JPH0784495B2 - 安定化されたポリエチレンの製造方法 - Google Patents

安定化されたポリエチレンの製造方法

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JPH0784495B2
JPH0784495B2 JP61006025A JP602586A JPH0784495B2 JP H0784495 B2 JPH0784495 B2 JP H0784495B2 JP 61006025 A JP61006025 A JP 61006025A JP 602586 A JP602586 A JP 602586A JP H0784495 B2 JPH0784495 B2 JP H0784495B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術の分野] 本発明は、ポリエチレンの製造方法に関する。更に詳し
くは、本発明は、高活性触媒を用いてエチレンを重合さ
せて得られたポリエチレンを安定化処理する該製造方法
に関する。
以下、本発明においてエチレンの重合または重合体と
は、エチレンの単独重合または単独重合体の他に、エチ
レンと共重合し得る他のα−オレフィンとの共重合また
は共重合体を含めるものとし、エチレンの単独重合体お
よびエチレン単位の含有量が50重量%以上の共重合体を
ポリエチレンと総称することにする。
[従来の技術] 近年、チーグラー型担持触媒を用いてポリエチレンを製
造する技術が普及しているが、これは主に、触媒の利用
効率を高め、触媒除去工程を省略し、製造プロセスの簡
略化を可能にしたことに基づいている。
チーグラー型担持触媒に用いる担体としては、すでに無
水塩化マグネシウムまたはその変成物、グリニヤール試
薬などの有機マグネシウムハロゲン化物、マグネシウム
エトキシドのごとき有機マグネシウム化合物、あるい
は、アルミナ、シリカアルミナなどのマグネシウム以外
の化合物が使用されていることは公知である。
それに対し、本発明者らは、それらの担体とは本質的に
異なる、塩化アルミニウムなどの3価金属ハロゲン化物
と水酸化マグネシウムなどの2価金属化合物の化学反応
により生成した複雑な組成の化合物を担体として使用す
ることにより、触媒効率を高め、触媒除去工程の省略を
可能ならしめる方法を開発してきた。
たとえば、特開昭57−42705号(以下先の発明と言う)
では、ポリシロキサンの存在下に、上述の担体に(A
群)ハロゲンを含有した第4a族または第5a族の遷移金属
化合物および(B群)ハロゲンを含有しない遷移金属化
合物のそれぞれの群より少なくとも1種選ばれた少なく
とも2種の遷移金属化合物を同時に反応させて調製した
固体生成物を用いることを特徴としている。
先の発明の方法によれば、重合体収率が高いことにより
重合後、脱灰操作をせずに、単に濾別、乾燥するのみで
白色のポリエチレンが得られ、加工機で成形加工した際
にも機材の腐食は見られず、従来の方法よりも優れたも
のであった。
しかしながら、先の発明の方法で得られたポリエチレン
は、長期間、高温下での使用に際して、引張強度や伸び
が低下するという劣化傾向を示す問題を有していた。
[発明の目的] 本発明者らは、先の発明の改良について種々研究を重ね
た結果、先の発明で提案された触媒を使用し、ポリエチ
レンを得る方法において重合後の処理を工夫すること
で、ポリエチレンの安定性が著しく向上することを見出
し、本発明に至った。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、先の
発明の問題点が解決されたポリエチレンの製造法を提供
することである。他の目的は、該方法により製造された
ポリエチレンを提供することである。
[発明の構成・効果] 本発明は3価のAlのハロゲン化物とMgの水酸化物又は酸
化物とを反応させて得られる固体生成物(I)を、ポリ
シロキサンの存在下において、(A群)一般式TiX4(X
はハロゲン)で表わされる化合物(以下ハロゲン含有Ti
化合物という)および(B群)一般式Ti(OR)(Rは
アルキル基)で表わせる化合物(以下ハロゲン非含有Ti
化合物という)のそれぞれの群より少なくとも1種選ば
れた少なくとも2種の遷移金属化合物と反応させること
により得られる最終の固体生成物(II)と有機アルミニ
