JPH0974614A - 磁気浮上式リニアモータカーの制御装置 - Google Patents

磁気浮上式リニアモータカーの制御装置

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JPH0974614A
JPH0974614A JP7231555A JP23155595A JPH0974614A JP H0974614 A JPH0974614 A JP H0974614A JP 7231555 A JP7231555 A JP 7231555A JP 23155595 A JP23155595 A JP 23155595A JP H0974614 A JPH0974614 A JP H0974614A
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calculation unit
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linear motor
motor car
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JP7231555A
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English (en)
Inventor
Norihiro Miyazawa
紀博 宮澤
Hideaki Ishii
秀明 石井
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Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
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Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアシンクロナスモータを用いた磁気浮上
式リニアモータカーの推力ロスをなくし、効率を上げ
る。 【解決手段】 位置検知装置1から与えられる位相信号
θi に対して位相基準θ* を算出し、この位相基準に基
づいて実速度Vと実位置xを算出し、さらに実位置xに
対応する速度指令V* を得、実速度Vと速度指令V* と
の偏差ΔVから電力変換器3に対する電流指令I* を算
出する。また走行抵抗演算部26で実速度V、実位置xに
基づいてリニアモータカーの走行抵抗FDを算出し、実速
度Vとこの走行抵抗FDとに基づいてリニアモータカーの
必要推力F* を算出し、さらにこの必要推力F* に対応
する理想電流指令Imを算出する。そして位相補正部29で
電流指令I* と理想電流指令Imとの偏差ΔIに基づいて
位相補正量Δθm を算出し、前述の位相基準θ* に対し
て加算して最終位相基準θm として電力変換器3に与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気浮上式リニアモ
ータカーの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リニアシンクロナスモータを用い、地上
一次・車上二次とする磁気浮上式リニアモータカーの駆
動制御のために、従来、図9に示すようなリニアモータ
カーの駆動回路が用いられている。この従来のリニアモ
ータカーの駆動回路はリニアモータカーの位置検知を行
い、位相信号θi を出力する位置検知装置1と、リニア
モータカーの位置に同期した位相信号を用いて与えられ
た速度でリニアモータカーが走行するように、位相信号
θi に基づいてリニアモータカーの速度演算、実位置演
算を行い、与えられる速度パターンに一致した速度でリ
ニアモータカーを駆動するために必要な電流指令値I*
と位相基準θ* を算出して出力する制御装置2と、この
制御装置2が与える電流波形に応じてき電電力の電力変
換を行い、リニアシンクロナスモータの推進コイルに供
給する電力変換器3から構成されている。
【0003】そして制御装置2は、交差誘導線を利用し
た位置検知装置1により、例えば5msといった周期でサ
ンプリングされる位相信号θi に対して、電力変換器3
で電流位相として使用する位相基準θ* を算出する位相
演算部21と、入力される位相信号θi から実速度Vを
演算する実速度演算部22と、この実速度Vに基づいて
リニアモータカーの実位置xを算出する実位置演算部2
3と、実位置演算部23が算出した実位置xに対して、
あらかじめ設定されている速度パターンを参照してその
位置xでの速度指令V* を求める速度指令発生部24
と、この速度指令発生部24が出力する速度指令V* と
実速度演算部22が求めた実速度Vとの偏差ΔVに基づ
いて速度補償に必要な電流指令I* を算出する電流指令
演算部25から構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の磁気浮上式リニアモータカーの制御装置では、位
置検知装置1が検知する位相信号θi に対して電力変換
器3に与える電流指令I* と位相基準θ* を得て電力変
換器3に与え、これによって電力変換器3がき電電力を
電力変換して実際にリニアシンクロナスモータの推進コ
イルに流れる電流を調整するまでには時間遅れが避けら
れないが、従来はこのような時間遅れの補正量を一定値
としてあらかじめ設定にしていたために、時間遅れに変
動が生じた場合にはその誤差分だけ位相基準信号θ* に
も実際の値とずれが生じることになる。
【0005】また、地上の軌道沿線に敷設された交差誘
導線を用いた位置検知装置1の位相信号θi を電力制御
