JPH0786146A - レジストマスクの除去方法 - Google Patents

レジストマスクの除去方法

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JPH0786146A
JPH0786146A JP5232018A JP23201893A JPH0786146A JP H0786146 A JPH0786146 A JP H0786146A JP 5232018 A JP5232018 A JP 5232018A JP 23201893 A JP23201893 A JP 23201893A JP H0786146 A JPH0786146 A JP H0786146A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体基板等に導電型不純物を選択的にイオン
注入した後に残るレジストマスクを除去する方法に関
し、導電型不純物の酸化物の発生やレジスト爆発を防止
するとともに、残渣が残らないようにすることが可能な
レジストマスクの除去方法を提供する。 【構成】基体31に選択的に導電型不純物をイオン注入
した後に残るレジストマスク32の除去方法であって、
少なくとも水素を含むガスを用いて基体31のプラズマ
処理を行う工程と、少なくとも酸素を含むガスを用いて
基体31のダウンフロー処理を行う工程と、少なくとも
硝酸及び燐酸のいずれかを含む溶液に基体31を曝す工
程とを有することを含み構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レジストマスクの除去
方法に関し、より詳しくは、半導体基板等に導電型不純
物を選択的にイオン注入した後に残るレジストマスクを
除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(a)〜(c)は、レジストマスク
を用いて例えば半導体基板に選択的にイオン注入した
後、レジストマスクを除去する方法を示す断面図であ
る。まず、塗布法により半導体基板1上にレジスト膜を
形成する。続いて、選択露光した後、現像液に浸漬し、
イオン注入すべき領域のレジスト膜を除去して、図6
(a)に示すように、レジストマスク2を形成する。
【0003】次に、図6(b)に示すように、このレジ
ストマスク2に基づいて半導体基板1に導電型不純物を
選択的にイオン注入する。このとき、導電型不純物、例
えばP,B,As等はレジストの樹脂成分と化学結合し
て、レジストマスク2の表層は非常に固い変質層2bと
なる。なお、導電型不純物の届かない、レジストマスク
の内部のレジスト樹脂はそのままの状態で残り、非変質
層2aと呼ばれる。
【0004】次いで、酸素プラズマを用いてアッシング
し、レジストマスク2を除去する。ところで、酸素プラ
ズマを用いたアッシング法は、酸素プラズマ中のイオン
による衝撃を利用してレジストマスク2表層の変質層2
bを壊すとともに、酸素イオンとレジスト樹脂との酸化
反応を利用してレジストマスクを除去しようとするもの
である。
【0005】しかし、酸素プラズマによりアッシングを
行うと、プラズマ化された酸素がレジストマスク2中に
打ち込まれた導電型不純物(P,B,As等)と反応
し、導電型不純物(P,B,As等)の酸化物が生じ
る。特に、高いドーズ量でイオン注入された後のレジス
トマスクのアッシングにおいて形成された導電型不純物
の酸化物は揮発しにくく、基板上に残渣として残るとい
う問題がある。
【0006】また、変質層2bが完全に除去される前に
プラズマ照射によってウエハ温度が上昇すると、図7
(a)に示すように、非変質層2a内の揮発成分がガス
化し、膨張する。このような場合、非変質層2aを覆う
変質層2bは緻密でガス2cを通さない構造をしている
ため、図7(b)に示すように、膨張したガス2cの圧
力によって変質層2bが飛び散るという所謂レジスト爆
発が生ずる。そして、レジスト爆発により飛び散った変
質層2b片はパーティクルとなり、歩留りを低下させる
原因となるという問題がある。
【0007】そこで、レジスト爆発を起こさず、しか