ウム化合物とを組み合せて得られる触媒を用いてエチレ
ンを重合させてポリエチレンを製造する方法において、
不活性溶剤の存在下に連続的に懸濁重合をおこない、得
られたポリエチレンを含むスラリーの一部を連続的にと
り出し重合系外で気体状部分、溶剤部分および少量の溶
剤を含むポリエチレン部分に分離し、該ポリエチレン部
分の乾燥を2段階で行い、その第1段乾燥工程で加熱蒸
発させた溶剤を回収し何ら処理することなく、直接、重
合系に循環させ再使用すること、およびその第2段乾燥
工程でアルコールを添加することを特徴とするポリエチ
レンの製造方法である。
本発明に使用する3価のAlのハロゲン化物としては、三
塩化アルミニウム(無水)が示される。
Mgの化合物としては、たとえばMg(OH)2,のような水酸
化物の外にMgOのような酸化物、MgAl2O4,Mg2SiO4,Mg6Mn
O8のようなMgを含む複酸化物、MgCO3のような炭酸化
物、MgCl2・6H2O,KMgCl3・6H2Oのようなハロゲン化物水
和物、3MgO・MgCl2・4H2Oのような酸化物とハロゲン化
物を含む複塩の水和物、3MgO・2SiO2・2H2OのようなMg
の酸化物を含む複塩の水和物、3MgCO3・Mg(OH)・3H
2Oのような炭酸化物と水酸化物の複塩の水和物、およ
び、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2OのようなMgを含む水酸化
炭酸化物の水和物などがあげられる。
固体生成物(I)は、3価のAlのハロゲン化物とMg化合
物とを反応させて得られる。この反応をさせるために
は、あらかじめポールミルでは5〜100時間、振動ミル
では1〜10時間混合、粉砕を行い、十分に混合した後、
加熱反応させることが好ましいが、混合、粉砕しながら
加熱反応させることも可能である。3価のAlのハロゲン
化物とMg化合物の混合割合は、3価のAlに対するMgの原
子比によって示すと、通常0.05〜20で十分であり好まし
くは0.1〜10の範囲である。反応温度は通常20〜500℃、
好ましくは50〜300℃である。
反応時間は、30分〜50時間が適し、反応温度が低い場合
は長時間反応させ、未反応の3価のAlのハロゲン化物が
残らないように反応を行わせ、得られた固体生成物を固
体生成物(I)とする。
ポリシロキサンとしては、一般式 で表される鎖状または環状のシロキサン重合物であり、
各Rはケイ素に結合しうる同種または異種の残基を表わ
すが、中でも、水素、アルキル基、アリール基などの炭
化水素残基、ハロゲン、アルコキシ基またはアリールオ
キシ基、脂肪酸残基などの1種から成るもの、またはこ
れらの2種以上が種々の比率で分子内で結合しているも
のなどが用いられる。
ポリシロキサンとして通常用いられるものとして、オク
タメチルトリシロキサンCH3〔Si(CH32O〕2Si(CH3
、ジフェニルオクタメチルテトラシロキサン(CH33
SiO〔Si(CH3)(C6H5)O〕2Si(CH3などの鎖状低
級重合物、オクタエチルシクロテトラシロキサン〔Si
(C2H52O〕、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン
〔Si(C6H52O〕などの環状重合物、ジメチルポリシ
ロキサン〔Si(CH32O〕、メチルエチルポリシロキ
サン〔Si(CH3)(C2H5)O〕、メチルフェニルポリ
シロキサン〔Si(CH3)(C6H5)O〕などの鎖状重合
物、メチル水素ポリシロキサン〔Si(CH3)O〕、フ
ェニル水素ポリシロキサン〔SiH(C6H5)O〕などの
鎖状アルキル水素シロキサン重合物、鎖状アリール水素
シロキサン重合物などの他に、クロルメチルポリシロキ
サン〔SiCl(CH3)O〕、メチルエトキシポリシロキ
サン〔Si(CH3)(C2H5O)O〕、クロルメトキシポリ
シロキサン〔SiCl(CH3O)O〕、メチルアセトキシポ
リシロキサン〔Si(CH3)(CH3CO2)O〕などの鎖状
ポリシロキサンがあげられる。用いるポリシロキサンは
液状であることが望ましく、粘度(25℃)は10〜10,000
センチストークスが適し、好ましくは10〜1,000センチ
ストークスである。
(A群)のハロゲン含有遷移金属化合物としては、チタ
ン、バナジウムのハライド、オキシハライド、アルコキ