用の位相基準θ* として使用できるように交差誘導線と
地上コイルとを同じピッチに設定することにより、リニ
アモータカーの実位置の位相と電流位相との同期がとれ
るようにしているが、このために、気温の変化などによ
って地上コイルや交差誘導線の位置に物理的なずれが生
じた時にはそのずれが位相基準信号にも影響を及ぼすこ
とになる。
【0006】このような種々の原因で位相基準θ* とリ
ニアモータカーの実位相θi との間にずれが生じること
が避けられず、推力ロスが発生する問題点があった。
【0007】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、磁気浮上式リニアモータカーの実際の
走行抵抗を求めることによってリニアモータカーの駆動
に必要とされる電流値を求め、電力変換器に出力してい
る電流指令あるいは電力変換器が実際に出力している電
流値と比較することにより電力変換器の電流の位相基準
が実際のリニアモータカーの位相と同期しているかどう
か監視し、位相のずれを検知したならば推力ロスの少な
い電流位相となるように電力変換器に与えられる位相基
準信号の補正処理を行い、推力ロスを少なくすることが
できる磁気浮上式リニアモータカーの制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、位置
検知装置から入力される位相信号に同期した電流波形を
電力変換器が出力するように電流位相制御を行う磁気浮
上式リニアモータカーの制御装置において、位相信号に
基づいて電力変換器の電流波形の位相基準を算出する位
相基準演算部と、位相信号に基づいてリニアモータカー
の実速度を算出する実速度演算部と、位相信号に基づい
てリニアモータカーの実位置を算出する実位置演算部
と、実位置に対応する速度指令を出力する速度指令発生
部と、実速度と速度指令との偏差に基づいて電流指令を
算出して電力変換器に与える電流指令演算部と、実速度
と実位置に基づいてリニアモータカーが受ける走行抵抗
を算出する走行抵抗演算部と、実速度と走行抵抗とに基
づいてリニアモータカーの必要推力を算出する推力演算
部と、必要推力に対応する理想電流指令を算出する理想
電流指令演算部と、電流指令演算部が出力する電流指令
と理想電流指令演算部が出力する理想電流指令との偏差
に基づいて位相補正量を算出する位相補正量演算部と、
位相基準演算部が出力する位相基準に対して位相補正量
演算部が出力する位相補正量を加算して最終位相基準と
して電力変換器に与える位相基準補正部とを備えたもの
である。
【0009】この請求項1の発明の磁気浮上式リニアモ
ータカーの制御装置では、位置検知装置から与えられる
位相信号θi に対して位相演算部において位相基準θ*
を算出する。また位相信号に基づいて実速度演算部で実
速度Vを算出し、また得られた実速度Vに基づいて実位
置演算部で実位置xを算出し、さらに速度指令発生部に
よって実位置xに対応する速度指令V* を得、電流指令
演算部において実速度Vと速度指令V* との偏差ΔVか
ら電力変換器に対する電流指令I* を算出する。
【0010】また走行抵抗演算部において実速度V、実
位置xに基づいてリニアモータカーの走行抵抗FDを算出
し、さらに推力演算部において実速度Vと走行抵抗FDと
に基づいてリニアモータカーの必要推力F* を算出す
る。そしてこの必要推力F* に対応する理想電流指令Im
を理想電流指令演算部で算出し、位相補正量演算部にお
いて前述の電流指令演算部が出力する電流指令I* とこ
の理想電流指令Imとの偏差ΔIに基づいて位相補正量Δ
θm を算出し、前述の位相基準演算部が出力する位相基
準θ* に対してこの位相補正量Δθmを加算して最終位
相基準θm として電力変換器に与える。
【0011】これにより、リニアモータカーの駆動に必
要とされる推力に見合う電流値と電力変換器に出力して
いる電流指令とを比較することによって電力変換器の電
流の位相基準が実際のリニアモータカーの位相と同期し
ているかどうか監視し、位相のずれを検知したならば推
力ロスの少ない電流位相となるように電力変換器に与え
られる位相基準信号の補正処理を行い、推力ロスを少な
くすることができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の磁気浮上式
リニアモータカーの制御装置において、電力変換器に与
えられる電流指令I* に代えて、電力変換器が出力する
電流の電流値Irを用いるために、電力変換器の出力する
電流の電流値Irを検出する駆動電流検出器を有し、位相
補正量演算部が駆動電流検出器の検出する電流値Irと理
想電流指令演算部が出力する理想電流指令Imとの偏差Δ
Iに基づいて位相補正量Δθm を算出し、位相基準補正
部が位相基準演算部の出力する位相基準θ* に対してこ
の位相補正量Δθm を加算して最終位相基準θm として
電力変換器に与えるようにしている。
【0013】これにより、請求項1の発明と同じよう
に、リニアモータカーの駆動に必要とされる推力に見合
う電流値と電力変換器が実際に出力している電流値とを
比較することにより電力変換器の電流の位相基準が実際
のリニアモータカーの位相と同期しているかどうか監視
し、位相のずれを検知したならば推力ロスの少ない電流
位相となるように電力変換器に与えられる位相基準信号
の補正処理を行い、推力ロスを少なくすることができ
る。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2の磁気
浮上式リニアモータカーの制御装置において、位置検知
装置が検知する位相信号θi に代えて、リニアモータカ