も、導電型不純物の酸化物が生じないプロセスとして、
ウエハの温度を低温に保持した状態で水素プラズマ処理
する方法が開発された。導電型不純物(P,B又はA
s)と水素の化合物は、揮発しやすいことはよく知られ
ており、実際に水素プラズマ処理したところ、残渣が残
らずに変質層が除去された。また、ウエハは5℃程度の
低温に冷却されるため、レジスト爆発も起こらなかっ
た。この水素プラズマ処理には、水素イオンにより物理
的に及び化学的に変質層を除去するRIE(反応性イオ
ンエッンチング)方式が適している。
【0008】また、水素プラズマ処理により変質層が除
去された後、内側の非変質層が現れるが、この非変質層
の除去のため、イオン衝撃の少ない、主に酸素ガスを用
いるダウンフローアッシング処理がよく用いられる。上
記の水素ガスによるプラズマ処理と、酸素ガスによるダ
ウンフロー処理とを連続して行う2ステップアッシング
処理を適用することにより、導電型不純物の酸化物の発
生を防止し、かつレジスト爆発を防止して、パーティク
ル発生量を低減し、歩留りの向上を図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この2ステッ
プアッシング処理を用いてアッシングを行った場合、図
8に示すように、除去されたレジストマスク2の側壁に
沿って新たな残渣4が残ることがあり、問題となってい
る。本発明は、係る従来例の問題点に鑑みて創作された
もので、導電型不純物の酸化物の発生やレジスト爆発を
防止するとともに、残渣が残らないようにすることが可
能なレジストマスクの除去方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、基
体に導電型不純物を選択的にイオン注入した後に残るレ
ジストマスクの除去方法であって、少なくとも水素を含
むガスを用いて前記基体のプラズマ処理を行う工程と、
少なくとも酸素を含むガスを用いて前記基体のダウンフ
ロー処理を行う工程と、少なくとも硝酸及び燐酸のいず
れかを含む溶液に基体を曝す工程とを有することを特徴
とするレジストマスクの除去方法によって達成され、第
2に、基体に導電型不純物を選択的にイオン注入した後
に残るレジストマスクの除去方法であって、少なくとも
硝酸及び燐酸のいずれかを含む溶液に前記基体を曝す工
程と、少なくとも水素を含むガスを用いて前記基体のプ
ラズマ処理を行う工程と、少なくとも酸素を含むガスを
用いて前記基体のダウンフロー処理を行う工程とを有す
ることを特徴とするレジストマスクの除去方法によって
達成され、第3に、前記プラズマ処理は、高周波電源が
接続されたカソード電極に基体を載置し、前記カソード
電極と前記カソード電極に対向するアノード電極との間
に高周波電力を印加することによりプラズマ化された水
素を含むガスに前記基体上のレジストマスクを曝して、
該レジストマスクをエッチングする処理であることを特
徴とする第1又は第2の発明に記載のレジストマスクの
除去方法によって達成され、第4に、前記ダウンフロー
処理は、プラズマ化された酸素を含むガスからイオンを
除去した後に残る活性化ガスに前記基体上のレジストマ
スクを曝して、該レジストマスクをエッチングする処理
であることを特徴とする第1又は第2の発明に記載のレ
ジストマスクの除去方法によって達成され、第5に、前
記水素を含むガスは、水素と水蒸気の混合ガスであるこ
とを特徴とする第1,第2又は第3の発明に記載のレジ
ストマスクの除去方法によって達成され、第6に、前記
酸素を含むガスは、酸素と水蒸気の混合ガスであること
を特徴とする第1,第2又は第3の発明に記載のレジス
トマスクの除去方法によって達成され、第7に、前記プ
ラズマ処理されている間、前記基体は常温よりも低い温
度に冷却されていることを特徴とする第1,第2,第3
又は第5の発明に記載のレジストマスクの除去方法によ
って達成され、第8に、前記ダウンフロー処理されてい
る間、前記基体は常温よりも高い温度に加熱されている
ことを特徴とする第1,第2,第4又は第6の発明に記
載のレジストマスクの除去方法によって達成される。
