JP3649582B2 - 位置決め制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種アクチュエータの位置決め制御を行なう位置決め制御装置、特に過渡応答の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種形状測定装置やロボット等ではアクチュエータを目標位置に制御するため、例えば特開平3−110406号公報や特開平4−238509号公報等に示されているように、各種の位置決め制御装置が使用されている。特開平3−110406号公報に示された位置決め制御装置は、1つのアクチュエータにフォーカス信号と対物レンズの位置を検出する2つの位置検出手段を有し、位置決めコントローラへ入力される位置情報を切替えることによって、アクチュエータの位置決め制御を行なうフォーカスサーボ系と位置制御系を切り換えるようにしている。また、特開平4−238509号公報に示された位置決め制御装置は、サーボ制御システムにおいて、起動時にアクチュエータの停止位置に基づいて規定される外乱などの状態量の初期値を算出し、この初期値を外乱等の状態量の算出に用いるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平3−110406号公報に示された位置決め制御装置は、外乱についての考慮がなされていないため、外乱を推定してこれを抑圧することはできなかった。また、特開平4−238509号公報に示された位置決め制御装置は、起動時のアクチュエータの停止位置で規定される外乱の初期値から動作中の外乱を推定しているが、一般にデジタルで構築された制御系の場合、初期状態は不定であるため、外乱の初期値から動作中の外乱を推定することはできない。また、アクチュエータの駆動方向を切り換えた場合、外乱により予期せぬ応答をしてしまう可能性があった。この問題を解消するために、速度検出信号若しくは位置検出信号から外乱を推定する外乱オブザーバを複数備え、外乱オブザーバそれらをモードによって切換えるようにしても、バネ系を持ったアクチュエータにおいてはモード切換え時の応答が問題となる。例えばエンコーダを使用して位置決めしていたモードから、フォーカス信号を用いた追従モードに切換える場合、フォーカスによって検出できる有効範囲は±3μm位であり、モードを切換えると位置偏差が大きくなりフォーカス信号を検出できる範囲から外れてしまい追従モードに切換えることができなくなってしまう。また、外乱オブザーバを切換えるとき状態量を最適な値に変更する方法もあるが、外乱オブザーバの次元が高くなると、次元と同数の状態量を変更しなくてはならないため演算が複雑化してしまう。また、アクチュエータの位置に応じたバネ力を操作量に加算する方法は、アクチュエータがノミナルパラメータに近い場合は有効であるが、パラメータのずれが大きくなるとパラメータのずれを外乱オブザーバは外乱として推定し補償するため、外乱オブザーバを切換えると新たな外乱オブザーバが外乱を推定し偏差を抑圧するまでに時間を要する。
【0004】
この発明はかかる短所を改善し、簡単な構成で外乱オブザーバを切換えたときの過渡応答を改善することができる位置決め制御装置を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る位置決め制御装置は、アクチュエータと複数の位置検出器と位置決め制御コントローラと位置検出器に一対一で接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、複数の位置検出器はアクチュエータの位置を検出して位置信号を出力し、位置決め制御コントローラは目標位置と位置信号とを比較した位置偏差から電流指令値を出力し、各外乱オブザーバは位置信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により位置検出器から出力する位置信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする。
【0006】
この発明に係る第2の位置決め制御装置は、アクチュエータと複数の速度検出器と位置決め制御コントローラと速度検出器に一対一で接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、複数の速度検出器はアクチュエータの速度を検出して速度信号を出力し、位置決め制御コントローラは目標値と速度信号とを比較した偏差から電流指令値を出力し、各外乱オブザーバは速度信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により速度検出器から出力する速度信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る第3の位置決め制御装置は、リニアエンコーダと被測定物との距離を光学的に検出しフォーカス信号を出力するフォーカス信号発生部を有するアクチュエータと、位置決め制御コントローラとリニアエンコーダに接続された外乱オブザーバとフォーカス信号発生部に接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、位置決め制御コントローラは目標値とリニアエンコーダから出力する位置信号及びフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号とを比較した偏差から電流指令値を出力し、一方の外乱オブザーバはリニアエンコーダから出力する位置信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、他方の外乱オブザーバはフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号によりリニアエンコーダから出力する位置信号とフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の位置決め制御装置はアクチュエータと、アクチュエータに取り付けられ、検出精度がことなる2つのエンコーダと、位置指令部と位置決め制御コントローラとエンコーダに一対一で接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有する。一方のエンコーダはアクチュエータの動作位置を細かく検出し、他方のエンコーダはアクチュエータの動作位置を粗く検出する。
【0010】
この位置決め制御装置でアクチュエータの位置制御をするとき、まずモード切換部でアクチュエータの動作位置を粗く制御するモードを選択して、検出部切換部を位置を粗く検出するエンコーダ側に接続し、外乱オブザーバ切換部を位置を粗く検出するエンコーダに接続された外乱オブザーバ側に接続する。この状態で位置決め制御コントローラは位置指令部から送られる目標位置とエンコーダから出力された位置信号を比較し、偏差に応じた操作量に対応する電流指令値を出力する。また、外乱オブザーバは送られた位置信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、検出した外乱相当電流値を外乱オブザーバ切換部を介して外乱加算部に送る。外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力された電流指令値と外乱オブザーバが推定した外乱相当電流値を加算して出力する。ドライバは外乱加算部から出力され加算部を介して送られた電流指令値に比例したアクチュエータ電流をアクチュエータに送りアクチュエータを駆動する。
【0011】
この状態でモード切換部でアクチュエータの動作位置を細かく制御するモードを選択すると、推定外乱記憶部はモードを切り換える前の外乱相当電流値を記憶する。その後、エンコーダと外乱オブザーバを動作位置を細かく制御する側に切り換え、位置信号と外乱相当電流値をフィードバックして電流指令値を補正し、さらに補正した電流指令値を推定外乱出力部から出力される推定外乱記憶部に記憶したモードを切り換える前の外乱相当電流値で補正してドライバに送る。ドライバは補正された電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送りアクチュエータを駆動する。このように動作中の推定外乱とモードを切り換える前の推定外乱で電流指令値を補正してモードを切り換え外乱オブザーバを切り換えたときの過渡応答を改善する。
【0012】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例の構成を示す制御ブロック図である。図に示すように位置決め制御装置はアクチュエータ1とアクチュエータ1に取り付けられたエンコーダ2a,2bと位置指令部3と位置決め制御コントローラ4と外乱オブザーバ5a,5bと外乱加算部6とモード切換部7と検出部切換部8と外乱オブザーバ切換部9と推定外乱記憶部10と推定外乱出力部25と加算部11及びドライバ12を有する。
【0013】
エンコーダ2a,2bは異なる検出精度を有し、エンコーダ2aはアクチュエータ1の動作位置を細かく検出し、エンコーダ2bはアクチュエータ1の動作位置を粗く検出し、検出した位置信号を出力する。位置指令部3はアクチュエータ1の目標位置を位置決め制御コントローラ4に出力する。位置決め制御コントローラ4は目標位置とエンコーダ2a,2bで検出した位置信号とを比較した偏差から電流指令値icを出力する。外乱オブザーバ5aはエンコーダ2aで検出した位置信号xsと電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱オブザーバ5bはエンコーダ2bで検出した位置信号xrと電流指令値からアクチュエータ1に印加される外乱を推定し、検出した外乱相当電流値idを出力する。外乱加算部6は位置決め制御コントローラ4から出力する電流指令値icに外乱相当電流値idを加算する。モード切換部7はアクチュエータ1の動作位置を細かく制御するモードと粗く制御するモードのモード切換信号を出力する。検出部切換部8はモード切換部7から出力するモード切換信号によりエンコーダ2a,2bから出力する位置信号を切り換えて位置決め制御コントローラ4に入力する。外乱オブザーバ切換部9はモード切換部7から出力するモード切換信号により外乱オブザーバ5a,5bから出力する外乱相当電流値idを切り換える。推定外乱記憶部10はモードを切換える前の外乱オブザーバ5a,5bから出力する切換前外乱相当電流値idhを記憶する。加算部11は推定外乱記憶部10に記憶した外乱相当電流値idhを電流指令値(ic+id)に加算する。ドライバ12は電流指令値(ic+id+idh)に応じたアクチュエータ電流imをアクチュエータ1に送る。
