JPH07826A - ハロゲン、貴金属及び少なくとも一つの追加金属を包む複合触媒、及び炭素原子数2〜12の炭化水素の芳香族化にその触媒を使用する方法 - Google Patents

ハロゲン、貴金属及び少なくとも一つの追加金属を包む複合触媒、及び炭素原子数2〜12の炭化水素の芳香族化にその触媒を使用する方法

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JPH07826A
JPH07826A JP6026619A JP2661994A JPH07826A JP H07826 A JPH07826 A JP H07826A JP 6026619 A JP6026619 A JP 6026619A JP 2661994 A JP2661994 A JP 2661994A JP H07826 A JPH07826 A JP H07826A
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ベナジ エリック
Jean-Marie Deves
マリー デーヴ ジャン
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 −MFI構造のゼオライトであって、骨組み
中に珪素と、アルミニウムおよび/またはガリウムとを
包み、その微結晶の外側表面が、その合成の後にヘキサ
フルオロ珪酸アンモニウムによる処理で改質されたMF
I構造のゼオライトと、−マトリックスと、−白金族貴
金属と、−錫、ゲルマニウム、インジウム、鉛、ガリウ
ム、タリウム、銅、金、銀、ニッケル、ルテニウム、
鉄、クロム、モリブデン、およびタングステンからなる
群から選ばれる追加金属と、−ハロゲンと、−場合によ
っては、ガリウムおよび/または亜鉛と、−場合によっ
ては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群
から選ばれる元素とを含む、芳香族化用複合触媒。 【効果】 本発明の芳香族化用複合触媒は、2〜12個
の炭素原子を有する炭化水素の芳香族化反応における触
媒として、非常に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、次の事項に関するもの
である。 1.触媒、即ち以下のものを包む複合触媒: −MFI構造のゼオライトであって、その骨組みの中
に、珪素と、アルミニウムおよびガリウムからなる群か
ら選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、かつ、その
微結晶の外側表面が、その合成の後で改質されたゼオラ
イト、以下これをN/MFIと称する、 −マトリックス、 −マトリックスおよび/またはN/MFI(好ましくは
マトリックスに)に担持された少なくとも一つのプラチ
ナ族の貴金属、 −錫、ゲルマニウム、インジウム、鉛、ガリウム、タリ
ウム;銅、金、銀のようなIb族の金属;ニッケル、ル
テニウム、鉄のようなVIII族の金属; および、クロ
ム、モリブデン、タングステンのようなVI族の金属から
なる群から選ばれ、マトリックスおよび/またはN/M
FI(好ましくはマトリックス)に担持された少なくと
も一つの追加金属、 −N/MFIおよび/またはマトリックス(好ましくは
マトリックス)に担持された、弗素、塩素、臭素および
沃素からなる群から選ばれる少なくとも一つのハロゲ
ン、好ましくは塩素、 −場合によっては、N/MFIおよび/またはマトリッ
クス(好ましくはN/MFI)に担持された、ガリウム
および亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一つの添
加元素、および −場合によっては、N/MFIおよび/またはマトリッ
クスに担持された、アルカリ金属およびアルカリ土類か
らなる群から選ばれる少なくとも一つの元素、好ましく
は、リチウムまたはカリウム。
【0002】2.前記触媒の調製と、1分子当り2〜1
2個の炭素原子を有する炭化水素の芳香族化反応におい
て、前記触媒を使用する方法。
【0003】
【従来技術および解決すべき課題】ガリウム、または亜
鉛、または白金の担持されたゼオライトをベースとする
触媒は、プロパンおよびブタンの芳香族化において活性
であり、かつ選択的であることは知られている。一般的
に知られた形式としては、1分子当り6個以上の炭素原
子を有する炭化水素は、白金、例えば錫またはレニウム
を加えることの出来る金属を包むアルミン酸タイプの触
媒を利用することによって、接触改質により、芳香族に
転換される。これらの改質触媒は、しかしながら、1分
子当り6個より少ない炭素原子を含む炭化水素の芳香族
化に対しては、ほとんど性能を発揮しない。従って、C
2 −C12タイプ、特にC3 −C10タイプの炭化水素の芳
香族化のために、性能を発揮する触媒を発見することは
大いに実利がある。
【0004】ゼオライトの存在下で、1分子当り9個よ
り少ない炭素原子を含む炭化水素の芳香族化反応は、既
に、諸発明と公告の対象となっている。特許請求されて
いる、例えばガリウムまたは亜鉛の担持されたゼオライ
トMFIをベースとする触媒系は、全て、重大なる欠
点、即ち、メタンの高い選択性という害を豪る。
【0005】最近(本出願人によるフランス特許出願9
0/06015および91/10624)、一方ではゼ
オライトMFIと、および他方では、白金族の貴金属、
および錫、鉛またはインジウムのような少なくとも一つ
の追加金属が担持された、一般的に非結晶質の支持体ま
たはマトリックスとを含む複合触媒の利用が、2〜4個
