JP2001275375A - 低速度における速度起電力位相制御装置 - Google Patents

低速度における速度起電力位相制御装置

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JP2001275375A
JP2001275375A JP2000084150A JP2000084150A JP2001275375A JP 2001275375 A JP2001275375 A JP 2001275375A JP 2000084150 A JP2000084150 A JP 2000084150A JP 2000084150 A JP2000084150 A JP 2000084150A JP 2001275375 A JP2001275375 A JP 2001275375A
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electromotive force
speed
speed electromotive
vehicle
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Application number
JP2000084150A
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English (en)
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Shunsaku Koga
俊作 古賀
Junichi Kitano
淳一 北野
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Railway Technical Research Institute
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Central Japan Railway Co
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L15/00Methods, circuits, or devices for controlling the traction-motor speed of electrically-propelled vehicles
    • B60L15/002Methods, circuits, or devices for controlling the traction-motor speed of electrically-propelled vehicles for control of propulsion for monorail vehicles, suspension vehicles or rack railways; for control of magnetic suspension or levitation for vehicles for propulsion purposes
    • B60L15/005Methods, circuits, or devices for controlling the traction-motor speed of electrically-propelled vehicles for control of propulsion for monorail vehicles, suspension vehicles or rack railways; for control of magnetic suspension or levitation for vehicles for propulsion purposes for control of propulsion for vehicles propelled by linear motors
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  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流指令値や位相基準等に基づいて出力され
る電圧指令値に応じた電圧を推進コイルへ出力するLS
M式車両の制御装置において、車両速度が低速度であっ
ても、誤差の少ない安定した位相基準を得ることを目的
とする。 【解決手段】 電力変換器65から出力される出力電圧
V及び推進コイル61を流れるコイル電流を、三相/d
−q変換器21、22にてdq回転座標系での電圧及び
電流に変換する。速度起電力オブザーバ25では、これ
らの電圧、電流、及び車両角速度ωに基づいて速度起電
力を推定し、推定された速度起電力Zd、Zqに基づ
き、速度起電力位相生成部40で速度起電力位相θeを
算出する。そして、二次のPI制御系で構成された位相
同期制御部30にて、この速度起電力位相θeを安定化
し、位相基準θ*として出力する。これにより、低速度
でも誤差の少ない安定した位相基準θ*を得ることが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアシンクロナ
スモータ式車両の制御装置に関し、特に低速度における
速度起電力位相制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リニアシンクロナスモータ(以下
「LSM」と称す)式車両の制御装置として、図7に示
