JPH0259116B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はＵ字溝及び柵板の吊り上げに最適な吊
り金具に関し、詳細には吊り金具本体に枢着した
シヤツクルのフツクをＵ字溝の重心線上に位置調
整できるように構成するとともに、枠体の上部横
方向にワイヤ掛け金具を位置調整自在に取り付
け、フツクの吊りワイヤをこの掛け金を介して引
き上げることにより、柵板を所望の傾斜角度で吊
り上げるようにした多目的の吊り金具に関する。

Ｕ字溝を埋設して側溝を構築する場合、一般
に、Ｕ字溝を吊り上げ、側溝道糸に沿つて吊り下
ろす作業が行われるが、従来、Ｕ字溝の水平吊り
上げが困難なため傾斜状に吊り下ろされたＵ字溝
の縁で道糸を頻繁に切断し、工事に支障をきたす
ことが多かつた。

また、所定の勾配をつけて打ち込んだＨ鋼の案
内溝間に柵板を嵌め込んで土留め用の柵を構築す
る場合、従来の吊り具では柵板が垂直に吊り下ろ
されるため柵板の吊り角度とＨ鋼案内溝の傾斜角
度が合わず柵板の嵌合がきわめて困難であつた。

本発明はこれらの問題を同時に解消することを
目的としてなされたもので、Ｕ字溝を水平に吊り
下ろすことができるとともに、柵板等の板状部材
を吊り下ろすときはＨ鋼の設置傾斜勾配に応じた
種々の角度で吊り下ろし、Ｈ鋼の案内溝に円滑に
嵌め込むことができるようにした他目的の吊り金
具も提供するものである。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。１は吊り上げるべき部材の側壁を受け入れる
ための下開き凹部２を有する吊り金具枠体であ
り、該凹部２を構成する枠体１の一方の側壁１ａ
には一端側に偏心カム面３ａを有するシヤツクル
３を該側壁１ａの直角方向にピン４を介して回動
自在に枢着し、枢着部４を支点にしてシヤツクル
３を上方（矢印方向）に回動することにより、偏
心カム面３ａと枠体１の他方の側壁１ｂで吊り上
げ部材を挾持するようにしてある。好ましくはシ
ヤツクル３の偏心カム面３ａ及びこれと対向する
枠体１の側壁１ａは少なくともそのいずれか一方
を鋸歯状凹凸面に形成し、吊り上げ部材を確実に
掘持するようにする。

第２図及び第３図に解り易く示すように、シヤ
ツクル３の軸部３ｂには軸方向に沿つて延びる長
孔５を形成し、吊りワイヤ６を連結するフツク７
をこの長孔５に沿つて位置調整自在に固定できる
ようにしてある。フツク７はシヤツクル３の長孔
５に貫通させた先端をワツシヤ８に螺着し、フツ
ク７とワツシヤ８でシヤツクル３を締め付けるこ
とによつて固定され、螺着を緩めることによつて
フツク７の位置調整ができるようになつている。
また、シヤツクル３とワツシヤ８の対接面はフツ
ク固定位置のすべりを防止するために相互に噛み
合う鋸歯状凹凸面に形成する。

更に、吊り金具枠体１の上部に張り出した横方
向の一対のステイ９，９の各々にはワイヤ掛け金
具１０を係合させるための複数対の連結孔１１
ａ，１１ｂ，１１ｃ…を形成し、この連結孔にワ
イヤ掛け金具１０を位置調整自在に連結するよう
になつている。ワイヤ掛け金具１０は両端を外側
または内側に折り曲げた逆Ｖ字形の金具からな
り、折り曲げた両端を、対向する任意の係合孔に
選択的に嵌合して枠体１に対するワイヤ掛け金具
１０の係合位置を変えることによりこのワイヤ掛
け金具１０を介して吊り上げる柵板の吊り角度を
調整できるようにしてある。

次に第２図及び第３図により本発明の作用を説
明する。

第２図は本発明の吊り金具で側溝用のＵ字溝１
１を水平に吊り上げる場合の使用例であり、吊り
金具枠体１の凹部２をＵ字溝１２の一方の側壁１
２ａの中央部に嵌合し、シヤツクル３を矢印方向
に回動して偏心カム面３ａと枠体１の対向側壁１
ｂでＵ字溝１２の側壁１２ａを挾持した後、フツ
ク７をシヤツクル３の長孔５に沿つて移動させ、
フツク７の吊りワイヤ６がＵ字溝１２の溝幅Ｄの
センターライン、即ち重心線Ｇ上に合致する位置
でフツク７を固定する。かくして、吊りワイヤ６
はＵ字溝１２の重心線Ｇ上にあるのでＵ字溝１２
は水平に吊り上げられることとなる。第２図に仮
想線で示すように、同一の吊り金具で溝幅または
壁厚の異なる別のＵ字溝１２′を吊り上げるとき
は、上記と同様の操作で吊りワイヤ６がＵ字溝１
２′の重心線G′上に合致するようにフツク７をシ
ヤツクル３の長孔５に沿つて移動調整すればＵ字
溝１２′は同様に水平状態で吊り上げることがで
きる。

第３図は本発明の吊り金具で土留め用の柵板１
３を縦方向に吊り、土留め用Ｈ鋼の案内溝（図は
省略）に嵌合する場合の使用例であり、この場合
はシヤツクル３の長孔５に固定したフツク７の吊
りワイヤ６を枠体１上方のワイヤ掛け金具１０に
通して引き上げる。吊りワイヤ６は掛け金具１０
で引き寄せられ吊り上げ支点が図の左側に移動
し、柵板１３を縦方向に吊り上げることになる。
しかして、本発明ではワイヤ掛け金具１０の取付
位置を連結孔１１ａ，１１ｂ，１１ｃ…に沿つて
横方向に移動調整できるようにしてあるから、該
掛け金具１０の係合位置を変えることにより柵板
１３の吊り角度θを土留め用Ｈ鋼の勾配に応じて
種々変更することができる。

以上のように、本発明によれば種々のＵ字溝の
吊り上げに際し、フツクをその重心位置に移動調
整して水平に吊り下ろすことができるので側溝道
糸の切断を防止し、且つ所定位置への設置が容易
となる。また、柵板を吊る場合は掛け金具の位置
を調節して柵板の傾斜角度をＨ鋼案内溝の勾配に
合わせることができるのでＨ鋼案内溝への嵌合が
円滑に行われ、作業能率を大巾に向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例による吊り金具の透視
図、第２図及び第３図は本発明の作用説明図であ
る。 １……吊り金具枠体、３……シヤツクル、３ａ
……偏心カム面、５……長孔、６……吊りワイ
ヤ、７……フツク、１０……ワイヤ掛け金具、１
１ａ〜１１ｃ……連結孔、１２……Ｕ字溝、１３
……柵板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下開き凹部２を有する逆Ｕ字状吊り金具枠体
   １の一方の側壁１ａに、一端側に偏心カム面３ａ
   を有し且つ軸部３ｂに軸方向の長孔５を形成した
   シヤツクル３を前記枠体側壁１ａの直角方向に回
   転自在に枢着し、フツク７をシヤツクル３の前記
   長孔５に沿つて位置調整自在に取り付けるととも
   に、枠体１の上部横方向にワイヤ掛け金具１０を
   着脱自在に係合するための複数の連結孔１１ａ，
   １１ｂ，１１ｃ…を形成し、ワイヤ掛け金具１０
   をこれら連結孔に位置調整自在に係合させたこと
   を特徴とする吊り金具。