および5〜9個の炭素原子を有するパラフィンの芳香族
化反応において、従来の技法に比べ、著しく改善された
触媒性能をもたらすことが発見された。
【0006】かかる触媒の利用によって望ましくない生
成物、メタンの形成をもたらす反応を特に抑制すること
ができる。
【0007】更により最近、本出願人(フランス特許出
願91/14205および91/14207)によっ
て、場合によってはガリウムおよび/または亜鉛が酸化
物の形で担持されたゼオライトMFIと、白金族の少く
とも一つの貴金属、およびI、III 、IV、VI、VIII族の
少なくとも一つの追加金属が担持されたマトリックスで
あって、前記マトリックスも、場合によっては少なくと
も一つのハロゲン、および場合によっては少なくとも一
つのアルカリ金属またはアルカリ土類を含む複合触媒の
利用が、1分子当り2〜4個または5〜12個の炭素原
子を有するパラフィンの芳香族化反応において、従来の
技法に比べて著しく改善された触媒性能をもたらすこと
が発見された。
【0008】
【課題を解決するための手段】本出願人によって行われ
た研究は、驚くべきことに、 −ゼオライトMFIであって、その微結晶の外側表面
が、その合成の後に、少なくとも一つの処理により改質
され、N/MFIと呼ばれ、場合によっては、ガリウム
および/または亜鉛が酸化物形態で担持され、かつ、場
合によっては少なくとも一つのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属を含むもの、および、 −マトリックスであって、そのマトリックス上に、パラ
ジウム、白金、ニッケル、イリジウムまたはロジウムの
ような白金族の貴金属の少なくとも一つと、錫、ゲルマ
ニウム、鉛、インジウム、ガリウム、タリウム;銅、
金、銀のようなIb族の金属;ニッケル、ルテニウム、
鉄のようなVIII族の金属;クロム、モリブデン、タング
ステンのようなVI族の金属空なる群から選ばれる少なく
とも一つの追加金属とが担持され、前記マトリックス
は、同時に、少なくとも一つのハロゲン(好ましくは塩
素)、および場合によっては少なくとも一つのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属、好ましくは、リチウムま
たはカリウムを含むもの、を含む複合触媒の利用が、1
分子当り2〜12個の炭素原子を有する化合物を含む炭
化水素仕込原料の芳香族化反応において、従来の技法に
比べて改善された触媒性能をもたらすことを発見するに
至った。
【0009】本発明の触媒の中に包まれるゼオライトN
/MFIは、ゼオライトMFIから得られるが、従来技
法の中で記述されている全ての技術で調製することがで
きる。そのように、かかるゼオライトの合成は、有機試
剤および/またはアルコールの存在下または不存在下
で、一般的に知られたOH−媒質中で行うことができ
る。論文“高シリカ・ゼオライトの合成−P・ヤコブお
よびJ・マルテンス、表面科学と触媒の研究(Studies i
n Surface Science ang Catalysis)Vol.33,19
87”では、ゼオライトMFIの一般的に知られた合成
法が記述されている。本発明の触媒の中に含められるゼ
オライトN/MFIは、ゼオライトMFIから得られる
が、同様に、有機化合物の存在下(特許EP−A−17
2068およびUSP5,085,763)、または不
存在下(フランス特許出願90/16529)で、弗化
物媒質のように、一般には余り知られていない媒質の中
で、合成することが出来る。本発明において利用される
ゼオライトは、その骨組みの中に、珪素と、アルミニウ
ムおよびガリウムからなる群から選ばれる少なくとも一
つの元素とを含む。
【0010】本発明においてゼオライトMFIが、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属のうちから選ばれる少
なくとも一つの元素を含む場合(以下A/MFIと記
す)には、そのゼオライトへの担持は、例えば、次の通
り行うことができる。
【0011】ゼオライトMFIは、 −ゼオライトが、その合成の後、場合によっては含有す
る有機化合物、および/またはアルカリ金属またはアル
カリ土類金属カチオンを、実際上完全に除去することに
より、水素形態−H−MFIと記す−に転換される。在
来の技法の中で記述されている全ての技術を、水素形態
への過程のために、例えば、カ燃に続くか、または続く
ことなしでのイオン交換または様々な化学処理を利用す
ることが出来る。一つまたは複数のアルカリ金属または
アルカリ土類金属は、引続いて、A/MFIを得るため
に、在来の技法として一般的に知られた全ての技術によ
る塩類の水溶液または有機溶液を介して導入される。
【0012】−有機化合物のあらゆる完全な除去によ
り、一つまたは複数の付加されるべきアルカリ金属−こ
のアルカリ金属はゼオライト合成の媒質によって投入さ
れるが−を含む形に直接的に転換される。付加されるべ
きアルカリ金属またはアルカリ土類金属の含有率は、場
合によって、A/MFIを得るために、在来の技法とし
て一般的に知られた全ての技術によるこれらのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩類の水溶液または有機溶
液から始めて、容易に増大させることができる。
【0013】この方法は、本発明の範囲を制限しない。
少なくとも一つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の導入は、本発明による触媒の調製のいかなる時にで
