JPH0787620A - 地上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置 - Google Patents

地上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置

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JPH0787620A
JPH0787620A JP5187222A JP18722293A JPH0787620A JP H0787620 A JPH0787620 A JP H0787620A JP 5187222 A JP5187222 A JP 5187222A JP 18722293 A JP18722293 A JP 18722293A JP H0787620 A JPH0787620 A JP H0787620A
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紀博 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両長の誤差があっても、速度追従性能を高
く保つ。 【構成】 この発明の地上一次式リニアシンクロナスモ
ータ式車両の速度制御装置は、位置検知装置12によって
検出された車両位置信号と速度指令値との偏差に基づき
速度補償に見合う電流値Im* を演算する。一方、位置検
知装置12によって検出された車両位置、速度、加速度に
よって生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予測電流値
If* を演算し、さらに位置検知装置12によって検出され
た車両長の誤差に相当する位相差から、その位相差によ
って生ずる推進力低下を補うために、予測電流値に乗ず
る予測電流値補償係数Kfs を演算し、この予測電流値補
償係数を予測電流値If* に乗じて補正予測電流値を出力
する。そして最終的に、速度補償電流値と補正予測電流
値とを加算して最終速度補償電流指令値I*を求め、これ
を電力変換装置へ出力し、車両速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は地上側に移動磁界を発
生するための推進巻線を設け、車上側にこれに対向して
推進力を発生するための界磁極を備えた地上一次式リニ
アシンクロナスモータ式車両の速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、超高速運転を行うための超
電導磁気浮上式鉄道は、移動体である車両上に超電導磁
石を搭載し、地上の軌道上に浮上用巻線を設置すること
により走行時に車両を浮上させているが、その推進には
リニアシンクロナスモータ(LSM)を使用している。
このLSMの推進巻線は、軌道上に一定のピッチで設置
されており、この推進巻線と対向するように車両に搭載
された超電導磁石(界磁極)に同期した位相で推進巻線
を励磁することにより車両の推進力を得るようにしてお
り、これを地上一次式リニアシンクロナスモータ式車両
と称している。
【0003】図6はこのような地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置の従来例の回路図を
示しており、地上側に設置される駆動制御装置10は、
速度指令V* を出力する速度指令演算部1、フィードバ
ック速度Vとの速度偏差ΔVを求める加算器2、この速
度偏差ΔVに見合う電流値Im* を出力する速度補償部
3、この速度補償部3の出力Im* に一定の係数Kmを
乗じる乗算器4、速度Vによって引き起こされる走行抵
抗の補償を行う予測電流演算部5、この予測電流演算部
5の出力If* に一定の係数Kfを乗じる乗算器6、乗
算器4の出力と乗算器6の出力を加算して電流指令値I
* を電力変換装置に出力する加算器7および位相同期制
御部8を備えており、編成車両11の位置X、速度V、
加速度αを求めるために位置検知装置12から位相同期
制御部8に位置検知位相θiが与えられるようになって
いる。
【0004】このような従来の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置では、速度指令値演
算部1が出力する速度指令値V* にしたがって車両速度
を制御する自動運転を行うが、そのために、速度指令値
演算部1にて演算される速度指令値V* と、位置検知装
置12から入力される位置検知位相θiに基づいて位相
同期制御部8が演算する実車両速度Vとの偏差ΔVを加
算器2で求め、速度補償部3においてこのΔVに応じた
電流指令値Im* を演算し、これを通常の速度フィード
バック制御の操作量として電力変換装置に与えて速度制
御を行う。
【0005】そしてこれと共に、予測電流演算部5にお
いて、実車両速度Vと、このVから演算される実加速度
αと、位置検知装置12から入力される実車両位置X
と、自身が記憶している路線条件、車両条件に基づい
て、あらかじめ設定されている演算式を用いて走行抵抗
を求め、その走行抵抗による車両の速度変化分に相当す
る予測電流値If* を演算し、これを車両速度のフィー
ドフォワード制御成分として出力する。
【0006】そこで、これらの速度補償部3と予測電流
演算部5において演算された電流値Im* ,If* それ
ぞれに係数乗算器4,6で係数Km,Kfを乗じ、さら
に加算器7でそれらを加算することによって電力変換装
置に対する最終的な電流指令値I* を出力し、これによ
って車両速度を速度指令値V* に一致するように制御す
るようにしていた。
【0007】なお、1つの路線が複数の変換所によって
給電区域が分割されている状態で車両が変換所渡りを行
うと、車両受入側変換所の駆動制御装置10は制御対象
車両を受け入れる前から予測電流演算部5を動作させて
おき、この予測電流演算部5からの電流値If* を電力
変換装置への電流指令値として出力しておき、車両が自
変換所の制御範囲に進入した時点で速度フィードバック
制御系を生かし始め、前述のように2つの電流演算値I
m* ,If* の和を電力変換装置への電流指令値I* と