【0011】
【作 用】本願発明者の調査によれば、2ステップアッ
シング処理を行った後に残る残渣は、μ−AES(オー
ジェ電子分光法:Auger Electron Spectroscopy )分析
からアルミナを主成分とするものであることがわかっ
た。しかも、レジストマスクの側壁の表面に残っている
ことがわかった。この残渣は、酸素プラズマアッンシグ
で発生していた導電型不純物の酸化物からなる残渣とは
異なる種類のものであり、レジスト爆発を起こす酸素プ
ラズマアッシング処理後には、このような残渣は見つか
らなかった。
【0012】上記アルミナ系の残渣の起源は、イオン注
入装置の構成材料のアルミニウムであると考えられる。
付着したアルミニウムは自然酸化し、アルミナ系の残渣
となる。なお、従来例の酸素プラズマアッンシグ処理で
このような残渣が見つからなかった理由は、実際には存
在していた残渣もレジスト爆発により吹き飛んでしまっ
たためだと考えられる。
【0013】以上の調査により判明した上記アルミナ系
の残渣を、他に影響を与えずに除去するには、2ステッ
プアッシング処理の前又は後に、アルミナを溶かす薬
液、例えば少なくとも硝酸及び燐酸のいずれかに曝せば
よい。従って、半導体基板等に導電型不純物を選択的に
イオン注入した後に残るレジストマスクを除去するため
には、2ステップアッシング処理により、導電型不純物
を含有する表層の変質層及びその内側の非変質層を除去
し、かつ硝酸又は燐酸による薬液処理により、レジスト
マスクの表面に残るアルミナ系の残渣を除去することが
必要である。
【0014】2ステップアッシング処理は、変質層を除
去するための水素を含むガスによるプラズマ処理と、非
変質層を除去するための酸素を含むガスによるダウンフ
ロー処理とからなる。水素を含むガスによるプラズマ処
理には、対向電極間に高周波電圧を印加して、対向電極
間に導入された水素ガスをプラズマ化し、対向電極の一
方に載置されたウエハに曝す、カソードカップル型平行
平板式RIE(反応性イオンエッンチング)方法が適し
ている。その理由は、RIE方法によれば、高いエネル
ギを有する水素イオンがウエハに垂直に衝突して変質層
を物理的に壊しつつ、更に化学反応によって変質層を除
去するからである。
【0015】一方、酸素を含むガスによるダウンフロー
処理には、プラズマ化された酸素を含むガスからイオン
を除去した後に残る活性化ガスに基体上のレジストマス
クを曝して、レジストマスクをエッチングする方法が適
している。その理由は、アッシング工程中、ウエハへの
イオン衝撃を少なくして、ウエハのダメージを最小限度
に止めるためである。
【0016】なお、上記プラズマ処理及びダウンフロー
処理ともにアッシングレートを上昇させるには、水素又
は酸素に少量の水蒸気を添加すればよい。この理由は、
少量の水蒸気の添加により、アッシング反応種である水
素原子又は酸素原子の生成効率が上がるためと考えられ
る。以上のように、2ステップアッシング処理と硝酸又
は燐酸による薬液処理との併用により、レジストマスク
及びアルミナ系の残渣を完全に除去することができる。
また、導電型不純物の酸化物の発生や、レジスト爆発を
防止してパーティクル発生量の低減を図ることができ
る。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。 (1)本発明の第1の実施例に係るレジストマスクの除
去方法の説明 本発明の第1の実施例に係るレジストマスクの除去方法
では、2ステップアッシング処理後に、少なくとも硝酸
及び燐酸による薬液処理を行っている。
【0018】(i)2ステップアッシング処理装置の説
明 図5は、本発明の実施例に係るレジストマスクの除去方
法に用いられる2ステップアッシング処理装置の構成に
ついて説明する図である。図中、符号11は2ステップ
アッシング処理装置で、カソードカップル型平行平板式
の水素プラズマ処理を行うRIEチャンバ(反応性イオ
ンエッチングチャンバ)12と、酸素プラズマ処理を行
うダウンフローチャンバ13とが連接されている。ま