も、特に成形の後で行うことが出来る。
【0014】ゼオライトMFI上に担持される付加され
るべきアルカリ金属またはアルカリ土類金属の含有率は
0.001〜6重量%、好ましくは0.005〜3重量
%である。
【0015】ゼオライトMFIまたはA/MFIは、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる群から選ば
れる少なくとも一つの元素を含む場合、以下に記述され
るように、特にその酸性度を変えるための目的で、少な
くとも一つの処理を受ける。
【0016】ゼオライトMFIまたはA/MFIは、乾
燥ゼオライト100g当り、0.0006モル〜0.0
06モル、好ましくは乾燥ゼオライト100g当り、
0.002〜0.006モルの少なくとも一つのカチオ
ンのフルオロ珪酸塩、好ましくは、ヘキサフルオロ珪酸
アンモニウムの稀薄溶液による少なくとも一つの処理に
付される。この様にして、処理されたゼオライトについ
ては、原子数で5%以下の総脱アルミニウムの割合が得
られる。換言すれば、その処理は骨組みの中に存在する
アルミニウム原子の多くとも5%を取除くことにある。
【0017】カチオンのフルオロ珪酸塩による処理は、
全体のSi/Alの原子比が、通常5〜1000の間、
好ましくは10〜500の間にあるゼオライトMFIに
対して実施される。かかるゼオライトMFIは、好まし
くはNH4 の形、若しくは、その合成に必要な有機構
造化物を未だ部分的に含んでいる。又、それはHまた
はNaの形でも見出すことが出来る。ゼオライトMF
Iの試料のNH4 形への転換は、有機構造物の不存在
下での弗化物媒質中で合成されたMFIのナトリウム形
から、硝酸アンモニウムの濃厚溶液(10N)を用い
て、数回のイオン交換を行うことによるか、又有機構造
化物を含むMFIを550℃の空気で、カ焼する形で行
われる。カ焼は、引続いて、硝酸アンモニウムの濃厚液
(10N)を用いて、数回のイオン交換が施される。乾
燥したMFIの重量に対するナトリウムの重量含有率
は、一般的には2000ppm以下、好ましくは100
0ppm以下、更に好ましくは200ppm以下であ
る。
【0018】脱アルミニウム剤および珪素供給剤として
用いられたフルオロ珪酸塩は、ゼオライトの微結晶の外
側の表面から取除かれたアルミニウム原子の代りに珪素
の原子を再挿入することを可能とし、次の化学式を有す
る塩基の一つであり得る:M2/XSiF6 、ここで、
Mは原子価Xを有する金属または非金属のカチオンであ
る。従って、カチオンはMは、NH4 、アルキルアン
モニウム、K、Na、Li、Ba2+、M
2+、Cd2+、Cu、Cu2+、Ca2+、Cs
、Fe2+、Co2+、Pb2+、Mn2+、R
、Ag、Sr2+、Zn2+、TiまたはH
であり得る。好ましくはヘキサフルオロ珪酸アンモニウ
が用いられる。何故ならこれは、容易に除去することの
出来る水の中に溶けるアンモニウム塩(NH4 3 Al
6 の形成をもたらすからである。一般的に、ヘキサフ
ルオロ珪酸アンモニウによるゼオライトの処理温度は、
20〜100℃、好ましくは50〜100℃の間にあ
る。用いられたヘキサフルオロ珪酸アンモニウムの量
は、450℃、4時間、乾燥空気流下で乾燥されたゼオ
ライトに対して計算して、一般に乾燥ゼオライト100
g当り、0.006モルより低い。ゼオライトの処理
は、反応されるべき媒質のpHを4〜8の間、好ましく
は5.5〜7の間(ゼオライトが直接酸の腐食による骨
組みの破壊を受けないpH価)に緩衝することを可能に
する酢酸アンモニウムの存在下で行なわれる。
【0019】カチオンのフルオロ珪酸塩、好ましくは、
ヘキサフルオロ珪酸アンモニウムの溶液と、例えば酢酸
アンモニウム溶液中でのゼオライトの懸濁液との接触段
階をへて、反応されるべき混合液は、強い攪拌下で所望
の温度で、一般的には30分〜48時間、好ましくは一
般的に1〜2時間の間にある期間放置される。ゼオライ
トは、引続いて、反応温度で濾過され、又、熱湯で少な
くとも一回は、十分に洗浄される。
【0020】上記に述べた一連の処理は、カチオンのフ
ルオロ珪酸塩、好ましくはヘキサフルオロ珪酸アンモニ
ウムの溶液によるゼオライトMFIの処理は、濾過と熱
湯での少なくとも一回の十分な洗浄を受けて、ゼオライ
トに結晶の外側表面の脱アルミニウムの所望の割合を授
け、より選択性のある触媒とするために必要なだけ繰返
し行うことができる。
【0021】これら一連の処理の後、改質されたゼオラ
イトは、結晶格子の中に存在するカチオン、例えばアン
モニウムを分解し、又そのようにして、改質されたゼオ
ライト−以下N/MFIと称する−の酸形態(H)を
得るために所定の熱処理を受ける。
【0022】次の系、すなわちSi−Al、Si−Al
−Ga、Si−Ga系の一つで合成されたMFIタイプ
の全てのゼオライトは、本発明に適合する。しかしなが
ら、Si/Tの比は、一般的には5に等しいかまたはそ
れ以上、好ましくは10以上、更に好ましくは13〜5
00の間にある。ここで、TはAlおよび/またはGa
を表わす。
【0023】上記に述べた技術は、本発明を、その範囲
を限定することなく、註釈するものである。
【0024】本発明において使用され、かつ先に述べた
技術により改質されたゼオライトMFIを定義する一般
的な呼称であるゼオライトN/MFIは、場合により、
ガリウムおよび/または亜鉛、好ましくはガリウムの担
持に付すことも、又、触媒の他の構成成分と、ガリウム
および/または亜鉛、好ましくはガリウムであって、場
合によっては混合後に混合物中に導入出来るものとを混