するように切り替える制御を行うようにしている。
【0008】このような従来の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置では、位相同期制御
部8に入力される同期位置信号θiは、軌道に沿って敷
設された交差誘導線13により検出され、受信器14を
通して地上側の位置検知装置12に送られ、ここで補正
された後、駆動制御装置10の内部の位相同期制御部8
に与えられるようにしている。
【0009】ここで同期位相にずれがあるとLSMの発
生推進力が減少することになるため、車両に界磁極を2
個以上設置する場合には、基本的に地上の推進巻線の極
ピッチの整数倍の間隔となるように設置することにより
各々のLSMごとの同期位相のずれを0とするようにし
ている。しかしながら、車両が複数両の編成となると、
構造の精度上の問題から各LSMごとに位相ずれの生じ
ることが避けられず、さらには、車両のおかれる周囲温
度によって車両長が伸縮することにより、界磁極の間隔
が推進巻線の極ピッチの整数倍からずれてしまうことも
ある。
【0010】このような悪影響を少しでも防ぐために、
従来から、編成車両11の前後両先頭車に位置検知用発
振器15a,15bを設け、各々の発振器15a,15
bによって検出された位相を位置検知装置12に取り込
んだ後に2つの位相の平均を求め、同期位相θiとして
駆動制御装置10の位相同期制御部8に出力し、あるい
は編成車両11の中央車両に位置検知発振器を設けるな
どの工夫をすることによって、最も効率の良い位相でL
SMを運転するようにしていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の地上一
次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置で
は、このような対策をとったとしても、図7に示すよう
に編成車両11の中央部に近い界磁極16cに対しては
位相ずれを小さくすることができるが、編成車両11の
両端の界磁極16a,16eへ遠ざかるほど位相ずれが
無視できない値となり、編成車両11全体として考える
と安定した推進力が確保できない問題点があった。
【0012】例えば、車両長のずれなどによって地上側
の推進巻線と車上側の界磁極との間に位相ずれが生じて
推進力が低下する場合に車両の速度制御にどのような影
響が出るかを考えてみると、次のようになる。速度フィ
ードバックに関しては、駆動制御装置10が意図した通
りの推進力が得られないために車両の実速度Vが速度指
令値V* に追従せず、速度偏差ΔVが大きくなり、結果
的に補償演算される電流指令値Im* が大きくなること
になるので、電力変換装置の能力範囲であればそれほど
大きな問題が生じない。
【0013】しかしながら、予測電流演算部5に関して
は、位相ずれが0の条件で成立するようにあらかじめ設
定された演算式によって予測電流値If* を求めるオー
プンループ制御系であるため、位相ずれによる推進力低
下によって駆動制御装置10に意図した通りの推進力が
得られず、かつ推進力低下の影響が演算式に反映されな
いため、実際に必要な推進力に相当する電流値が演算さ
れないままとなる。
【0014】この結果、走行中に走行抵抗変化分に相当
するフィードフォワード補償が正しく行われなくなり、
速度指令値V* と実速度Vとの偏差が大きくなり、また
実速度Vの変動が大きくなることにより速度追従性能を
悪化させると共に、乗り心地も悪化させることになる問
題点が生じる。
【0015】また変換所渡り時には、予測電流演算部5
からの電流値If* から速度フィードバック制御系を生
かした電流値へ切り替える時にその影響がさらに顕著に
なり、電力変換装置に対する電流指令値I* の急激な変
化により、車両の実速度Vがハンチングを起こす可能性
もあり、改善が望まれていた。
【0016】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、車両長の誤差などによる位相ずれ量
を検知し、その大きさに応じて予測電流演算部にて演算
される予測電流値を補正し、常に必要な推進力を得られ
るようにして速度追従性能を高め、乗り心地を改善でき
る地上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制
御装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の地上一
次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置
は、地上側の軌道に沿って配置された推進巻線と車両側
にこれに対向するように搭載された界磁極との相対位置
を検出する位置検知装置と、この位置検知装置によって
検出された車両位置信号と速度指令値との偏差に基づ
き、必要な速度補償に見合う電流値を演算する速度補償
演算部と、前記位置検知装置によって検出された車両位
置、速度、加速度によって生ずる走行抵抗を補償するの
に必要な予測電流値を演算する予測電流演算部と、前記
位置検知装置によって検出された車両長の誤差に相当す
る位相差から、その位相差によって生ずる推進力低下を
補うために、予測電流演算部の出力に乗じる予測電流値
補償係数を演算する推進力補償演算部と、この推進力補
償演算部からの予測電流値補償係数を予測電流演算部か
らの予測電流値に乗じて補正予測電流値を出力する予測
電流補正部と、前記速度補償演算部の速度補償電流値と
予測電流補正部からの補正予測電流値とを加算して最終
速度補償電流指令値を出力する加算部を備えたものであ
る。
【0018】請求項2の発明は、地上側の軌道に沿って
配置された推進巻線と車両側にこれに対向するように搭
載された界磁極との相対位置を検出する位置検知装置
と、前記位置検知装置によって検出された車両位置信号
と速度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合
う電流値を演算する速度補償演算部と、前記位置検知装
置によって検出された車両位置、速度、加速度によって
生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予測電流値を演算