すように、地上側の軌道に沿って配置された推進コイル
61と、この推進コイル61に対向するように車両62
に搭載された界磁コイル62aと、速度指令値v*と実
速度vとの偏差を比例・積分演算した電流指令値I*
出力する速度制御部63と、この電流指令値I*と推進
コイル61を流れるコイル電流Iとの偏差を比例・積分
演算して、車両位置を示す位相基準としての位置検知位
相θpとの同期をとった正弦波状の電圧指令値V*を出
力する変換器制御部64と、この電圧指令値V*に応じ
た三相の出力電圧Vをき電線66を介して推進コイル6
1へ出力する電力変換器65と、推進コイル61を流れ
るコイル電流Iを検出する電流検出器67と、車両位置
情報を得るために軌道に沿って配置された交差誘導線6
8aと、この交差誘導線68aに生じる信号に基づき、
推進コイル61と界磁コイル62aとの相対位置を検出
して位置検知位相θpを出力する位置検知装置68と、
この位置検知位相θpから速度制御のために必要な実速
度vを演算して出力する速度検出器69とを備えたもの
が知られている。
【0003】推進コイル61は、詳細には、図8(a)
に示すように、複数の推進コイル群を有する一定長のコ
イルセクション71A1、71B1、71C1、・・・
が、車両62の左右に1/2ずつずらして千鳥状に設置
されて構成されている。各コイルセクションは、図8
(b)に示すように、U相、V相、W相の三相の各コイ
ルを一組とする推進コイル群が車両進行方向に複数連な
って配置されており、これらの推進コイル群に三相交流
を供給することで、移動磁界を発生させる。そして、一
つの推進コイル群の長さ2.7mを電気角の一周期(3
60度)として位相基準を定め、この位相基準を位置検
知装置68にて検知することにより、車両位置情報を得
ている。
【0004】また、電力変換器65から各コイルセクシ
ョンへ電力を供給(即ち出力電圧Vを出力)するための
き電線66も、電力変換器65が有する各インバータ6
5A、65B、65Cに対応して3系統設置されてい
る。そして、き電区分開閉器72A1、72B1、72
C1、・・・(図7では省略)を個々に開閉制御すること
により、車両62が走行している近傍3系のコイルセク
ションのみに電力を供給するようにしている。
【0005】例えば、車両62が図8(a)に示す位置
を右方向に走行しているときは、三つのき電区分開閉器
72C1、72A2及び72B2を投入して、コイルセ
クション71C1にはインバータC系65Cから、コイ
ルセクション71A2にはインバータA系65Aから、
コイルセクション71B2にはインバータB系65Bか
ら、それぞれ電力供給を行う。そして、車両62がコイ
ルセクション71B2の区間に移ったときは、き電区分
開閉器72C2を投入してき電区分開閉器72C1を開
くことにより、コイルセクション71C1への電力供給
をやめ、コイルセクション71C2への電力供給を開始
する。
【0006】LSM式車両は、超電導コイルである界磁
コイル62aによって発生する磁界と、電力変換器65
から出力される三相の出力電圧Vによって推進コイル6
1に発生する磁界との相互作用により、推進力を得て駆
動される。LSM式車両の駆動制御においては、位置検
知位相θpが車両62の位置を示す位相基準として変換
器制御部64へ入力され、速度検出器69でもこの位置
検知位相θpから実速度vが演算されることなどから、
この位置検知位相θp(即ち車両位置)を高精度で検出
する必要がある。
【0007】このために、軌道上の全線に渡って交差誘
導線68aを敷設し、車両62から交差誘導線68aへ
信号(電波)を発信することにより交差誘導線68aに
生じる正弦波状の信号を、位置検知装置68にて信号処
理して位置検知位相θpを得ている。これにより、非常
に正確な位置検知を行うことができる。
【0008】しかしながら、上記方法で車両62の位置
を検知するためには、軌道上の全線に渡って高精度に交
差誘導線68aを敷設し、維持管理する必要があり、車
両位置を検知するための設備の施工及び保守に多大な労
力・コストが必要となる。そこで、交差誘導線68aの
ような地上設備を設けることなく車両位置を検知する方
法として、車両62の走行により推進コイル61に誘起
される起電力(以下「速度起電力」と称す)を推定し、
この推定値から車両位置を示す位相(以下「速度起電力
位相」と称す)θeを得ることが考えられている。具体
的には、図9に示すように、電力変換器65から出力さ
れる出力電圧Vと推進コイル61を流れるコイル電流I
を、三相/αβ変換器81a、81bにてα−β座標系
での電圧Vα,Vβ、及び電流Iα,Iβに変換し、こ
の電圧Vα,Vβ、電流Iα,Iβ、及び車両角速度ω
から、速度起電力オブザーバ82にて速度起電力を推定
し、速度起電力推定値Zα、Zβを得る。尚、速度起電
力オブザーバ82には、制御定数として、車両62が走
行しているコイルセクション固有の抵抗値Rやインダク
タンス値Lなども入力される。そして、速度起電力位相
演算器83にて、下記式(3)により、速度起電力位相
θeを算出するものである。
【0009】
【数3】
【0010】このようにして速度起電力位相θeを推定
し、このθeを位置検知位相θpの代わりに位相基準と
して用いることにより、交差誘導線68aや位置検知装
置68などの地上設備が不要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9で