合することも出来る。
【0025】ガリウムおよび/または亜鉛の担持は、同
時に、前もってその酸性度の改質を介在させることがで
きる。
【0026】数多くのガリウムおよび/または亜鉛の担
持技術を、本発明において使うことが出来る。その技術
として、塩類の水溶液の利用によるイオン交換、または
前記塩溶液による含浸をあげることが出来る。
【0027】複合触媒上に場合により担持したこれらの
二つの金属の集積した含有率は、0.01〜10重量
%、好ましくは0.03〜4重量%の間にある。
【0028】マトリックスは、少なくとも一つの耐火酸
化物、および特に、マグネシウム、アルミニウム、チタ
ン、ジルコニウム、トリウム、珪素および硼素からなる
群から選ばれる金属の少なくとも一つの酸化物を包含す
る。更に、マトリックスは、炭素を包含することもでき
る。
【0029】望ましいマトリックスはアルミナであり、
その比表面積は、有利には10〜600m2 /g、好ま
しくは150〜400m2 /gの間に置くことが出来
る。
【0030】本出願人は、驚くべきことに、ゼオライト
の骨組み中に、珪素と、アルミニウムおよびガリウムか
らなる群から選定された少なくとも一つの元素とを有
し、上記のように合成後の、少なくとも一つの処理によ
って改質されている、“N/MFI”と称せられもので
あり、場合によっては、酸化物形のガリウムおよび/ま
たは亜鉛、好ましくはガリウムが添加(ドープ)された
ゼオライトMFIと;場合によって、少なくとも一つの
アルカリ金属またはアルカリ土類金属と;マトリックス
であって、例えばパラジウム、白金、ニッケル、イリジ
ウム、またはロジウムのような白金族の少なくとも一つ
の貴金属と、錫、ゲルマニウム、鉛、インジウム、ガリ
ウム、タリウム;銅、金、銀のようなIb族金属;ニッ
ケル、ルテニウム、鉄のようなVIII族金属;およびクロ
ム、モリブデン、タングステンのようなVI族金属からな
る群から選ばれる少なくとも一つの追加金属とが担持さ
れ、同時に、少なくとも一つのハロゲン(好ましくは塩
素)を含有するマトリックスとを含み、かつ前記ゼオラ
イトが場合によっては、少なくとも一つのアルカリ金属
またはアルカリ土類金属を含有している複合触媒の利用
が、1分子当り2〜12個の炭素原子を含むパラフィン
の芳香族化反応において、在来の技法の触媒と比べて改
善された触媒性能をもたらすことを発見した。
【0031】本発明の複合触媒は、2通りの方式により
調製出来る。その原則は以下に述べる通りであり、実際
の施法は当業者に知られている。
【0032】第一の方式:ゼオライトMFI、若しくは
ゼオライトA/MFI、若しくはゼオライトN/MFI
が、マトリックスと混合される。この混合は、双方の粉
末の間でも、予め成型された双方の固形物の間でも、粉
末と予め成型された固形物の間でも実施することが出来
る。同時に、在来の技法の中で述べられた全ての技術に
より、2つの固形物を同時に成型することも出来る、す
なわち型取り、押出し、包込み、ドロップ凝固、噴霧に
よる乾燥である。この成型作業の際、もし必要であれ
ば、シリカおよびアルミナからなる群から選ばれる成型
添加剤を加えることが出来る。このようにして、ゼオラ
イトをマトリックスと混合し、成型を行う。
【0033】混合と成型の後で、金属の担持、ハロゲン
の導入、および場合によってはガリウムおよび/または
亜鉛、好ましくはガリウムの担持を、マトリックスとゼ
オライトで構成される全体に対して行う。担持の順序は
余り重要でない。若しゼオライトMFIがはじめにマト
リックスと混合されていたなら、先に紹介した結晶の外
側表面の改質技術による改質が必要である。若しゼオラ
イトが最初に、少なくとも一つのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属を含まないなら、この導入は調製のどの
時点でも行うことができる。若しマトリックスが最初
に、少なくとも一つのアルカリ金属またはアルカリ土類
金属を含まないなら、この導入は同様に調製のどの時点
でも行うことが出来る。
【0034】第二の方式:一方では、マトリックス上
に、ハロゲン、諸金属、および場合によっては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の少なくとも一つの元素
を、予め担持する(マトリックス上への異なる元素の導
入順序は重要ではない)。
【0035】他方では、場合によっては、ゼオライトN
/MFI上に、ガリウムおよび/または亜鉛、好ましく
はガリウム、および場合により、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属元素を担持する。または、先に紹介した
結晶の外側表面の改質技術により、前もってN/MFI
に達しているゼオライトMFI上に、ガリウムおよび/
または亜鉛、好ましくはガリウムを担持する。
【0036】続いて、場合によりガリウムおよび/また
は亜鉛、好ましくはガリウム、および場合により、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属元素を含有するゼオラ
イトを、諸金属、ハロゲン、および場合により、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の元素を含有するマトリ
ックスと混合し、その成型を行う。成型は、先に述べた
(第一の方式)と同じ条件で得られる。
【0037】変形法として、場合により、ガリウムおよ
び/または亜鉛、好ましくはガリウム、および場合によ