ーが走行する時に磁気抗力によって発生する速度起電力
の位相信号θv を用いるために、電力変換器に発生する
速度起電力の位相θv を検出する速度起電力位相検出器
を有し、位相基準演算部が速度起電力の位相信号θv に
基づいて電力変換器の電流波形の位相基準θ* を算出す
るようにしたものである。
【0015】これにより、請求項1又は2の発明と同じ
ように速度起電力の位相信号θv に基づいて位相基準θ
* 、実速度V、実位置xを算出し、またこれらの変数に
基づいて速度指令V* 、電流指令I* 、走行抵抗FD、必
要推力F* 、理想電流指令Imなどを得、さらに電流指令
I* または電力変換器の出力する実際の電流値Irと理想
電流指令Imとの偏差ΔIに基づいて位相補正量Δθm を
得て位相基準θ* に対して加算し、最終位相基準θm と
して電力変換器に与えることができ、電力変換器に与え
られる位相基準信号θ* を補正して推力ロスを少なくす
ることができる。
【0016】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの磁気浮上式リニアモータカーの制御装置において、
走行抵抗演算部が、実速度V、実位置xを変数とし、次
の演算式(3)に基づいて走行抵抗FDを算出し、推力演
算部が、走行抵抗データFDと実速度Vに基づいて、次の
演算式(4)に基づいて必要推力F* を算出するように
したものである。
【0017】 FD=Da+Dm+De+Di+Dg …(3) ここで、 空気抵抗 Da=kaV2 磁気抗力 Dm=kmV 渦電流損 De=ke/V 誘導集電抵抗 Di=ki 勾配抵抗 Dg=f(x) であり、また、ka,km,ke,kiはあらかじめ設定される
定数であり、勾配抵抗Dgは実位置との対応で設定されて
いる関数である。
【0018】F* =mα+FD …(4) ここで、 リニアモータカー質量 m 加速度 α=(dV/dt) である。
【0019】これにより、リニアモータカーの存在して
いる実位置に対応した走行抵抗FDをリアルタイムに求め
て位相基準θ* の補正に利用することができ、推力ロス
の少ない電流位相制御ができる。
【0020】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの磁気浮上式リニアモータカーの制御装置において、
走行抵抗演算部が、リニアモータカーが同じ路線を各種
速度パターンで走行した過去の走行抵抗データを当該速
度パターンにおける各実位置ごとの走行抵抗データとし
て記憶している走行抵抗データ記憶部と、実速度と実位
置に基づいて走行抵抗データ記憶部の保存データを検索
し、対応する速度パターン、実位置における走行抵抗デ
ータを読み出す走行抵抗データ検索部とを具備したもの
である。
【0021】これにより、走行抵抗演算部において、走
行抵抗データ記憶部に登録されている過去の同じ速度パ
ターンに対応する走行抵抗データFDを用いて位相基準θ
* を補正することができ、推力ロスの少ない電流位相制
御ができる。
【0022】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かの磁気浮上式リニアモータカーの制御装置において、
電流指令演算部が出力する電流指令、又は駆動電流検出
器が出力する電流値と理想電流指令演算部が出力する理
想電流指令との偏差の大きさが所定の比較値よりも大き
い時に異常判定する異常判定部を備えたものである。
【0023】これにより、き電系、電力変換器、位置検
知装置及び地上コイル等の設備の異常を検知することが
できる。
【0024】請求項7の発明は、請求項5の磁気浮上式
リニアモータカーの制御装置において、電流指令演算部
が出力する電流指令、又は駆動電流検出器が出力する電
流値と理想電流指令演算部が出力する理想電流指令との
偏差の大きさが所定の比較値よりも大きい時に異常判定
する異常判定部と、実速度と実位置を変数として所定の
演算式に基づく演算処理によって走行抵抗を算出する走
行抵抗演算処理部と、異常判定部が異常判定する時に走
行抵抗データ検索部の出力から走行抵抗演算処理部の出
力に切り換えて走行抵抗として出力する走行抵抗出力切
換部とを備えたものである。
【0025】これにより、き電系、電力変換器、位置検
知装置及び地上コイル等の設備の異常を検知することが
できる共に、現実の速度パターンがあらかじめ設定され
ている過去の速度パターンと大きく異なるような異常発
生時でも確実に位相補正を行うことができ、電流位相制
御動作の信頼性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1に示す第1の実施の形態の磁気
浮上式リニアモータカーの制御装置2は、位相信号θi
に基づいて電力変換器3の電流波形の位相基準θ* を算
出する位相基準演算部21と、位相信号θi に基づいて
リニアモータカーの実速度Vを算出する実速度演算部2
2と、位相信号θi に基づいてリニアモータカーの実位
置xを算出する実位置演算部23と、所定の速度パター
ンを記憶し、その速度パターンに基づいて実位置xに対
応する速度指令V* を出力する速度指令発生部24と、
実速度Vと速度指令V*との偏差ΔVに基づいて電流指
令I* を算出して電力変換器3に与える電流指令演算部
25を備えている。
【0027】さらにこの第1の実施の形態の制御装置2
は、実速度V、実位置xに基づいてリニアモータカーが
受ける走行抵抗FDを算出する走行抵抗演算部26と、実
速度Vと走行抵抗FDとに基づいてリニアモータカーの必
要推力F* を算出する推力演算部27と、必要推力F*
に対応する理想電流指令Imを算出する理想電流指令演算