【0014】
上記のように構成された位置決め制御装置でアクチュエータ1の位置制御をするときの動作を説明する。モード切換部7でアクチュエータ1の動作位置を粗く制御するモードを選択して、図1に示すように、検出部切換部8をエンコーダ2b側に接続し、外乱オブザーバ切換部9を外乱オブザーバ5b側に接続する。この状態で位置指令部3から目標位置を位置決め制御コントローラ4に送る。位置決め制御コントローラ4は送られる目標位置とエンコーダ2bから出力され検出部切換部8を介してフィードバックされた位置信号xrを比較し、偏差に応じた操作量に対応する電流指令値icを出力する。また、エンコーダ2bから出力された位置信号xrは外乱オブザーバ5bに送られる。外乱オブザーバ5bは送られた、位置信号xrと電流指令値からアクチュエータ1に印加される外乱を推定し、検出した外乱相当電流値idを外乱オブザーバ切換部9を介して外乱加算部6に送る。この外乱を推定するときに、アクチュエータ1のノミナルモデルからのずれも外乱として推定する。外乱加算部6は位置決め制御コントローラ4から出力された電流指令値icと外乱オブザーバ5bが推定した外乱相当電流値idを加算して出力する。ドライバ12は外乱加算部6から出力され加算部11を介して送られた電流指令値に比例したアクチュエータ電流imをアクチュエータ1に送りアクチュエータ1を駆動する。
【0015】
この状態でモード切換部7でアクチュエータ1の動作位置を細かく制御するモードを選択すると、推定外乱記憶部10は外乱オブザーバ切換部9を切り換える前に外乱オブザーバ5bから出力している外乱相当電流値idを切換前外乱相当電流値idhとして記憶する。その後、検出部切換部8をエンコーダ2a側に接続し、外乱オブザーバ切換部9を外乱オブザーバ5a側に接続する。位置決め制御コントローラ4は位置指令部3から送られる目標位置とエンコーダ2aから出力されてフィードバックされた位置信号xsを比較し、偏差に応じた操作量に対応する電流指令値icを出力する。また、エンコーダ2aから出力された位置信号xsは外乱オブザーバ5aに送られる。外乱オブザーバ5aは送られた、位置信号xsと電流指令値からアクチュエータ1に印加される外乱を推定し、検出した外乱相当電流値idを外乱オブザーバ切換部9を介して外乱加算部6に送る。外乱加算部6は位置決め制御コントローラ4から出力された電流指令値icと外乱オブザーバ5aが推定した外乱相当電流値idを加算して出力する。加算部11は外乱加算部6から出力された電流指令値(ic+id)と推定外乱出力部25から出力される推定外乱記憶部10に記憶したモードを切換える前の外乱オブザーバ5bから出力した切換前外乱相当電流値idhとを加算して補正しドライバ12に送る。ドライバ12は加算部11から送られた電流指令値(ic+id+idh)に比例したアクチュエータ電流imをアクチュエータ1に送りアクチュエータ1を駆動する。
【0016】
この外乱オブザーバ5a,5bの動作を詳細に説明する。アクチュエータ1を例えば図2に示すブロック線図で表わすと、アクチュエータ1のモータの状態方程式は下記(1)式で表され、出力方程式は下記2式で表される。図2において、A,B,Cは定数(行列)、Iは積分器、uは入力ベクトル、yは出力ベクトル,xは状態量(ベクトル)である。
【0017】
【数1】
【0018】
この図2に示されたモデルをP(プラント)とし、外乱オブザーバ5を付加したブロック線図を例えば図3で表すと、外乱オブザーバ5の状態方程式は下記(3)式で表され、出力方程式は下記(4)式で表される。図3においてA1,B1,D,H,Kは定数(行列)、I1は積分器、ωは外乱オブザーバ5の状態量(ベクトル)、X1はモータの状態量の推定値である。
【0019】
【数2】
【0020】
上記(4)式の外乱オブザーバの出力ベクトルX1の1つがアクチュエータ1に印加される外乱相当の推定トルク外乱あるいは推定加速度外乱となる。この推定されたトルク外乱あるいは加速度外乱を電流値に変換しフィードバックすることによって外乱を抑圧することができる。
【0021】
