JPH078496Y2 - ラギング体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、搬送管あるいはプーリー等を保護する為のラ
ギング体構造に関する。

（ロ）従来の技術 従来、例えば、土砂・鉱石用のホッパー、送泥管あるい
は粉体空気輸送管等の搬送管は、内部を通過する土砂等
の被搬送物によって、その内面を摩耗する為に、同管の
内面に多数のラギング材を貼り付け、同ラギング材によ
ってその内面を被搬送物の衝撃より保護されている。

かかるラギング材は、硬質素材を略タイル状に形成され
ており、ラギング材を搬送管に取付けるには、搬送管の
内面に樹脂層等を塗布し、同樹脂層にラギング材を埋設
しているものである。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところが、上記のラギング材は、以下の欠点を有してい
る。

かかるラギング材は、略タイル状のものを単に樹脂層
等に埋設している為に、搬送管の内部を通過する被搬送
物から受ける衝撃等によって、容易に剥れて脱落し、搬
送管の内面の摩耗を防止することができない欠点を有し
ていた。

また、搬送管の内面に塗布した樹脂層に略タイル状の
ラギング材を１枚づつ埋設しており、しかも、多数のラ
ギング材によって搬送管の内周面を被覆している為に、
かかる作業は非常に煩雑なものであった。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案では、セラミック素材にて形成したチエン片を連
結ピンを介し多数連結して、屈曲自在な一体のチエン状
のラギング材を構成し、同ラギング材を、円筒体の内周
面に沿って螺旋状に貼設したことを特徴とするラギング
体構造を提供せんとするものである。

（ホ）作用・効果 本考案では、以下の作用効果を奏する。

例えば、円筒体とした搬送管の内周面に螺旋状に取付
けたラギング材は、被搬送物の衝撃によって、同ラギン
グ材が搬送管の内周面より剥れても、多数のチェン片を
それぞれ一体に連結している為に、チェン片の脱落を防
止し、同ラギング材により搬送管が摩耗しないようにを
確実に保護することができる。

また、かかるラギング材は、チェン片をそれぞれ屈曲
自在に連結している為に、搬送管の内周面に沿って螺旋
状に取付けることにより、搬送管への取付作業を容易に
かつ迅速に行うことができる。

（ヘ）実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第１図
は、ラギング体の使用状態を示す断面図を示し、（Ａ）
は送泥管あるいは粉体空気輸送管等の円筒体とした搬送
管であり、同搬送管（Ａ）の内周面（Ａ−１）に、本考
案のラギング体（１）を構成している。

かかるラギング体（１）は、屈曲自在なチェン状のラギ
ング材（２）を搬送管（Ａ）の内周面（Ａ−１）に螺旋
状態に貼設して、搬送管（Ａ）の摩耗を防止すべく構成
している。

以下、かかるラギング材（２）を詳説すれば次のとおり
である。

すなわち、第３図〜第５図に示すように、チェン状のラ
ギング材（２）は、多数のチェン片（３）を連結して構
成している。

かかるチェン片（３）は、第３図において、セラミック
素材にて平面視略Ｚ字状に形成し、同チェン片（３）の
前後に突出部（４）（５）を、また、同突出部（４）
（５）の側方に凹部（６）（７）をそれぞれ形成してい
る。

そして、各チェン片（３）は、その突出部（４）（５）
を各凹部（６）（７）に位置し、各突出部（４）（５）
の内側面同志を連結すると共に、各突出部（４）（５）
の側面に設けた孔（８）に連結ピン（９）を介して連結
し、チェン状のラギング材（２）を構成している。

また、かかるチェン片（３）は、突出部（４）（５）の
先端（４−１）（５−１）を湾曲凸状に形成すると共
に、同突出部（４）（５）が位置する凹部（６）（７）
の前後側面（６−１）（７−１）を湾曲凹状に形成して
いる。

かかる構造により、第４図に示すように、各チェン片
（３）は、凹部（６）（７）に突出部（４）（５）の先
端（４−１）（５−１）を位置すると共に、各突出部
（４）（５）を連結ピン（９）によって連結し、同連結
ピン（９）を中心にして回転することにより、ラギング
材（２）を屈曲自在に構成している。