示したような、速度起電力を推定して得られた速度起電
力位相θeを位相基準として用いると、交差誘導線68
aや位置検知装置68などの地上設備は不要になるもの
の、車両速度が低速度(例えば時速15km以下)にな
ると、安定した速度起電力位相θeを得ることができな
いという問題があった。
【0012】即ち、上記式(3)により速度起電力位相
θeを直接算出するため、速度起電力位相θeの算出過
程において、コイルセクションの抵抗値Rやインダクタ
ンス値Lなどの制御定数の影響を受けやすい。つまり、
制御定数の変化に対してロバスト性がなく、車両62が
走行するコイルセクションが変わる毎にこれらの制御定
数が変化すると、速度起電力位相θeと実際の車両位置
(位相基準)との誤差が生じやすくなる。
【0013】車両速度が高速度域にあるときは、この誤
差はそれほど問題にならないレベルであるためこの速度
起電力位相θeを用いることができるが、低速度域にな
ると、速度起電力が小さくなることもあり、θeの誤差
は大きくなってしまう。そして、このように実際の位相
基準と速度起電力位相θeとの誤差が大きくなると、L
SM式車両を駆動制御する際に用いる位相基準としてθ
eを利用することは困難となる。
【0014】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、電流指令値や位相基準等に基づいて出力される電圧
指令値に応じた電圧を推進コイルへ出力するLSM式車
両の制御装置において、車両速度が低速度であっても、
誤差の少ない安定した位相基準を得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するためになされた、請求項1記載の速度起電力
位相制御装置は、電力変換手段から出力される出力電圧
Vによって地上側の軌道に沿って配置された推進コイル
に発生する磁界と、その推進コイルに対向するように車
両側に搭載された界磁コイルによって発生する磁界との
相互作用により、推進力を得て駆動されるLSM式車両
の制御装置において、車両速度が所定の速度以下のと
き、前記車両位置信号としての位相基準θを生成するも
のである。
【0016】LSM式車両の制御装置では、既述した従
来の駆動制御装置と同様、変換制御手段が、速度制御手
段から出力される電流指令値と、電流検出手段によって
検出される推進コイルを流れるコイル電流Iと、車両位
置信号とに基づいて、電圧指令値を出力する。そして、
この電圧指令値に応じて、電力変換手段が推進コイルへ
出力電圧Vを出力する。
【0017】車両位置信号としての位相基準θは、界磁
コイルと推進コイルとで構成されるLSMにおいて、推
進コイルに対する界磁コイルの相対的位置を電気角で表
したものである。例えば推進コイルに三相交流を供給し
て移動磁界を発生させるLSMの場合、車両進行方向に
おけるU相コイルと界磁コイルとの距離を電気角で表
し、これを位相基準θとするものである。
【0018】本発明の速度起電力位相制御装置では、図
1に示すように、まずdq変換手段1にて、電力変換手
段からの出力電圧V及び推進コイルを流れるコイル電流
Iを、dq回転座標系におけるd軸電圧Vd、q軸電圧
Vq、d軸電流Id、q軸電流Iqに変換する。そし
て、得られた各電圧Vd、Vq、及び各電流Id、Iq
と、車両角速度ωとに基づいて、速度起電力推定手段2
が、推進コイルに誘起される速度起電力を推定する。
【0019】この推定は、例えば現代制御理論における
オブザーバ理論により推定することができ、その場合、
推進コイルの抵抗分やインダクタンス分などがオブザー
バにおける制御定数として用いられることになる。尚、
車両角速度ωは、例えば本発明の速度起電力位相制御装
置が最終的に生成する位相基準θ(即ち、現在出力して
いる位相基準θ)を微分演算して得たり、何らかの方法
で実測した車両速度を角速度に変換するなど、種々の方
法で得ることができる。
【0020】次に、Δθ算出手段3が、速度起電力推定
手段2にて推定された速度起電力推定値のd軸成分Zd
及びq軸成分Zqを用いて、速度起電力位相補正量Δθ
を算出する。一般に、dq回転座標系においては、回転
座標系であるゆえ、理論的には速度起電力はd軸かq軸
のいずれか一方にのみ誘起する。例えば速度起電力のq
軸成分が0となるように座標変換を行ったとき、d軸に
は所定の直流電圧が誘起される。しかし、実際にはLS
Mが駆動しているときは、本来0となる軸(上記例では
q軸)にも速度起電力が生じている。LSMをdq回転
座標系にて制御する場合、一般的には、このような本来
0となる軸に生じる成分が0になるように制御される。
尚、電力変換機器や変電関係等の分野において、dq回
転座標系で各種制御を行う際は、q軸成分が0になるよ
うな座標変換及び制御を行うのが一般的である。
【0021】そこで、例えば上記例のようにq軸成分が
0となるような座標変換を行ったとき、速度起電力位相
補正量Δθは下記式(1)により得ることができる。
尚、d軸成分が0になるような座標変換を行った場合
は、下記式(1)において、分母と分子(即ちZdとZ
q)を入れ替えればよい。
【0022】
【数4】
【0023】そして、速度起電力位相算出手段4が、Δ
θ算出手段3により得られた速度起電力位相補正量Δθ
と、現在出力している位相基準θとを加算することによ
り、速度起電力位相θeを算出する。ここで得られた速
度起電力θeをそのまま位相基準θとして用いることも