また、モード切換部7でアクチュエータ1の動作位置を粗く制御するモードか細かく制御するモードに切り換えて外乱オブザーバ5bを外乱オブザーバ5aに切り換えたときに、推定外乱記憶部10に記憶したモードを切換える前の外乱オブザーバ5bから出力した切換前外乱相当電流値idhをフィードバックして電流指令値を補正するから、外乱の推定の遅れがあっても切換え直前の推定外乱を加算するため切換え後の外乱を抑圧でき、例えば図4の(a)に示すように、アクチュエータ1を目標位置Xcに円滑に収束させることができ、図4(b)に示すように補正がなく、外乱の推定に遅れがあるためバネ力等の外乱によって目標位置から離れてから目標位置に収束する場合と比べて安定した位置制御を行なうことができる。
【0022】
上記実施例はアクチュエータ1に、アクチュエータ1の動作位置を細かく検出するエンコーダ2aとアクチュエータ1の動作位置を粗く検出するエンコーダ2bを設けた場合について説明したが、エンコーダ2a,2bの代わりにアクチュエータ1に、アクチュエータ1の動作速度を細かく検出する速度検出器と、アクチュエータ1の動作速度を粗く検出する速度検出器を設け、各速度検出器から出力する速度信号を位置決め制御コントローラ4にフィードバックするとともに外乱オブザーバ5a,5bで各速度検出器から出力する速度信号から外乱を推定し、推定した外乱とモードを切り換える前の推定外乱とを上記実施例と同様にフィードバックしても良い。この場合も、モードを切り換える前の推定外乱をフィードバックして電流指令値を補正するから、図5(a)に示すように、粗い速度検出器によって切換え速度Vcに移動したところで、細かい速度検出器と細かい速度検出器モード用の外乱オブザーバ5aに切換えたときに、外乱の推定の遅れがあっても切換え直前の推定外乱を加算して切換え後の外乱を抑圧できる。したがって図5(b)に示すように補正がない場合のように、バネ力等の外乱によって目標軌道(目標速度)から離れてから目標軌道に収束することを防止できる。
【0023】
次ぎに、アクチュエータ1として、例えば図6に示すように、ボイスコイルモータ21により駆動されるバネ成分を持ったキャリッジ20を使用して披測定物22との距離を光学的に測定する場合について説明する。キャリッジ20にはフォーカス信号を発生させるフォーカス信号発生部23とキャリッジ20の位置を検出し位置信号xeを出力するリニアエンコーダ24が取り付けられている。フォーカス信号発生部23で検出されたフォーカス信号から換算された位置信号xfは外乱オブザーバ5aに入力され、リニアエンコーダ24で検出された位置信号xeは外乱オブザーバ5bに入力される。そしてモード切換器7によってキャリッジ20を披測定物22に近づけるモードが選択されると、リニアエンコーダ24の位置信号xeと外乱オブザーバ5bで推定した外乱相当電流値idをフィードバックしてキャリッジ20を披測定物22に近づけ、図7に示すように、フォーカス信号が取れる位置Xcまで位置決めを行なう。フォーカス信号が取れる位置Xcまでキャリッジ20が進行したらモード切換器7はフォーカス信号による披測定物22への追従制御モードに移行する。この追従制御モードに移行すると、フォーカス信号発生部23で検出されたフォーカス信号から換算された位置信号xfによりフィードバック制御するとともに外乱オブザーバ5aで推定した外乱相当電流値id及び推定外乱記憶部10に記憶したモードを切換える前の外乱オブザーバ5bから出力した切換前外乱相当電流値idhによりモータドライバ12aに送る電流指令値を補正する。モータドライバ12aは補正された電流指令値によりキャリッジ20を駆動するボイスコイルモータ21を制御する。このようにして、キャリッジ20がフォーカス信号が取れる位置Xdまで進行してフォーカス信号による披測定物22への追従制御モードに移行したときに、モードを切換える前の外乱オブザーバ5bから出力した切換前外乱相当電流値idhによりモータドライバ12aに送る電流指令値を補正するから、図7(b)に示すように補正がなく、外乱の推定に遅れがあるためバネ力等の外乱によって目標位置から離れてしまいフォーカス信号をとることができなくなることを回避して、図7(a)に示すように、フォーカス位置にキャリッジ20を位置決めすることができ、披測定物22までの距離を安定して測定することができる。
【0024】
上記各実施例は推定外乱記憶部10に記憶したモードを切換える前の外乱オブザーバ5bから出力した切換前外乱相当電流値idhによりドライバ12に送る電流指令値を補正する場合について説明したが、推定外乱出力部25で推定外乱記憶部10に記憶した切換前外乱相当電流値idhに所定の係数kを乗算した切換前外乱相当電流値k・idhを加算器11に送り、ドライバ12に送る電流指令値を補正するようにしても良い。このように切換前外乱相当電流値idhに所定の係数kを乗算することにより、外乱オブザーバ5a,5bの切換え時の過渡応答時を任意に調整することができ、応答の最適化を図ることができる。
【0025】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、アクチュエータの動作モードを切り換えたときに、そのときの推定外乱と動作モードを切り換える前の推定外乱でアクチュエータの制御電流指令値を補正するから、簡単な構成で動作モードを切り換えたときの過渡応答を改善することができる。
