JPH078599B2 - 光、香りと音の出るカード - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、カードを開くと光と香りを発し，さらに音
（例えばメロディー，人の声等）が出るようになってい
る、光、香りと音の出るカードに関する。

〔従来の技術〕

従来より、クリスマスカード，バレンタインカード，バ
ースデーカード，結婚記念カード，引出物カード等の挨
拶あるいは記念カード，商品カタログ，パンフレット又
は書籍，オルゴール，アルバム等においては、利用者に
印象や感銘を与える手段として、カード等から光や音を
発生させる工夫が種々なされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、これらの従来のカード類においては、光や音と
同時に香りも発するカードはなかった。そこで、カード
から光や音を発生されると同時に、カード表面から香り
を発生することにより、耳，目，鼻からの立体的な効果
を楽しめるカードの出現が望まれていた。

この発明はかかる事情によりなされたものであり、カー
ドが閉じられている時には通常のカードと同じであり、
カードを開いた時にそのカードに適した音を発生させた
り、光を発生させたりすると同時に、カード表面をこす
ることで香りを発することにより、立体的な視覚効果，
音響効果，嗅覚効果を楽しめるようにしたカードを提供
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この目的達成のため、本発明は、第１の手段としては、
表板と裏板から成るカードの裏板に、パルス発振器及び
リングカウンタを装着した発光装置と、この発光装置に
接続された発光素子と、前記発光装置に電力を供給する
電池と、この電池の電力供給をオンオフするスイッチ手
段とを一体的にかつ平板状に構成して埋設するととも
に、前記カードの一部もしくは全部に香料印刷を行い、
前記スイッチ手段は、一端が固定された弾性体で形成さ
れ、前記カードが閉じられている時に前記弾性体の他端
が電極と離れ、前記カードが開かれた時に前記弾性体の
他端が前記電極と接触するようにしたものである。第２
の手段としては、表板と裏板から成るカードの裏板に、
音発生回路と、この音発生回路に接続されたスピーカ
と、パルス発振器及びリングカウンタを装着した発光装
置と、この発光装置に接続された発光素子と、前記音発
生回路及び前記発光装置に電力を供給する電池と、この
電池の電力供給をオンオフするスイッチ手段とを一体的
にかつ平板状に構成して埋設するとともに、前記カード
の一部もしくは全部に香料印刷を行い、前記スイッチ手
段は、一端が固定された弾性体で形成され、前記カード
が閉じられている時に前記弾性体の他端が電極と離れ、
前記カードが開かれた時に前記弾性体の他端が前記電極
と接触するようにしたものである。

〔作用〕

上記手段を講じた結果、カードを開いて弾性体を電極に
接触させて、音発生回路及び発光装置に電力供給するこ
とで、第１の手段では光をそして第２の手段は光と音を
カードから発生させ、さらに香料を印刷した部分を指で
こすることで、香りもカードの表面から発生させること
が可能になる。

〔実施例〕

この発明は、パルス発振器及びリングカウンタを装着し
た発光装置と、これに接続された発光素子と、発光装置
及び後述する音発生回路に電力を供給する電池と、この
電池の電力供給をオンオフするスイッチ手段とを一体的
且つ平板状に構成し、スイッチ手段をカードの開閉に応
じてオンオフするようにすると共に、カードの一面に香
料印刷を行い、香りを出すようにしたものであり、さら
にこれにスピーカが接続された音発生回路を接続したも
のである。

第１図はこの発明の機能の一部である香りを発する機能
と音を発する機能のみを有するカードの一実施例の概略
構造を示すものであり、この図にしたがって香りと音を
発する機能について説明する。カード１は表板２を開い
て利用されるようになっており、このカードの目的（こ
の例では母の日のプレゼントカード）が絵柄や文字等で
表板２の裏面及び３つ折りにされた裏板３に表現されて
おり、表板２を開けると折曲された裏板３内に見えない
ように設けられている音発生装置10が作動して、このカ
ード（この例では母の日のプレゼントカード）に最も適
した音楽（たとえば“かたたたき”）のメロディーを発
生するようにしている。そして、裏板３には母の日に因
んだ赤いカーネーション31が描かれており、カーネーシ
ョン31の花模様32には香料印刷が施されている。ここ
に、香料印刷は香料の直径数10ミクロンのマイクロカプ
セルに封じ込めたものをインキ化し、スクリーン印刷し
たもので、従来の香料をそのままインキ中に練り込んだ
ものと異なり、必要なときに爪などでこするだけでカプ
セルが開き、香りがほのかに出るようになっている。香
料の花の香り，果物の香り，香水，石けん，洗剤，医薬
品，化粧品，一般食品，等に使用されており、あらゆる
ものに香料を付着することが可能であり、また、これに
伴う香料の製造技術の進歩は大きく、合成香料の開発に
より、現在では造れない「香り」はないとされている。
したがって、この例ではカーネーションの香りを香料印
刷することになる。また、カーネーションの香りとして
は、保香性のあるカプセルにしないで自然に香る香料印
刷、又はラミネートされた中間層より香りが出るように
なっている香りフィルム，漂香紙でも良く、この場合に
は常に香りが出ることになる。