できるが、速度起電力が小さくなる低速度域においても
誤差の少ないより安定した位相基準θを得るために、位
相信号安定化手段5が、速度起電力位相θeと、現在出
力している位相基準θとの偏差(位相偏差)を算出し、
この位相偏差を比例・積分演算することにより、誤差が
低減された安定した位相基準θを出力する。
【0024】尚、本発明において「車両速度が所定の速
度以下」とは、例えば図9で示したような、従来の速度
起電力位相θeの算出方法を用いた場合に、速度起電力
が小さくなって速度起電力位相θeの誤差等が無視でき
なくなることにより、この速度起電力位相θeを位相基
準θとして使用することができなくなる速度域をいう。
通常、例えば時速15km以下の低速度域だと、従来の
方法では速度起電力位相θeを位相基準として用いるの
は困難になる。
【0025】つまり、本発明の速度起電力位相制御装置
では、図9に示した従来技術のように速度起電力位相θ
eを直接算出するものではなく、dq回転座標系におけ
る速度起電力から速度起電力位相の補正量Δθを算出
し、このΔθを現時点での位相基準θに加算していくこ
とで、速度起電力位相θeを算出する。そして、算出し
た速度起電力位相θeを、さらに比例・積分演算等によ
り安定化処理した上で、最終的に新たな位相基準θとし
て出力する。
【0026】尚、ここでいうdq回転座標系への座標変
換は、零相分も考慮したいわゆるdq0回転座標系への
座標変換をも含むものとする。つまり、例えば、電力変
換手段が零相分を考慮した三相四線式の構成である場合
にdq回転座標系への変換を行うと、dq回転座標系に
おいても零相分を考慮する必要があり、このような場合
は厳密にはdq0回転座標系への変換となる。本発明の
dq変換手段によるdq回転座標系への変換は、このよ
うなdq0回転座標系への変換も含むものとする。ま
た、dq変換手段による座標変換前の座標系は、三相交
流座標系に限らず、例えば二相交流座標系など、座標系
の種類は特に限定されない。
【0027】従って、上記の速度起電力位相制御装置に
よれば、dq回転座標系から得られた速度起電力位相補
正量Δθにて位相基準θを補正することにより速度起電
力位相θeを求め、さらに速度起電力位相θeを、位相
信号安定化手段5を介して位相基準θとして出力してい
るため、速度起電力が小さくなる低速度域であっても、
誤差の少ない安定した位相基準θを得ることができる。
その結果、図9で示した従来の方法では例えば時速15
km以下の低速度域で速度起電力位相θeを得るのは困
難であったが、本発明の速度起電力位相制御装置によっ
て、所定の速度以下であっても誤差の少ない安定した位
相基準θを得ることが可能となった。
【0028】ここで、速度起電力位相θeを安定化する
ために位相信号安定化手段5にて行われる比例・積分演
算は、例えば請求項2に記載したように、まず、速度起
電力位相θeと現在出力している位相基準θとの位相偏
差を比例演算、積分演算、及び二重積分演算して、各演
算結果を加える(いわゆる二次のPI制御)ことにより
車両角速度ωを算出し、その算出した車両角速度ωをさ
らに積分演算することにより、位相基準θを算出すると
よい。
【0029】車両が一定速度のときは、位相偏差を比例
演算及び積分演算して各演算結果を加える(いわゆる一
次のPI制御)ことで、位相基準θの定常偏差を低減す
ることができるが、車両の加減速時には、位相基準θが
二次曲線状に変化するため、一次のPI制御のみでは定
常偏差が生じる。
【0030】そこで、二重積分演算までを含めた二次の
PI制御を採用することで、加減速時の定常偏差をほぼ
0にまで低減することができる。そのため、上記の速度
起電力位相制御装置によれば、定常偏差をより低減した
位相基準θを安定して得ることができる。
【0031】また、速度起電力推定手段2では、例えば
請求項3に記載したように、下記式(2)の演算を行う
ことにより、速度起電力推定値Zd及びZqを得るよう
にすればよい。
【0032】
【数5】
【0033】上記式(2)は、例えば現代制御理論にお
けるオブザーバ理論を応用して得ることができる。そし
て、実験やシミュレーション等の結果に基づいて行列G
の各成分g11〜g22(いわゆるオブザーバゲイン)を適
切な値に設定することにより、安定かつ高速に速度起電
力推定値Zが演算され、速度起電力の真値に収束してい
くようになる。そのため、このようにして得られた速度
起電力推定値Z(Zd、Zq)を用いれば、速度起電力
位相θeをより正確かつ確実に得ることができる。
【0034】ところで、LSM式車両の制御装置におい
て、本発明の速度起電力位相制御装置を用いることによ
り、車両位置を検出する装置等を軌道上に設けることな
く、速度起電力位相θeから位相基準θを得ることがで
きるが、請求項4に記載したように、軌道上にも車両位
置信号としての位置検知位相θpを得るための位置検知
位相生成手段を設け、入力位相信号選択手段によって選
択された、速度起電力位相θeまたは位置検知位相θp
のいずれか一方を、位相信号として位相信号安定化手段
5に入力するようにしてもよい。
【0035】つまり、速度起電力位相算出手段4によっ
て得られる速度起電力位相θeと、軌道上の位置検知位
相生成手段によって得られる位置検知位相θpとを、選
択的に用いるものである。このような構成にすることに
より、例えば位置検知位相生成手段が故障したときのバ
ックアップ用として速度起電力位相θeを用いることが
できるなど、LSM式車両の制御装置の信頼性をより向
上させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。図2は、本発明が適用され
たLSM式車両の制御システムの概略構成を表す概略ブ
ロック図である。この制御システムは、主に速度制御部
10、変換器制御部20、位相同期制御部30、速度起
電力位相生成部40、入力位相切換器45、推進コイル
61、界磁コイル62a、電力変換器65、き電線6
6、電流検出器67、位置検知装置68、交差誘導線6
8aとから構成されている。
【0037】速度制御部10は、所定時間の周期で速度
指令値v*に対する追従制御を行うため、PI制御系で
構成され、速度指令値v*と車両速度(実速度)vとの
速度偏差を比例・積分演算することにより電流指令値I
*を演算し出力する。具体的には、加減算器11にて速
度指令値v*と車両速度vとの速度偏差を求め、この速
度偏差を比例器12、積分器13にて比例・積分演算
し、両演算結果を加減算器14にて加算することにより
電流指令値I*を求める。尚、この電流指令値I*は、d
q0回転座標系における値(I*d、I*q、I*0)で
ある。
【0038】変換器制御部20は、速度制御部10から
出力された電流指令値I*と推進コイル61を流れる電
流(以下「コイル電流」と称す)Iとの電流偏差を補償
し、さらに推進コイル61に誘起される速度起電力の補
償分を加えて、電力変換器65への出力電圧V(Vu、
Vv、Vw)を演算する。
【0039】具体的には、まず電流検出器67により検
出されるコイル電流I(Iu、Iv、Iw)を三相/d
−q変換器21によりdq0回転座標系における電流I
d、Iq、I0に変換し、電流制御部24にて、この電
流Id、Iq、I0と速度制御部10から出力された電
流指令値I*(dq0回転座標系でのI*d、I*q、I*
0)との電流偏差に対し、一次のPI制御により電圧指
令演算値Vd、Vq、V0を算出して出力する。
【0040】一方、電力変換器65から出力された出力
電圧Vも三相/d−q変換器22によりdq0回転座標
系における電圧Vd、Vq、V0に変換され、この電圧
Vd、Vq、V0と、電流Id、Iq、I0と、車両角
速度ωとに基づいて、速度起電力オブザーバ25(詳細
は後述)が速度起電力推定値Zd、Zq、Z0を演算し
て出力する。
【0041】次に、この速度起電力推定値Zd、Zq、
Z0と電流制御部24から出力される電圧指令演算値V
d、Vq、V0とを加減算器26にて加算することによ
り、dq軸電圧指令値V*d、V*q、V*0を得る。そ
して、このV*d、V*q、V*0をd−q/三相変換器
23により三相交流座標系における電圧Vu、Vv、V
wに変換し、この電圧Vu、Vv、Vwを電圧指令値と
して電力変換器65へ出力する。
【0042】電流制御部24は図3のように構成されて
おり、電流指令値I*(I*d、I*q)とコイル電流I
(Id、Iq)との電流偏差を各加減算器24a、24
bにて算出し、算出した電流偏差をそれぞれPI演算器
24c、24dにより比例・積分演算して電圧演算値
V’d、V’qを得る。また、推進コイル61やき電線
66の抵抗値R、インダクタンス値Lによる電圧降下分
も、各抵抗係数器24e、24f、各インダクタンス係
数器24g、24h、各乗算器24j、24kにより演
算され、電圧演算値V’d、V’qに対してこの電圧降
下分を各加減算器24m、24nにて補償することによ
り、電圧指令演算値Vd、Vqを得ている。尚、抵抗値
Rやインダクタンス値Lは、車両62が走行しているコ
イルセクション(図8参照)固有の値であり、車両62
が走行するコイルセクションが変わる毎に、これらの値
も変化する。また、インダクタンス値Lによる電圧降下
分を算出するために車両角速度ωも入力される。さら
に、本実施形態では電圧指令値の0軸成分V0について
も計算しているが、本発明による位相基準θ*の導出に
はこのV0は直接的に関わってこないため、図3では0
軸成分についての構成を省略し、d軸及びq軸成分につ
いてのみ記載した。
【0043】速度起電力位相生成部40は、速度起電力
オブザーバ25により推定された速度起電力推定値Z
d、Zqから、速度起電力位相補正量Δθを演算し、こ
のΔθを位相基準θ*に加えることで、速度起電力位相
θeを算出する。位相同期制御部30は、所定時間の周
期(本実施形態では5msec.)で、入力位相切換器45
により選択された速度起電力位相θe或いは位置検知位
相θpのいずれか一方を、車両位置を示す位相信号とし
て取り込み、この位相信号と位相基準θ*との位相偏差
から補償演算部32にて補償演算を行い、車両角速度ω
を演算する。この車両角速度ωをさらに速度/位相変換
部33にて積分演算することにより、位相基準θ*が出
力される。
【0044】尚、補償演算部32では、後述するよう
に、演算された車両角速度ωが車両速度vにも変換され
る。車両角速度ωと車両速度vは共にローパスフィルタ
50を介して出力される。入力位相切換器45は、位相
同期制御部30に入力される位相信号として、速度起電
力位相生成部40にて生成された速度起電力位相θe又
は位置検知装置68にて生成された位置検知位相θpの
いずれか一方のみを選択するためのものである。
【0045】推進コイル61、界磁コイル62a、電力
変換器65、き電線66、電流検出器67、交差誘導線
68a、位置検知装置68は、いずれも図7及び図8で
説明したものと同様の構成であるため、これらについて
