JPH0787755B2 - 乳飲料用乳化安定剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は乳飲料用乳化安定剤に関するものである。

コーヒー乳飲料で代表される乳飲料は、一般に常温で流
通させたばあい、その保存安定性が悪く、脂肪が浮上し
てできる、いわゆる“リング現象”が発生することが多
い。また、保存安定性のために、厚生省省令の規制もあ
って、これまでは、低温流通が行なわれていた。さら
に、保存安定を確保するために、低温流通においても、
食品用の各種乳化剤、安定剤が使用されていた。それで
も、なお“リング現象”の発生を阻止できず、すぐれた
乳化安定剤の出現が望まれていた。

そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ショ糖
脂肪酸エステル４〜10重量％、グリセリン脂肪酸エステ
ル15〜45重量％、ソルビタン脂肪酸エステル５〜10重量
％、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル25〜50重量％、
及び、安定剤としてキサンタンガム、カゼインナトリウ
ム又はカラギーナンの１種又は２種以上６〜26重量％を
必須成分としてなる乳飲料用乳化安定剤を見出した。

上記の成分及び配合割合いからなる配合製剤を乳飲料に
使用すれば、低温流通はもとより、常温流通において
も、リング現象の発生を抑制でき、保存安定に優れた乳
飲料を提供することができるようになった。

本発明乳化安定剤からなる配合製剤が適用できる乳飲料
は、乳及び乳製品を原料とする飲料である。糖類からな
る甘味料、コーヒーなどの嗜好品、香料など副資材を含
んでいてもかまわない。

本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂
肪酸とのエステル化物であり、脂肪酸の鎖長は炭素数12
〜22で、特に飽和脂肪酸が望ましい。

本発明に使用するグリセリン脂肪酸エステルは、グリセ
リンと脂肪酸とのエステル化物であり、脂肪酸の鎖長は
炭素数12〜22で、特に飽和脂肪酸が望ましい。

本発明に使用するソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビ
タンを中心とするアンヒドロソルビットと脂肪酸とのエ
ステル化物であり、脂肪酸の鎖長は炭素数12〜22で、特
に飽和脂肪酸が望ましい。

本発明に使用するグリセリンコハク酸脂肪酸エステル
は、グリセリンと脂肪酸及びコハク酸との混合エステル
であり、例えばグリセリン脂肪酸エステルにコハク酸を
更にエステル化して得られる、グリセリン脂肪酸エステ
ル誘導体である。この脂肪酸の鎖長は炭素数12〜22で、
特に飽和脂肪酸が望ましい。

本発明に使用する安定剤としてキサンタンガム、カゼイ
ンナトリウム又はカラギーナンは、食品に抗されるもの
であれば、特に制限はない。

本発明乳化安定剤からなる配合製剤は、乳飲料に対し、
例えば0.1−１重量％使用すればよく、通常の方法で乳
飲料を調製できる。

次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
（部は重量部である。） 実施例１〜３ 第１表のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸
脂肪酸エステル、及び、キサンタンガム、カゼインナト
リウム又はカラギーナンの１種又は２種以上の各粉末を
所定量準備し、これらをリボンミキサーにて混合し、配
合製剤を得た。

これら各配合製剤を水31.3部、コーヒー抽出液（Bx1.5
゜）45部、ぶどう糖果糖液糖10部、脱脂粉乳４部、牛乳
９部、バター0.5部、インスタントコーヒー0.2部からな
るコーヒー乳飲料に所定量添加した。

得られた乳飲料を５℃、25℃、40℃に保存し、その保存
安定性を評価した。その結果、本発明乳化安定剤からな
る配合製剤を使用した乳飲料は、第１表に示すとおり、
常温においても安定であった。

なお、第１表における、保存安定性の評価基準は ○＝リング発生なし △＝僅かにリング発生するが、少しの振動により消失す
る ×＝リング発生あり である。

比較例１〜６ 実施例と同様に、第１表の所定の配合製剤を所定量添加
し、乳飲料を調製した。この乳飲料について、実施例と
同様に保存安定性を評価した結果、第１表に示すとお
り、常温で不安定であり、低温でも不安定なものもあっ
た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ショ糖脂肪酸エステル４〜10重量％、グリ
   セリン脂肪酸エステル15〜45重量％、ソルビタン脂肪酸
   エステル５〜10重量％、グリセリンコハク酸脂肪酸エス
   テル25〜50重量％、及び、安定剤としてキサンタンガ
   ム、カゼインナトリウム又はカラギーナンの１種又は２
   種以上６〜26重量％を必須成分としてなる乳飲料用乳化
   安定剤。