た、RIEチャンバ12とダウンフローチャンバ13と
の接続部に設けられたアーム14により、処理されるウ
エハ15は、RIEチャンバ12及びダウンフローチャ
ンバ13の間を大気に触れることなく自在に搬送され
る。
【0019】RIEチャンバ12は次のような構成を有
する。即ち、ウエハ15を載置し、かつ載置されたウエ
ハ15を冷却する手段を内蔵し、対向電極のうちのカソ
ード電極を兼ねている冷却ステージ(載置台)16と、
冷却ステージ16に接続され、水素を含むガス(反応ガ
ス)をプラズマ化するための電力を供給するRF電源1
7と、冷却ステージ16上に反応ガスを供給し、対向電
極のうちのアノード電極を兼ねている平板状のガスシャ
ワー18とを具備する。
【0020】また、ダウンフローチャンバ13は次のよ
うな構成を有する。即ち、ウエハ(基体)15を載置
し、加熱ヒータを内蔵する加熱ステージ(載置台)19
と、シャワーヘッド20によりダウンフローチャンバ1
3と仕切られ、酸素を含むガス(反応ガス)が導入され
るプラズマ室21と、酸素を含むガスをプラズマ室21
内に導入するガス導入口22と、マイクロ波透過窓23
によりプラズマ室21との間を仕切られ、マイクロ波を
プラズマ室21に導く導波管24とを具備する。
【0021】上記の2ステップアッシング処理装置11
を用いて次のようにして処理が行われる。まず、RIE
チャンバ12内でのプラズマ処理について説明する。ウ
エハをRIEチャンバ12内に導入した後、水素を含む
ガスを導入する。水素を含むガスは対向電極16,18
間に印加されたRF電力によりプラズマ化され、ウエハ
15上に降り注ぐ。このとき、RIE(反応性イオンエ
ッンチング)方式を用いているので、高いエネルギを有
する水素イオンは、ウエハ15に垂直に衝突して変質層
を物理的に壊しながら、導電型不純物(P,B又はA
s)と反応する。そして、導電型不純物と水素の化合物
は、容易に揮発し、これによりレジストマスクの表層の
変質層が除去される。
【0022】なお、冷却ステージ16はウエハ15の冷
却手段を有するので、例えばウエハ15を5℃程度に冷
却することにより、水素と導電型不純物とが反応する迄
の間、レジスト爆発を防止することができる。次に、ダ
ウンフローチャンバ13内でのダウンフロー処理につい
て説明する。マイクロ波によりプラズマ室21で酸素を
含むガスをプラズマ化する。そして、このプラズマがシ
ャワーヘッド20を通過して下流のダウンフローチャン
バ13内に流れこむことにより、プラズマ中からイオン
が除去される。更に、その後に残るイオンを含まない活
性化ガスのみがウエハ15上に到達する。活性化ガスは
レジストマスクの非変質層と反応して、レジストマスク
の非変質層をエッチングし、除去する。
【0023】この酸素を含むガスによるダウンフロー処
理が用いられる理由は、アッシング中、ウエハ15への
イオン衝撃を少なくして、ウエハ15のダメージを最小
限度に止めるためである。なお、ダウンフロー処理のア
ッシングレートを上昇させるには、水素又は酸素に少量
の水蒸気を添加すればよい。この理由は、少量の水蒸気
の添加により、アッシング反応種である水素原子又は酸
素原子の生成効率が上がるためである。
【0024】(ii)レジストマスクの除去方法の説明 図1(a)〜(c),図2(a),(b)は、レジスト
マスクを用いて例えば半導体基板に選択的に導電型不純
物をイオン注入した後、そのレジストマスクを除去する
方法を示す断面図である。まず、半導体基板(基体;ウ
エハ)15、例えばシリコン基板上に塗布法によりレジ
スト膜を形成する。続いて、選択露光した後、現像液に
浸漬し、イオン注入すべき領域のレジスト膜を除去し
て、図1(a)に示すように、レジストマスク32を形
成する。
【0025】次に、図1(b)に示すように、このレジ
ストマスク32に基づいて半導体基板15に導電型不純
物、例えばボロン(B)を選択的にイオン注入する。こ
のとき、イオン注入装置のチャンバからアルミニウムが
スパッタされてレジストマスク32の側壁に付着し、更
に残留酸素と反応し、アルミナ膜33が生成する。ま
た、導電型不純物はレジストの樹脂成分と化学結合し