は図7、図8と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0046】本実施形態では、三相/d−q変換器2
1、22と速度起電力オブザーバ25と速度起電力位相
生成部40と位相同期制御部30とで、本発明の速度起
電力位相制御装置が構成される。以下に、上記構成の速
度起電力位相制御装置による位相基準θ*の生成につい
て詳述する。
【0047】上述したように、電力変換器65から推進
コイル61へ出力される三相の出力電圧V(Vu、V
v、Vw)は、三相/d−q変換器22にてdq0回転
座標系における電圧Vd、Vq、V0に変換され、推進
コイルを流れるコイル電流I(Iu、Iv、Iw)も、
三相/d−q変換器21にてdq0回転座標系における
電流Id、Iq、I0に変換される。そして、速度起電
力オブザーバ25には、座標変換されたこれらの電圧V
d、Vq、V0及び電流Id、Iq、I0が入力され
る。
【0048】ここで、三相交流座標系からdq0回転座
標系への座標変換、及び速度起電力オブザーバ25の構
成について説明する。本実施形態では、電力変換器65
が三相4線式で構成されているため、三相の出力電圧V
とコイル電流Iとの間には、下記式(4)の電圧方程式
が成立する。
【0049】
【数6】
【0050】三相交流座標系で表された上記式(4)の
電圧方程式を、二相のdq軸及び零相軸に変換(いわゆ
るdq0座標変換)するための絶対変換行列Cを、下記
式(5)のように定めると、上記式(4)はこの絶対変
換行列Cにより下記式(6)のようなdq0回転座標系
での電圧方程式に変換される。尚、下記式(5)におけ
るθは、例えば位相基準θ*を用いればよい。
【0051】
【数7】
【0052】
【数8】
【0053】上記式(6)における制御では、d軸電流
Idを制御することで車両の推進力を制御することがで
き、また、q軸と0軸の電流Iq、I0はいずれも0と
なるように制御される。次に、速度起電力オブザーバ2
5の理論的構成について説明する。現代制御理論におけ
るオブザーバ理論を適用して、dq0回転座標系でのオ
ブザーバを導出する際、オブザーバの収束度を十分高速
にとると、車両角速度ω、速度起電力Ed、Eqはいず
れも一定とみなせるので、上記式(6)を下記式(7)
に変形する。
【0054】
【数9】
【0055】速度起電力Ed、Eqの推定値をZd、Z
qとすると、最小次元オブザーバ理論により、オブザー
バは下記式(8)で与えられる。
【0056】
【数10】
【0057】尚、上記式(8)で与えられるオブザーバ
の固有値λは、下記式(9)にて得られる。このλにお
いて、g1を負ととれば、システムは安定化されること
になる。
【0058】
【数11】
【0059】そして、速度起電力推定値Zは、上記式
(8)を積分することにより、下記式(10)にて得ら
れる。
【0060】
【数12】
【0061】尚、オブザーバゲインG1は、速度起電力
オブザーバ25より上位の制御系である位相同期制御部
30の応答時定数より十分高速とし、かつ電流検出器6
7内部のフィルタや制御システム内部の遅れの影響を受
けないようにこれらの時間よりは十分に遅くなるように
して、その最適値を求める必要がある。
【0062】上記式(8)にて得られた速度起電力オブ
ザーバ25の具体的構成を、図4に示す。ここで、αは
オブザーバの固有値λ(式(9)参照)の実部を、βは
オブザーバの固有値λの虚部を、それぞれ表す。図4に
おいて、乗算器25a、25bと、抵抗係数器25c、
25dと、インダクタンス係数器25e、25fと、積
分器25g、25hと、固有値係数器25j、25k、
25m、25nと、加減算器25p1、25p2、25
p3、25p4、25p5、25p6とによって、上記
式(10)の右辺第二項の各成分が演算される。また、
ゲイン係数器25q、25r、25s、25tによっ
て、上記式(10)の右辺第一項が演算される。そし
て、これらを加減算器25u、25vにてそれぞれ演算
することにより上記式(10)の右辺全体の演算が行わ
れ、これにより速度起電力推定値Zd、Zqが得られ
る。
【0063】尚、この場合も、図3の電流制御部24の
場合と同様、実際には速度起電力推定値の0軸成分Z0
についても計算しているが、本発明による位相基準θ*
の導出には直接的に関わってこないため、図4では0軸
成分についての構成を省略し、d軸及びq軸成分につい
てのみ記載した。
【0064】速度起電力位相生成部40では、まず、速
度起電力オブザーバ25にて推定された速度起電力推定
値Zd、Zqに基づき、速度起電力位相補正量演算器4
1にて、下記式(11)により速度起電力位相補正量Δ
θが演算される。
【0065】
【数13】
【0066】そして、この速度起電力位相補正量Δθ
と、現在出力されている位相基準θ*とが、加減算器4
2にて加算されることにより、速度起電力位相θeが演
算される。速度起電力位相生成部40によって得られた
速度起電力位相θeは、入力位相切換器45を介して位
相同期制御部30に入力される。図5に、位相同期制御
部30の具体的構成を示す。
【0067】位相同期制御部30は、所定時間の周期
(本実施形態では5msec.)で速度起電力位相θe或い
は位置検知位相θpを位相信号として取り込み、この位
相信号と現在出力している位相基準θ*との位相偏差を
加減算器31にて算出する。この位相偏差から、補償演
算部32を介して車両角速度ωが得られる。補償演算部