ところで、音発生装置10は裏板３の折返しカバーで利用
者には直接目で見えないように埋設されており、この音
発生装置10に設けられているスイッチ手段としての板ば
ね11が表板２の開閉を検知するようになっている。表板
２が閉じられて裏板３と接触している場合、板ばね11が
第１図の右方に押されてカバー内に隠れ、これにより内
蔵されている電池（後述する）を回路系からオフする。
そして、利用者によって表板２が開けられた時、板ばね
11にその弾性作用によって左方に移動して第１図の状態
となり、板ばね11の移動可能な一端が電池に接触するこ
とにより電池から電力が供給されるようになり、これに
より音発生装置10を作動させて音を発生させるものであ
る。

第２図（Ａ），（Ｂ）は音発生装置の構造の一例を示す
ものであり、音発生装置10の各素子は矩形状の薄い基板
12の上に装着されており、薄い円板状のマイクロ電池13
は弾性作用を有する抑え板16で上部を押さえられ、着脱
可能に基板12に装着されており、IC素子で成る音発生回
路14は基板12の回路パターンに装着されている。また、
音を外部に出力するためのスピーカ15も薄型円形状に構
成されており、基板12の上部に装着されており、スイッ
チ手段としての板ばね11が導体の回転パターン17にその
一端を固定され、他端がマイクロ電池13の側面に接触す
るように、かつ移動可能に取付けられている。ここで、
音発生装置10の回路構成を示すと第３図のようになって
おり、外的な力によって板ばね11がマイクロ電池13と接
触することにより回路系がオン状態となり、電池13から
の電力供給によって音発生回路14及びスピーカ15が作動
し、所定時間だけ音楽等のメロディーが出力される。

このような構造において、カード１は通常表板２及び裏
板３が閉じられた状態で取引，販売されるので、音発生
装置10の板ばね11は裏板２の押圧作用によって第２図
（Ａ）の破線の状態となっている。したがって、第３図
に示すように板ばね11はオフとなっており、マイクロ電
池13からの電力は音発生回路14には供給されず、スピー
カ15からも音は発生しない。そして、カード１が販売さ
れて利用者がカードを利用する段階になると、利用者は
表板２を開けることになるので、音発生装置10の板ばね
11がその弾性作用によって第２図（Ａ）の実線のように
変形し、板ばね11の一端がマイクロ電池13の側面に接触
することにより回路系が導通する。つまり、第３図の回
路構成で板ばね11がオンするので、マイクロ電池13から
の電力が音発生回路14に供給され、音発生回路14から所
定時間だけ出力される音声信号がスピーカ15を介して外
部に出力される。これにより、カード１の利用者はその
カードを開くと同時に音を聞くことができ、カードから
より一層の効果を楽しむことが可能となる。そして、カ
ードの開閉から所定時間が経過すると音発生回路14は音
声信号の出力を停止するので、スピーカ15からは音声が
出力されなくなる。さらに、カード１の表板２を閉じる
と板ばね11が表板２の押圧作用によって第２図（Ａ）の
破線のように変形するので、板ばね11の一端とマイクロ
電池13の側面との接触が遮られることにより、音発生回
路14は動作が停止される。

一方、カード１の利用者は裏板３に描かれているカーネ
ーション31を爪等でこすることにより、カーネーション
の香りを嗅ぐことができる。これにより、利用者は耳と
鼻からカードを利用することができ、視覚に加えより広
汎な利用を図ることができる。