シハライド、アセトキシハライドなどの化合物であり、
たとえば、四塩化チタン、四臭化チタン、トリクロルモ
ノイソプロポキシチタン、ジクロルジイソプロポキシチ
タン、モノクロルトリイソプロポキシチタン、トリクロ
ルモノブトキシチタン、ジクロルジブトキシチタン、ト
リクルモノエトキシチタン、四塩化バナジウム、オキシ
三塩化バナジウムなどがあげられるが、四塩化チタンが
最も好ましい。
(B群)のハロゲン非含有遷移金属化合物としては、チ
タン、バナジウムのアルコキシド、たとえば、オルトチ
タン酸テトラエチル(テトラエトキシチタン)、オルト
チタン酸テトライソプロピル(テトライソプロポキシチ
タン)、オルトチタン酸テトラn−ブチル(テトラn−
ブトキシチタン)などのオルトチタン酸テトラアルキル
(テトラアルコキシチタン)、バナジルトリエチラー
ト、バナジルトリイソプロピラート、バナジルトリn−
ブチラートなどのバナジルトリアルコラートなど、他に
ポリチタン酸エステルを用いることができる。
このものは一般式RO〔Ti(OR)−O〕mRで表すことが
でき、mは2以上の整数、好ましくは2〜10、Rはアル
キル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、すべ
てのRが同一種類の基である必要はなく、混在してもよ
い。Rの炭素数は1〜10が好ましいが、特に制限される
ものではない。
具体的には、ポリチタン酸メチル、ポリチタン酸エチ
ル、ポリチタン酸イソプロピル、ポリチタン酸n−ブチ
ル、ポリチタン酸n−ヘキシルなどである。一般式中で
アルコキシ基の一部が水酸基であってもよい。
固体生成物(II)は、固体生成物(I)、ポリシロキサ
ン、(A群)遷移金属化合物および(B群)遷移金属化
合物の混合によって得られるが、その混合の態様は、窒
素雰囲気下において、いかなる順序でもよいが、ポリシ
ロキサンと遷移金属化合物の混合物に固体生成物(I)
を添加するのが好ましい。混合は−50℃〜+30℃が適当
であるが、好ましくは−20℃〜+20℃である。その際、
溶媒の有無に制限はない。
固体生成物(I)、ポリシロキサン、(A群)および
(B群)遷移金属化合物の混合割合は、固体生成物
(I)100gに対し、ポリシロキサンは10〜10,000g,好ま
しくは20〜1,000g、遷移金属化合物の総重量((A群)
と(B群)の和)は10〜10,000g、好ましくは30〜1,000
gであって、かつ、ポリシロキサン100gに対して遷移金
属化合物の総重量は、10〜1,000g,好ましくは30〜500g
である。
(A群)(B群)各遷移金属化合物の使用量(一つの群
より2種以上使用する場合はその合計量)の割合は、
(A群)の(B群)に対する重量比にして0.5〜30、好
ましくは1〜20である。
混合後は撹拌しながら40℃〜300℃、好ましくは50℃〜2
00℃で10分〜50時間、好ましくは10分〜30時間反応させ
る。
固体生成物(I)、ポリシロキサン、および遷移金属化
合物の混合、およびそれらの反応にあたって、溶媒を用
いることは必ずしも必要ではないが、均一に反応させる
ことが好ましいので、あらかじめ任意のまたはすべての
上記成分を溶媒に溶解または分散させておいて混合して
良い。溶媒の使用量の合計は、上記各成分合計量の約10
倍(重量)以下で十分である。
用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水
素、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベ
ンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、四塩化炭素、
クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレン、
テトラクロルエチレン、四臭化炭素などのハロゲン化炭
化水素などがあげられる。
上記反応終了後は、常法にしたがい濾別し、脂肪族炭化
水素または芳香族炭化水素等の溶媒を使い、常温、好ま
しくは60℃以上にて、未反応遷移金属化合物およびポリ
シロキサンが検出されなくなるまで洗浄を繰返し、乾燥
して、固体生成物(II)を得る。
本発明の製造方法に用いる触媒は、上記固体生成物(I