32は、比例器32aと積分器32b、32c、32d
と加減算器32eとで、二次のPI制御系として構成さ
れ、加減速時の定常偏差をゼロとし入力位相を安定化さ
せる制御系となっている。補償演算部32で演算された
車両角速度ωを、速度/位相変換部33の積分器33a
にて積分演算することにより、位相基準θ *が算出され
る。
【0068】位相信号の入力は、上記の通り5msec.毎
に行うが、PWM制御にてインバータの制御が行われる
電力変換器65では、そのPWM制御の周期が約300
Hzであるため、位相基準θ*は、このPWM制御周期
より早い200μsec.周期で出力される。
【0069】尚、車両角速度ωは、変換器制御部20に
も出力されると共に、角速度/速度変換器32fにて車
両速度vにも変換され、速度制御部10に取り込まれ
る。上記のように得られた位相基準θ*の具体的な例
を、図6に示す。図6は、車両速度が時速10kmの低
速走行のときの位相基準θ*を、速度起電力位相θe及
び位置検知位相θpと共に示したものである。図6から
わかるように、時速10kmと低速走行している場合、
速度起電力が小さいこと等の影響で速度起電力位相θe
の出力は不安定になり、この速度起電力位相θeをその
まま位相基準として用いるのは困難であるが、位相基準
θ*は、位相同期制御部30により速度起電力位相θe
の誤差が非常に低減され且つ安定化された上で出力され
ている。しかも、従来から用いられている位置検知位相
θpと比較しても、ほぼ遜色のない出力となる。
【0070】以上詳述したように、本実施形態のLSM
式車両の制御装置では、dq0回転座標系における速度
起電力を推定し、この推定値に基づいて速度起電力位相
θeを求め、さらにこの速度起電力位相θeを位相同期
制御部30にて安定化した上で、車両位置を示す位相基
準θ*として出力している。
【0071】従って、本実施形態のLSM式車両の制御
装置によれば、dq0回転座標系における速度起電力を
速度起電力オブザーバ25にて推定し、速度起電力推定
値から得られる速度起電力位相補正量Δθにて位相基準
θ*を補正することにより速度起電力位相θeを求め、
さらに速度起電力位相θeを、位相同期制御部30を介
して位相基準θ*として出力しており、しかもこの位相
同期制御部30は二次のPI制御系にて構成されている
ため、速度起電力が小さくなる低速度域であっても、誤
差の非常に少ない安定した位相基準θを得ることができ
る。その結果、例えば時速15km以下の低速度域であ
っても誤差の少ない安定した位相基準θ *を確実に得る
ことが可能となる。
【0072】また、入力位相切換器45により速度起電
力位相θeと位置検知位相θpとを選択し、いずれか一
方を位相信号として使用する構成にしたことにより、例
えば通常は位置検知位相θpを用いるようにして、位置
検知装置68或いは交差誘導線68aの異常時には速度
起電力位相θeを用いるようにすることもできるなど、
LSM式車両の制御装置の信頼性をより向上させること
ができる。
【0073】ここで、本実施形態の構成要素と本発明の
構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態におい
て、速度制御部10は本発明の速度制御手段に相当し、
変換器制御部20は本発明の変換制御手段に相当し、電
流検出器は本発明の電流検出手段に相当し、電力変換器
65は本発明の電力変換手段に相当し、三相/d−q変
換器21、22は本発明のdq変換手段に相当し、速度
起電力オブザーバ25は本発明の速度起電力推定手段に
相当し、速度起電力位相補正量演算器41は本発明のΔ
θ算出手段に相当し、加減算器42は本発明の速度起電
力位相算出手段に相当し、位相同期制御部30は本発明
の位相信号安定化手段に相当し、位置検知装置68は本
発明の位置検知位相生成手段に相当し、入力位相切換器
45は本発明の入力位相信号選択手段に相当し、位相基
準θ*は本発明の位相基準θに相当する。
【0074】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、上記実施形態では、速度起電力位相θeと
位置検知位相θpとのいずれか一方を位相信号として位
相同期制御部30に取り込む構成にしたが、本発明によ
り全速度域において速度起電力位相θeが正確に推定で
きるようになったため、交差誘導線68aなどの地上設
備を省いて、速度起電力位相θeのみを用いて位相基準
θ*を得るようにしてもよい。このようにすれば、地上
設備の保守等にかかる労力・コストを大幅に削減でき、
経済的メリットも大きい。
【0075】また、位相同期制御部30内の補償演算部
を二次のPI制御系として構成したが、これに限らず一
次のPI制御系として構成することもできる。但しこの
場合、車両62の加減速時に定常偏差が生じやすいた
め、制御定数を適切に設定してこの定常誤差を許容範囲
内に収まるようにする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の速度起電力位相制御装置の基本構成
を説明する説明図である。
【図2】 本発明が適用されたLSM式車両の制御シス
テムの概略構成を表す概略ブロック図である。
【図3】 電流制御部の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 速度起電力オブザーバの具体的構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 位相同期制御部の具体的構成を示すブロック