する予測電流演算部と、前記位置検知装置によって検出
された車両長の誤差に相当する位相差から、その位相差
によって生ずる推進力低下を補うために、前記予測電流
演算部の出力に乗じる予測電流値補償係数と共に前記速
度補償演算部の出力に乗じる速度補償電流値補償係数を
演算する推進力補償演算部と、前記推進力補償演算部か
らの速度補償電流値補償係数を前記速度補償演算部から
の速度補償電流値に乗じて補正速度補償電流値を出力す
る速度補償電流補正部と、前記推進力補償演算部からの
予測電流値補償係数を前記予測電流演算部からの予測電
流値に乗じて補正予測電流値を出力する予測電流補正部
と、前記速度補償電流補正部からの補正速度補償電流値
と前記予測電流補正部からの補正予測電流値とを加算し
て最終速度補償電流指令値を出力する加算部を備えたも
のである。
【0019】請求項3の発明の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置は、地上側の軌道に
沿って配置された推進巻線と車両側にこれに対向するよ
うに搭載された界磁極との相対位置を検出する位置検知
装置と、この位置検知装置によって検出された車両位置
信号と速度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に
見合う電流値を演算する速度補償演算部と、前記位置検
知装置によって検出された車両位置、速度、加速度によ
って生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予測電流値を
演算する予測電流演算部と、外気温を測定する外気温検
出部と、この外気温検出部が検出した外気温による車両
の伸縮に相当する位相差から、その位相差によって生ず
る推進力低下を補うために、予測電流演算部の出力に乗
じる予測電流値補償係数を演算する推進力補償演算部
と、この推進力補償演算部からの予測電流値補償係数を
予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電流
値を出力する予測電流補正部と、前記速度補償演算部の
速度補償電流値と予測電流補正部からの補正予測電流値
とを加算して最終速度補償電流指令値を出力する加算部
を備えたものである。
【0020】請求項4の発明は、地上側の軌道に沿って
配置された推進巻線と車両側にこれに対向するように搭
載された界磁極との相対位置を検出する位置検知装置
と、前記位置検知装置によって検出された車両位置信号
と速度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合
う電流値を演算する速度補償演算部と、前記位置検知装
置によって検出された車両位置、速度、加速度によって
生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予測電流値を演算
する予測電流演算部と、外気温を測定する外気温検出部
と、前記外気温検出部によって検出された外気温による
車両の伸縮に相当する位相差から、その位相差によって
生ずる推進力低下を補うために、前記予測電流演算部の
出力に乗じる予測電流値補償係数と共に前記速度補償演
算部の出力に乗じる速度補償電流値補償係数を演算する
推進力補償演算部と、前記推進力補償演算部からの速度
補償電流値補償係数を前記速度補償演算部からの速度補
償電流値に乗じて補正速度補償電流値を出力する速度補
償電流補正部と、前記推進力補償演算部からの予測電流
値補償係数を前記予測電流演算部からの予測電流値に乗
じて補正予測電流値を出力する予測電流補正部と、前記
速度補償電流補正部からの補正速度補償電流値と前記予
測電流補正部からの補正予測電流値とを加算して最終速
度補償電流指令値を出力する加算部を備えたものであ
る。
【0021】
【作用】請求項1の発明の地上一次式リニアシンクロナ
スモータ式車両の速度制御装置では、地上側の軌道に沿
って配置された推進巻線と車両側にこれに対向するよう
に搭載された界磁極との相対位置を位置検知装置によっ
て検出し、この位置検知装置によって検出された車両位
置信号と速度指令値との偏差に基づき、速度補償演算部
が必要な速度補償に見合う電流値を演算する。
【0022】一方、前述の位置検知装置によって検出さ
れた車両位置、速度、加速度によって生ずる走行抵抗を
補償するのに必要な予測電流値を予測電流演算部によっ
て演算し、さらに、位置検知装置によって検出された車
両長の誤差に相当する位相差から、その位相差によって
生ずる推進力低下を補うために、予測電流演算部の出力
に乗じる予測電流値補償係数を推進力補償演算部によっ
て演算し、予測電流補正部によってこの予測電流値補償
係数を予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予
測電流値を出力する。
【0023】そして最終的に、加算部において速度補償
演算部の速度補償電流値と予測電流補正部からの補正予
測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求め、
これを電力変換装置へ出力し、車両速度を制御する。
【0024】請求項2の発明では、請求項1の地上一次
式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置にお
いてさらに、推進力補償演算部に設けた速度補償電流補
正部によって、位置検知装置によって検出された車両長
の誤差に相当する位相差から、その位相差によって生ず
る推進力低下を補うために、予測電流演算部の出力に乗
じる予測電流値補償係数と共に速度補償演算部の出力に
乗じる速度補償電流値補償係数を演算し、推進力補償演
算部からの速度補償電流値補償係数を速度補償演算部か
らの速度補償電流値に乗じて補正速度補償電流値を出力
する。
【0025】そして加算部において、速度補償電流補正
部からの補正速度補償電流値と予測電流補正部からの補
正予測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求
め、これを電力変換装置へ出力し、車両速度を制御す
る。
