランテイア(Volunteer)に6
乃至7ケ月間、朝・昼・夜、食後経口投与し、血清中の
TC、TG、HDL−CとAIを測定した。この結果では3乃至
4ケ月後以降からTC及びAIが明らかに低下した。一方、
HDL−Cの変化はとぼしいが、6乃至7ケ月後に僅少な
がら上昇傾向が認められた。TGは6乃至7ケ月後に明ら
かな低下が認められた。
動物実験及びヒトへの経口投与実験により、本発明の製
法により得たミミズの乾燥粉末は安全で高脂血症のすぐ
れた治療・予防剤、すぐれた血清脂質代謝改善剤;すぐ
れた動脈硬化治療・予防剤として極めて有用であること
がわかった。
又、本発明の製法で得たミミズ乾燥粉末中の酵素は破壊
又は失活していることがない。かつ本発明の製法で得た
ミミズ乾燥粉末は密閉状態で少なくとも4年間貯蔵又は
保管が可能であり、生きミミズに対し20〜35%の高い収
率で得ることができた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生きミミズを有機酸、無機酸、有機酸ナト
    リウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウム塩及び
    無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少なくとも1
    種類の化合物を0.3重量%以下含有する水溶液中に放置
    して該生きミミズの消化管内の糞土をはかせたのち、該
    生きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗浄除去し、
    次に上記糞土及び上記汚物が除去された上記生きミミズ
    の湿式粉砕をおこない、この懸濁液を−10〜−60℃で凍
    結したのち、−60〜80℃の範囲内で温度を階段的に上げ
    ながら10mmHg以下の真空度で10〜100時間凍結・真空乾
    燥をおこない、この内、最終工程の真空乾燥を70〜80℃
    で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10時間乾燥し、該乾燥
    により製造されるミミズ乾燥粉末中の蛋白質分解酵素が
    失活されていないことを特徴とするミミズ乾燥粉末の製
    造法。
  2. 【請求項2】上記有機酸が酢酸、クエン酸、コハク酸、
    リンゴ酸、酒石酸又は乳酸である特許請求の範囲第1項
    記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  3. 【請求項3】上記無機酸がリン酸、硫酸又は塩酸である
    特許請求の範囲第1項記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  4. 【請求項4】生きミミズの体表面に付着する汚物を水で
    洗浄除去したのち、該生きミミズを有機酸、無機酸、有
    機酸ナトリウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウ
    ム塩及び無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少な
    くとも1種類の化合物を0.3重量%以下含有する水溶液
    中に放置して該生きミミズの消化管内の糞土をはかせた
    のち、次に上記糞土及び上記汚物が除去された上記生き
    ミミズの湿式粉砕をおこない、この懸濁液を−10〜−60
    ℃で凍結したのち、−60〜80℃の範囲内で温度を階段的
    に上げながら10mmHg以下の真空度で10〜100時間凍結・
    真空乾燥をおこない、この内、最終工程の真空乾燥を70
    〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10時間乾燥し、
    該乾燥により製造されるミミズ乾燥粉末中の蛋白質分解
    酵素が失活されていないことを特徴とするミミズ乾燥粉
    末の製造法。
  5. 【請求項5】上記有機酸が酢酸、クエン酸、コハク酸、
    リンゴ酸、酒石酸又は乳酸である特許請求の範囲第4項
    記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  6. 【請求項6】上記無機酸がリン酸、硫酸又は塩酸である
    特許請求の範囲第4項記載のミミズ乾燥粉末の製造
    法。」である。
  7. 【請求項7】生きミミズを有機酸、無機酸、有機酸ナト
    リウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウム塩及び
    無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少なくとも1
    種類の化合物を0.3重量%以下含有する水溶液中又は真
    水中に放置して該生きミミズの消化管内の糞土をはかせ
    たのち、該生きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗
    浄除去し、次に上記糞土及び上記汚物が除去された上記
    生きミミズの湿式粉砕をおこない、この懸濁液を−10〜
    −60℃で凍結したのち、−60〜80℃の範囲内で温度を階
    段的に上げながら10mmHg以下の真空度で10〜100時間凍
    結・真空乾燥をおこない、この内、最終工程の真空乾燥
    を70〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10時間乾燥
    し、該乾燥により製造されるミミズ乾燥粉末中の蛋白質
    分解酵素が失活されておらず、更に該ミミズ乾燥粉末中
    の窒素含量が該ミミズ乾燥粉末の固形分に対して7.7〜1
    1重量%であり、且つ粗蛋白含量が該ミミズ乾燥粉末の
    固形分に対して48〜70重量%であることを特徴とするミ
    ミズ乾燥粉末の製造法。
  8. 【請求項8】上記有機酸が酢酸、クエン酸、コハク酸、
    リンゴ酸、酒石酸又は乳酸である特許請求の範囲第7項
    記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  9. 【請求項9】上記無機酸がリン酸、硫酸又は塩酸である
    特許請求の範囲第7項記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  10. 【請求項10】生きミミズの体表面に付着する汚物を水
    で洗浄除去したのち、該生きミミズを有機酸、無機酸、
    有機酸ナトリウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリ
    ウム塩及び無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少
    なくとも1種類の化合物を0.3重量%以下含有する水溶
    液中又は真水中に放置して該生きミミズの消化管内の糞
    土をはかせたのち、次に上記糞土及び上記汚物が除去さ
    れた上記生きミミズの湿式粉砕をおこない、この懸濁液
    を−10〜−60℃で凍結したのち、−60〜80℃の範囲内で
    温度を階段的に上げながら10mmHg以下の真空度で10〜10
    0時間凍結・真空乾燥をおこない、この内、最終工程の
    真空乾燥を70〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10
    時間乾燥し、該乾燥により製造されるミミズ乾燥粉末中
    の蛋白質分解酵素が失活されておらず、更に該ミミズ乾
    燥粉末中の窒素含量が該ミミズ乾燥粉末の固形分に対し
    て7.7〜11重量%であり、且つ粗蛋白含量が該ミミズ乾
    燥粉末の固形分に対して48〜70重量%であることを特徴
    とするミミズ乾燥粉末の製造法。
  11. 【請求項11】上記有機酸が酢酸、クエン酸、コハク
    酸、リンゴ酸、酒石酸又は乳酸である特許請求の範囲第
    10項記載のミミズ乾燥粉末の製造法。
  12. 【請求項12】上記無機酸がリン酸、硫酸又は塩酸であ
    る特許請求の範囲第10項記載のミミズ乾燥粉末の製造
    法。
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