第４図（Ａ），（Ｂ）は音発生装置の他の構造例を示す
ものであり、音発生装置10は矩形状の薄い２枚の塩ビ、
フッ素樹脂等の合成樹脂を重ねて構成されており、図の
上方部には薄い円板状のスピーカ15が挟持されている。
また、スピーカ15の下方にはＴ字状の押動部材11Aを収
納するための長形状の切欠11Bと、薄い円板状のマイク
ロ電池13を収納するための楕円状の切欠13Aとを有する
基板22が設けられており、基板22にはIC素子の音発生素
子14、支柱23に巻回されると共に一端を固定されたくの
字状の板ばね24、支柱18に巻回されると共に一端を固定
されたくの字状の板ばね19が取付けられている。そし
て、板ばね24及び19は導電材で成っており、板ばね24の
可動部分には導電材で成るスイッチング手段を形成する
留金20が植設されており、板ばね19の可動部分は装着さ
れたマイクロ電池13の側面に接触するようになってい
る。また、板ばね24の可動部分は押動部材11Aの先端に
当接するようになっており、押動部材11Aが押動されて
いない場合には、図示の如く板ばね24の弾性作用によっ
て留金20と板ばね24とが接触し、押動部材11AがＱ方向
に押動された場合には、押動部材11Aの先端が板ばね24
の可動部分を押動することにより、留金20と板ばね24と
が離れる。なお、押動部材11Aは切欠11Bの両側に設けら
れているガイド部材21A,21Bの間に沿って慴動するよう
になっている。

一方、マイクロ電池13は第５図（Ａ），（Ｂ）に示すよ
うな電池収容器40で切欠13A内に収納されるようになっ
ており、半円形状の電池収納部41の台坐42に電池13を載
置して収納する。そして、電池収納器40の一端部には手
で持つための取手46が設けられており、収納部41の外側
両サイドには切欠13Aの保持部13Bと係合して、収納器40
を切欠13A内に装着して保持するための保持部材43が設
けられている。また、板ばね19の可動部分はその弾性作
用により外方に押されており、収容器40に収納したマイ
クロ電池13を切欠13A内に収納した場合（第４図
（Ａ））、マイクロ電池13の側面が板ばね19の可動部分
を押圧して導通する。さらに、収容器40を収容する切欠
13Aの下面には第６図（Ａ），（Ｂ）に示すようなＥ字
状の導電材で成る押え板44が配設されており、その中央
部に設けられている突起45を主として電気的導通を得る
ようにしている。すなわち、収容器40に収納された電池
13は、側面に接触する板ばね19と底面の押え板44とで回
路系に電力を供給する。ここで、音発生装置10の回路構
成を示すと第７図のようになっており、押動部材11Aに
対する外的な力が除去されることで板ばね24が留金20と
接触することにより回路系がオン状態となり、電池13か
らの電力供給によって音発生回路14が作動し、所定時間
だけ音楽等のメロディーが出力される。

このような構造において、通常押動部材11Aは表板２の
押圧作用によってＱ方向に押され、留金20と板ばね24と
は離れる。したがって、第７図に示すように板ばね24と
留金20とで成るスイッチはオフとなっており、マイクロ
電池13からの電力は音発生回路14には供給されず、スピ
ーカ15からも音は発生しない。そして、利用者がカード
を開けると、音発生装置10の押動部材11Aが板ばね24の
弾性作用によってＰ方向に押し出され、板ばね24の可動
部分が留金20に当たって止まることにより回路系が導通
する。つまり、第７図の回路構成でスイッチがオンする
ので、マイクロ電池13からの電力が音発生回路14に供給
され、音発生回路14から所定時間だけ出力される音声信
号がスピーカ15を介して外部に出力される。

次に本発明の一実施例を第８図及び第９図に示して説明
すると、たとえば裏板３の表面に母の日に因んだ母像を
描くと共に、目やネックレスにフォトダイオード等の発
光素子52、53を埋め込んでいる。そして、第２図又は第
４図で説明したようなスイッチング手段で発光装置50の
作動をオンオフするようになっており、発光装置50は所
定周波数（たとえば5Hz）で発振するパルス発振器55
と、パルス発振器55の出力パルスを計算して分周するリ
ングカウンタ56と、リングカウンタの出力をパワー増幅
して発光素子52、53を発光する増幅器57とで構成されて
いる。また、発光装置50にはマイクロ電池54から電力が
供給されるようになっており、その電力供給はスイッチ
51でオンオフされ、マイクロ電池54及び発光装置50は前
述した音発生装置10と同様に一体的にかつ平板状に構成
され、３つ折りされた裏板３に目に見えないように埋設
されている。発光装置50に接続された発光素子52は画像
の２つの目の部分に配線され、発光素子53は画像のネッ
クレスの部分に配線されている。