図である。
【図6】 時速10km走行時の位相基準、速度起電力
位相、位置検知位相の波形を示す説明図である。
【図7】 従来のLSM式車両の制御システムの概略構
成を表す概略ブロック図である。
【図8】 き電線及び推進コイルの詳細を示す説明図で
ある。
【図9】 従来の速度起電力位相を算出する方法を示す
概略ブロック図である。
【符号の説明】
1・・・dq変換手段、 2・・・速度起電力推定手段 3・・・Δθ算出手段 4・・・速度起電力位相算出手段 5・・・位相信号安定化手段 10・・・速度制御部 11、14、31・・・加減算器、 12・・・比例器、 13・・・積分器 20・・・変換器制御部 21、22・・・三相/d−q変換器 23・・・d−q/三相変換器 24・・・電流制御部 25・・・速度起電力オブザーバ 26・・・加減算器、 30・・・位相同期制御部 32・・・補償演算部、 33・・・速度/位相変換部 40・・・速度起電力位相生成部 41・・・速度起電力位相補正量演算器 42・・・加減算器、 45・・・入力位相切換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 淳一 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 Fターム(参考) 5H113 CC04 CC08 CD03 CD12 GG03 GG12 HH04 HH08 HH13 HH14 HH28 5H540 AA02 BA03 BB09 BB10 EE06 EE15 EE20 FA06 FB05 FC02 5H550 AA01 BB10 DD10 FF07 GG03 GG05 HB08 JJ04 JJ22 JJ24 LL22 LL35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進コイルが地上側の軌道に沿って配置
    され、界磁コイルが前記推進コイルに対向するように車
    両側に搭載され、速度制御手段が電流指令値を出力し、
    変換制御手段がこの電流指令値と、電流検出手段によっ
    て検出される前記推進コイルを流れるコイル電流Iと、
    車両位置信号とに基づいて電圧指令値を出力し、電力変
    換手段がこの電圧指令値に応じて推進コイルへ出力電圧
    Vを出力することにより、車両を推進させるリニアシン
    クロナスモータ式車両の制御装置において、 車両速度が所定の速度以下のとき、前記車両位置信号と
    して、前記推進コイルに対する前記界磁コイルの相対的
    位置を電気角で表した位相基準θを生成する速度起電力
    位相制御装置であって、 前記出力電圧V及び前記コイル電流Iを、dq回転座標
    系におけるd軸電圧Vd、q軸電圧Vq、d軸電流I
    d、q軸電流Iqに変換するdq変換手段と、 前記dq変換手段により得られた前記各電圧Vd、V
    q、及び前記各電流Id、Iqと、車両角速度ωとに基
    づき、前記推進コイルに誘起される速度起電力を推定す
    る速度起電力推定手段と、 前記速度起電力推定手段にて推定された速度起電力推定
    値のd軸成分Zd及びq軸成分Zqを用いて、下記式
    (1)により速度起電力位相補正量Δθを算出するΔθ
    算出手段と、 現在出力している前記位相基準θに、前記Δθ算出手段
    により得られた前記速度起電力位相補正量Δθを加える
    ことにより、速度起電力位相θeを算出する速度起電力
    位相算出手段と、 位相信号として入力される前記速度起電力位相θeと、
    現在出力している前記位相基準θとの位相偏差を算出
    し、前記位相偏差を比例・積分演算することにより、定
    常偏差が低減された前記位相基準θを出力する位相信号
    安定化手段とを備えたことを特徴とする低速度における
    速度起電力位相制御装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記位相信号安定化手段にて行われる前
    記比例・積分演算は、前記位相偏差を比例演算、積分演
    算、及び二重積分演算して、各演算結果を加えることに
    より車両角速度ωを算出し、更にその車両角速度ωを積
    分演算することにより、前記位相基準θを算出すること
    を特徴とする請求項1記載の低速度における速度起電力
    位相制御装置。
  3. 【請求項3】 前記速度起電力推定手段は、下記式
    (2)の演算を行うことにより、前記各速度起電力推定
    値Zd及びZqを得ることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の低速度における速度起電力位相制御装置。 【数2】
  4. 【請求項4】 前記速度起電力位相θe或いは前記軌道
    上に設けられた位置検知位相生成手段から得られる車両
    位置信号としての位置検知位相θpのいずれか一方を入
    力位相信号選択手段にて選択し、それを前記位相信号と
    して前記位相信号安定化手段に入力することを特徴とす
    る請求項1〜3いずれかに記載の低速度における速度起
    電力位相制御装置。
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