しかも、チェン片（３）は、湾曲凸状とした突出部
（４）（５）が、凹部（６）（７）の湾曲凹状とした前
後側面（６−１）（７−１）に沿って回転作動を行い、
円滑に屈曲すべく構成している。

以上のように構成されたラギング材（２）は、第１図、
第２図及び第６図に示すように、ラギング材（２）を円
周方向に向けて螺旋状に取付け、同内周面（Ａ−１）に
合成樹脂等の接着剤（10）等を介して、各チェン片
（３）の上面を貼り付けて、ラギング体（１）を構成し
ている。

かかる構造により、搬送管（Ａ）に構成したラギング体
（１）は、被搬送物の衝撃にてチェン片（３）が内周面
（Ａ−１）より剥れても、各チェン片（３）の前後を連
結ピン（９）によって一体に連結して、チェン片（３）
の脱落を防止かることができる。

さらに、ラギング材（２）は、第２図に示すように、各
チェン片（３）同志を密接状に配設することにより、搬
送管（Ａ）の内周面（Ａ−１）全面を被覆し、搬送管
（Ａ）の内周面（Ａ−１）を保護することができる。

次いで、かかるラギング材（２）の取付作業は、まず、
ラギング材（２）の一端を搬送管（Ａ）の内周面（Ａ−
１）基端部に連結し、同内周面（Ａ−１）に合成樹脂等
の接着剤（10）を介して、同ラギング材（２）を同内周
面（Ａ−１）の先端部へ螺旋状に取付け、同搬送管
（Ａ）の内周面（Ａ−１）にラギング体（１）を構成す
るものである。

しかも、チェン状のラギング材（２）は、屈曲自在であ
る為に、内周面（Ａ−１）の全面に螺旋状に取付けるこ
とができ、その取付作業を容易にかつ迅速に行うべく構
成している。

本考案の実施例は、以上のように構成されているもので
あり、セラミック素材のチェン片（３）によって構成さ
れたラギング材（２）を搬送管（Ａ）の内周面（Ａ−
１）に取付けて同内周面（Ａ−１）にラギング体（１）
を構成し、同ラギング体（１）により被搬送物からの衝
撃を回避し、同搬送管（Ａ）の内周面（Ａ−１）を摩耗
より防止し、搬送管（Ａ）の耐用年数を向上させること
ができる。

また、かかるラギング材（２）は、被搬送物の衝撃にて
チェン片（３）が内周面（Ａ−１）より剥れても、各チ
ェン片（３）の前後を連結ピン（９）によって一体に連
結している為に、チェン片（３）の脱落を防止し、確実
に搬送管（Ａ）を保護することができる。

なお、チェン片（３）はセラミック素材にて形成されて
おり、同素材は、アルミナ、窒化硅素等の微粒子を高
温、高圧にて焼成したものであり、緻密かつ高硬度であ
り、高度の低摩耗性を有する素材である。

また、本考案のラギング材（２）の他の実施例として、
チェン片（３）の前後部にそれぞれ凸凹嵌合部を形成
し、同凸凹嵌合部にピンを介してチェン片（３）を連結
し、屈曲自在に構成することも可能としている。

本実施例では、ラギング材（２）を搬送管（Ａ）の内周
面（Ａ−１）に取付けたものであるが他の実施例とし
て、ラギング材（２）をプーリー等の外周面に取付ける
こともでき、その使用は何ら限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のラギング体の使用状態を示す断面図、
第２図は要部の拡大断面図、第３図〜第５図はラギング
材を示す説明図、第６図はラギング体の取付状態を示す
模式図である。 （Ａ）：搬送管 （Ａ−１）：内周面 （１）：ラギング体 （２）：ラギング材 （３）：チェン片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】セラミック素材にて形成したチエン片
   （３）を連結ピン（９）を介し多数連結して、屈曲自在
   な一体のチエン状のラギング材（２）を構成し、同ラギ
   ング材（２）を、円筒体（Ａ）の内周面（Ａ−１）に沿
   って螺旋状に貼設したことを特徴とするラギング体構
   造。