【0026】請求項3の発明の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置では、地上側の軌道
に沿って配置した推進巻線と、車両側にこれに対向する
ように搭載した界磁極との相対位置を位置検知装置によ
って検出し、この位置検知装置によって検出された車両
位置信号と速度指令値との偏差に基づき、必要な速度補
償に見合う電流値を速度補償演算部によって演算する。
【0027】一方、前述の位置検知装置によって検出さ
れた車両位置、速度、加速度によって生ずる走行抵抗を
補償するのに必要な予測電流値を予測電流演算部によっ
て演算視、さらに外気温検出部が検出した外気温による
車両の伸縮に相当する位相差から、その位相差によって
生ずる推進力低下を補うために予測電流演算部の出力に
乗じる予測電流値補償係数を推進力補償演算部によって
演算し、予測電流補正部によって推進力補償演算部から
の予測電流値補償係数を予測電流演算部からの予測電流
値に乗じて補正予測電流値を出力する。
【0028】そして最終的に、加算部において速度補償
演算部の速度補償電流値と予測電流補正部からの補正予
測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求め、
これを電力変換装置へ出力し、車両の速度制御を行う。
【0029】請求項4の発明では、請求項3の地上一次
式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装置にお
いてさらに、推進力補償演算部に設けた速度補償電流補
正部によって、外気温検出部によって検出された外気温
による車両の伸縮に相当する位相差から、その位相差に
よって生ずる推進力低下を補うために予測電流演算部の
出力に乗じる予測電流値補償係数と共に速度補償演算部
の出力に乗じる速度補償電流値補償係数を演算し、推進
力補償演算部からの速度補償電流値補償係数を速度補償
演算部からの速度補償電流値に乗じて補正速度補償電流
値を出力する。
【0030】そして加算部において、速度補償電流補正
部からの補正速度補償電流値と予測電流補正部からの補
正予測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求
め、これを電力変換装置へ出力し、車両の速度制御を行
う。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1の発明の一実施例の回路構成を示
している。図1に示すように、走行する編成車両11の
位置検知を行う部分の構成について説明すると、図6に
示した従来例と同じ構成であり、編成車両11の先頭車
および後尾車に位置検出用発振器15a,15bが設置
され、発振器出力により軌道に沿って敷設された交差誘
導線13に励起された信号が受信器14を経由して位置
検知装置12に入力され、車両位置Xおよび同期位相θ
iとして検知されるようになっている。2つの位置検出
用発振器15a,15bは、編成車両11の車両長に誤
差がない場合に同位相となるように配置されている。
【0032】そこで、編成車両11の走行中は進行方向
前方の先頭車に設けられた位置検出用発振器15aを用
いて位置検出を行う。そして、車両長に誤差があると2
つの発振器15a,15bの位相にずれが生じることに
なるので、位置検知装置12において、車両停止中に進
行方向の先頭車に設けられた発振器15aの出力により
検出された位相θaと後尾車に設けられた発振器15b
の出力により検出された位相θbとによって、位置検知
位相差をΔθi=θa−θbとして求め、さらに先頭車
位置にて検出された位相θi′と車両長誤差のために検
出された位相差Δθiを用いて、編成車両中心位置にお
ける位置検知位相θiを、
【0033】
【数1】θi=θi′−(Δθi/2) として求めるようにしている。
【0034】また地上一次式リニアシンクロナスモータ
式車両の速度制御を行う駆動制御装置10の部分も図6
に示した従来例と同様に、制御対象車両の速度指令値V
* をリアルタイムで出力する速度指令値演算部1と、こ
の速度指令値V* と実車両速度Vとの偏差ΔVを求める
加算器2と、この速度偏差ΔVに応じた電流値Im*を
補償演算する速度補償部3を備え、また実車両速度V、
実加速度α、車両位置Xおよび路線条件、車両条件など
から編成車両11の走行抵抗を求め、その走行抵抗によ
る車両の速度変化分に相当する電流値、つまり予測電流
値If* を演算する予測電流演算部5を備えている。
【0035】駆動制御装置10はまた、速度補償部3か
らの電流値Im* と予測電流演算部5からの電流値If
* とのそれぞれに係数Km,Kfを乗じる係数乗算器
4,6と、これらの係数乗算器4,6によって係数K
m,Kfそれぞれが乗じられた電流値を加算する加算器
7を備え、この加算器7の加算結果が最終電流指令値I
*として電力変換装置(図示せず)に出力され、車両速
度の制御がなされるようになっている。
【0036】駆動制御装置10はまた、位置検知装置1
2から前述の位置検知位相θiを取り込み、電力変換装
置側で必要な周期に補間して位相基準θo* として出力
するとともに、位置検知位相θiの変化量から車両の実
速度Vおよび実加速度αを演算する位相同期制御部8を
備えている。
【0037】そして駆動制御装置10はさらに、この実
施例の特徴として、位置検知装置12から前述の位置検
知位相差Δθiを取り込んで、Δθiによるリニアシン
クロナスモータ(LSM)の推進力低下分に相当して割
り増すべき予測電流値の補償係数Kfsを演算する推進
力補償演算部9と、この推進力演算部9が求めた補償係
数Kfsを予測電流演算部5の出力である予測電流値I
f* に乗じるための乗算器6aを備えている。
【0038】次に、上記構成の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置の動作について説明
する。図2に示すように、編成車両11の長さに誤差が
ある場合、上述したように位置検知装置12が検出した
位置検知位相θiは編成中心に補正されているので、編
成車両11の中心に設置された超電導磁石の界磁極16
