JPH078690Y2 - 天井材取付用金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建物躯体の天井部に天井材を吊設するための天
井材取付用金具に関する。

（従来の技術）） 従来、この種金具として、コンクリートスラブ等を打設
した建物躯体の天井部に、溶接やボルト止め等によって
取付けられるＬ字金具とか、上記天井部内に埋設される
インサート金具があり、そのＬ字金具またはインサート
金具のねじ孔に螺着した吊りボルトに野縁受け及び野縁
を介して天井材を取付けるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 上記Ｌ字金具またはインサート金具では、それらを溶接
やボルト等で建物躯体の天井部に取付ける必要があるた
め、その取付け作業に手間がかかり、取付費が高くつく
という欠点がある。

本考案は、上記従来の問題点を解消した天井材取付用金
具を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の構成を実施例に対応
する図面に基づいて説明すると、本考案は、中央部11a
に吊りボルトねじ込み用ねじ孔13が形成され、該中央部
11aから両端部11b,11cが斜め上方に対称形に折り曲げら
れ、且つ両端部11b,11cに突っ張り係合部14を有してな
る略Ｖ字状の金具本体11と、同じく略Ｖ字状に折り曲げ
られた状態で上記金具本体11に略重合状に掛け渡され、
その中央部12aが吊りボルト当接面とされ、その両端部1
2b,12cが前記突っ張り係合部14に係合されてなる突っ張
り部材12とからなる構成を採用するものである。

（作用） 上記構成において、金具本体11の両突っ張り係合部14,1
4を建物躯体天井部１の係合溝10に遊嵌した状態で、該
金具本体11のねじ孔13に天井吊りボルト３をねじ込む
と、該ボルト３により突っ張り部材12の中央部12aが押
上げられ、その押上げ力Ｐにより突っ張り部材12の両端
部12b,12cが左右に突っ張り、さらにその突っ張り力Ｑ
により上記金具本体11の両突っ張り係合部14が左右に押
し広げられて、その両突っ張り係合部14が前記係合溝10
の内壁面10aに圧接係合し、これによって金具本体11が
建物躯体躯体天井部１に強固に取付けられる。

（実施例） 第５図は建物躯体躯体天井部１に本考案の一実施例たる
天井材取付用金具２を介して天井吊ボルト３を垂設し、
該ボルト３の下端部に吊りハンガー４、野縁受け５及び
野縁６を介して天井材７を取付けた状態を示している。
なお上記建物躯体天井部１は、凸条部1aと凹陥部1bとが
交互に形成された波板状鋼製デッキプレート８と、該デ
ッキプレート８上に打設されたコンクリートスラブ層９
とからなり、上記凹陥部1bの底部にはデッキプレートを
折り曲げて蟻溝状の係合溝10が形成さている。

前記天井材取付用金具２は、第１図〜第４図に示すよう
に、金具本体11と、該金具本体11上に略重合状に掛け渡
された突っ張り部材12とから構成されている。

上記金具本体11は略Ｖ字状に折り曲げられた鋼板からな
り、その水平状の中央部11aには天井吊りボルト３をね
じ込むためのねじ孔13が貫設され、その中央部11aから
両端部11b,11cが前記係合溝10の内壁面10aの傾斜角度に
ほぼ合致する対向角度αで斜め上方に対称形に折り曲げ
られ、さらに該両端部11b,11cの先端部が上向き略Ｕ字
状に折り曲げられて前記係合溝10に係合する突っ張り係
合部14とされている。

前記突っ張り部材12は上記金具本体11と同様に、略Ｖ字
状に折り曲げられた鋼板からなり、その中央部12aが下
向き略コ字状に折り曲げられて前記天井吊ボルト３の先
端が嵌入する凹部15を形成し、上記中央部12aから両端
部12b,12cが前記金具本体11の両端部11b,11cの対向角度
αよりも若干大きな対向角度βで斜め上方に対称形に折
り曲げられている。また上記両端部12b,12cの先端が前
記突っ張り係合部14に形成された凹溝16に嵌入し、さら
に上記両端部12b,12cの両側縁に一体形成した一対の係
合片17,17が金具本体11の両端部11b,11cを間に挟んで下
向きに折り曲げられており、これによって突っ張り部材
12が金具本体11から不測に外れないようにしている。