て、レジストマスク32の表層に非常に固い変質層32b
を形成する。なお、導電型不純物の届かない、レジスト
マスク32の内部のレジスト樹脂はそのままの状態で残
る。この層は非変質層32aと呼ばれる。
【0026】次いで、図5に示す2ステップアッシング
処理装置のRIEチャンバ12内にウエハ15を入れ、
冷却ステージ16に載置する。続いて、冷却手段により
ウエハ15を冷却し、5℃に保持する。次いで、RIE
チャンバ12内を減圧し、所内の圧力に達したら、流量
400sccmのH2 及び流量100sccmのH2 Oの混合ガ
スをRIEチャンバ12に導入し、圧力1Torrに保持す
る。
【0027】続いて、対向電極16,18間にRFパワ
ー500Wを印加する。これにより、H2 +H2O の混合
ガスはプラズマ化する。そして、高いエネルギを有する
水素イオンがウエハに垂直に衝突して変質層32bを物理
的に壊しつつ、化学反応により変質層32bを除去する。
図1(c)に示すように、変質層32bが除去された後、
内側の不変質層32aが現れる。なお、水素に少量の水蒸
気を添加しているため、アッシング反応種である水素原
子の生成効率が上がり、従って、アッシングレートはか
なり高い。
【0028】次に、変質層32bが除去された後に現れた
内側の非変質層32aを除去する。このため、アーム14
により、H2 +H2O の混合ガスを用いたプラズマ処理の
終了したウエハ15をダウンフローチャンバ13内に搬
送し、ウエハ15を加熱ステージ19に載置する。続い
て、加熱手段によりウエハ15を加熱し、温度200℃
に保持する。
【0029】次いで、ダウンフローチャンバ13内及び
プラズマ室21内を減圧し、所内の圧力に達したら、流
量1350sccmのO2 及び流量150sccmのH2 Oの混合ガ
スをプラズマ室21に導入し、圧力1Torrに保持する。
次に、導波管24に周波数2.45GHz のマイクロ波パワー
1.5 kWを印加する。これにより、図2(a)に示すよ
うに、非変質層32aが除去される。なお、まだアルミナ
系の残渣33aは除去されずに残っている。
【0030】次いで、アルミナ系の残渣33aを除去する
ため、ウエハ15を処理装置から取り出す。硝酸溶液を
用意し、80℃に加熱した後、ウエハ15を1分間程度
浸漬する。これにより、アルミナ系の残渣33aが除去さ
れて、レジストマスク32の除去が完了する。以上のよ
うに、本発明の第1の実施例のレジストマスクの除去方
法によれば、2ステップアッシング処理を行った後に、
硝酸による薬液処理を行っている。
【0031】従って、2ステップアッシング処理によ
り、導電型不純物の酸化物の生成やレジスト爆発を防止
しつつ、レジストマスク32の表層の変質層32b及び内
側の不変質層32aが除去される。更に硝酸による薬液処
理により、レジストマスク32の側壁表面に沿って生成
していたアルミナ系の残渣33aが除去される。これによ
り、レジストマスク32及びアルミナ系の残渣33aを完
全に除去することができるとともに、導電型不純物の酸
化物の発生や、レジスト爆発を防止してパーティクル発
生量の低減を図ることができる。 (2)本発明の第2の実施例に係るレジストマスクの除
去方法の説明 本発明の第2の実施例に係るレジストマスクの除去方法
では、2ステップアッシング処理前に、硝酸による薬液
処理を行っている。
【0032】図3(a)〜(c),図4(a),(b)
は、レジストマスクを用いて例えば半導体基板に選択的
にイオン注入した後、レジストマスクを除去する方法を
示す断面図である。まず、図3(a)に示すように、塗
布法により半導体基板(基体;ウエハ)15上にレジス
ト膜を形成する。続いて、選択露光した後、現像液に浸
漬し、イオン注入すべき領域のレジスト膜を除去してレ
ジストマスク32を形成する。
【0033】次に、このレジストマスク32に基づいて
半導体基板15に導電型不純物、例えばボロン(B)を
選択的にイオン注入する。このとき、イオン注入装置の
チャンバからアルミニウムがスパッタされてレジストマ
スク32の側壁に付着し、更に残留酸素と反応し、アル