cについては同期位相にずれがない。しかしながら、編
成中心以外に設置された界磁極16a,16b,16
d,16eについては、位相ずれが生じており、位置検
知用発振器15a,15bそれぞれの位置と先頭車端の
界磁極16a、後尾車端の界磁極16eそれぞれの位置
とが一致しているとすれば、界磁極16a,16eの位
相ずれはそれぞれ、+Δθi/2,−Δθi/2とな
り、同様に界磁極16b,16dの位相ずれはそれぞ
れ、+Δθi/4,−Δθi/4となる。
【0039】ところで、予測電流演算部5で演算される
予測電流値If* はすべての界磁極に位相ずれがない場
合に必要な推進力を得られるものであるので、上記のよ
うに編成車両11の中心以外の界磁極に位相ずれが生じ
ている場合には、所定の推進力を得ることができなくな
る。
【0040】そこでこの実施例では、位置検知装置12
によって検出した位置検知位相差Δθiを駆動制御装置
10内の推進力補償演算部9に取り込み、ここで自身が
記憶している車両条件(例えば界磁極の数、位置および
位置検知用発振器の位置などの条件)から、位相差Δθ
iによって編成車両11の全体に生じる推進力が低下す
る比率に対応する予測電流補償係数Kfsを求め、これ
を補償係数乗算器6aに与え、ここで予測電流演算部5
から出力されてくる予測電流値If* に乗じる。
【0041】この予測電流補償係数Kfsは図3に示す
ように、Δθi=0でKfs=1、Δθi≠0でKfs
>1とする。
【0042】この予測電流補償により、編成11の中心
以外の界磁極に位相ずれが存在していても、その位相ず
れの大きさに応じて予測電流演算部5で意図した推進力
が常に得られるように予測電流値If* が補正され、こ
の結果、電力変換装置へ出力する最終電流指令値I*
は、
【0043】
【数2】I* =Km×Im* +Kf×Kfs×If* ここで、 Km+Kf=1 0≦Km≦1 0≦Kf≦1 として求められる。
【0044】なお、位置検知位相差Δθiは走行中にほ
とんど変化しないので、車両走行前に位置検知装置12
から駆動制御装置10へ取り込み、その取り込み時に推
進力補償演算部9で予測電流補償係数を演算し、係数K
fsを補償係数乗算器6aにセットするようにすれば、
走行中の速度制御処理に支障を来すことがなくなる。
【0045】以上のようにこの実施例の地上一次式リニ
アシンクロナスモータ式車両の速度制御装置では、車両
長の誤差がある場合でも、駆動制御装置10によって意
図した推進力が常に安定して得られるように電流指令値
I* を補正して電力変換装置へ出力することができ、走
行抵抗の変化を予測して車両の速度を正確にフィードフ
ォワード補償することによって速度指令値に対する速度
追従性能を向上することができ、同時に速度の急激な変
動を抑えることもでき、乗り心地の改善が図れる。
【0046】さらにこの実施例の場合には、変換所渡り
の車両受入れの際にも、車両長の誤差が存在する場合で
も常に意図した推進力が得られるように予測電流値を補
正することによって、速度フィードバック補償系を生か
した電流値への切り替え時に電力変換装置へ出力する電
流指令値I* の急激な変化を防ぐことができ、車両速度
Vをハンチングさせることなく、乗り心地を向上させる
ことができる。
【0047】次に、請求項2の発明の一実施例を図4に
基づいて詳説する。この実施例の特徴として、駆動制御
装置10が位置検知装置12から前述の位置検知位相差
Δθiを取り込んで、Δθiによるリニアシンクロナス
モータ(LSM)の推進力低下分に相当して割り増すべ
き予測電流値の補償係数Kfsと共に、速度補償電流値
の補償係数Kmsを演算する推進力補償演算部9を備
え、また補償係数Kfsを予測電流演算部5の出力であ
る予測電流値If* に乗じるための乗算器6aを備える
と共に、補償係数Kmsを速度補償電流値Im* に乗じ
るための乗算器4aを備えている。なお、その他の構成
は図1に示した実施例と共通し、同一の符号を付すこと
によって詳しい説明を省略する。
【0048】そしてこの実施例では、位置検知装置12
によって検出した位置検知位相差Δθiを駆動制御装置
10内の推進力補償演算部9に取り込み、ここで自身が
記憶している車両条件(例えば界磁極の数、位置および
位置検知用発振器の位置などの条件)から、位相差Δθ
iによって編成車両11の全体に生じる推進力が低下す
る比率に対応する予測電流補償係数Kfsを求めると共
に、速度偏差ΔVに基づく速度補償電流値Im* に対す
る電流補償係数Kmsを求め、これらを補償係数乗算器
6a,4aそれぞれに与え、予測電流演算部5から出力
されてくる予測電流値If* に補償係数Kfsを乗じる
と共に、速度補償部3が出力する速度補償電流値Im*
に対しても補償係数Kmsを乗じる。
【0049】この予測電流補償係数Kfsは図1に示し
た実施例と同じで、図3に示すように、Δθi=0でK
fs=1、Δθi≠0でKfs>1とし、また速度補償
電流補償係数KmsもこのKfsと同等とする。
【0050】この予測電流補償と速度補償電流補償によ
り、編成車両11の中心以外の界磁極に位相ずれが存在
していても、その位相ずれの大きさに応じて予測電流演
算部5で意図した推進力が常に得られるように予測電流
値If* を補正すると共に、速度補償電流値Im* も積
極的に補償することができ、この結果、電力変換装置へ
出力する最終電流指令値I* は、
【0051】
【数3】 I* =Km×Kms×Im* +Kf×Kfs×If* ここで、 Km+Kf=1 0≦Km≦1 0≦Kf≦1 として求められるようになる。
【0052】なおこの実施例の場合にも、位置検知位相
差Δθiは走行中にほとんど変化しないので、車両走行
前に位置検知装置12から駆動制御装置10へ取り込
み、その取り込み時に推進力補償演算部9で予測電流補
償係数Kfs、速度補償電流補償係数Kmsそれぞれを
演算し、係数Kfs,Kmsを補償係数乗算器6a,4
aそれぞれにセットするようにすれば、走行中の速度制
御処理に支障を来すことがなくなる。
【0053】次に、請求項3および請求項4の発明の共
通する実施例について、図5に基づいて説明する。この