部28と、電流指令演算部25が出力する電流指令I*
と理想電流指令演算部28が出力する理想電流指令Imと
の偏差ΔIに基づいて位相補正量Δθm を算出し、位相
基準演算部21が出力する位相基準θ* に対して加算し
て最終位相基準θm として電力変換器3に与える位相補
正部29を備えている。
【0028】さらに第1の実施の形態の制御装置2は、
電流指令演算部25が出力する電流指令I* と理想電流
指令演算部28が出力する理想電流指令Imとの偏差ΔI
を求め、これを所定の比較値と比較して比較値を超える
偏差であれば異常が発生しているものと判定して異常検
出信号を出力する異常判定部210を備えている。
【0029】上記の機能構成を備えた第1の実施の形態
の制御装置2の具体的な制御ブロック線図を示すと図2
のようになる。すなわち、位相演算部21は、自身の出
力である位相基準θ* と位置検知装置1から入力される
位相信号θi との偏差Δθに対してPI演算部21aで
PI演算し、さらに積分処理部21bで積分処理して位
相基準θ* を得る構成である。実速度演算部22は特別
の回路として備えられているのではなく、位相演算部2
1の積分処理部21bに対する入力信号、つまり基準位
相θ* の時間微分信号を取り出す配線で構成されてい
る。実位置演算部23は、位相演算部21が出力する位
相基準θ* を積分し、あらかじめ登録されている走行路
の仕様と照らし合わせてリニアモータカーの現在位置x
を第何セクション、第何番コイルの何度の位相の位置と
いうように決定する構成である。
【0030】速度指令発生部24は停止状態から定格速
度になるまで所定の加速度で加速し、定格速度になれば
所定距離だけ走行し、停止地点に近づけば所定の減速度
で減速し、目標地点で停止する速度パターンを基準地点
からの位置と速度指令との対応データテーブルとして備
えていて、実位置演算部23から与えられる実位置デー
タxに対してこのデータテーブルを検索し、対応する速
度指令V* を出力する構成であり、電流指令演算部25
は実速度演算部22からの実速度Vと速度指令発生部2
4からの速度指令V* との偏差ΔVに対して比例積分演
算処理を行い、電流指令I* を出力する構成である。
【0031】走行抵抗(FD)演算部26は、実速度Vと
実位置xを入力し、前述の式(3)に基づく演算を実行
して走行抵抗FDを算出する構成である。また推力演算部
27は、実速度Vの時間微分を行って加速度αを求める
微分器27aと、微分器27aが出力するリニアモータ
カーの加速度αとあらかじめ設定されている質量mとを
掛け合わせて慣性力mαを得るmα演算部27bと、FD
演算部26が出力する走行抵抗FDとこの慣性力mαを加
算して必要推力F* を出力する加算器27cから構成さ
れている。そして理想電流演算部28は必要推力F* に
1/km(kmは定数)を掛けることによって電流換算して
理想電流指令Imを出力する構成である。
【0032】位相補正部29は加算器29aによって理
想電流指令Imと電流指令演算部25から電力変換器3に
与えられる電流指令I* との偏差ΔIを求め、補償回路
29bにおいてこの偏差ΔIに対して補償演算を行って位
相補正量Δθm を算出し、加算器29cにおいてこの位
相補正量Δθm を位相演算部21から出力される位相指
令θ* に対して加算して最終位相指令θm を得て電力変
換器3に与える構成である。
【0033】さらにこの第1の実施の形態では、異常判
定部210を備えているが、この異常判定部210は加
算器29aによる理想電流指令Imと電流指令I* との偏
差ΔIをあらかじめ設定されている比較値と比較し、偏
差ΔIが比較値よりも大きい時にき電系、電力変換器、
地上コイルその他の設備に何らかの異常が発生している
と判定する異常検出回路210aと、異常判定時のデー
タを保存するデータ保存部210bから構成されてい
る。
【0034】次に、上記構成の磁気浮上式リニアモータ
カーの制御装置2の動作について説明する。位置検知装
置1から与えられる位相信号θi に対して位相演算部2
1において位相基準θ* を算出する。また位相演算部2
1から実速度演算部22が実速度Vを取り出して電流指
令演算部25と走行抵抗演算部26に与え、また実位置
演算部23が位相演算部21の出力する位相基準θ* を
積分してリニアモータカーの実位置xを求め、これを速
度指令発生部24と走行抵抗演算部26に与える。
【0035】速度指令発生部24ではあらかじめ登録さ
れている速度パターンデータテーブルを参照して、実位
置xに対応する速度指令V* を得て出力し、電流指令演
算部25において実速度Vと速度指令V* との偏差ΔV
から電力変換器に対する電流指令I* をPI演算する。
【0036】他方、走行抵抗演算部26では、実速度
V、実位置xに基づいてリニアモータカーの走行抵抗FD
を算出し、さらに推力演算部27において加速度α、リ
ニアモータカーの質量m、走行抵抗FDとに基づいてリニ
アモータカーの必要推力F* を算出する。
【0037】走行抵抗FDは次に再記した式3で与えられ
る。
【0038】 FD=Da+Dm+De+Di+Dg …(3) ここで、 空気抵抗 Da=kaV2 磁気抗力 Dm=kmV 渦電流損 De=ke/V 誘導集電抵抗 Di=ki 勾配抵抗 Dg=f(x) である。つまり、リニアモータカーが走行中に受ける空
気抵抗Da、磁気抗力Dm、各部に発生する渦電流損De、リ
ニアモータカーが内部照明その他の補助機器の電力を得
るために行う誘導集電によって発生する誘導集電抵抗D
i、軌道勾配によって発生する勾配抵抗Dgの総和であ
る。
【0039】そして空気抵抗Daは実速度Vの2乗に比例