ミナ膜33が生成する。また、導電型不純物はレジスト
の樹脂成分と化学結合して、レジストマスク32の表層
は非常に固い変質層32bとなる。なお、導電型不純物の
届かない、レジストマスク32の内部のレジスト樹脂は
非変質層32aとしてそのままの状態で残る。
【0034】次いで、アルミナ膜33を除去するため、
硝酸溶液を用意し、80℃に加熱した後、ウエハを1分
間程度浸漬する。これにより、レジストマスク32の側
壁の表面に付着したアルミナ膜33が除去される。次
に、2ステップアッシング処理装置により、第1の実施
例に説明した2ステップアッシング処理と同様な処理を
行う。H2 +H2O の混合ガスを用いたプラズマ処理によ
り、まず変質層32bが除去される。続いて、O2 +H2O
の混合ガスを用いたダウンフロー処理により、処理後に
現れた内側の非変質層32aが除去されて、レジストマス
ク32の除去が完了する。
【0035】以上のように、本発明の第2の実施例のレ
ジストマスクの除去方法によれば、硝酸による薬液処理
を行った後に、2ステップアッシング処理を行ってい
る。従って、硝酸による薬液処理により、レジストマス
ク32の側壁表面のアルミナ膜33が除去される。更に
2ステップアッシング処理により、導電型不純物の酸化
物の生成やレジスト爆発を防止しつつ、レジストマスク
32の表層の変質層32b及び内側の不変質層32aが除去
される。
【0036】これにより、レジストマスク32及びアル
ミナ膜33を完全に除去することができるとともに、導
電型不純物の酸化物の発生や、レジスト爆発を防止して
パーティクル発生量の低減を図ることができる。なお、
上記の第1及び第2の実施例では、アルミナ系の残渣33
aやアルミナ膜33を除去するため、80℃に加熱した
硝酸溶液を用いているが、燐酸溶液又は硝酸+燐酸の混
合溶液を用いてもよい。
【0037】また、導電型不純物がボロンの場合に本発
明を適用しているが、他の導電型不純物、例えばP,A
s等の場合にも本発明を適用することができる。更に、
基体として、半導体基板、例えばシリコン基板を用いて
いるが、他の材料からなる半導体基板のほか、ポリシリ
コン膜やポリサイド膜を用いてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレジスト
マスクの除去方法によれば、半導体基板等に選択的に導
電型不純物をイオン注入した後に残るレジストマスクを
除去するために、水素を含むガスによるプラズマ処理及
び酸素を含むガスによるダウンフロー処理からなる2ス
テップアッシング処理を行い、更にこの2ステップアッ
シング処理の前又は後に、アルミナを溶かす薬液、例え
ば少なくとも硝酸及び燐酸のいずれかに曝す処理を行っ
ている。
【0039】従って、2ステップアッシング処理によ
り、導電型不純物の酸化物の生成やレジスト爆発を防止
しつつ、レジストマスクの表層の変質層及び内側の不変
質層が除去される。更に硝酸又は燐酸による薬液処理に
より、レジストマスク表面のアルミナ系の残渣が除去さ
れる。これにより、レジストマスク及びアルミナ系の残
渣が完全に除去されるとともに、パーティクル発生量の
低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るレジストマスクの
除去方法について示す断面図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るレジストマスクの
除去方法について示す断面図(その2)である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るレジストマスクの
除去方法について示す断面図(その1)である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るレジストマスクの
除去方法について示す断面図(その2)である。
【図5】本発明の実施例に係るレジストマスクの除去方
法に用いられる2ステップアッシング装置の構成につい
て示す側面図である。
【図6】従来例に係るレジストマスクの除去方法につい