実施例の地上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の
速度制御装置は外気温Taを測定する外気温検出部17
を備え、推進力補償演算部9がこの外気温検出部17が
検出した外気温による編成車両11の伸縮に相当する位
相差から、その位相差によって生ずる推進力低下を補う
ために予測電流演算部5の出力に乗じる予測電流値補償
係数Kfsを演算し、また速度補償演算部3の出力に乗
じる速度補償電流値補償係数Kmsを演算し、それぞれ
補償係数乗算器4a,6aに与えるようにしたことを特
徴とする。したがって、その他の構成は図4に示した第
2実施例と共通し、その共通する部分については同一の
符号を付すことによってその説明を省略する。
【0054】次に、上記構成の地上一次式リニアシンク
ロナスモータ式車両の速度制御装置の動作について説明
する。一般に、車両長は常温Tacを基準に設定されて
おり、外気温Taが上昇するにしたがって車両長が伸び
るという一定の関係があり、車両長の伸縮ΔLと、外気
温Taとの関係は、常温Tacとすれば、次の式で近似
できる。
【0055】
【数4】 ΔL=Kt×(Ta−Tac) (Ktは定数) したがって、編成車両11の走行区間における外気温を
取り込んで、その値に応じて車両長の伸び量から補償係
数Kfs,Kmsを求めることにより、図4に示した第
2実施例と同じ効果を得ることができる。
【0056】すなわち、外気温検出部17によって検出
した外気温Taを駆動制御装置10内の推進力補償演算
部9に取り込み、上記の数4式に基づいて車両長の伸び
量ΔLを求め、その伸び量に起因する位相差を算出し、
さらにその位相差Δθiによって編成車両11の全体に
生じる推進力が低下する比率に対応する予測電流補償係
数Kfsを求めると共に、速度偏差ΔVに基づく速度補
償電流値Im* に対する電流補償係数Kmsを求め、こ
れらを補償係数乗算器6a,4aそれぞれに与える。そ
して補償係数乗算器6a,4aそれぞれにおいて、予測
電流演算部5から出力されてくる予測電流値If* に補
償係数Kfsを乗じると共に、速度補償部3が出力する
速度補償電流値Im* に対しても補償係数Kmsを乗じ
る。
【0057】この予測電流補償係数Kfsは図1に示し
た実施例と同じで、図3に示すように、Δθi=0でK
fs=1、Δθi≠0でKfs>1とし、また速度補償
電流補償係数KmsもこのKfsと同等とする。
【0058】この予測電流補償と速度補償電流補償によ
り、編成車両11の中心以外の界磁極に位相ずれが存在
していても、その位相ずれの大きさに応じて予測電流演
算部5で意図した推進力が常に得られるように予測電流
値If* を補正すると共に、速度補償電流値Im* も積
極的に補償することができ、この結果、電力変換装置へ
出力する最終電流指令値I* は、
【0059】
【数5】 I* =Km×Kms×Im* +Kf×Kfs×If* ここで、 Km+Kf=1 0≦Km≦1 0≦Kf≦1 として求められるようになる。
【0060】以上のようにこの実施例の地上一次式リニ
アシンクロナスモータ式車両の速度制御装置では、外気
温の変化によって車両長が伸縮し、誤差が発生している
場合でも、駆動制御装置10によって意図した推進力が
常に安定して得られるように電流指令値I* を補正して
電力変換装置へ出力することができ、走行抵抗の変化を
予測して車両の速度を正確にフィードフォワード補償す
ることによって速度指令値に対する速度追従性能を向上
させることができ、同時に速度の急激な変動を抑えるこ
ともでき、乗り心地の改善が図れる。
【0061】なお、この図5に示す第3実施例の場合、
外気温検出部17によって検出した外気温によって車両
長の伸縮を演算し、その車両長の伸縮によって生じる位
相差Δθiを算出し、予測電流補償係数Kfsを求める
と共に、速度補償電流補償係数Kmsも求め、予測電流
If* の補償と共に速度補償電流Im* の補償も行うよ
うにしているが、特にこれに限定されることはなく、請
求項3の実施例としては、図1に示した第1実施例と同
じように、外気温検出部17で検出した外気温に基づく
車両長の伸縮ΔLに対応する位相差Δθiを求め、この
位相差Δθiによって編成車両11の全体に生じる推進
力が低下する比率に対応する予測電流補償係数Kfsだ
けを求め、これを補償係数乗算器6aに与え、ここで予
測電流演算部5から出力されてくる予測電流値If* に
乗じるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
地上側の軌道に沿って配置された推進巻線と車両側にこ
れに対向するように搭載された界磁極との相対位置を位
置検知装置によって検出し、この位置検知装置によって
検出された車両位置信号と速度指令値との偏差に基づ
き、速度補償演算部が必要な速度補償に見合う電流値を
演算し、他方、前述の位置検知装置によって検出された
車両位置、速度、加速度によって生ずる走行抵抗を補償
するのに必要な予測電流値を予測電流演算部によって演
算し、さらに、位置検知装置によって検出された車両長
の誤差に相当する位相差から、その位相差によって生ず
る推進力低下を補うために、予測電流演算部の出力に乗
じる予測電流値補償係数を推進力補償演算部によって演
算し、予測電流補正部によってこの予測電流値補償係数
を予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電
流値を出力し、最終的に、加算部において速度補償演算
部の速度補償電流値と予測電流補正部からの補正予測電
流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求め、これ
を電力変換装置へ出力し車両速度を制御するようにして
いるので、車両長の誤差がある場合でも、所定の推進力
が常に安定して得られるように電流指令値を補正して電
力変換装置へ出力することができ、走行抵抗の変化を予
測して車両の速度を正確にフィードフォワード補償する
ことによって速度指令値に対する速度追従性能を向上さ
せることができ、同時に速度の急激な変動を抑えること
もでき、乗り心地の改善が図れる。