り、アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素が担持さ
れたゼオライトは、マトリックスへのハロゲンの導入お
よび諸金属の担持の段階の何れかで、マトリックスに混
合することが出来る。
【0038】望ましい調製方法は: −場合により、ガリウムおよび/または亜鉛、好ましく
はガリウム、およびアルカリ金属またはアルカリ土類金
属元素を、ゼオライトN/MFIに担持すること、 −マトリックス上に、諸金属を担持し、ハロゲンを導入
し、および場合によりアルカリ金属またはアルカリ土類
金属元素を導入すること、 −それから、引続き、ガリウムおよび/または亜鉛、好
ましくはガリウムがチャージされ、および場合によりア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属元素がチャージされ
たゼオライトを、諸金属、ハロゲン、および場合により
アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素がチャージさ
れたマトリックスの中に、双方の粉末の成型として導入
する。
【0039】成型は、好ましくは湿式粉砕の技術を用い
て行うことが出来るミクロン単位の粉砕の後で行われ
る。
【0040】複合触媒は、1〜99%(触媒全体の質量
に対する重量)のゼオライトN/MFIを含有し、10
0%への補足分は、マトリックス、諸金属およびハロゲ
ンで構成される。ゼオライトおよびマトリックスのそれ
ぞれの割合は、広い範囲で変化する。なぜなら、この割
合は、一方では、TがAlおよび/またはGaである、
ゼオライトのSi/Tの比により、他方では、望ましい
調製方法において、マトリックスの諸金属およびハロゲ
ンの含有率にかかっているからである。
【0041】諸金属およびハロゲンを含有するマトリッ
クスは、望ましい調製方法の場合には、一般に次のよう
に、フランス特許出願91/10624の中で述べられ
ている手順に従って調製される。この手順は、2つの調
製方法の中で述べられたように、マトリックスに関して
のみでも、およびマトリックス/ゼオライトの混合に関
しても使用可能である。
【0042】諸金属の含浸のためには、導入しようとす
る諸金属の普通の溶液か、白金族の貴金属および追加金
属、又場合により、アルカリ金属とアルカリ土類金属か
らなる群から選ばれる元素の特有の溶液が使用される。
いくつかの溶液が使用される時、乾燥および/または中
間的なカ焼の手順が踏まれる。慣習的には、例えば、5
00〜1000℃の間で、好ましくは、分子状酸素の存
在下で、例えば空気の掃気でのカ焼により、調製を終了
する。
【0043】白金族の貴金属は、マトリックス中に、塩
または貴金属化合物を含む、水溶液または水ではない溶
液の助けによって、前記マトリックスの含浸により、導
入することが出来る。白金は一般的には、マトリックス
中にクロロ白金酸の形で導入されている。しかしなが
ら、全ての貴金属に関しては、アンモニア化合物、すな
わち例えば、クロロ白金アンモニウム、ジクロロ白金ジ
カルボニル、ヘキサハイドロキシル白金酸、塩化パラジ
ウム、硝酸パラジムのような化合物を、同様に用いるこ
とが出来る。
【0044】錫、ゲルマニウム、鉛、インジウム、ガリ
ウム、タリウム;銅、金、銀のようなIb族金属;ニッケ
ル、ルテニウム、鉄のようなVIII族金属;およびクロ
ム、モリブデン、タングステンのようなVI族金属からな
る群から選ばれる追加金属Mは、例えば、錫の塩化物、
錫の臭化物および硝酸錫、鉛のハロゲン化物、硝酸鉛、
酢酸鉛および炭酸鉛、ゲルマニウムの塩化物および蓚酸
ゲルマニウム、硝酸インジウム硝化物およびインジウム
の塩化物のような化合物を介して導入することが出来
る。
【0045】ハロゲン、好ましくは塩素は、白金族金属
のハロゲン化物の少なくとも一つ、または、追加金属が
ハロゲン化合物から導入される場合には、このハロゲン
化合物の少なくとも一つを介して、導入することが出来
る。補足的な方法は、ハロゲン酸またはハロゲンの塩を
含む水溶液によるマトリックスの含浸に在る。例えば、
塩素は塩酸溶液を使用することによって担持することが
出来る。他の方法は、通常400〜900℃の間の温度
で、例えば、CCl4 、CH2 Cl2 、CH3Clのよ
うなハロゲンを含む有機化合物の存在下でのカ焼に在
る。
【0046】アルカリ金属およびアルカリ土類金属から
なる群から選ばれる元素は、好ましくはリチウムまたは
カリウムは、例えば、前記元素のハロゲン化物、硝酸
塩、炭酸塩、シアン化物および蓚酸塩のような化合物を
介して導入される。
【0047】これから詳述する調製プロセスは、因み
に、次の工程を含む: a) 弗素、塩素、臭素および沃素からなる群から選ば
れる少なくとも一つの元素のマトリックスへの導入、 a') アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群
から選ばれる少なくとも一つの元素のマトリックスへの
場合によっての導入、 b) 工程a)またはa')で得られた生成物のカ焼、 c) 少なくともの一つの白金族貴金属のマトリックス
への導入、 d) 工程c)で得られた生成物のカ焼、 e) 以下Mと称する、少なくとも一つの追加金属を、
工程d)で得られた生成物に導入すること。
【0048】若しアルカリ金属またはアルカリ土類金属
を使用しないなら、上記の調製のプロセスのa)c)
d)およびe)のみを実施する。
【0049】本発明において少なくとも一つの白金族貴
金属の用法は、具体的例としては、アンモニア化合物の
使用の助けで行うことが出来る。
