JPH0787048B2 - 耐熱耐油絶縁電線 - Google Patents

耐熱耐油絶縁電線

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JPH0787048B2
JPH0787048B2 JP61034450A JP3445086A JPH0787048B2 JP H0787048 B2 JPH0787048 B2 JP H0787048B2 JP 61034450 A JP61034450 A JP 61034450A JP 3445086 A JP3445086 A JP 3445086A JP H0787048 B2 JPH0787048 B2 JP H0787048B2
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cross
acid ester
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oil
propylene
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典男 池ケ谷
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性、耐油性、耐溶剤性及び電気特性に優
れた絶縁電線に関するものである。
(従来の技術) 近年、4フッ化エチレン−プロピレン系共重合体を主成
分とする組成物を絶縁層または外層とする絶縁電線が、
優れた耐熱性、耐油性、耐溶剤性及び電気特性を活か
し、自動車、工作機械、発電機、モーター口出線等に利
用され始めている。
この4フッ化エチレン−プロピレン系共重合体を主成分
とする組成物を絶縁層または外層とする絶縁電線は、そ
の組成物中に架橋助剤としてアリル化合物、架橋剤とし
て有機過酸化物を含み、前記組成物を導体上に押出被覆
した後、製品中にボイドが発生しないように加圧水蒸気
や加圧液体等により加圧加熱架橋をする(例えば、特開
昭58-1921号公報、特開昭58-1922号公報、特開昭58-420
8号公報、特開昭59-221903号公報、特開昭61-4113号公
報等参照)か、あるいはベント型押出機を使い、組成物
中に少量含まれる水分、ガス等を真空吸引した後、導体
上に押出被覆し、常圧にて加熱架橋する方法がとられて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、加圧加熱架橋する場合は、加圧水蒸気を
発生させるためのボイラーや液体を加圧させる装置が必
要となるとともに、前記組成物が加圧によって撚り合わ
せた導体に食い込み、絶縁体ストリップ時に該組成物が
導体の隙間に残ってしまうという不具合が発生する場合
がある。
一方、常圧下で加熱架橋可能なベント型押出機を用いる
場合には、通常使用する押出機と異なり段取りにかなり
の時間を要するとともに真空ポンプの真空度が下がらな
いように常時注意していなければならなく、更にベント
型押出機は複数のシリンダーかそれに相当する大きなシ
リンダーと真空ポンプを必要とする特殊構造の大きな装
置であるため、高価なものになるばかりではなく、広い
設置空間も必要となり、その上前記シリンダー内には多
くのコンパウンドが残るなど通常使用する押出機に比べ
工程上の経費が高く、非経済的である。
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その
目的とするところは、耐熱性、耐油性、耐溶剤性及び電
気特性に優れるとともに、ベント型押出機を用いること
なく、常圧で加熱架橋しても製品中にボイドの発生しな
い絶縁電線を安価に提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するべく本発明による絶縁電線は、4フ
ッ化エチレン−プロピレン系共重合体に、架橋助剤であ
るメタクリン酸エステルまたはアクリル酸エステルと、
架橋剤である有機過酸化物とを混合し、これにシリコー
ンゴムを4フッ化エチレン−プロピレン系共重合体100
重量部に対して200重量部以下添加した混合物を主成分
とする組成物を、常圧加熱して架橋してなる絶縁層また
は外層を有することを特徴とするものである。
4フッ化エチレン−プロピレン系共重合体は、架橋助剤
としてアリル化合物を、また架橋剤として有機過酸化物
を用い、これらを併用して架橋するのが通常であるが、
本発明においては架橋助剤としてメタクリル酸エステル
またはアクリル酸エステルを用い、架橋剤である有機過
酸化物と併用して架橋する。架橋助剤としてメタクリル
酸エステルまたはアクリル酸エステルに代えてアリル化
合物、オキシム化合物、イオウ、マレイミド化合物等の
架橋助剤を使用する場合、あるいはメタクリル酸エステ
ルまたはアクリル酸エステルを有機過酸化物と併用しな
いで単独に使用した場合、更には架橋剤単独で使用した
場合などには架橋に長時間を要するとともに、常圧では
製品中に無数のボイドが発生してしまう。
架橋助剤として用いられるメタクリル酸エステルまたは
アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、エチレンジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、アルミニウ
ムメタクリレート、アルミニウムアクリレート、ジンク
メタクリレート、ジンクアクリレートなどが挙げられ
る。これらは単独あるいは二種類以上混合して使用され
る。
架橋剤として用いられる有機過酸化物としては、一般的
に使用される種々のパーオキサイド化合物が使用可能で
ある。
尚、上記架橋剤、架橋助剤以外にも必要に応じて、充填
剤、補強剤、安定剤、滑剤、顔料等の添加剤が使用可能
である。
本発明においては、4フッ化エチレン−プロピレン系共
重合体に、架橋助剤であるメタクリル酸エステルまたは
アクリル酸エステルと、架橋剤である有機過酸化物を加
えた混合物に、更にシリコーンゴムを添加する。このシ
リコーンゴムは得られる組成物の低粘度化と価格低減の