て示す断面図(その1)である。
【図7】従来例に係るレジストマスクの除去方法につい
て示す断面図(その2)である。
【図8】従来例に係るレジストマスクの除去方法の問題
点について示す断面図である。
【符号の説明】
11 2ステップアッシング装置、 12 RIEチャンバ、 13 ダウンフローチャンバ、 14 アーム、 15 ウエハ(半導体基板;基体)、 16 冷却ステージ(載置台;カソード電極)、 17 RF電源、 18 ガスシャワー(アノード電極)、 19 加熱ステージ(載置台)、 20 シャワーヘッド、 21 プラズマ室、 22 ガス導入口、 23 マイクロ波透過窓、 24 導波管、 32 レジストマスク、 32a 非変質層、 32b 変質層、 33 アルミナ膜、 33a アルミナ系の残渣、 34 イオン注入層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に導電型不純物を選択的にイオン注
    入した後に残るレジストマスクの除去方法であって、 少なくとも水素を含むガスを用いて前記基体のプラズマ
    処理を行う工程と、 少なくとも酸素を含むガスを用いて前記基体のダウンフ
    ロー処理を行う工程と、 少なくとも硝酸及び燐酸のいずれかを含む溶液に前記基
    体を曝す工程とを有することを特徴とするレジストマス
    クの除去方法。
  2. 【請求項2】 基体に導電型不純物を選択的にイオン注
    入した後に残るレジストマスクの除去方法であって、 少なくとも硝酸及び燐酸のいずれかを含む溶液に前記基
    体を曝す工程と、 少なくとも水素を含むガスを用いて前記基体のプラズマ
    処理を行う工程と、 少なくとも酸素を含むガスを用いて前記基体のダウンフ
    ロー処理を行う工程とを有することを特徴とするレジス
    トマスクの除去方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ処理は、高周波電源が接続
    されたカソード電極に基体を載置し、前記カソード電極
    と該カソード電極に対向するアノード電極との間に高周
    波電力を印加することによりプラズマ化された水素を含
    むガスに前記基体上のレジストマスクを曝して、該レジ
    ストマスクをエッチングする処理であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載のレジストマスクの除去方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ダウンフロー処理は、プラズマ化さ
    れた酸素を含むガスからイオンを除去した後に残る活性
    化ガスに前記基体上のレジストマスクを曝して、該レジ
    ストマスクをエッチングする処理であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載のレジストマスクの除去方
    法。
  5. 【請求項5】 前記水素を含むガスは、水素と水蒸気の
    混合ガスであることを特徴とする請求項1、請求項2又
    は請求項3記載のレジストマスクの除去方法。
  6. 【請求項6】 前記酸素を含むガスは、酸素と水蒸気の
    混合ガスであることを特徴とする請求項1、請求項2又
    は請求項4記載のレジストマスクの除去方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ処理されている間、前記基
    体は常温よりも低い温度に冷却されていることを特徴と
    する請求項1,請求項2,請求項3又は請求項5記載の
    レジストマスクの除去方法。
  8. 【請求項8】 前記ダウンフロー処理されている間、前
    記基体は常温よりも高い温度に加熱されていることを特
    徴とする請求項1,請求項2,請求項4又は請求項6記
    載のレジストマスクの除去方法。
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