【0063】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に加えてさらに、推進力補償演算部に設けた速度補償電
流補正部によって、位置検知装置によって検出された車
両長の誤差に相当する位相差から、その位相差によって
生ずる推進力低下を補うために、予測電流演算部の出力
に乗じる予測電流値補償係数と共に速度補償演算部の出
力に乗じる速度補償電流値補償係数を演算し、推進力補
償演算部からの速度補償電流値補償係数を速度補償演算
部からの速度補償電流値に乗じて補正速度補償電流値を
出力し、最終的に、加算部において速度補償電流補正部
からの補正速度補償電流値と予測電流補正部からの補正
予測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求
め、これを電力変換装置へ出力し車両速度を制御するよ
うにしているので、予測電流の補正によるフィードフォ
ワード制御系の補償と共に速度補償電流の補正によるフ
ィードバック制御系の補償が行え、速度指令値に対する
速度追従性能をいっそう向上させることができ、同時に
速度の急激な変動を抑えることもでき、乗り心地の改善
が図れる。
【0064】請求項3の発明によれば、地上側の軌道に
沿って配置された推進巻線と車両側にこれに対向するよ
うに搭載された界磁極との相対位置を位置検知装置によ
って検出し、この位置検知装置によって検出された車両
位置信号と速度指令値との偏差に基づき、必要な速度補
償に見合う電流値を速度補償演算部によって演算し、他
方、前述の位置検知装置によって検出された車両位置、
速度、加速度によって生ずる走行抵抗を補償するのに必
要な予測電流値を予測電流演算部によって演算し、さら
に外気温検出部が検出した外気温による車両の伸縮に相
当する位相差から、その位相差によって生ずる推進力低
下を補うために予測電流演算部の出力に乗じる予測電流
値補償係数を推進力補償演算部によって演算し、予測電
流補正部によって推進力補償演算部からの予測電流値補
償係数を予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正
予測電流値を出力し、最終的に、加算部において速度補
償演算部の速度補償電流値と予測電流補正部からの補正
予測電流値とを加算して最終速度補償電流指令値を求
め、これを電力変換装置へ出力し車両の速度制御を行う
ようにしているので、外気温の変化によって車両長が伸
縮し、誤差が生じる場合でも、所定の推進力が常に安定
して得られるように電流指令値を補正して電力変換装置
へ出力することができ、走行抵抗の変化を予測して車両
の速度を正確にフィードフォワード補償することによっ
て速度指令値に対する速度追従性能を向上させることが
でき、同時に速度の急激な変動を抑えることもでき、乗
り心地の改善が図れる。
【0065】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
に加えてさらに、推進力補償演算部に設けた速度補償電
流補正部によって、外気温検出部によって検出された外
気温による車両の伸縮に相当する位相差から、その位相
差によって生ずる推進力低下を補うために予測電流演算
部の出力に乗じる予測電流値補償係数と共に速度補償演
算部の出力に乗じる速度補償電流値補償係数を演算し、
推進力補償演算部からの速度補償電流値補償係数を速度
補償演算部からの速度補償電流値に乗じて補正速度補償
電流値を出力し、最終的に、加算部において速度補償電
流補正部からの補正速度補償電流値と予測電流補正部か
らの補正予測電流値とを加算して最終速度補償電流指令
値を求め、これを電力変換装置へ出力し車両の速度制御
を行うようにしているので、外気温の変化によって車両
長が伸縮し、誤差が生じる場合でも、予測電流の補正に
よるフィードフォワード制御系の補償と共に速度補償電
流の補正によるフィードバック制御系の補償が行え、速
度指令値に対する速度追従性能をいっそう向上すること
ができ、同時に速度の急激な変動を抑えることもでき、
乗り心地の改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例の回路ブロック図。
【図2】上記実施例の車両各位置の界磁極の位相ずれの
分布を示す説明図。
【図3】上記実施例において用いる予測電流補償係数の
位相差Δθiとの関係を示すグラフ。
【図4】請求項1および請求項2の発明の共通する実施
例の回路ブロック図。
【図5】請求項3および請求項4の発明の共通する実施
例の回路ブロック図。
【図6】従来例の回路ブロック図。
【図7】従来例の車両各位置の界磁極の位相ずれの分布
を示す説明図。
【符号の説明】
1 速度指令値演算部 2 加算器 3 速度補償部 4 係数乗算部 4a 補償係数乗算部 5 予測電流演算部 6 係数乗算部 6a 補償係数乗算部 7 加算器 8 位相同期制御部 9 推進力補償演算部 10 駆動制御装置 11 編成車両 12 位置検知装置 13 交差誘導線 14 受信器 15a,15b 位置検出用発振器 16a,16b,…,16e 界磁極 17 外気温検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 秀明 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上側の軌道に沿って配置された推進巻
    線と車両側にこれに対向するように搭載された界磁極と
    の相対位置を検出する位置検知装置と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置信号と速
    度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合う電
    流値を演算する速度補償演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置、速度、
    加速度によって生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予
    測電流値を演算する予測電流演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両長の誤差に相