ために重要である。シリコーンゴムを添加しない場合
は、組成物の粘度が高くなり押出機のシリンダー内にお
ける自己発熱によってスコーチが発生し、製品が外観不
良となる。その添加量は、4フッ化エチレン−プロピレ
ン系共重合体100重量部に対して200重量部以下が望まし
く、200重量部を超えてしまうと、4フッ化エチレン−
プロピレン系共重合体の特徴である耐油性や耐溶剤性が
低下してしまう。シリコーンゴムとしては、ジメチルシ
リコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフ
ェニルビニルシリコーンゴム等が挙げられ、これらは通
常充填剤等をシリコーンゴム100重量部に対して30〜100
重量部程度含んだものがシリコーンゴムコンパウンドと
して市販されている。尚、シリコーンゴムに代えて、軟
化剤として耐熱性に優れたシリコーンオイルを使用する
ことが考えられるが、この場合には引張強度等の物性が
著しく低下してしまい好ましくない。
本発明による絶縁電線の製造方法は、シリコーンゴム絶
縁電線の工程上の経費が安価な常圧加熱架橋方法と同様
である。即ち、本発明に係る組成物を導体周上に所定の
肉厚で押出被覆した後、約200℃〜300℃の温度に保持さ
れた加熱炉中で30秒〜5分間程度常圧加熱架橋するもの
である。このとき押出機のシリンダー及びヘッドの温度
は本発明に係る組成物が80℃程度で架橋することを考慮
して50℃程度以下にすることが好ましい。
(作用) 本発明の耐熱耐油絶縁電線は、絶縁層または外層を形成
する組成物として4フッ化エチレン−プロピレン系共重
合体をベースポリマーとしているので、耐熱性、耐油
性、耐溶剤性及び電気特性に優れ、また架橋助剤である
メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルと、架
橋剤である有機過酸化物とを混合することにより、ベン
ト型押出機を用いることなく常圧で加熱架橋しても製品
中にボイドの発生が無いものである。更に、シリコーン
ゴムの添加により、組成物の低粘度化と価格低減を同時
に達成している。
(実施例) 以下に本発明の実施例を比較例と併せて説明する。本実
施例では表−1に示した材料を12インチオープンロール
にて混練し、得られた組成物を40mmφゴム用押出機にて
公称断面積0.75mm2のスズメッキ軟銅集撚線からなる導
体周上に、肉厚0.8mmに押出被覆して絶縁層とし、その
後直ちに200℃に保持された加熱炉中で常圧で5分間加
熱し絶縁層を架橋させた。このとき、押出機のシリンダ
ー及びヘッドの温度は50℃とした。尚、表−1に示す組
成物中、ケイ酸質充填剤は充填剤として、ステアリン酸
ソーダは滑剤として使用した。
ここで、実施例1乃至実施例4及び比較例1乃至比較例
4の電線を所定の長さに切断したものを試験品として、
ボイドの発生の有無、引張強さ及び伸び、耐熱性、耐油
性及び耐溶剤性について比較試験を行った。
試験方法としては、まずボイド発生の有無については、
試験品を数箇所で切断しその断面を目視にて確認した。
引張強さ及び伸びは、JIS C 3004に従い測定した。耐熱
性は、試験品を220℃に保持された恒温槽内で96時間加
熱した後取り出し、室温まで冷却した後、JIS C 3004に
従い引張強さ残率及び伸び残率を求めた。耐油性につい
ては、試験品を150℃に保温された試験油(ASTM No.3オ
イル)中に72時間浸漬した後取り出し、直ちに外径を測
定し外径変化率を求めた。耐溶剤性については、試験品
をJIS K 6301に規定されている燃料油C中に常温で72時
間浸漬した後取り出し、直ちに外径を測定し外径変化率
を求めた。試験結果は表−2に示した。
この試験結果によれば、架橋助剤としてのメタクリル酸
エステルまたはアクリル酸エステルと、架橋剤としての
有機過酸化物を併用した実施例1乃至実施例4は、工程
上の経費が安価な常圧加熱架橋をしても試験品中にボイ
ドが発生しておらず、引張強さ及び伸び、耐熱性、耐油
性、耐溶剤性など全て良好な値を示していることが判
る。これに対し、メタクリル酸エステルまたはアクリル
酸エステルの代りに他の架橋助剤を使用した比較例1乃
至比較例3は、試験品中に無数のボイドが発生してお
り、引張強さ及び伸び、耐熱性等の測定ができなかっ
た。また、架橋助剤としてメタクリル酸エステルを用い
ているものの、シリコーンゴムの添加量が本発明の範囲
外である比較例4は、4フッ化エチレン−プロピレン系
共重合体の特徴である耐油性と耐溶剤性が失われている
ことが判る。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、既に
絶縁層を有する絶縁電線の外層として用いても構わな
い。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明による耐熱耐油絶縁電線は、
耐熱性、耐油性、耐溶剤性及び電気特性に優れている。
また、この絶縁電線はベント型押出機を用いなくても常
圧加熱架橋により製造することができるとともに、4フ
ッ化エチレン−プロピレン系共重合体よりも安価なシリ
コーンゴムを混合しているため、極めて経済的である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4フッ化エチレン−プロピレン系共重合体
    に、架橋助剤であるメタクリル酸エステルまたはアクリ
    ル酸エステルと、架橋剤である有機過酸化物とを混合
    し、これにシリコーンゴムを4フッ化エチレン−プロピ
    レン系共重合体100重量部に対して200重量部以下添加し
    た混合物を主成分とする組成物を、常圧加熱して架橋し
    てなる絶縁層または外層を有することを特徴とする耐熱
    耐油絶縁電線。
JP61034450A 1986-02-18 1986-02-18 耐熱耐油絶縁電線 Expired - Lifetime JPH0787048B2 (ja)

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