し、磁気抗力Dmは実速度Vに比例し、渦電流損Deは実速
度に反比例する。また誘導集電抵抗Diは一定であり、勾
配抵抗Dgは実際の軌道の勾配に関係し、実位置xの関数
f(x)として決定される。そこで比例定数ka,km,ke,ki
をあらかじめ登録しておき、また勾配抵抗Dgは各実位置
xと対応させたデータテーブル形式で登録しておき、周
期的に実速度V、実位置xが入力されると式3に基づく
演算を実行して走行抵抗FDを算出して加算器27cに出
力する。
【0040】推力演算部27では、微分器27aにおい
て実速度Vを微分して加速度αを求め、mα演算部27
bにおいて慣性力mαを求め、さらに加算器27cにお
いて走行抵抗FDとこの慣性力mαとを加算して必要推力
F* を求める。つまり、次に再記した式4に基づく演算
を実行するのである。
【0041】F* =mα+FD …(4) ここで、 リニアモータカー質量 m 加速度 α=(dV/dt) である。こうして得られた必要推力F* に対して、理想
電流指令演算部28では1/kmを掛けることによって必
要推力F* を実現する理想電流指令Imを算出する。
【0042】さらに、位相補正量演算部29の加算器2
9aでは電流指令演算部25が出力する電流指令I* と
この理想電流指令Imとの偏差ΔIを求め、補償回路29
bにおいて図3に示す補償演算を実行して位相補正量Δ
θm を算出し、これを加算器29cにおいて位相基準演
算部21が出力する位相基準θ* に対して加算して最終
位相基準θm を得、これを電力変換器3に与える。
【0043】これにより、リニアモータカーの駆動に必
要とされる推力F* に見合う電流値Im と電力変換器3
に出力している電流指令I* とを比較して、両者間に誤
差が発生した場合には補償演算によって電力変換器3に
与える位相基準θ* に位相補正Δθm を行い、推力ロス
の少ない位相基準を電力変換器3に与えることができる
ようになる。つまり、図4に示すように、従来であれば
位相誤差Δθm が発生し推力ロスが発生している場合に
は、その推力ロスをカバーするために電流指令I* 側の
振幅を理想電流指令Imの振幅と一致するようにΔImだけ
大きく設定する方式をとっていたが、その場合には電力
ロスが大きくなり、発熱も大きくなっていた。ところ
が、本発明のように位相誤差Δθm を補正すれば電流指
令I*の波形が理想電流指令Imの波形と一致することにな
り、電流指令I* 側の振幅を大きくする必要がなく、そ
れだけ効率が向上し、電力ロスを抑え、また発熱を抑え
ることができるのである。
【0044】次に、本発明の第2の実施の形態について
図5に基づいて説明する。この第2の実施の形態に特徴
は、電力変換器3が出力する実際の電流の電流値Irを電
流検出器211によって検出し、位相補正部29がこの
電流値Irを第1の実施の形態における電流指令I* に代
えて取り込み、位相補正量演算を行うようにした点にあ
る。したがって、その他の構成要素について図1、図2
に示した第1の実施の形態と共通するので、同一の部分
には同一の符号を付すことによってその詳しい説明を省
略する。
【0045】この第2の実施の形態によれば、位相補正
量演算部29は電流検出器211が検出して出力する電
力変換器3の出力電流の電流値Irと理想電流指令演算部
28が出力する理想電流指令Imとの偏差ΔIを求め、以
下、第1の実施の形態と同じように図3に示す補償演算
を実行して位相補正量Δθm を算出し、これを位相基準
演算部21が出力する位相基準θ* に対して加算して最
終位相基準θm を得、これを電力変換器3に与える。
【0046】これにより、リニアモータカーの駆動に必
要とされる推力F* に見合う電流値Im と電力変換器3
が出力している電流値Ir とを比較して、両者間に誤差
が発生した場合には補償演算によって電力変換器3に与
える位相基準θ* に位相補正Δθm を行い、推力ロスの
少ない位相基準を電力変換器3に与えることができるよ
うになる。
【0047】次に、第3の実施の形態について図6に基
づいて説明する。この第3の実施の形態の特徴は、走行
抵抗演算部26がリニアモータカーが同じ路線を各種速
度パターンで走行した過去の走行抵抗データを当該速度
パターンにおける各実位置ごとの走行抵抗データとして
記憶させた走行抵抗データ記憶部212と、実速度V、
実位置xに基づいて走行抵抗データ記憶部212の保存
データを検索し、対応する速度パターン、実位置におけ
る走行抵抗データを読み出す走行抵抗データ検索部21
3とを具備した点にある。その他の構成要素については
第1、第2の実施の形態と共通するので、同一部分につ
いては同一の符号を付すことによって詳しい説明を省略
する。
【0048】この第3の実施の形態によれば、走行抵抗
演算部26において走行抵抗データ検索部213が実速
度V、実位置xの入力を受けて走行抵抗データ記憶部2
12の登録データを検索し、実速度Vから過去の同じ速
度パターンを割り出し、さらにその速度パターンにおけ
る実位置xに対応する位置での走行抵抗データFDを抽出
し、これを推力演算部27に出力する。そして推力演算
部27、理想電流指令演算部28、位相補正部29は第
1の実施の形態と同様の演算処理を実行して位相演算部
21が出力する位相基準θ* に対して位相補正を行い、
最終位相基準θm を得て電力変換器3に与える。
【0049】これにより、第1の実施の形態と同様に推
力ロスを少なくし、電力ロス、発熱を抑えた運転ができ
ることになる。
【0050】なお、この第3の実施の形態においても、
第2の実施の形態と同じように、位相補正部29が電流
指令演算部25からの電流指令I* に代えて電力変換器