    当する位相差から、その位相差によって生ずる推進力低
    下を補うために、前記予測電流演算部の出力に乗じる予
    測電流値補償係数を演算する推進力補償演算部と、 前記推進力補償演算部からの予測電流値補償係数を前記
    予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電流
    値を出力する予測電流補正部と、 前記速度補償演算部の速度補償電流値と前記予測電流補
    正部からの補正予測電流値とを加算して最終速度補償電
    流指令値を出力する加算部を備えて成る地上一次式リニ
    アシンクロナスモータ式車両の速度制御装置。
  2. 【請求項2】 地上側の軌道に沿って配置された推進巻
    線と車両側にこれに対向するように搭載された界磁極と
    の相対位置を検出する位置検知装置と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置信号と速
    度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合う電
    流値を演算する速度補償演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置、速度、
    加速度によって生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予
    測電流値を演算する予測電流演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両長の誤差に相
    当する位相差から、その位相差によって生ずる推進力低
    下を補うために、前記予測電流演算部の出力に乗じる予
    測電流値補償係数と共に前記速度補償演算部の出力に乗
    じる速度補償電流値補償係数を演算する推進力補償演算
    部と、 前記推進力補償演算部からの速度補償電流値補償係数を
    前記速度補償演算部からの速度補償電流値に乗じて補正
    速度補償電流値を出力する速度補償電流補正部と、 前記推進力補償演算部からの予測電流値補償係数を前記
    予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電流
    値を出力する予測電流補正部と、 前記速度補償電流補正部からの補正速度補償電流値と前
    記予測電流補正部からの補正予測電流値とを加算して最
    終速度補償電流指令値を出力する加算部を備えて成る地
    上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装
    置。
  3. 【請求項3】 地上側の軌道に沿って配置された推進巻
    線と車両側にこれに対向するように搭載された界磁極と
    の相対位置を検出する位置検知装置と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置信号と速
    度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合う電
    流値を演算する速度補償演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置、速度、
    加速度によって生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予
    測電流値を演算する予測電流演算部と、 外気温を測定する外気温検出部と、 前記外気温検出部が検出した外気温による車両の伸縮に
    相当する位相差から、その位相差によって生ずる推進力
    低下を補うために、前記予測電流演算部の出力に乗じる
    予測電流値補償係数を演算する推進力補償演算部と、 前記推進力補償演算部からの予測電流値補償係数を前記
    予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電流
    値を出力する予測電流補正部と、 前記速度補償演算部の速度補償電流値と前記予測電流補
    正部からの補正予測電流値とを加算して最終速度補償電
    流指令値を出力する加算部を備えて成る地上一次式リニ
    アシンクロナスモータ式車両の速度制御装置。
  4. 【請求項4】 地上側の軌道に沿って配置された推進巻
    線と車両側にこれに対向するように搭載された界磁極と
    の相対位置を検出する位置検知装置と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置信号と速
    度指令値との偏差に基づき、必要な速度補償に見合う電
    流値を演算する速度補償演算部と、 前記位置検知装置によって検出された車両位置、速度、
    加速度によって生ずる走行抵抗を補償するのに必要な予
    測電流値を演算する予測電流演算部と、 外気温を測定する外気温検出部と、 前記外気温検出部によって検出された外気温による車両
    の伸縮に相当する位相差から、その位相差によって生ず
    る推進力低下を補うために、前記予測電流演算部の出力
    に乗じる予測電流値補償係数と共に前記速度補償演算部
    の出力に乗じる速度補償電流値補償係数を演算する推進
    力補償演算部と、 前記推進力補償演算部からの速度補償電流値補償係数を
    前記速度補償演算部からの速度補償電流値に乗じて補正
    速度補償電流値を出力する速度補償電流補正部と、 前記推進力補償演算部からの予測電流値補償係数を前記
    予測電流演算部からの予測電流値に乗じて補正予測電流
    値を出力する予測電流補正部と、 前記速度補償電流補正部からの補正速度補償電流値と前
    記予測電流補正部からの補正予測電流値とを加算して最
    終速度補償電流指令値を出力する加算部を備えて成る地
    上一次式リニアシンクロナスモータ式車両の速度制御装
    置。
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