I)と有機アルミニウム化合物とを組合せて得られる。
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド、エチルアルミニウムセスキクロリドな
ど、他に、モノエトキシジエチルアルミニウム、ジエト
キシモノエチルアルミニウムなどのアルコキシアルキル
アルミニウムがある。
かくして得られた触媒は、ポリエチレンの製造に用いら
れる。エチレンの共重合用α−オレフィンとしては、プ
ロピレン、ブテン−1、ヘキサン1などの直鎖状モノオ
レフィン、4−メチル−ペンテン−1などの分岐状モノ
オレフィン、ブタジエンなどのジオレフィンなどがあげ
られる。
重合反応は通常ヘキサン、ヘプタンなどの不活性炭化水
素溶剤中で連続的に実施される。重合温度は5〜95℃、
重合圧力は3kg/cm2〜20kg/cm2で実施される。
重合時には、重合系に水素の適量を添加し、分子量の調
節を行うことができる。
重合器内のスラリー濃度(ポリエチレン部分/全スラリ
ー)は50重量%以下、好ましくは5〜50重量%に維持す
る。5重量%未満では、製造能力が著しく低下し、50重
量%を超えると運転管理が困難となり、品質の変動が生
じ易い。
重合器からスラリーの一部は連続的にとり出され、落圧
することで未反応のエチレンと水素が分離される。エチ
レンと水素を分離されたスラリーは固液分離装置、好ま
しくは遠心分離機にかけられ、溶剤部分および少量の溶
剤を含むポリエチレン部分に分離される。
本発明において、該少量の溶剤を含むポリエチレン部分
は、次の2段階の乾燥工程を経て、安定化されたポリエ
チレンとなる。第1段の乾燥工程は、好ましくは気流乾
燥装置によって乾燥される。気流中の溶剤蒸気は、冷却
凝縮され、回収される。回収された溶剤は、何ら処理さ
れることなく、直接、重合系に循環させ、再使用され
る。一方、微量の溶剤を含む殆ど乾燥したポリエチレン
部分は、第2段の乾燥工程、好ましくは流動乾燥装置に
送られる。流動乾燥装置は、80〜130℃に維持され、入
口において、アルコール、好ましくはメタノールおよび
又はエタノールが蒸気で添加される。
添加する量はポリエチレン中に含まれる固体生成物(I
I)の1〜200重量倍が好ましい。1倍未満では、安定化
の効果が不十分であり、200倍を越えると、ポリエチレ
ン中にアルコールが残留するおそれがあるので好ましく
ない。
第2段の乾燥工程を経て、安定化された乾燥ポリエチレ
ン粉末は公知の造粒工程に送られペレット化され製品と
なる。
本発明の効果は、きわめて安定性の高いポリエチレンが
得られることである。安定性は110℃の空気雰囲下のオ
ーブン中に14日間放置した後の引張り強度と伸び(JIS
K6760−1977による)で示されるが、本発明の方法に
よるポリエチレンは引張強度において全く低下していな
い。又、伸びも150%以上を保持しており、十分使用環
境に耐えるものである(実施例1,2)。
これに比べて、第2段乾燥工程でメタノールを供給しな
い方法(比較例1)や、固体生成物(II)に使用した成
分を欠く最終固体生成物を触媒として使用する方法(比
較例2)によるポリエチレンは引張強度及び伸びが著し
く低下している。この様に本発明の必須成分を欠いた方
法によると得られたポリエチレンの安定性はきわめて低
いが、本発明の方法によると安定性は著しく向上する。
本発明の他の効果は、溶剤回収コストが低減できること
である。第1乾燥工程で、回収された使用済溶剤は、何
ら精製処理する必要がなく、重合系に直接循環し、再使
用しても、重合に悪影響を与えないのである。
[実施例] 実施例:比較例において用いられている用語の意義は次
の通りである。
MI:メルトインデックス ASTM D−1238(190℃,荷重
2.16kg,g/10分単位) 引張強度:JIS K6760−1977による(単位 kgf/cm2) 伸び:JIS K6760−1977による(単位 %) 実施例1 (1)固体生成物(I)の製造 水酸化マグネシウム5.0kgと三塩化アルミニウム(無
水)12kgをあらかじめ容量60の振動ミル中で2時間室
温で混合粉砕したのち内容物を容量30の焼成反応器に
移し、150℃で5時間反応させた。その後冷却した反応
物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物(I)15