3が出力する実際の電流値Irを用いて位相補正量演算を
行う構成とすることもできる。
【0051】次に、第4の実施の形態について図7に基
づいて説明する。この第4の実施の形態の特徴は走行抵
抗演算部26の内部構成にあり、第3の実施の形態で示
した走行抵抗データ記憶部212と走行データ検索部2
13と共に、第1、第2の実施の形態で示した式3に基
づく演算によって走行抵抗データを算出する走行抵抗演
算処理部214を備え、さらに異常判定部210からの
異常判定信号の有無によって走行データ検索部213の
出力と走行抵抗演算処理部214の出力とを切り換えて
走行抵抗FDとして出力する出力切換部215を備え、通
常時には走行抵抗データ検索部213の出力側にセット
しておき、異常判定部210が異常判定した時には出力
切換部215が走行抵抗演算処理部214の出力側に切
り換えて走行抵抗FDを出力させる構成である。
【0052】これによって現実の速度パターンがあらか
じめ設定されている過去の速度パターンと大きく異なる
ような場合でも確実に位相補正を行い、推力ロスのない
電流位相制御ができるようになる。
【0053】なお、この第4の実施の形態においても、
第2の実施の形態と同じように電流指令I* に代えて電
力変換器3の実際の電流値Irを用いて位相補正量演算を
行う構成とすることができる。
【0054】次に第5の実施の形態について図8に基づ
いて説明する。この第5の実施の形態は、第1〜第4各
々の実施の形態では位置検知装置1が検知する位相信号
を用いて位相演算部21が位相基準θ* を算出していた
のを、これに代えて、リニアモータカーが走行する時に
磁気抗力によって発生する速度起電力の位相信号を検出
する速度起電力検出器216を備え、この速度起電力検
出器216の位相検出出力θv を位相演算部21に入力
して位相基準θ* を算出するようにしたことを特徴とす
る。したがって、その他の構成要素については第1の実
施の形態と共通するので、同一の部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0055】この第5の実施の形態でも、速度起電力の
位相信号θv に基づいて位相基準θ* 、実速度V、実位
置xを算出し、またこれらのデータに基づいて速度指令
V*、電流指令I* 、走行抵抗FD、必要推力F* 、理想
電流指令Imなどを得、さらに電流指令I* または電力変
換器3の出力する実際の電流値Irと理想電流指令Imとの
偏差ΔIに基づいて位相補正量Δθm を得て位相基準θ
* に対して加算し、最終位相基準θm として電力変換器
3に与えることができ、電力変換器3に与えられる位相
基準信号を補正して推力ロスを少なくすることができ
る。
【0056】なお、この第5の実施の形態においても、
位相演算部21に対する入力以外の部分については、図
5、図6、図7と同じ構成とすることができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
位置検知装置から与えられる位相信号に対して位相基準
を算出し、また位相信号に基づいて実速度を算出し、得
られた実速度に基づいて実位置を算出し、この実位置に
対応する速度指令を得、実速度と速度指令との偏差から
電力変換器に対する電流指令を算出し、さらに得られた
実速度、実位置に基づいてリニアモータカーの走行抵抗
を算出し、これらの実速度と走行抵抗とに基づいてリニ
アモータカーの必要推力を算出し、そしてこの必要推力
に対応する理想電流指令を算出し、電流指令と理想電流
指令との偏差に基づいて位相補正量を算出し、前述の位
相基準に対してこの位相補正量を加算して最終位相基準
を得て電力変換器に与えるようにしているので、リニア
モータカーの駆動に必要とされる推力に見合う電流値と
電力変換器に出力している電流指令とを比較することに
よって電力変換器の電流の位相基準が実際のリニアモー
タカーの位相と同期しているかどうか監視し、位相のず
れを検知したならば推力ロスの少ない電流位相となるよ
うに電力変換器に与えられる位相基準信号の補正処理を
行うことができ、推力ロスを少なくすることができる。
【0058】請求項2の発明によれば、請求項1の磁気
浮上式リニアモータカーの制御装置において電力変換器
に与えられる電流指令に代えて、電力変換器が出力する
電流値を用い、この電流値と理想電流指令との偏差に基
づいて位相補正量を算出し、位相基準に対してこの位相
補正量を加算して最終位相基準を得て電力変換器に与え
るようにしているので、リニアモータカーの駆動に必要
とされる推力に見合う電流値と電力変換器が実際に出力
している電流値とを比較することにより電力変換器の電
流の位相基準が実際のリニアモータカーの位相と同期し
ているかどうか監視し、位相のずれを検知したならば推
力ロスの少ない電流位相となるように電力変換器に与え
られる位相基準信号の補正処理を行うことができ、推力
ロスを少なくすることができる。
【0059】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
の磁気浮上式リニアモータカーの制御装置において、位
置検知装置が検知する位相信号に代えて、リニアモータ
カーが走行する時に磁気抗力によって発生する速度起電
力の位相信号を用いるために、請求項1又は2の発明と
同じように速度起電力の位相信号に基づいて位相基準、
実速度、実位置を算出し、またこれらの変数に基づいて
速度指令、電流指令、走行抵抗、必要推力、理想電流指
令などを得、さらに電流指令または電力変換器の出力す
る実際の電流値と理想電流指令との偏差に基づいて位相
補正量を得て位相基準に対して加算し、最終位相基準と