天井材取付用金具２は次の要領で使用される。まず、天
井吊ボルト３を金具本体11のねじ孔13に浅くねじ込んだ
状態で、その天井材取付用金具２を、第４図仮想線に示
すように、建物躯体天井部１の所定の凹陥部1b内にその
凹陥部1bと平行状態で挿入した後、該金具２を90°水平
回転させることにより、第４図実線に示すように、金具
本体11の突っ張り係合部14,14を係合溝10に遊嵌入さ
せ、次に前記天井吊ボルト３をねじ込めばよい。これに
より第１図及び第２図に示すように、該ボルト３の先端
が突っ張り部材12の凹部15に嵌入して、その中央部12a
が押上げられ、その押上げ力Ｐにより突っ張り部材12の
両端部12b,12cが弾性変形して左右に突っ張り、さらに
その突っ張り力Ｑにより上記金具本体11の両端部11b,11
cが同じく弾性変形して左右に押し広げられ、その両突
っ張り係合部14が前記係合溝10の内壁面10aに圧接係合
し、これによって金具本体11が建物躯体天井部１に強固
に取付けられる。

また突っ張り部材12に使用する押上げ反力Ｒにより天井
吊ボルト３が下向きに押圧されてねじ孔13に圧接し、該
ボルト３の緩みが防止されている。

さらに突っ張り部材12に作用する突っ張り反力Ｓにより
凹部15の開口端15a,15aが内側へ変形して天井吊ボルト
３に圧接し、該ボルト３のねじ込みを妨害するおそれが
あるが、該突っ張り部材12の中央部12aに一体形成した
一対の舌片18,18を下向きに折り曲げて上記凹部15内に
嵌入させているので、上記開口端15aが変形するおそれ
がなく、天井吊ボルト３を円滑にねじ込むことができ
る。

またさらに天井吊ボルト３のねじ込み量を調整すること
により金具本体11の幅、即ち両突っ張り係合部14,14間
の間隔Ｌを広狭自在に変更することができるから、該金
具本体Ｌを溝幅ｌの異なる種々の係合溝10にも確実に取
付けることができる。

（考案の効果） 本考案によれば、金具本体の両突っ張り係合部を建物躯
体天井部の係合溝に遊嵌し、該金具本体のねじ孔に天井
吊ボルトをねじ込むだけの簡単な操作で、その金具本体
を建物躯体天井部に強固に取付けることができ、その取
付けにあたって、従来のような溶接作業やボルト止め作
業が一切不要であるから、取付け費を従来に比べて大幅
に低減させることができる。

また特に金具本体の幅、即ち前記両突っ張り係合部間の
間隔を広狭自在に変更することができるから、該金具本
体を溝幅の異なる種々の係合溝にも確実に取付けること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例たる天井材取付用金具を建物
躯体天井部に取付けた状態の縦断面図、第２図は第１図
のII−II矢視図、第３図は同金具の斜視図、第４図は同
金具の取付け手順を示す縦断面図、第５図は同金具によ
る天井材の取付け状態を示す縦断面図である。 ２……天井材取付用金具、11……金具本体、11a……金
具本体の中央部、11b,11c……金具本体の両端部、12…
…突っ張り部材、12a……突っ張り部材の中央部、12b,1
2c……突っ張り部材の両端部、13……ねじ孔、14……突
っ張り係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中央部に吊りボルトねじ込み用ねじ孔が形
   成され、該中央部から両端部が斜め上方に対称形に折り
   曲げられ、且つ両端部に突っ張り係合部を有してなる略
   Ｖ字状の金具本体と、同じく略Ｖ字状に折り曲げられた
   状態で上記金具本体に略重合状に掛け渡され、その中央
   部が吊りボルト当接面とされ、その両端部が前記突っ張
   り係合部に係合されてなる突っ張り部材とからなる天井
   材取付用金具。