【0050】白金の場合、例えば、化学式Pt(N
3 6 4 のヘキサアンミン白金(IV)塩、化学式
(PtX(NH3 5 3 のハロゲノペンタアンミン白
金(IV)塩、化学式PtX4 (NH3 2 のテトラハロ
ゲノジアンミン白金(IV)塩、ハロゲノ−ポリケトンと
化学式H(Pt(aca)2 X)のハロゲン化合物との
白金錯塩を挙げることができる。ここで、Xは、塩素、
弗素、臭素および沃素から形成される群の中から選定さ
れたハロゲンであり、好ましくはXは塩素であり、ac
aは、アセチルアセトンの誘導体である化学式C5 7
2 残基を表わす。
【0051】白金族の貴金属の導入は、好ましくは、上
記に挙げた有機金属化合物の水または有機溶液の助けを
借りて、含浸により行なわれる。使用可能な有機溶剤と
しては、パラフィン系、ナフテン系および芳香族系炭化
水素、および例えば、1分子当り1〜12個の炭素原子
を有するハロゲン化有機化合物を挙げることが出来る。
例えば、n−ヘプタン、メチルクロロヘキサン、トルエ
ンおよびクロロホルムを挙げることが出来る。又、溶剤
の混合液を使用することも出来る。
【0052】白金族の貴金属の導入の後で、得られた生
成物は、場合によっては、乾燥され、続いて好ましく
は、400〜1000℃の温度でカ焼される。
【0053】このカ焼の後で、高温、例えば、300〜
500℃の間で、水素での還元に先立ち、少なくとも一
つの追加金属Mの導入が行なわれる。追加金属Mは、そ
の金属の錯体、特に金属Mのポリケトン錯体、およびア
ルキル金属、シクロアルキル金属、アリール金属、アル
キルアリール金属、アリールアルキル金属のような金属
炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも一つの有機
化合物の形で導入することが出来る。
【0054】金属Mの導入は、有利には、その金属の有
機金属化合物を有機溶剤中の溶液の助けを借りて行われ
る。同時に、金属Mの有機ハロゲン化合物を用いること
も出来る。金属Mの化合物として、Mが錫である場合
は、テトラブチル錫、Mが鉛である場合はテトラエチル
鉛、Mがインジウムである場合は、トリフェニルインジ
ウムを特に挙げることが出来る。
【0055】含浸の溶剤は、1分子当り6〜12個の炭
素原子を有するパラフィン系、ナフテン系、芳香族系の
炭化水素、および1分子当り1〜12個の炭素原子を有
するハロゲン有機化合物により構成される群から選定さ
れる。例えば、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサンお
よびクロロホルムを挙げることが出来る。同様に、上記
の溶剤の混合物を使用することも出来る。
【0056】上記のような調製プロセスを用いない場合
は、少なくとも一つの白金族の貴金属のを導入する前
に、少なくとも一つの追加金属Mを導入することが考え
られる。若し金属Mが貴金属の前に導入されるなら、使
用される金属Mの化合物は、一般的には、金属Mのハロ
ゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、炭酸塩および蓚
酸塩で構成される群の内から選定される。従って、この
導入は、水溶液中で有利に行なわれる。この場合、少な
くとも一つの貴金属の導入を進める前に、400〜10
00℃の温度の空気下で、カ焼が行われる。
【0057】N/MFIとマトリックスをベースとする
複合触媒は、好ましくは次のものを)含む: 1) マトリックスに対する重量: −マトリックスおよび/またはゼオライト、好ましくは
マトリックスに担持された、少なくとも一つ白金族貴金
属は、0.01〜2%、好ましくは0.1〜0.5%、 −マトリックスおよび/またはゼオライト、好ましくは
マトリックスに担持された追加金属Mは0.005〜2
%、追加金属が錫である場合には好ましくは錫0.01
〜0.5%、金属Mが錫でない場合は、ゲルマニウム、
インジウム、鉛、ガリウム、タリウム;銅、金、銀のよ
うなIb族金属;ニッケル、ルテニウム、鉄のようなVI
II族金属;およびクロム、モリブデン、タングステンの
ようなVI族金属から構成される群から選ばれる少なくと
も一つ金属0.005〜0.7%、好ましくは0.01
〜0.6%、触媒が少なくとも2つの追加金属を含む場
合は、選定された追加金属の総含有率は、0.02〜
1.20%、好ましくは0.02〜1.0%、更に好ま
しくは0.03〜0.80%である。
【0058】−弗素、塩素、臭素および沃素で構成され
る群から選定されたハロゲン元素、好ましくは塩素は、
0.1〜15%、好ましくは0.2〜10%、ハロゲン
は、マトリックスおよび/またはゼオライト、好ましく
はマトリックスに導入されている。
【0059】2) その結晶の外側表面がその合成の後
で改質されており、その骨組みの中に珪素と、アルミニ
ウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも一つ元素を
包んでいる、MFI構造のゼオライトは1〜99重量
%。
【0060】3) 場合によっては、マトリックスに対
する重量で: −アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から
選定された少なくとも一つの金属は0.01〜4%、好
ましくは0.1〜0.6%、この元素は、好ましくはマ
トリックス中に導入される。
【0061】4) 場合によっては、N/MFIに対す
る重量で: −ガリウムおよび亜鉛から構成される群から選定され
た、好ましくはガリウムの添加(ドープ)元素は0.0