して電力変換器に与えることができ、電力変換器に与え
られる位相基準信号を補正して推力ロスを少なくするこ
とができる。
【0060】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
いずれかの磁気浮上式リニアモータカーの制御装置にお
いて、走行抵抗演算部が、実速度V、実位置xを変数と
し、次の演算式(5)に基づいて走行抵抗FDを算出し、
推力演算部が、走行抵抗データFDと実速度Vに基づい
て、次の演算式(6)に基づいて必要推力F* を算出す
るようにしているので、リニアモータカーの存在してい
る実位置に対応した走行抵抗をリアルタイムに求めて位
相基準の補正に利用することができ、推力ロスの少ない
電流位相制御ができる。
【0061】 FD=Da+Dm+De+Di+Dg …(5) ここで、 空気抵抗 Da=kaV2 磁気抗力 Dm=kmV 渦電流損 De=ke/V 誘導集電抵抗 Di=ki 勾配抵抗 Dg=f(x) であり、また、ka,km,ke,kiはあらかじめ設定される
定数であり、勾配抵抗Dgは実位置との対応で設定されて
いる関数である。
【0062】F* =mα+FD …(6) ここで、 リニアモータカー質量 m 加速度 α=(dV/dt) 請求項5の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの磁
気浮上式リニアモータカーの制御装置において、走行抵
抗演算部がリニアモータカーが同じ路線を各種速度パタ
ーンで走行した過去の走行抵抗データを当該速度パター
ンにおける各実位置ごとの走行抵抗データとして記憶し
ている走行抵抗データ記憶部と、実速度、実位置に基づ
いて走行抵抗データ記憶部の保存データを検索し、対応
する速度パターン、実位置における走行抵抗データを読
み出す走行抵抗データ検索部とを具備し、実速度、実位
置に対して走行抵抗データ検索部が走行抵抗データ記憶
部に登録されている過去の同じ速度パターンに対応する
走行抵抗データを用いて走行抵抗データを読み出すよう
にしているので、位相基準を走行抵抗データに基づいて
算出した位相補正量によって補正することができ、推力
ロスの少ない電流位相制御ができる。
【0063】請求項6の発明によれば、請求項1〜5の
いずれかの磁気浮上式リニアモータカーの制御装置にお
いて、電流指令演算部が出力する電流指令、又は駆動電
流検出器が出力する電流値と理想電流指令演算部が出力
する理想電流指令との偏差の大きさが所定の比較値より
も大きい時に異常判定する異常判定部を備えているの
で、この異常判定出力によりき電系、電力変換器、位置
検知装置及び地上コイル等の設備の異常を検知すること
ができる。
【0064】請求項7の発明によれば、異常判定部が電
流指令演算部が出力する電流指令、又は駆動電流検出器
が出力する電流値と理想電流指令演算部が出力する理想
電流指令との偏差の大きさが所定の比較値よりも大きい
ために異常と判定する時には、走行抵抗データ検索に基
づく走行抵抗に代えて上記式5に基づくリアルタイム演
算によって得られる走行抵抗を用いて位相補正を行うよ
うにしているので、推力ロスのない位相制御ができると
共に、現実の速度パターンがあらかじめ設定されている
過去の速度パターンと大きく異なるような場合でも確実
に位相補正を行うことができ、電流位相制御動作の信頼
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能ブロック図。
【図2】上記第1の実施の形態の制御ブロック線図。
【図3】上記第1の実施の形態における補償回路の補償
演算を示すブロック線図。
【図4】上記第1の実施の形態の位相補正特性を示す波
形図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の機能ブロック図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の機能ブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態の機能ブロック図。
【図8】本発明の第5の実施の形態の機能ブロック図。
【図9】従来例の機能ブロック図。
【符号の説明】 1 位置検知装置 2 制御装置 3 電力変換器 21 位相演算部 22 実速度演算部 23 実位置演算部 24 速度指令発生部 25 電流指令演算部 26 走行抵抗演算部 27 推力演算部 28 理想電流指令演算部 29 位相補正部 210 異常判定部 211 電流検出器 212 走行抵抗データ記憶部 213 走行抵抗データ検索部 214 走行抵抗演算処理部 215 出力切換部 216 速度起電力位相検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 秀明 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検知装置から入力される位相信号に
    同期した電流波形を電力変換器が出力するように電流位
    相制御を行う磁気浮上式リニアモータカーの制御装置に
    おいて、 前記位相信号に基づいて前記電力変換器の電流波形の位
    相基準を算出する位相基準演算部と、 前記位相信号に基づいて前記リニアモータカーの実速度
    を算出する実速度演算部と、 前記位相信号に基づいて前記リニアモータカーの実位置
    を算出する実位置演算部と、 前記実位置に対応する速度指令を出力する速度指令発生
    部と、 前記実速度と前記速度指令との偏差に基づいて電流指令
    を算出して前記電力変換器に与える電流指令演算部と、 前記実速度と前記実位置に基づいて前記リニアモータカ