kgを得た。
(2)固体生成物(II)の製造 容量100の撹拌機付反応器に、撹拌下にトルエン20
、鎖状ジメチルポリシロキサン(粘度100センチスト
ークス)10kg、四塩化チタン9.0kgおよびオルトチタン
酸テトラブチル4.0kgを加えて室温で混合し、ついで固
体生成物(I)10kgを加えた後80℃に昇温し3時間反応
させた。反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過し、
濾過残の固体生成物をヘキサン80を用いて洗浄液中に
未反応チタン化合物および未反応ポリシロキサンが検出
されなくなるまで洗浄と濾過をくり返した。
洗浄後の固体生成物はついで減圧乾燥して固体生成物
(II)を得た。固体生成物(II)1g中のチタン原子の含
有量は55mgであった。
以上の(1)および(2)の操作はすべて水分を含まな
い窒素ガス雰囲気下でおこなった。以下の実施例、比較
例においても同様である。
(3)ポリエチレンの製造 連続重合装置を用いて、エチレンの単独重合を行なっ
た。内容積100の重合器に、固体生成物(II)を0.16g
/hr,トリエチルアルミニウムを0.80g/hr,n−ヘキサンを
18kg/hr(うち2.5kg/hrは後述の第1段乾燥工程から回
収したn−ヘキサンである)で供給した。又、エチレン
を10kg/hr、水素を最終的に得られるポリエチレンのMI
が5〜6となる様、供給しつつ重合温度80℃、全圧14kg
/cm2で96時間連続重合を行なった。重合スラリーは、フ
ラッシュドラムに連続的に抜きだし、未反応エチレンと
水素を分離した。
フラッシュドラムからのポリエチレンスラリーは遠心分
離機にかけられn−ヘキサン部分と少量のn−ヘキサン
を含むポリエチレン部分に分離された。分離されたポリ
エチレン部分は、第1段乾燥工程に送られ、約100℃の
加熱窒素ガスに接触され、気流乾燥された後、第2段乾
燥工程である流動乾燥器に送られた。一方、第1段乾燥
工程で加熱蒸発したn−ヘキサンは、スクラバーにより
冷却凝縮し、回収され、重合器に2.5kg/hrで循環され
た。
流動乾燥器には、入口において、約100℃の加熱窒素ガ
スと共に、メタノール蒸気10g/hrが添加され安定化処理
が行われた。
以上の様にして、M15.3の乾燥ポリエチレン粉末が9.8kg
/hrで連続的に得られた。
つぎに上述のポリエチレン粉末50kgに2.6−ジ−第3級
−ブチル−パラークレゾール25g及びカルシウムステア
レート100gを混合し公知方式に従ってペレットとした。
(4)安定化度確認試験 (3)で得られたポリエチレンペレットからJIS K6760
−1977に従って試験片を作成した。作成した試験片につ
いて、引張強度と伸びを測定したところそれぞれ318kgf
/cm2、360%であった。
つぎに同じ様に作成した試験片を110℃に保たれた空気
雰囲気下のオーブン中に14日間放置した。放置された試
験片について引張強度と伸びを測定したところそれぞれ
334kgf/cm2、200%であった。
比較例1 実施例1の(3)において、メタノールをフィードしな
いこと以外は同様にしてポリエチレンペレットを得た。
得られたポリエチレンペレットについて実施例1の
(4)と同様に試験片を作成し、オーブン中に放置し
た。放置された試験片について引張強度と伸びを測定し
たところそれぞれ167kgf/cm2、21%であった。
比較例2 実施例1“(2)固体生成物(II)の製造”においてオ
ルトチタン酸テトラブチルを用いない以外は同様にして
固体生成物(II)に相当する最終固体生成物を得た。固
体生成物(II)に代えてこの最終固体生成物を用いる以
外は、実施例1と同様にポリエチレンの製造を行なった
ところ、重合活性が低い為に、重合圧力14kg/cm2を維持
する為には、最終固体生成物を0.40g/hrで供給しなけれ
ばならなかった。得られたポリエチレンについて実施例
1の(4)と同様にして安定化確認試験を行ったところ
引張強度151kgf/cm2,伸びは13%であった。
実施例2 (1)固体生成物(I)の製造 酸化マグネシウム5.0kgと三塩化アルミニウム(無水)1
1kgをあらかじめ容量60の振動ミル中で3時間室温で
混合粉砕したのち、内容物を容量60の焼成応器に移
し、200℃で2時間反応させた。その後、冷却した反応