このような構成において、表板２が閉じられている時、
スイッチ51がオフされていることにより発光装置50に電
力が供給されず、発光素子52、53も点灯しない、そし
て、表板２が開けられるとスイッチ51がオンすることに
よりマイクロ電池54から発光装置50に電力が供給され、
パルス発振器55が所定周波数で発振する。発振パルスは
リングカウンタ56に入力されて分周され、増幅器57を介
して発光素子52、53は順番に１つずつ発光される。した
がって、全体的には発光素子52、53が点滅して見え、カ
ード利用者に母の像の目やネックレスを強調して見せる
ことができる。なお、パルス発振器55の発振周波数は調
整することにより、発光素子52、53の点滅速度を任意に
変えることができ、パルス発振器55及びリングカウンタ
56を用いないで、発光素子52、53を連続点灯するように
することも可能である。

また、発光装置50に上述したような音発生装置10を組込
むことも可能であり、この場合には表板２を開けると音
が出ると共に、描画された絵の一部が点滅することにな
る。

なお、上述の実施例では母の日のプレゼントカードを例
に挙げて説明したが、他のカード、たとえば誕生カー
ド、クリスマスカード等についても全く同様に適用する
ことができる。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明のカードによれば、利用者がカー
ドを開くと、光，音が出て、閉じると止まるようにして
あるので、電池の消耗が少なく、この電池に対する開閉
が板ばねの変形もしくは押動部材によるものであるか
ら、円滑にして確実な動作を行い得、この種の薄物カー
ドのスイッチとしては適切なものである。また、全体と
して薄型のカードであるから梱包して運搬する場合にも
便利である。さらに、この発明では香料を印刷した部分
で指でこすることで、カードの表面から香りも発生する
ことになり、視覚，聴覚，及び嗅覚に対する一層立体的
な効果を発揮するものであり、カードのより広汎な利用
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の機能の一部を有するカードの例を示
す図、第２図（Ａ）は音発生装置の一例の概略構成を示
す平面図、同図（Ｂ）はその側面図、第３図は音発生装
置の回路構成を示すブロック図、第４図（Ａ）は音発生
装置の他の例の概略構成を示す平面図、同図（Ｂ）はそ
の側面図、第５図（Ａ）は電池収容器の一例を示す平面
図、同図（Ｂ）はそのX-X断面図、第６図（Ａ）は押え
板の平面図、同図（Ｂ）はその側面図、第７図は音発生
装置の他の例を示すブロック図、第８図はこの発明の実
施例を示す図、第９図はその内部回路例を示すブロック
図である。 １……カード、２……表板、３……裏板、10……音発生
装置、11……板ばね、12……基板、13……マイクロ電
池、14……音発生回路、15……スピーカ、52,53……発
光素子。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−3624（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−93568（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−103869（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−6569（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−103871（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−147936（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭50−13131（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭57−31099（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表板と裏板により構成されるカードであっ
   て、前記裏板には、パルス発振器及びリングカウンタを
   装着した発光装置と、この発光装置に接続された発光素
   子と、前記発光装置に電力を供給する電池と、この電池
   の電力供給をオンオフするスイッチ手段とを一体的にか
   つ平板状に構成して埋設するとともに、前記カードの一
   部もしくは全部に香料印刷を行い、前記スイッチ手段
   は、一端が固定された弾性体で形成され、前記カードが
   閉じられている時に前記弾性体の他端が電極と離れ、前
   記カードが開かれた時に前記弾性体の他端が前記電極と
   接触するように構成したことを特徴とする光と香りの出
   るカード。
2. 【請求項２】表板と裏板により構成されるカードであっ
   て、前記裏板には、音発生回路と、この音発生回路に接
   続されたスピーカと、パルス発振器及びリングカウンタ
   を装着した発光装置と、この発光装置に接続された発光
   素子と、前記音発生回路及び前記発光装置に電力を供給
   する電池と、この電池の電力供給をオンオフするスイッ
   チ手段とを一体的にかつ平板状に構成して埋設するとと
   もに、前記カードの一部もしくは全部に香料印刷を行
   い、前記スイッチ手段は、一端が固定された弾性体で形
   成され、前記カードが閉じられている時に前記弾性体の
   他端が電極と離れ、前記カードが開かれた時に前記弾性
   体の他端が前記電極と接触するように構成したことを特
   徴とする光、香りと音の出るカード。