1〜10重量%、好ましくは0.03〜4%、この元素
は、ゼオライトおよび/またはマトリックス、好ましく
はゼオライト中に導入される。 −付加されるべきアルカリ金属またはアルカリ土類金属
元素は、0.001〜6重量%、好ましくは0.005
〜3%、この元素は、好ましくはゼオライト中に導入さ
れる。
【0062】本発明によるプロセスにおいて、調製が終
った時、成型された触媒は、その結晶格子の外側表面
が、先に述べた技術による合成の後で改質されているゼ
オライトMFI、複数の金属、少なくとも一つのハロゲ
ン、およびマトリックスを含有する。それから350℃
〜1000℃の間、好ましくは400℃〜700℃の
間、更に好ましくは450℃〜600℃の間の温度の空
気下で、カ焼が行なわれる。その様にカ焼された触媒
は、高温、例えば、400℃〜700℃の間の水素下
で、活性化処理を有利に受けることが出来る。水素下で
の処理の手順は、例えば、水素流下で、通常300℃〜
500℃の間、好ましくは350℃〜450℃の間にあ
る、還元の最高温度までゆっくりとした上昇で、この温
度を、一般的には、1〜6時間の間、維持することから
成立っている。
【0063】先に述べた本発明の触媒は、1分子当り2
〜12個の炭素原子を有するアルカンの芳香族化のため
に、オレフィンの存在、または存在なしに使われる。こ
の芳香族系炭化水素の生成反応は、特別な利点の夢を見
せる。なぜなら、この反応は、一方では精製作業から出
てくる軽質留分を、より付加価値の高い生産物(ベンゼ
ン、トルエンおよびキシレン)に転換することにより、
軽質留分の価値を増大させ、他方では、オレフィンを含
有し得るパラフィン系仕込原料を、高いオクタン価の燃
料のベースに転換することを可能にするからである。更
に、2つのケースともに、例えば、水素化処理プロセス
に不可欠な水素の大量生産にも貢献する。
【0064】1分子当り2〜4個および/または5〜1
2個の炭素原子を有する炭化水素仕込原料は、本発明に
よる触媒と、400〜700℃の間の温度で接触させら
れる。
【0065】
【実施例】次に続く実施例は、本発明をその範囲を限定
することなく、註釈するものである。 [実施例1:0.38%の白金、0.30%の錫、およ
び1.0%の塩素を含有するアルミナの調製(触媒
A)]使用するアルミナは、210m2 /gの比表面
積、および0.51cm3 /gの多孔質容積を有する。
【0066】アルミナ支持体100gに対して500c
3 の塩酸水溶液を加える。3時間接触放置し、水分を
切り、100〜120℃で1時間乾燥する。
【0067】塩素を含む乾燥された生成物について、引
続き150cm3 の固形物に、ヘキサクロロ白金酸の水
溶液を加えて、白金の含浸を行う。この溶液の白金の濃
度は、2.7g/lに等しい。6時間接触放置し、10
0〜120℃で1時間乾燥し、続いて530℃で2時間
カ焼する。
【0068】塩素と白金を含むカ焼された生成物につい
て、錫の含浸を行う。テトラブチル錫の有機溶液を、ア
ルミナ支持体と、支持体100g当り100cm3 の溶
液の割合で、6時間接触させる。得られた固形物は、続
いて水分を切り、100〜120℃で1時間乾燥、続い
て、乾燥水素流下で、2時間、450℃で還元する。
【0069】アルミナは、そのようにして、重量で、
0.38%の白金、0.3%の錫、1.0%の塩素を含
む。
【0070】[実施例2:水素形態のゼオライトMFI
(触媒B)]水素形態のゼオライトH−MFIを使用す
る。これは、次のような合成が終了した時に得られる: −硝酸アンモニウムでの処理、 −空気下で550℃でのカ焼。
【0071】得られた固形物の特性は、Si/Al比は
27に等しく、ナトリウムの含有率は0.009重量%
に等しい。その77Kの窒素の吸収により測定された多
孔質容積は0.189cm3 /gである。結晶格子の単
位銷胞(セル)の容積は5341(1010m)3 であ
る。
【0072】[実施例3:ヘキサフロオロ珪酸アンモニ
ウムにより改質された水素形態のゼオライトMFIの調
製(触媒C)]このゼオライト試料は、乾燥された水素
形態のゼオライトH−MFI100gから調製される。
ゼオライトの質量は、450℃の乾燥空気下で、4時間
の乾燥の後で、測定される。このゼオライトは還流の硝
酸アンモニア水溶液の処理を通じて、アンモニア形(N
4 −MFIと記される)にされる。濾過の後で、固形
物は120℃で、恒温器で乾燥される。
【0073】この様にして得られたゼオライトNH4
MFIは、引続いて、80℃で、酢酸アンモニウムの水
溶液中に懸濁される。1.07グラムのヘキサフルオロ
珪酸アンモニウムを含む水溶液が、続いて、最初の質量
100gの乾燥ゼオライトに加えられる。攪拌下で、2
時間の接触の後、固形物は水で充分にすすがれる。
【0074】この操作は、連続的に5回繰返して行わ
れ、最後に、固形物は空気下で550℃でカ焼される。
【0075】得られた固形物(触媒C)の特性は、 −全体のSi/Alモル比は32に等しく、 −表面のSi/Alモル比は74に等しい。
【0076】この表面の比は、XPS(ESCA)によ
り測定され、ゼオライト結晶の外側表面の特性でもあ
る。従って主として、脱アルミニウムと珪素原子の再挿
入の段階があった。
【0077】[実施例4:混合の調製(触媒Dおよび
E)]触媒DとEは、触媒A、BおよびCから、混合に
より調製される。これらの混合は、次の割合で実施され
る: −触媒D=触媒A60g+触媒B40g −触媒E=触媒A60g+触媒C40g これらの混合の構成物の各々は、予め、準ミクロ単位の