物を再度振動ミルに移して微粉砕し固体生成物(I)14
kgを得た。
(2)固体生成物(II)の製造 容量100の撹拌機付反応器に、撹拌下にトルエン20
、鎖状メチル水素ポリシロキサン(粘度50センチスト
ークス)5kg、四塩化チタン9.0kgおよびオルトチタン酸
テトラエチル3.0kgを加えて室温で混合し、同時に固体
生成物(I)10kgを加えた後110℃に昇温し2時間反応
させた。反応終了後、反応混合物を濾過装置で濾過し、
濾過残の固体生成物をヘキサン80を用いて洗浄液中に
未反応チタン化合物および未反応ポリシロキサンが検出
されなくなるまで洗浄と濾過をくり返した。洗浄後の固
体生成物はついで減圧乾燥して固体生成物(II)を得
た。固体生成物(II)1g中のチタン原子の含有量は50mg
であった。
(3)上記(2)で得た固体生成物(II)を0.18g/hrで
供給すること、及びエチレンの供給量を9.7kg/hrとし、
別途プロピレンを0.3kg/hr供給すること以外は実施例1
と同様に実施し、ポリエチレンペレットを得た。
(4)実施例1の(4)と同様にして試験を実施した。
作成した試験片の引張強度は307kgf/cm2、伸びは400%
であった。又、オーブン中に放置した試験片の引張強度
は310kgf/cm2、伸びは230%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る触媒の調整工程を説明するため
のフローチャートである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3価のAlのハロゲン化物とMgの水酸化物又
    は酸化物とを反応させて得られる固体生成物(I)を、
    ポリシロキサンの存在下において、(A群)一般式TiX4
    (Xはハロゲン)で表わされる化合物(以下ハロゲン含
    有Ti化合物という)および(B群)一般式Ti(OR)
    (Rはアルキル基)で表わせる化合物(以下ハロゲン
    非含有Ti化合物という)のそれぞれの群より少なくとも
    1種選ばれた少なくとも2種の遷移金属化合物と反応さ
    せることにより得られる最終の固体生成物(II)と有機
    アルミニウム化合物とを組み合せて得られる触媒を用い
    てエチレンを重合させてポリエチレンを製造する方法に
    おいて、不活性溶剤の存在下に連続的に懸濁重合をおこ
    ない、得られたポリエチレンを含むスラリーの一部を連
    続的にとり出し重合系外で気体状部分、溶剤部分および
    少量の溶剤を含むポリエチレン部分に分離し、該ポリエ
    チレン部分の乾燥を2段階で行い、その第1段乾燥工程
    で加熱蒸発させた溶剤を回収し何ら処理することなく、
    直接、重合系に循環させ再使用すること、およびその第
    2段乾燥工程でアルコールを添加することを特徴とする
    ポリエチレンの製造方法である。
  2. 【請求項2】重合反応器内のスラリー中のポリエチレン
    濃度を50重量%以下5重量%以上に保持することを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】不活性溶剤がヘキサンおよび又はヘプタン
    である特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】懸濁重合が3〜20kg/cm2の圧力、および50
    〜95℃の温度のもとに行なわれる特許請求の範囲第
    (1)項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】アルコールがメタノールおよび又はエタノ
    ールである特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】添加されるアルコール量が固体生成物(I
    I)の1〜200重量倍である特許請求の範囲第(1)項に
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】第2段乾燥工程の加熱温度が80〜130℃で
    ある特許請求の範囲第(1)項に記載の製造方法。
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