    ーが受ける走行抵抗を算出する走行抵抗演算部と、 前記実速度と前記走行抵抗とに基づいて前記リニアモー
    タカーの必要推力を算出する推力演算部と、 前記必要推力に対応する理想電流指令を算出する理想電
    流指令演算部と、 前記電流指令演算部が出力する電流指令と前記理想電流
    指令演算部が出力する理想電流指令との偏差に基づいて
    位相補正量を算出する位相補正量演算部と、 前記位相基準演算部が出力する位相基準に対して前記位
    相補正量演算部が出力する位相補正量を加算して最終位
    相基準として前記電力変換器に与える位相基準補正部と
    を備えて成る磁気浮上式リニアモータカーの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電力変換器が出力する電流を検出す
    る駆動電流検出器を有し、 前記位相補正量演算部が前記電流指令演算部が出力する
    電流指令の代りに、前記駆動電流検出器の検出する電流
    値と前記理想電流指令演算部が出力する理想電流指令と
    の偏差に基づいて位相補正量を算出し、 前記位相基準補正部が前記位相基準演算部の出力する位
    相基準に対して前記位相補正量演算部が出力する位相補
    正量を加算して最終位相基準として前記電力変換器に与
    えることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上式リニア
    モータカーの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電力変換器に発生する速度起電力の
    位相を検出する速度起電力位相検出器を有し、 前記位相基準演算部が前記位置検知装置から入力される
    位相信号の代りに、前記速度起電力の位相信号に基づい
    て前記電力変換器の電流波形の位相基準を算出すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気浮上式リニアモ
    ータカーの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記走行抵抗演算部が、前記実速度V、
    前記実位置xを変数とし、次の演算式(1)に基づいて
    走行抵抗FDを算出し、前記推力演算部が、前記走行抵抗
    FDと前記実速度Vに基づいて、次の演算式(2)に基づ
    いて必要推力F* を算出することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の磁気浮上式リニアモータカーの
    制御装置。 FD=Da+Dm+De+Di+Dg …(1) ここで、 空気抵抗 Da=kaV2 磁気抗力 Dm=kmV 渦電流損 De=ke/V 誘導集電抵抗 Di=ki 勾配抵抗 Dg=f(x) であり、また、ka,km,ke,kiはあらかじめ設定される
    定数であり、勾配抵抗Dgは実位置との対応で設定されて
    いる関数である。 F* =mα+FD …(2) ここで、 リニアモータカー質量 m 加速度 α=(dV/dt) である。
  5. 【請求項5】 前記走行抵抗演算部が、前記リニアモー
    タカーが同じ路線を各種速度パターンで走行した過去の
    走行抵抗データを当該速度パターンにおける各実位置ご
    との走行抵抗データとして記憶している走行抵抗データ
    記憶部と、前記実速度、実位置に基づいて前記走行抵抗
    データ記憶部の保存データを検索し、対応する速度パタ
    ーン、実位置における走行抵抗データを読み出す走行抵
    抗データ検索部とを具備して成る請求項1〜3のいずれ
    かに記載の磁気浮上式リニアモータカーの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電流指令演算部が出力する電流指
    令、又は前記駆動電流検出器が出力する電流値と前記理
    想電流指令演算部が出力する理想電流指令との偏差の大
    きさが所定の比較値よりも大きい時に異常判定する異常
    判定部を備えて成る請求項1〜5のいずれかに記載の磁
    気浮上式リニアモータカーの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記電流指令演算部が出力する電流指
    令、又は前記駆動電流検出器が出力する電流値と前記理
    想電流指令演算部が出力する理想電流指令との偏差の大
    きさが所定の比較値よりも大きい時に異常判定する異常
    判定部と、前記実速度、実位置を変数として所定の演算
    式に基づく演算処理によって走行抵抗を算出する走行抵
    抗演算処理部と、前記異常判定部が異常判定する時に前
    記走行抵抗データ検索部の出力から前記走行抵抗演算処
    理部の出力に切り換えて走行抵抗として出力する走行抵
    抗出力切換部とを備えて成る請求項5記載の磁気浮上式
    リニアモータカーの制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100712450B1 (ko) * 2006-12-27 2007-05-02 (주) 나노모션테크놀러지 자기부상 리니어 모터 제어 방법 및 시스템
CN117516682A (zh) * 2023-11-21 2024-02-06 成都德力斯实业有限公司 一种运输位置监测方法

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