粉砕に付される。混合の後、触媒DとEは、型取りによ
り成型される。
【0078】[実施例5:プロパンに対する触媒の性
能]前述した調整法の4つの触媒A、B、CおよびD、
および本発明による触媒Eも同様に、次の条件下で、プ
ロパンの転換についてテストされた: −温度:485℃ −圧力:1バール −PPH:1.5h−l テスト結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】従って、本発明による触媒Eは、比較の触
媒、特に触媒Dの選択性より明らかに高い芳香族生成物
の選択性をもたらすことが判る。
【0081】[実施例6:軽質ナフサに対する触媒の性
能]1分子当り5〜6個の炭素原子を有する炭化水素の
混合物から構成される仕込原料の転換を試みる。このた
めに、調製法を先に述べた触媒A、B、C、DおよびE
の1つの存在下で操作を行う。
【0082】これらの触媒は、その組成(重量%で表
す)が次の通りのC5 −C6 の仕込原料の転換について
テストされた:
【0083】操作条件は、次の通りである: −温度:475℃ −圧力:2.5バール −PPH:2h-1 テスト結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】従って、本発明による触媒Eは、比較の触
媒、特に触媒Dの選択性より明らかに高い芳香族生成物
の選択性をもたらすことが判る。
【0086】
【発明の効果】本発明の芳香族化用複合触媒は、2〜1
2個の炭素原子を有する炭化水素の芳香族化反応におけ
る触媒として、非常に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 35/095 6958−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 エリック ベナジ フランス国 モンテソン ブールヴァール ドゥ ラ レピュブリク 67 (72)発明者 ジャン マリー デーヴ フランス国 シャトゥー アヴニュー ク ロード モネ 3

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方では、MFI構造ゼオライトであっ
    て、その合成の後で、少なくとも一つのカチオンのフル
    オロ珪酸塩の稀薄溶液での少なくとも一つの処理によっ
    て改質され、前記ゼオライトがその骨組みの中に、珪素
    と、アルミニウムおよびガリウムからなる群から選ばれ
    る少なくとも一つの元素とを包んでいる、MFI構造ゼ
    オライト、および他方では、マトリックスを包む芳香族
    化用複合触媒であって、前記触媒は、さらに、 −白金族の少なくとも一つの貴金属と、 −錫、ゲルマニウム、インジウム、鉛、ガリウム、タリ
    ウム、銅、金、銀、ニッケル、ルテニウム、鉄、クロ
    ム、モリブデン、およびタングステンからなる群から選
    ばれる少なくとも一つの追加金属と、 −弗素、塩素、臭素、および沃素からなる群から選ばれ
    る少なくとも一つのハロゲン元素とを含んでいる、芳香
    族化用複合触媒。
  2. 【請求項2】 さらに、ガリウムおよび亜鉛からなる群
    から選ばれる一つの添加(ドープ)元素を包む、請求項
    1記載の複合触媒。
  3. 【請求項3】 前記添加元素がガリウムである、請求項
    2記載の複合触媒。
  4. 【請求項4】 添加元素の含有率が、ゼオライトに対し
    て重量で表わして、0.01〜10%である、請求項1
    または2項記載の複合触媒。
  5. 【請求項5】 プラチナ族の貴金属の含有率が、マトリ
    ックスに対して重量で表わして、0.01〜2%であ
    り、マトリックスに対して重さで表わした追加金属の含
    有率が、 −追加金属が錫の時は、0.005〜2%であり、 −追加金属が、他の追加金属から選ばれる時は、0.0
    05〜0.7%であり、少なくとも2つの追加金属が在
    る時には、追加金属の総含有率が、マトリックスに対し
    て重量で0.02〜1.20%であり、 ハロゲンの含有率は、マトリックスに対して重量で表わ
    して、0.1〜15%である、請求項1〜4項のうちの
    1項に記載の複合触媒。
  6. 【請求項6】 マトリックスが、さらに、アルカリ金属
    およびアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なく
    とも一つの金属を、0.01〜4重量%含有する、請求
    項1〜5項のうちの1項に記載の複合触媒。
  7. 【請求項7】 前記選ばれる金属が、リチウムまたはカ
    リウムである、請求項6記載の複合触媒。
  8. 【請求項8】 マトリックスがアルミナである、請求項
    1〜7項のうちの1項に記載の複合触媒。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7項のうちの1項に記載の複
    合触媒を、1分子当り2〜12個の炭素原子を有する化
    合物を含む炭化水素の仕込原料から芳香族炭化水素を生
    産するプロセスにおいて使用する方法。
JP6026619A 1993-02-24 1994-02-24 ハロゲン、貴金属及び少なくとも一つの追加金属を包む複合触媒、及び炭素原子数2〜12の炭化水素の芳香族化にその触媒を使用する方法 Withdrawn JPH07826A (ja)

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