【0026】
また、動作モードを切り換える前の推定外乱に所定の係数を乗算してアクチュエータの制御電流指令値を補正することにより、動作モードを切り換えたときの過渡応答時を任意に調整することができ、応答の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示す制御ブロック図である。
【図2】アクチュエータのブロック線図である。
【図3】アクチュエータに外乱オブザーバを付加したブロック線図である。
【図4】目標位置に対するアクチュエータの位置変化を示す動作特性図である。
【図5】目標軌跡に対するアクチュエータの速度変化を示す動作特性図である。
【図6】他の実施例の構成を示す制御ブロック図である。
【図7】フォーカス位置に位置決めするときのアクチュエータの位置変化を示す動作特性図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ
2 エンコーダ
3 位置指令部
4 位置決め制御コントローラ
5 外乱オブザーバ
6 外乱加算部
7 モード切換部
8 検出部切換部
9 外乱オブザーバ切換部
10 推定外乱記憶部
11 加算部
12 ドライバ
Claims (3)
- アクチュエータと複数の位置検出器と位置決め制御コントローラと位置検出器に一対一で接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、
複数の位置検出器はアクチュエータの位置を検出して位置信号を出力し、位置決め制御コントローラは目標位置と位置信号とを比較した位置偏差から電流指令値を出力し、各外乱オブザーバは位置信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により位置検出器から出力する位置信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする位置決め制御装置。 - アクチュエータと複数の速度検出器と位置決め制御コントローラと速度検出器に一対一で接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、
複数の速度検出器はアクチュエータの速度を検出して速度信号を出力し、位置決め制御コントローラは目標値と速度信号とを比較した偏差から電流指令値を出力し、各外乱オブザーバは速度信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により速度検出器から出力する速度信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする位置決め制御装置。 - リニアエンコーダと被測定物との距離を光学的に検出しフォーカス信号を出力するフォーカス信号発生部を有するアクチュエータと、位置決め制御コントローラとリニアエンコーダに接続された外乱オブザーバとフォーカス信号発生部に接続された外乱オブザーバと外乱加算部とモード切換部と検出部切換部と外乱オブザーバ切換部と推定外乱記憶部と推定外乱出力部と加算部及びドライバを有し、
位置決め制御コントローラは目標値とリニアエンコーダから出力する位置信号及びフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号とを比較した偏差から電流指令値を出力し、一方の外乱オブザーバはリニアエンコーダから出力する位置信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、他方の外乱オブザーバはフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号と電流指令値からアクチュエータに印加される外乱を推定し、外乱加算部は位置決め制御コントローラから出力する電流指令値に外乱オブザーバで推定した外乱を加算し、モード切換部はアクチュエータの動作モードの切換信号を出力し、検出部切換部はモード切換部から出力するモード切換信号によりリニアエンコーダから出力する位置信号とフォーカス信号発生部から出力するフォーカス信号を切り換えて位置決め制御コントローラに入力し、外乱オブザーバ切換部はモード切換部から出力するモード切換信号により外乱オブザーバから出力する推定外乱を切り換え、推定外乱記憶部はモードを切換える前の外乱オブザーバから出力する切換前推定外乱を記憶し、推定外乱出力部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき、推定外乱記憶部に記憶した切換前推定外乱にあらかじめ設定された係数を乗算して出力し、加算部はモード切換部でアクチュエータの動作モードを切り換えたとき推定外乱外乱出力部からの出力によりドライバに入力する電流指令値を補正し、ドライバは入力した電流指令値に応じたアクチュエータ電流をアクチュエータに送ることを特徴とする位置決め制御装置。
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